JP2006066387A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 筒状の燃料電池セルの温度分布を均一化することにより、複数の燃料電池セルが効率良く発電でき、実用的で安全かつ高効率な燃料電池を提供する。
【解決手段】 複数の筒状の燃料電池セル1を備えてなる燃料電池において、前記燃料電池セルの露出面3を燃料ガス排出側17に形成することで、燃料ガス排出側では燃料ガス速度が遅くなり、単位時間当たりの燃料電池セルへの熱伝達量を増加できる。これによって、燃料電池セルの燃料ガス排出側の温度低下を抑制でき、燃料電池セルの軸方向における温度分布のバラツキを少なくすることが可能になる。
【選択図】 図1
【解決手段】 複数の筒状の燃料電池セル1を備えてなる燃料電池において、前記燃料電池セルの露出面3を燃料ガス排出側17に形成することで、燃料ガス排出側では燃料ガス速度が遅くなり、単位時間当たりの燃料電池セルへの熱伝達量を増加できる。これによって、燃料電池セルの燃料ガス排出側の温度低下を抑制でき、燃料電池セルの軸方向における温度分布のバラツキを少なくすることが可能になる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、固体酸化物形燃料電池に関し、さらに詳しくは筒状の燃料電池セルを複数で束ねた燃料電池に関する発明である。
従来の固体酸化物形燃料電池は、燃料電池セルの発生電圧が約1V弱であるので、高い電圧を得るため、複数の燃料電池セルを電気的に直列方向で接続して燃料電池を形成している。また大きな電流を得るためには電極面積を大きくするか、直列接続される導電部材の間にNiを主成分とする金属板で並列接続している。
複数の燃料電池セルを電気的に接続する構造は、燃料ガス濃度の高く発電反応の活発な燃料供給側で電気的に直列方向の接続をする導電部材の接続面積を減少するものが開示されている。(例えば、特許文献1参照。)
このような場合、実用的に高い発電効率で燃料電池を運転すると、約70%以上の高燃料利用率で発電するため、燃料電池セルより排出される排燃料ガスと排空気の燃焼量が減少し、燃焼室では約600〜800℃の低い平均温度になる。このとき、低い燃焼室の温度の影響を受けて燃料ガス排出側の燃料電池セルも温度低下を生じ、燃料ガス供給側と燃料ガス排出側における燃料電池セルの軸方向の温度分布を十分に均一化できないため、燃料電池セルの発電性能にバラツキを大きく生じる。また、複数の燃料電池セルは、軸方向と垂直な平面方向において燃料電池セルの配置による放熱量や隣り合う燃料電池セルの軸方向における温度分布に影響して温度分布が不均一になるため、複数の燃料電池セルは熱応力等による破損を生じたり、発電性能にバラツキを大きく生じるとう問題があった。
このような場合、実用的に高い発電効率で燃料電池を運転すると、約70%以上の高燃料利用率で発電するため、燃料電池セルより排出される排燃料ガスと排空気の燃焼量が減少し、燃焼室では約600〜800℃の低い平均温度になる。このとき、低い燃焼室の温度の影響を受けて燃料ガス排出側の燃料電池セルも温度低下を生じ、燃料ガス供給側と燃料ガス排出側における燃料電池セルの軸方向の温度分布を十分に均一化できないため、燃料電池セルの発電性能にバラツキを大きく生じる。また、複数の燃料電池セルは、軸方向と垂直な平面方向において燃料電池セルの配置による放熱量や隣り合う燃料電池セルの軸方向における温度分布に影響して温度分布が不均一になるため、複数の燃料電池セルは熱応力等による破損を生じたり、発電性能にバラツキを大きく生じるとう問題があった。
他の複数の燃料電池セルを電気的に接続する接続構造は、製造におけるセラミックの曲がりを抑制して出力を大きくするため、電気的な並列方向で多孔質支持体により数箇所を接続しているのも開示されている。(例えば、特許文献2参照。)
しかし、この場合も直列方向では電流の取り出しにより電子の移動が集中することよる抵抗での熱や電極反応による熱を、導電部材と燃料電池セルとの接続面で蓄積して発散させることができないため、燃料電池セルの局部的な温度上昇を抑制できないという問題があった。
しかし、この場合も直列方向では電流の取り出しにより電子の移動が集中することよる抵抗での熱や電極反応による熱を、導電部材と燃料電池セルとの接続面で蓄積して発散させることができないため、燃料電池セルの局部的な温度上昇を抑制できないという問題があった。
また、他の複数の燃料電池セルを電気的に接続する接続構造は、電気的な並列方向の接続が集電板を分割して接続されているものも開示されている。(例えば、特許文献3参照。)
しかし、この場合も直列方向では電流の取り出しにより電子の移動が集中することよる抵抗での熱や電極反応による熱を、導電部材と燃料電池セルとの接続面で蓄積して発散させることができないため、燃料電池セルの局部的な温度上昇を抑制できないという問題があった。
特開2003−282103号公報(4項、図2)
特開平4−237964号公報(2項、図2、図3)
しかし、この場合も直列方向では電流の取り出しにより電子の移動が集中することよる抵抗での熱や電極反応による熱を、導電部材と燃料電池セルとの接続面で蓄積して発散させることができないため、燃料電池セルの局部的な温度上昇を抑制できないという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは筒状の燃料電池セルの温度分布を均一化し、複数の燃料電池セルが効率良く発電できる、実用的で安全かつ高効率な燃料電池を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、複数の筒状の燃料電池セルと、前記燃料電池セルの軸方向に沿って電気的な直列方向を接続する導電部材と、前記燃料電池セルの周囲へ燃料ガスを流す燃料ガス流路と、を備えてなる燃料電池であって、燃料ガス排出側に前記燃料電池セルの露出面を形成していることを特徴とする。
