JP2015018750A - 固体酸化物型燃料電池装置 - Google Patents

固体酸化物型燃料電池装置 Download PDF

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直樹 渡邉
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Nobuo Isaka
暢夫 井坂
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Maki Sato
真樹 佐藤
田中 修平
Shuhei Tanaka
修平 田中
琢也 星子
Takuya Hoshiko
琢也 星子
安藤 茂
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茂 安藤
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Osamu Okamoto
修 岡本
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Kiyoshi Hayama
潔 端山
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正紀 古屋
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大 籾山
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Abstract

【課題】装置の大型化を招くことなく、排気浄化触媒及び蒸発器をヒーターにより加熱することが可能な固体酸化物型燃料電池装置を提供する。
【解決手段】複数の燃料電池セル16と、これらを収容するモジュールケースと、モジュールケースの外部に排気ガスを排気する排ガス排出流路21と、排ガス排出流路21内に設けられた燃焼触媒60と、燃焼触媒60を加熱するシースヒーター61と、燃料電池セル16に燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路20と、燃料ガス供給流路20の途中に配置された改質触媒96と、改質触媒96に水蒸気を供給する蒸発部86とを備え、排ガス排出流路21は、燃料ガス供給流路20と隣接して配置されており、シースヒーター61は、燃焼触媒60及び蒸発部86を加熱可能なように、排ガス排出流路21内において、燃料ガス供給流路20内に設けられた蒸発部86の側方に配置されている。
【選択図】図7

Description

本発明は、固体酸化物型燃料電池装置に関し、特に、排気浄化触媒を加熱するためのヒーターを備えた固体酸化物型燃料電池装置に関する。
固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下「SOFC」とも言う)は、電解質として酸化物イオン導電性固体電解質を用い、その両側に電極を取り付け、一方の側に燃料ガスを供給し、他方の側に酸化剤ガス(空気、酸素等)を供給して、比較的高温で動作する燃料電池である。
固体酸化物型燃料電池装置は、作動中、特に起動時において、一酸化炭素を含む排気ガスを排出するため、一酸化炭素除去のために排気浄化触媒が排気通路に設けられている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の燃料電池装置では、排気通路に設けられた排気浄化触媒によって、有害物質である一酸化炭素を除去した排気ガスを外部に放出することができる。起動時には、専用ヒーターにより排気浄化触媒が活性温度まで加熱され排気ガスを浄化する準備が整った後に、燃料ガスが燃料電池セルに供給される。
また、特許文献1に記載の燃料電池装置は、改質器を備えている。この改質器は、水蒸気を生成するための気化部(蒸発器)と、水蒸気が混入された原燃料ガスを水蒸気改質する改質部とが、直列的に結合された構成であり、燃料電池セルの上部に配置されオフガス(未反応の燃料ガス)の燃焼熱等により加熱されるようになっている。
特開2011−249160号
燃料電池装置の起動時には、排気浄化触媒を常温から活性温度まで昇温させなければならない。排気ガスが排気通路に流れ出すと、排気ガス及び排気浄化触媒の反応熱によって排気浄化触媒が加熱されるので、専用ヒーターによる加熱は不要となり、専用ヒーターはオフにされる。したがって、排気浄化触媒の専用ヒーターは、起動中の短期間にのみ使用されるため、作動中のほとんどの期間において使用されない。このため、起動時における排気ガス浄化という要求があるものの、排気浄化触媒のために専用ヒーターを設けることは、製造コスト増になるという問題があった。
また、特許文献1に記載の燃料電池装置が備える改質器は、気化部と改質部とが直列に結合された構成であるので、気化部で発生した水蒸気が、原燃料に対して十分に混合されないまま改質部に供給されるおそれがある。このような不十分な混合を回避するため、水蒸気と原燃料とを十分に混合した後に、その混合ガスを改質器に供給しようとする場合には、予め蒸発器で水蒸気を形成し、混合器によって原燃料ガスと水蒸気とを混合しておく必要がある。この場合、蒸発器にも専用のヒーターが必要である。これにより、更なる装置の大型化及び製造コスト増という問題が生じる。
従って、本発明は、装置の大型化を招くことなく、排気浄化触媒及び蒸発器をヒーターにより加熱することが可能な構成を有する固体酸化物型燃料電池装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、固体酸化物型燃料電池装置であって、内部に燃料ガス用通路を有し、外表面に空気極を有する複数の燃料電池セルと、燃料電池セルを収容するモジュールケースと、モジュールケース内に連通し、モジュールケースの外部に排気ガスを排気する排気通路と、排気通路内に設けられた排気浄化触媒と、排気浄化触媒を加熱する起動用ヒーターと、燃料電池セルに燃料ガスを供給する燃料供給通路と、燃料供給通路の途中に配置された改質触媒と、加熱されることにより水を気化して水蒸気を生成し、改質触媒に水蒸気を供給する蒸発器と、を備え、排気通路は、燃料供給通路と隣接して配置されており、起動用ヒーターは、排気浄化触媒及び蒸発器を加熱可能なように、排気通路内において、燃料供給通路内に設けられた蒸発器の側方に配置されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、排気浄化触媒を加熱するための起動用ヒーターが、改質器に水蒸気を供給する蒸発器を加熱するためのヒーターを兼用することができるように、排気浄化触媒を経路内に有する排気通路と、蒸発器を経路内に有する燃料供給通路とを隣接して配置し、起動用ヒーターの側方に蒸発器を配置している。このように、本発明では、起動用ヒーター,蒸発器を含む構成要素のレイアウトを工夫することにより、別の通路内にそれぞれ配置された排気浄化触媒及び蒸発器を、1つの起動用ヒーターによって加熱することが可能となり、排気浄化触媒の浄化性能及び蒸発器の気化性能を共に犠牲にすることなく装置の小型化、低コスト化を実現することができる。
本発明において、好ましくは、起動用ヒーターは、排気通路内において、排気浄化触媒の下流側に配置され、蒸発器は、排気通路の側壁を隔てて起動用ヒーターの側方に配置されている。
このように構成された本発明によれば、起動用ヒーターに対して、排気浄化触媒を上流側に配置することにより、排気浄化触媒を下流側から加熱可能であると共に、蒸発器を側方に配置することにより、蒸発器を側方から加熱可能である。このような直交関係の配置により、起動用ヒーターを排気浄化触媒の加熱と蒸発器の加熱に兼用することができる。
本発明において、好ましくは、排気通路は、蒸発器が側方に位置する排気通路の側壁部分よりも下流側に、排気ガスを装置外部に排出するための出口ポートを有している。
