JP2010102867A - 固体酸化物形燃料電池セル、及びそれを備える燃料電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】 空気極と集電部との反応性を抑制することにより、初期発電性能が高い固体酸化物形燃料電池セルを提供可能となる。
【解決手段】 燃料極と、前記燃料極に配置される電解質と、前記電解質に配置される空気極と、前記空気極に配置される集電部と、を備える燃料電池であって、
前記集電部は導電性金属と酸化物とを備える集電部であり、さらに前記酸化物は前記空気極と同じであることを特徴とする燃料電池セル。さらに前記空気極がLSCFであり、前記集電部に含まれる酸化物がLSCFであることを特徴とする燃料電池セル。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池セル、及びそれを備える燃料電池モジュールに関する。
従来から、管状の燃料電池セルを有する燃料電池セルが知られている(例えば、特許文献1参照)。まず、特許文献1に記載された従来の固体酸化物形燃料電池セルの一例を説明する。特許文献1に記載された固体酸化物形燃料電池セルは、空気極に銀ペーストが塗布されている。銀は、空気に露出している。
また、特許文献2には、平板状の固体酸化物形燃料電池セルが記載され、この固体酸化物形燃料電池セルの内側の空気極コンタクト材料は、セパレーターと空気極に挟まれている。空気極コンタクト材料は、銀粉体または銀合金粉体と、ペロブスカイト型酸化物粉体とを少なくとも含む。この空気極コンタクト材料によれば、単セル本来の発電性能を大きく損なうことなく、空気環境下での発電性能に優れ、単セルの破壊も抑制可能な固体酸化物形燃料電池の空気極コンタクト材料である。
特開2007−95442号公報 特開2005−50636号公報
特許文献2にあるように空気極用コンタクト材料にAgやPdやペロブスカイト型酸化物を用いることが知られていた。しかし、前記空気極用コンタクト材料を固体酸化物形燃料電池の集電部に適用した場合、発電性能が低いという問題があった。
そこで本発明では、初期発電性能が高い固体酸化物形燃料電池セルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る固体酸化物形燃料電池セルは、燃料極と、燃料極に配置される電解質と、電解質に配置される空気極と、空気極に配置される集電部と、を備える燃料電池であって、集電部は導電性金属と酸化物とを備える集電部であり、さらに酸化物は空気極と同じである。
本発明によれば、空気極と集電部との反応性を抑制することにより、初期発電性能が高い固体酸化物形燃料電池セルを提供可能となる。
本発明を実施するための最良の形態を説明するに先立って、本発明の作用効果について説明する。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池セルは、燃料極と、前記燃料極に配置される電解質と、前記電解質に配置される空気極と、前記空気極に配置される集電部と、を備える燃料電池であって、前記集電部は導電性金属と酸化物とを備える集電部であり、さらに前記酸化物は前記空気極と同じであることを特徴とする。
集電部は導電性金属であるAgとPd、酸化物を備えており、集電部の酸化物に空気極と同じ酸化物を使用することで、初期発電性能を向上させることができる。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池セルは、前記空気極がLSCFであり、前記集電部に含まれる酸化物がLSCFであることを特徴とする。
また本発明に係る固体酸化物形燃料電池セルを備えた燃料電池モジュールでは、上述したような作用効果を奏する燃料電池を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照して、本発明による固体酸化物形燃料電池セルの実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係る固体酸化物形燃料電池セルの断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る固体酸化物形燃料電池セル6は、固体酸化物形燃料電池セル6の両端に燃料極端子24と空気極端子26を配置した固体酸化物形燃料電池セルユニット1になっている。本実施形態では、固体酸化物形燃料電池セルは、1本の固体酸化物形燃料電池セル6(管状体)からなり、固体酸化物形燃料電池セル6は、円筒形である。
