JP4822633B2 - 固体電解質形燃料電池セル及び燃料電池 - Google Patents

固体電解質形燃料電池セル及び燃料電池 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体電解質燃料電池セル及び燃料電池に関し、特に、外径10mm以下の円筒状の固体電解質燃料電池セル及び燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来より、固体電解質燃料電池はその作動温度が900〜1050℃と高温であるため発電効率が高く、第3世代の発電システムとして期待されている。
【0003】
従来の円筒型の固体電解質燃料電池セルは、図6に示すように開気孔率30〜40%程度のLaMnO系材料からなる多孔性の空気極2を形成し、その表面にY安定化ZrOからなる固体電解質3を被覆し、さらにこの表面に多孔性のNi−ジルコニアの燃料極4を設けて構成されている。
【0004】
燃料電池のモジュールにおいては、各単セルはLaCrO3系の集電体(インターコネクタ)5を介して接続される。発電は、空気極2内部に空気(酸素)6を、外部に燃料(水素)7を流し、1000〜1050℃の温度で行われる。
【0005】
上記のような燃料電池セルを製造する方法としては、製造工程を簡略化し且つ製造コストを低減するために、各構成材料のうち少なくとも2つを同時焼成する、いわゆる共焼結法が提案されている。この共焼結法は、例えば、円筒状の空気極成形体に固体電解質成形体及び集電体成形体をロール状に巻き付けて同時焼成を行い、その後固体電解質表面に燃料極を形成する方法である。またプロセス簡略化のために、固体電解質成形体の表面にさらに燃料極成形体を積層して、同時焼成する共焼結法も提案されている。
【0006】
具体的には、円筒状の空気極成形体に巻き付けられた固体電解質成形体の両端部間を研磨し、空気極成形体の露出面の幅が4〜5mm程度の平面を形成し、この平面及び固体電解質成形体の両端部に集電体成形体を積層し、焼成することにより、肉厚が2mm以上の空気極と電気的に接続した集電体を形成し、外径が15mm以上の円筒状の固体電解質燃料電池セルを作製していた。この場合、空気極の周方向における固体電解質の両端部と集電体とが積層された接合部幅は、1500μm以上とされていた。
【0007】
ところで、近年においては、固体電解質燃料電池セルを車載用若しくはポータブル型の携帯用電源として商品化しようとする動きが高まっており、そのために固体電解質燃料電池セルの外径を10mm以下とし、コンパクト化、軽量化するための設計上の工夫が行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
外径が10mm以下の固体電解質燃料電池セルを作製する場合においても、固体電解質の両端部と集電体とが積層された接合部幅は長い程、セル内部の空気の漏出を確実に防止するという点からは望ましいものの、セルの外径が小さくなるに伴い、セル外周に占める固体電解質と集電体の接合部幅の占める割合が大きくなり、固体電解質と集電体の焼成時における焼成収縮挙動の違いが顕著に現れ、固体電解質と集電体が剥離し易くなり、却ってセル内部の空気が漏出し易いという問題があった。
【0009】
即ち、固体電解質は一般にZrO系材料を用い、集電体はLaCrO系材料を用いており、焼成収縮挙動が全く相違する。従って、外径が10mm以下、特に5mm以下の固体電解質燃料電池セルを作製しようとすると、曲率半径が小さいため、上記した共焼結法により同時焼成すると、焼成収縮挙動の違いによる内部応力が生じやすく、固体電解質と集電体の剥離が生じやすいという問題があった。
【0010】
また、外径が10mm以下の固体電解質燃料電池セルを作製しようとすると、固体電解質燃料電池セル内に挿入する空気導入管の径も考慮すると、空気極の肉厚を0.5〜1.5mmにする必要があり、また、集電体、固体電解質厚みも薄くする必要があるため、焼成収縮挙動の違いにより、固体電解質や集電体へのクラックが発生し易いという問題があった。
【0011】