これによって、燃焼室の温度の影響を受けやすい燃料ガス排出側では、導電部材の断面積が減少し、燃料ガス速度が遅くなり単位時間当たりの燃料電池セルへの熱伝達量を増加できる。また、温度伝導性に優れる水素を含む燃料ガスが、導電部材を介さずに燃料ガスの密度が高く発電反応の活発な燃料ガス供給側で発電反応により発生した熱を燃料電池セルの露出面へ直接伝達できるため、燃料電池セルの燃料ガス排出側の温度低下を抑制できる。したがって、燃料電池セルの軸方向における温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セルの発電反応を促進して高効率な発電性能を維持できる。また、複数の燃料電池セルの軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セルの温度分布のバラツキを少なくできるため、熱応力等による燃料電池セルの破損を抑制でき、燃料電池は実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
請求項2の発明は、前記露出面を燃料ガス供給側に備えていることを特徴とする。
これによって、燃料ガスの密度が高く発電反応の活発になる燃料ガス供給側では、直列方向での電流の取り出しにより電子の移動が集中することよる抵抗での熱や電極反応による熱を、燃料電池セルの導電部材の接続面に蓄積せず、温度伝導性に優れる水素を含む燃料ガスにより効果的に放熱できるため、燃料電池セルの局部的な温度上昇を抑制できる。また、燃料電池セルの発電反応表面を直接冷却する面積が増加し、燃料ガスによる放熱量を多くできるため、空気利用率を30%以上にして空気量を減少し、空気供給用ブロワーの小型化や燃焼室の温度上昇による熱利用設備による高効率なコジェネレーションシステムを構成することが容易になる。
請求項3の発明は、燃料ガス供給側より燃料ガス排出側が大きい前記燃料ガス流路を形成していることを特徴とする。
これによって、燃料ガス供給側より燃料ガス排出側の燃料ガスの流速を遅くできるため、燃料ガスが燃料電池セルに接触する時間を燃料ガス供給側で短く燃料ガス排出側で長くすることができる。また、燃料ガス供給側では燃料電池セルへ達する単位時間あたりの燃料ガスの量が減少して発電反応を抑えられ、燃料ガス排出側では逆に燃料電池セルへ達する単位時間あたりの燃料ガスの量が増加して燃料電池セルの加熱量と発電反応を促進できる。したがって、燃料電池セルの軸方向における温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セルの発電反応を促進できる。また、複数の燃料電池セルの軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セルの温度分布のバラツキを少なくできるため、熱応力等による燃料電池セルの破損を抑制でき、燃料電池は実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
請求項4の発明は、燃料ガス供給側において複数の前記燃料電池セルの中央部へメタン系炭化水素を含む燃料ガスが運転中に増やせる流量制御部を備えていることを特徴とする。
これによって、燃料ガス供給側において複数の燃料電池セルの中央部では、メタン系炭化水素と燃料電池セルの表面における燃料極のニッケル粒子との燃料改質による吸熱反応で燃料電池セルの表面温度が下げられることにより、放熱量が少ない燃料電池セルの発電反応を抑制することができる。また、燃料ガス供給側では改質された燃料ガスがボリュームを増し、燃料ガス排出側での燃料ガスの密度が増して発電反応を促進し、燃料ガス排出側での温度低下を抑制することができる。したがって、燃料電池セルの軸方向における温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セルの発電反応を促進できる。また、複数の燃料電池セルの軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セルの温度分布のバラツキを少なくできるため、熱応力等による燃料電池セルの破損を抑制でき、燃料電池は実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
請求項5の発明は、複数の前記燃料電池セルの外周部より中央部へ供給する燃料ガスの温度を低くする温度制御部を備えていることを特徴とする。
これによって、燃料ガス供給側において複数の燃料電池セルの中央部では、温度が低く密度の高い燃料ガスにより燃料電池セルを冷却できるため、放熱量が少ない複数の燃料電池セルの中央部での発電反応を抑制することができる。また、燃料ガス供給側では外周部より中央部へ多く燃料ガスが多く供給され、燃料電池セルへ伝達する熱を増加して燃料ガス排出側での温度低下を抑制することができる。したがって、燃料電池セルの軸方向における温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セルの発電反応を促進できる。また、複数の燃料電池セルの軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セルの温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セルの発電反応を促進できる。また、複数の燃料電池セルの軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セルの温度分布のバラツキを少なくできるため、熱応力等による燃料電池セルの破損を抑制でき、燃料電池は実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
