JP6153068B2 - 固体酸化物型燃料電池装置 - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物型燃料電池装置に係わり、特に、燃料電池モジュールに収容された複数の燃料電池セルに燃料及び酸化剤ガスを供給して発電する固体酸化物型燃料電池装置に関する。
固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下「SOFC」とも言う)は、電解質として酸化物イオン導電性固体電解質を用い、その両側に電極を取り付け、一方の側に燃料ガスを供給し、他方の側に酸化剤ガス(空気、酸素等)を供給して、比較的高温で動作する燃料電池である。
このような燃料電池の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載の燃料電池は、ハウジング内に複数の円筒型セルが配置され、これらの複数の円筒型セルの下部及び上部がそれぞれ下部抑え板及び上部抑え板により支持されている。各円筒型セルの下端部には、燃料供給室から燃料ガスが供給され、燃料ガスは円筒型セルの内部を通過して燃料排出室へ送られ、一方、各円筒型セルの外部には空気が供給され、燃料ガスと空気が反応して発電するようになっている。未反応の燃料ガス(オフガス)は燃料排出室に送られ、さらに、燃料排出室の横方向上端部から燃焼室内に排出され、この燃焼室内で空気と混合して燃焼して排気されるようになっている。
この燃料電池においては、円筒型セルにおいて未反応の燃料ガスを燃料排出室に集め、この集められた未反応の燃料を燃焼室で燃焼するようにしているので、円筒型セルの上部の集電部材が空気に晒されることがないので、集電部材の酸化が抑制され、また、未反応の燃料の燃焼効率が向上する等の種々の利点がある。
特開平3−34258号公報
燃料電池において、未反応の燃料を集める燃料排出室を設けることにより、上述した種々の利点があるが、本発明者らは、鋭意研究することにより、燃料排出室を設けた場合に問題が発生することを見出した。即ち、燃料ガスの燃焼性を向上するため、燃料排出室の上部材にほぼ等間隔で複数の噴出口を形成して燃料ガスを燃焼させることを試みたが、この場合、燃料排出室内の未反応の燃料ガスの量が少ないので、燃料ガスの分散性が低く、それにより、一部の噴出口でのみ燃料ガスが燃焼し、他の噴出口では燃焼しないという現象が発生することが判明した。この燃料ガスの燃焼性の向上は燃料電池装置に必須の解決課題である。
従って、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、未反応の燃料ガス(オフガス)を集める排気集約室を設けても、排気集約室内の燃料ガスの分散性を向上させて燃料ガスの燃焼性を向上させることができる固体酸化物型燃料電池装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、固体酸化物型燃料電池装置であって、内部に燃料ガス通路を備え且つ外表面に電極層を備えた上下方向に延びる複数の燃料電池セルと、これらの複数の燃料電池セルの各々の下端部を貫通固定すると共に複数の燃料電池セルの各々に燃料ガスを分散して供給する燃料ガス分散室と、複数の燃料電池セルの各々の上端を内包すると共に複数の燃料電池セルの各々の上端から噴出される未反応の燃料ガスを集める排気集約室と、を有し、排気集約室の天井面には、未反応の燃料ガスを燃焼室に排出して燃焼させる複数の噴出口がほぼ等間隔で形成され、複数の燃料電池セルの各々は、排気集約室内において、それらの燃料電池セルの上端の高さが不揃いとなるように配置されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、複数の燃料電池セルの各々が排気集約室内において燃料電池セルの上端の高さが不揃いとなるように配置されているので、複数の燃料電池セルから排気集約室内に排出されるごく少量の未反応の燃料ガスの流れが乱されることにより分散性が高まり、それにより、燃料ガスが排気集約室の天井面にほぼ等間隔で形成された複数の噴出口において均一に燃焼し易くなり、燃焼性が向上する。
本発明において、好ましくは、複数の燃料電池セルの各々の長さが異なっている。
従来、燃料電池セルは焼結時に収縮するためセルの長さはセル毎にバラツキがあり、各燃料電池セルの長さを揃えるため、セルの端部を切断することが行われていた。しかしながら、本発明の発明者らは、このセル毎の収縮量の差によるバラツキを逆に利用することを見出し、それにより、燃料ガスの分散性を向上させて、燃焼性を高めることができたのである。その結果、本発明によれば、従来必要であった各燃料電池セルの長さを揃えるために端部を切断する工程が不要となり、製造コストが低減し、燃料電池セルが安価になるという相乗効果を得ることができた。
本発明において、好ましくは、複数の燃料電池セルの各々は、その下端部がその下端の高さを揃えて燃料ガス分散室にセラミック接着剤層により固定されている。
このように構成された本発明においては、複数の燃料電池セルのそれぞれの長さが異なっても、複数の燃料電池セルの各々の下端部の下端の高さを揃えて燃料ガス分散室に固定するようにしたので、燃料ガス分散室から各燃料電池セルに燃料ガスを均一に供給することができると共に、各燃料電池セルの上端の高さを不揃いとすることができる。さらに、本発明においては、複数の燃料電池セルの各々の下端部の下端の高さが揃えられているので、燃料電池セルの下端部を燃料ガス分散室にセラミック接着剤層により固定するための工程が簡易となる。
本発明において、好ましくは、複数の燃料電池セルの各々の下端部の外表面には、電極層とこの電極層を覆う電解質層が形成され、この電解質層が、セラミック接着剤層の所定の基準接着領域よりも上下方向にそれぞれより広くなる領域に設けられている。