固体酸化物形燃料電池セル6は、酸化剤ガスにさらされている面から集電部44a、空気極20、電解質18、燃料極16の積層構造になっており、燃料極16の内側に構成される燃料ガスの通路となる貫通流路15を有している。集電部44aは固体酸化物形燃料電池セル6の他方の端部6bに固定された空気極端子26に接続されいる。空気極20全体又は一部は、集電部44aで覆われており、空気極で発生した電気は、集電部44aのセルの軸方向に流れ、空気極端子26から電気を取り出す。
なおセルの軸方向とは、貫通流路15に流れる燃料ガスの方向と同一方向を示す。即ち、図中の矢印Aの方向を示す。
一方、固体酸化物形燃料電池セル6の一方の端部6aに固定された燃料極端子24は、燃料極16と接しており、燃料極16で発生した電気を燃料極端子24から取り出す。
集電部44aは、導電性膜であって、より具体的には、AgとPdとLSCFを備えている。集電部44aの厚さは、0.1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜30μmであることが好ましい。集電部44aは、空気極20が薄くて電気を通しにくい場合や導電率の低い材料で構成されている場合に電気の通路として機能している。
燃料極16は、例えば、Niと、CaやY、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニアとの混合体、Niと、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリアとの混合体、Niと、Sr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレートとの混合体、の少なくとも一種から形成される。
電解質18は、例えば、Y、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニア、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリア、Sr、Mgから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレート、の少なくとも一種から形成される。
空気極20は、例えば、Sr、Caから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Co、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンフェライト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたサマリウムコバルト、銀、などの少なくとも一種から形成される。燃料極16の厚さは、例えば、1mmであり、電解質18の厚さは、例えば、30μmであり、空気極20の厚さは、例えば、30μmである。
固体酸化物形燃料電池セル6の一方の端部6aに、燃料極16が電解質18及び空気極20に対して突出した燃料極突出周面16aと、電解質18が空気極20に対して突出した電解質突出周面18aとが設けられ、燃料極突出周面16a及び電解質突出周面18aは、固体酸化物形燃料電池セル6の外周面を構成している。固体酸化物形燃料電池セル6の他方の端部6bを含む残部の外周面は、空気極20が集電部44aで覆われている。本実施形態では、燃料極突出周面16aは、燃料極16と電気的に通じる燃料極外周面21でもある。
燃料極端子24は、燃料極外周面21を全周にわたって外側から覆うように配置され且つそれと電気的に接続された本体部分24aと、固体酸化物形燃料電池セル6から遠ざかるように固体酸化物形燃料電池セル6の長手方向に延びる管状部分24bとを有している。好ましくは、本体部分24a及び管状部分24bは、円筒形であり且つ同心に配置され、管状部分24bの管径は、本体部分24aの管径よりも細い。本体部分24a及び管状部分24bは、貫通流路15と連通し且つ外部と通じる接続流路24cを有している。本体部分24aと管状部分24bとの間の段部24dは、燃料極16の端面16bと当接している。