請求項6の発明は、複数の前記燃料電池セルの燃料ガス供給側から燃料ガス排出側に備えられた前記露出面が、燃料電池の外周部より中央部を大きく形成していることを特徴とする。
これによって、燃料ガス供給側では、燃料電池の中央部から周囲へ向かうにつれて順に燃料電池セルに形成される露出面による放熱量を小さくでき、複数の燃料電池セルの放熱量を均一にできるため、燃料電池の中央から周囲に向かって複数の燃料電池セルにおける温度分布のバラツキを少なくできる。また、燃料ガス排出側では燃料電池の中央部から周囲へ向かうにつれて順に燃料電池セルに形成される露出面による加熱量を増加できる。したがって、燃料電池セルの軸方向における温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セルの発電反応を促進して高効率な発電性能を維持できる。また、複数の燃料電池セルの軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セルの温度分布のバラツキを少なくできるため、熱応力等による燃料電池セルの破損を抑制でき、燃料電池は実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
請求項7の発明は、前記燃料ガス流路を流れる燃料ガスの温度を低下させる温度制御部を、前記燃料電池の中央部に備えていることを特徴とする。これによって、燃料ガス供給側では、燃料電池の中央部における燃料ガス流路の温度を低下させ、質量流量を増加させて燃料ガスを流れやすくできるため、燃料電池セルの表面温度が下げられることにより、放熱量が少ない燃料電池の中央部の発電反応を抑制することができる。また、燃料ガス排出側では、燃料ガス供給側の燃料電池の中央部における燃料ガスがボリュームを増し、燃料電池の中央部における燃料ガスの密度が増して発電反応を促進し、燃料ガス排出側での温度低下を抑制することができる。したがって、燃料電池セルの軸方向における温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セルの発電反応を促進できる。また、複数の燃料電池セルの軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セルの温度分布のバラツキを少なくできるため、熱応力等による燃料電池セルの破損を抑制でき、燃料電池は実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
請求項8の発明は、前記燃料電池の発電室と燃焼室を区切る上部隔壁に燃料ガスを排出するための複数の排出孔が備えられており、前記複数の排出孔は、前記燃料ガスの圧力損失が前記燃料電池セルを軸方向から見た断面視の中央側でより小さくなるように形成されていることを特徴とする。これによって、燃料電池の中央側に向かうつれて燃料ガスが流れやすくなり、燃料ガスが燃料電池セルから熱を奪うことによって燃料電池の中央側の燃料電池セルで、より表面温度を下げることができ、結果として燃料電池の中央側での発電反応が抑制される。また、燃料ガス排出側では、燃料ガス供給側の燃料電池の中央部における燃料ガスがボリュームを増し、燃料電池の中央部における燃料ガスの密度が増して発電反応を促進し、燃料ガス排出側での温度低下を抑制することができる。したがって、燃料電池セルの軸方向における温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セルの発電反応を促進できる。また、複数の燃料電池セルの軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セルの温度分布のバラツキを少なくできるため、熱応力等による燃料電池セルの破損を抑制でき、燃料電池は実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
本発明によれば、筒状の燃料電池セルを複数で束ねた燃料電池において、筒状の燃料電池セルの温度分布を均一化し、複数の燃料電池セルが効率良く発電でき、実用的で安全かつ高効率な燃料電池を形成することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して具体的かつ詳細に説明を行う。図1は本発明の一実施形態を示す片側先端が密封された固体酸化物形燃料電池の概略図である。これより説明する燃料ガス排出側と燃料ガス供給側とは、筒状固体酸化物形燃料電池セル(以下、燃料電池セルという)1の外側電極の長さLに対して上方の約1/2Lの領域が燃料ガス排出側17であり、下方の約1/2Lの領域が燃料ガス供給側18である。燃料電池容器6の中に、導電部材2に間隔を設けて燃料ガス排出側17で形成する燃料電池セル1の露出面3を備えた燃料電池セル1と、燃料電池セル1の電気的な直列方向を接続する導電部材2と、燃料電池セル1の端部を接続する集電部材4と、断熱材5と、矢印のように燃料ガスが流れる通気孔(図示しない)を有する下部隔壁9と、上部隔壁11と、酸化剤導入管14を備えた酸化剤分配器13が収納されている。また、燃料電池セル1は上部隔壁11を貫通し、貫通部は非気密構造を形成している。このとき、導電部材2と集電部材4はNiを主成分とする金属材料による金属繊維や金属板で、断熱材5はアルミナを主成分とする耐熱ボードで、燃料電池容器6は耐熱ステンレス鋼やインコネル等で、下部隔壁9と上部隔壁11は通気性を有するセラミック系耐熱ボードや通気孔を有する耐熱ステンレス鋼、インコネル等で、それぞれ形成することができる。