複数の燃料電池セルの長さにバラツキがある場合にはその長さ方向の中心を揃えて配置する必要があるが、本発明においては、複数の燃料電池セルの各々の下端部の電解質層をセラミック接着剤層の所定の基準接着領域よりも上下方向にそれぞれより広くなる領域に設け、電解質層の長さを余分に長くしたので、燃料電池セルの長さのバラツキを吸収することができ、複数の燃料電池の長さ方向の中心を揃えて配置する必要がないので、製造工程を簡易にすることができる。
本発明の固体酸化物型燃料電池装置によれば、未反応の燃料ガス(オフガス)を集める排気集約室を設けても、排気集約室内の燃料ガスの分散性を向上させて燃料ガスの燃焼性を向上させることができる。
本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)を示す全体構成図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置に内蔵されている燃料電池セル収容容器の断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置に内蔵されている燃料電池セル収容容器の主な部材を分解して示した断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置に内蔵されている排気集約室の部分を拡大して示す断面図である。 図2におけるV−V断面である。 (a)下端がカソードにされている燃料電池セルユニットの下端部を拡大して示す断面図であり、(b)下端がアノードにされている燃料電池セルユニットの下端部を拡大して示す断面図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)を説明する。
図1は、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)を示す全体構成図である。この図1に示すように、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)1は、燃料電池モジュール2と、補機ユニット4を備えている。
燃料電池モジュール2は、ハウジング6を備え、このハウジング6内部には、断熱材7を介して燃料電池セル収容容器8が配置されている。この燃料電池セル収容容器8内の内部には発電室10が設けられ、この発電室10の中には複数の燃料電池セル16が同心円状に配置されており、これらの燃料電池セル16により、燃料ガスと酸化剤ガスである空気の発電反応が行われる。
各燃料電池セル16の上端部には、排気集約室18が取り付けられている。各燃料電池セル16において発電反応に使用されずに残った残余の未反応の燃料(オフガス)は、上端部に取り付けられた排気集約室18に集められ、この排気集約室18の天井面に設けられた複数の噴出口から上方にある燃焼室17へ流出される。流出した燃料は、発電室10内で発電に使用されずに残った空気により、燃焼室17内で燃焼され、排気ガスが生成されるようになっている。
次に、補機ユニット4は、水道等の水供給源24からの水を貯水してフィルターにより純水とする純水タンク26と、この純水タンクから供給される水の流量を調整する水供給装置である水流量調整ユニット28(モータで駆動される「水ポンプ」等)を備えている。また、補機ユニット4は、都市ガス等の燃料供給源30から供給された炭化水素系の原燃料ガスの流量を調整する燃料供給装置である燃料ブロア38(モータで駆動される「燃料ポンプ」等)を備えている。
なお、燃料ブロア38を通過した原燃料ガスは、燃料電池モジュール2内に配置された脱硫器36と、熱交換器34、電磁弁35を介して燃料電池セル収容容器8の内部に導入される。脱硫器36は、燃料電池セル収容容器8の周囲に環状に配置されており、原燃料ガスから硫黄を除去するようになっている。また、熱交換器34は、脱硫器36において温度上昇した高温の原燃料ガスが直接電磁弁35に流入し、電磁弁35が劣化されるのを防止するために設けられている。電磁弁35は、燃料電池セル収容容器8内への原燃料ガスの供給を停止するために設けられている。
補機ユニット4は、空気供給源40から供給される空気の流量を調整する酸化剤ガス供給装置である空気流量調整ユニット45(モータで駆動される「空気ブロア」等)を備えている。
さらに、補機ユニット4には、燃料電池モジュール2からの排気ガスの熱を回収するための温水製造装置50が備えられている。この温水製造装置50には、水道水が供給され、この水道水が排気ガスの熱により温水となり、図示しない外部の給湯器の貯湯タンクへ供給されるようになっている。
さらに、燃料電池モジュール2には、燃料電池モジュール2により発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ54が接続されている。
次に、図2及び図3により、本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)の燃料電池モジュールに内蔵された燃料電池セル収容容器の内部構造を説明する。図2は燃料電池セル収容容器の断面図であり、図3は燃料電池セル収容容器の主な部材を分解して示した断面図である。
図2に示すように、燃料電池セル収容容器8内の空間には、複数の燃料電池セル16が同心円状に配列され、その周囲を取り囲むように燃料流路である燃料ガス供給流路20、排ガス排出流路21、酸化剤ガス供給流路22が順に同心円状に形成されている。ここで、排ガス排出流路21及び酸化剤ガス供給流路22は、酸化剤ガスを供給/排出する酸化剤ガス流路として機能する。
まず、図2に示すように、燃料電池セル収容容器8は、概ね円筒状の密閉容器であり、その側面には、発電用の空気を供給する酸化剤ガス流入口である酸化剤ガス導入パイプ56、及び排気ガスを排出する排ガス排出パイプ58が接続されている。さらに、燃料電池セル収容容器8の上端面からは、排気集約室18から流出した残余燃料に点火するための点火ヒーター62が突出している。
