JP3912997B2 - 空気予熱構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の空気予熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池発電システムのガスに関する概略構成の一例を図7に示す。ただし、図7では、ガスの予熱と熱交換に関する部分、及び、発電された電力の集電に関わる部分は省略している。
【0003】
図7を参照して、燃料電池発電システムは、ガス供給部であるヘッダ110と、発電部であるセルチューブ111とを具備する。ヘッダ110は、仕切板110a、底板110b、供給室110c、排出室110dを有する。また、セルチューブは、案内管112を有する。
【0004】
ヘッダ110の内部は、仕切板110aにより上下方向に区分けされ、上方が供給室110c、下方が排出室110dとして構成されている。ヘッダ110の底板110bには、セルチューブ111の上端側(一端側)が上記排出室110dとガスの出入りが出来るように連結され、支持されている。セルチューブ111の下端側(他端側)は、閉塞されている。セルチューブ111の内部には、案内管112が、同軸をなして挿入されている。案内管112は、その一端側(上端側)が、上記供給室110cとガスの出入りが出来るように、上記仕切板110aに連結され、支持されている。このようなセルチューブ111及び案内管112は、複数本存在し、ヘッダ110に連結され、支持されている。ここで、セルチューブ111は、多孔質の基体管の外周面に燃料電池薄膜を形成された燃焼電池を構成する円筒型セルチューブである。
【0005】
一方、図8を参照して、セルチューブ111の上端部には、筒状をなす集電キャップ113が取付けられている。集電キャップ113は、セルチューブ111の燃料電池と電気的に接続している。また、セルチューブ111の下端部には、シールキャップ114が取付けられ、セルチューブ111が閉塞されている。そして、案内管112から来たガスは、シールキャップ114で折り返し、案内管112の外部であってセルチューブ111の内部に流れる。
【0006】
このような構成をなす燃料電池では、供給室110c内に水素やメタンのような燃料ガス1を供給すると共に、セルチューブ111の外周面に沿って酸素や空気のような酸化剤ガス2を供給する。そうすると、燃料ガス1が各案内管112に対してばらつきの無い流量で流入して、案内管112の先端まで達する。しかる後、燃料ガス1は、セルチューブ111内のシールキャップ114により折り返し、セルチューブ111の他端側から一端側へ向かって流通する。そして、燃料ガス1と酸化剤ガス2がセルチューブ111の前記燃料電池薄膜で電気化学的に反応して電力を発生し、当該電力が集電キャップ113などを介して外部に取出される。
【0007】
発電に供された燃料ガス1の内、余った燃料ガスである使用済みの燃料ガス1は、セルチューブ111の上端と案内管112との隙間から、排出室110d内に送出された後、外部に排出される。一方、発電に供された使用済みの酸化剤ガス2は、図示しない排出管を介して外部に送出される。外部に排出されたそれぞれの排出ガスは、排ガス処理装置で処理され、系外へ排気される。
【0008】
上述のようなシステムにおいては、外部から図7に示す燃料電池にガスを供給する際、事前にある程度予熱しておく必要が有る。予熱には、システムの効率の面から、排出ガスからの熱交換を用い、不足分をヒーターなどの熱源による加熱で賄うことが多い。熱交換においては、燃料ガス1及び酸化剤ガス2の排出ガス2排出経路中に、熱交換のための設備機器・配管を設けることで行なう。その為、その設備費がコスト増となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、燃料電池のガスの供給に際して、外部の高温用の予熱器や熱交換器を使用せずにガスの温度を上げることが可能な燃料電池の空気予熱構造を提供することである。
【0010】
また、別の目的としては、燃料電池の内部において発生する熱を、燃料電池内部での効率的な熱交換により有効に利用することが可能な燃料電池の空気予熱構造を提供することである。
【0011】
更に、別の目的としては、燃料電池の規模を考慮する必要のない熱交換部を有する燃料電池の空気予熱構造を提供することである。
【0012】
更に、別の目的としては、燃料ガスの内部改質を行なう際の熱供給を、燃料電池内部での熱交換により賄うことが可能な燃料電池の空気予熱構造を提供することである。
【0013】
更に別の目的は、ガスシール部分の温度低下により、シール部及びその周辺において材料選択の幅を広げることが可能な燃料電池の空気予熱構造を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本課題を解決するための手段の項における、図番号、符号は、特許請求の範囲と発明の実施の形態との対応を示すために記したものであり、特許請求の範囲の解釈に用いてはならない。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の空気予熱構造は、容器内に設けられ、燃料ガス(図1、1)を供給する第1供給室(図1、8)と、前記容器内に前記第1供給室(図1、8)から離れて設けられ、前記燃料ガス(図1、1)を排出する排出室(図1、9)と、前記容器内に前記第1供給室(図1、8)と前記排出室(図1、9)との間に隔離されて設けられ、酸化剤ガス(図1、2)を供給する第2供給室(図1、4)と、基体管の外面に燃料電池を形成した燃料電池セルチューブ(図1、3)とを具備する。そして、前記燃料電池セルチューブ(図1、3)の一端部である第1端部は、前記第1供給室(図1、8)に開放されて接合され、前記燃料電池セルチューブ(図1、3)の他端部である第2端部は、前記排出室(図1、9)に開放されて接合されている。そして、前記第1端部の近傍において、前記燃料電池セルチューブ(図1、3)の内側の前記燃料ガス(図1、1)と前記燃料電池セルチューブ(図1、3)の外側の前記酸化剤ガス(図1、2)とが、前記燃料電池セルチューブ(図1、3)を介して熱交換を行なう。