図2は図1のa−a断面図、図3は図1のb−b断面図である。図2は燃料電池容器6の中に、燃料電池セル1と、集電部材4と、断熱材5と、が配置されて燃料ガス流路19を形成している。また、燃料ガス排出側17で導電部材2に間隔を設けて露出面3を形成している。図3は燃料電池容器6の中に、燃料電池セル1と、電気的な直列方向で燃料電池セル1を接続する導電部材2と、集電部材4と、断熱材5と、が配置されて燃料ガス流路19を形成している。
図4は導電部材2に間隔を設けて接続した燃料電池セル1の概略図である。露出面3は、燃料電池セル1の電気的な直列方向に位置する面で形成されている。燃料電池セル1は、筒状の電解質21の内面に空気極20を、外面に燃料極22が形成されており、空気極20へ電気的に接続されたインターコネクタ23が燃料極22と通電せず電気的に接続される構造により形成されている。このとき、空気極20は多孔質のLaCoO3、LaMnO3、LaFeO3等のペロブスカイト型酸化物でSrやCa等をLaサイトにドープしたもの、ドープしないもの、あるいはそれらの複合材により形成されている。電解質21は、YSZにより形成されている。燃料極22は、多孔質のニッケルとYSZのサーメットにより形成されている。インターコネクタ23はLaCrO3にSrやCa等をドープしたものにより形成されている。
次に、このように構成された筒状の固体酸化物形燃料電池の動作について説明する。燃料ガスは燃料供給管7と燃料ガス分散室8を介して発電室10へ流れ、燃料電池セル1の外側の燃料ガス流路19へ流れて燃料極22に供給され、また、空気は酸化剤供給管12と酸化剤分配器13と酸化剤導入管14を介して発電室10へ流れ、燃料電池セル1の内側の先端内部より空気極20に供給されると、電解質21の両側で電気化学反応が起こり、電力と熱と水を発生する。この反応は水の電気化学反応の逆反応である。反応済みの排燃料ガスは上部隔壁11の排出孔(図示しない)を介して燃焼室15に排出される。一方反応済みの排空気は燃料電池セル1の上方端から燃焼室15に排出される。燃焼室15では排燃料ガスに含まれる残留燃料ガスと排空気に含まれる残留酸素が混合して燃焼し、燃焼ガスは排ガスダクト16を通じて排出される。燃料ガス排出側17では、導電部材2が燃料電池セル1の露出面3を形成していることにより、導電部材2の断面積が減少して燃料ガス流路19を大きくし、燃料ガス速度が遅くなり単位時間当たりの熱伝達量が増加できると共に、燃料ガスの密度が高く発電反応の活発になる燃料ガス供給側18で発電反応により発生した熱を温度伝導性に優れる水素を含む燃料ガスが、導電部材2を介さずに導電部材2の燃料電池セル1の露出面3へ直接伝達できる。これにより、実用的な約70%以上の高い燃料利用率で運転し、燃料電池セル1より排出される排燃料ガスの量が減り、排空気との燃焼量が低下し、燃焼室15が約600〜800℃の低い温度となっても、燃料ガス排出側17では燃焼室15の影響を受けにくくなり、燃料電池セル1の燃料ガス排出側17の温度低下を抑制できる。したがって、燃料電池セル1の軸方向における温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セル1の発電反応を促進して高効率な発電性能を維持できる。また、複数の燃料電池セル1の軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セル1の温度分布のバラツキを少なくできるため、熱応力等による燃料電池セル1の破損を抑制でき、燃料電池は実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
図5は本発明の他の実施形態を示す両端が開放された固体酸化物形燃料電池の概略図である。燃料電池容器6の中に、酸化剤分配器13と燃料電池セル接続部24で接続され、さらに、導電部材2に間隔を設けて燃料ガス排出側17および燃料ガス供給側18で形成する燃料電池セル1の露出面3を備えた燃料電池セル1と、燃料電池セル1の電気的な直列方向を接続する導電部材2と、燃料電池セル1の端部を接続する集電部材4と、断熱材5と、矢印のように燃料ガスが流れる通気孔(図示しない)を有する下部隔壁9と、上部隔壁11と、酸化剤分配器13が収納されている。燃料電池セル1は下部隔壁9では接合部24によりジルコニア系の接合剤で接合して気密構造を形成し、この気密構造を維持するため下部隔壁9の上方には断熱材5などによる伝熱遮蔽手段を形成すると共に、燃料電池セル1の約10.5×10-6(cm/cm・K-1)の熱膨張係数に近い、約8〜13×10-6(cm/cm・K-1)の熱膨張係数の耐熱金属で形成している。また、上部隔壁11では貫通され、貫通部は非気密構造を形成している。
次に、このように構成された筒状の固体酸化物形燃料電池の動作について説明する。燃料ガスは燃料供給管7と燃料ガス分散室8を介して発電室10へ流れ、燃料電池セル1の外側の燃料ガス流路19へ流れて燃料極22に供給され、また、空気は酸化剤供給管12と酸化剤分配器13を介して発電室10へ流れ、燃料電池セル1の内側より空気極20に供給されると、電解質21の両側で電気化学反応が起こり、電力と熱と水を発生する。