図2及び図3に示すように、燃料電池セル収容容器8の内部には、燃料電池セル16の周囲を取り囲むように、内側から順に、発電室構成部材である内側円筒部材64、外側円筒部材66、内側円筒容器68、外側円筒容器70が配置されている。上述した燃料ガス供給流路20、排ガス排出流路21、及び酸化剤ガス供給流路22は、これらの円筒部材及び円筒容器の間に夫々形成される流路であり、隣り合う流路の間で熱交換が行われる。即ち、排ガス排出流路21は燃料ガス供給流路20を取り囲むように配置され、酸化剤ガス供給流路22は排ガス排出流路21を取り囲むように配置されている。また、燃料電池セル収容容器8の下端部の開放空間は、燃料を各燃料電池セル16に分散させる燃料ガス分散室76の底面となる概ね円形の分散室底部材72により塞がれている。
内側円筒部材64は、概ね円筒状の中空体であり、その上端及び下端は開放されている。また、内側円筒部材64の内壁面には、分散室形成板である円形の第1固定部材63が気密的に溶接されている。この第1固定部材63の下面と、内側円筒部材64の内壁面と、分散室底部材72の上面により、燃料ガス分散室76が画定される。また、第1固定部材63には、各燃料電池セル16を挿通させる複数の挿通穴63a(図3参照)が形成されており、各燃料電池セル16は、各挿通穴63aに挿通された状態で、セラミック接着剤により第1固定部材63に接着されている。このように、本実施形態の固体酸化物型燃料電池装置1においては、燃料電池モジュール2を構成する部材間相互の接合部には、セラミック接着剤が充填され、硬化されることにより、各部材が相互に気密的に接合されている。
外側円筒部材66は、内側円筒部材64の周囲に配置される円筒状の管であり、内側円筒部材64との間に円環状の流路が形成されるように、内側円筒部材64と概ね相似形に形成されている。さらに、内側円筒部材64と外側円筒部材66の間には中間円筒部材65が配置されている。中間円筒部材65は、内側円筒部材64と外側円筒部材66の間に配置された円筒状の管であり、内側円筒部材64の外周面と中間円筒部材65の内周面の間には改質部94が設けられている。また、中間円筒部材65の外周面と、外側円筒部材66の内周面の間の円環状の空間は、燃料ガス供給流路20として機能する。このため、改質部94及び燃料ガス供給流路20は、燃料電池セルユニット16における発熱及び排気集約室18上端における残余燃料の燃焼により熱を受ける。また、内側円筒部材64の上端部と外側円筒部材66の上端部は溶接により気密的に接合されており、燃料ガス供給流路20の上端は閉鎖されている。さらに、中間円筒部材65の下端と、内側円筒部材64の外周面は、溶接により気密的に接合されている。
内側円筒容器68は、外側円筒部材66の周囲に配置される円形断面のカップ状の部材であり、外側円筒部材66との間にほぼ一定幅の円環状の流路が形成されるように、側面が外側円筒部材66と概ね相似形に形成されている。この内側円筒容器68は、内側円筒部材64の上端の開放部を覆うように配置される。外側円筒部材66の外周面と、内側円筒容器68の内周面の間の円環状の空間は、排ガス排出流路21(図2)として機能する。この排ガス排出流路21は、内側円筒部材64の上端部に設けられた複数の小穴64aを介して内側円筒部材64の内側の空間と連通している。また、内側円筒容器68の下部側面には、排ガス流出口である排ガス排出パイプ58が接続されており、排ガス排出流路21が排ガス排出パイプ58に連通される。
排ガス排出流路21の下部には、燃焼触媒60及びこれを加熱するためのシースヒーター61が配置されている。
燃焼触媒60は、排ガス排出パイプ58よりも上方に、外側円筒部材66の外周面と内側円筒容器68の内周面の間の円環状の空間に充填された触媒である。排ガス排出流路21を下降した排気ガスは、燃焼触媒60を通過することにより一酸化炭素が除去され、排ガス排出パイプ58から排出される。
シースヒーター61は、燃焼触媒60の下方の、外側円筒部材66の外周面を取り囲むように取り付けられた電気ヒーターである。固体酸化物型燃料電池装置1の起動時において、シースヒーター61に通電することにより、燃焼触媒60が活性温度まで加熱される。
外側円筒容器70は、内側円筒容器68の周囲に配置される円形断面のカップ状の部材であり、内側円筒容器68との間にほぼ一定幅の円環状の流路が形成されるように、側面が内側円筒容器68と概ね相似形に形成されている。内側円筒容器68の外周面と、外側円筒容器70の内周面の間の円環状の空間は、酸化剤ガス供給流路22として機能する。また、外側円筒容器70の下部側面には、酸化剤ガス導入パイプ56が接続されており、酸化剤ガス供給流路22が酸化剤ガス導入パイプ56に連通される。
分散室底部材72は、概ね円形の皿状の部材であり、内側円筒部材64の内壁面にセラミック接着剤により気密的に固定される。これにより、第1固定部材63と分散室底部材72の間に、燃料ガス分散室76が形成される。また、分散室底部材72の中央には、バスバー80(図2)を挿通させるための挿通管72aが設けられている。各燃料電池セル16に電気的に接続されたバスバー80は、この挿通管72aを通して燃料電池セル収容容器8の外部に引き出される。また、挿通管72aには、セラミック接着剤が充填され、燃料ガス分散室78の気密性が確保されている。さらに、挿通管72aの周囲には、断熱材72b(図2)が配置されている。
内側円筒容器68の天井面から垂下するように、発電用の空気を噴射するための、円形断面の酸化剤ガス噴射用パイプ74が取り付けられている。この酸化剤ガス噴射用パイプ74は、内側円筒容器68の中心軸線上を鉛直方向に延び、その周囲の同心円上に各燃料電池セル16が配置される。酸化剤ガス噴射用パイプ74の上端が内側円筒容器68の天井面に取り付けられることにより、内側円筒容器68と外側円筒容器70の間に形成されている酸化剤ガス供給流路22と酸化剤ガス噴射用パイプ74が連通される。酸化剤ガス供給流路22を介して供給された空気は、酸化剤ガス噴射用パイプ74の先端から下方に噴射され、第1固定部材63の上面に当たって、発電室10内全体に広がる。