尚、本発明の一形態に用いる空気極端子26は、空気極外周面22を全周にわたって外側から覆うように配置され且つそれと電気的に接続された本体部分26aと、固体酸化物形燃料電池セル6から遠ざかるように固体酸化物形燃料電池セル6の長手方向に延びる管状部分26bとを有している。好ましくは、本体部分26a及び管状部分26bは、円筒形であり且つ同心であり、管状部分26bの管径は、本体部分26aの管径よりも細い。本体部分26a及び管状部分26bは、貫通流路15と連通し且つ外部と通じる接続流路26cを有している。本体部分26aと管状部分26bとの間の段部26dは、環状の絶縁部材28を介して集電部44a、空気極20、電解質18及び燃料極16の端面16cと当接している。
燃料極端子24及び空気極端子26の管状部分24b、26bは、好ましくは、それらの外輪郭断面形状が同一である。更に好ましくは、燃料極端子24及び空気極端子26の全体形状が同一である。燃料極端子24及び空気極端子26は、例えばAg、ステンレス鋼、ニッケル基合金、クロム基合金などの耐熱金属である。
燃料極端子24と固体酸化物形燃料電池セル6、及び、空気極端子26と燃料電池セル6とは、その全周にわたって導電性のシール材32によってシールされ且つ固定されている。
一方の端部6aにおいて、燃料極突出周面16a及び電解質突出周面18aは、固体酸化物形燃料電池セル6の全周にわたって延び、互いに長手方向Aに隣接している。また、燃料極突出周面16aは、固体酸化物形燃料電池セル6の先端部6cに位置している。燃料極突出周面16aと電解質突出周面18aとの間の境界34は、燃料極端子24の本体部分24aの内部にあり、電解質突出周面18と集電部突出周面44との間の境界36は、本体部分24aの外側に位置している。また、電解質突出周面18aは、燃料極突出周面16aに向かって薄肉となるテーパ部18bを有している。
一方の端部6aにおいて、シール材32は、燃料極突出周面16a及び電解質突出周面18aに跨がって全周にわたって延び、燃料極端子24の本体部分24aに充填され、電解質突出周面18aを介して空気極20と間隔をおいている。また、他方の端部6bにおいて、シール材32は、空気極突出周面20aの上を全周にわたって延び、空気極端子26の本体部分26aと絶縁部材28との間の空間に充填されている。シール材32は、燃料極16と作用するガスの領域、即ち、貫通流路15及び接続流路24c、26cと、空気極20と作用するガスの領域とを仕切るように設けられている。シール材32は、例えば、銀、銀とガラスの混合物、金、ニッケル、銅、チタンなどを含む各種ロウ材である。
ここで固体酸化物形燃料電池の作動原理を以下に記す。空気極側に酸化剤ガスを流し、燃料極側に燃料ガス(H2、COなど)を流すと酸化剤ガス中の酸素が、空気極と固体電解質との界面近傍で酸素イオンに変わり、この酸素イオンが固体電解質を通って燃料極に達する。そして燃料ガスと酸素イオンが反応して水および二酸化炭素になる。これらの反応は(1)、(2)および(3)式で表される。発生した電子は、空気極または燃料極へと移動し、端子に集電されるので、電流は管状セルの長軸方向を流れることになる。空気極と燃料極を外部回路で接続することによって、外部に電気を取り出すことが出来る。
H 2 + O 2 - → H 2 O+ 2 e - (1)
C O+ O 2 - → C O 2 + 2 e - (2)
1 / 2 O + 2 e - → O 2 - (3)
より具体的には、図1において燃料極16と作用するガス(燃料ガス)を、貫通流路15及び接続流路24c、26cに通す。また、空気極20と作用するガス(酸化剤ガス)を、空気極20の周りに流す。それにより、固体酸化物形燃料電池セル6が作動する。また、燃料極16の電気をシール材32及び燃料極端子24を介して取出し、空気極20の電気をシール材32及び空気極端子26を介して取出す。
図2は、図1に示す固体酸化物形燃料電池セルユニットの変形例である。このセルユニット2はセル7と2つの端子からなっている。セルの構成は、内部に貫通流路を有する燃料極支持体の外側に配置された固体電解質と、該固体電解質の外側に配置された空気極とから構成され、空気極の更に外側には集電部が配置されたものである。固体酸化物形燃料電池セル7には一方の端部56aと他方の端部56bを備え、他方の端部56bの内側に燃料極端子104、および外側に空気極端子106の2つの端子が設けられている。図3は、内側の燃料極端子104を示す。燃料極端子104は、燃料極の貫通流路に挿入され、燃料極と接する。燃料極端子104は、中心部に固体酸化物形燃料電池セル7との接触面積を増やすため略円筒形をしている。図4は、外側の空気極端子106を示す。空気極端子106は、空気極の外側に覆われた集電部144aと接する。空気極端子106は、中心部に固体酸化物形燃料電池セル7を挿入できるように略円筒形をしている。それぞれの端子は、Ag、ステンレス鋼、ニッケル基合金、クロム基合金などの耐熱金属からなり、金属の持つバネ力により端子とセルが固定される。図1の仕様と同様に空気極側に酸化剤ガスを流し、燃料極側に燃料ガス(H2、COなど)を流した時、空気極と燃料極で電気が発生し、それぞれの端子に集電されるので、電流は管状セルの長軸方向を流れることになる。
