JPH07263001A - 導電性チューブを挿入した円筒形固体電解質型燃料電池セルの構造、このセルを複数本束ねたバンドルの構造並びにこのバンドルを用いた発電モジュールの構造 - Google Patents
導電性チューブを挿入した円筒形固体電解質型燃料電池セルの構造、このセルを複数本束ねたバンドルの構造並びにこのバンドルを用いた発電モジュールの構造Info
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Abstract
質、燃料極(または空気極)を有する円筒形セルの中心
部に燃料供給用の導電性チューブを挿入し、燃料極と該
導電性チューブの間に導電性物質を介在してなる固体電
解質型燃料電池のセル構造、該セルを含むバンドル及び
モジュール構造。 【効果】耐久性が高く、構造が簡単で発電効率の高い固
体電解質型燃料電池を提供できる。
Description
発電装置を構成するセル、バンドルおよび発電モジュー
ルの構造に関するものである。
に空気極、その外側にインターコネクタと電解質および
電解質の外側に燃料極を積層した複雑な構造を有する。
このセルは各要素の材料が全てセラミックス製で且つ約
850℃〜1050℃の高温で作動するため、特に熱膨
脹率の違う異種材料が重なり合うインターコネクタの付
近やセルの底部に応力が集中し、クラックの発生などが
起こり易い問題があった。
照) 従来は、図2に示すように、数本のセルを電気的に並列
に接続した後それらを直列に接続してバンドルを構成し
ていた。この方法では1本のセルに異常が発生すると、
出力を大幅に低下させる必要があり、安定した出力で運
転を継続することが困難であった。
3参照) 燃料電池は可燃性の高いガスを燃料とするので、発電モ
ジュール内部に於て燃料極側、空気極側および外界との
ガスシールを保つことが要求される。特に固体電解質型
燃料電池は1000℃の高温で運転するため、適当なガ
スシール方法およびセルに悪影響を及ぼさないシール材
料を見つけ出す事が容易ではなかった。 (4).発電部の構成について(図3及び図4参照) 従来の固体電解質型燃料電池(SOFC)は、脱硫処理
済みの都市ガス(天然ガス)を改質器に供給して水素ガ
スに変換し、この水素ガスを用いて発電を行うシステム
である。図4に示される従来の発電部の構造では、改質
器に近いセルの底部では未改質のメタン等が高温の発電
部の底部で改質される。改質は吸熱反応であるため、セ
ルの底部の温度は低くなる。一方、セルの上部では、水
素ガスの消費に伴い水素ガス濃度が低くなるため、水素
ガスの水への変換効率が低くなり、やはり温度が低下す
る。従って、セルの中心部で最も温度及び発生する電気
量が高く、その両端で低くなり、温度及び電気分布が不
均一となる。この温度及び電気分布の不均一は、発電効
率の低下及びセル内部応力の増大に直結するため、従来
のSOFCでは、強力なブロアで大量の空気を起こり込
み、冷却することで温度分布を均一になるようにしてい
た。
の冷却に必要な空気の必要量も限られているため、ブロ
アによる冷却は比較的容易であるが、実用化の際には大
量の電気を発生させるため、セル冷却用のブロアも極め
て大容量となり、このブロアに消費される補機動力が大
きいことから発電所の総合効率が低くなる恐れがあっ
た。
素供給用の空気との間のガスシールを保つことが重要で
あるが、SOFCは1000℃の高温で作動するため適
当なシール材を見つけ出すことが容易ではない。
る応力を均一化し、長期間使用してもクラックなどの発
生しない固体電解質型燃料電池のセル構造を提供するこ
とを目的とする。
でも、運転時の出力低下を最小限にすることのできる固
体電解質型燃料電池のバンドル構造を提供するものであ
る。さらに、本発明は、ガスシールに起因する問題を容
易に解決できる固体電解質型燃料電池発電のモジュール
構造を提供するものである。
術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、円筒形セルの
中心部に導電性チューブを挿入し、内側の燃料極または
空気極と該導電性チューブの間に導電性物質を介在させ
ることにより、インターコネクタを不用とし、セルの上
部から底部までの温度及び発生する電気量の均一化が図
れることを見出した。
質型燃料電池のセル構造、バンドル構造および発電モジ
