JP3966950B2 - 電気化学セル用支持体、電気化学セルおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体電解質型燃料電池、水蒸気電解セル、酸素ポンプ、ノックス分解セル等の電気化学セルの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体電解質型燃料電池(SOFC)は、いわゆる平板型と円筒型とに大別される。現在最も実用化に近いと言われているのは円筒型SOFCであるが、単位体積当たりの出力密度という観点からは、平板型SOFCの方が有利である。しかし、平板型のSOFCにおいては、いわゆるセパレータと発電層とを交互に積層することにより、発電用のスタックを構成するが、この方法のSOFCは、シール方法等に困難な問題がある。
【0003】
本出願人は、特願平8−6718号明細書において、平板型のSOFCの単電池として、空気極とインターコネクターとからなる単電池の支持体を作製した後に、支持体の所定箇所に固体電解質膜および燃料電極を形成することを提案した。ここで、前記支持体中には複数の貫通孔が設けられており、各貫通孔は、それぞれ空気極とインターコネクターとによって包囲されている。この支持体のインターコネクターと固体電解質膜とは連続しており、前記の各貫通孔をそれぞれ気密な状態に保持している。また特開平5−166518号公報にも、空気極とインターコネクターとからなる支持体を利用したSOFCの単電池が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本発明者が更に検討を進めた結果、次の問題が残されていることが判明してきた。即ち、前記のSOFCの支持体は、空気極とインターコネクターとの積層体であるが、SOFCの1000℃での運転と運転停止とを繰り返して実施すると、支持体が1000℃の高温と室温〜100℃の低温領域との間の熱サイクルに繰り返して供されることになる。この結果、空気極の材質によっては、空気極の方が若干収縮し、変形してくるという問題があった。
【0005】
また、前記の空気極には、支持体を構成する構造材料としての所定の構造強度が、SOFCの仕様の観点から要求されるために、空気極の厚さをある程度大きくする必要がある。しかし、空気極を厚くするほど、空気極を透過して、空気極と固体電解質膜と酸化ガスとが出会う三層界面に酸化ガスが到達しにくくなり(いわゆる拡散分極が大きくなり)、発電効率が低下する。
【0006】
本発明の課題は、いわゆる平板タイプの電気化学セルにおいて、高温の運転温度と運転停止時の低温との間の熱サイクルが多数回加わったときにも、電気化学セルの反り、変形等が生じないようにすることである。
【0007】
更に、本発明の課題は、いわゆる平板タイプの電気化学セルにおいて、電極の拡散分極を減らし、その効率を向上させ得るようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電気化学セル用の支持体であって、気密質の固体電解質材料からなる固体電解質層と、気密質の電子伝導性材料からなるインターコネクター層とを備えており、前記固体電解質層が、平板状部分、該平板状部分から突出する一対の外壁、及び隔壁のうち、少なくとも平板状部分を有し、前記インターコネクター層が、平板状部分、該平板状部分から突出する前記一対の外壁、及び隔壁の全てを有し、前記固体電解質層の、平板状部分の内側壁面、または前記一対の外壁及び隔壁の各先端面と、前記インターコネクター層の、前記一対の外壁及び隔壁の各先端面とを接合して、前記固体電解質層と前記インターコネクター層とが一体化されており、前記支持体中であって、該支持体を構成する前記固体電解質層と前記インターコネクター層の間に、前記固体電解質層及び前記インターコネクター層の双方の前記外壁及び前記隔壁によって、または前記インターコネクター層のみの前記外壁や前記隔壁によって仕切られた複数のガス流路が設けられており、前記複数のガス流路がそれぞれ前記固体電解質層と前記インターコネクター層とによって包囲されており、前記複数のガス流路を分離する、前記支持体の隔壁及び外壁それぞれの壁の少なくとも一部が、前記インターコネクター層の前記隔壁および前記外壁それぞれにより構成されていることを特徴とする、電気化学セル用支持体に係るものである。
【0009】
また、本発明は、前記支持体と、少なくとも前記固体電解質層の前記ガス流路に面する壁面に形成されている一方の電極と、少なくとも前記固体電解質層の前記壁面とは反対側の壁面に形成されている他方の電極とを備えていることを特徴とする、電気化学セルに係るものである。
【0010】
こうした構造によれば、まず単位体積当たりの発電効率が極めて高い。しかも、支持体を構成する固体電解質層とインターコネクター層とは共に気密質材料からなるために、各開口ないし貫通孔の気密性が、それぞれ独立して保持されている。従って、例えばSOFCの分野においては、シールレス構造の発電装置を容易に構成することができる。
