JP6153066B2 - 固体酸化物型燃料電池装置 - Google Patents
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Description
そこで、上述のように構成された本発明によれば、第2排出空気通路を通過する空気を、オフガス燃焼部での未反応の燃料ガス(オフガス)の燃焼によって加熱した後、第1排気空気通路を通過する空気と混合させて、改質器を加熱する混合ガスが生成される。これにより、改質器を効率よく所定温度まで加熱することができる。
図1は、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)を示す全体構成図である。この図1に示すように、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)1は、燃料電池モジュール2と、補機ユニット4を備えている。
さらに、燃料電池モジュール2には、燃料電池モジュール2により発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ54が接続されている。
図2に示すように、燃料電池セル収容容器8内の空間には、複数の燃料電池セル16が同心円状に配列され、その周囲を取り囲むように燃料流路である燃料ガス供給流路20、排ガス排出流路21、酸化剤ガス供給流路22が順に同心円状に形成されている。ここで、排ガス排出流路21及び酸化剤ガス供給流路22は、酸化剤ガスを供給/排出する酸化剤ガス流路として機能する。
燃焼触媒60は、排ガス排出パイプ58よりも上方に、外側円筒部材66の外周面と内側円筒容器68の内周面の間の円環状の空間に充填された触媒である。排ガス排出流路21を下降した排気ガスは、燃焼触媒60を通過することにより一酸化炭素が除去され、排ガス排出パイプ58から排出される。
シースヒーター61は、燃焼触媒60の下方の、外側円筒部材66の外周面を取り囲むように取り付けられた電気ヒーターである。固体酸化物型燃料電池装置1の起動時において、シースヒーター61に通電することにより、燃焼触媒60が活性温度まで加熱される。
図4は排気集約室の部分を拡大して示す断面図であり、図5は、図2におけるV−V断面である。
図4に示すように、排気集約室18は、各燃料電池セル16の上端部に取り付けられたドーナツ型断面のチャンバーであり、この排気集約室18の中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74が貫通して延びている。
集約室下部材18bは、上方が開放された円形皿状の部材であり、その中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74を貫通させるための円筒部が設けられている。
集約室上部材18aは、下方が開放された円形皿状の部材であり、その中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74を貫通させるための開口部が設けられている。集約室上部材18aは、集約室下部材18bの上方に開口したドーナツ型断面の領域に嵌め込まれる形状に構成されている。
まず、内側円筒部材64と外側円筒部材66の間の空間で構成されている燃料ガス供給流路20の下部には、水蒸気改質用の水を蒸発させるための蒸発部86が設けられている。蒸発部86は、外側円筒部材66の下部内周に取り付けられたリング状の傾斜板86a及び水供給パイプ88から構成されている。また、蒸発部86は、発電用の空気を導入するための酸化剤ガス導入パイプ56よりも下方で、排気ガスを排出する排ガス排出パイプ58よりも上方に配置されている。傾斜板86aは、リング状に形成された金属の薄板であり、その外周縁が外側円筒部材66の内壁面に取り付けられる。一方、傾斜板86aの内周縁は外周縁よりも上方に位置し、傾斜板86aの内周縁と、内側円筒部材64の外壁面との間には隙間が設けられている。
CmHn+xH2O → aCO2+bCO+cH2 (1)
本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1においては、燃料電池セル16として、固体酸化物を用いた円筒横縞型セルが採用されている。各燃料電池セル16上には、複数の単セル16aが横縞状に形成されており、これらが電気的に直列に接続されることにより1本の燃料電池セル16が構成されている。各燃料電池セル16は、その一端がアノード(陽極)、他端がカソード(陰極)となるように構成され、複数の燃料電池セル16のうちの半数は上端がアノード、下端がカソードとなるように配置され、残りの半数は上端がカソード、下端がアノードとなるように配置されている。
多孔質支持体97は、本実施形態においては、フォルステライト粉末、及びバインダーの混合物を押し出し成形し、焼結することにより形成されている。
