JP2016038971A - 固体酸化物型燃料電池装置 - Google Patents

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修平 田中
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Abstract

【課題】蒸発部により所定量の水蒸気を安定的に供給することが可能な固体酸化物型燃料電池装置を提供する。
【解決手段】燃料電池セル集合体を内部に収容する収容容器8と、燃料ガス供給流路20と、排ガス排出流路21とを備え、収容容器8は、上下方向に延びる側壁によって、少なくとも燃料電池セル集合体の収容空間から、燃料ガス供給流路20及び排ガス排出流路21を互いに独立して層状に区画しており、燃料ガス供給流路20内に、改質部94と、水蒸気を生成する蒸発部86と、蒸発部86に水を供給する水供給パイプ88とが設けられており、水供給パイプ88は、上下方向に延びるように配置されており、且つ上端に蒸発部86内に水を供給するための吐水口88aが開口しており、水供給パイプ88の吐水口88aの縁部は、側面視で水平面に対して斜め方向に傾斜した端面を形成している。
【選択図】図7

Description

本発明は、固体酸化物型燃料電池装置に関し、特に、改質部に水蒸気を供給する蒸発部を備えた固体酸化物型燃料電池装置に関する。
固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下「SOFC」とも言う)は、電解質として酸化物イオン導電性固体電解質を用い、その両側に電極を取り付け、一方の側に燃料ガスを供給し、他方の側に酸化剤ガス(空気、酸素等)を供給して、比較的高温で動作する燃料電池である。
従来、固体酸化物型燃料電池では、蒸発部に水を供給して、その水を蒸発部で蒸発させることで水蒸気を生成し、水蒸気と原燃料ガスとの混合ガスを改質して燃料ガス(水素ガス)を取り出している(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の固体酸化物型燃料電池では、水平な平板からなる蒸発部の上方に水平方向から水供給管が延びており、水供給管の端部の吐水口から水が蒸発部に対して供給されるようになっている。水供給管から蒸発部に滴下された水は、蒸発部によって直ちに加熱されて水蒸気となり、この水蒸気と原燃料ガスとの混合ガスが改質部へ供給されるようになっている。
特開2013−171740号
固体酸化物型燃料電池装置では、蒸発部で蒸発させる水の量が非常に微量である(数cm3/分程度)。このため、水供給管から間欠的に水滴として供給されると、数分以上の長い時間の平均では水供給量が規定量に保持されているとしても、数十秒以下の程度の短い時間内では水供給量が安定しないおそれがある。具体的には、改質部に供給される混合ガスに含まれる水蒸気量が時間的に変動し、水蒸気量が少ない期間と水蒸気量が過多な期間とが繰り返されることになり、S/C比(炭化水素のカーボン総量との量論比)の適切な管理が難しくなる。
特に、水供給管の吐水口から連続的に水を供給しようとしても、水供給量が微量であるため、表面張力によって吐水口に水玉が成長する場合が問題となる。この場合、水滴は、表面張力により維持できなくなるまで水玉が大きくなってから、ようやく吐水口を離れて滴下する。そうすると、このような水玉の成長期間中は水が蒸発部に供給されなくなる。その後、成長した大きな水玉が滴下すると、規定量よりも多い水供給量が供給されることになる。そして、この大きく成長した水玉が蒸発部に溜まると、瞬間的に突沸し、規定量よりも多い水蒸気が供給されることになるおそれがある。
また、引用文献1に記載の固体酸化物型燃料電池装置では、上下方向に延びる複数の燃料電池セルが並設された燃料電池セル集合体の下方から、水供給管の鉛直部分が収容容器内に挿入されて上方へ延び、鉛直部分の上端で略直角に折れ曲がった水平部分が、蒸発部の上方まで延びている。しかしながら、燃料電池セル集合体の下方部分には、断熱材等を配置しなければならず、この部分に水供給管を配置することは難しい。このため、水供給管は、燃料電池セル集合体の外側にある幅狭な燃料ガス供給通路を通って、蒸発部の鉛直下方から蒸発部の上方まで延びるように配置することが実際的な構成である。
したがって、このように水供給管が上下方向に延びるように配置された場合には、水供給管の上端の吐水口が鉛直上方に開口するので、吐水口上に表面張力によって水玉がより成長し易くなり、連続的且つ安定的な水供給がさらに困難となる。
また、仮に水供給管の吐水口から連続的に水が供給されたとしても、供給された水が蒸発部の一部で局所的に蒸発すると、発生した水蒸気の空間分布にムラができてしまい、混合ガス中において、水蒸気量が多い部分と少ない部分が生じるおそれがあり、やはりS/C比の適切な管理が困難となる。
このように、従来、固体酸化物型燃料電池装置において、原燃料ガスに混合される水蒸気の供給量が時間的及び空間的に安定しないため、改質部による燃料ガスの生成量にバラつきが生じ、その結果、燃料ガス供給不足(燃料枯れ)を招くおそれがあるという問題があった。
従って、本発明は、蒸発部により所定量の水蒸気を安定的に供給することが可能な固体酸化物型燃料電池装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスの供給を受けて発電を行う固体酸化物型燃料電池装置において、上下方向に延びる複数の燃料電池セルが並設され互い電気的に接続されてなる燃料電池セル集合体と、燃料電池セル集合体を内部に収容する収容容器と、燃料ガスを燃料電池セルに供給するための燃料ガス供給流路と、収容容器からの排気ガスを排出するための排ガス排出流路と、を備え、収容容器は、上下方向に延びる側壁によって、少なくとも燃料電池セル集合体の収容空間から、燃料ガス供給流路及び排ガス排出流路を互いに独立して層状に区画しており、燃料ガス供給流路内に、原燃料ガスと水蒸気から燃料ガスを生成する改質反応を行う改質部と、排ガス排出流路を通る排気ガスの熱を利用して水を蒸発させて、改質部に供給するための水蒸気を生成する蒸発部と、蒸発部に水を供給する水供給管と、が設けられており、水供給管は、上下方向に延びるように配置されており、且つ上端に蒸発部内に水を供給するための吐水口が開口しており、水供給管の吐水口の縁部は、側面視で水平面に対して斜め方向に傾斜した端面を形成していることを特徴としている。
上述のように、水供給管が上下方向に延びており、その上端に吐水口が設けられる場合、蒸発部への水供給量が微量であるため、表面張力によって吐水口から水が落下することなく、吐水口上に水が溜まって水玉が形成され易い。そして、成長して大きくなった水玉が塊りとして蒸発部に落下する。一方、蒸発部は、水が落下してこない期間に通常より高温に加熱される。このため、成長した塊り状の水が落下してきた時点で蒸発部において突沸を生じるおそれがあった。これにより、原燃料ガスに混合するための水蒸気の供給量を時間的及び空間的に安定させることができなかった。