ュール構造を提供するものである。
極を有する円筒形セルの中心部に燃料供給用の導電性チ
ューブを挿入し、燃料極と該導電性チューブの間に導電
性物質を介在してなる固体電解質型燃料電池のセル構
造。
極を有する円筒形セルの中心部に空気供給用の導電性チ
ューブを挿入し、空気極と該導電性チューブの間に導電
性物質を介在してなる固体電解質型燃料電池のセル構
造。
または項2に記載の固体電解質型燃料電池のセル構造。
なる項3に記載の固体電解質型燃料電池のセル構造。
解質型燃料電池のセルを複数本束ね、各セルの燃料極
(又は空気極)に接続した導電性チューブを並列接続
し、隣接する空気極(又は燃料極)を電気的に接続して
なる固体電解質型燃料電池のバンドル構造。
は空気極)に接続した各導電性チューブ、並びに各空気
極(又は燃料極)に電気的接続を施して複数個配置して
なる固体電解質型燃料電池発電のモジュール構造。
した点にある。本発明のセルは、導電性チューブをセル
に挿入することでインターコネクター及びインターコネ
クターコンタクト部が不要で、対称性のよい円筒形構造
を有することである。このため応力が均一にかかること
になり、本発明の円筒形セルは耐久性に優れている。
きさは、特に限定されないが、従来のセルと同様のもの
を用いることができる。該セルの内側の燃料極または空
気極の内径は特に限定されるものではないが、通常10
〜30mm程度である。上記導電性チューブの外径は、
セルの内部に入る限り特に限定されないが、例えばセル
の内径が10mmの時には4〜8mm程度である。
の材質は特に限定されず、これらに従来使用されている
材料がすべて使用でき、例えば、空気極としてはストロ
ンチウム添加ランタンマンガナイト、電解質としてはイ
ットリア安定化ジルコニア、燃料極としてはニッケル・
ジルコニア・サーメットが使用できる。燃料極は、ニッ
ケル・ジルコニア・サーメットのような、天然ガス等の
燃料改質の触媒機能を有する材料を使用するのが好まし
い。
インコネル、ニッケル、白金、パラジウム、銅などの金
属、ニッケルジルコニアサーメット、ランタンクロマイ
トなどのセラミックなどが用いられ、好ましい材質とし
てはニッケル、インコネル、SUS304などの金属が
挙げられる。導電性チューブは、燃料を改質する触媒性
能を有するニッケル、パラジウム、銅、ニッケルジルコ
ニアサーメットなどが特に好ましい。導電性チューブは
中空であるのが好ましく、その厚みは0.5〜5mm程
度である。導電性チューブは、燃料または空気を吹き出
すために多孔質であるのが好ましい。導電性チューブは
円筒形であることが好ましいが、角柱状や、断面が楕円
の筒状であってもよい。
ないが、一端を閉じた金属製チューブの表面に小さな孔
を穿けたもの、一端を閉じたセラミックチューブ(ニッ
ケルジルコニアサーメット製など)等を使用することが
でき、これらは従来技術で容易に製造できる。
変換されるが、この反応は吸熱反応であるため、セル内
に燃料を送り込むことで、発電時に加熱されるセルを改
質により冷却することができる。なお、燃料改質用の水
蒸気は、予め燃料の中に添加しておく。また、燃料の濃
度及びセルの温度を均一にするために、導電性チューブ
に形成する孔に勾配を設けるのが好ましい。この勾配
は、導電性チューブの根本側ほど小さく及び/又は少な
く、先端側ほど大さく及び/又は多くして形成する。
は空気極の間には、導電性物質を介在させ、セルの内側
のいずれかの極で発生する電気を該導電性物質を介して
導電性チューブに取り出す。このような導電性物質の材
質としてはSUS304、インコネル、ニッケル、白
金、パラジウム、銅、ニッケルジルコニアサーメット、
ランタンクロマイトなどが挙げられ、内側を燃料極とす
る場合には、好ましくはニッケル、パラジウム、銅、白
金、ニッケルジルコニアサーメットなどの改質触媒性の
金属が例示される。なお、導電性チューブと接する導電
性物質は改質触媒性の金属またはセラミックスで構成さ
れる。導電性物質はフェルト状、多孔質状などである。
は空気極の間には燃料または空気が供給されることにな
るため、導電性物質は燃料または空気の供給を妨げない
程度の空隙を有している。該導電性物質は、導電性チュ
ーブとセルの内側の燃料極または空気極と均一に接する
ように介在させるのが好ましい。