燃料ガス分散室76は、第1固定部材63と分散室底部材72の間に形成される円筒形の気密性のあるチャンバであり、その上面に各燃料電池セル16が林立されている。第1固定部材63の上面に取り付けられた各燃料電池セル16は、その内側の燃料極が、燃料ガス分散室76の内部と連通されている。各燃料電池セル16の下端部は、第1固定部材63の挿通穴63aを貫通して燃料ガス分散室76の内部に突出し、各燃料電池セル16は第1固定部材63に、接着により固定されている。
図2に示すように、内側円筒部材64には、第1固定部材63よりも下方に複数の小穴64bが設けられている。内側円筒部材64の外周と中間円筒部材65の内周の間の空間は、複数の小穴64bを介して燃料ガス分散室76内に連通されている。供給された燃料は、外側円筒部材66の内周と中間円筒部材65の外周の間の空間を一旦上昇した後、内側円筒部材64の外周と中間円筒部材65の内周の間の空間を下降し、複数の小穴64bを通って燃料ガス分散室76内に流入する。燃料ガス分散室76に流入した燃料は、燃料ガス分散室76の天井面(第1固定部材63)に取り付けられた各燃料電池セル16の燃料極に分配される。
さらに、燃料ガス分散室76内に突出している各燃料電池セル16の下端部は、燃料ガス分散室76内でバスバー80に電気的に接続され、挿通管72aを通して電力が外部に引き出される。バスバー80は、各燃料電池セル16により生成された電力を、燃料電池セル収容容器8の外部へ取り出すための細長い金属プレート導体であり、碍子78を介して分散室底部材72の挿通管72aに固定されている。バスバー80は、燃料ガス分散室76の内部において、各燃料電池セル16に取り付けられた集電体82と電気的に接続されている。また、バスバー80は、燃料電池セル収容容器8の外部において、インバータ54(図1)に接続される。なお、集電体82は、排気集約室18内に突出している各燃料電池セル16の上端部にも取り付けられている(図4)。これら上端部及び下端部の集電体82により、複数の燃料電池セル16が電気的に並列に接続されると共に、並列に接続された複数の燃料電池セル16が電気的に直列に接続され、この直列接続の両端が夫々バスバー80に接続される。
次に、図4及び図5を参照して、排気集約室の構造を説明する。図4は排気集約室の部分を拡大して示す断面図であり、図5は、図2におけるV−V断面である。
図4に示すように、排気集約室18は、各燃料電池セル16の上端部に取り付けられたドーナツ型断面のチャンバーであり、この排気集約室18の中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74が貫通して延びている。
図5に示すように、内側円筒部材64の内壁面には、排気集約室18支持用の3つのステー64cが等間隔に取り付けられている。図4に示すように、各ステー64cは金属製の薄板を折り曲げた小片であり、排気集約室18を各ステー64cの上に載置することにより、排気集約室18は内側円筒部材64と同心円上に位置決めされる。これにより、排気集約室18の外周面と内側円筒部材64の内周面の間の隙間、及び排気集約室18の内周面と酸化剤ガス噴射用パイプ74の外周面との間の隙間は、全周で均一になる(図5)。
排気集約室18は、それぞれが金属性部材である集約室上部材18a及び集約室下部材18bが気密的に接合されることにより形成されている。
集約室下部材18bは、上方が開放された円形皿状の部材であり、その中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74を貫通させるための円筒部18fが設けられている。
集約室上部材18aは、下方が開放された円形皿状の部材であり、その中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74を貫通させるための開口部が設けられている。集約室上部材18aは、集約室下部材18bの上方に開口したドーナツ型断面の領域に嵌め込まれる形状に形成されている。
集約室下部材18bの周囲の壁の内周面18gと集約室上部材18aの外周面18hの間の隙間にはセラミック接着剤が充填されセラミック接着剤層120aが形成され、硬化させて、この接合部の気密性が確保されている。ここで、セラミック接着剤層120aを形成するセラミック接着剤の熱伝導率は、排気集約室18を形成する金属性部材である集約室上部材18a及び集約室下部材18bのそれぞれの熱伝導率よりも小さい。
また、このセラミック接着剤層120aの上には、大径シールリング19aが配置され、セラミック接着剤層120aを覆っている。大径シールリング19aは円環状の薄板であり、セラミック接着剤の充填後、充填されたセラミック接着剤を覆うように配置され、接着剤の硬化により排気集約室18に固定される。
一方、集約室下部材18b中央の円筒部18fの外周面と、集約室上部材18a中央の開口部の縁の間にもセラミック接着剤が充填されセラミック接着剤層120bが形成され、硬化させて、この接合部の気密性が確保されている。ここで、集約室下部材18bの内周端面18iと円筒部18fの外周面とは非接触となっておりその隙間にもセラミック接着剤層120bが形成されている。
また、このセラミック接着剤層120bの上には、小径シールリング19bが配置され、セラミック接着剤層120bを覆っている。小径シールリング19bは円環状の薄板であり、セラミック接着剤の充填後、充填されたセラミック接着剤を覆うように配置され、接着剤の硬化により排気集約室18に固定される。
集約室下部材18bの底面には複数の円形の挿通穴18cが設けられている。各挿通穴18cには燃料電池セル16の上端部が夫々挿通され、各燃料電池セル16は各挿通穴18cを貫通して延びている。このため、各燃料電池セル16と各挿通穴18cとは非接触となっている。各燃料電池セル16が貫通している集約室下部材18bの底面上には接着剤充填枠18eが設けられ、この接着剤充填枠18e内にセラミック接着剤が流し込まれセラミック接着剤層118が形成され、これが硬化されることにより、各燃料電池セル16の外周と各挿通穴18cの間の隙間が気密的に充填されると共に、各燃料電池セル16が集約室下部材18bに固定されている。