【0011】
そして、固体電解質層およびインターコネクター層は、緻密質材料からなるものであるから、高温の運転温度と運転停止時の低温との間の熱サイクルが多数回加わったときにも、いずれも収縮や変形が生じにくく、この結果支持体および電気化学セルの反り、変形等が生じないようにできる。また、電極は支持体とは別に形成でき、即ち支持体の所定箇所の壁面に形成することができ、この際、電極それ自体には構造的な強度は必要ない。従って、電極の厚さを小さくすることができ、この結果、電極内の気体の拡散に対する抵抗が小さくなる。
【0012】
本発明の好適な実施形態においては、支持体が、一層の固体電解質層と、一層のインターコネクター層とを備えている。
【0013】
また、本発明の他の好適な実施形態においては、支持体が、一層の固体電解質層と、二層のインターコネクター層とを備えており、固体電解質層の一方の側に一方のインターコネクター層が設けられており、固体電解質層の他方の側に他方のインターコネクター層が設けられており、固体電解質層と各インターコネクター層との間に、それぞれガス流路が形成されている。
【0014】
これらのセルは、スタック化の際には、例えば、燃料雰囲気にさらされたニッケルフェルトを介して図面において縦方向に積層し、直列接続することができる。また、横方向に並べれば、並列接続をすることができる。
【0015】
この実施形態の作用効果について述べる。電気化学セルのインターコネクターの材料は種々知られているが、ランタンクロマイトが最も一般的に使用されている。しかし、電気化学セルのインターコネクターは、酸化ガスと還元ガスとの双方にさらされる。特にSOFCや水蒸気電解セルのように、1000℃以上の高温で運転される電気化学セルにおいては、インターコネクターが高温の還元ガスに暴露されるが、ランタンクロマイト等のペロブスカイト系複合酸化物は、高温の還元ガスにさらされると、酸素が欠損し、酸素欠損の結果として結晶格子が膨張し、インターコネクターの材料が延びることがある。インターコネクターの伸びが大きくなると、電気化学セルの変形、反りが発生する。
【0016】
これに対して、一層の固体電解質層の両側にそれぞれインターコネクター層を設け、かつ各インターコネクター層と固体電解質層との間にそれぞれガス流路を形成することによって、燃料側のインターコネクター層は、燃料供給孔に接する側と外側の両側が還元雰囲気にさらされて、伸長するが、空気側のインターコネクター層も、外側が還元雰囲気にさらされて伸長する。この結果、固体電解質層の中心として、両側の各インターコネクター層の各伸長が相殺されるために、支持体の全体が変形しにくくなる。
【0017】
この観点からは、固体電解質層の中心面に対して、一方のインターコネクター層と他方のインターコネクター層とが互いに面対称であることが特に好ましく、更に固体電解質層それ自体が、固体電解質層の中心面に対して面対称であることが好ましい。
【0018】
また、本発明の支持体は、固体電解質層とインターコネクター層とを共焼結させることが比較的に容易であることから、製造上も極めて有利である。なぜなら、固体電解質とインターコネクターとは、共に緻密性ないし気密性が要求されているものであって、空気極や燃料極の場合のように特定範囲内の気孔率に入るように精密な気孔率制御を行う必要がないからである。
【0019】
また、共焼結において、固体電解質とインターコネクターのそれぞれの原料粉末の性状の違いによって、それぞれの焼成収縮率が異なる場合があり、焼成時に変形をきたすことがあるが、一層の電解質の両側にそれぞれインターコネクター層を設けると、この変形を防止しやすい。この観点からは、固体電解質の中心面に対して、一方のインターコネクター層と他方のインターコネクター層が互いに面対称であることが特に好ましい。
【0020】
本発明の電気化学セルを製造するためには、固体電解質層用の坏土とインターコネクター層用の坏土とを同時に押出成形することによって支持体の成形体を製造し、この支持体を焼成して前記支持体を作製した後に、少なくとも固体電解質層のガス流路に面する壁面に一方の電極を形成し、少なくとも固体電解質層の前記壁面とは反対側の壁面に他方の電極を形成することができる。
【0021】
または、固体電解質層用の坏土とインターコネクター層用の坏土とを同時に押出成形することによって、支持体の成形体を製造し、少なくとも固体電解質層のガス流路に面する壁面に一方の電極の材料を付着させ、少なくとも固体電解質層の壁面とは反対側の壁面に他方の電極の材料を付着させ、次いで成形体、一方の電極の材料および他方の電極の材料を焼成することによって、支持体、一方の電極および他方の電極を生成させることができる。
【0022】
本発明者は、こうした構造を、SOFC以外の電気化学セル、例えば水蒸気電解セル等に適用してみたところ、やはり単位体積当たりの効率、例えば電解効率が著しく向上し、上記のような作用効果が得られることを確認した。
【0023】
【発明の実施形態】
以下、更に具体的な実施形態について述べる。
