JP2004103552A - 固体電解質型燃料電池の運転開始時の予熱方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】運転時にスタック3の内部に燃料ガスG1と酸化剤ガスG2を供給して内部から外周部に向かってガスを拡散させることにより発電反応を生じさせると共に、発電反応に使用されなかった残余のガスY1、Y2をスタック3の外周部から外に放出するシールレス構造の固体電解質型燃料電池において、運転開始の際の予熱時に、スタック3の周囲に配したヒータ20により発電セル7を昇温させると共に、排気管22aよりガスを供給して、運転時と逆の流れでガスを流すことにより、スタック3の外周のヒータ20によって昇温された高温気体HGを、発電セル7の外周部から内部に導入して、発電セル7の昇温を行う。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールレス構造の固体電解質型燃料電池の運転開始時の予熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化物イオン伝導体からなる固体電解質層を空気極層と燃料極層との間に挟んだ積層構造の発電セルを持つ固体電解質型燃料電池は、第三世代の発電用燃料電池として開発が進んでいる。発電セルでは、空気極側に酸化剤ガスとしての酸素(空気)が、燃料極側には燃料ガス(H2 、CO等)が供給される。空気極と燃料極は、ガスが固体電解質との界面に到達することができるように、いずれも多孔質とされている。
【0003】
空気極側に供給された酸素は、空気極層内の気孔を通って固体電解質層との界面近傍に到達し、この部分で、空気極から電子を受け取って酸化物イオン(O2−)にイオン化される。この酸化物イオンは、燃料極の方向に向かって固体電解質層内を拡散移動する。燃料極との界面近傍に到達した酸化物イオンは、この部分で、燃料ガスと反応して反応生成物(H2 O、CO2 等)を生じ、燃料極に電子を放出する。
【0004】
燃料に水素を用いた場合の電極反応は次のようになる。
空気極: 1/2 O2 + 2e− → O2−
燃料極: H2 + O2− → H2 O+2e−
全体 : H2 + 1/2 O2 → H2 O
【0005】
固体電解質層は、酸化物イオンの移動媒体であると同時に、燃料ガスと空気を直接接触させないための隔壁としても機能するので、ガス不透過性の緻密な構造となっている。この固体電解質層は、酸化物イオン伝導性が高く、空気極側の酸化性雰囲気から燃料極側の還元性雰囲気までの条件下で化学的に安定で、熱衝撃に強い材料から構成する必要があり、かかる要件を満たす材料として、イットリアを添加した安定化ジルコニア(YSZ)が一般的に使用されている。
【0006】
一方、電極である空気極(カソード)層と燃料極(アノード)層はいずれも電子伝導性の高い材料から構成する必要がある。空気極材料は、少なくとも700℃前後の高温の酸化性雰囲気中で化学的に安定でなければならないため、金属は不適当であり、電子伝導性を持つペロブスカイト型酸化物材料、具体的にはLaMnO3 もしくはLaCoO3 、または、これらのLaの一部をSr、Ca等に置換した固溶体が一般に使用されている。また、燃料極材料は、Ni、Coなどの金属、或いはNi−YSZ、Co−YSZなどのサーメットが一般的である。
【0007】
固体電解質型燃料電池には、1000℃前後の高温で作動させる高温作動型のものと、700℃前後の低温で作動させる低温作動型のものとがある。低温作動型の固体電解質型燃料電池は、例えば電解質であるイットリアを添加した安定化ジルコニア(YSZ)の厚さを10μm程度まで薄膜化して、電解質の抵抗を低くして、低温でも燃料電池として発電するように改良された固体電解質層を使用する。
【0008】
高温の固体電解質型燃料電池では、セパレータには、例えばランタンクロマイト(LaCrO3 )等の電子伝導性を有するセラミックスが用いられるが、低温作動型の固体電解質型燃料電池では、ステンレス等の金属材料を使用することができる。
【0009】
また、固体電解質型燃料電池の構造には、円筒型、モノリス型、及び平板積層型の3種類が提案されている。それらの構造のうち、低温作動型の固体酸化物型燃料電池には、金属のセパレータを使用できることから、金属のセパレータに形状付与しやすい平板積層型の構造が適している。