さらに、集約室下部材18bの底面上のセラミック接着剤層118の上には、円形薄板状のカバー部材19cが配置され、セラミック接着剤層118により集約室下部材18bに固定されている。カバー部材19cには、集約室下部材18bの各挿通穴18cと同様の位置に複数の挿通穴が設けられており、各燃料電池セル16の上端部はセラミック接着剤層118及びカバー部材19cを貫通して延びている。
図4に示すように、複数の燃料電池セル16は、燃料電池セル16の各々の排気集約室18内の上端の高さHが不揃いとなるように配置されている。
ここで、燃料電池セルは焼結時に収縮し、その収縮量の違いにより、燃料電池セルの各々の長さは異なるのが普通である。収縮量のバラツキは燃料電池セルの全長に対して最大±2%程度であり、本実施形態においては、このバラツキの範囲で長さが異なる複数の燃料電池16を、長さを揃えるために切断することなく、使用するようにしている。
また、図2に示すように、長さが異なる複数の燃料電池セル16の下端部の高さを揃えて燃料ガス分散室76に後述するセラミック接着剤層により固定されている。
このようにして、本実施形態においては、長さの異なる複数の燃料電池16を使用しても、それらの下端部の高さが揃えられているので、排気集約室18内の複数の燃料電池セル16の上端の高さを容易に不揃いとすることができる。
一方、排気集約室18の天井面には、集約された燃料ガスを噴出させるための複数の噴出口18dが設けられている(図5)。各噴出口18dは、集約室上部材18aに、ほぼ等間隔に円周状に配置されている。発電に使用されずに残った未反応の燃料ガスは、各燃料電池セル16の上端から排気集約室18内に流出し、排気集約室18内で集約された燃料は各噴出口18dから上方にある燃焼室17に流出し、図4に示すように、燃焼室17内で燃焼される。
次に、図2を参照して、燃料供給源30から供給される原燃料ガスを改質するための構成について説明する。
まず、内側円筒部材64と外側円筒部材66の間の空間により形成されている燃料ガス供給流路20の下部には、水蒸気改質用の水を蒸発させるための蒸発部86が設けられている。蒸発部86は、外側円筒部材66の下部内周に取り付けられたリング状の傾斜板86a及び水供給パイプ88から形成されている。また、蒸発部86は、発電用の空気を導入するための酸化剤ガス導入パイプ56よりも下方で、排気ガスを排出する排ガス排出パイプ58よりも上方に配置されている。傾斜板86aは、リング状に形成された金属の薄板であり、その外周縁が外側円筒部材66の内壁面に取り付けられる。一方、傾斜板86aの内周縁は外周縁よりも上方に位置し、傾斜板86aの内周縁と、内側円筒部材64の外壁面との間には隙間が設けられている。
水供給パイプ88は内側円筒部材64の下端から燃料ガス供給流路20内に鉛直方向に延びるパイプであり、水流量調整ユニット28から供給された水蒸気改質用の水が、水供給パイプ88を介して蒸発部86に供給される。水供給パイプ88の上端は、傾斜板86aを貫通して傾斜板86aの上面側まで延び、傾斜板86aの上面側に供給された水は、傾斜板86aの上面と外側円筒部材66の内壁面の間に留まる。傾斜板86aの上面側に供給された水は、そこで蒸発され水蒸気が生成される。
また、蒸発部86の下方には、原燃料ガスを燃料ガス供給流路20内に導入するための燃料ガス導入部が設けられている。燃料ブロア38から送られた原燃料ガスは、燃料ガス供給パイプ90を介して燃料ガス供給流路20に導入される。燃料ガス供給パイプ90は内側円筒部材64の下端から燃料ガス供給流路20内に鉛直方向に延びるパイプである。また、燃料ガス供給パイプ90の上端は、傾斜板86aよりも下方に位置している。燃料ブロア38から送られた原燃料ガスは、傾斜板86aの下側に導入され、傾斜板86aの傾斜により流路を絞られながら傾斜板86aの上側へ上昇する。傾斜板86aの上側へ上昇した原燃料ガスは、蒸発部86で生成された水蒸気と共に上昇する。
燃料ガス供給流路20内の蒸発部86上方には、燃料ガス供給流路隔壁92が設けられている。燃料ガス供給流路隔壁92は、外側円筒部材66の内周と中間円筒部材65の外周の間の円環状の空間を上下に隔てるように設けられた円環状の金属板である。この燃料ガス供給流路隔壁92の円周上には等間隔に複数の噴射口92aが設けられており、これらの噴射口92aにより燃料ガス供給流路隔壁92の上側の空間と下側の空間が連通されている。燃料ガス供給パイプ90から導入された原燃料ガス及び蒸発部86で生成された水蒸気は、一旦、燃料ガス供給流路隔壁92の下側の空間に滞留した後、各噴射口92aを通って燃料ガス供給流路隔壁92の上側の空間に噴射される。各噴射口92aから燃料ガス供給流路隔壁92の上側の広い空間に噴射されると、原燃料ガス及び水蒸気は急激に減速され、ここで十分に混合される。
さらに、中間円筒部材65の内周と内側円筒部材64の外周の間の、円環状の空間の上部には、改質部94が設けられている。改質部94は、各燃料電池セル16の上部と、その上方の排気集約室18の周囲を取り囲むように配置されている。改質部94は、内側円筒部材64の外壁面に取り付けられた触媒保持板(図示せず)と、これにより保持された改質触媒96によって構成されている。
このように、改質部94内に充填された改質触媒96に、燃料ガス供給流路隔壁92の上側の空間で混合された原燃料ガス及び水蒸気が接触すると、改質部94内においては、式(1)に示す水蒸気改質反応SRが進行する。
mn+xH2O → aCO2+bCO+cH2 (1)
改質部94において改質された燃料ガスは、中間円筒部材65の内周と内側円筒部材64の外周の間の空間を下方に流れ、燃料ガス分散室76に流入して、各燃料電池セル16に供給される。水蒸気改質反応SRは吸熱反応であるが、反応に要する熱は、排気集約室18から流出する未反応の燃料ガス(オフガス)の燃焼熱、及び各燃料電池セル16において発生する発熱により供給される。
次に、図6を参照して、燃料電池セル16について説明する。
