JP6150055B2 - 固体酸化物型燃料電池装置 - Google Patents
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Description
このように構成された本発明においては、燃料電池セルの上端部が金属性部材の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有するセラミック接着剤により集約室下部材に固定され且つ燃料電池セルと集約室下部材とが非接触となっているので、集約室下部材から燃料電池セルの上端部に伝わる熱をより効果的に抑制でき、それにより、燃料電池セルの上端部での温度上昇を防止し、燃料電池セルの劣化を抑制することができる。
このように構成された本発明においては、集約室上部材の噴出口において未反応の燃料ガスが燃焼して集約室上部材が高温となっても、集約室上部材と集約室下部材とが金属性部材の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有するセラミック接着剤により接着固定されているので、集約室上部材から集約室下部材に熱が伝わり難くなり、それにより、複数の燃料電池セルが貫通固定される集約室下部材の温度上昇が抑制され、燃料電池セルの上端部が高温になって破損することを防止できる。また、本発明によれば、集約室上部材と集約室下部材とがセラミック接着剤により接着固定されているので、集約室上部材の高温状態が維持され、それにより、燃焼室の温度を効果的に上昇させることができる。
燃料電池セルが円筒横縞型セルの場合、電極の容量が小さいので温度変化が生じると電極への負荷が極めて大きくなる。しかしながら、このように構成された本発明によれば、燃料電池セルの上端部の温度上昇を抑制することができるので、円筒横縞型セルの上端部近傍の電極の温度上昇が抑制され、その電極への負荷が軽減される。
図1は、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)を示す全体構成図である。この図1に示すように、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)1は、燃料電池モジュール2と、補機ユニット4を備えている。
さらに、燃料電池モジュール2には、燃料電池モジュール2により発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ54が接続されている。
図2に示すように、燃料電池セル収容容器8内の空間には、複数の燃料電池セル16が同心円状に配列され、その周囲を取り囲むように燃料流路である燃料ガス供給流路20、排ガス排出流路21、酸化剤ガス供給流路22が順に同心円状に形成されている。ここで、排ガス排出流路21及び酸化剤ガス供給流路22は、酸化剤ガスを供給/排出する酸化剤ガス流路として機能する。
燃焼触媒60は、排ガス排出パイプ58よりも上方に、外側円筒部材66の外周面と内側円筒容器68の内周面の間の円環状の空間に充填された触媒である。排ガス排出流路21を下降した排気ガスは、燃焼触媒60を通過することにより一酸化炭素が除去され、排ガス排出パイプ58から排出される。
シースヒーター61は、燃焼触媒60の下方の、外側円筒部材66の外周面を取り囲むように取り付けられた電気ヒーターである。固体酸化物型燃料電池装置1の起動時において、シースヒーター61に通電することにより、燃焼触媒60が活性温度まで加熱される。
図4に示すように、排気集約室18は、各燃料電池セル16の上端部に取り付けられたドーナツ型断面のチャンバーであり、この排気集約室18の中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74が貫通して延びている。
集約室下部材18bは、上方が開放された円形皿状の部材であり、その中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74を貫通させるための円筒部18fが設けられている。
集約室上部材18aは、下方が開放された円形皿状の部材であり、その中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74を貫通させるための開口部が設けられている。集約室上部材18aは、集約室下部材18bの上方に開口したドーナツ型断面の領域に嵌め込まれる形状に形成されている。
また、このセラミック接着剤層120aの上には、大径シールリング19aが配置され、セラミック接着剤層120aを覆っている。大径シールリング19aは円環状の薄板であり、セラミック接着剤の充填後、充填されたセラミック接着剤を覆うように配置され、接着剤の硬化により排気集約室18に固定される。
また、このセラミック接着剤層120bの上には、小径シールリング19bが配置され、セラミック接着剤層120bを覆っている。小径シールリング19bは円環状の薄板であり、セラミック接着剤の充填後、充填されたセラミック接着剤を覆うように配置され、接着剤の硬化により排気集約室18に固定される。
まず、内側円筒部材64と外側円筒部材66の間の空間により形成されている燃料ガス供給流路20の下部には、水蒸気改質用の水を蒸発させるための蒸発部86が設けられている。蒸発部86は、外側円筒部材66の下部内周に取り付けられたリング状の傾斜板86a及び水供給パイプ88から形成されている。また、蒸発部86は、発電用の空気を導入するための酸化剤ガス導入パイプ56よりも下方で、排気ガスを排出する排ガス排出パイプ58よりも上方に配置されている。傾斜板86aは、リング状に形成された金属の薄板であり、その外周縁が外側円筒部材66の内壁面に取り付けられる。一方、傾斜板86aの内周縁は外周縁よりも上方に位置し、傾斜板86aの内周縁と、内側円筒部材64の外壁面との間には隙間が設けられている。
CmHn+xH2O → aCO+bH2 (1)