支持体中の複数の各ガス流路の各々の形状は特に限定されないが、空間の利用効率の観点から、各ガス流路の横断面の形状が、平面を隙間無く埋め尽くすことができる形状であることが好ましく、二等辺三角形、正三角形、長方形、正方形、正六角形などが好ましい。また、正三角形のガス流路と正六角形のガス流路など、相異なる形状のガス流路が隣接するような設計も採用できる。
【0024】
インターコネクター層の材料は、ランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化物であることが好ましく、ランタンクロマイトであることが更に好ましい。固体電解質層の材料としては、イットリア安定化ジルコニア又はイットリア部分安定化ジルコニアが好ましいが、他の材料を使用することもできる。また、NOx分解セルの場合には、酸化セリウムも好ましい。
【0025】
一方の電極と他方の電極とは、陽極と陰極である。陽極の材質は、ランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化物であることが好ましく、ランタンマンガナイト又はランタンコバルタイトであることが更に好ましく、ランタンマンガナイトが一層好ましい。ランタンクロマイト及びランタンマンガナイトは、ストロンチウム、カルシウム、クロム(ランタンマンガナイトの場合)、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム等をドープしたものであってよい。また、パラジウム、白金、ルテニウム、白金−ジルコニアサーメット、パラジウム−ジルコニアサーメット、ルテニウム−ジルコニアサーメット、白金−酸化セリウムサーメット、パラジウム−酸化セリウムサーメット、ルテニウム−酸化セリウムサーメットであってもよい。
【0026】
陰極の材質としては、ニッケル、パラジウム、白金、ニッケル−ジルコニアサーメット、白金−ジルコニアサーメット、パラジウム−ジルコニアサーメット、ニッケル−酸化セリウムサーメット、白金−酸化セリウムサーメット、パラジウム−酸化セリウムサーメット、ルテニウム、ルテニウム−ジルコニアサーメット等が好ましい。
【0027】
本発明の電気化学セルを、酸素ポンプとして使用し、酸素を供給することができる。
【0028】
また、本発明の電気化学セルを、高温水蒸気電解セルとして使用できる。このセルは、水素の製造装置に使用でき、また水蒸気の除去装置に使用できる。この場合には、各電極で次の反応を生じさせる。
【0029】
【化1】
陰極:H2 O+2e- →H2 +O2 -
陽極:O2 - →2e- +1/2O2
【0030】
更に、本発明の電気化学セルを、NOxの分解セルとして使用できる。この分解セルは、自動車、発電装置からの排ガスの浄化装置として使用できる。現在、ガソリンエンジンから発生するNOxには、三元機能触媒によって対応している。しかし、リーンバーンエンジンやディーゼルエンジンなど、低燃費型のエンジンが増加すると、これらのエンジンの排ガス中の酸素量が多いので、三元機能触媒が機能しなくなる。
【0031】
ここで、本発明の電気化学セルをNOx分解セルとして使用すると、固体電解質膜を通して排ガス中の酸素を除去するのと共に、NOxを電解してN2 とO2-とに分解し、この分解によって生成した酸素をも除去できる。また、このプロセスと共に、排ガス中の水蒸気が電解されて水素と酸素とを生じ、この水素がNOxをN2 へと還元する。
【0032】
NOx分解セルの場合には、固体電解質膜を酸化セリウム系セラミックスとすることが特に好ましく、陰極材料としてはパラジウム、パラジウム−酸化セリウムサーメットとすることが好ましい。
【0033】
図2(a)、図3(a)、図5(a)および図6(a)は、いずれも、本発明の各実施形態に係る各電気化学セルの各支持体の断面図であり、それぞれガス流路に対する横断面の方向に切ってみた断面図を示している。図2(b)、図3(b)、図5(b)および図6(b)は、それぞれ、本発明の各実施形態に係る各電気化学セルの断面図である。また、図1(a)および図4(a)は、いずれも、参考例の各電気化学セルの各支持体の断面図であり、それぞれガス流路に対する横断面の方向に切ってみた断面図を示しており、図1(b)および図4(b)は、それぞれ、参考例の各電気化学セルの断面図である。
【0034】
図1(a)の支持体1Aは、固体電解質層3とインターコネクター層2とを接合したものである。インターコネクター層2は平板状をなしている。固体電解質層3は、平板状部分3eと、平板状部分3eから突出する一対の外壁3dと、隔壁3cとを備えている。外壁3dおよび隔壁3cの先端面がインターコネクター層2の内側壁面2bに接合されており、固体電解質層3とインターコネクター層2との間に、外壁3dおよび隔壁3cによって仕切られた貫通孔4が設けられている。
【0035】