【0016】
また、本発明の空気予熱構造は、前記第2端部の近傍において、前記燃料電池セルチューブ(図1、3)の内側の前記燃料ガス(図1、1)と前記燃料電池セルチューブ(図1、3)の外側の前記酸化剤ガス(図1、2)とが、前記燃料電池セルチューブ(図1、3)を介して熱交換を行なう。
【0017】
また、本発明の空気予熱構造は、前記燃料ガス(図1、1)と前記酸化剤ガス(図1、2)とが反対方向に流れる。
【0018】
更に、本発明の空気予熱構造は、前記第2供給室(図1、4)の前記排出室(図1、9)側に、供給される前記酸化剤ガス(図1、2)の流路を制限するように設けられた第1支持体(図1、10−2)と、前記第2供給室(図1、4)の前記第1供給室(図1、8)側に、排出される前記酸化剤ガス(図1、2)の流路を制限するように設けられた第2支持体(図1、10−1)とを更に具備する。そして、供給された前記酸化剤ガス(図1、2)が、前記第1支持体(図1、10−2)と前記排出室(図1、9)の前記第2供給室(図1、4)側の仕切板である第1管板(図1、7)とで形成される空間中を移動し、前記第2端部近傍から前記第1端部近傍まで、前記燃料電池セルチューブ(図1、3)に沿って進み、前記第2支持体(図1、10−1)と前記第1供給室(図1、8)の前記第2供給室(図1、4)側の仕切板である第2管板(図1、6)とで形成される空間中を移動し、排出される。
【0019】
更に、本発明の空気予熱構造は、前記第1端部から前記第2端部へ伸びるように前記燃料電池セルチューブの内壁側に形成された前記燃料ガス(図1、1)を改質する触媒(図1、11)を更に具備する。
【0020】
更に、本発明の空気予熱構造は、前記第1供給室(図1、8)は、前記燃料ガス(図1、1)を供給するガス供給口(図1、8−1)を具備し、前記排出室(図1、9)は、前記燃料ガス(図1、1)を排出するガス排出口(図1、9−1)を具備する。そして、前記燃料ガス(図1、1)は、前記ガス供給口(図1、8−1)から前記第1供給室(図1、8)に供給され、前記燃料電池セルチューブ(図1、3)において、発電に寄与し、前記排出室(図1、9)に入り、前記ガス排出口(図1、9−1)から排出される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明である空気予熱構造の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
本実施例において、筒型のうち円筒型の燃料電池の内部改質用の触媒の設置に関して例を示して説明するが、他の筒型構造を有する燃料電池にも適用が可能である。なお、各実施の形態において同一又は相当部分には同一の符号を付して説明する。
【0022】
図1は、本発明である空気予熱構造の一実施の形態の構成を示す図(断面図)である。燃料電池は、燃料電池セルチューブとしてのセルチューブ3、酸化剤ガス供給口4−2及び酸化剤ガス排出口4−1を有する第2供給室としての酸化剤供給室4、断熱材5、第2管板としての管板A6、第1管板としての管板B7、ガス供給口8−1を有する第1供給室としての供給室8、ガス排出口9−1を有する排出室9、第2支持体としての支持体A10−1と第1支持体としての支持体B10−2である支持体10、内部改質部11からなる。なお、図1の構成は、図示しない断熱及びガスリークの安全性を考慮した容器内に設置されている。また、本図面においては、集電に関する構成について、省略している。
【0023】
また、図2は、本発明である空気予熱構造の実施の一形態の構成に関わる燃料電池部分の詳細を示す図である。燃料電池セル13と燃料電池セルを複数個有する発電領域である発電部14とを有するセルチューブ3、断熱材5、管板A6、管板B7、支持体A10−1と支持体B10−2である支持体10、内部改質部11からなる。なお、本図面においては、集電に関する構成について、省略している。
【0024】
本実施例では、燃料電池が横置きである。すなわち、燃料電池セル13が形成された燃料電池セルチューブとしてのセルチューブ3は横置きであり、支持体10又は管板A6及び管板B7によって、2点で支持されている。そして、供給室8側の管板A6及び排出室9側の管板B7の2点でガスシールされている。すなわち、2点でセルチューブ3を支持し、シールを行なっている。
【0025】