これによって、燃料ガス排出側17では、導電部材2が燃料電池セル1の露出面3を形成していることにより、導電部材2の形成していた断面積を減少して燃料ガス流路19が大きくなり、燃料ガス速度が遅くなって単位時間当たりの熱伝達量が増加できると共に、燃料ガスの密度が高く発電反応の活発になる燃料ガス供給側18で発電反応により発生した熱を温度伝導性に優れる水素を含む燃料ガスが、導電部材2を介さずに導電部材2の燃料電池セル1の露出面3へ直接伝達できるため、燃料電池セル1の燃料ガス排出側17の温度低下を抑制できる。また、燃料ガス供給側18では、直列方向での電流の取り出しにより電子の移動が集中することよる抵抗での熱や電極反応による熱を燃料電池セル1の導電部材2の接続面に蓄積せず、温度伝導性に優れる水素を含む燃料ガスにより効果的に放熱できるため、局部的な温度上昇を抑制できる。したがって、燃料電池セル1の軸方向における温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セル1の発電反応を促進して高効率な発電性能を維持できる。また、複数の燃料電池セル1の軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セル1の温度分布のバラツキを少なくできるため、熱応力等による燃料電池セル1の破損を抑制でき、燃料電池は実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。さらに、燃料電池セル1の表面を直接冷却する面積が増加し、燃料ガスによる放熱量を多くできるため、空気利用率を30%以上にして空気量を減少し、空気供給用ブロワーの小型化や燃焼室15の温度上昇による熱利用設備による高効率なコジェネレーションシステムの構成を容易にできる。
図6は本発明の他の実施形態を示す固体酸化物形燃料電池セルの接続構成図であり、図7、8、9は図6のc−c面、d−d面、e−e面における固体酸化物形燃料電池のそれそれの断面図である。図7のc−c面の断面図は燃料電池容器4の中に、燃料電池セル1と、集電部材4と、断熱材5と、が配置されて燃料ガス流路19を形成している。燃料ガス排出側17で導電部材2に間隔を設けて露出面3を形成している。図8のd−d面の断面図は燃料電池容器4の中に、燃料電池セル1と、電気的な直列方向で燃料電池セル1を接続する導電部材2と、集電部材4と、断熱材5と、が配置されて燃料ガス流路19を形成している。図9のe−e面の断面図は燃料電池容器6の中に、燃料電池セル1と、燃料ガス供給側18で燃料ガス流路19の断面積を小さくする導電板25と、燃料電池セル1の端部を接続する集電部材4と、断熱材5と、が配置されて燃料ガス流路19を形成している。このとき、燃料ガス流路19はe−e面、d−d面、c−c面の順に面積が大きくなっている。また、導電板25はNiを主成分とする耐熱性金属により構成され、燃料ガス供給側18における導電部材2の接続位置へ全面に形成している。
これによって、燃料ガス供給側18より燃料ガス排出側17の断面積を小さくして燃料ガスの流速を遅くできるため、燃料ガスが燃料電池セル1に接触する時間を燃料ガス供給側18で短く燃料ガス排出側17で長くすることができる。また、燃料ガス供給側18では燃料電池セル1へ達する単位時間あたりの燃料ガスの量が減少して発電反応を抑えられると共に、Niを主成分とする導電板25によって均熱化される。燃料ガス排出側17では逆に燃料電池セル1へ達する単位時間あたりの燃料ガスの量が増加して燃料電池セル1の加熱量と発電反応を促進できる。したがって、燃料電池セル1の軸方向における温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セル1の発電反応を促進できる。また、複数の燃料電池セル1の軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セル1の温度分布のバラツキを少なくできるため、熱応力等による燃料電池セル1の破損を抑制でき、燃料電池は実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
図10は本発明の他の実施形態を示す固体酸化物形燃料電池の概略図であり、図11は図10の固体酸化物形燃料電池セルの上部から見た配置を説明する図である。燃料電池容器6の中に、導電部材2に間隔を設けて燃料ガス排出側17で形成する燃料電池セル1の露出面3を備えた燃料電池セル1と、燃料電池セル1の電気的な直列方向を接続する導電部材2と、燃料電池セル1の端部を接続する集電部材4と、断熱材5と、矢印のように燃料ガスが流れる通気孔(図示しない)を有する下部隔壁9と、下部隔壁9の中央部近傍にメタン系炭化水素を含む燃料ガスが運転中に増やせる流量制御部であるバルブ27を有する燃料ガス供給配管26と、上部隔壁11と、酸化剤分配器13が収納され、燃料電池セル1は上部隔壁11を貫通し、貫通部は非気密構造を形成している。
これによって、燃料電池の発電運転中に燃料ガス供給配管25よりメタン系炭化水素と水蒸気の供給量を増加調整することにより、燃料ガス分散室8の上方より燃料ガス供給側18から燃料ガス排出側17において、燃料電池外周部29に比べて燃料電池の放熱量が少なく温度が高くなる傾向にある燃料電池中央部28では、メタン系炭化水素と燃料電池セル1の表面における燃料極22のニッケル粒子との燃料改質による吸熱反応により燃料電池セル1の表面温度を下げることができ、放熱量が少ない燃料電池セル1の発電反応を抑制することができる。このとき、燃料ガス供給側18では改質された燃料ガスがボリュームを増し、燃料ガス排出側17での燃料ガスの密度が増して発電反応を促進し、燃料ガス排出側17での温度低下を抑制することができる。したがって、燃料電池セル1の軸方向における温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セル1の発電反応を促進できる。また、複数の燃料電池セル1の軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セル1の温度分布のバラツキを少なくできるため、熱応力等による燃料電池セル1の破損を抑制でき、燃料電池は実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