【0010】
平板積層型の固体電解質型燃料電池のスタックは、発電セル、集電体、セパレータを交互に積層した構造を持つ。一対のセパレータが発電セルを両面から挟んで、一方は空気極集電体を介して空気極と、他方は燃料極集電体を介して燃料極と接している。燃料極集電体には、Ni基合金等のスポンジ状の多孔質体を使用することができ、空気極集電体には、Ag基合金等の同じくスポンジ状の多孔質体を使用することができる。スポンジ状多孔質体は、集電機能、ガス透過機能、均一ガス拡散機能、クッション機能、熱膨脹差吸収機能等を兼ね備えるので、多機能の集電体材料として適している。
【0011】
セパレータは、発電セル間を電気接続すると共に、発電セルに対してガスを供給する機能を有するもので、燃料ガスをセパレータ外周面から導入してセパレータの燃料極層に対向する面から吐出させる燃料通路と、酸化剤ガスとしての空気をセパレータ外周面から導入してセパレータの空気極層に対向する面から吐出させる酸化剤通路とをそれぞれ有している。
【0012】
この種の固体電解質型燃料電池のなかに、発電セルの外周部のガス漏れ防止シール(従来では主にガラスシールが使用されている)を無くしたシールレス構造の固体電解質型燃料電池がある。シールレス構造の固体電解質型燃料電池は、発電セルの外周部のシールを無くしたので、構造の単純化及び製造の容易化が図れる上、構成部材間の熱膨脹差に基づくトラブルを無くすことができるというメリットがある。
【0013】
ところで、固体電解質型燃料電池を運転する場合には、発電セルを作動温度(例えば、1000℃付近)まで予熱してから運転を開始する必要があり、従来では、スタックの外周に配置したヒータで昇温させる方法が考えられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、発電セルの予熱を行う場合には、燃料電池スタック全体の均熱性を保ちながら昇温させないと、発電セル面内に温度分布が生じて熱応力が生まれ、発電セルの破損につながるおそれがある。このため、前記の外周からヒータで加熱する方法では、均熱性を保ち難いがために非常に長い時間をかけて昇温させなくてはならず、運転開始までの待機時間が長くなるという問題がある。
【0015】
また、昇温時間をできるだけ少なくするために、シールレス構造の場合、前記のヒータによる昇温中に、スタックの中心部に高温ガスを導入して、発電セルの中心部から外周部に高温ガスを拡散・流通させることで、発電セルの昇温を促進させるという考えもある。しかし、そうすると、温度の未だ高くなっていない低温の発電セル中心部にいきなり高温のガスが導入されることになるので、発電セルの割れを引き起こすことになりかねない。
【0016】
本発明は、上記事情を考慮し、発電セルの割れを防止しつつ短時間で予熱を行うことのできる固体電解質型燃料電池の運転開始時の予熱方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、運転時に、発電セルとセパレータを交互に積層してなる燃料電池スタックの内部に燃料ガスと酸化剤ガスを供給してスタックの内部から外周部に向かってガスを拡散させることにより発電セルに発電反応を生じさせると共に、発電反応に使用されなかった残余のガスをスタックの外周部から外に放出するシールレス構造の固体電解質型燃料電池において、運転開始の際の予熱時に、発電セルを昇温させると共に、スタックの周囲を加圧し、かつ発電セルに向けて燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給する供給管の少なくとも一方を、運転時と逆方向の流れとなることを許容するようにすることにより、前記スタックの周囲のヒータによって昇温された気体を発電セルの外周部から内部に導入して、発電セルの昇温を行うことを特徴とする。
【0018】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の固体電解質型燃料電池の運転開始時の予熱方法において、前記加熱手段として、スタックの周囲に配したヒータを用いることを特徴とする。