燃料ガス1は、ガス供給口8−1から供給室8に供給され、そこからセルチューブ3に進入する。そして、セルチューブ3の内側を一方向へ進み、排出室9に達し、ガス排出口9−1から排出される。燃料ガス1の流れは、セルチューブに沿った一方向(ワンスルー)であり、案内管は必要ない。また、酸化剤ガス2は、酸化剤ガス供給口4−2より酸化剤供給室4へ進入後、セルチューブ3の外側をセルチューブに沿って一方向(ただし燃料ガス1とは正反対の方向)へ進み、酸化剤ガス排出口4−1より酸化剤供給室4から排出される。燃料ガス1及び酸化剤ガス2は、共にセルチューブに沿って一方向に流れるが、流れの方向が互いに向い合った対向流である。そして、その際、セルチューブ3を介して、燃料ガス1と酸化剤ガス2を利用してセルチューブ3上の燃料電池セル13が発電を行なう。それと共に、燃料ガス1と酸化剤ガス2とがセルチューブ3を介して熱交換を行なう。
【0026】
つまり、横置き、2点支持(2点ガスシール)、案内管が不用、燃料ガス及び酸化剤ガスの流れが一方向、燃料ガスと酸化剤ガスとが対向流、という点が、従来例(図7、図8)と異なる。
従って、振動や衝撃に強く、部品点数も減らすことが可能となり、構造的な安定性が向上する。また、ガスが対向流で、効率的な熱交換が可能となり、熱効率が向上する。
【0027】
以下に各構成を詳細に説明する。
まず、図1、図6を参照して、空気予熱構造の構成について説明する。
【0028】
燃料電池セルチューブとしてのセルチューブ3は、多孔質セラミックスの基体管の外周面に燃料電池セル13を形成された、燃料電池を構成する円筒型の管である。セルチューブ3は、第1端部としての一端部を供給室8(後述)に、第2端部としての他端部を排出室9(後述)に嵌合され、支持されている。そして、一端側が供給室8(後述)と、他端側が排出室9(後述)とガスの出入りが出来るように開放されている。内部に、従来例にある案内管を含んでいない。材質は、ジルコニアである。
セルチューブ3の長手方向の一定の幅毎に、外周面上に燃料極、電解質、空気極が順に積層(図示せず)され、燃料電池セル13(後述)を形成している。それぞれの燃料電池セル13同士は、インターコネクタ膜(図示せず)で接合されている。燃料ガス1が、セルチューブ3の一端より内部改質部11(後述)を介して、セルチューブ3の内部に供給され、基体管の厚み方向に孔中を拡散し燃料極に達し、セルチューブ3の外側を流れる酸化剤ガス2と共に発電に寄与する。
【0029】
内部改質部11は、セルチューブ3の一端側の内部にあり、燃料ガス1の水蒸気改質を行なう改質部である。セルチューブ3の一端部又は管板Aのある位置から、外側に支持体A10−1の管板B7の側の側面がある位置までのセルチューブ3の内部に、水蒸気改質用の触媒(改質触媒)がある。セルチューブ3の入口からその途中までの内部改質部11において、燃料ガス1が水蒸気と共に水蒸気改質反応され、水素を主成分とする改質された燃料ガス1となる。
【0030】
形状は本実施例では、セルチューブ3と同軸をなしセルチューブ3の内壁に接する円柱状である。円柱の内部は、ハニカム状(ハニカムの各壁面は多孔質)、あるいは、多孔質状であり、表面積が高い構造である。そして、それらの高表面積である担体(アルミナ、シリカ、マグネシア、ジルコニアなど)に担持金属(Ni、Ru、Rhなど)が担持されている。外径はセルチューブ3の内径程度である。ただし、内部改質部11の外径は、セルチューブ3と内部改質部11の熱膨張係数の差を考慮し、内部改質部11の曝される最高温度においても、セルチューブ3に無理な力がかからない外径とする。
なお、内部改質部11の形状は、この形状に限定されるものではなく、例えば、多孔質の円筒型や、多孔質の粒子状の触媒を利用することも可能である。触媒の保持はニッケルなどの金属製のフエルトなどを用いる。
【0031】
第1供給室としての供給室8は、セルチューブ3の一端部にあり、中空の直方体や円柱状等の形をしているガス分配室である。本実施例では、直方体である。燃料ガス1(後述)の供給を受けるためのガス供給口8−1を有する。内部にガスの流れを整える整流板のような機構(図示せず)が付属している場合も有る。一方の面は管板A6(後述)であり、供給室8と酸化剤供給室4とを隔てている。セルチューブ3が取付けられている。セルチューブ3は、供給室8に入った燃料ガス1がセルチューブ3へ供給されるように管板A6と連結、接合している。複数存在する各セルチューブ3へ、均等に燃料ガス1を供給する、ステンレスや耐熱合金などの金属製の室である。
【0032】
排出室9は、セルチューブ3の他端部にあり、中空の直方体や円柱状等の形をしているガス分配室である。本実施例では、直方体である。使用済みの燃料ガス1(後述)の排出を行なうためのガス排出口9−1を有する。内部にガスの流れを整える整流板のような機構(図示せず)が付属している場合も有る。一方の面は管板B7(後述)であり、排出室9と酸化剤供給室4とを隔てている。セルチューブ3が取付けられている。セルチューブ3は、セルチューブ3から排出される使用済み燃料ガス1を収集可能なように管板B7と連結、接合している。ステンレスや耐熱合金などの金属製の室である。
【0033】
第2供給室としての酸化剤供給室4は、供給室8(の管板A6)と排出室9(の管板B7)との間にあり、それらと隔離され、セルチューブ3を含んでいる。セルチューブ3に酸化剤ガスを供給する室である。酸化剤ガス2(後述)の供給を受けるための酸化剤ガス供給口4−2及び使用済みの酸化剤ガス2の排出を行なうための酸化剤ガス排出口4−1を有する。管板A6及び管板B7の近傍の内部に、支持体10(支持体A10−1及び支持体B10−2)を固定している。ステンレスや耐熱合金などの金属製の室である。