図1(b)に示すように、この支持体1Aを使用した電気化学セル5Aにおいては、固体電解質層3の内側壁面3b、外壁3dの内側壁面、隔壁3cの内側壁面およびインターコネクター層2の内側壁面2bを被覆するように、一方の電極7が設けられており、この内側に一方のガス流路6が設けられている。
【0036】
この場合、電極はインターコネクター層2の内側壁面2bの全面を被覆している必要はなく、電極の一部がインターコネクター層と接している状態でもよい。つまり、電子的な導通が電極とインターコネクター層との間で保たれていればよい。
【0037】
また、固体電解質層3の平板状部分3eの外側壁面3a上に他方の電極8が設けられている。また、他方の電極は、インターコネクター層2とは電子伝導的に絶縁されるよう、インターコネクター2とは隔離されて、固体電解質層3の外壁3dの外側壁面にも設けるのが、セル当たりの電極面積を増やす観点から好ましい。
【0038】
他方のガスは、ある電気化学セル5Aのインターコネクター層2の外側壁面2aと、これと隣り合う電気化学セル5Aの他方の電極8との間を通過する。本発明の電気化学セルは、ガス流路6が気密質のインターコネクターおよび固体電解質によって包囲されているので、シールレス構造を容易に作製できる。
【0039】
スタック化する場合、ある電気化学セル5Aのインターコネクター層2の外側壁面2aと、これと隣り合う電気化学セル5Aの他方の電極8との間にニッケルフェルトをはさみ、フェルトで作られる空間に他方のガスを流し、かつ、隣り合うセル同士を電気的に接続することによって、直列接続のスタックができる。
【0040】
図2(a)の支持体1Bおよび図2(b)の電気化学セル5Bにおいては、固体電解質層13とインターコネクター層12とが接合されている。固体電解質層13は、平板状部分13eと、平板状部分から突出する一対の外壁13dと、隔壁13cとを備えている。インターコネクター層12は、平板状部分12eと、平板状部分から突出する一対の外壁12dと、隔壁12cとを備えている。固体電解質層13の外壁13dおよび隔壁13cの各先端面が、インターコネクター層12の外壁12dおよび隔壁12cの各先端面に対して、接合されている。この結果、固体電解質層13とインターコネクター層12との間に、外壁12d、13dおよび隔壁12c、13cによって仕切られた貫通孔4が設けられている。
【0041】
電気化学セル5Bにおいては、固体電解質層13の内側壁面13b、外壁13dの内側壁面、隔壁13cの内側壁面、インターコネクター層12の内側壁面12b、外壁12dの内側壁面、隔壁12cの内側壁面を被覆するように、一方の電極7が設けられており、電極7の内側に一方のガス流路6が設けられている。固体電解質層13の平板状部分13eの外側壁面13a上に、他方の電極8が設けられている。なお、12aはインターコネクター層12の外側壁面である。
【0042】
この場合、一方の電極は図1(b)の実施形態と同様にインターコネクター層12の内側壁面12b、外壁12dの内側壁面、隔壁12cの内側壁面の全面を覆っている必要はない。また、他方の電極は、これと同じく、図1(b)の実施形態と同様に、固体電解質層13の外壁13dの外側壁面にも設けるのが好ましい。
【0043】
図3(a)の支持体1Cは、固体電解質層23とインターコネクター層22とを接合したものである。固体電解質層23は平板状をなしている。インターコネクター層22は、平板状部分22eと、平板状部分から突出する一対の外壁22dと、隔壁22cとを備えている。外壁22dおよび隔壁22cの先端面が固体電解質層23の内側壁面23bに接合されており、固体電解質層23とインターコネクター層22との間に、外壁22dおよび隔壁22cによって仕切られた貫通孔4が設けられている。
【0044】
図3(b)に示すように、支持体1Cを使用した電気化学セル5Cにおいては、インターコネクター層22の内側壁面22b、外壁22dの内側壁面、隔壁22cの内側壁面および固体電解質層23の内側壁面23bを被覆するように、一方の電極7が設けられており、この内側に一方のガス流路6が設けられている。また、固体電解質層23の外側壁面23a上に他方の電極8が設けられている。なお、22aは外側壁面である。
【0045】
この場合、一方の電極は図1(b)の実施形態と同様にインターコネクター層22の内側壁面22b、外壁22dの内側壁面、隔壁22cの内側壁面の全面を覆っている必要はない。また、他方の電極は、これと同じく、図1(b)の実施形態と同様に、固体電解質層23の外壁23のdの外側壁面にも設けるのが好ましい。
【0046】
図4は、一層の固体電解質層と二層のインターコネクター層とを使用した参考例であり、図5および図6は、いずれも、一層の固体電解質層と二層のインターコネクター層とを使用した実施形態に係るものである。また、図4〜図6においては、いずれも、固体電解質層の中心面Aに対して、一方のインターコネクター層と他方のインターコネクター層とが互いに面対称であり、かつ、固体電解質層が、中心面Aに対して面対称である。
【0047】