そこで、本発明においては、上下方向に延びる水供給管の上端の吐水口の縁部が、側面視で水平面に対して斜め方向に傾斜した端面を形成するように、水供給管の吐水口の形状に変更を加えている。このように構成することにより、水供給管を通して吐水口まで送り出されてきた水は、吐水口の傾斜端面により、斜面下方に向けて落下し易くなる。すなわち、吐水口の傾斜により、吐水口の端面が水平である場合と比べて、表面張力により吐水口に水玉が成長することを効果的に抑制することができる。これにより、吐水口から微量な水流量で連続的に蒸発部へ水を供給し易くなり、水蒸気の供給量の時間的変動を抑制することができる。このように、本発明は、水供給管の端部形状を工夫するという簡易な構成によって、微量な水供給量であっても、所望の供給量で安定的に水蒸気を供給可能とする実用上優れた効果を奏することができる。
本発明において、好ましくは、蒸発部は、水供給管から供給された水を毛細管現象によって、蒸発部内で分散させる毛細管現象発生部を有し、水供給管の吐水口の端面は、毛細間現象発生部側の縁部の方が低くなるように傾斜付けられている。
蒸発部に水が供給されても、供給された部位(例えば、水の落下部位)に水が留まっていると、その部位で突沸が生じてしまい、水蒸気の空間的な分布が不均一になり、原燃料ガスとの混合ガス中に水蒸気量の片寄りが生じてしまう。そこで、本発明においては、蒸発部に供給された微量な水を毛細管現象を利用して、蒸発部内で分散させるように構成されている。これにより、蒸発部に供給された水は、供給された部位に留まるのではなく、毛細管現象発生部に沿って分散させようとする力を受け、蒸発部内に広がり易くなる。さらに、本発明では、水供給管の吐水口から斜面下方に向けて水が流れ落ちるので、端面の傾斜方向の下側に毛細管現象発生部があるように、吐水口の端面が傾斜付けられている。これにより、水供給管の吐水口から出た水は、蒸発部の毛細管現象発生部に素早く到達することができるので、蒸発部内での分散をより促進することが可能となる。
本発明において、好ましくは、蒸発部は、収容容器の側壁に向けて低くなるように傾斜した傾斜面を有し、傾斜面と側壁との間の鋭角形状の角部が、毛細管現象発生部として機能する。
このように構成された本発明においては、収容容器の側壁に対して、傾斜した傾斜面を取り付けるという簡易な構成により毛細管現象発生部を形成することができるので、狭い燃料ガス供給流路内に毛細管現象発生部を容易に実現可能となる。
本発明において、好ましくは、水供給管の吐水口の端面は、蒸発部の傾斜面と面一に配置されている。
このように構成された本発明においては、吐水口の端面が蒸発部の傾斜面と面一であることにより、吐水口から出た水を水供給管の外周面を経由させることなく、直接的に蒸発部の傾斜面に供給することができる。これにより、表面張力による水の流れ難さ又は保持力をより低減して、微量な水流量であっても、確実に蒸発部の毛細管現象発生部へ到達させることが可能となる。
本発明の固体酸化物型燃料電池装置によれば、蒸発部により所定量の水蒸気を安定的に供給することができる。
本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)を示す全体構成図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置に内蔵されている燃料電池セル収容容器の断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置に内蔵されている燃料電池セル収容容器の主な部材を分解して示した断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置に内蔵されている排気集約室の部分を拡大して示す断面図である。 図2におけるV−V断面である。 (a)下端がカソードにされている燃料電池セルの下端部を拡大して示す断面図であり、(b)下端がアノードにされている燃料電池セルの下端部を拡大して示す断面図である。 本発明の一実施形態による蒸発部の説明図である。 本発明の他の実施形態による蒸発部の説明図である。 比較例に係る蒸発部の説明図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)を説明する。
図1は、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)を示す全体構成図である。この図1に示すように、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)1は、燃料電池モジュール2と、補機ユニット4を備えている。
燃料電池モジュール2は、ハウジング6を備え、このハウジング6内部には、断熱材7を介して燃料電池セル収容容器8が配置されている。この燃料電池セル収容容器8内の内部には発電室10が構成され、この発電室10の中には複数の燃料電池セル16が同心円状に配置されており、これらの燃料電池セル16により、燃料ガスと酸化剤ガスである空気の発電反応が行われる。
各燃料電池セル16の上端部には、排気集約室18が取り付けられている。各燃料電池セル16において発電反応に使用されずに残った残余の燃料(オフガス)は、上端部に取り付けられた排気集約室18に集められ、この排気集約室18の天井面に設けられた複数の噴出口から流出される。流出した燃料は、発電室10内で発電に使用されずに残った空気により燃焼され、排気ガスが生成されるようになっている。
次に、補機ユニット4は、水道等の水供給源24からの水を貯水してフィルターにより純水とする純水タンク26と、この純水タンクから供給される水の流量を調整する水供給装置である水流量調整ユニット28(モータで駆動される「水ポンプ」等)を備えている。また、補機ユニット4は、都市ガス等の燃料供給源30から供給された炭化水素系の原燃料ガスの流量を調整する燃料供給装置である燃料ブロア38(モータで駆動される「燃料ポンプ」等)を備えている。
なお、燃料ブロア38を通過した原燃料ガスは、燃料電池モジュール2内に配置された脱硫器36と、熱交換器34、電磁弁35を介して燃料電池セル収容容器8の内部に導入される。脱硫器36は、燃料電池セル収容容器8の周囲に環状に配置されており、原燃料ガスから硫黄を除去するようになっている。また、熱交換器34は、脱硫器36において温度上昇した高温の原燃料ガスが直接電磁弁35に流入し、電磁弁35が劣化されるのを防止するために設けられている。電磁弁35は、燃料電池セル収容容器8内への原燃料ガスの供給を停止するために設けられている。
補機ユニット4は、空気供給源40から供給される空気の流量を調整する酸化剤ガス供給装置である空気流量調整ユニット45(モータで駆動される「空気ブロア」等)を備えている。
さらに、補機ユニット4には、燃料電池モジュール2からの排気ガスの熱を回収するための温水製造装置50が備えられている。この温水製造装置50には、水道水が供給され、この水道水が排気ガスの熱により温水となり、図示しない外部の給湯器の貯湯タンクへ供給されるようになっている。
さらに、燃料電池モジュール2には、燃料電池モジュール2により発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ54が接続されている。
次に、図2及び図3により、本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)の燃料電池モジュールに内蔵された燃料電池セル収容容器の内部構造を説明する。図2は燃料電池セル収容容器の断面図であり、図3は燃料電池セル収容容器の主な部材を分解して示した断面図である。