本発明は、外径が10mm以下であっても、固体電解質と集電体とを強固に接合でき、セル内部の気体の漏出を確実に防止できる固体電解質燃料電池セル及び燃料電池を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体電解質燃料電池セルは、多孔質筒状の空気極の表面に、該空気極の一部が露出するように緻密質の固体電解質を形成し、該固体電解質の表面に多孔質の燃料極を形成するとともに、前記空気極の露出面及びその近傍の前記固体電解質表面に、緻密質の集電体を形成してなり、少なくとも前記空気極、前記固体電解質及び前記集電体を同時焼成してなるとともに、前記空気極の周方向における前記固体電解質と前記集電体の接合部の幅B1が1200μm以下であり、前記固体電解質と前記集電体の接合部において、前記固体電解質と前記集電体の厚みの合計が80〜200μmであり、かつ前記固体電解質と前記集電体の厚みがそれぞれ40μm以上の厚みを有する部分が、前記空気極の周方向に300μm以上の幅B2で形成されているとともに、外径Rが10mm以下であることを特徴とする。
【0013】
本発明では、空気極の周方向における固体電解質と集電体の接合部の幅B1が1200μm以下であり、固体電解質と集電体の接合部において、固体電解質と集電体の厚みの合計が80〜200μmであり、かつ固体電解質と集電体の厚みがそれぞれ40μm以上の厚みを有する部分が、空気極の周方向に300μm以上の幅B2で形成されているため、外径Rが10mm以下のセルを作製する場合であっても、焼成収縮挙動の相違に基づく固体電解質と集電体の剥離、固体電解質や集電体へのクラック発生を防止でき、これによりセル内部の空気の漏出を防止できる。
【0015】
さらに、本発明の固体電解質燃料電池セルは、端部に有底筒状の封止体が外嵌されており、該封止体が外嵌される部分の前記集電体の空気極周方向端の厚みが5〜40μmであることが望ましい。これにより、セルに形成される段差を小さくできるため、長期間発電した場合であっても、集電体の空気極外周方向端と封止体内面との間からの空気の漏出を防止できる。
【0016】
本発明の燃料電池は、反応容器内に、上記した固体電解質燃料電池セルを複数収容してなるものである。上記したように、外径が10mm以下の固体電解質燃料電池セルであっても、セル内部からの空気の漏出を防止できるため、長期間使用できる高信頼性の燃料電池を提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の円筒状の固体電解質燃料電池セルは、図1及び図2に示すように、緻密質円筒状の空気極31の外面に固体電解質32を形成し、この固体電解質32の外面に燃料極33を形成してセル本体34が構成されており、このセル本体34の外面に、空気極31と電気的に接続する集電体35が形成されている。集電体35表面にはNiメッキ40が形成されている。
【0018】
即ち、固体電解質32の一部に切欠部36が形成され、固体電解質32の内面に形成されている空気極31の一部が露出しており、この露出面37および切欠部36近傍の固体電解質32の両端部表面が集電体35により被覆され、集電体35が、固体電解質32の両端部表面、および固体電解質32の切欠部36から露出した空気極31の露出面37に接合されている。
【0019】
空気極31と電気的に接続する集電体35はセル本体34の外面に形成され、ほぼ段差のない連続同一面39を覆うように形成されており、燃料極33とは電気的に接続されていない。連続同一面39は、固体電解質成形体の両端部と空気極成形体の一部とが連続したほぼ同一面となるまで、固体電解質成形体の両端部間を研摩することにより形成される。
【0020】
セル本体34の一端部には、図3に示すように有底円筒形状の封止体50が外嵌されており、この封止体50は、セル本体34の一端部に接合している。このような封止体50のセル本体34への外嵌は、セル本体34の一端部に有底円筒形状の封止体成形体を外嵌し、焼成して封止体成形体を焼成収縮させることによって行われる。
【0021】
集電体35の表面には、図1に示すように、厚さ3μm以上のNiメッキ層40が形成されている。集電体35は、セル同士を接続する際に、他のセルの燃料極にNiフェルトを介して電気的に接続され、これにより燃料電池モジュールが構成される。
【0022】
固体電解質32は、例えば3〜20モル%のY23あるいはYb23を含有した部分安定化あるいは安定化ZrO2が用いられ、空気極31は、例えば、LaおよびMnを含有するペロブスカイト型複合酸化物を主成分とするもので、Caを酸化物換算で8〜10重量%、希土類元素のうち少なくとも一種を酸化物換算で10〜20重量%含有しても良い。希土類元素としては、Y、Nd、Dy、Er、Yb等があり、このうちでもYが望ましい。燃料極33としては、例えば、50〜80重量%Niを含むZrO2(Y23含有)が用いられる。