造について(図6参照) 固体電解質型燃料電池のバンドルは、複数個のセルの導
電性チューブを並列に接続したものである。1個のバン
ドルに含まれるセルの数としては、9〜100個、好ま
しくは16〜36個である。
示すように、セルの内側の燃料極(または空気極)に連
結された導電性チューブの端部を連結して陰極(または
陽極)とし、一方、セルの外側の空気極(または燃料
極)陽極(または陰極)とする。該バンドル構造では、
複数のセルを並列に接続するため、従来のように数本の
セルを並列に接続した後それらを直列に接続して構成さ
れるバンドルのように、1本のセルに異常が発生した場
合、出力を大幅に低下させる必要はなく、安定した発電
量を確保できる。
参照) 燃料電池は可燃性の高いガスを燃料とするため、発電モ
ジュール内部において燃料極側、空気極側及び外界との
間でガスシールを保つことが要求される。特に固体電解
質型燃料電池では、850〜1050℃程度の高温で運
転するため、適当なガスシール方法及びセルに悪影響を
及ぼさないシール剤を選択するのは容易ではなかった。
本発明では、ガスシールを必要とする部位がセル底部だ
けと少数に限られ、また、ガス流経路が発電モジュール
の外部に向いているので、シール材料に含まれる有害な
物質がセルの表面に飛散する恐れがないため、燃料電池
に有害なシリカを含むガラスシールなど従来のシール材
料の使用が可能で、ガスシールに起因する問題を解決す
ることが出来る。
動する時は、電気ヒーターなどの補助予熱器でモジュー
ル内部を昇温する必要があったが、本発明ではモジュー
ル内に空気と燃料を送り込み、その燃焼熱で入り口空気
を加熱することにより発電モジュール内部を昇温するた
め、補助予熱器なしで起動することが出来る。また、従
来の方法では、発電モジュールを最初に起動するとき
は、燃料を改質するために必要な水蒸気と熱を得るため
に高価な水素ガスを使っていたが、本発明では、初めか
ら天然ガスなどの炭化水素を主体とした安価な燃料で起
動することが出来る。
止させる時、モジュール内の可燃性ガス特に燃料極側に
残った燃料ガスを追い出すため、窒素を主体とした高価
な不活性ガスを送り込む必要がある。本発明では従来の
発電モジュールに比べて燃料極側の体積が小さいため、
高価な不活性ガスの使用量を低減出来る。
した単純な三層積層構造であるため応力集中部を少なく
することが出来、円筒形としては最強のセル構造となる
と共にセルの製造工程を簡略化し、製造コストを抑える
ことが出来る。
を使用しないため、セル性能の向上を図れる。燃料供給
用の導電性チューブには燃料ガスを吹き出す多数の孔が
穿いているが、この孔の直径を変えたり配置を適性に行
い、先の方ほど孔を大きく・多くすることによって、従
来のセルでは困難であった燃料極表面へ燃料が均等に行
きわたるようにすることが出来、セル内の温度や電流密
度のアンバランスを解消することが出来る。
質、燃料供給用のチューブなどに触媒作用の大きいニッ
ケルなどの金属を使用することによって炭化水素を主体
とした燃料を水素分の多い燃料に改質することが出来、
従来は困難であった完全内部改質方式が達成出来る。更
に、フェルト状導電体や燃料供給用チューブに熱伝導性
の高い金属を使用することによって、燃料改質による吸
熱反応と相俟ってラジエーター効果でセルを冷却するこ
とが出来、従来の空冷方式に比べて空気ブロワーなどの
補機動力を低減し、発電システムの総合効率を向上させ
ると共に騒音を減らすことが出来る。また、従来の空冷
方式では大量の空気が必要で必然的に空気利用率が低く
なり、空気極側と燃料極側との圧力差が大きくなってセ
ルクラックやガスリークの恐れが生じていたが、本方式
によって空気量を低減出来、空気利用率の向上を図れる
と共に空気極側圧力低減によって圧力差によるセルクラ
ックやガスリークの恐れを小さく出来る。
照) 本発明ではセルを並列に接続してバンドルを構成するた
め、異常セルへの燃料供給を停止することにより大きな
出力低下を招かず運転を継続することが出来る。
7参照) 本発明では、ガスシールを必要とする部位がセル底部だ
けと少数に限られ、また、ガス流経路から見てシール材
料に含まれる物質がセルの表面に飛散する恐れがないた
め、ガスシールを容易に行える。
り込み、その燃焼熱で入り口空気を加熱することにより