本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1においては、燃料電池セル16は、固体酸化物を用いたセルであり、さらに、複数の電極が上下方向に沿って配置された円筒横縞型セルである。各燃料電池セル16上には、複数の単セル16aが横縞状に形成されており、これらが電気的に直列に接続されることにより1本の燃料電池セル16となる。ここで、上述したように、複数の燃料電池セル16の各々は、各セルにおいて焼結時の収縮量が異なるため、その長さが異なっている。
各燃料電池セル16は、その一端がアノード(陽極)、他端がカソード(陰極)となるように構成され、複数の燃料電池セル16のうちの半数は上端がアノード、下端がカソードとなるように配置され、残りの半数は上端がカソード、下端がアノードとなるように配置されている。
図6(a)は、下端がカソードにされている燃料電池セル16の下端部を拡大して示す断面図であり、図6(b)は、下端がアノードにされている燃料電池セル16の下端部を拡大して示す断面図である。
図6に示すように、燃料電池セル16は、細長い円筒状の多孔質支持体97と、この多孔質支持体97の外側に横縞状に形成された複数の層から形成されている。この多孔質支持体97には、その下端から上端まで燃料ガス通路97aが形成されている。多孔質支持体97の周囲には、内側から順に、多孔質の燃料極層98、多孔質の反応抑制層99、緻密な固体電解質層100、多孔質の空気極層101が夫々横縞状に形成されている。このため、燃料ガス分散室76を介して供給された燃料ガスは、各燃料電池セル16の多孔質支持体97の内部を流れ、酸化剤ガス噴射用パイプ74から噴射された空気は、空気極層101の外側を流れる。燃料電池セル16上に形成された各単セル16aは、一組の燃料極層98、反応抑制層99、固体電解質層100、及び空気極層101から構成されている。1つの単セル16aの燃料極層98は、インターコネクタ層102を介して、隣接する単セル16aの空気極層101に電気的に接続されている。これにより、1本の燃料電池セル16上に形成された複数の単セル16aが、電気的に直列に接続される。
図6(a)に示すように、燃料電池セル16のカソード側端部には、多孔質支持体97の外周に多孔質の電極層(リード膜層)103aが形成され、この電極層103aの外側に緻密なリード膜保護層104aが形成されている。カソード側端部においては、端部に位置する単セル16aの空気極層101と電極層103aが、インターコネクタ層102により電気的に接続されている。これらの電極層103a及びリード膜保護層104aは、燃料電池セル16端部において第1固定部材63を貫通し、第1固定部材63よりも下方に突出するように形成されている。電極層103aは、リード膜保護層104aよりも下方まで形成されており、外部に露出された電極層103aに緻密な集電体82が電気的に接続されている。これにより、端部に位置する単セル16aの空気極層101がインターコネクタ層102、電極層103aを介して集電体82に接続され、図中の矢印のように電流が流れる。また、第1固定部材63の挿通穴63の縁とリード膜保護層104aの間の隙間には、セラミック接着剤が充填されてセラミック接着剤層122となり、このセラミック接着剤が硬化されることにより、燃料電池セル16は、リード膜保護層104aの外周で第1固定部材63に固定される。
ここで、緻密な電解質層であるリード膜保護層104aは、セラミック接着剤層122の所定の基準接着領域よりも上下方向にそれぞれより広くなる領域に設けられ、このリード膜保護層104aにより電極層103a及び支持体97の端部が覆われている。
図6(b)に示すように、燃料電池セル16のアノード側端部においては、端部に位置する単セル16aの燃料極層98が延長されており、燃料極層98の延長部が電極層103bとして機能する。電極層103bの外側にはリード膜保護層104bが形成されている。これらの電極層103b及びリード膜保護層104bは、燃料電池セル16端部において第1固定部材63を貫通し、第1固定部材63よりも下方に突出するように形成されている。電極層103bは、リード膜保護層104bよりも下方まで形成されており、外部に露出された電極層103bに集電体82が電気的に接続されている。これにより、端部に位置する単セル16aの燃料極層98が、一体的に形成された電極層103bを介して集電体82に接続され、図中の矢印のように電流が流れる。また、第1固定部材63の挿通穴63の縁とリード膜保護層104bの間の隙間には、セラミック接着剤が充填されてセラミック接着剤層122となり、このセラミック接着剤が硬化されることにより、燃料電池セル16は、リード膜保護層104bの外周で第1固定部材63に固定される。
同様に、緻密な電解質層であるリード膜保護層104bは、セラミック接着剤層122の所定の基準接着領域よりも上下方向にそれぞれより広くなる領域に設けられ、このリード膜保護層104bにより電極層103b及び支持体97の端部が覆われている。
図6(a)(b)においては、各燃料電池セル16の下端部の構成を説明したが、各燃料電池セル16の上端部における構成も同様である。なお、上端部においては、各燃料電池セル16は、排気集約室18の集約室下部材18bに固定されているが、固定部分の構成は下端部における第1固定部材63に対する固定と同様である。
次に、多孔質支持体97及び各層の構成を説明する。
多孔質支持体97は、本実施形態においては、フォルステライト粉末、及びバインダーの混合物を押し出し成形し、焼結することにより形成されている。
燃料極層98は、本実施形態においては、NiO粉末及び10YSZ(10mol%Y23−90mol%ZrO2)粉末の混合物により構成された導電性の薄膜である。
反応抑制層99は、本実施形態においては、セリウム系複合酸化物(LDC40。すなわち、40mol%のLa23−60mol%のCeO2)等により構成された薄膜であり、これにより、燃料極層98と固体電解質層100の間の化学反応を抑制している。