図4(a)の支持体1Dは、固体電解質層33と、二層のインターコネクター層32A、32Bとを接合したものである。各インターコネクター層32A、32Bは平板状をなしている。固体電解質層33は、平板状部分33aと、平板状部分33aから突出する一対の外壁33b、33cと、隔壁33d、33eとを備えている。外壁33bと33cとは反対側に突出しており、隔壁33dと33eとは反対側に突出している。
【0048】
各外壁33bおよび各隔壁33dの各先端面が、一方のインターコネクター層32Aの内側壁面32bに接合されており、各外壁33cおよび各隔壁33eの各先端面が、他方のインターコネクター層32Bの内側壁面32bに接合されている。この結果、固体電解質層33と一方のインターコネクター層32Aとの間に、外壁33bおよび隔壁33dによって仕切られた貫通孔4が設けられており、固体電解質層33とインターコネクター層32Bとの間にも貫通孔4が設けられている。32aはインターコネクター層の外側壁面である。
【0049】
図4(b)に示すように、支持体1Dを使用した電気化学セル5Dにおいては、一方のインターコネクター層32Aの内側壁面32b、外壁33bの内側壁面、隔壁33dの内側壁面および平板状部分33aの内側壁面を被覆するように、一方の電極7が設けられており、電極7の内側に一方のガス流路6が設けられている。
【0050】
この場合、一方の電極7は、一方のインターコネクター層32Aの内側壁面の全面を覆っている必要はなく、一方の電極7の一部がインターコネクター層32Aと接している状態でも良い。つまり、電子的な導通が電極7とインターコネクター層32Aとの間で保たれていればよい。
【0051】
他方のインターコネクター層32Bの内側壁面32b、外壁33cの内側壁面、隔壁33eの内側壁面および平板状部分33aの内側壁面を被覆するように、他方の電極8が設けられており、電極8の内側に他方のガス流路9が設けられている。
【0052】
この場合、他方の電極8は、他方のインターコネクター層32Bの内側壁面の全面を覆っている必要はなく、他方の電極8の一部がインターコネクター層32Bと接している状態でも良い。つまり、電子的な導通が電極7とインターコネクター層32Bとの間で保たれていればよい。
【0053】
図5(a)の支持体1Eは、固体電解質層43と、二層のインターコネクター層42A、42Bとを接合したものである。インターコネクター層42A、42Bは、それぞれ、平板状部分42aと、平板状部分から突出する一対の外壁42bと、複数の隔壁42cとを備えている。固体電解質層43は、平板状部分43aと、平板状部分43aから突出する一対の外壁43b、43cと、複数列の隔壁43d、43eとを備えている。外壁43bと43cとは反対側に突出しており、隔壁43dと43eとは反対側に突出している。
【0054】
固体電解質層43の各外壁43b、43cの各先端面が、各インターコネクター層42Aの各外壁42bに接合されており、固体電解質層43の各隔壁43d、43eの各先端面が、各インターコネクター層42A、42Bの各隔壁42cに接合されている。この結果、固体電解質層43と各インターコネクター層42A、42Bとの間に、それぞれ、外壁および隔壁によって仕切られた貫通孔4が設けられている。
【0055】
図5(b)に示すように、支持体1Eを使用した電気化学セル5Eにおいては、一方のインターコネクター層42Aの平板状部分42a、外壁42b、隔壁42c、固体電解質層43の平板状部分43a、外壁43b、隔壁43dの各内側壁面を被覆するように、一方の電極7が設けられており、電極7の内側に一方のガス流路6が設けられている。また、他方のインターコネクター層42Bの平板状部分42a、外壁42b、隔壁42c、固体電解質層43の平板状部分43a、外壁43c、隔壁43eの各内側壁面を被覆するように、他方の電極8が設けられており、電極8の内側に他方のガス流路9が設けられている。
【0056】
一方の電極および他方の電極の形成については、図4(a)と同様、必ずしも貫通孔4の内壁全面を覆っている必要はない。
【0057】
図6(a)の支持体1Fは、固体電解質層53と、二層のインターコネクター層52A、52Bとを接合したものである。固体電解質層53は平板状をなしている。各インターコネクター層52A、52Bは、平板状部分52aと、平板状部分52aから突出する一対の外壁52bと、複数列の隔壁52cとを備えている。
【0058】
各インターコネクター層52A、52Bの各外壁52bおよび各隔壁52cの各先端面が、固体電解質層53の壁面53aまたは53bに接合されている。固体電解質層53と各インターコネクター層52A、52Bとの間に、それぞれ、外壁52bおよび隔壁52cによって仕切られた貫通孔4が設けられている。
【0059】
図6(b)に示すように、支持体1Fを使用した電気化学セル5Fにおいては、一方のインターコネクター層52Aの平板状部分52a、外壁52bおよび隔壁52cの内側壁面を被覆するように、一方の電極7が設けられており、電極7の内側に一方のガス流路6が設けられている。他方のインターコネクター層52Bの平板状部分52a、外壁52bおよび隔壁52cの内側壁面を被覆するように、他方の電極8が設けられており、電極8の内側に他方のガス流路9が設けられている。