【0019】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2の何れかに記載の固体電解質型燃料電池の運転開始時の予熱方法において、前記発電セルに導入された昇温された気体を前記セパレータ内部の全域に渦巻き状に流通させて、当該セパレータ全体を均一に加熱することを特徴とする。
【0020】
ここで、請求項1または請求項2に記載の方法では、運転時と逆の流れで、発電セルの外周部から内部に向かって、例えば、ヒータ等で加温された気体が流れる。つまり、ヒータで直接加熱されたスタックの外周部の高温領域から内部の低温領域に加温気体が流れるので、スタックの外周部と内部との温度差を小さく抑えながら、発電セルの昇温を促進することができる。従って、発電セルの割れを防ぎながら、発電セルを効率よく昇温させることができる。
すなわち、ヒータの熱を伝熱作用を利用してスタック内部に伝えることに加えて、そのヒータで加熱されたスタック周囲の加温気体を当該スタック内部に逆流させることができるので、スタック全体の温度をすばやく上昇させることができる。よって、スタック全体を短時間で昇温できるとともに、熱応力により発電セルに割れが生じるのを防止することができる。
【0021】
また、請求項3に記載の方法では、加温された気体をセパレータ内部で渦巻き状に流通することにより加温気体の流路長を長くでき伝熱面積を大きくとれることから、セパレータでの熱交換効率を向上することができると共に、セパレータを全域に亘って均一に加熱することができるようになる。これにより、発電セルをより短時間でより均一に昇温することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、(a)運転開始の際の予熱時のガスの流れと、(b)定常運転時のガスの流れをそれぞれ示す燃料電池スタックの要部の概略構成図、図2は固体電解質型燃料電池の具体的構成を示す断面図である、
【0023】
まず、実施形態の固体電解質型燃料電池の全体構成を図2を用いて説明する。図2において、1は燃料電池(燃料電池モジュールとも呼ばれる)、2はハウジング、3は積層方向を縦にしてハウジング2内に配置された燃料電池スタックである。この燃料電池スタック3は、固体電解質層4の両面に燃料極層5及び空気極層(酸化剤極層)6を配した発電セル(発電部)7と、燃料極層5の外側の燃料極集電体8と、空気極層6の外側の空気極集電体(酸化剤極集電体)9と、各集電体8、9の外側のセパレータ(最上層及び最下層のものは端板である)10とを順番に積層した構造を持つ。
【0024】
ここで、固体電解質層4はイットリアを添加した安定化ジルコニア(YSZ)等で構成され、燃料極層5はNi、Co等の金属あるいはNi−YSZ、Co−YSZ等のサーメットで構成され、空気極層6はLaMnO3 、LaCoO3 等で構成され、燃料極集電体8はNi基合金等のスポンジ状の多孔質焼結金属板で構成され、空気極集電体9はAg基合金等のスポンジ状の多孔質焼結金属板で構成され、セパレータ10はステンレス等で構成されている。
【0025】
また、燃料電池スタック3の側方には、各セパレータ10の燃料通路(図示略)に接続管11を通して燃料ガスを供給する燃料用マニホールド13と、各セパレータ10の酸化剤通路(図示略)に接続管12を通して酸化剤ガスとしての空気を供給する酸化剤用マニホールド14とが、発電セル7の積層方向に延在して設けられている。また、前記マニホールド13、14の外周側には、各マニホールド13、14につながる燃料ガス予熱管15、酸化剤ガス予熱管16と、各予熱管15、16及び燃料電池スタック3を予熱するためのヒータ20が設けられている。ヒータ20及び予熱管15、16は、燃料電池1のハウジング2の内部に収容されており、ハウジング2内の各予熱管15、16に対して、外部の燃料ガス供給管17、酸化剤ガス供給管18がそれぞれ接続されている。
【0026】
また、この燃料電池1では、発電セル7の外周部にガス漏れ防止シールを敢えて設けないことにより、運転時に、図1(b)に示すように、セパレータ10の略中心部から発電セル7に向けて供給する燃料ガスG1及び酸化剤ガス(空気)G2を、発電セル7の外周方向に拡散させながら燃料極層5及び空気極層6の全面に良好な分布で行き渡らせて発電反応を生じさせると共に、発電反応に消費されなかった残余のガスY1、Y2を、発電セル7の外周部から外に自由に放出するようになっている。つまり、燃料ガスG1と酸化剤ガスG2は、発電セル7の略中心部から外周方向に拡散するように流れながら、固体電解質層4との界面に到達して電気化学反応を起こし、発電に使用されなかった余剰ガスY1、Y2が、そのまま発電セル7の外周部から外へ放出されていくようになっている。また、ハウジング2には、その内部空間21に放出された余剰ガスY1、Y2を、ハウジング2の外に排出するための排気管(排気穴)22a、22bが設けられている。