このように構成された本発明によれば、排気浄化触媒及び起動用ヒーターを通過した排気ガスが出口ポートに到達するまでの間に、排気ガスによる排気熱によっても蒸発器を加熱することが可能となる。これにより、水を気化する際に大きな熱量を必要とする蒸発器に対して十分な熱量を提供し、起動時に蒸発器による迅速な水の気化を可能とすることができる。
本発明において、好ましくは、起動用ヒーターが側方に位置する燃料供給通路の側壁部分に近接して、蒸発器に水を供給する水供給ポートが設けられている。
このように構成された本発明によれば、起動用ヒーターの配置位置に合わせて、起動用ヒーターの側方に、燃料供給通路の側壁に近接させて蒸発器の水供給ポートを配置することにより、蒸発器による迅速かつ確実な気化性能を実現することができる。
本発明において、好ましくは、起動用ヒーターの配置位置において、排気通路の側壁が、燃料供給通路の側壁を兼用している。
このように構成された本発明によれば、排気通路と燃料供給通路を隔てる側壁を1つの側壁で兼用させることにより、排気通路側から蒸発器への熱伝達ロスを低減することが可能となり、蒸発器による水の気化効率を高め、起動時に低温状態から開始して、短時間で効率よく水蒸気を発生させるようにすることができる。それゆえ、発熱を伴う部分酸化改質による起動運転をせずとも、水蒸気改質による起動運転が可能となり、改質触媒の耐久性を確保することができる。
本発明において、好ましくは、蒸発器が排気通路と断熱材との間で挟まれるように、断熱材が配置されている。
このように構成された本発明によれば、排気ガスが通過する排気通路と、排気通路や燃料供給通路のような他の装置構成部材よりも熱伝導率が低い断熱材とで蒸発器を挟むように構成することにより、熱を外部へ逃がさずに効率よく蒸発器を加熱することができる。
本発明において、好ましくは、起動用ヒーターの作動及び前記蒸発器への水供給を制御する制御装置を備え、制御装置は、装置起動時において、起動用ヒーターを作動させ、蒸発器の温度が所定温度に達した時点、又は、蒸発器の温度が所定温度に達すると予想される予め設定された時間が経過した時点で蒸発器への水供給を開始する。
起動時には、燃料ガスの燃焼熱によって、改質触媒を改質可能な活性温度まで早期に昇温させる必要があるが、燃料ガスの燃焼を開始したときに、最も多くの一酸化炭素が排気ガスに含まれる。このような一酸化炭素を排気ガスから除去するために、起動用ヒーターによる加熱によって排気浄化触媒を早期に活性化させておく必要がある。一方、蒸発器で水蒸気を生成する際には多くの熱量が必要であるため、起動用ヒーターによって、排気浄化触媒と蒸発器の両方を同時に加熱し始めると、排気浄化触媒の温度上昇に長時間が必要になり起動遅れが生じたり、排気浄化触媒の活性が不十分なまま燃料ガスの燃焼が開始されたりしてしまうおそれがある。
そこで、本発明によれば、起動用ヒーターを作動させて、排気浄化触媒及び蒸発器を加熱し始めてから、蒸発器が実質的に所定温度に達するまでは、蒸発器への水供給を禁止するように構成されている。本発明では、蒸発器による水蒸気の生成を遅らせて、排気浄化触媒を昇温するための熱エネルギーが気化熱によって奪われないようにすることにより、排気浄化触媒の早期活性化を実現し、一酸化炭素の発生量が最も多い起動初期における排気ガスの浄化を可能とすることができる。
本発明において、好ましくは、制御装置は、燃料電池セルへの燃料ガスの供給が開始され、発電反応に用いられなかった燃料ガスのモジュールケース内での燃焼が開始されてから所定期間経過後に、蒸発器への水供給を開始する。
このように構成された本発明によれば、発電反応に用いられなかった燃料ガスの燃焼を開始する時点では、蒸発器への水供給を行わず、起動用ヒーターにより排気浄化触媒を早期に活性させておくことができるので、燃料ガスの燃焼開始直後の一酸化炭素の含有量が最も多い排気ガスから一酸化炭素を排気浄化触媒によって確実に除去することが可能となり、その後に蒸発器で水蒸気を生成させることが可能となる。
本発明において、好ましくは、制御装置は、モジュールケース内での燃料ガスの燃焼開始に同期して、起動用ヒーターを作動停止にする。
このように構成された本発明によれば、燃料ガスの燃焼開始までには、排気浄化触媒を活性させ、且つ、蒸発器を気化可能な程度まで加熱させておくことができるので、燃料ガスの燃焼開始に同期して起動ヒーターを作動停止にすることができる。また、起動ヒーターを作動停止しても、燃料ガスの燃焼開始後は、排気ガスの排気熱、及び、排気浄化触媒の一酸化炭素除去の際の反応熱によって、蒸発器を引き続き加熱可能である。また、排気浄化触媒も、排気ガスの排気熱及び反応熱により、活性化状態に維持することができる。これにより、蒸発器の加熱による十分な水蒸気発生量の確保、起動ヒーターへの不必要な通電の抑制、及び、排気浄化触媒の活性化維持を図ることができる。
本発明の固体酸化物型燃料電池装置によれば、装置の大型化を招くことなく、排気浄化触媒及び蒸発器をヒーターにより加熱することができる。
本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)を示す全体構成図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置に内蔵されている燃料電池セル収容容器の断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置に内蔵されている燃料電池セル収容容器の主な部材を分解して示した断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置に内蔵されている排気集約室の部分を拡大して示す断面図である。 図2におけるV−V断面である。 (a)下端がカソードにされている燃料電池セルの下端部を拡大して示す断面図であり、(b)下端がアノードにされている燃料電池セルの下端部を拡大して示す断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置のシースヒーター及び蒸発器の配置を示す断面図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)を説明する。
図1は、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)を示す全体構成図である。この図1に示すように、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)1は、燃料電池モジュール2と、補機ユニット4を備えている。
燃料電池モジュール2は、ハウジング6を備え、このハウジング6内部には、断熱材7を介して燃料電池セル収容容器8が配置されている。この燃料電池セル収容容器8内の内部には発電室10が構成され、この発電室10の中には複数の燃料電池セル16が同心円状に配置されており、これらの燃料電池セル16により、燃料ガスと酸化剤ガスである空気の発電反応が行われる。
各燃料電池セル16の上端部には、排気集約室18が取り付けられている。各燃料電池セル16において発電反応に使用されずに残った残余の燃料(オフガス)は、上端部に取り付けられた排気集約室18に集められ、この排気集約室18の天井面に設けられた複数の噴出口から流出される。流出した燃料は、発電室10内で発電に使用されずに残った空気により燃焼され、排気ガスが生成されるようになっている。
次に、補機ユニット4は、水道等の水供給源24からの水を貯水してフィルターにより純水とする純水タンク26と、この純水タンクから供給される水の流量を調整する水供給装置である水流量調整ユニット28(モータで駆動される「水ポンプ」等)を備えている。また、補機ユニット4は、都市ガス等の燃料供給源30から供給された炭化水素系の原燃料ガスの流量を調整する燃料供給装置である燃料ブロア38(モータで駆動される「燃料ポンプ」等)を備えている。