図2に示すように、燃料電池セル収容容器8内の空間には、複数の燃料電池セル16が同心円状に配列され、その周囲を取り囲むように燃料流路である燃料ガス供給流路20、排ガス排出流路21、酸化剤ガス供給流路22が順に同心円状に形成されている。ここで、排ガス排出流路21及び酸化剤ガス供給流路22は、酸化剤ガスを供給/排出する酸化剤ガス流路として機能する。
まず、図2に示すように、燃料電池セル収容容器8は、概ね円筒状の密閉容器であり、その側面には、発電用の空気を供給する酸化剤ガス流入口である酸化剤ガス導入パイプ56、及び排気ガスを排出する排ガス排出パイプ58が接続されている。さらに、燃料電池セル収容容器8の上端面からは、排気集約室18から流出した残余燃料に点火するための点火ヒーター62が突出している。
図2及び図3に示すように、燃料電池セル収容容器8の内部には、燃料電池セル16の周囲を取り囲むように、内側から順に、発電室構成部材である内側円筒部材64、外側円筒部材66、内側円筒容器68、外側円筒容器70が配置されている。上述した燃料ガス供給流路20、排ガス排出流路21、及び酸化剤ガス供給流路22は、これらの円筒部材及び円筒容器の間に夫々構成される流路であり、隣り合う流路の間で熱交換が行われる。
即ち、排ガス排出流路21は燃料ガス供給流路20を取り囲むように配置され、酸化剤ガス供給流路22は排ガス排出流路21を取り囲むように配置されている。また、燃料電池セル収容容器8の下端側の開放空間は、燃料を各燃料電池セル16に分散させる燃料ガス分散室76の底面を構成する概ね円形の分散室底部材72により塞がれている。
内側円筒部材64は、概ね円筒状の中空体であり、その上端及び下端は開放されている。また、内側円筒部材64の内壁面には、分散室形成板である円形の第1固定部材63が気密的に溶接されている。この第1固定部材63の下面と、内側円筒部材64の内壁面と、分散室底部材72の上面により、燃料ガス分散室76が画定される。また、第1固定部材63には、各々燃料電池セル16を挿通させる複数の挿通穴63aが形成されており、各燃料電池セル16は、各挿通穴63aに挿通された状態で、セラミック接着剤により第1固定部材63に接着されている。このように、本実施形態の固体酸化物型燃料電池装置1においては、燃料電池モジュール2を構成する部材間相互の接合部には、セラミック接着剤が充填され、硬化されることにより、各部材が相互に気密的に接合されている。
外側円筒部材66は、内側円筒部材64の周囲に配置される円筒状の管であり、内側円筒部材64との間に円環状の流路が形成されるように、内側円筒部材64と概ね相似形に形成されている。さらに、内側円筒部材64と外側円筒部材66の間には中間円筒部材65が配置されている。中間円筒部材65は、内側円筒部材64と外側円筒部材66の間に配置された円筒状の管であり、内側円筒部材64の外周面と中間円筒部材65の内周面の間には改質部94が構成されている。また、中間円筒部材65の外周面と、外側円筒部材66の内周面の間の円環状の空間は、燃料ガス供給流路20として機能する。このため、改質部94及び燃料ガス供給流路20は、燃料電池セル16における発熱及び排気集約室18上端における残余燃料の燃焼により熱を受ける。また、内側円筒部材64の上端部と外側円筒部材66の上端部は溶接により気密的に接合されており、燃料ガス供給流路20の上端は閉鎖されている。さらに、中間円筒部材65の下端と、内側円筒部材64の外周面は、溶接により気密的に接合されている。
内側円筒容器68は、外側円筒部材66の周囲に配置される円形断面のカップ状の部材であり、外側円筒部材66との間にほぼ一定幅の円環状の流路が形成されるように、側面が外側円筒部材66と概ね相似形に形成されている。この内側円筒容器68は、内側円筒部材64の上端の開放部を覆うように配置される。外側円筒部材66の外周面と、内側円筒容器68の内周面の間の円環状の空間は、排ガス排出流路21(図2)として機能する。この排ガス排出流路21は、内側円筒部材64の上端部に設けられた複数の小穴64aを介して内側円筒部材64の内側の空間と連通している。また、内側円筒容器68の下部側面には、排ガス流出口である排ガス排出パイプ58が接続されており、排ガス排出流路21が排ガス排出パイプ58に連通される。
排ガス排出流路21の下部には、燃焼触媒60及びこれを加熱するためのシースヒーター61が配置されている。
燃焼触媒60は、排ガス排出パイプ58よりも上方に、外側円筒部材66の外周面と内側円筒容器68の内周面の間の円環状の空間に充填された触媒である。排ガス排出流路21を下降した排気ガスは、燃焼触媒60を通過することにより一酸化炭素が除去され、排ガス排出パイプ58から排出される。
シースヒーター61は、燃焼触媒60の下方の、外側円筒部材66の外周面を取り囲むように取り付けられた電気ヒーターである。固体酸化物型燃料電池装置1の起動時において、シースヒーター61に通電することにより、燃焼触媒60が活性温度まで加熱される。
外側円筒容器70は、内側円筒容器68の周囲に配置される円形断面のカップ状の部材であり、内側円筒容器68との間にほぼ一定幅の円環状の流路が形成されるように、側面が内側円筒容器68と概ね相似形に形成されている。内側円筒容器68の外周面と、外側円筒容器70の内周面の間の円環状の空間は、酸化剤ガス供給流路22として機能する。
また、外側円筒容器70の下部側面には、酸化剤ガス導入パイプ56が接続されており、酸化剤ガス供給流路22が酸化剤ガス導入パイプ56に連通される。
分散室底部材72は、概ね円形の皿状の部材であり、内側円筒部材64の内壁面にセラミック接着剤により気密的に固定される。これにより、第1固定部材63と分散室底部材72の間に、燃料ガス分散室76が構成される。また、分散室底部材72の中央には、バスバー80(図2)を挿通させるための挿通管72aが設けられている。各燃料電池セル16に電気的に接続されたバスバー80は、この挿通管72aを通して燃料電池セル収容容器8の外部に引き出される。また、挿通管72aには、セラミック接着剤が充填され、燃料ガス分散室76の気密性が確保されている。さらに、挿通管72aの周囲には、断熱材72b(図2)が配置されている。
内側円筒容器68の天井面から垂下するように、発電用の空気を噴射するための、円形断面の酸化剤ガス噴射用パイプ74が取り付けられている。この酸化剤ガス噴射用パイプ74は、内側円筒容器68の中心軸線上を鉛直方向に延び、その周囲の同心円上に各燃料電池セル16が配置される。酸化剤ガス噴射用パイプ74の上端が内側円筒容器68の天井面に取り付けられることにより、内側円筒容器68と外側円筒容器70の間に形成されている酸化剤ガス供給流路22と酸化剤ガス噴射用パイプ74が連通される。酸化剤ガス供給流路22を介して供給された空気は、酸化剤ガス噴射用パイプ74の先端から下方に噴射され、第1固定部材63の上面に当たって、発電室10内全体に広がる。
燃料ガス分散室76は、第1固定部材63と分散室底部材72の間に構成される円筒形の気密性のあるチャンバーであり、その上面に各燃料電池セル16が林立されている。第1固定部材63の上面に取り付けられた各燃料電池セル16は、その内側の燃料極が、燃料ガス分散室76の内部と連通されている。各燃料電池セル16の下端部は、第1固定部材63の挿通穴63aを貫通して燃料ガス分散室76の内部に突出し、各燃料電池セル16は第1固定部材63に、接着により固定されている。