【0027】
次に実施形態の予熱方法を説明する。
この予熱方法は、前述したシールレス構造の固体電解質型燃料電池の構造的な特徴を利用して、燃料電池スタック3(特に発電セル7)の予熱を行うものである。即ち、図1(a)に示すように、運転開始の際の予熱時に、まず、燃料電池スタック3の周囲に配したヒータ20により発電セル7を昇温させると共に、排気管22a、22bより空気を供給し、供給管17、18の少なくとも一方において、運転時と逆の流れでガスを流すことにより、燃料電池スタック3の周囲のヒータ20によって昇温された高温気体(加温気体)HGを、発電セル7の外周部から中心部側(内部)に導入して、発電セル7の昇温を行うようにしている。すなわち、排気管22a、22bを介してハウジング2の内部空間21に空気や窒素等の気体を供給することにより、燃料電池スタック3の周囲を加圧し、その周囲の気体であってヒータ20によって加熱された高温気体HGを、余剰ガスY1、Y2が流出し得る隙間状の流路を介して燃料電池スタック3内に逆流させるようにしている。この場合、供給管17、18の双方に逆流を許容するための弁(図示せず)を設け、これらの弁を逆流方向に開となるように切り換えることにより、燃料電池スタック3内における燃料ガスG1の通るラインおよび酸化剤ガスG2の通るラインの双方に、上記高温気体HGが逆流するようにして、燃料電池スタック3の全体を加温するようにすることが好ましい。もちろん、上記弁の一方のみを逆流方向に開とすることによって、燃料ガスG1のライン側あるいは酸化剤ガスG2のライン側の一方のみに上記高温気体HGを逆流させるようにしてもよい。また、上記弁を介して供給管17、18内のガスを逆流方向に吸引することにより、上記高温気体HGが燃料電池スタック3内に入る速度を増加させるようにしてもよい。この場合には、より短時間で燃料電池スタック3を所定の温度まで上昇させることができる。
【0028】
このように、運転時と逆の流れで、発電セル7の外周部から中心部側に向かってヒータ20で加熱された高温気体HGを流すことにより、ヒータ20で直接加熱された外周部の高温領域から中心側の低温領域に高温気体HGが流れることになり、燃料電池スタック3の外周部と内部との温度差を小さく抑えながら、発電セル7の昇温を促進することができる。従って、発電セル7の割れを予防しながら、発電セル7を効率よく昇温させることができる。
【0029】
尚、運転開始時の発電セルの加熱手段として、ヒータ20を用いる以外に、外部より加熱したガスを燃料電池スタック3内に導入するようにしても良い。
【0030】
また、上記した燃料電池スタックの昇温をより好適に行うため、図3、図4に示す構造のセパレータ10が用いられる。
図3に示すように、セパレータ10は、所定の厚みを有する金属製の円板で構成されており、その内部には燃料ガスが流通する渦巻き状の燃料ガス通路30と、酸化剤ガスが流通する渦巻き状の酸化剤ガス通路31とを有し、各々が入れ子状態で形成されている。燃料ガス通路30の一端はセパレータ10の側部に開口し、他端が中央付近で上面に開口する燃料ガス吐出孔32に連通しており、酸化剤ガス通路31の一端はセパレータ10の側部に開口し、他端が中央付近で下面に開口する酸化剤ガス吐出孔33に連通している。
尚、燃料ガス通路30の側部開口には、図1に示した燃料ガス供給管17が接続され、酸化剤ガス通路31の側部開口には酸化剤ガス供給管18が接続されている。
【0031】
また、図4に示すように、本実施形態のセパレータ10は、中央付近に燃料ガス吐出孔32が形成された金属製薄板(上板34)と、燃料ガス通路用の渦巻き状切り抜き30aと酸化剤ガス通路用の渦巻き状切り抜き31aを入れ子状態に設けた金属製薄板(中板35)と、中央付近に酸化剤ガス吐出孔33が形成された金属製薄板(下板36)を順次重ね合わせて接合した多層構造を有する。