燃料極層98は、本実施形態においては、NiO粉末及び10YSZ(10mol%Y2O3−90mol%ZrO2)粉末の混合物により構成された導電性の薄膜である。
固体電解質層100は、本実施形態においては、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3の組成のLSGM粉末により構成された薄膜である。この固体電解質層100を介して酸化物イオンと水素又は一酸化炭素が反応することにより電気エネルギーが生成される。
インターコネクタ層102は、本実施形態においては、SLT(ランタンドープストロンチウムチタネート)により構成された導電性の薄膜である。燃料電池セル16上の隣接する単セル16aはインターコネクタ層102を介して接続される。
電極層103a、103bは、本実施形態においては、燃料極層98と同一の材料で形成されている。
リード膜層104a、104bは、本実施形態においては、固体電解質層100と同一の材料で形成されている。
まず、固体酸化物型燃料電池装置1の起動工程において、燃料ブロア38が起動され、燃料の供給が開始されると共に、シースヒーター61への通電が開始される。シースヒーター61への通電が開始されることにより、その上方に配置された燃焼触媒60が加熱されると共に、内側に配置された蒸発部86も加熱される。燃料ブロア38により供給された燃料は、脱硫器36、熱交換器34、電磁弁35を介して、燃料ガス供給パイプ90から燃料電池セル収容容器8の内部に流入する。流入した燃料は、燃料ガス供給流路20内を上端まで上昇した後、改質部94内を下降し、内側円筒部材64の下部に設けられた小穴64bを通って燃料ガス分散室76に流入する。なお、固体酸化物型燃料電池装置1の起動直後においては、改質部94内の改質触媒96の温度が十分に上昇していないため、燃料の改質は行われない。
図7は、固体酸化物型燃料電池装置1の発電室10,排気集約室18及び混合室11を示す断面図である。モジュールケースを構成する内側円筒部材64の内部空間は、燃料ガスタンクを構成する燃料ガス分散室76(図1参照)、発電室10、排気マニホールドを構成する排気集約室18、混合室11を有する。混合室11は、排気集約室18の上部空間(排気集約室18の集約室上部材18aの上面から内側円筒容器68の上面68aまでの空間)である。
円形断面の排気集約室18は、同じく円形断面の内側円筒部材64内に中心位置が一致するように位置決めされた状態で配置されている。したがって、排気集約室18の外周面と内側円筒部材64の内周面との間には、均等な幅の円環状の隙間である第1空気排出通路12aが形成されている。
発電室10に供給される空気は、酸化剤ガス噴射用パイプ74の空気噴出口74aから下方に向けて噴射される。複数の燃料電池セル16が酸化剤ガス噴射用パイプ74(又は拡散空間10a)を中心として点対称に配置されているので、噴射された空気は、拡散空間10a内で径方向に均等に拡がる。さらに、噴射された空気は、第1固定部材63の上面に当たって跳ね返りながら径方向に拡がる。これにより、噴射された空気は、燃料電池セル16の間をすり抜けながら径方向に拡がると共に、燃料電池セル16の軸方向に沿って上方にも拡がって、発電室10内全体に行き渡る。さらに、発電室10内の空気は、発電室10から、外側の第1空気排出通路12a及び内側の第2空気排出通路12bを通って混合室11へ導かれる。
そこで、本実施形態では、第2排出空気通路12bを通過する空気を、オフガス燃焼部での未反応の燃料ガス(オフガス)の燃焼によって加熱した後、第1排気空気通路12aを通過する空気と混合させて、改質部94を加熱する混合ガスが生成される。これにより、改質部94を効率よく所定温度まで加熱することができる。
2 燃料電池モジュール
4 補機ユニット
7 断熱材
8 燃料電池セル収容容器
10 発電室
11 混合室
12a 第1空気排出通路
12b 第2空気排出通路
16 燃料電池セル
16a 単セル
18 排気集約室(排気マニホールド)
18a 集約室上部材
18b 集約室下部材
18c 挿通穴
18d 噴出口
18e 接着剤充填枠
19a 大径シールリング
19b 小径シールリング
19c カバー部材
20 燃料ガス供給流路
21 排ガス排出流路
22 酸化剤ガス供給流路
24 水供給源
26 純水タンク
28 水流量調整ユニット
30 燃料供給源
34 熱交換器
35 電磁弁
36 脱硫器
38 燃料ブロア
40 空気供給源
45 空気流量調整ユニット
50 温水製造装置
54 インバータ
56 酸化剤ガス導入パイプ
58 排ガス排出パイプ
60 燃焼触媒
61 シースヒーター
62 点火ヒーター
63 第1固定部材
63a 挿通穴
63b 接着剤充填枠
64 内側円筒部材(モジュールケース)
64a 小穴
64b 小穴
64c ステー
64d 棚部材
65 中間円筒部材
66 外側円筒部材
66a 棚部材
67 カバー部材
68 内側円筒容器