なお、燃料ブロア38を通過した原燃料ガスは、燃料電池モジュール2内に配置された脱硫器36と、熱交換器34、電磁弁35を介して燃料電池セル収容容器8の内部に導入される。脱硫器36は、燃料電池セル収容容器8の周囲に環状に配置されており、原燃料ガスから硫黄を除去するようになっている。また、熱交換器34は、脱硫器36において温度上昇した高温の原燃料ガスが直接電磁弁35に流入し、電磁弁35が劣化されるのを防止するために設けられている。電磁弁35は、燃料電池セル収容容器8内への原燃料ガスの供給を停止するために設けられている。
補機ユニット4は、空気供給源40から供給される空気の流量を調整する酸化剤ガス供給装置である空気流量調整ユニット45(モータで駆動される「空気ブロア」等)を備えている。
さらに、補機ユニット4には、燃料電池モジュール2からの排気ガスの熱を回収するための温水製造装置50が備えられている。この温水製造装置50には、水道水が供給され、この水道水が排気ガスの熱により温水となり、図示しない外部の給湯器の貯湯タンクへ供給されるようになっている。
さらに、燃料電池モジュール2には、燃料電池モジュール2により発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ54が接続されている。
次に、図2及び図3により、本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)の燃料電池モジュールに内蔵された燃料電池セル収容容器の内部構造を説明する。図2は燃料電池セル収容容器の断面図であり、図3は燃料電池セル収容容器の主な部材を分解して示した断面図である。
図2に示すように、燃料電池セル収容容器8内の空間には、複数の燃料電池セル16が同心円状に配列され、その周囲を取り囲むように燃料流路である燃料ガス供給流路20、排ガス排出流路21、酸化剤ガス供給流路22が順に同心円状に形成されている。ここで、排ガス排出流路21及び酸化剤ガス供給流路22は、酸化剤ガスを供給/排出する酸化剤ガス流路として機能する。
まず、図2に示すように、燃料電池セル収容容器8は、概ね円筒状の密閉容器であり、その側面には、発電用の空気を供給する酸化剤ガス流入口である酸化剤ガス導入パイプ56、及び排気ガスを排出する排ガス排出パイプ58が接続されている。さらに、燃料電池セル収容容器8の上端面からは、排気集約室18から流出した残余燃料に点火するための点火ヒーター62が突出している。
図2及び図3に示すように、燃料電池セル収容容器8の内部には、燃料電池セル16の周囲を取り囲むように、内側から順に、発電室構成部材である内側円筒部材64、外側円筒部材66、内側円筒容器68、外側円筒容器70が配置されている。上述した燃料ガス供給流路20、排ガス排出流路21、及び酸化剤ガス供給流路22は、これらの円筒部材及び円筒容器の間に夫々構成される流路であり、隣り合う流路の間で熱交換が行われる。即ち、排ガス排出流路21は燃料ガス供給流路20を取り囲むように配置され、酸化剤ガス供給流路22は排ガス排出流路21を取り囲むように配置されている。また、燃料電池セル収容容器8の下端側の開放空間は、燃料を各燃料電池セル16に分散させる燃料ガス分散室76の底面を構成する概ね円形の分散室底部材72により塞がれている。
内側円筒部材64は、概ね円筒状の中空体であり、その上端及び下端は開放されている。また、内側円筒部材64の内壁面には、分散室形成板である円形の第1固定部材63が気密的に溶接されている。この第1固定部材63の下面と、内側円筒部材64の内壁面と、分散室底部材72の上面により、燃料ガス分散室76が画定される。また、第1固定部材63には、各々燃料電池セル16を挿通させる複数の挿通穴63aが形成されており、各燃料電池セル16は、各挿通穴63aに挿通された状態で、セラミック接着剤により第1固定部材63に接着されている。このように、本実施形態の固体酸化物型燃料電池装置1においては、燃料電池モジュール2を構成する部材間相互の接合部には、セラミック接着剤が充填され、硬化されることにより、各部材が相互に気密的に接合されている。
外側円筒部材66は、内側円筒部材64の周囲に配置される円筒状の管であり、内側円筒部材64との間に円環状の流路が形成されるように、内側円筒部材64と概ね相似形に形成されている。さらに、内側円筒部材64と外側円筒部材66の間には中間円筒部材65が配置されている。中間円筒部材65は、内側円筒部材64と外側円筒部材66の間に配置された円筒状の管であり、内側円筒部材64の外周面と中間円筒部材65の内周面の間には改質部94が構成されている。また、中間円筒部材65の外周面と、外側円筒部材66の内周面の間の円環状の空間は、燃料ガス供給流路20として機能する。このため、改質部94及び燃料ガス供給流路20は、燃料電池セル16における発熱及び排気集約室18上端における残余燃料の燃焼により熱を受ける。また、内側円筒部材64の上端部と外側円筒部材66の上端部は溶接により気密的に接合されており、燃料ガス供給流路20の上端は閉鎖されている。さらに、中間円筒部材65の下端と、内側円筒部材64の外周面は、溶接により気密的に接合されている。
内側円筒容器68は、外側円筒部材66の周囲に配置される円形断面のカップ状の部材であり、外側円筒部材66との間にほぼ一定幅の円環状の流路が形成されるように、側面が外側円筒部材66と概ね相似形に形成されている。この内側円筒容器68は、内側円筒部材64の上端の開放部を覆うように配置される。外側円筒部材66の外周面と、内側円筒容器68の内周面の間の円環状の空間は、排ガス排出流路21(図2)として機能する。この排ガス排出流路21は、内側円筒部材64の上端部に設けられた複数の小穴64aを介して内側円筒部材64の内側の空間と連通している。また、内側円筒容器68の下部側面には、排ガス流出口である排ガス排出パイプ58が接続されており、排ガス排出流路21が排ガス排出パイプ58に連通される。
排ガス排出流路21の下部には、燃焼触媒60及びこれを加熱するためのシースヒーター61が配置されている。
燃焼触媒60は、排ガス排出パイプ58よりも上方に、外側円筒部材66の外周面と内側円筒容器68の内周面の間の円環状の空間に充填された触媒である。排ガス排出流路21を下降した排気ガスは、燃焼触媒60を通過することにより一酸化炭素が除去され、排ガス排出パイプ58から排出される。
シースヒーター61は、燃焼触媒60の下方の、外側円筒部材66の外周面を取り囲むように取り付けられた電気ヒーターである。固体酸化物型燃料電池装置1の起動時において、シースヒーター61に通電することにより、燃焼触媒60が活性温度まで加熱される。
外側円筒容器70は、内側円筒容器68の周囲に配置される円形断面のカップ状の部材であり、内側円筒容器68との間にほぼ一定幅の円環状の流路が形成されるように、側面が内側円筒容器68と概ね相似形に形成されている。内側円筒容器68の外周面と、外側円筒容器70の内周面の間の円環状の空間は、酸化剤ガス供給流路22として機能する。また、外側円筒容器70の下部側面には、酸化剤ガス導入パイプ56が接続されており、酸化剤ガス供給流路22が酸化剤ガス導入パイプ56に連通される。
分散室底部材72は、概ね円形の皿状の部材であり、内側円筒部材64の内壁面にセラミック接着剤により気密的に固定される。これにより、第1固定部材63と分散室底部材72の間に、燃料ガス分散室76が構成される。また、分散室底部材72の中央には、バスバー80(図2)を挿通させるための挿通管72aが設けられている。各燃料電池セル16に電気的に接続されたバスバー80は、この挿通管72aを通して燃料電池セル収容容器8の外部に引き出される。また、挿通管72aには、セラミック接着剤が充填され、燃料ガス分散室76の気密性が確保されている。さらに、挿通管72aの周囲には、断熱材72b(図2)が配置されている。