更に、図5は、別の変形例である固体酸化物形燃料電池セルユニット3である。セルの構成は、内部に貫通流路を有する燃料極支持体の外側に配置された固体電解質と、該固体電解質の外側に配置された空気極とから構成され、空気極の更に外側には集電部が配置されたものである。固体酸化物形燃料電池セル8には一方の端部66aと他方の端部66bをもち、一方の端部66aには電解質が空気極に対して突出した電解質突出部214を備える。空気極端子206であるAgワイヤは、集電部244aの外周に巻きつけられ、固体酸化物形燃料電池セル8の中心付近に形成した。外周に巻きつける位置は、中心付近に限定されず、固体酸化物形燃料電池セル8の他方の端部66bでも良い。燃料極端子204は、貫通流路の内径より大きな円筒状のAgメッシュを備えている。燃料極端子204は、固体酸化物形燃料電池セル8に一方の端部66aから10〜100mmの深さまで挿入し、Agメッシュのバネ力により燃料極と接している。図1の仕様と同様に空気極側に酸化剤ガスを流し、燃料極側に燃料ガス(H2、COなど)を流した時、空気極と燃料極で電気が発生し、それぞれの端子に集電されるので、電流は管状セルの長軸方向を流れることになる。
これまで説明してきたのは固体酸化物形燃料電池セルであるが、周囲が断熱容器に覆われ、酸化剤ガスにさらされた固体酸化物形燃料電池セルを備えた固体酸化物形燃料電池モジュールに適用されても良い。
また、これまで説明した固体酸化物形燃料電池セルは円筒形状であるが、本発明の実施形態は円筒形状に限定されず、扁平形状などに適用されても良い。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
固体酸化物形燃料電池セルは、燃料極支持体の外側に配置された固体電解質と、該固体電解質の外側に配置された空気極とから構成され、空気極の更に外側には集電部が配置されたものである。以下に作製手順について示した。
(実施例1)
まず、燃料極支持体について説明する。NiO粉末と、(ZrO2)0.90(Y2O3)0.10(以下YSZと略称する)粉末の混合物を湿式混合法で作製後、熱処理、粉砕を行い燃料極支持体原料粉末を得た。NiO粉末とYSZ粉末の混合比は重量比で65/35とした。該粉末を押出し成形法によって円筒状成形体を作製した。成形体を900℃で熱処理して仮焼体とした。仮焼体の表面に、スラリーコート法により固体電解質を成形した。この支持体を1300℃で焼成した。燃料極支持体は、焼成後の寸法で、外径10.4mm、肉厚1.5mm、有効セル長100mmとした。
固体電解質の表面にスラリーコート法により空気極を形成し、1100℃で焼成した。空気極としてLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3(略称:LSCF)を用いた。なお、空気極の面積は、25.2cm2になるようにした。
次に空気極の上に集電部を塗布した。本実施例での集電部のコーティング液として、次に挙げる樹脂と溶剤と金属粉を備えている。
樹脂としてウレタン樹脂を用い、溶剤としてn-メチル-2-ピロリドン(NMP)とベンジルアルコールを50:50の混合溶剤を用い、導電性金属としての金属粉としてAgおよびPdを用い、酸化物として空気極材料と同一のLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3(略称:LSCF)を用いた。金属粉と酸化物を合わせて100重量%とした時、Ag96.0重量%、 Pd2.0重量%、LSCF2.0重量%で秤量した。樹脂、溶剤、金属粉、酸化物粉を調合したコーティング液は、混合攪拌した。
空気極上への集電部の形成方法としては、本発明における固体電解質の作製方法については、特に制限はなく、スラリーコート法、テープキャスティング法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、スピンコート法、スプレー法、フローコート法、ロールコート法ならびにこれらの併用など、既知の塗布手段を適宜採用することができる。