【0023】
集電体35は、金属元素としてLa、CrおよびMgを含有するぺロブスカイト型結晶を主結晶とするものであり、希土類元素やアルカリ土類金属元素を含有するものであっても良い。集電体35には、さらにMgO結晶を含有することが、集電体35の熱膨張係数を高くして、固体電解質32や空気極31の熱膨張係数に近づけることができるため望ましい。
【0024】
そして、本発明の固体電解質燃料電池セルでは、図1に示したように、外径Rが10mm以下であり、図4に示すように、空気極31の周方向における固体電解質32と集電体35の接合部の幅B1が1200μm以下とされている。
【0025】
セルの外径Rを10mm以下としたのは、このような小径のセルにより単位体積当たりの出力を向上させることによって小型の燃料電池を作製でき、システムの省スペース化を実現できるからである。尚、固体電解質燃料電池セルの外径Rとは、固体電解質燃料電池セルにおける最大外径を意味し、この例では、集電体35と対向して形成された燃料極33の部分と直交する方向の直径である。外径Rは、5mm以下であることが小型化の点から望ましい。
【0026】
また、このような外径Rが10mm以下のセルでは、空気極31の周方向における固体電解質32と集電体35の接合部の幅B1が1200μm以下であることが重要である。
【0027】
固体電解質燃料電池セルを作製する場合、セルの各部材の焼成収縮挙動の差および熱膨張係数の差などが存在するため、特に異種部材が集中して近接する固体電解質32と集電体35の接合部の幅B1を必要以上に大きく設けると、焼成過程および運転開始・停止時の膨張収縮挙動の差により接合部の剥離や磁器破壊を起こしやすくなる。特にセルの外径Rを10mm以下に小径化した場合は剥離や破壊が顕著となるのである。
【0028】
接合部の幅B1を1200μm以下としたのは、幅B1が1200μmよりも大きい場合には、固体電解質32と集電体35の接合部において、その焼成収縮挙動の相違に基づく応力が大きく、固体電解質32と集電体35の間に剥離が生じ、セルを作製しても空気極内部の空気が漏出するからである。
【0029】
しかしながら、固体電解質32と集電体35の接合部が継続して十分に安定な気密性を呈すためには接合部幅B1を一定以上確保する必要がある。よって、固体電解質32と集電体35とは確実に接合する必要があることから、接合部の幅B1は、500μm以上、特には800μm以上であることが望ましい。
【0030】
また、本発明では、接合部において固体電解質32と集電体35の厚みt1、t2がそれぞれ40μm以上の厚みを有する部分が、空気極31の周方向に300μm以上の幅B2で形成されている。固体電解質32の厚みt1と集電体35の厚みt2がそれぞれ40μm以上である部分が、300μm以上の幅B2で存在せしめたのは、この範囲であれば、長期間発電した場合であっても、固体電解質32と集電体35を強固に接合でき、継続して十分に安定な気密性を得ることができるからである。幅B2は、固体電解質32と集電体35を確実に接合しつつ、熱応力の発生を抑制するという点から300〜600μmであることが望ましい。
【0031】
固体電解質32と集電体35の接合部の厚みtが80〜200μmであることが、緻密体である接合部の機械的強度を確保するという点から望ましい。
【0032】
また、本発明では、有底筒状の封止体50が外嵌される部分の集電体35の空気極周方向端の厚みt2が5〜40μmであることが望ましい。このような厚みt2を有することにより、封止体50をセル本体34の外面に確実に接合することができ、封止体50と集電体35の空気極周方向端と固体電解質表面との間からの空気の漏出を抑制できる。
【0033】
尚、本発明の固体電解質燃料電池セルは、空気極の厚みが0.5〜1.5mm、集電体が積層されない部分の固体電解質の厚みが80〜150μm、空気極上に積層される集電体の厚みが80〜150μm、燃料極の厚みが30〜200μmとされており、これにより、外径Rが10mm以下のセルを作製できる。
【0034】
以上のように構成された固体電解質燃料電池セルは、以下のようにして作製できる。例えば、円筒状の空気極成形体(または空気極仮焼体)の外表面に、ドクターブレード法により作製した固体電解質シートを、その両端が離間するように(開口部が形成されるように)貼り付け、仮焼した後、固体電解質仮焼体の両端間が同一平面となるまで研磨し、この部分にYを含有するスラリーを用いて集電体シートを貼り付け、さらに、固体電解質シートの表面に燃料極シートを貼り付け、その後1400〜1600℃の温度で2〜10時間大気中にて焼成して作製される。このとき燃料極シートはセルの端部には貼り付けないようにようにする。この端部の燃料極非形成部分に封止処理が行われる。