固体電解質層100は、本実施形態においては、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.23の組成のLSGM粉末により構成された薄膜である。この固体電解質層100を介して酸化物イオンと水素又は一酸化炭素が反応することにより電気エネルギーが生成される。
空気極層101は、本実施形態においては、La0.6Sr0.4Co0.8Fe0.23の組成の粉末により構成された導電性の薄膜である。
インターコネクタ層102は、本実施形態においては、SLT(ランタンドープストロンチウムチタネート)から作られた導電性の薄膜である。燃料電池セル16上の隣接する単セル16aはインターコネクタ層102を介して接続される。
電極層103a、103bは、本実施形態においては、燃料極層98と同一の材料で形成されている。
リード膜保護層104a、104bは、本実施形態においては、固体電解質層100と同一の材料で形成されている。
次に、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1の作用を説明する。
まず、固体酸化物型燃料電池装置1の起動工程において、燃料ブロア38が起動され、燃料の供給が開始されると共に、シースヒーター61への通電が開始される。シースヒーター61への通電が開始されることにより、その上方に配置された燃焼触媒60が加熱されると共に、内側に配置された蒸発部86も加熱される。燃料ブロア38により供給された燃料は、脱硫器36、熱交換器34、電磁弁35を介して、燃料ガス供給パイプ90から燃料電池セル収容容器8の内部に流入する。流入した燃料は、燃料ガス供給流路20内を上端まで上昇した後、改質部94内を下降し、内側円筒部材64の下部に設けられた小穴64bを通って燃料ガス分散室76に流入する。なお、固体酸化物型燃料電池装置1の起動直後においては、改質部94内の改質触媒96の温度が十分に上昇していないため、燃料の改質は行われない。
燃料ガス分散室76に流入した燃料ガスは、燃料ガス分散室76の第1固定部材63に取り付けられた各燃料電池セル16の内側(燃料極側)を通って排気集約室18に流入する。なお、固体酸化物型燃料電池装置1の起動直後においては、各燃料電池セル16の温度が十分に上昇しておらず、また、インバータ54への電力の取り出しも行われていないため、発電反応は発生しない。
排気集約室18に流入した燃料は、排気集約室18の噴出口18dから噴出される。噴出口18dから噴出された燃料は、点火ヒーター62により点火され、そこで燃焼される。この燃焼により、排気集約室18の周囲に配置された改質部94が加熱される。また、燃焼により生成された排気ガスは、内側円筒部材64の上部に設けられた小穴64aを通って排ガス排出流路21に流入する。高温の排気ガスは、排ガス排出流路21内を下降し、その内側に設けられた燃料ガス供給流路20を流れる燃料、外側に設けられた酸化剤ガス供給流路22内を流れる発電用の空気を加熱する。さらに、排気ガスは、排ガス排出流路21内に配置された燃焼触媒60を通ることにより一酸化炭素が除去され、排ガス排出パイプ58を通って燃料電池セル収容容器8から排出される。
排気ガス及びシースヒーター61により蒸発部86が加熱されると、蒸発部86に供給された水蒸気改質用の水が蒸発され、水蒸気が生成される。水蒸気改質用の水は、水流量調整ユニット28により、水供給パイプ88を介して燃料電池セル収容容器8内の蒸発部86に供給される。蒸発部86で生成された水蒸気と、燃料ガス供給パイプ90を介して供給された燃料は、一旦、燃料ガス供給流路20内の燃料ガス供給流路隔壁92の下側の空間に滞留し、燃料ガス供給流路隔壁92に設けられた複数の噴射口92aから噴射される。噴射口92aから勢いよく噴射された燃料及び水蒸気は、燃料ガス供給流路隔壁92の上側の空間内で減速されることにより、十分に混合される。
混合された燃料及び水蒸気は、燃料ガス供給流路20内を上昇し、改質部94に流入する。改質部94の改質触媒96が改質可能な温度まで上昇している状態においては、燃料及び水蒸気の混合気が改質部94を通過する際、水蒸気改質反応が発生し、混合気が水素を多く含む燃料に改質される。改質された燃料は、小穴64bを通って燃料ガス分散室76に流入する。小穴64bは燃料ガス分散室76の周囲に多数設けられ、燃料ガス分散室76として十分な容積が確保されているため、改質された燃料は、燃料ガス分散室76内に突出している各燃料電池セル16に均等に流入する。
一方、空気流量調整ユニット45により供給された酸化剤ガスである空気は、酸化剤ガス導入パイプ56を介して酸化剤ガス供給流路22に流入する。酸化剤ガス供給流路22に流入した空気は、内側を流れる排気ガスにより加熱されながら酸化剤ガス供給流路22内を上昇する。酸化剤ガス供給流路22内を上昇した空気は、燃料電池セル収容容器8内の上端部で中央に集められ、酸化剤ガス供給流路22に連通された酸化剤ガス噴射用パイプ74に流入する。酸化剤ガス噴射用パイプ74に流入した空気は下端から発電室10内に噴射され、噴射された空気は第1固定部材63の上面に当たって発電室10内全体に広がる。発電室10内に流入した空気は、排気集約室18の外周壁と内側円筒部材64の内周壁の間の隙間、及び排気集約室18の内周壁と酸化剤ガス噴射用パイプ74の外周面の間の隙間を通って上昇する。
この際、各燃料電池セル16の外側(空気極側)を通って流れる空気の一部は発電反応に利用される。また、排気集約室18の上方に上昇した空気の一部は、排気集約室18の噴出口18dから噴出する燃料の燃焼に利用される。燃焼により生成された排気ガス、及び発電、燃焼に利用されずに残った空気は、小穴64aを通って排ガス排出流路21に流入する。排ガス排出流路21に流入した排気ガス及び空気は、燃焼触媒60により一酸化炭素が除去された後、排出される。