図12は本発明の他の実施形態を示す固体酸化物形燃料電池の概略図であり、図13は図12の固体酸化物形燃料電池セルの上部から見た配置を説明する図である。燃料電池容器6の中に、導電部材2に間隔を設けて燃料ガス排出側17で形成する燃料電池セル1の露出面3を備えた燃料電池セル1と、燃料電池セル1の電気的な直列方向を接続する導電部材2と、燃料電池セル1の端部を接続する集電部材4と、断熱材5と、矢印のように燃料ガスが流れる通気孔(図示しない)を有する下部隔壁9と、燃料電池中央部28の燃料ガス分散室8の底面に配置された温度制御部30と、上部隔壁11と、酸化剤分配器13が収納され、燃料電池セル1は上部隔壁11を貫通し、貫通部は非気密構造を形成している。
これによって、燃料電池の発電運転中に温度制御部30で燃料ガスを冷却することにより、燃料ガス分散室8の上方より燃料ガス供給側18において、燃料電池外周部29に比べて燃料電池の放熱量が少なく温度が高くなる傾向にある燃料電池中央部28では、温度が低く密度の高い燃料ガスにより燃料電池セル1を冷却できるため、放熱量が少ない複数の燃料電池セル1の中央部での発電反応を抑制することができる。また、燃料ガス供給側18では燃料電池外周部29より燃料電池中央部28へ多く燃料ガスが多く供給され、燃料電池セル1へ伝達する熱を増加して燃料ガス排出側17での温度低下を抑制することができる。したがって、燃料電池セル1の軸方向における温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セル1の発電反応を促進できる。また、複数の燃料電池セル1の軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セル1の温度分布のバラツキを少なくできるため、熱応力等による燃料電池セル1の破損を抑制でき、燃料電池は実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
図14は本発明の他の実施形態を示す固体酸化物形燃料電池セルを上部から見た配置を説明する図であり、図15は図14の配置別の固体酸化物形燃料電池セルと導電部材に間隔を設けて形成する露出面を示す説明図ある。燃料ガス供給側18から燃料ガス排出側17において、露出面3が最も大きく形成される燃料電池セル31を配置し、その周囲へその次に露出面3が大きく形成される燃料電池セル32を配置し、さらに、その周囲へ最も露出面3が小さく形成される燃料電池セル33を配置している。
これによって、燃料ガス供給側18では、複数の燃料電池セル1に形成される中央の燃料電池セル31から燃料電池セル32、燃料電池セル33と、周囲へ向かうにつれて順に露出面3による放熱量を小さくでき、燃料電池の中央から周囲に向かって複数の燃料電池セル1における温度分布のバラツキを少なくできる。また、燃料ガス排出側17では複数の燃料電池セル1に形成される中央の燃料電池セル31から燃料電池セル32、燃料電池セル33と、周囲へ向かうにつれて順に、導電部材2の断面積が減少して燃料ガス流路19を大きくし、燃料ガス速度が遅くなり単位時間当たりの熱伝達量と、燃料ガスの密度が高く発電反応の活発になる燃料ガス供給側18で発電反応により発生した熱を温度伝導性に優れる水素を含む燃料ガスが、導電部材2を介さずに導電部材2の燃料電池セル1の露出面3へ直接伝達できる加熱量と、を増加できる。したがって、燃料電池セル1の軸方向における温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セル1の発電反応を促進して高効率な発電性能を維持できる。また、複数の燃料電池セル1の軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セル1の温度分布のバラツキを少なくできるため、熱応力等による燃料電池セル1の破損を抑制でき、燃料電池は実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
図16は本発明の他の実施形態を示す片側先端が密封された固体酸化物形燃料電池の概略図であり、図17は図16の固体酸化物形燃料電池セルと冷却ガス供給管を上部から見た配置を説明する図である。燃料電池容器6の中に、導電部材2に間隔を設けて燃料ガス排出側17で形成する燃料電池セル1の露出面3を備えた燃料電池セル1と、燃料電池セル1の電気的な直列方向を接続する導電部材2と、燃料電池セル1の端部を接続する集電部材4と、断熱材5と、矢印のように燃料ガスが流れる通気孔(図示しない)を有する下部隔壁9と、上部隔壁11と、酸化剤導入管14を備えた酸化剤分配器13と、冷却ガス供給管34を備えた温度制御部35が収納されている。燃料電池セル1は上部隔壁11を貫通し、貫通部は非気密構造を形成している。冷却ガス供給管34は下部隔壁9と上部隔壁11を貫通し、貫通部は非気密構造を形成している。このとき、導電部材2と集電部材4はNiを主成分とする金属材料による金属繊維や金属板で、断熱材5はアルミナを主成分とする耐熱ボードで、燃料電池容器6は耐熱ステンレス鋼やインコネル等で、下部隔壁9と上部隔壁11は通気性を有するセラミック系耐熱ボードや通気孔を有する耐熱ステンレス鋼、インコネル等で、それぞれ形成することができる。
空気等の冷却ガスを冷却ガス供給管34へ供給することにより、燃料電池中央部28の周囲へ配置される冷却ガス供給管34と燃料ガスと燃料電池セル1の熱交換により、燃料電池セルを冷却することができる。これにより、燃料ガス供給側18では、燃料電池中央部28における燃料ガス流路の温度を低下させ、密度を増して燃料ガスを流れやすくできるため、燃料電池の放熱量が少なく温度が高くなる燃料電池中央部28の発電反応を抑制することができる。また、燃料ガス排出側17では、燃料ガス供給側18の燃料電池中央部28における燃料ガスがボリュームを増し、燃料電池中央部28における燃料ガス流路を流れる燃料ガスの密度が高くなるため、燃料電池セル1へ伝達する熱を増加して発電反応を促進し、燃料ガス排出側17での温度低下を抑制することができる。したがって、燃料電池セル1の軸方向における温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セル1の発電反応を促進できる。また、複数の燃料電池セル1の軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セル1の温度分布のバラツキを少なくできるため、熱応力等による燃料電池セル1の破損を抑制でき、燃料電池は実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