内側円筒容器68の天井面から垂下するように、発電用の空気を噴射するための、円形断面の酸化剤ガス噴射用パイプ74が取り付けられている。この酸化剤ガス噴射用パイプ74は、内側円筒容器68の中心軸線上を鉛直方向に延び、その周囲の同心円上に各燃料電池セル16が配置される。酸化剤ガス噴射用パイプ74の上端が内側円筒容器68の天井面に取り付けられることにより、内側円筒容器68と外側円筒容器70の間に形成されている酸化剤ガス供給流路22と酸化剤ガス噴射用パイプ74が連通される。酸化剤ガス供給流路22を介して供給された空気は、酸化剤ガス噴射用パイプ74の先端から下方に噴射され、第1固定部材63の上面に当たって、発電室10内全体に広がる。
燃料ガス分散室76は、第1固定部材63と分散室底部材72の間に構成される円筒形の気密性のあるチャンバーであり、その上面に各燃料電池セル16が林立されている。第1固定部材63の上面に取り付けられた各燃料電池セル16は、その内側の燃料極が、燃料ガス分散室76の内部と連通されている。各燃料電池セル16の下端部は、第1固定部材63の挿通穴63aを貫通して燃料ガス分散室76の内部に突出し、各燃料電池セル16は第1固定部材63に、接着により固定されている。
図2に示すように、内側円筒部材64には、第1固定部材63よりも下方に複数の小穴64bが設けられている。内側円筒部材64の外周と中間円筒部材65の内周の間の空間は、複数の小穴64bを介して燃料ガス分散室76内に連通されている。供給された燃料は、外側円筒部材66の内周と中間円筒部材65の外周の間の空間を一旦上昇した後、内側円筒部材64の外周と中間円筒部材65の内周の間の空間を下降し、複数の小穴64bを通って燃料ガス分散室76内に流入する。燃料ガス分散室76に流入した燃料は、燃料ガス分散室76の天井面(第1固定部材63)に取り付けられた各燃料電池セル16の燃料極に分配される。
さらに、燃料ガス分散室76内に突出している各燃料電池セル16の下端部は、燃料ガス分散室76内でバスバー80に電気的に接続され、挿通管72aを通して電力が外部に引き出される。バスバー80は、各燃料電池セル16により生成された電力を、燃料電池セル収容容器8の外部へ取り出すための細長い金属導体であり、碍子78を介して分散室底部材72の挿通管72aに固定されている。バスバー80は、燃料ガス分散室76の内部において、各燃料電池セル16に取り付けられた集電体82と電気的に接続されている。また、バスバー80は、燃料電池セル収容容器8の外部において、インバータ54(図1)に接続される。なお、集電体82は、排気集約室18内に突出している各燃料電池セル16の上端部にも取り付けられている(図4)。これら上端部及び下端部の集電体82により、複数の燃料電池セル16が電気的に並列に接続されると共に、並列に接続された複数組の燃料電池セル16が電気的に直列に接続され、この直列接続の両端が夫々バスバー80に接続される。
次に、図4及び図5を参照して、排気集約室の構成を説明する。
図4は排気集約室の部分を拡大して示す断面図であり、図5は、図2におけるV−V断面である。
図4に示すように、排気集約室18は、各燃料電池セル16の上端部に取り付けられたドーナツ型断面のチャンバーであり、この排気集約室18の中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74が貫通して延びている。
図5に示すように、内側円筒部材64の内壁面には、排気集約室18支持用の3つのステー64cが等間隔に取り付けられている。図4に示すように、各ステー64cは金属製の薄板を折り曲げた小片であり、排気集約室18を各ステー64cの上に載置することにより、排気集約室18は内側円筒部材64と同心円上に位置決めされる。これにより、排気集約室18の外周面と内側円筒部材64の内周面の間の隙間、及び排気集約室18の内周面と酸化剤ガス噴射用パイプ74の外周面との間の隙間は、全周で均一になる(図5)。
排気集約室18は、集約室上部材18a及び集約室下部材18bが気密的に接合されることにより構成されている。
集約室下部材18bは、上方が開放された円形皿状の部材であり、その中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74を貫通させるための円筒部が設けられている。
集約室上部材18aは、下方が開放された円形皿状の部材であり、その中央には、酸化剤ガス噴射用パイプ74を貫通させるための開口部が設けられている。集約室上部材18aは、集約室下部材18bの上方に開口したドーナツ型断面の領域に嵌め込まれる形状に構成されている。
集約室下部材18bの周囲の壁の内周面と集約室上部材18aの外周面の間の隙間にはセラミック接着剤が充填され、硬化されており、この接合部の気密性が確保されている。また、この接合部に充填されたセラミック接着剤により形成されたセラミック接着剤層の上には、大径シールリング19aが配置され、セラミック接着剤層を覆っている。大径シールリング19aは円環状の薄板であり、セラミック接着剤の充填後、充填されたセラミック接着剤を覆うように配置され、接着剤の硬化により排気集約室18に固定される。
一方、集約室下部材18b中央の円筒部の外周面と、集約室上部材18a中央の開口部の縁の間にもセラミック接着剤が充填され、硬化されており、この接合部の気密性が確保されている。また、この接合部に充填されたセラミック接着剤により形成されたセラミック接着剤層の上には、小径シールリング19bが配置され、セラミック接着剤層を覆っている。小径シールリング19bは円環状の薄板であり、セラミック接着剤の充填後、充填されたセラミック接着剤を覆うように配置され、接着剤の硬化により排気集約室18に固定される。
集約室下部材18bの底面には複数の円形の挿通穴18cが設けられている。各挿通穴18cには燃料電池セル16の上端部が夫々挿通され、各燃料電池セル16は各挿通穴18cを貫通して延びている。各燃料電池セル16が貫通している集約室下部材18bの底面上にはセラミック接着剤が流し込まれ、これが硬化されることにより、各燃料電池セル16の外周と各挿通穴18cの間の隙間が気密的に充填されると共に、各燃料電池セル16が集約室下部材18bに固定されている。
さらに、集約室下部材18bの底面上に流し込まれたセラミック接着剤の上には、円形薄板状のカバー部材19cが配置され、セラミック接着剤の硬化により集約室下部材18bに固定されている。カバー部材19cには、集約室下部材18bの各挿通穴18cと同様の位置に複数の挿通穴が設けられており、各燃料電池セル16の上端部はセラミック接着剤の層及びカバー部材19cを貫通して延びている。
一方、排気集約室18の天井面には、集約された燃料ガスを噴出させるための複数の噴出口18dが設けられている(図5)。各噴出口18dは、集約室上部材18aに、円周上に配置されている。発電に使用されずに残った燃料は、各燃料電池セル16の上端から排気集約室18内に流出し、排気集約室18内で集約された燃料は各噴出口18dから流出し、そこで燃焼される。
次に、図2を参照して、燃料供給源30から供給される原燃料ガスを改質するための構成について説明する。
まず、内側円筒部材64と外側円筒部材66の間の空間で構成されている燃料ガス供給流路20の下部には、水蒸気改質用の水を蒸発させるための蒸発部86が設けられている。蒸発部86は、外側円筒部材66の下部内周に取り付けられたリング状の傾斜板86a及び水供給パイプ88から構成されている。また、蒸発部86は、発電用の空気を導入するための酸化剤ガス導入パイプ56よりも下方で、排気ガスを排出する排ガス排出パイプ58よりも上方に配置されている。傾斜板86aは、リング状に形成された金属の薄板であり、その外周縁が外側円筒部材66の内壁面に取り付けられる。一方、傾斜板86aの内周縁は外周縁よりも上方に位置し、傾斜板86aの内周縁と、内側円筒部材64の外壁面との間には隙間が設けられている。