本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1においては、燃料電池セル16は、固体酸化物を用いたセルであり、さらに、複数の電極が上下方向に沿って配置された円筒横縞型セルである。各燃料電池セル16上には、複数の単セル16aが横縞状に形成されており、これらが電気的に直列に接続されることにより1本の燃料電池セル16となる。各燃料電池セル16は、その一端がアノード(陽極)、他端がカソード(陰極)となるように構成され、複数の燃料電池セル16のうちの半数は上端がアノード、下端がカソードとなるように配置され、残りの半数は上端がカソード、下端がアノードとなるように配置されている。
多孔質支持体97は、本実施形態においては、フォルステライト粉末、及びバインダーの混合物を押し出し成形し、焼結することにより形成されている。
燃料極層98は、本実施形態においては、NiO粉末及び10YSZ(10mol%Y2O3−90mol%ZrO2)粉末の混合物により構成された導電性の薄膜である。
固体電解質層100は、本実施形態においては、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3の組成のLSGM粉末により構成された薄膜である。この固体電解質層100を介して酸化物イオンと水素又は一酸化炭素が反応することにより電気エネルギーが生成される。
インターコネクタ層102は、本実施形態においては、SLT(ランタンドープストロンチウムチタネート)から作られた導電性の薄膜である。燃料電池セル16上の隣接する単セル16aはインターコネクタ層102を介して接続される。
電極層103a、103bは、本実施形態においては、燃料極層98と同一の材料で形成されている。
リード膜保護層104a、104bは、本実施形態においては、固体電解質層100と同一の材料で形成されている。
まず、固体酸化物型燃料電池装置1の起動工程において、燃料ブロア38が起動され、燃料の供給が開始されると共に、シースヒーター61への通電が開始される。シースヒーター61への通電が開始されることにより、その上方に配置された燃焼触媒60が加熱されると共に、内側に配置された蒸発部86も加熱される。燃料ブロア38により供給された燃料は、脱硫器36、熱交換器34、電磁弁35を介して、燃料ガス供給パイプ90から燃料電池セル収容容器8の内部に流入する。流入した燃料は、燃料ガス供給流路20内を上端まで上昇した後、改質部94内を下降し、内側円筒部材64の下部に設けられた小穴64bを通って燃料ガス分散室76に流入する。なお、固体酸化物型燃料電池装置1の起動直後においては、改質部94内の改質触媒96の温度が十分に上昇していないため、燃料の改質は行われない。
上述したように、本実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1の排気集約室18においては、は、複数の燃料電池セル16の各々の上端部を貫通固定すると共に複数の燃料電池セル16からの残余の燃料ガスである未反応の燃料ガス(オフガス)を集めるボックス形状の金属性部材により形成されている。
さらに、排気集約室16は、未反応の燃料ガスを燃焼室17に排出して燃焼させるための噴出口18dを備えた集約室上部材18aと、この集約室上部材18aと共にボックス形状を形成する集約室下部材18bとを備え、この集約室下部材18bにより複数の燃料電池セル16の各々の上端部が貫通固定され、集約室上部材18aと集約室下部材18bとが金属性部材の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有するセラミック接着剤により接着固定されている。
2 燃料電池モジュール
8 燃料電池セル収容容器
10 発電室
16 燃料電池セル
16a 単セル
17 燃焼室
18 排気集約室
18a 集約室上部材
18b 集約室下部材
18c 挿通穴
18d 噴出口
18e 接着剤充填枠
18f 円筒部
18g 内周面
18h 外周面
18i 内周端面
19a 大径シールリング
19b 小径シールリング
19c カバー部材
62 点火ヒーター
63 第1固定部材
63a 挿通穴
63b 接着剤充填枠
64 内側円筒部材
72 分散室底部材
118 セラミック接着剤層
120a セラミック接着剤層
120b セラミック接着剤層
Claims (3)
- 固体酸化物型燃料電池装置であって、
内部に燃料ガス通路を備え且つ外表面に電極を備えた複数の燃料電池セルと、
これらの複数の燃料電池セルを収容する収容容器と、
この収容容器内に配置され、上記複数の燃料電池セルの各々の下端部を貫通固定すると共に上記複数の燃料電池セルの各々に燃料ガスを分散して供給する燃料ガス分散室と、
上記収容容器内に配置され、上記複数の燃料電池セルからの未反応の燃料ガスを集める金属性部材により形成されたボックス形状の排気集約室と、を有し、
上記排気集約室は、未反応の燃料ガスを燃焼室に排出して燃焼させる噴出口を備えた集約室上部材と、上記複数の燃料電池セルの各々の上端部を貫通固定すると共に上記集約室上部材と共にボックス形状を形成する集約室下部材とを備え、
上記燃料電池セルの上端部が上記金属性部材の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有するセラミック接着剤により上記集約室下部材に固定され且つ上記燃料電池セルと上記集約室下部材とが非接触となっている固体酸化物型燃料電池装置。 - 上記集約室上部材と上記集約室下部材とが上記金属性部材の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有するセラミック接着剤により接着固定されている請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
- 上記燃料電池セルは、複数の電極が上下方向に沿って配置された円筒横縞型セルである請求項1又は2に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
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