これら上板34と中板35と下板36を重ね合わせることにより、複数の中板35の各切り抜き30a、31a同士が合致して、セパレータ内部に断面四角形の渦巻き状のガス通路30、31が形成できる。尚、本実施形態では、中板35を2枚積層したが、必要なガス流量に応じて適宜枚数が積層される。
【0032】
上記構成のセパレータ10を使用すると、運転開始の際の予熱時に発電セルの外周部より導入された加温気体HGは、各ガス吐出32、33よりセパレータ10の内部に流入し、渦巻き状に形成された各ガス通路30、31を通してセパレータ内部の全域に流通し、最終的にセパレータ側部の開口より燃料ガス供給管17、酸化剤ガス供給管18に逆流していく。この加温気体HGは、渦巻き状による長いガス通路30、31を通過する過程で金属製のセパレータ10と効率的に熱交換し、セパレータ10は面方向の全域に亘って均一に加熱されることになり、結果、発電セル7を短時間で均一に昇温することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、予熱時にスタックの周囲のヒータで加温された気体を、運転時と逆の向きでスタックに流すようにしたので、スタックの外周部と内部との温度差を小さく抑えながら、発電セルの昇温を促進することができる。従って、発電セルの割れを防ぎつつ、発電セルを効率よく昇温させることができる。
【0034】
また、加温された気体をセパレータ内部で渦巻き状に流通するようにしたので、加温気体の流路長を長くでき伝熱面積を大きくとれることから、セパレータでの熱交換効率を向上することができると共に、セパレータを全域に亘って均一に加熱することができるようになる。これにより、発電セルをより短時間でより均一に昇温することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の説明に用いる燃料電池スタックの要部概略構成図で、(a)は予熱時のガスの流れを示し、(b)は定常運転時のガスの流れを示す図である。
【図2】本発明の予熱方法を実施する対象の固体電解質型燃料電池の具体的構成を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態の説明に用いるセパレータを示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図4】図3のセパレータの構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 固体電解質型燃料電池
3 燃料電池スタック
7 発電セル
10 セパレータ
17 燃料ガス供給管
18 酸化剤ガス供給管
20 ヒータ
22a、22b 排気管(排気穴)
HG 高温気体(加温気体)
Claims (3)
- 運転時に、発電セルとセパレータを交互に積層してなる燃料電池スタックの内部に燃料ガスと酸化剤ガスを供給してスタックの内部から外周部に向かってガスを拡散させることにより発電セルに発電反応を生じさせると共に、発電反応に使用されなかった残余のガスをスタックの外周部から外に放出するシールレス構造の固体電解質型燃料電池において、
運転開始の際の予熱時に、加熱手段により発電セルを昇温させると共に、スタックの周囲を加圧し、かつ発電セルに向けて燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給する供給管の少なくとも一方を、運転時と逆方向の流れとなることを許容するようにすることにより、昇温された気体を発電セルの外周部から内部に導入して、発電セルの昇温を行うことを特徴とする固体電解質型燃料電池の運転開始時の予熱方法。 - 前記加熱手段として、スタックの周囲に配したヒータを用いることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質型燃料電池の運転開始時の予熱方法。
- 前記発電セルに導入された昇温された気体を前記セパレータ内部の全域に渦巻き状に流通させて、当該セパレータ全体を均一に加熱することを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の固体電解質型燃料電池の運転開始時の予熱方法。
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