水供給パイプ88は内側円筒部材64の下端から燃料ガス供給流路20内に鉛直方向に延びるパイプであり、水流量調整ユニット28から供給された水蒸気改質用の水が、水供給パイプ88を介して蒸発部86に供給される。水供給パイプ88の上端は、傾斜板86aを貫通して傾斜板86aの上面側まで延び、傾斜板86aの上面側に供給された水は、傾斜板86aの上面と外側円筒部材66の内壁面の間に留まる。傾斜板86aの上面側に供給された水は、そこで蒸発され水蒸気が生成される。
また、蒸発部86の下方には、原燃料ガスを燃料ガス供給流路20内に導入するための燃料ガス導入部が設けられている。燃料ブロア38から送られた原燃料ガスは、燃料ガス供給パイプ90を介して燃料ガス供給流路20に導入される。燃料ガス供給パイプ90は内側円筒部材64の下端から燃料ガス供給流路20内に鉛直方向に延びるパイプである。また、燃料ガス供給パイプ90の上端は、傾斜板86aよりも下方に位置している。燃料ブロア38から送られた原燃料ガスは、傾斜板86aの下側に導入され、傾斜板86aの傾斜により流路を絞られながら傾斜板86aの上側へ上昇する。傾斜板86aの上側へ上昇した原燃料ガスは、蒸発部86で生成された水蒸気と共に上昇する。
燃料ガス供給流路20内の蒸発部86上方には、燃料ガス供給流路隔壁92が設けられている。燃料ガス供給流路隔壁92は、外側円筒部材66の内周と中間円筒部材65の外周の間の円環状の空間を上下に隔てるように設けられた円環状の金属板である。この燃料ガス供給流路隔壁92の円周上には等間隔に複数の噴射口92aが設けられており、これらの噴射口92aにより燃料ガス供給流路隔壁92の上側の空間と下側の空間が連通されている。燃料ガス供給パイプ90から導入された原燃料ガス及び蒸発部86で生成された水蒸気は、一旦、燃料ガス供給流路隔壁92の下側の空間に滞留した後、各噴射口92aを通って燃料ガス供給流路隔壁92の上側の空間に噴射される。各噴射口92aから燃料ガス供給流路隔壁92の上側の広い空間に噴射されると、原燃料ガス及び水蒸気は急激に減速され、ここで十分に混合される。
さらに、中間円筒部材65の内周と内側円筒部材64の外周の間の、円環状の空間の上部には、改質部94が設けられている。改質部94は、各燃料電池セル16の上部と、その上方の排気集約室18の周囲を取り囲むように配置されている。改質部94は、内側円筒部材64の外壁面に取り付けられた触媒保持板(図示せず)と、これにより保持された改質触媒96によって構成されている。
このように、改質部94内に充填された改質触媒96に、燃料ガス供給流路隔壁92の上側の空間で混合された原燃料ガス及び水蒸気が接触すると、改質部94内においては、式(1)に示す水蒸気改質反応SRが進行する。
mn+xH2O → aCO2+bCO+cH2 (1)
改質部94において改質された燃料ガスは、中間円筒部材65の内周と内側円筒部材64の外周の間の空間を下方に流れ、燃料ガス分散室76に流入して、各燃料電池セル16に供給される。水蒸気改質反応SRは吸熱反応であるが、反応に要する熱は、排気集約室18から流出するオフガスの燃焼熱、及び各燃料電池セル16において発生する発熱により供給される。
次に、図6を参照して、燃料電池セル16について説明する。
本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1においては、燃料電池セル16として、固体酸化物を用いた円筒横縞型セルが採用されている。各燃料電池セル16上には、複数の単セル16aが横縞状に形成されており、これらが電気的に直列に接続されることにより1本の燃料電池セル16が構成されている。各燃料電池セル16は、その一端がアノード(陽極)、他端がカソード(陰極)となるように構成され、複数の燃料電池セル16のうちの半数は上端がアノード、下端がカソードとなるように配置され、残りの半数は上端がカソード、下端がアノードとなるように配置されている。
図6(a)は、下端がカソードにされている燃料電池セル16の下端部を拡大して示す断面図であり、図6(b)は、下端がアノードにされている燃料電池セル16の下端部を拡大して示す断面図である。
図6に示すように、燃料電池セル16は、細長い円筒状の多孔質支持体97と、この多孔質支持体97の外側に横縞状に形成された複数の層から形成されている。多孔質支持体97の周囲には、内側から順に、燃料極層98、反応抑制層99、固体電解質層100、空気極層101が夫々横縞状に形成されている。このため、燃料ガス分散室76を介して供給された燃料ガスは、各燃料電池セル16の多孔質支持体97の内部を流れ、酸化剤ガス噴射用パイプ74から噴射された空気は、空気極層101の外側を流れる。燃料電池セル16上に形成された各単セル16aは、一組の燃料極層98、反応抑制層99、固体電解質層100、及び空気極層101から構成されている。1つの単セル16aの燃料極層98は、インターコネクタ層102を介して、隣接する単セル16aの空気極層101に電気的に接続されている。これにより、1本の燃料電池セル16上に形成された複数の単セル16aが、電気的に直列に接続される。
図6(a)に示すように、燃料電池セル16のカソード側端部には、多孔質支持体97の外周に電極層103aが形成され、この電極層103aの外側にリード膜層104aが形成されている。カソード側端部においては、端部に位置する単セル16aの空気極層101と電極層103aが、インターコネクタ層102により電気的に接続されている。これらの電極層103a及びリード膜層104aは、燃料電池セル16端部において第1固定部材63を貫通し、第1固定部材63よりも下方に突出するように形成されている。電極層103aは、リード膜層104aよりも下方まで形成されており、外部に露出された電極層103aに集電体82が電気的に接続されている。これにより、端部に位置する単セル16aの空気極層101がインターコネクタ層102、電極層103aを介して集電体82に接続され、図中の矢印のように電流が流れる。また、第1固定部材63の挿通穴63aの縁とリード膜層104aの間の隙間には、セラミック接着剤が充填されており、燃料電池セル16は、リード膜層104aの外周で第1固定部材63に固定される。
図6(b)に示すように、燃料電池セル16のアノード側端部においては、端部に位置する単セル16aの燃料極層98が延長されており、燃料極層98の延長部が電極層103bとして機能する。電極層103bの外側にはリード膜層104bが形成されている。これらの電極層103b及びリード膜層104bは、燃料電池セル16端部において第1固定部材63を貫通し、第1固定部材63よりも下方に突出するように形成されている。電極層103bは、リード膜層104bよりも下方まで形成されており、外部に露出された電極層103bに集電体82が電気的に接続されている。これにより、端部に位置する単セル16aの燃料極層98が、一体的に形成された電極層103bを介して集電体82に接続され、図中の矢印のように電流が流れる。また、第1固定部材63の挿通穴63aの縁とリード膜層104bの間の隙間には、セラミック接着剤が充填されており、燃料電池セル16は、リード膜層104bの外周で第1固定部材63に固定される。
図6(a)(b)においては、各燃料電池セル16の下端部の構成を説明したが、各燃料電池セル16の上端部における構成も同様である。なお、上端部においては、各燃料電池セル16は、排気集約室18の集約室下部材18bに固定されているが、固定部分の構成は下端部における第1固定部材63に対する固定と同様である。
次に、多孔質支持体97及び各層の構成を説明する。