図2に示すように、内側円筒部材64には、第1固定部材63よりも下方に複数の小穴64bが設けられている。内側円筒部材64の外周と中間円筒部材65の内周の間の空間は、複数の小穴64bを介して燃料ガス分散室76内に連通されている。供給された燃料は、外側円筒部材66の内周と中間円筒部材65の外周の間の空間を一旦上昇した後、内側円筒部材64の外周と中間円筒部材65の内周の間の空間を下降し、複数の小穴64bを通って燃料ガス分散室76内に流入する。燃料ガス分散室76に流入した燃料は、燃料ガス分散室76の天井面(第1固定部材63)に取り付けられた各燃料電池セル16の燃料極に分配される。
さらに、燃料ガス分散室76内に突出している各燃料電池セル16の下端部は、燃料ガス分散室76内でバスバー80に電気的に接続され、挿通管72aを通して電力が外部に引き出される。バスバー80は、各燃料電池セル16により生成された電力を、燃料電池セル収容容器8の外部へ取り出すための細長い金属導体であり、碍子78を介して分散室底部材72の挿通管72aに固定されている。バスバー80は、燃料ガス分散室76の内部において、各燃料電池セル16に取り付けられた集電体82と電気的に接続されている。また、バスバー80は、燃料電池セル収容容器8の外部において、インバータ54(図1)に接続される。なお、集電体82は、排気集約室18内に突出している各燃料電池セル16の上端部にも取り付けられている(図4)。これら上端部及び下端部の集電体82により、複数の燃料電池セル16が電気的に並列に接続されると共に、並列に接続された複数組の燃料電池セル16が電気的に直列に接続され、この直列接続の両端が夫々バスバー80に接続される。
次に、図4及び図5を参照して、排気集約室の構成を説明する。
図4は排気集約室の部分を拡大して示す断面図であり、図5は、図2におけるV−V断面である。
図4に示すように、排気集約室18は、各燃料電池セル16の上端部に取り付けられたドーナツ型断面のチャンバーであり、この排気集約室18の中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74が貫通して延びている。
図5に示すように、内側円筒部材64の内壁面には、排気集約室18支持用の3つのステー64cが等間隔に取り付けられている。図4に示すように、各ステー64cは金属製の薄板を折り曲げた小片であり、排気集約室18を各ステー64cの上に載置することにより、排気集約室18は内側円筒部材64と同心円上に位置決めされる。これにより、排気集約室18の外周面と内側円筒部材64の内周面の間の隙間、及び排気集約室18の内周面と酸化剤ガス噴射用パイプ74の外周面との間の隙間は、全周で均一になる(図5)。
排気集約室18は、集約室上部材18a及び集約室下部材18bが気密的に接合されることにより構成されている。
集約室下部材18bは、上方が開放された円形皿状の部材であり、その中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74を貫通させるための円筒部が設けられている。
集約室上部材18aは、下方が開放された円形皿状の部材であり、その中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74を貫通させるための開口部が設けられている。集約室上部材18aは、集約室下部材18bの上方に開口したドーナツ型断面の領域に嵌め込まれる形状に構成されている。
集約室下部材18bの周囲の壁の内周面と集約室上部材18aの外周面の間の隙間にはセラミック接着剤が充填され、硬化されており、この接合部の気密性が確保されている。
また、この接合部に充填されたセラミック接着剤により形成されたセラミック接着剤層の上には、大径シールリング19aが配置され、セラミック接着剤層を覆っている。大径シールリング19aは円環状の薄板であり、セラミック接着剤の充填後、充填されたセラミック接着剤を覆うように配置され、接着剤の硬化により排気集約室18に固定される。
一方、集約室下部材18b中央の円筒部の外周面と、集約室上部材18a中央の開口部の縁の間にもセラミック接着剤が充填され、硬化されており、この接合部の気密性が確保されている。また、この接合部に充填されたセラミック接着剤により形成されたセラミック接着剤層の上には、小径シールリング19bが配置され、セラミック接着剤層を覆っている。小径シールリング19bは円環状の薄板であり、セラミック接着剤の充填後、充填されたセラミック接着剤を覆うように配置され、接着剤の硬化により排気集約室18に固定される。
集約室下部材18bの底面には複数の円形の挿通穴18cが設けられている。各挿通穴18cには燃料電池セル16の上端部が夫々挿通され、各燃料電池セル16は各挿通穴18cを貫通して延びている。各燃料電池セル16が貫通している集約室下部材18bの底面上にはセラミック接着剤が流し込まれ、これが硬化されることにより、各燃料電池セル16の外周と各挿通穴18cの間の隙間が気密的に充填されると共に、各燃料電池セル16が集約室下部材18bに固定されている。
さらに、集約室下部材18bの底面上に流し込まれたセラミック接着剤の上には、円形薄板状のカバー部材19cが配置され、セラミック接着剤の硬化により集約室下部材18bに固定されている。カバー部材19cには、集約室下部材18bの各挿通穴18cと同様の位置に複数の挿通穴が設けられており、各燃料電池セル16の上端部はセラミック接着剤の層及びカバー部材19cを貫通して延びている。
一方、排気集約室18の天井面には、集約された燃料ガスを噴出させるための複数の噴出口18dが設けられている(図5)。各噴出口18dは、集約室上部材18aに、円周上に配置されている。発電に使用されずに残った燃料は、各燃料電池セル16の上端から排気集約室18内に流出し、排気集約室18内で集約された燃料は各噴出口18dから流出し、そこで燃焼される。
次に、図2を参照して、燃料供給源30から供給される原燃料ガスを改質するための構成について説明する。
まず、内側円筒部材64と外側円筒部材66の間の空間で構成されている燃料ガス供給流路20の下部には、水蒸気改質用の水を蒸発させるための蒸発部86が設けられている。蒸発部86は、外側円筒部材66の下部内周に取り付けられたリング状の傾斜板86aを備えており、水供給パイプ88から水が供給されるように構成されている。また、蒸発部86は、発電用の空気を導入するための酸化剤ガス導入パイプ56よりも下方で、排気ガスを排出する排ガス排出パイプ58よりも上方に配置されている。傾斜板86aは、リング状に形成された金属の薄板であり、その外周縁が外側円筒部材66の内壁面に取り付けられる。一方、傾斜板86aの内周縁は外周縁よりも上方に位置し、傾斜板86aの内周縁と、内側円筒部材64の外壁面との間には隙間が設けられている。
水供給パイプ88は内側円筒部材64の下端から燃料ガス供給流路20内に鉛直方向に延びるパイプであり、水流量調整ユニット28から供給された水蒸気改質用の水が、水供給パイプ88を介して蒸発部86に供給される。水供給パイプ88の上端は、傾斜板86aを貫通して傾斜板86aの上面側まで延び、傾斜板86aの上面側に供給された水は、傾斜板86aの上面と外側円筒部材66の内壁面との間に留まる。傾斜板86aの上面側に供給された水は、そこで蒸発され水蒸気が生成される。