【0060】
一方の電極および他方の電極の形成については、図4(a)と同様、必ずしも貫通孔4の内壁全面を覆っている必要はない。
【0061】
本発明の電気化学セルないし支持体を製造する際には、インターコネクターおよび固体電解質の各グリーン成形体は、各主原料に、有機バインダーと水とを混合した混合物を成形した成形体が好ましい。この有機バインダーとしては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース等を使用できる。前記主原料の重量を100重量部としたとき、有機バインダーの添加量は0.5〜5重量部とすることが好ましい。
【0062】
支持体の成形体の焼成温度は、1400℃〜1700℃とすることが好ましい。
【0063】
支持体の焼結体の各貫通孔の各壁面に、陽極の材料および/または陰極の材料を塗布することができる。この方法も特に限定されないが、好適な態様においては、各貫通孔に、それぞれ陽極用のスラリーおよび/または陰極用のスラリーを流し込み、このスラリーを排出させることによって、各貫通孔の各内側壁面に、それぞれ所望の原料粉末を付着させる。次いで、支持体の全体を、1100℃〜1500℃で焼成し、陽極および陰極を形成する。
【0064】
【実施例】
以下、更に具体的な実験結果について述べる。
〔実験A:SOFCの単電池の製造例および発電実験〕
前述した製造方法に従って、図2(b)に示す単電池5Bを製造した。具体的には、最初に次の各坏土を製造した。
【0065】
(固体電解質層用の坏土)
平均粒径1μmの8mol%イットリア安定化ジルコニア粉末100重量部に対して、メチルセルロース4重量部およびポリビニルアルコールを混合し、この混合物に対して18重量部の水を加え、ニーダーを用いて混練物を得た。この混練物を真空土練機中に収容し、直径50mm、長さ300mmの円柱形状の坏土を製造した。
【0066】
(インターコネクター層用の坏土)
平均粒径3μmのランタンマンガマイト粉末100重量部に対して、メチルセルロース3重量部およびポリビニルアルコールを混合し、この混合物に対して14重量部の水を加え、ニーダーを用いて混練物を得た。この混練物を、真空土練機中に収容し、直径50mm、長さ300mmの円柱形状の坏土を製造した。
【0067】
前記の各坏土について、それぞれポリビニルアルコールの添加量を調整することによって、各坏土の硬度の差が±1となるようにした。
【0068】
固体電解質層用の坏土とインターコネクター層用の坏土とを、同時押出成形用の二軸プランジャーのシリンダーの中に充填し、図2(a)に示すような形態を有する成形体を製造した。この際、各坏土の押出速度がほぼ同じになるように、プランジャーの油圧を制御し、これによって支持体の成形体の曲がりを防止した。
【0069】
この成形体を恒温恒湿乾燥機内に収容し、80℃で乾燥した。乾燥後、乾燥された成形体を電気炉内に収容し、40℃/時間の速度で1600℃まで温度を上昇させ、1600℃で3時間保持し、一体焼結させ、支持体1Bを得た。得られた焼成体の寸法は、縦2.4mm、横11.2mm、長さ100mmである。各外壁および隔壁の厚さは200μmであり、貫通孔4の数は5個である。
【0070】
得られた焼成体から長さ50mmの支持体試料を切り出した。平均粒径5μmの酸化ニッケル粉末60重量部と8mol%イットリア安定化ジルコニア粉末40重量部との混合粉末とを、支持体の固体電解質層13上に、40kWの出力でプラズマ溶射し、燃料極8を形成した。
【0071】
また、平均粒径0.5μmのランタンストロンチウムマンガナイト粉末80重量部と、平均粒径1μmの8mol%イットリア安定化ジルコニア粉末20重量部とを混合した。この混合粉末100重量部に対して、80重量部のポリエチレングリコールを混合し、これにエタノールを適当量加え、乳鉢内で混合し、エタノールを徐々に蒸発させて、適度な粘性のスラリーを得た。このスラリーを各貫通孔4内に流し込み、内側壁面にスラリーを塗布し、乾燥させ、1200℃で4時間焼成し、空気極7を形成し、単電池5Bを得た。
【0072】
この単電池について、熱サイクル試験を行った。即ち、単電池の温度を室温から200℃/時間の速度で上昇させ、1200℃で30分間保持し、1200℃から200℃/時間で温度を下降させ、100℃で30分間保持した。この1200℃と100℃との間の温度の上昇−下降サイクルを繰り返して行い、最後に室温まで冷却してクラックの有無を調べた。全部で10個の試料について試験を行った。この結果、20回の熱サイクル後も、クラック、反り、変形は見られなかった。
【0073】