【0035】
封止処理は、集電体の空気極周方向端の段差を電動小型グラインダーで研削することによりセル外面を平坦化し、その上にジルコニアスラリーを塗布して封止体を形成するキャップ形状成形体を外嵌して、その後1150〜1400℃の焼成温度で1〜3時間大気中で焼成して、セル本体の一端部に有底筒状の封止体を外嵌し、接合する。
【0036】
次に、集電体表面にNi層を無電解メッキによって形成し、さらに外部の回路と接続するためにNiペーストを塗布してNiフェルトをはりつけ、還元雰囲気下で900〜1100℃の焼成温度にて焼き付ける。
【0037】
以上のように構成された固体電解質燃料電池セルでは、空気極の外面に沿った固体電解質と集電体の接合部の幅B1が1200μm以下であり、固体電解質と集電体の接合部において、固体電解質と集電体の厚みの合計が80〜200μmであり、かつ前記固体電解質と前記集電体の厚みがそれぞれ40μm以上の厚みを有する部分が、空気極の周方向に300μm以上の幅B2で形成されているため、外径Rが10mm以下のセルを作製する場合であっても、焼成収縮挙動の相違に基づく固体電解質と集電体の剥離、固体電解質や集電体へのクラック発生を防止でき、これによりセル内部の空気の漏出を防止できる。
【0038】
本発明の燃料電池は、例えば、図5に示すように、反応容器51内に、酸素含有ガス室仕切板53、燃焼室仕切板55、燃料ガス室仕切板57を用いて酸素含有ガス室A、燃焼室B、反応室C、燃料ガス室Dが形成されている。反応容器51内には、上記した複数の有底筒状の固体電解質燃料電池セル59が収容されており、これらの固体電解質燃料電池セル59は、燃焼室仕切板55に形成されたセル挿入孔60に挿入固定されており、その開口部61は燃焼室仕切板55から燃焼室B内に突出しており、その内部には酸素含有ガス室仕切板53に固定された酸素含有ガス導入管(空気導入管)63の一端が挿入されている。
【0039】
燃焼室仕切板55には、余剰の未反応燃料ガスを反応室Cから燃焼室Bに排出するために、複数の排気孔64が形成されており、燃料ガス室仕切板57には、燃料ガス室Dから反応室C内に供給するための供給孔が形成されている。
【0040】
また、反応容器51には、例えば水素からなる燃料ガスを導入する燃料ガス導入口65、例えば、空気を導入する酸素含有ガス導入口67、燃焼室B内で燃焼したガスを排出するための排気口69が形成されている。
【0041】
このような固体電解質燃料電池は、酸素含有ガス室Aからの酸素含有ガス、例えば空気を、酸素含有ガス導入管63を介して固体電解質燃料電池セル59内にそれぞれ供給し、かつ、燃料ガス室Dからの燃料ガスを複数の固体電解質燃料電池セル59間に供給し、反応室Cにて反応させ発電し、余剰の空気と未反応燃料ガスを燃焼室Bにて燃焼させ、燃焼したガスが排気口69から外部に排出される。
【0042】
尚、本発明の燃料電池は、上記した図1〜3の燃料電池に限定されるものではなく、反応容器内に、上記した燃料電池セルを複数収容していれば良い。
【0043】
【実施例】
空気極を形成する粉末としてLaMnO3粉末を用い、押し出し成形により中空の円筒状成形体を作製した。一方、固体電解質として市販の平均粒径が0.6μmの10モル%Y23/90モル%ZrO2組成の粉末を用い、集電体として金属元素La、Mg、Crからなるペロブスカイト型酸化物粉末、及びLa23、MgOからなる粉末を用い、ドクターブレード法によってそれぞれグリーンシートからなる集電体シート、グリーンシートからなる固体電解質シートを作製した。
【0044】
次に、上記空気極材料からなる円筒状成形体表面に固体電解質シートを巻き付け1100度で仮焼し、固体電解質仮焼体の両端部間を研磨して平坦化し、この部分にイットリアスラリーを塗布して集電体シートを積層し、大気中において1500℃で3時間焼成し、外径Rが表1に示すセルを作製した。固体電解質の厚みは100μm、集電体の厚みは100μmであった。
【0045】
さらに、焼成後にセル開口端付近を研削して、集電体の空気極周方向端の厚みを薄くし平坦化し、セル開口端にジルコニアスラリーを塗布して封止体となるキャップ形状の封止体成形体を外嵌し、1300℃で1時間焼成し、本発明の固体電解質燃料電池セルを作製した。