また、蒸発部86の下方には、複数の噴射口91aが等間隔に設けられた円環状の金属板としての隔壁91を挟んで、原燃料ガスを燃料ガス供給流路20内に導入するための燃料ガス導入部が設けられている。燃料ブロア38から送られた原燃料ガスは、燃料ガス供給パイプ90を介して燃料ガス供給流路20に導入される。燃料ガス供給パイプ90は、内側円筒部材64の下端から燃料ガス供給流路20内に鉛直方向に延びるパイプである。
また、燃料ガス供給パイプ90の上端は、隔壁91よりも下方に位置している。燃料ガス供給パイプ90から導入された原燃料ガスは、一旦、隔壁91の下側の空間に滞留した後、各噴射口91aを通って隔壁91の上側の空間(つまり蒸発部86が設けられた空間)に噴射される。そして、噴射口91aから噴射された原燃料ガスは、傾斜板86aの下側に導入され、傾斜板86aの傾斜により流路を絞られながら傾斜板86aの上側へ上昇する。傾斜板86aの上側へ上昇した原燃料ガスは、蒸発部86で生成された水蒸気と共に上昇する。
燃料ガス供給流路20内の蒸発部86上方には、外側円筒部材66の内周と内側円筒部材64の外周の間の円環状の空間を上下に隔てるように設けられた円環状の金属板である混合板110が設けられている。この混合板110の円周上には1つの連通孔110aが設けられており、連通孔110aにより混合板110の上側の空間と下側の空間が連通されている。連通孔110aは、水供給パイプ88及び燃料ガス供給パイプ90が設けられた位置に対応する位置と、混合板110の中心軸(内側円筒部材64や外側円筒部材66などの中心軸に一致する)を挟んで対向する反対側の位置に設けられている。噴射口91aから噴射された原燃料ガス及び蒸発部86で生成された水蒸気は、一旦、混合板110の下側の空間に滞留した後、連通孔110aを通って混合板110の上側の空間に導入される。
混合板110の上方には、外側円筒部材66の内周と内側円筒部材64の外周の間の円環状の空間を上下に隔てるように設けられた円環状の金属板である混合板111が更に設けられている。混合板111は、混合板110と接近して配置されている。この混合板111の円周上には1つの連通孔111aが設けられており、連通孔111aにより混合板111の上側の空間と下側の空間が連通されている。連通孔111aは、混合板110において連通孔110aが設けられた位置に対応する位置と、混合板111の中心軸(内側円筒部材64や外側円筒部材66などの中心軸に一致する)を挟んで対向する反対側の位置に設けられている。混合板110の連通孔110aから導入された原燃料ガス及び水蒸気は、混合板110と混合板111との間の空間を移動して、混合板111の連通孔111aを通って混合板111の上側の空間に導入される。この場合、混合板110と混合板111との間の空間における上下方向幅が狭いため、原燃料ガス及び水蒸気は、水平方向に移動していき、その過程で混合される。
混合板111の上方には、外側円筒部材66の内周と中間円筒部材65の外周の間の円環状の空間を上下に隔てるように設けられた円環状の金属板である分散板112が更に設けられている。分散板112は、混合板111と離間して配置されている。具体的には、分散板112と混合板111との上下方向距離は、混合板110と混合板111との上下方向距離よりも長い。分散板112の円周上には複数の連通孔112aが設けられており、これらの連通孔112aにより分散板112の上側の空間と下側の空間が連通されている。混合板111の連通孔111aから導入された原燃料ガス及び水蒸気は、混合板111と分散板112との間の空間を移動して、各連通孔112aを通って分散板112の上側の空間に導入される。この場合、混合板111と分散板112との間の空間における上下方向幅が広いため、原燃料ガス及び水蒸気は、上方向に移動していき、その過程で混合される。
他方で、中間円筒部材65の内周と内側円筒部材64の外周の間の円環状の空間の上部には、改質部94が設けられている。また、改質部94の上部には、金属板である分散板113が設けられている。分散板113は、改質部94の上端を覆うように円環状に構成されており、複数の連通孔113aが等間隔に設けられている。上記した分散板112の連通孔112aを通過した原燃料ガス及び水蒸気は、分散板112の上方へと上昇していき、その後、外側円筒部材66の上面の内側の壁に衝突することで下降して、分散板113の各連通孔113aを通って改質部94に流入する。この場合、分散板113に設けられた複数の連通孔113aにより、改質部94に対して均一に混合ガスが導入される。
改質部94は、各燃料電池セル16の上部と、その上方の排気集約室18の周囲を取り囲むように配置されている。改質部94は、内側円筒部材64の外壁面に取り付けられた触媒保持板(図示せず)と、これにより保持された改質触媒96によって構成されている。
このように、改質部94内に充填された改質触媒96に、改質部94の上流側の燃料ガス供給流路20で混合された原燃料ガス及び水蒸気が接触すると、改質部94内においては、式(1)に示す水蒸気改質反応SRが進行する。
mn+xH2O → aCO2+bCO+cH2 (1)
改質部94において改質された燃料ガスは、中間円筒部材65の内周と内側円筒部材64の外周の間の空間を下方に流れ、燃料ガス分散室76に流入して、各燃料電池セル16に供給される。水蒸気改質反応SRは吸熱反応であるが、反応に要する熱は、排気集約室18から流出するオフガスの燃焼熱、及び各燃料電池セル16において発生する発熱により供給される。
次に、図6を参照して、燃料電池セル16について説明する。
本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1においては、燃料電池セル16として、固体酸化物を用いた円筒横縞型セルが採用されている。各燃料電池セル16上には、複数の単セル16aが横縞状に形成されており、これらが電気的に直列に接続されることにより1本の燃料電池セル16が構成されている。各燃料電池セル16は、その一端がアノード(陽極)、他端がカソード(陰極)となるように構成され、複数の燃料電池セル16のうちの半数は上端がアノード、下端がカソードとなるように配置され、残りの半数は上端がカソード、下端がアノードとなるように配置されている。
図6(a)は、下端がカソードにされている燃料電池セル16の下端部を拡大して示す断面図であり、図6(b)は、下端がアノードにされている燃料電池セル16の下端部を拡大して示す断面図である。
図6に示すように、燃料電池セル16は、細長い円筒状の多孔質支持体97と、この多孔質支持体97の外側に横縞状に形成された複数の層から形成されている。多孔質支持体97の周囲には、内側から順に、燃料極層98、反応抑制層99、固体電解質層100、空気極層101が夫々横縞状に形成されている。このため、燃料ガス分散室76を介して供給された燃料ガスは、各燃料電池セル16の多孔質支持体97の内部を流れ、酸化剤ガス噴射用パイプ74から噴射された空気は、空気極層101の外側を流れる。燃料電池セル16上に形成された各単セル16aは、一組の燃料極層98、反応抑制層99、固体電解質層100、及び空気極層101から構成されている。1つの単セル16aの燃料極層98は、インターコネクタ層102を介して、隣接する単セル16aの空気極層101に電気的に接続されている。これにより、1本の燃料電池セル16上に形成された複数の単セル16aが、電気的に直列に接続される。