また、この単電池を使用し、発電実験を行った。単電池をセラミックス製のマニホールドによって保持し、集電体としてニッケル製のメッシュを使用した。マニホールドと単電池との間のガスシール部分には、パイレックスガラスを使用した。このパイレックスガラスは、1000℃の発電条件下では溶融し、ガスシール機能を発揮する。燃料ガスとしては、室温バブラーを通して加湿した水素を使用し、酸化ガスとして酸素を使用した。酸素は、マニホールドと単電池の各酸化ガス流路を通して空気極側に供給した。水素は、単電池の周囲に流すことによって、燃料極側に供給した。
【0074】
この発電条件下において、単電池の電流−電圧特性を評価した。この結果を、表1および図7のグラフに示す。
【0075】
【表1】
【0076】
〔実験B:SOFCの単電池の製造例および発電実験〕
前述した製造方法に従って、図5(b)に示す単電池5Eを製造した。ただし、固体電解質層用の坏土、インターコネクター層用の坏土は、実験Aと同じにした。
【0077】
固体電解質層用の坏土とインターコネクター層用の坏土とを、同時押出成形用の二軸プランジャーのシリンダーの中に充填し、図5(a)に示すような形態を有する成形体を製造した。この際、各坏土の押出速度がほぼ同じになるように、プランジャーの油圧を制御し、これによって支持体の成形体の曲がりを防止した。
【0078】
この成形体を恒温恒湿乾燥機内に収容し、80℃で乾燥した。乾燥後、乾燥された成形体を電気炉内に収容し、40℃/時間の速度で1600℃まで温度を上昇させ、1600℃で3時間保持し、一体焼結させ、支持体1Eを得た。得られた焼成体の寸法は、縦4.6mm、横11.2mm、長さ100mmである。各外壁および隔壁の厚さは200μmであり、貫通孔4の数は5個×2列とした。
【0079】
得られた焼成体から長さ50mmの支持体試料を切り出した。次いで、平均粒径5μmの酸化ニッケル粉末60重量部と8mol%イットリア安定化ジルコニア粉末40重量部とを混合した。この混合粉末100重量部に対して、80重量部のポリエチレングリコールを混合し、これにエタノールを適当量加え、乳鉢内で混合し、エタノールを徐々に蒸発させて、適度な粘性のスラリーを得た。このスラリーを所定の貫通孔4内に流し込み、内側壁面にスラリーを塗布し、乾燥させ、1400℃で2時間焼成し、燃料極8を形成した。
【0080】
また、平均粒径0.5μmのランタンストロンチウムマンガナイト粉末80重量部と、平均粒径1μmの8mol%イットリア安定化ジルコニア20重量部とを混合した。この混合粉末100重量部に対して、80重量部のポリエチレングリコールを混合し、これにエタノールを適当量加え、乳鉢内で混合し、エタノールを徐々に蒸発させて、適度な粘性のスラリーを得た。このスラリーを所定の貫通孔4内に流し込み、内側壁面にスラリーを塗布し、乾燥させ、1200℃で4時間焼成し、空気極7を形成し、単電池5Eを得た。
【0081】
この単電池について、実験Aと同様にして、熱サイクル試験を行った。この結果、20回の熱サイクル後も、クラック、反り、変形は見られなかった。
【0082】
また、この単電池を使用し、実験Aと同様にして発電実験を行い、単電池の電流−電圧特性を評価した。この結果を、表2および図8のグラフに示す。
【0083】
【表2】
【0084】
〔実験C:水蒸気電解セルの製造および稼働〕
図5に示す形態の水蒸気電解セル5Eを製造した。ただし、固体電解質層とインターコネクター層とからなる支持体1Eは、実験Bと同様にして製造した。この支持体1Eに白金ペーストを適用し、水蒸気電解セルを作製した。
【0085】
具体的には、市販の白金ペーストにポリエチレングリコールを添加し、流動性のあるスラリーを得た。このスラリーを、各貫通孔4内に流し込み、各貫通孔の内側壁面に付着させた。この場合には、陽極と陰極とは同様な材料であって良いので、SOFCの場合のように、陽極と陰極とに対応する別個の材料を区別して流し込む必要はない。
【0086】
各貫通孔の各内側壁面以外の場所に付着した白金スラリーは、短絡の原因となるので、このスラリーを拭き取っておいた。こうして得られたアセンブリを1000℃で1時間焼成し、白金の陽極および陰極を作製した。
【0087】
こうして作製した水蒸気電解セルを、1000℃に昇温し、陽極側にアルゴンを流し、陰極側に水蒸気を含有するアルゴンを流し、陰極と陽極との間に電流を流すことによって、水素を発生させることができた。
【0088】
〔実験D:水蒸気電解セルの製造および稼働〕
本発明の電気化学セルを製造する際には、支持体を金属のスラリー中に浸漬することによって、陽極および陰極を作製することもできる。例えば、実験Cにおいて、前記した支持体1Eを製造した後、市販の白金ペーストにポリエチレングリコールを添加し、流動性のあるスラリーを得、支持体1Eをこのスラリー中に浸漬した。
【0089】
この際、支持体1Eの各貫通孔4内の壁面だけでなく、支持体の端面にも白金スラリーが付着する。この白金スラリーをそのまま焼成すると、支持体1Eの端面に付着した白金によって陽極と陰極とが短絡するおそれがある。このため、支持体1Eをスラリー中に浸漬した後、白金スラリーを焼成する前に、支持体の端面の周辺を切断し、除去した。これによって、白金スラリーを拭き取る手間なく、白金スラリーを容易に支持体から除くことができる。