酸化剤ガス2は、酸化剤ガス供給口4−2から酸化剤供給室4に入り、支持体B10−2と管板B7とで形成された空間(隙間)を進む。そして、セルチューブ3と支持体B10−2との隙間から、セルチューブ3の外周面に沿って、支持体A10−1側へ進む。そして、セルチューブ3と支持体A10−1との隙間から、支持体A10−1と管板A6(断熱材5を含む)とで形成された空間(隙間)を進み、酸化剤ガス排出口4−1から排出される。
【0034】
第2管板としての管板A6は、供給室8の一方の面の板であり、セルチューブ3を接続するための孔が(セルチューブ3の数だけ)開口している。セルチューブ3と、セルチューブ3の一端部でガスの出入りが出来るように連結し、開放されて接合している。接合部分は、管板A6とセルチューブ3との隙間からガスをリークさせないために、応力などによる位置ずれや振動や衝撃を吸収することが可能なように、薄い金属製の板のような柔軟性のある部材を使用する。その際、酸化雰囲気でもあることから、ステンレスや耐熱合金などの耐酸化性の部材を使用する。セルチューブ3と管板A6との接合部であるセル接合部6−1では、セルチューブ3を支持する役割もある。必要に応じて、ガスタイト性を確保するために、充填剤を用いて、リークを完全に抑えるようにする。
【0035】
図6(a)に、管板A6の正面図(図1において供給室8側又は排出室9側から見た図)を示す。図1は、断面図であるので、管板A6が小さく区切られて見えるが、図6に示すように一体の部材である。図6(a)にあるように、管板A6は縦3個×横3個の合計9個のセルチューブ3用の孔(セル接合部6−1)が開口している。すなわち、本実施例の燃料電池は、縦3本×横3本の合計9本のセルチューブ3を有する。ただし、本発明における燃料電池のセルチューブ3の本数が、9本に限定されるものではない。
また、管板A6の酸化剤供給室4側は、断熱材5(後述)を取付けている。詳細は後述する。
【0036】
第1管板としての管板B7は、排出室9の一方の面の板であり、セルチューブ3を接続するための孔が(セルチューブ3の数だけ)開口している。セルチューブ3と、セルチューブ3の他端部でガスの出入りが出来るように連結し、開放されて接合している。接合部分は、管板B7とセルチューブ3との隙間からガスをリークさせないために、応力などによる位置ずれや振動や衝撃を吸収することが可能なように、薄い金属製の板のような柔軟性のある部材を使用する。その際、酸化雰囲気でもあることから、ステンレスや耐熱合金などの耐酸化性の部材を使用する。セルチューブ3と管板B7との接合部であるセル接合部7−1では、セルチューブ3を支持する役割もある。必要に応じて、ガスタイト性を確保するために、充填剤を用いて、リークを完全に抑えるようにする。なお、管板B7の正面図は、管板A6の図6(a)と同様であるので、省略する。
【0037】
断熱材5は、管板A6の酸化剤供給室4側に取付けられた断熱材である。セルチューブ3上の発電部14を通過し、高温となった酸化剤ガス2から、管板A6及び管板A6とセルチューブ3との接合部を保護するためである。そして、管板A6と支持体A10−1と共に使用済みの酸化剤ガス2を酸化剤ガス排出口4−1へ導く。
【0038】
支持体10は、管板A6及び管板B7の近傍であって、供給室8及び排出室9の外側の酸化剤供給室4内に固定されている。管板A6側が、第2支持体としての支持体A10−1であり、管板B7側が、第1支持体としての支持体B10−2である。そして、セルチューブ3上の両端部の近傍において、管板と共に酸化剤ガス2の流路を形成し、その流路を制限している。そして、セルチューブ3をその下方部分において支持している。また、セルチューブ3の発電部14側の熱を遮断し、管板A6及び管板B7、あるいは、セルチューブ3と管板A6又は管板B7との接合部であるガスシール部分について、熱的に保護する。材料としては、多孔質シリカ、多孔質アルミナ、シリカ、アルミナ、マグネシアなどを主成分とする多孔体などである。
【0039】
図6(b)に、支持体10(支持体A10−1及び支持体B10−2)の正面図(図1において供給室8側又は排出室9側から見た図)を示す。図1は、断面図であるので、支持体10が小さく区切られて見えるが、図6に示すように一体の部材である。図6(b)にあるように、支持体10は縦3個×横3個の合計9個のセルチューブ3用の孔(セル支持部10−3)が開口している。
また、セル支持部10−3の直径は、セルチューブ3、セル接合部6−1及びセル接合部7−1の直径よりもやや大きい。セルチューブ3とセル支持部10−3との隙間を酸化剤ガス2が通過するためである。それと同時に、熱などによるセルチューブ3のずれ、セルチューブ3の受ける振動及び衝撃に関する予測に基づいて、セルチューブ3に無理な力がかからないためでもある。ただし、本発明における燃料電池のセルチューブ3の本数が、9本に限定されるものではない。
【0040】
なお、燃料ガス1は、水素、メタン、あるいは、プロパン等の有機炭化水素のガス又はその改質ガスと水蒸気との混合ガスである。
また、酸化剤ガス2は、酸素、空気、あるいはそれらを含む混合ガスである。
【0041】
次に、図2を参照して、セルチューブ3の周辺部分について説明する。図2は、図1のセルチューブ3の1本分について拡大した図である。本図面においては、集電に関する構成について、省略している。