多孔質支持体97は、本実施形態においては、フォルステライト粉末、及びバインダーの混合物を押し出し成形し、焼結することにより形成されている。
燃料極層98は、本実施形態においては、NiO粉末及び10YSZ(10mol%Y23−90mol%ZrO2)粉末の混合物により構成された導電性の薄膜である。
反応抑制層99は、本実施形態においては、セリウム系複合酸化物(LDC40。すなわち、40mol%のLa23−60mol%のCeO2)等により構成された薄膜であり、これにより、燃料極層98と固体電解質層100の間の化学反応を抑制している。
固体電解質層100は、本実施形態においては、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.23の組成のLSGM粉末により構成された薄膜である。この固体電解質層100を介して酸化物イオンと水素又は一酸化炭素が反応することにより電気エネルギーが生成される。
空気極層101は、本実施形態においては、La0.6Sr0.4Co0.8Fe0.23の組成の粉末により構成された導電性の薄膜である。
インターコネクタ層102は、本実施形態においては、SLT(ランタンドープストロンチウムチタネート)により構成された導電性の薄膜である。燃料電池セル16上の隣接する単セル16aはインターコネクタ層102を介して接続される。
電極層103a、103bは、本実施形態においては、燃料極層98と同一の材料で形成されている。
リード膜層104a、104bは、本実施形態においては、固体電解質層100と同一の材料で形成されている。
次に、図1及び図2を参照して、固体酸化物型燃料電池装置1の作用を説明する。
まず、固体酸化物型燃料電池装置1の起動工程において、シースヒーター61への通電が開始される。シースヒーター61への通電が開始されることにより、その上方に配置された燃焼触媒60が加熱されると共に、内側に配置された蒸発部86も加熱される。その後、燃料ブロア38が起動され、燃料の供給が開始される。燃料ブロア38により供給された燃料は、脱硫器36、熱交換器34、電磁弁35を介して、燃料ガス供給パイプ90から燃料電池セル収容容器8の内部に流入する。流入した燃料は、燃料ガス供給流路20内を上端まで上昇した後、改質部94内を下降し、内側円筒部材64の下部に設けられた小穴64bを通って燃料ガス分散室76に流入する。なお、固体酸化物型燃料電池装置1の起動直後においては、改質部94内の改質触媒96の温度が十分に上昇していないため、燃料の改質は行われない。
燃料ガス分散室76に流入した燃料ガスは、燃料ガス分散室76の第1固定部材63に取り付けられた各燃料電池セル16の内側(燃料極側)を通って排気集約室18に流入する。なお、固体酸化物型燃料電池装置1の起動直後においては、各燃料電池セル16の温度が十分に上昇しておらず、また、インバータ54への電力の取り出しも行われていないため、発電反応は発生しない。
排気集約室18に流入した燃料は、排気集約室18の噴出口18dから噴出される。噴出口18dから噴出された燃料は、点火ヒーター62により点火され、そこで燃焼される。この燃焼により、排気集約室18の周囲に配置された改質部94が加熱される。また、燃焼により生成された排気ガスは、内側円筒部材64の上部に設けられた小穴64aを通って排ガス排出流路21に流入する。高温の排気ガスは、排ガス排出流路21内を下降し、その内側に設けられた燃料ガス供給流路20を流れる燃料、外側に設けられた酸化剤ガス供給流路22内を流れる発電用の空気を加熱する。さらに、排気ガスは、排ガス排出流路21内に配置された燃焼触媒60を通ることにより一酸化炭素が除去され、排ガス排出パイプ58を通って燃料電池セル収容容器8から排出される。
排気ガス及びシースヒーター61により蒸発部86が加熱されると、蒸発部86に供給された水蒸気改質用の水が蒸発され、水蒸気が生成される。水蒸気改質用の水は、水流量調整ユニット28により、水供給パイプ88を介して燃料電池セル収容容器8内の蒸発部86に供給される。蒸発部86で生成された水蒸気と、燃料ガス供給パイプ90を介して供給された燃料は、一旦、燃料ガス供給流路20内の燃料ガス供給流路隔壁92の下側の空間に滞留し、燃料ガス供給流路隔壁92に設けられた複数の噴射口92aから噴射される。噴射口92aから勢いよく噴射された燃料及び水蒸気は、燃料ガス供給流路隔壁92の上側の空間内で減速されることにより、十分に混合される。
混合された燃料及び水蒸気は、燃料ガス供給流路20内を上昇し、改質部94に流入する。改質部94の改質触媒96が改質可能な温度まで上昇している状態においては、燃料及び水蒸気の混合ガスが改質部94を通過する際、水蒸気改質反応が発生し、混合ガスが水素を多く含む燃料に改質される。改質された燃料は、小穴64bを通って燃料ガス分散室76に流入する。小穴64bは燃料ガス分散室76の周囲に多数設けられ、燃料ガス分散室76として十分な容積が確保されているため、改質された燃料は、燃料ガス分散室76内に突出している各燃料電池セル16に均等に流入する。
一方、空気流量調整ユニット45により供給された酸化剤ガスである空気は、酸化剤ガス導入パイプ56を介して酸化剤ガス供給流路22に流入する。酸化剤ガス供給流路22に流入した空気は、内側を流れる排気ガスにより加熱されながら酸化剤ガス供給流路22内を上昇する。酸化剤ガス供給流路22内を上昇した空気は、燃料電池セル収容容器8内の上端部で中央に集められ、酸化剤ガス供給流路22に連通された酸化剤ガス噴射用パイプ74に流入する。酸化剤ガス噴射用パイプ74に流入した空気は下端から発電室10内に噴射され、噴射された空気は第1固定部材63の上面に当たって発電室10内全体に広がる。発電室10内に流入した空気は、排気集約室18の外周壁と内側円筒部材64の内周壁の間の隙間、及び排気集約室18の内周壁と酸化剤ガス噴射用パイプ74の外周面の間の隙間を通って上昇する。
この際、各燃料電池セル16の外側(空気極側)を通って流れる空気の一部は発電反応に利用される。また、排気集約室18の上方に上昇した空気の一部は、排気集約室18の噴出口18dから噴出する燃料の燃焼に利用される。燃焼により生成された排気ガス、及び発電、燃焼に利用されずに残った空気は、小穴64aを通って排ガス排出流路21に流入する。排ガス排出流路21に流入した排気ガス及び空気は、燃焼触媒60により一酸化炭素が除去された後、排出される。
このように、各燃料電池セル16が発電可能な温度である650℃程度まで上昇し、各燃料電池セル16の内側(燃料極側)に改質された燃料が流れ、外側(空気極側)に空気が流れると、化学反応により起電力が発生する。この状態において、燃料電池セル収容容器8から引き出されているバスバー80にインバータ54が接続されると、各燃料電池セル16から電力が取り出され、発電が行われる。
また、本実施形態の固体酸化物型燃料電池装置1においては、発電用の空気は、発電室10の中央に配置された酸化剤ガス噴射用パイプ74から噴射され、発電室10内を排気集約室18と内側円筒部材64の間の均等な隙間及び排気集約室18と酸化剤ガス噴射用パイプ74の間の均等な隙間を通って上昇する。このため、発電室10内の空気の流れは、ほぼ完全に軸対称の流れとなり、各燃料電池セル16の周囲には、ムラなく空気が流れる。これにより、各燃料電池セル16間の温度差が抑制され、各燃料電池セル16で均等な起電力を発生することができる。
次に、図7を参照して、固体酸化物型燃料電池装置1のシースヒーター61の周辺の構成を詳細に説明する。
図7は、固体酸化物型燃料電池装置1のシースヒーター61及び蒸発部86の配置を示す断面図である。外側円筒部材66及び内側円筒容器68に挟まれた略円環状の排ガス排出流路21の下流部には、環状の燃焼触媒60が配置されている。この燃焼触媒60の直下にシースヒーター61が配置されている。シースヒーター61は、起動時に燃焼触媒60を活性温度まで昇温するための起動用ヒーターであり、外側円筒部材66の外側壁に接触するように巻回されており、燃焼触媒60及び外側円筒部材66を加熱するように構成されている。