図18は本発明の他の実施形態を示す固体酸化物形燃料電池の燃料ガス排出側に形成される上部隔壁を軸方向から見た排燃料ガスの排出孔と、燃料電池セルの配置を説明する図である。図18は、直列に接続された複数の燃料電池セル1における中央側の中央排出孔36が周囲の周囲排出孔37より大きく形成されている。(このとき、ここで示す中央側とは、矢印の示す燃料電池の中央部を表す)
これによって、上部隔壁より排出される排燃料ガスの圧力損失が燃料電池の中央側でより小さくできることにより、燃料電池の中央側における燃料ガス流路へ向かうにつれ、燃料ガスを流れやすくすることができるため、燃料電池セル1の表面温度が下げられることにより、放熱量が少ない燃料電池の中央部の発電反応を抑制することができる。また、燃料ガス供給側の燃料電池の中央部における燃料ガスがボリュームを増し、燃料ガス排出側の燃料電池の中央部における燃料ガスの密度が増して発電反応を促進し、燃料ガス排出側での温度低下を抑制することができる。したがって、燃料電池セルの軸方向における温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セルの発電反応を促進できる。また、複数の燃料電池セルの軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セルの温度分布のバラツキを少なくできるため、熱応力等による燃料電池セルの破損を抑制でき、燃料電池は実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
また、図18に示す燃料電池は中心側の隣り合う燃料電池セル1の間隔Bより周囲の隣り合う燃料電池セル1の間隔Aを狭く形成している。
これによって、周囲より中央側の燃料ガス流路の流速を低下させ、より中央側の燃料ガス流路へ流れる燃料ガスの圧力損失を小さくして燃料ガスを流れやすくできるため、燃料電池セル1の表面温度が下げられることにより、放熱量が少ない燃料電池の中央部の発電反応を抑制することができる。また、燃料ガス供給側の燃料電池の中央部における燃料ガスがボリュームを増し、燃料ガス排出側の燃料電池の中央部における燃料ガスの密度が増して発電反応を促進し、燃料ガス排出側での温度低下を抑制することができる。したがって、燃料電池セルの軸方向における温度分布のバラツキを少なくできるため、燃料電池セルの発電反応を促進できる。また、複数の燃料電池セルの軸方向と垂直な平面方向においても隣り合う燃料電池セルの温度分布のバラツキを少なくできるため、熱応力等による燃料電池セルの破損を抑制でき、燃料電池は実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
なお、前述の実施形態にかかわらず、導電部材2に酸化インジウム等の材料を用いることにより、燃料ガスが燃料電池セル1の内側を流れ、酸化剤ガスが燃料電池セル1の外側に流れるように構成し、燃料ガスと酸化剤ガスを入れ替えて燃料電池セル1を同様に構成することもできる。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定さされるものではない。図19は、本発明の実施例および比較例に示す固体酸化物形燃料電池の燃料電池セルの配置と、実施例2に示す排燃料ガスの排出孔とセルの配置とを説明する図である。
(実施例1)
燃料電池セル1として、外径約16.0mm、長さ660mm、燃料極長さ約580mm(燃料極面積200cm 2 )よりなり、電気的な直列方向および並列の接続面にニッケル金属膜を形成したものを準備した。
燃料電池セル1として、外径約16.0mm、長さ660mm、燃料極長さ約580mm(燃料極面積200cm 2 )よりなり、電気的な直列方向および並列の接続面にニッケル金属膜を形成したものを準備した。
次に、幅8mm、長さ85mmのニッケルフェルト38と燃料電池セル1との接続表面にアクリル系の粘着剤を塗布し、燃料電池セル1の直列方向となるインターコネクタ側と燃料極へ、隣り合うニッケルフェルト38を一定間隔で6ヶ配置し、ニッケルフェルト38の間にそれぞれ約12mmの燃料電池セル1の露出面を形成した。
この処理を施した燃料電池セル1を12ヶ準備し、図19のように、1段当たり2列の燃料電池セル1と、ニッケル板39(長さ580mm、厚さ0.2mm)を交互に積上げた。これらの燃料電池セル1の開口端周辺をアルミナ系のセラミック繊維の上部隔壁を形成し、燃料電池セル1の外側に水素による還元雰囲気、燃料電池セル1の内側を空気による酸化雰囲気より、約900〜950度で焼成して隣り合うセルの間隔が約20.8mmからなる2並列6直列の燃料電池セル1の集合体(以下、燃料電池スタックという)を製作した。
この燃料電池スタックの開口端に厚さ約50mmのアルミナ系のセラミック繊維からなる上部隔壁を形成し、以下の発電条件により発電試験を行った。
燃料ガス :H 2 +H 2 O(3%H 2 )+N 2 (5slm)
酸化剤 :Air
発電温度 :900℃
空気利用率:13%
燃料利用率:75%
電流密度 :0.2A/cm 2
燃料ガス :H 2 +H 2 O(3%H 2 )+N 2 (5slm)
酸化剤 :Air
発電温度 :900℃
空気利用率:13%
燃料利用率:75%
電流密度 :0.2A/cm 2
この結果、燃料電池セル1の最大・最小・平均の各出力密度はそれぞれ0.137W/cm