燃料電池セル13は、セルチューブ3の外周面上に燃料極、電解質、空気極が順に積層(図示せず)された燃料電池のセルである。それぞれの燃料電池セル13同士は、インターコネクタ膜(図示せず)で直列に接合されている。セルチューブ3の内側から拡散してくる改質された燃料ガス1と、セルチューブの外側から供給される酸化剤ガス2とにより、発電が行なわれる。
【0042】
発電部14は、燃料電池セル13を複数個有するセルチューブ3上の発電領域である。本実施例では、18個の燃料電池セル13が直列接続したものである。燃料電池運転時には、燃料電池セル13の発電に伴い、発熱し高温になっている。
【0043】
断熱材5、管板A6、管板B7、支持体A10−1と支持体B10−2である支持体10、内部改質部11については、上述の図1における説明の通りなので、その説明を省略する。なお、充填材12については、後述する。
【0044】
次に、図4を参照して、供給室8側のセルチューブ3と管板A6との接合部周辺について説明する。
図4は、図2のセルチューブ3の供給室8との接合部付近を拡大した図であり、燃料電池セル13、その集合体である発電部14、集電部A15a、リード膜17及び基体管18を有するセルチューブ3と、充填材12と、断熱材5と、セル接合部6−1を有する管板A6と、支持体A10−1、内部改質部11とから成る。
【0045】
管板A6は、セルチューブ3を通す孔の部分が、ガスシールを行なうガス接合部6−1を形成する。管板A6のセルチューブ3を通す孔の直径を、セルチューブ3の直径より、やや小さくする。すなわち、図4で示すように管板A6の孔部にセルチューブ3を通した時、管板A6の孔部の内周部分が、セルチューブ3を通した方向に内側に変形し、セルチューブ3の外周部と管板A6の孔部の内周部分が密着する程度である。セルチューブ3を通すに当たっては、深絞り加工などのプレスにより事前に通し易くしておく。管板A6の孔部の内周部分は、セルチューブ3と密接する際、酸化剤供給室4側への湾曲に伴う管板A6の孔部の内周部分の弾性力により密着し、ガスシール性を発揮する。それと同時に、管板A6は、ステンレスなどの薄い金属の板を使用しているので、その弾性力により可動性、振動及び衝撃吸収性が発揮される。すなわち、管板A6(薄い金属板)は、その伸縮自在性により、上下方向に可動である他、前後左右の横方向や、斜め上下方向にもある程度の範囲まで可動である。
管板A6の他の部分は図1で示した管板A6と同一であるのでその説明は省略する。
【0046】
充填材12は、セルチューブ3と管板A6の孔部とが接触する付近の隙間がある可能性がある領域に充填されるガスシール材である。その隙間を埋め、供給室8の燃料ガス1と、酸化剤供給室4の酸化剤ガス2との間をガスシールする。セルチューブ3を管板A6に通す時にグランドパッキンを施工しておく方法や、その周辺の最高使用温度に合わせてハンダを行なう方法、最高使用温度がそれほど高く無い場合に樹脂などを埋め込む方法などが使用できる。
【0047】
支持体10がセルチューブ3を支持している個所であるセル支持部10−3に隙間があるのは、セル支持部10−3の直径が、酸化剤ガス2を通過させるため及びセルチューブ3の位置のずれを許容できるようにするためである。その場合、セルチューブ3の支持は、基本的には管板A6のセル接合部6−1で行なう。そして、その補助として、支持体10において、支持することも可能である。例えば、セルチューブ3から見て鉛直下側のセル支持部10−3の面に、酸化剤ガス2の通過の大きな妨げにならない部材を入れる。部材の例としては、ガラスウールや石綿のような耐熱性で変形容易な(あるいは弾性体のような性質を持つ)材料をその隙間に埋め込む、気孔率の高いセラミックス多孔体や発泡体を適切な形状に成形して入れ込むなどで実施可能である。断熱材10のその他の詳細は図1及び図2における説明の通りであるので省略する。
【0048】
集電部A15aは、発電部14で発電された電力を取り出すための端子を取付ける部分である。本実施例(図面中)では、省略している。電力の取出しは、この集電部A15aと排出室9側の集電部B15b(後述)とにより行なう。例えば、集電部A15aについては、そこに取り付けた端子から金属線を取り付けて引き出し、供給室8の壁面から絶縁体を介して(供給室8と接触しないようにして)外部へ延ばす。そして、集電部B15bについても同様にすることにより、それらから電力を取出す。
【0049】
基体管18は、燃料電池セルチューブの外管としてのセルチューブ3の燃料電池セル13や、発電部14、集電部A15a、リード膜17(後述)などが形成される前の基板となる基体管である。セラミックス製の多孔質である筒型の管である。内部を流れる燃料ガス1が、側面(壁面)を径方向に拡散し、基体管18の外周部に形成された燃料電池セル13に達することが可能である。
【0050】
リード膜17は、複数の燃料電池セル13で発電した直流電力の一方の極を集電部A15a(又は集電部B15b)へ引き出すためのリード線の役割をする膜である。膜保護のため、上部に保護膜(金属の酸化物などの気密絶縁膜)が積層されている。基体管18の外周部の燃料電池セル13のうち、最も一端部寄りの燃料電池セル13の空気極26(図示せず)と接続している。そして、リード膜17は、その燃料電池セル13から基体管18の外周部をその一端部まで延びている。周方向の幅は、発電する電力の大きさとそのリード膜17の厚みにより、抵抗が充分低くなるように、発電基体管全面であっても、ある特定の幅であってもよい。
【0051】