【0046】
さらに、1000℃水素雰囲気下で1500Hr発電を行い、0.5A/cm2の電流密度をセルに与えて初期、1000Hr後、1500Hr後のセルの気密性を評価した。評価は、セルの内部に高圧ガスを導入して外気圧より1kgf/cm2高い気圧にし、水没させて気泡の発生の有無により、集電体と固体電解質が積層された接合部(封止体が外嵌されていない部分)、及び封止体における雰囲気のリークの有無を判断した。結果を表1に示した。
【0047】
気密性評価終了後、試料の断面観察から、固体電解質と集電体が積層された接合部幅B1、固体電解質と集電体の厚みがそれぞれ40μm以上の厚みを有する幅B2を算出し、また、接合部の厚みtとして断面観察を行って幅B2の中点の厚みを測定した。さらに、集電体の空気極周方向端における厚みt1(段差)を断面観察によって測定し、結果を表1に示した。
【0048】
【表1】
Figure 0004822633
【0049】
この表1より、円筒の直径が10mm以下になると固体電解質と集電体の接合部からの雰囲気リークが起こりやすくなるが、固体電解質と集電体の接合部幅B1が1200μm以下の本発明の試料では、1500時間発電後も接合部及び封止体からのリークは発生しなかった。
【0050】
また、接合部において固体電解質と集電体の厚みがそれぞれ40μm以上の厚みを有する部分が、空気極の周方向に300μm以上の幅B2で形成されている場合には、1500時間発電後も接合部及び封止体からのリークはなかったが、幅B2が300μm以下の試料No.3、No.12では、発電時間が長くなれば接合部が劣化し易いことが判る。
【0051】
さらに、集電体の空気極周方向端の厚みt2が5〜40μmの場合には、1500時間発電後も接合部及び封止体からのリークはなかったが、集電体の空気極周方向端の厚みt2が50μmの試料No.13では、発電時間が長くなれば封止体とセルとの接合が劣化し易いことが判る。
【0052】
【発明の効果】
本発明の固体電解質燃料電池セルでは、空気極の周方向における固体電解質と集電体の接合部の幅B1が1200μm以下であるため、外径Rが10mm以下のセルを作製する場合であっても、焼成収縮挙動の相違に基づく固体電解質と集電体の剥離を防止でき、これによりセル内部の空気の漏出を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体電解質燃料電池セルを示す断面図である。
【図2】本発明の固体電解質燃料電池セルを示す斜視図である。
【図3】封止体及びその近傍の固体電解質燃料電池セルを示す斜視図である。
【図4】集電体と固体電解質の接合部及びその近傍を示す断面図である。
【図5】本発明の燃料電池を示す説明図である。
【図6】従来の固体電解質燃料電池セルを示す斜視図である。
【符号の説明】
31・・・空気極
32・・・固体電解質
33・・・燃料極
35・・・集電体
37・・・空気極の露出面
50・・・封止体
51・・・反応容器
59・・・固体電解質燃料電池セル

Claims (3)

  1. 多孔質筒状の空気極の表面に、該空気極の一部が露出するように緻密質の固体電解質を形成し、該固体電解質の表面に多孔質の燃料極を形成するとともに、前記空気極の露出面及びその近傍の前記固体電解質表面に、緻密質の集電体を形成してなり、少なくとも前記空気極、前記固体電解質及び前記集電体を同時焼成してなるとともに、前記空気極の周方向における前記固体電解質と前記集電体の接合部の幅B1が1200μm以下であり、前記固体電解質と前記集電体の接合部において、前記固体電解質と前記集電体の厚みの合計が80〜200μmであり、かつ前記固体電解質と前記集電体の厚みがそれぞれ40μm以上の厚みを有する部分が、前記空気極の周方向に300μm以上の幅B2で形成されているとともに、外径Rが10mm以下であることを特徴とする固体電解質形燃料電池セル。
  2. 端部に有底筒状の封止体が外嵌されており、該封止体が外嵌される部分の前記集電体の空気極周方向端の厚みが5〜40μmであることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質燃料電池セル。
  3. 反応容器内に、請求項1または2に記載の固体電解質燃料電池セルを複数収容してなることを特徴とする燃料電池。
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