固体酸化物形燃料電池セルにスクリーン印刷法でコーティング液を塗布後、80℃30分乾燥し、室温にて冷却後700℃1時間焼成し、空気極の外側に集電部を形成した固体酸化物形燃料電池セルを得た。よって、集電部は、AgとPdとLSCFを備える膜となった。
(比較例1)
本比較例での集電部のコーティング液として、次に挙げる樹脂と溶剤と金属粉を備えている。
樹脂としてウレタン樹脂を用い、溶剤としてn-メチル-2-ピロリドン(NMP)とベンジルアルコールを50:50の混合溶剤を用い、金属粉としてAgおよびPdを用い、酸化物として空気極材料と異種のLa0.75Sr0.25MnO3(略称:LSM)を用いた。
金属粉と酸化物を合わせて100重量%とした時、Ag94.0重量%、 Pd2.0重量%、LSM4.0重量%で秤量した。
(評価方法)
1.固体酸化物形燃料電池セルの発電試験
得られた固体酸化物形燃料電池セル(電極有効面積:25.2cm2 )を用いて発電試験を行った。燃料極側の集電は、図1に示す燃料極端子24にAg線を外周に巻きつけ行った。空気極側の集電も、空気極端子26にAg線を外周に巻きつけ行った。発電条件としては、燃料はH2とN2の混合ガスとした。燃料利用率は60%、70%、75%、80%とした。酸化剤ガスは空気とした。測定温度は700℃ とし、電流密度0.3A/cm2での発電電位を測定した。
図6に本発明の実施例および比較例の評価結果を示す。
図6を用い、空気極がLSCFであり、集電部はAg/Pd/LSCFであり、集電部の表面は酸化剤ガスにさらされている固体酸化物形燃料電池セルについて説明する。実施例1では、700℃、0.3A/cm2における、FU率=60%時の電位が0.768V、FU率=70%時の電位が0.760V、FU率=75%時の電位が0.752V、FU率=80%時の電位が0.741Vと、発電性能が良好であった。これは、空気極材料のLSCFと同じ材料であるLSCFを集電部に用いることで反応を抑制したためだと推察される。
それに対して比較例1は、700℃、0.3A/cm2における、FU率=60%時の電位が0.712V、FU率=70%時の電位が0.701V、FU率=75%時の電位が0.695V、FU率=80%時の電位が0.688Vと、実施例1に比べ低い値を示した。これは、空気極材料のLSCFと集電部との間で反応が生じ、抵抗成分が増大したためだと推察される。

本実施形態に係る固体酸化物形燃料電池セルユニットを示す図である。 本実施形態に係る固体酸化物形燃料電池セルユニットの変形例を示す図である。 本実施形態に係る燃料極端子の変形例を示す図である。 本実施形態に係る空気極端子の変形例を示す図である。 本実施形態に係る固体酸化物形燃料電池セルユニットの変形例を示す図である。 本実施例と比較例の発電電位の結果を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池セルユニット
6 固体酸化物形燃料電池セル(固体酸化物形燃料電池セル体)
6a 一方の端部
6b 他方の端部
15 貫通流路
16 燃料極
16a 燃料極突出周面
18 電解質
20 空気極
21 燃料極外周面
22 空気極外周面
24 燃料極端子
24b 管状部分
24c 接続流路
26 空気極端子
26b 管状部分
26c 接続流路
32 シール材
44a 集電部
2 燃料電池セルユニット
7 固体酸化物形燃料電池セル
56a 一方の端部
56b 他方の端部
144a 集電部
104 燃料極端子
106 空気極端子
3 燃料電池セルユニット
8 固体酸化物形燃料電池セル
66a 一方の端部
66b 他方の端部
244a 集電部
204 燃料極端子
206 空気極端子
214 電解質突出部

Claims (3)

  1. 燃料極と、前記燃料極に配置される電解質と、前記電解質に配置される空気極と、前記空気極に配置される集電部と、を備える燃料電池であって、
    前記集電部は導電性金属と酸化物とを備える集電部であり、さらに前記酸化物は前記空気極と同じであることを特徴とする燃料電池セル。
  2. 前記空気極がLSCFであり、前記集電部に含まれる酸化物がLSCFであることを特徴とする燃料電池セル。
  3. 請求項1または2記載の燃料電池セルを備える燃料電池モジュール。
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