燃料電池セル13、その集合体である発電部14、セルチューブ3、断熱材5、内部改質部11については、図1及び図2に記した通りであるのでその説明を省略する。
【0052】
次に、図5を参照して、排出室9側のセルチューブ3と管板B7との接合部周辺について説明する。
燃料電池セル13、その集合体である発電部14、集電部B15b、リード膜17及び基体管18を有するセルチューブ3と、充填材12と、セル接合部7−1を有する管板B7と、支持体B10−2とから成る。
【0053】
図5に関わる各部の構成に付いては、管板が第1管板としての「管板B7を用いており、断熱材5を用いてない(セル接合部7−1では、それほど温度の高くない酸化剤ガス2がフローしているため)点が図4と異なるが、その他の構成は図4と同様であるので、その説明は省略する。
【0054】
では、本発明である空気予熱構造の実施の一形態の動作に関して、図面を参照して説明する。
図1及び図2を参照して、このような構成をなす燃料電池において、供給室8内にメタンやプロパンのような有機系の燃料ガス1が水蒸気と共にガス供給口8−1から供給される。燃料ガス1は、セルチューブ3の一端部から、ばらつきの無い流量で流入する。セルチューブ3の一端部近傍には、内部改質部11があり、燃料ガス1は、そこにおいて、触媒により水蒸気改質され、水素を主成分とする改質された燃料ガス1となる。そして、セルチューブ3内を排出室9側へ向けて流れる。
【0055】
改質された燃料ガス1の、内部改質部11の出口での組成(出口ガス組成)は、例えば、改質条件として水蒸気/炭素〜4、圧力〜1気圧、温度〜750℃のとき、およそ水素(H)/水蒸気(HO)/一酸化炭素(CO)/二酸化炭素(CO)=56/30/8/6程度である。出口ガス組成は、水蒸気/炭素、圧力、温度により、ほぼ一義的に定まる。
【0056】
一方、酸化剤ガス2は、酸化剤ガス供給口4−2から酸化剤供給室4に供給される。そして、支持体B10−2と管板B7とに挟まれ形成された領域を管板B7に沿って移動する。そして、各セルチューブ3に達すると、酸化剤ガス2の一部は支持体B10−2とセルチューブ3の外周部との間の空間に入り、概ねセルチューブ3の外周部に沿って、供給室8の方向へ移動する。
【0057】
改質された燃料ガス1は、出口ガス組成でセルチューブ3を進み、セルチューブ3の発電部14において、その壁面(側面)内部へ壁面の外側に向かって拡散し、燃料電池セル13の燃料極であるアノードに達する。一方、酸化剤ガス2は、セルチューブ3の外周面に沿って進み、セルチューブ3の発電部14において、燃料電池セル13の空気極であるカソード側に達する。そして、燃料電池セル13において、改質された燃料ガス1と酸化剤ガス2との電気化学的反応により、発電が行なわれ、電力が発生する。
【0058】
発電の際、燃料電池セル13では、その特性に基づいた、ある大きさの電力が発生すると共に、電気エネルギーに変換されなかったエネルギーが熱エネルギーとなって放出される。熱エネルギーの原因としては、抵抗分極(電極、電解質、セパレータ等に関する電気抵抗損)、活性化分極(電極反応に関わる活性化エネルギー)、拡散分極(ガス濃度分布に関わる拡散のエネルギー)等である。その発熱のエネルギーは、燃料電池セル13及びその近傍の温度を、燃料電池セル13の動作温度である900℃〜1000℃に維持するのに用いられる。
【0059】
また、発電が続けば発熱により温度が更に高温になるが、供給する燃料ガス1及び酸化剤ガス2が熱量(熱エネルギー)を持ち去る。従って、燃料ガス1及び酸化剤ガス2の流量及び発電量を適切にすることで、動作温度を一定の範囲に抑えることが可能である。その場合、燃料ガス1及び酸化剤ガス2の温度は高温になるため、その熱を無駄にしないため、通常、燃料電池の外部で熱交換を行なうのが普通である。
【0060】
ここで、改質された燃料ガス1を得るための水蒸気改質反応は、著しい吸熱反応である為、その反応を維持する為には熱エネルギーを供給しつづける必要がある。従って、上記の発電に伴って発生する熱を、水蒸気改質反応を維持するための熱エネルギーとして利用することにより、反応を維持しつづけることが可能となる。
【0061】
そのガスの熱交換について、図3を参照して説明する。
まず、燃料ガス1に関して説明する。
図3(a)は、セルチューブ3を表している。斜線の部分は、燃料電池セル13を表している。また、この図は、図1及び図2に対応しており、図3の右側が供給室8側であり、左側が排出室9側である。燃料ガス1は、図の右側からセルチューブ3に入り、左側から出て、酸化剤ガス2は、図の左側から右側へセルチューブ3の外周部に沿って流れる。
【0062】
図3(b)は、図3(a)で示すセルチューブ3における燃料ガス1の温度分布を示すグラフである。縦軸は燃料ガス1の温度であり、横軸は、図3(a)で示すセルチューブ3での位置である。ガス供給口8−1から入った燃料ガス1は、供給室8内のセルチューブ3の一端部に達する。供給室8の燃料ガス1は、グラフ(矢印)で示すように、セルチューブ3の一端部(右側)から少し予熱され約200℃の温度で、セルチューブ3に入る。
【0063】
▲1▼の領域において、燃料ガス1は、セルチューブ3の外周部を対向して流れる酸化剤ガス2の熱量を、セルチューブ3の側面(壁面)を介して受け取り、温度を上昇させていく。この時、燃料ガス1は、内部改質部11において水蒸気改質されるが、その時の吸熱反応に必要な熱量も、酸化剤ガス2との熱交換により賄われる。改質された燃料ガス1は、水蒸気改質反応後も酸化剤ガス2と熱交換を続け、発電部14に達するまでに、約950℃になっている。