排ガス排出流路21には、シースヒーター61よりも下流側に排ガス排出パイプ58を接続するための出口ポート68aが開口している。内側円筒部材64の小穴64aから排ガス排出流路21に流入した排気ガスは、燃焼触媒60を通過して浄化された後、ヒースヒーター61の側部を通って出口ポート68aから排ガス排出パイプ58へ排出される。排ガス排出パイプ58は、断熱材7を貫通して設けられており、浄化された排気ガスを温水製造装置50へ供給する。
また、内側円筒部材64及び外側円筒部材66に挟まれた略円環状の燃料ガス供給流路20の上流部には、蒸発部86が設けられている。この蒸発部86は、リング状の傾斜板86aの上側の傾斜面と外側円筒部材66の内壁面とによって形成された環状の空間に、水供給パイプ88の水供給ポート88aから供給された水を貯留可能となっている。
燃料ガス供給流路20の最上流部は、蒸発部86の傾斜板86aによって流路が狭められることにより、環状の燃料ガス供給室20aが形成されている。この燃料ガス供給室20aに燃料ガス供給パイプ90から原燃料ガスが供給される。原燃料ガスは、傾斜板86aの先端部と内側円筒部材64との間の隙間を通って上昇し、蒸発部86の上方に側方から流入し、蒸発部86で生成された水蒸気と合流する。
蒸発部86とシースヒーター61は、外側円筒部材66の側壁を介して隣接し、互いに側方に配置されている。蒸発部86の傾斜板86aは、シースヒーター61が巻回された外側円筒部材66の内側壁に取り付けられ、水供給ポート88aはシースヒーター61の配置位置と対応するように、外側円筒部材66の内側壁に近接して配置されている。また、シースヒーター61も外側円筒部材66に近接して配置されている。
このような構成により、シースヒーター61で発生した熱は、燃焼触媒60を加熱することに加えて、外側円筒部材66の側壁を通して、蒸発部86へ熱伝導され、蒸発部86をも加熱する。また、蒸発部86は、排ガス排出流路21を通る排気ガスからの熱,及び,燃焼触媒60が一酸化炭素を除去する際の反応熱によっても加熱される。これらの熱により、蒸発部86は、供給された水を気化して水蒸気として放出する。
次に、装置起動時におけるシースヒーター61の作動について説明する。
起動時には、まず制御装置(図示せず)が、シースヒーター61を作動させ、燃焼触媒60を加熱する。シースヒーター61の作動により、蒸発部86も同時に加熱される。この時点では、制御装置は、水流量調整ユニット28による蒸発部86への水供給を行わない。また、燃料ブロア38による原燃料ガスの供給も行われない。
図示しない温度センサによって測定した燃焼触媒60の温度が、作動可能な温度である活性温度又は所定温度に達すると、制御装置は、燃料ブロア38及び空気ブロア45を作動させて、原燃料ガス及び空気の供給を開始する。
この時点では、改質触媒96が作動可能な活性温度まで昇温されていないので、原燃料ガスは、改質されることなく改質部94を通過して、燃料ガス分散室76を介して燃料ガスとして各燃料電池セル16へ供給される。燃料電池セル16に供給された燃料ガスは、発電反応に用いられることなく、燃料電池セル16の燃料ガス用通路を通って、排気集約室18内に導かれる。一方、空気ブロア45から供給された空気は、酸化剤ガス噴射用パイプ74を介して、発電室10内に導かれる。
排気集約室18内に導かれた燃料ガスは、複数の噴出口18dから噴出される。このとき、排気集約室18の上方には発電室10から空気が流入しているので、制御装置は、点火ヒーター62を作動させて、燃料ガスの燃焼を開始する。
燃料ガスの燃焼が開始されると、排気ガスが小穴64aを通って排ガス排出流路21に流入する。排ガス排出流路21を通る排気ガス及び燃料ガスの燃焼熱によって、改質触媒96は、徐々に昇温していく。
また、制御装置は、原燃料ガス及び空気の供給開始(又は、燃料ガスの燃焼開始)と同期して、又は、同時にシースヒーター61の作動を停止する。
燃料ガスが燃焼を開始した時点で、燃焼触媒60は、シースヒーター61によってすでに活性温度まで昇温されているので、排気ガスから一酸化炭素を除去してクリーンな排気ガスを生成する。また、燃焼触媒60は、一酸化炭素を除去する際の発熱反応、及び、排気ガスによる加熱によって、活性温度を維持する。したがって、蒸発部86への加熱も継続的に行われる。
図示しない温度センサによって測定した改質部94の温度が活性温度又は所定温度に達すると、制御装置は、水流量調整ユニット28を作動させて、蒸発部86への水供給を開始する。この時点で蒸発部86は水蒸気を発生可能な温度以上に加熱されているので、供給された水を直ちに気化させて水蒸気を生成する。
なお、温度センサにより測定された蒸発部86の温度が水を気化可能な所定温度に到達するか、シースヒーター61の作動から所定時間が経過して蒸発部86の温度が水を気化可能な所定温度に到達していると予測されるタイミングで、制御装置が、蒸発部86への水供給を開始させるように構成してもよい。
また、点火ヒーター62による燃料ガスの燃焼開始から所定期間経過するまでは、蒸発器86への水供給を行わず、燃料ガスの燃焼開始から所定期間経過し、且つ、蒸発部86の温度が水を気化可能な所定温度に達している場合に、制御装置が、蒸発部86への水供給を開始させるように構成してもよい。
生成された水蒸気は、すでに供給が開始されている原燃料ガスと混合され、この混合ガスが改質触媒96を通過することにより、水蒸気改質反応SRが行われる。水蒸気改質反応SRにより、水素ガスを多く含む燃料ガスが燃料電池セルに供給される。
図示しない温度センサによって測定した発電室10の温度、又は、燃料電池セルスタック16の温度が、所定温度に達すると、制御装置は、インバータ54を作動させて発電を開始する。
本実施形態では、燃焼触媒60を加熱するためのシースヒーター61が、改質部94に水蒸気を供給する蒸発部86を加熱するためのヒーターを兼用することができるように、燃焼触媒60を経路内に有する排ガス排出流路21と、蒸発部86を経路内に有する燃料ガス供給流路20とを隣接して配置し、シースヒーター61の側方に蒸発部86を配置している。このように、シースヒーター61,蒸発部86を含む構成要素のレイアウトを工夫することにより、別の通路内にそれぞれ配置された燃焼触媒60及び蒸発部86を、1つのシースヒーター61によって加熱することが可能となり、燃焼触媒60の浄化性能及び蒸発部86の気化性能を共に犠牲にすることなく装置の小型化、低コスト化を実現することができる。
また、本実施形態では、シースヒーター61に対して、燃焼触媒60を上流側に配置することにより、燃焼触媒60を下流側から加熱可能であると共に、蒸発部86を側方に配置することにより、蒸発部86を側方から加熱可能である。このような直交関係の配置により、シースヒーター61を燃焼触媒60の加熱と蒸発部86の加熱に兼用することができる。
また、本実施形態では、燃焼触媒60及びシースヒーター61を通過した排気ガスが出口ポート68aに到達するまでの間に、排気ガスによる排気熱によっても蒸発部86を加熱することが可能となる。これにより、水を気化する際に大きな熱量を必要とする蒸発部86に対して十分な熱量を提供し、起動時に蒸発部86による迅速な水の気化を可能とすることができる。
また、本実施形態では、シースヒーター61の配置位置に合わせて、シースヒーター61の側方に、燃料ガス供給流路20の側壁に近接させて蒸発部86の水供給ポート88aを配置することにより、蒸発部86による迅速かつ確実な気化性能を実現することができる。
また、本実施形態では、排ガス排出流路21と燃料ガス供給流路20を隔てる側壁を1つの側壁で兼用させることにより、排ガス排出流路21側から蒸発部86への熱伝達ロスを低減することが可能となり、蒸発部86による水の気化効率を高め、起動時に低温状態から開始して、短時間で効率よく水蒸気を発生させるようにすることができる。