図6(a)に示すように、燃料電池セル16のカソード側端部には、多孔質支持体97の外周に電極層103aが形成され、この電極層103aの外側にリード膜層104aが形成されている。カソード側端部においては、端部に位置する単セル16aの空気極層101と電極層103aが、インターコネクタ層102により電気的に接続されている。これらの電極層103a及びリード膜層104aは、燃料電池セル16端部において第1固定部材63を貫通し、第1固定部材63よりも下方に突出するように形成されている。電極層103aは、リード膜層104aよりも下方まで形成されており、外部に露出された電極層103aに集電体82が電気的に接続されている。これにより、端部に位置する単セル16aの空気極層101がインターコネクタ層102、電極層103aを介して集電体82に接続され、図中の矢印のように電流が流れる。また、第1固定部材63の挿通穴63aの縁とリード膜層104aの間の隙間には、セラミック接着剤が充填されており、燃料電池セル16は、リード膜層104aの外周で第1固定部材63に固定される。
図6(b)に示すように、燃料電池セル16のアノード側端部においては、端部に位置する単セル16aの燃料極層98が延長されており、燃料極層98の延長部が電極層103bとして機能する。電極層103bの外側にはリード膜層104bが形成されている。
これらの電極層103b及びリード膜層104bは、燃料電池セル16端部において第1固定部材63を貫通し、第1固定部材63よりも下方に突出するように形成されている。
電極層103bは、リード膜層104bよりも下方まで形成されており、外部に露出された電極層103bに集電体82が電気的に接続されている。これにより、端部に位置する単セル16aの燃料極層98が、一体的に形成された電極層103bを介して集電体82に接続され、図中の矢印のように電流が流れる。また、第1固定部材63の挿通穴63aの縁とリード膜層104bの間の隙間には、セラミック接着剤が充填されており、燃料電池セル16は、リード膜層104bの外周で第1固定部材63に固定される。
図6(a)(b)においては、各燃料電池セル16の下端部の構成を説明したが、各燃料電池セル16の上端部における構成も同様である。なお、上端部においては、各燃料電池セル16は、排気集約室18の集約室下部材18bに固定されているが、固定部分の構成は下端部における第1固定部材63に対する固定と同様である。
次に、多孔質支持体97及び各層の構成を説明する。
多孔質支持体97は、本実施形態においては、フォルステライト粉末、及びバインダーの混合物を押し出し成形し、焼結することにより形成されている。
燃料極層98は、本実施形態においては、NiO粉末及び10YSZ(10mol%Y23−90mol%ZrO2)粉末の混合物により構成された導電性の薄膜である。
反応抑制層99は、本実施形態においては、セリウム系複合酸化物(LDC40。すなわち、40mol%のLa23−60mol%のCeO2)等により構成された薄膜であり、これにより、燃料極層98と固体電解質層100の間の化学反応を抑制している。
固体電解質層100は、本実施形態においては、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.23の組成のLSGM粉末により構成された薄膜である。この固体電解質層100を介して酸化物イオンと水素又は一酸化炭素が反応することにより電気エネルギーが生成される。
空気極層101は、本実施形態においては、La0.6Sr0.4Co0.8Fe0.23の組成の粉末により構成された導電性の薄膜である。
インターコネクタ層102は、本実施形態においては、SLT(ランタンドープストロンチウムチタネート)により構成された導電性の薄膜である。燃料電池セル16上の隣接する単セル16aはインターコネクタ層102を介して接続される。
電極層103a、103bは、本実施形態においては、燃料極層98と同一の材料で形成されている。
リード膜層104a、104bは、本実施形態においては、固体電解質層100と同一の材料で形成されている。
次に、図1及び図2を参照して、固体酸化物型燃料電池装置1の作用を説明する。
まず、固体酸化物型燃料電池装置1の起動工程において、燃料ブロア38が起動され、燃料の供給が開始されると共に、シースヒーター61への通電が開始される。シースヒーター61への通電が開始されることにより、その上方に配置された燃焼触媒60が加熱されると共に、内側に配置された蒸発部86も加熱される。燃料ブロア38により供給された燃料は、脱硫器36、熱交換器34、電磁弁35を介して、燃料ガス供給パイプ90から燃料電池セル収容容器8の内部に流入する。流入した燃料は、燃料ガス供給流路20内を上端まで上昇した後、改質部94内を下降し、内側円筒部材64の下部に設けられた小穴64bを通って燃料ガス分散室76に流入する。なお、固体酸化物型燃料電池装置1の起動直後においては、改質部94内の改質触媒96の温度が十分に上昇していないため、燃料の改質は行われない。
燃料ガス分散室76に流入した燃料ガスは、燃料ガス分散室76の第1固定部材63に取り付けられた各燃料電池セル16の内側(燃料極側)を通って排気集約室18に流入する。なお、固体酸化物型燃料電池装置1の起動直後においては、各燃料電池セル16の温度が十分に上昇しておらず、また、インバータ54への電力の取り出しも行われていないため、発電反応は発生しない。
排気集約室18に流入した燃料は、排気集約室18の噴出口18dから噴出される。噴出口18dから噴出された燃料は、点火ヒーター62により点火され、そこで燃焼される。この燃焼により、排気集約室18の周囲に配置された改質部94が加熱される。また、燃焼により生成された排気ガスは、内側円筒部材64の上部に設けられた小穴64aを通って排ガス排出流路21に流入する。高温の排気ガスは、排ガス排出流路21内を下降し、その内側に設けられた燃料ガス供給流路20を流れる燃料、外側に設けられた酸化剤ガス供給流路22内を流れる発電用の空気を加熱する。さらに、排気ガスは、排ガス排出流路21内に配置された燃焼触媒60を通ることにより一酸化炭素が除去され、排ガス排出パイプ58を通って燃料電池セル収容容器8から排出される。
排気ガス及びシースヒーター61により蒸発部86が加熱されると、蒸発部86に供給された水蒸気改質用の水が蒸発され、水蒸気が生成される。水蒸気改質用の水は、水流量調整ユニット28により、水供給パイプ88を介して燃料電池セル収容容器8内の蒸発部86に供給される。蒸発部86で生成された水蒸気と、燃料ガス供給パイプ90を介して供給された燃料とは、改質部94までの燃料ガス供給流路20を移動していく過程で十分に混合される。
こうして混合された燃料及び水蒸気は、分散板113に設けられた複数の連通孔113aを通って改質部94に流入する。改質部94の改質触媒96が改質可能な温度まで上昇している状態においては、燃料及び水蒸気の混合ガスが改質部94を通過する際、水蒸気改質反応が発生し、混合ガスが水素を多く含む燃料に改質される。改質された燃料は、小穴64bを通って燃料ガス分散室76に流入する。小穴64bは燃料ガス分散室76の周囲に多数設けられ、燃料ガス分散室76として十分な容積が確保されているため、改質された燃料は、燃料ガス分散室76内に突出している各燃料電池セル16に均等に流入する。