70 外側円筒容器
72 分散室底部材
72a 挿通管
72b 断熱材
72c フランジ部
74 酸化剤ガス噴射用パイプ(空気供給管)
74a 空気噴出口
76 燃料ガス分散室(燃料ガスタンク)
78 碍子
80 バスバー
82 集電体
86 蒸発部
86a 傾斜板
88 水供給パイプ
90 燃料ガス供給パイプ
92 燃料ガス供給流路隔壁
92a 噴射口
94 改質部
96 改質触媒
97 多孔質支持体
98 燃料極層
99 反応抑制層
100 固体電解質層
101 空気極層
102 インターコネクタ層
103a 電極層
103b 電極層
104a リード膜層
104b リード膜層
Claims (9)
- 固体酸化物型燃料電池装置であって、
内部に燃料ガス用通路を有し、外表面に空気極を有する管状で上下方向に延びる複数の燃料電池セルからなる配列と、
前記燃料電池セルを収容するモジュールケースと、
前記燃料電池セルの下部に配置され、複数の前記燃料電池セルの燃料ガス用通路に燃料ガスを分散して供給する燃料ガスタンクであって、前記燃料ガスタンク内に前記燃料電池セルの下端部が貫通し、前記燃料電池セルの下端部を固定する前記燃料ガスタンクと、
前記モジュールケース内で前記燃料電池セルの上部に配置され、複数の前記燃料電池セルの燃料ガス用通路を通過した未反応の燃料ガスを集める排気空間を形成する排気マニホールドであって、前記排気マニホールド内に前記燃料電池セルの上端部が貫通し、前記燃料電池セルの上端部を固定する前記排気マニホールドと、
前記燃料電池セルの空気極に空気を供給する空気供給管と、を備え、
前記排気マニホールドは中央部に上下方向に延びる貫通路を備え、
前記空気供給管は、前記貫通路を通り、複数の前記燃料電池セルによって周囲を囲われるように前記燃料電池セルの配列内に延びており、前記空気供給管と前記貫通路との間には、空気排出用の隙間が設けられていることを特徴とする固体酸化物型燃料電池装置。 - 前記モジュールケースと前記排気マニホールドとの間には、前記排気マニホールドの外周面の全周にわたって第1空気排出通路が設けられ、
前記空気供給管と前記貫通路との間の前記隙間は、前記空気供給管の外周面の全周にわたって延びており、第2空気排出通路を形成することを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池装置。 - 前記第1空気排出通路の総断面積が、前記第2空気排出通路の総断面積より大きいことを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
- 前記排気マニホールドから排気される未反応の燃料ガスを燃焼させるためのオフガス燃焼部を備え、このオフガス燃焼部は、前記排気マニホールドの天面に前記第2空気排出通路を囲むように設けられた複数の排気口であり、未反応の燃料ガスの燃焼によって、前記第2空気排出通路を通して排出された空気を加熱するように構成されており、この加熱された空気と前記第1空気排出通路を通して排出された空気との混合ガスが、改質器を加熱するために用いられるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
- 前記排気口の数は、前記燃料電池セルの数より少ないことを特徴とする請求項4に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
- 前記排気口は、前記第1空気排出通路よりも前記第2空気排出通路に近接して設けられていることを特徴とする請求項5に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
- 前記モジュールケース内には、前記排気マニホールドの天面の上方に、前記第1及び第2空気排出通路から排出された空気を混合し、混合した空気を排気通路へ複数の排出孔を介して排出するための混合室が設けられており、
複数の前記排出孔は、混合性が高まるように前記排気通路の断面積よりも狭い開口面積を有し、所定距離間隔で設けられていることを特徴とする請求項4に記載の固体酸化物型燃料電池装置。 - 前記混合ガスは、前記排気マニホールド及び前記オフガス燃焼部より上方に位置する排出孔を通って排気通路へ排出され、前記改質器側へ供給されることを特徴とする請求項4に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
- 前記空気供給管の下方には、前記燃料ガスタンクとの間に、複数の前記燃料電池セルの配列によって囲われた拡散空間が設けられており、
前記空気供給管は、前記拡散空間に向けて下方へ空気を噴出する空気噴出口を有することを特徴とする請求項4に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
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