このように、各燃料電池セル16が発電可能な温度である650℃程度まで上昇し、各燃料電池セル16の内側(燃料極側)に改質された燃料が流れ、外側(空気極側)に空気が流れると、化学反応により起電力が発生する。この状態において、燃料電池セル収容容器8から引き出されているバスバー80にインバータ54が接続されると、各燃料電池セル16から電力が取り出され、発電が行われる。
また、本実施形態の固体酸化物型燃料電池装置1においては、発電用の空気は、発電室10の中央に配置された酸化剤ガス噴射用パイプ74から噴射され、発電室10内を排気集約室18と内側円筒部材64の間の均等な隙間及び排気集約室18と酸化剤ガス噴射用パイプ74の間の均等な隙間を通って上昇する。このため、発電室10内の空気の流れは、ほぼ完全に軸対称の流れとなり、各燃料電池セル16の周囲には、ムラなく空気が流れる。これにより、各燃料電池セル16間の温度差が抑制され、各燃料電池セル16で均等な起電力を発生することができる。
次に、本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1の排気集約室18における作用を説明する。
本実施形態においては、複数の燃料電池セル16の各々の上端を内包すると共に複数の燃料電池セル16の各々の上端から噴出される未反応の燃料ガスを集める排気集約室18が設けられ、この排気集約室16の天井面には、未反応の燃料ガスを燃焼室に排出して燃焼させる複数の噴出口17dがほぼ等間隔に円周状に配置されている。さらに、複数の燃料電池セル16の各々は、排気集約室18内において、それらの燃料電池セル16の上端の高さHが不揃いとなるように配置されている。
このように構成された本実施形態の固体酸化型燃料電池装置1においては、複数の燃料電池セル16の各々が排気集約室18内において燃料電池セル16の上端の高さが不揃いとなるように配置されているので、複数の燃料電池セル16から排気集約室18内に排出されるごく少量の未反応の燃料ガスの流れが乱されることにより分散性が高まり、それにより、燃料ガスが排気集約室18の天井面にほぼ等間隔で形成された複数の噴出口18dにおいて均一に燃焼し易くなり、燃焼性が向上する。
また、燃料電池セル16は、焼結時に収縮するためセルの長さはセル毎にバラツキがあるが、本実施形態によれば、従来必要であった各燃料電池セルの長さを揃えるために端部を切断する工程が不要となり、長さが異なる複数の燃料電池セル16をそのまま使用することができるので、製造コストが低減し、燃料電池セルが安価になるという相乗効果を得ることができる。
また、本実施形態による固体酸化型燃料電池装置1においては、複数の燃料電池セル16のそれぞれの長さが異なっても、複数の燃料電池セル16の各々の下端部の下端の高さを揃えて燃料ガス分散室76に固定するようにしたので、燃料ガス分散室76から各燃料電池セル16に燃料ガスを均一に供給することができると共に、各燃料電池セル16の上端の高さを不揃いとすることができる。さらに、本実施形態においては、複数の燃料電池セル16の各々の下端部の下端の高さが揃えられているので、燃料電池セル16の下端部を燃料ガス分散室76にセラミック接着剤層122により固定するための工程が簡易となる。
さらに、複数の燃料電池セル16の長さにバラツキがある場合にはその長さ方向の中心を揃えて配置する必要があるが、本実施形態においては、複数の燃料電池セル16の各々の下端部の電解質層104aをセラミック接着剤層122の所定の基準接着領域よりも上下方向にそれぞれより広くなる領域に設け、電解質層104aの長さを余分に長くしたので、燃料電池セル16の長さのばらつきを吸収することができ、複数の燃料電池セル16の長さ方向の中心を揃えて配置する必要がないので、製造工程を簡易にすることができる。
1 固体酸化物型燃料電池装置
2 燃料電池モジュール
8 燃料電池セル収容容器
10 発電室
16 燃料電池セル
16a 単セル
17 燃焼室
18 排気集約室
18a 集約室上部材
18b 集約室下部材
18d 噴出口
62 点火ヒーター
63 第1固定部材
64 内側円筒部材
72 分散室底部材
76 燃料ガス分散室
97 多孔質支持体
97a 燃料ガス通路
98 燃料極層
100 固体電解質層
101 空気極層
103a 電極層(リード膜層)
104a リード膜保護層
122 セラミック接着剤層

Claims (4)

  1. 固体酸化物型燃料電池装置であって、
    内部に燃料ガス通路を備え且つ外表面に電極層を備えた上下方向に延びる複数の燃料電池セルと、
    これらの複数の燃料電池セルの各々の下端部を貫通固定すると共に上記複数の燃料電池セルの各々に燃料ガスを分散して供給する燃料ガス分散室と、
    上記複数の燃料電池セルの各々の上端を内包すると共に上記複数の燃料電池セルの各々の上端から噴出される未反応の燃料ガスを集める排気集約室と、を有し、
    上記排気集約室の天井面には、未反応の燃料ガスを燃焼室に排出して燃焼させる複数の噴出口がほぼ等間隔で形成され、
    上記複数の燃料電池セルの各々は、上記排気集約室内において、それらの燃料電池セルの上端の高さが不揃いとなるように配置されていることを特徴とする固体酸化物型燃料電池装置。
  2. 上記複数の燃料電池セルの各々の長さが異なっている請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
  3. 上記複数の燃料電池セルの各々は、その下端部がその下端の高さを揃えて上記燃料ガス分散室にセラミック接着剤層により固定されている請求項2に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
  4. 上記複数の燃料電池セルの各々の下端部の外表面には、電極層とこの電極層を覆う電解質層が形成され、この電解質層が、上記セラミック接着剤層の所定の基準接着領域よりも上下方向にそれぞれより広くなる領域に設けられている請求項3に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
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