一方、空気流量調整ユニット45により供給された酸化剤ガスである空気は、酸化剤ガス導入パイプ56を介して酸化剤ガス供給流路22に流入する。酸化剤ガス供給流路22に流入した空気は、内側を流れる排気ガスにより加熱されながら酸化剤ガス供給流路22内を上昇する。酸化剤ガス供給流路22内を上昇した空気は、燃料電池セル収容容器8内の上端部で中央に集められ、酸化剤ガス供給流路22に連通された酸化剤ガス噴射用パイプ74に流入する。酸化剤ガス噴射用パイプ74に流入した空気は下端から発電室10内に噴射され、噴射された空気は第1固定部材63の上面に当たって発電室10内全体に広がる。発電室10内に流入した空気は、排気集約室18の外周壁と内側円筒部材64の内周壁の間の隙間、及び排気集約室18の内周壁と酸化剤ガス噴射用パイプ74の外周面の間の隙間を通って上昇する。
この際、各燃料電池セル16の外側(空気極側)を通って流れる空気の一部は発電反応に利用される。また、排気集約室18の上方に上昇した空気の一部は、排気集約室18の噴出口18dから噴出する燃料の燃焼に利用される。燃焼により生成された排気ガス、及び発電、燃焼に利用されずに残った空気は、小穴64aを通って排ガス排出流路21に流入する。排ガス排出流路21に流入した排気ガス及び空気は、燃焼触媒60により一酸化炭素が除去された後、排出される。
このように、各燃料電池セル16が発電可能な温度である650℃程度まで上昇し、各燃料電池セル16の内側(燃料極側)に改質された燃料が流れ、外側(空気極側)に空気が流れると、化学反応により起電力が発生する。この状態において、燃料電池セル収容容器8から引き出されているバスバー80にインバータ54が接続されると、各燃料電池セル16から電力が取り出され、発電が行われる。
また、本実施形態の固体酸化物型燃料電池装置1においては、発電用の空気は、発電室10の中央に配置された酸化剤ガス噴射用パイプ74から噴射され、発電室10内を排気集約室18と内側円筒部材64の間の均等な隙間及び排気集約室18と酸化剤ガス噴射用パイプ74の間の均等な隙間を通って上昇する。このため、発電室10内の空気の流れは、ほぼ完全に軸対称の流れとなり、各燃料電池セル16の周囲には、ムラなく空気が流れる。これにより、各燃料電池セル16間の温度差が抑制され、各燃料電池セル16で均等な起電力を発生することができる。
次に、図7及び図8を参照して、本実施形態による蒸発部86についてより詳細に説明する。図7は本実施形態による蒸発部の説明図であり、図8は他の実施形態における蒸発部の説明図である。また、図9は比較例における蒸発部の説明図である。
水供給パイプ88は、外部から燃料電池セル収容容器8内に挿入され、内側円筒部材64と外側円筒部材66の間の燃料ガス供給流路20を上下方向に延びて、蒸発部86の傾斜板86aを貫通している(図2参照)。その貫通する部位では、水供給パイプ88の外周面と傾斜板86aの貫通孔の縁部とが溶接等により水密的に閉じられている。
図7に示すように、水供給パイプ88の上端には、吐水口88aが開口している。詳しくは、水供給パイプ88の吐水口88aは、上端部が長手方向(上下方向)に対して斜めに切断されたように、その縁部が側面視で水平面に対して斜め方向に傾斜した端面を形成している。吐水口88aの傾斜端面は、円筒容器の径方向外側が低くなるように傾斜しており、すなわち、内側円筒部材64の側よりも外側円筒部材66の側の方が低くなっている。
また、リング状の傾斜板86aは、その外周縁が外側円筒部材66の内壁面に取り付けられており、傾斜板86aの傾斜上面と外側円筒部材66の内壁面との間には、所定の鋭角(<90°)形状の角部86bが形成されている。この角部86bは、傾斜板86aの外周縁の全域にわたって環状に延びている。
水流量調整ユニット28から水供給パイプ88を通して所定の水供給量で水が供給されると、水供給パイプ88の吐水口88aに送り出された微量な水Wは、吐水口88aの端面の傾斜の下方に向けて流れ出す。流れ出した水Wは、水供給パイプ88の外周面を伝って傾斜板86a上に流れ落ち、さらに傾斜板86aの傾斜に沿って傾斜板86aの外周縁である角部86bまで到達する。
傾斜板86aの角部86bに到達した水Wは、角部86bの全周に向けて広がっていく。つまり、微量な水Wは、傾斜板86aの外周縁の全周に沿って分散される。すなわち、角部86bは、狭い凹部又は隙間と同様に細い管のように機能し、角部86bに供給された微量の水Wは、水の毛細管現象によって角部86bの長手方向(この場合、周方向)に広がろうとする。このように、本実施形態において、角部86bは、毛細管現象発生部として機能する。また、傾斜板86a及び外側円筒部材66は水に対する濡れ性が大きい金属製であり、水は比較的表面張力が大きいため、毛細管現象が誘発され易い。
なお、ここでいう「毛細管現象」は、一般的に広く用いられている現象、具体的には細管状物体(毛細管)内の水が表面張力により上昇していく現象を指すのではなく、地面とほぼ水平な方向に延びる狭い凹部(溝など)内の水が表面張力により移動していく現象を指す。後者の現象は、ヒートパイプ(ヒートポンプ)の技術分野などでも「毛細管現象」として使用されている。
蒸発部86は、シースヒーター61や排ガス排出流路21を通る排気ガスにより加熱され、これにより、傾斜板86aの外周縁の全周にわたって分散された水Wを蒸発させる。
次に、図9に示された比較例の蒸発部86’について説明する。この比較例では、水供給パイプ88の上端の吐水口88a’が傾斜端面ではなく、水平な端面に形成されている点で図7に示された本実施形態と相違している。
図9の例では、水供給パイプ88の上端の吐水口88a’まで微量な水Wが送り出されてくると、表面張力により、吐水口88a’上に水玉が形成される(図9(a)参照)。この水玉は、表面張力により吐水口88a’上に保持できなくなるまで成長を続ける(図9(b)参照)。したがって、この間は、蒸発部86’は、外部からの熱により温度が上昇し易くなる。
十分に成長して大きくなった水玉は、ある時点で、吐水口88a’から落下し、水供給パイプ88の外周面及び傾斜板86aの上面を伝って、角部86bに到達し(図9(c)参照)、水Wは角部86bの全周に向けて毛細管現象により拡散する(図9(d)参照)。
図9の比較例のように、水供給パイプ88の上端の吐水口88a’を水平端面とすると、表面張力により維持できなくなるまで水Wが吐水口88a’において水玉として成長した後、水Wが蒸発部86’に供給される。したがって、水玉が成長する間は水Wの供給が停止され、この期間は水蒸気の供給量が低下してしまう一方で、水Wが供給されるときには、水供給量が瞬間的に大きくなり、水蒸気の供給量が多くなってしまう。すなわち、図9の比較例では、水供給パイプ88から蒸発部86’への水供給量は、長時間に均せば水流量調整ユニット28による水供給量と一致するが、短時間に区切ると、水供給の無い期間と水供給の有る期間とが交互に繰り返されることになる。よって、図9の比較例では、燃料ガス供給パイプ90から供給される原燃料ガスに混合される水蒸気量が、時間的に変動してしまう。