【0064】
▲2▼の領域において、改質された燃料ガス1は、発電部14の燃料電池セル13に供給され、発電に寄与する。その際、燃料電池セル13は発熱するが、その熱は、セルチューブ3の外周部を流れる酸化剤ガス2により持ち去られるので、燃料電池セル13の温度は900℃〜1000℃に保持される。そして、燃料ガス1も、温度が上昇しない。改質された燃料ガス1のうち、発電に用いられなかった燃料ガス1及び及び発電により発生した水蒸気は、発電部14の燃料ガス1にとっての終端部に達する。
【0065】
▲3▼の領域において、使用済みの改質された燃料ガス1は、セルチューブ3の外周部を対向して流れる酸化剤ガス2へ熱量を、セルチューブ3の側面(壁面)を介して放出し、温度を下降させていく。そして、セルチューブ3の排出室9側の他端部(左側)から約250℃で、排出室9へ出る。
その後、排出室9からガス排出口9−1へ達して排出する。
以上が、燃料ガス1の温度変化である。
【0066】
次に、酸化剤ガス2に関して説明する。
図3(c)は、図3(a)で示すセルチューブ3における酸化剤ガス2の温度分布を示すグラフである。縦軸は酸化剤ガス2の温度であり、横軸は、図3(a)で示すセルチューブ3での位置である。酸化剤ガス供給口4−2から酸化剤供給室4に入った酸化剤ガス2は、支持体B10−2と管板B7とで形成される空間を進み、排出室9側のセルチューブ3に達する。排出室9側の酸化剤ガス2は、グラフ(矢印)で示すように、セルチューブ3の外周部を、その排出室9側の他端部(左側)から約50℃の温度で進む。
【0067】
▲4▼の領域において、酸化剤ガス2は、セルチューブ3の内部を対向して流れる燃料ガス1の熱量を、セルチューブ3の側面(壁面)を介して受け取り、温度を上昇させていく。酸化剤ガス2は、燃料ガス1と熱交換を続け、発電部14に達するまでに、約350℃になっている。
【0068】
▲5▼の領域において、酸化剤ガス2は、発電部14の燃料電池セル13に供給され、発電に寄与する。発電に寄与する酸化剤ガス2は、燃料電池セル13の表面で900℃に熱せられる。発電の際、燃料電池セル13は発熱するが、その熱は、酸化剤ガス2により持ち去られるので、燃料電池セル13の温度は900℃〜1000℃に保持される。また、酸化剤ガス2は、燃料電池セル13から発電によって生じた熱量を奪いながら温度を上昇させていく。そして、発電に用いられなかった酸化剤ガス2は、発電部14の酸化剤ガス2にとっての終端部に達する。その時点で、酸化剤ガス2の温度は、約910℃となっている。
【0069】
▲6▼の領域において、酸化剤ガス2は、セルチューブ3の内側を対向して流れる燃料ガス1へ熱量を、セルチューブ3の側面(壁面)を介して放出し、温度を下降させていく。そして、セルチューブ3の外周部の供給室8側の一端部(右側)から約350℃で排出される。
その後、支持体A10−1と管板A6(断熱材5を含む)との空間を進み、酸化剤ガス排出口4−1から排出される。
以上が、酸化剤ガス2の温度変化である。
【0070】
なお、使用済みの燃料ガス1(改質された燃料ガス1)は、セルチューブ3の他端部に達し、そこから排出室9へ移動する。そして、排出室9に入った燃料ガス1は、ガス排出口9−1か排出される。一方、使用済みの酸化剤ガス2は、セルチューブ3の概ね外周部に沿って進み、供給室8の近傍で支持体A10−1とセルチューブ3とに挟まれ形成された領域に進入する。そして、そこから支持体A10−1と管板A6(断熱材5を含む)とに挟まれて形成された空間に沿って移動する。そして、酸化剤供給室4の酸化剤ガス排出口4−1から外部へ排出される。
【0071】
以上のプロセスにより、燃料電池13で発電の際に発生する熱量を有効利用して、高温用の熱交換器を用いることなく燃料ガス1及び酸化剤ガス2を予熱することが可能となる。すなわち、高温用熱交換器を設置する必要がなくなる。そして、発電に伴い発生している熱を発生直後にその近傍で利用するので、極めて熱効率が高く、熱エネルギーのロスを少なくすることができる。また、発電により発生する熱を効率良く逃がすため、発電部14の熱的な安定性が高まり、信頼性が向上する。加えて、セルチューブ1本毎に熱交換を行なっているので、発電規模に合わせた熱交換部を考慮する必要が無い。
【0072】
また、本発明により、セルチューブ3の両端部での燃料ガス1及び酸化剤ガス2の温度が、約350℃以下に保てるので、セルチューブ3と管板A6及び管板B7との接合部でのガスシールの信頼性が向上するほか、ガスシールのための材料選択の幅を広げることが可能となる。加えて、各ガス排出口での排ガス温度を低く出来、大きな熱交換器が不要となる。
【0073】
更に、外部改質部が無くても、内部改質部11により燃料電池の良好な運転が可能となる。すなわち、発電に伴い発生している熱を有効利用して改質反応を行なうので極めて熱効率が良く熱エネルギーのロスが少なく、また、セルチューブ1本毎に改質部を設けるため改質部について考慮する必要が無い、燃料ガスの温度が上昇する過程で触媒で処理されるためコーキングが起こらない、というような効果をもたらす。
【0074】
加えて、ガスは、一方向に流れるだけで良いので、案内管12を用いる必要が無く、セルチューブ3及びその周辺部分の構造を簡単にすることが出来る。すなわち、部品点数を減らすことが出来、コストの削減につながる。加えて、部品点数が減ることにより、部品相互で拘束し合う関係が減少する為、設計の自由度の向上や部品の破損等の問題が減り、全体としての信頼性の向上にもつながる。