また、本実施形態では、排気ガスが通過する排ガス排出流路21と、排ガス排出流路21や燃料ガス供給流路20のような他の装置構成部材よりも熱伝導率が低い断熱材72bとで蒸発部86を挟むように構成することにより、熱を外部へ逃がさずに効率よく蒸発部86を加熱することができる。
また、本実施形態では、シースヒーター61を作動させて、燃焼触媒60及び蒸発部86を加熱し始めてから、蒸発部86が実質的に所定温度に達するまでは、蒸発部86への水供給が禁止されるように構成されている。本実施形態では、蒸発部86による水蒸気の生成を遅らせて、燃焼触媒60を昇温するための熱エネルギーが気化熱によって奪われないようにすることにより、燃焼触媒60の早期活性化を実現し、一酸化炭素の発生量が最も多い起動初期における排気ガスの浄化を可能とすることができる。
また、本実施形態では、発電反応に用いられなかった燃料ガスの燃焼を開始する時点では、蒸発部86への水供給を行わず、シースヒーター61により燃焼触媒60を早期に活性させておくことができるので、燃料ガスの燃焼開始直後の一酸化炭素の含有量が最も多い排気ガスから一酸化炭素を燃焼触媒60によって確実に除去することが可能となり、その後に蒸発部86で水蒸気を生成させることが可能となる。
また、本実施形態では、燃料ガスの燃焼開始までには、燃焼触媒60を活性させ、且つ、蒸発部86を気化可能な程度まで加熱させておくことができるので、燃料ガスの燃焼開始に同期してシースヒーター61を作動停止にすることができる。また、シースヒーター61を作動停止しても、オフガス燃焼開始後は、排気ガスの排気熱、及び、燃焼触媒60の一酸化炭素除去の際の反応熱によって、蒸発部86を引き続き加熱可能である。また、燃焼触媒60も、排気ガスの排気熱及び反応熱により、活性化状態に維持することができる。これにより、蒸発部86の加熱による十分な水蒸気発生量の確保、シースヒーター61への不必要な通電の抑制、及び、燃焼触媒60の活性化維持を図ることができる。
1 固体酸化物型燃料電池装置
2 燃料電池モジュール
4 補機ユニット
7 断熱材
8 燃料電池セル収容容器
10 発電室
11 混合室
12a 第1空気排出通路
12b 第2空気排出通路
16 燃料電池セル
16a 単セル
18 排気集約室
18a 集約室上部材
18b 集約室下部材
18c 挿通穴
18d 噴出口
18e 接着剤充填枠
19a 大径シールリング
19b 小径シールリング
19c カバー部材
20 燃料ガス供給流路
20a 燃料ガス供給室
21 排ガス排出流路
22 酸化剤ガス供給流路
24 水供給源
26 純水タンク
28 水流量調整ユニット
30 燃料供給源
34 熱交換器
35 電磁弁
36 脱硫器
38 燃料ブロア
40 空気供給源
45 空気流量調整ユニット
50 温水製造装置
54 インバータ
56 酸化剤ガス導入パイプ
58 排ガス排出パイプ
60 燃焼触媒(排気浄化触媒)
61 シースヒーター(起動用ヒーター)
62 点火ヒーター
63 第1固定部材
63a 挿通穴
63b 接着剤充填枠
64 内側円筒部材(モジュールケース)
64a 小穴
64b 小穴
64c ステー
64d 棚部材
65 中間円筒部材
66 外側円筒部材
66a 棚部材
67 カバー部材
68 内側円筒容器
68a 出口ポート
70 外側円筒容器
72 分散室底部材
72a 挿通管
72b 断熱材
72c フランジ部
74 酸化剤ガス噴射用パイプ
74a 空気噴出口
76 燃料ガス分散室
78 碍子
80 バスバー
82 集電体
86 蒸発部
86a 傾斜板
88 水供給パイプ
88a 水供給ポート
90 燃料ガス供給パイプ
92 燃料ガス供給流路隔壁
92a 噴射口
94 改質部
96 改質触媒
97 多孔質支持体
98 燃料極層
99 反応抑制層
100 固体電解質層
101 空気極層
102 インターコネクタ層
103a 電極層
103b 電極層
104a リード膜層
104b リード膜層

Claims (9)

  1. 固体酸化物型燃料電池装置であって、
    内部に燃料ガス用通路を有し、外表面に空気極を有する複数の燃料電池セルと、
    前記燃料電池セルを収容するモジュールケースと、
    前記モジュールケース内に連通し、前記モジュールケースの外部に排気ガスを排気する排気通路と、
    前記排気通路内に設けられた排気浄化触媒と、
    前記排気浄化触媒を加熱する起動用ヒーターと、
    前記燃料電池セルに燃料ガスを供給する燃料供給通路と、
    前記燃料供給通路の途中に配置された改質触媒と、
    加熱されることにより水を気化して水蒸気を生成し、前記改質触媒に水蒸気を供給する蒸発器と、を備え、
    前記排気通路は、前記燃料供給通路と隣接して配置されており、
    前記起動用ヒーターは、前記排気浄化触媒及び前記蒸発器を加熱可能なように、前記排気通路内において、前記燃料供給通路内に設けられた前記蒸発器の側方に配置されていることを特徴とする固体酸化物型燃料電池装置。
  2. 前記起動用ヒーターは、前記排気通路内において、前記排気浄化触媒の下流側に配置され、
    前記蒸発器は、前記排気通路の側壁を隔てて前記起動用ヒーターの側方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
  3. 前記排気通路は、前記蒸発器が側方に位置する前記排気通路の側壁部分よりも下流側に、排気ガスを装置外部に排出するための出口ポートを有していることを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
  4. 前記起動用ヒーターが側方に位置する前記燃料供給通路の側壁部分に近接して、前記蒸発器に水を供給する水供給ポートが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
  5. 前記起動用ヒーターの配置位置において、前記排気通路の側壁が、前記燃料供給通路の側壁を兼用していることを特徴とする請求項4に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
  6. 前記蒸発器が前記排気通路と断熱材との間で挟まれるように、前記断熱材が配置されていることを特徴とする請求項5に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
  7. 前記起動用ヒーター及び前記蒸発器への水供給を制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、装置起動時において、前記起動用ヒーターを作動させ、前記蒸発器の温度が所定温度以上になるか、又は、前記蒸発器の温度が所定温度以上になると予想される予め設定された時間が経過した時点で前記蒸発器への水供給を開始することを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
  8. 前記制御装置は、前記燃料電池セルへの前記燃料ガスの供給が開始され、発電反応に用いられなかった前記燃料ガスの前記モジュールケース内での燃焼が開始されてから所定期間経過後に、前記蒸発器への水供給を開始することを特徴とする請求項7に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
  9. 前記制御装置は、前記モジュールケース内での前記燃料ガスの燃焼開始に同期して、前記起動用ヒーターを作動停止にすることを特徴とする請求項8に記載の固体酸化物型燃料電池装置。
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