さらに、図9の比較例では、表面張力により蒸発部86’への水供給が阻止されている間(図9(a),(b)参照)、蒸発部86’は水Wによる気化熱によって温度が低下することなく、継続的に排気ガスにより加熱されているため、通常よりも温度が上昇する。このため、大きく成長した水玉が蒸発部86’に供給されると水Wが突沸し、多量の水蒸気が発生してしまい、水Wが角部86bの全周に十分に広がる前に蒸発が完了するおそれがある。すなわち、水供給パイプ88の近傍でのみ水蒸気が発生し、水供給パイプ88から遠い部位では水蒸気の発生が十分に行われないおそれがある。したがって、上述のような水蒸気量の時間的な変動に加えて、空間的に水蒸気量の片寄りが生じるおそれがあり、所定のS/C比の管理を適切に行うことが困難となる。
これに対して、図7に示された本実施形態では、水供給パイプ88の上端の吐水口88aが傾斜端面を形成しているため、送り出されてきた水Wが、吐水口88aに保持されにくくなっている。すなわち、吐水口88aの端面を傾斜面とすることにより、表面張力による水玉の保持力を抑制して小さくすることができるので、水Wは、大きな水玉に成長する前に、吐水口88aの傾斜面に沿って落下し易くなる。さらに、水Wが落下を始めると、その後に送り出されてきた水Wの落下が促進されるため、連続的に微量な水流を連続的かつ安定的に供給することが可能となる。
さらに、本実施形態では、吐水口88aの端面が、外側円筒部材66の側が低くなるように傾斜されており、その方向に角部86bが存在するので、吐水口88aから斜面下方に流れ出た水Wを、角部86bに供給し易くなる。これとは逆に、吐水口88aの端面が、内側円筒部材64の側が低くなるように傾斜されていると、水供給パイプ88と傾斜板86aとの間に水Wが溜まり、角部86bに到達せずにそこで蒸発してしまう可能性があり、水の分散性が低下してしまう。
このように、本実施形態の蒸発部86では、角部86bの存在する方向に向けて低くなるように、水供給パイプ88の上端の吐水口88aを傾斜端面とすることにより、表面張力の影響を抑制して、蒸発部86の角部86bに向けて連続的かつ安定的に水を供給することができる。また、蒸発部86の角部86bが、毛細管現象発生部として機能するように構成されているため、蒸発部86に供給された微量な水Wの分散性を高めて、水Wを蒸発部86の長手方向(周方向)の全域に行き渡らせ易くすることができる。よって、本実施形態の蒸発部86では、時間的及び空間的に、安定的にかつ連続的に所定水供給量の水Wの供給を受け、所定の水蒸気を原燃料ガスに提供することができる。
次に、図8を参照して、本発明の他の実施形態による蒸発部について説明する。
図8に示された蒸発部186は、水供給パイプ88の上端の吐水口188aの端面が、傾斜板86aの上面と面一に形成されている点で、図7に示された蒸発部86と相違している。すなわち、蒸発部186では、水供給パイプ88の上端が、傾斜板86aの傾斜面から上方へ突出することなく、吐水口188aの上端縁部と傾斜板86aに形成された貫通孔の縁部とが、滑らかに連続するように溶接等によって水密的に固定されている。
本実施形態においても、吐水口188aの上端の端面は、角部86bの側に向けて低くなるように傾斜している。したがって、本実施形態においても、吐水口188aでの表面張力による水玉の保持力を抑制して小さくすることができるので、水Wは、大きな水玉に成長する前に、吐水口188aの傾斜面に沿って落下し易くなる。さらに、水Wが落下を始めると、その後に送り出されてきた水Wの落下が促進されるため、連続的に微量な水流を連続的かつ安定的に供給することが可能となる。
上記実施形態では、外側円筒部材66の内壁面に傾斜板86aを設けることにより、鋭角形状の凹部である角部86bを形成することができるため、毛細管現象を簡易な構成により実現することができる。しかしながら、これに限定されることなく、傾斜板86aを用いる代わりに、傾斜していない、ほぼ水平な円環状の薄板を用い(傾斜板86aと同様に外側円筒部材66の内壁面に固定する)、その薄板上に鋭角形状の凹部としての細長い溝を設けることによって、毛細管現象を実現してもよい。その場合、円環状の薄板上において水供給パイプ88からの水が流れ落ちる箇所を含む円周を予め特定しておき、その円周全体に沿って溝を形成すればよい。
1 固体酸化物型燃料電池装置
2 燃料電池モジュール
4 補機ユニット
8 燃料電池セル収容容器
10 発電室
16 燃料電池セル
20 燃料ガス供給流路
21 排ガス排出流路
22 酸化剤ガス供給流路
28 水流量調整ユニット
30 燃料供給源
56 酸化剤ガス導入パイプ
58 排ガス排出パイプ
64 内側円筒部材
65 中間円筒部材
66 外側円筒部材
68 内側円筒容器
70 外側円筒容器
86 蒸発部
86a 傾斜板
86b 角部(毛細管現象発生部)
88 水供給パイプ(水供給管)
88a 吐水口
90 燃料ガス供給パイプ
94 改質部
W 水

Claims (4)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスの供給を受けて発電を行う固体酸化物型燃料電池装置において、
    上下方向に延びる複数の燃料電池セルが並設され互い電気的に接続されてなる燃料電池セル集合体と、
    前記燃料電池セル集合体を内部に収容する収容容器と、
    前記燃料ガスを前記燃料電池セルに供給するための燃料ガス供給流路と、
    前記収容容器からの排気ガスを排出するための排ガス排出流路と、を備え、
    前記収容容器は、上下方向に延びる側壁によって、少なくとも前記燃料電池セル集合体の収容空間から、前記燃料ガス供給流路及び前記排ガス排出流路を互いに独立して層状に区画しており、
    前記燃料ガス供給流路内に、
    原燃料ガスと水蒸気から前記燃料ガスを生成する改質反応を行う改質部と、
    前記排ガス排出流路を通る前記排気ガスの熱を利用して水を蒸発させて、前記改質部に供給するための水蒸気を生成する蒸発部と、
    前記蒸発部に水を供給する水供給管と、が設けられており、
    前記水供給管は、上下方向に延びるように配置されており、且つ上端に前記蒸発部内に水を供給するための吐水口が開口しており、前記水供給管の吐水口の縁部は、側面視で水平面に対して斜め方向に傾斜した端面を形成していることを特徴とする固体酸化物型燃料電池装置。
  2. 前記蒸発部は、前記水供給管から供給された水を毛細管現象によって、前記蒸発部内で分散させる毛細管現象発生部を有し、
    前記水供給管の吐水口の端面は、前記毛細間現象発生部側の縁部の方が低くなるように傾斜付けられていることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
  3. 前記蒸発部は、前記収容容器の側壁に向けて低くなるように傾斜した傾斜面を有し、前記傾斜面と前記側壁との間の鋭角形状の角部が、前記毛細管現象発生部として機能することを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
  4. 前記水供給管の吐水口の端面は、前記蒸発部の傾斜面と面一に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
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