2
、0.133W/cm
2
、0.135W/cm
2
となった。
(実施例2)
実施例1と同様の燃料電池スタックを製作し、この燃料電池スタックの開口端に図19に示す位置に外径3.0×内径2.0mmの排出孔42を設けた厚さ約50mmのアルミナ系のセラミック繊維からなる上部隔壁を形成し、実施例1と同じ発電条件により発電試験を行った。
実施例1と同様の燃料電池スタックを製作し、この燃料電池スタックの開口端に図19に示す位置に外径3.0×内径2.0mmの排出孔42を設けた厚さ約50mmのアルミナ系のセラミック繊維からなる上部隔壁を形成し、実施例1と同じ発電条件により発電試験を行った。
この結果、燃料電池セル1の最大・最小・平均の各出力密度はそれぞれ0.143W/cm
2
、0.139W/cm
2
、0.141W/cm
2
となった。
(比較例1)
実施例1、2と同様の燃料電池セル1を準備し、次に、幅8mm、長さ96mmのニッケルフェルト38と燃料電池セル1との接続表面にアクリル系の粘着剤を塗布し、燃料電池セル1の直列方向となるインターコネクタ側と燃料極へ、隣り合うニッケルフェルト38の間隔を設けず6ヶ配置し、ニッケルフェルト38を連続して形成した。
実施例1、2と同様の燃料電池セル1を準備し、次に、幅8mm、長さ96mmのニッケルフェルト38と燃料電池セル1との接続表面にアクリル系の粘着剤を塗布し、燃料電池セル1の直列方向となるインターコネクタ側と燃料極へ、隣り合うニッケルフェルト38の間隔を設けず6ヶ配置し、ニッケルフェルト38を連続して形成した。
この処理を施した燃料電池セル1を12ヶ準備し、実施例1、2と同様に、隣り合うセルの間隔が約20.8mmからなる2並列6直列の燃料電池スタックを製作した。
この燃料電池スタックの開口端に厚さ約50mmのアルミナ系のセラミック繊維からなる上部隔壁を形成し、実施例1、2と同じ発電条件により発電試験を行った。
この結果、燃料電池セル1の最大・最小・平均の各出力密度はそれぞれ0.134W/cm2、0.123W/cm2、0.128W/cm2 となった。
1、31、32、33…固体酸化物形燃料電池セル
2 …導電部材
3 …露出面
4、43 …集電部材
5 …断熱材
6 …燃料電池容器
7、26…燃料ガス供給管
8 …燃料ガス分散室
9 …下部隔壁
10…発電室
11…上部隔壁
12…酸化剤供給管
13…酸化剤分配器
14…酸化剤導入管
15…燃焼室
16…排ガスダクト
17…燃料ガス排出側
18…燃料ガス供給側
19、40、41…燃料ガス流路
20…空気極
21…電解質
22…燃料極
23…インターコネクタ
24…燃料電池セル接続部
25…導電板
27…バルブ
28…燃料電池中央部
29…燃料電池外周部
30、35…温度制御部
34…冷却ガス供給管
36…中央排出孔
37…周囲排出孔
38…ニッケルフェルト
39…ニッケル板
42…排出孔
2 …導電部材
3 …露出面
4、43 …集電部材
5 …断熱材
6 …燃料電池容器
7、26…燃料ガス供給管
8 …燃料ガス分散室
9 …下部隔壁
10…発電室
11…上部隔壁
12…酸化剤供給管
13…酸化剤分配器
14…酸化剤導入管
15…燃焼室
16…排ガスダクト
17…燃料ガス排出側
18…燃料ガス供給側
19、40、41…燃料ガス流路
20…空気極
21…電解質
22…燃料極
23…インターコネクタ
24…燃料電池セル接続部
25…導電板
27…バルブ
28…燃料電池中央部
29…燃料電池外周部
30、35…温度制御部
34…冷却ガス供給管
36…中央排出孔
37…周囲排出孔
38…ニッケルフェルト
39…ニッケル板
42…排出孔
Claims (8)
- 複数の筒状の燃料電池セルと、前記燃料電池セルの軸方向に沿って電気的な直列方向を接続する導電部材と、前記燃料電池セルの周囲へ燃料ガスを流す燃料ガス流路と、を備えてなる燃料電池であって、燃料ガス排出側に前記燃料電池セルの露出面を形成していることを特徴とする燃料電池。
- 前記露出面を燃料ガス供給側に備えていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
- 燃料ガス供給側より燃料ガス排出側が大きい前記燃料ガス流路を形成していることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
- 燃料ガス供給側において複数の前記燃料電池セルの中央部へメタン系炭化水素を含む燃料ガスが運転中に増加させる流量制御部を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 複数の前記燃料電池セルの外周部より中央部へ供給する燃料ガスの温度を低下させる温度制御部を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 複数の前記燃料電池セルの燃料ガス供給側から燃料ガス排出側に備えられた前記露出面が、燃料電池の外周部より中央部を大きく形成していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 前記燃料ガス流路を流れる燃料ガスの温度を低下させる温度制御部を、前記燃料電池の中央部に備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 前記燃料電池の発電室と燃焼室を区切る上部隔壁に燃料ガスを排出するための複数の排出孔が備えられており、前記複数の排出孔は、前記燃料ガスの圧力損失が前記燃料電池セルを軸方向から見た断面視の中央側でより小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料電池。
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