発電モジュール内部を昇温するため、補助予熱器無しで
自分で起動することが出来る。また、本発明では、起動
時にも水素ガスは不要で、初めから天然ガスなどの炭化
水素を主体とした安価な燃料で起動出来る。
燃料極側の体積が小さいため、発電モジュールを停止さ
せる時、高価な不活性ガスの使用量を低減出来る。
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
型燃料電池の製造 図5に示すように、ニッケル・ジルコニア・サーメット
製の燃料極(1)、ストロンチウム添加ランタンマンガ
ナイト製の空気極(2)及びイットリア安定化ジルコニ
ア製の電解質(3)に対応する円筒物を公知の方法によ
り製造し、これらを外側から空気極(2)、電解質
(3)および燃料極(1)の順に密着固定し、さらに燃
料極(1)の内部に多孔質のニッケルからなる導電性チ
ューブ(4)を挿入し、さらに導電性チューブ(4)と
燃料極(1)の両方に接触させる状態でフェルト状のニ
ッケル製の導電性物質(5)を配置してセル(6)を構
成した。このセルを図6に示すように4列×4列に並
べ、各導電性チューブ(4)を燃料供給器(7)に連結
してこれらを並列に接続した。また、各セルの外側の空
気極(2)をコネクタ(8)を介して導電性プレート
(9)に接続し、バンドル(10)を構成した。さら
に、図7に示すように、各バンドル(10)の燃料供給
器(7)と導電性プレート(9)を各々接続してモジュ
ール(11)を形成した。
起動する際には、燃料供給口(12)及び水蒸気供給口
(13)から燃料供給器(7)を経由して導電性チュー
ブ(4)に天然ガス及び水蒸気を送り込み、セル内で該
天然ガスを燃焼させることで、セルの温度を高めること
ができる。
2)から燃料(天然ガス)の代わりにパージガスを供給
する。
す。
を示す。
示す図である。
示す模式図である。
示す。
造を示す。
ル構造を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】外側から順に空気極(2)、電解質
(3)、燃料極(1)を有する円筒形セル(6)の中心
部に燃料供給用の導電性チューブ(4)を挿入し、燃料
極(1)と該導電性チューブ(4)の間に導電性物質
(5)を介在してなる固体電解質型燃料電池のセル構
造。 - 【請求項2】外側から順に燃料極(1)、電解質
(3)、空気極(2)を有する円筒形セル(6)の中心
部に空気供給用の導電性チューブ(4)を挿入し、空気
極と該導電性チューブ(4)の間に導電性物質(5)を
介在してなる固体電解質型燃料電池のセル構造。 - 【請求項3】導電性チューブ(4)が多孔質である請求
項1または2に記載の固体電解質型燃料電池のセル構
造。 - 【請求項4】導電性チューブ(4)の孔(4a)の大き
さ及び/または数に勾配を設けてなる請求項3に記載の
固体電解質型燃料電池のセル構造。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の固体電解
質型燃料電池のセル(6)を複数本束ね、各セルの燃料
極(1)(又は空気極(2))に接続した導電性チュー
ブ(4)を並列接続し、隣接する空気極(2)(又は燃
料極(1))を電気的に接続してなる固体電解質型燃料
電池のバンドル構造。 - 【請求項6】請求項5に記載のバンドルの燃料極(1)
(又は空気極(2))に接続した各導電性チューブ
(4)、並びに各空気極(2)(又は燃料極(1))に
電気的接続を施して複数個配置してなる固体電解質型燃
料電池発電のモジュール構造。
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JPH07263001A true JPH07263001A (ja) | 1995-10-13 |
JP3706959B2 JP3706959B2 (ja) | 2005-10-19 |
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1994
- 1994-03-18 JP JP04757294A patent/JP3706959B2/ja not_active Expired - Fee Related
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