【0075】
【発明の効果】
本発明により、燃料電池のガスの供給に際して、外部の高温の予熱器や熱交換器を使用せずにガスの温度を上げることでき、燃料電池の内部において発生する熱を、燃料電池内部での効率的な熱交換により有効に利用することが可能となる。
【0076】
また、本発明により、燃料電池の規模を考慮する必要のない熱交換を有し、燃料ガスの内部改質を行なう際の熱供給を、燃料電池内部での熱交換により賄うことが可能な燃料電池を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である空気予熱構造の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】本発明である空気予熱構造の実施の形態の詳細な構成を示す図である。
【図3】(a)本発明である空気予熱構造の実施の形態におけるセルチューブを示す図である。
(b)本発明である空気予熱構造の実施の形態におけるセルチューブの位置と燃料ガスの温度変化との関係を示す図である。
(c)本発明である空気予熱構造の実施の形態におけるセルチューブの位置と酸化剤ガスの温度変化との関係を示す図である。
【図4】本発明である空気予熱構造の実施の形態のセルチューブの一端側の詳細な構成を示す図である。
【図5】本発明である空気予熱構造の実施の形態のセルチューブの他端側の詳細な構成を示す図である。
【図6】(a)本発明である空気予熱構造の実施の形態の管板の正面図を示す図である。
(b)本発明である空気予熱構造の実施の形態の支持体の正面図を示す図である。
【図7】従来の技術の実施の形態の構成を示す図である。
【図8】従来の技術の実施の形態に関するセルチューブを示す図である。
【符号の説明】
1 燃料ガス
2 酸化剤ガス
3 セルチューブ
4 酸化剤供給室
5 断熱材
6 管板A
6−1 セル接合部
7 管板B
7−1 セル接合部
8 供給室
8−1 ガス供給口
9 排出室
9−1 ガス排出口
10 支持体
10−1 支持体A
10−2 支持体B
10−3 セル支持部
11 内部改質部
12 充填材
13 燃料電池セル
14 発電部
15a 集電部A
15b 集電部B
17 リード膜
18 基体管
110 ヘッダ
110a 仕切板
110b 底板
110c 供給室
110d 排出室
111 セルチューブ
112 案内管
113 集電キャップ
114 シールキャップ
115 リード膜
116 集電接合部

Claims (5)

  1. 燃料電池を有する燃料電池セルチューブと、
    第2管板を有し、前記燃料電池セルチューブの一端部である第1端部が前記第2管板に開放されて接合され、前記燃料電池セルチューブ内に燃料ガスを供給する第1供給室と
    記第1供給室から離れて設けられ、第1管板を有し、前記燃料電池セルチューブの他端部である第2端部が前記第1管板に開放されて接合され、前記燃料電池セルチューブ内から前記燃料ガスを排出される排出室と
    記第1供給室と前記排出室との間に隔離されて設けられ、前記燃料電池セルチューブを含み、前記燃料電池セルチューブに酸化剤ガスを供給する第2供給室と
    前記第2供給室において、供給される前記酸化剤ガスの流路を制限するように前記第1管板に沿って設けられ、前記燃料電池セルチューブを通す第1孔を有する第1支持体と
    を具備し
    記燃料電池セルチューブの内側を通る前記燃料ガスと前記燃料電池セルチューブの外側であり前記第1孔を通る前記酸化剤ガスとが、前記燃料電池セルチューブを介して熱交換を行なう
    固体電解質型燃料電池
  2. 前記第2供給室において、排出される前記酸化剤ガスの流路を制限するように前記第2管板に沿って設けられ、前記燃料電池セルチューブを通す第2孔を有する第2支持体を更に具備し、
    記燃料電池セルチューブの内側を通る前記燃料ガスと前記燃料電池セルチューブの外側であり前記第2孔を通る前記酸化剤ガスとが、前記燃料電池セルチューブを介して熱交換を行なう、
    請求項1に記載の固体電解質型燃料電池
  3. 前記燃料ガスと前記酸化剤ガスとが反対方向に流れる、
    請求項1又は2に記載の固体電解質型燃料電池
  4. 前記燃料電池セルチューブ内で、前記第1端部から前記第1端部に最も近い前記燃料電池セルの端部に対応する位置までの範囲内で、前記第1端部から前記第2端部へ伸びるように前記燃料電池セルチューブの内側に形成された前記燃料ガスを改質する触媒を更に具備する、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の固体電解質型燃料電池
  5. 前記第1供給室は、前記燃料ガスを供給するガス供給口を具備し、
    前記排出室は、前記燃料ガスを排出するガス排出口を具備し、
    前記燃料ガスは、前記ガス供給口から前記第1供給室に供給され、前記燃料電池セルチューブにおいて、発電に寄与し、前記排出室に入り、前記ガス排出口から排出される、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の固体電解質型燃料電池
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