【0090】
こうして得られた支持体1Eを、1000℃で1時間焼成し、白金の陽極および陰極を作製した。
【0091】
こうして作製した水蒸気電解セルを、1000℃に昇温し、陽極側にアルゴンを流し、陰極側に水蒸気を含有するアルゴンを流し、陰極と陽極との間に電流を流すことによって、水素を発生させることができた。
【0092】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、いわゆる平板タイプの電気化学セルにおいて、高温の運転温度と運転停止時の低温との間の熱サイクルが多数回加わったときにも、電気化学セルの反り、変形等が生じないようにすることができ、また、電極による圧力損失を減らし、その効率を向上させ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は支持体1Aの断面図であり、(b)は電気化学セル5Aの断面図である。
【図2】(a)は支持体1Bの断面図であり、(b)は電気化学セル5Bの断面図である。
【図3】(a)は支持体1Cの断面図であり、(b)は電気化学セル5Cの断面図である。
【図4】(a)は支持体1Dの断面図であり、(b)は電気化学セル5Dの断面図である。
【図5】(a)は支持体1Eの断面図であり、(b)は電気化学セル5Eの断面図である。
【図6】(a)は支持体1Fの断面図であり、(b)は電気化学セル5Fの断面図である。
【図7】実験Aにおいて得られたSOFCの単電池を運転したときの電流−電圧特性を示すグラフである。
【図8】実験Bにおいて得られたSOFCの単電池を運転したときの電流−電圧特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D、1E、1F 支持体 2、12、22、32A、32B、42A、42B、52A、52B インターコネクター層 3、13、23、33、43、53 固体電解質層 5A、5B、5C、5D、5E、5F 電気化学セル 6 一方のガス流路 7 一方の電極 8 他方の電極 9 他方のガス流路 A 固体電解質層の中心面
Claims (9)
- 電気化学セル用の支持体であって、
気密質の固体電解質材料からなる固体電解質層と、気密質の電子伝導性材料からなるインターコネクター層とを備えており、
前記固体電解質層が、平板状部分、該平板状部分から突出する一対の外壁、及び隔壁のうち、少なくとも平板状部分を有し、
前記インターコネクター層が、平板状部分、該平板状部分から突出する前記一対の外壁、及び隔壁の全てを有し、
前記固体電解質層の、平板状部分の内側壁面、または前記一対の外壁及び隔壁の各先端面と、前記インターコネクター層の、前記一対の外壁及び隔壁の各先端面とを接合して、前記固体電解質層と前記インターコネクター層とが一体化されており、
前記支持体中であって、該支持体を構成する前記固体電解質層と前記インターコネクター層の間に、前記固体電解質層及び前記インターコネクター層の双方の前記外壁及び前記隔壁によって、または前記インターコネクター層のみの前記外壁や前記隔壁によって仕切られた複数のガス流路が設けられており、
前記複数のガス流路がそれぞれ前記固体電解質層と前記インターコネクター層とによって包囲されており、
前記複数のガス流路を分離する、前記支持体の隔壁及び外壁それぞれの壁の少なくとも一部が、前記インターコネクター層の前記隔壁および前記外壁それぞれにより構成されていることを特徴とする、電気化学セル用支持体。 - 前記支持体が、前記固体電解質層を一層備えており、かつ前記インターコネクター層を一層備えていることを特徴とする、請求項1記載の電気化学セル用支持体。
- 前記支持体が、前記固体電解質層を一層備えており、かつ前記インターコネクター層を二層備えており、前記固体電解質層の一方の側に一方の前記インターコネクター層が設けられており、前記固体電解質層と前記一方のインターコネクター層との間に一方の前記ガス流路が形成されており、前記固体電解質層の他方の側に他方の前記インターコネクター層が設けられており、前記固体電解質層と前記他方のインターコネクター層との間に他方の前記ガス流路が形成されていることを特徴とする、請求項1記載の電気化学セル用支持体。
- 前記固体電解質層の中心面に対して、前記一方のインターコネクター層と前記他方のインターコネクター層とが互いに面対称であることを特徴とする、請求項3記載の電気化学セル用支持体。
- 請求項1記載の支持体と、少なくとも前記固体電解質層の前記ガス流路に面する壁面に形成されている一方の電極と、少なくとも前記固体電解質層の前記壁面とは反対側の壁面に形成されている他方の電極とを備えていることを特徴とする、電気化学セル。
- 前記支持体が、前記固体電解質層を一層備えておりかつ前記インターコネクター層を一層備えており、前記一方の電極が、少なくとも前記固体電解質層の前記ガス流路に面する壁面に形成されており、前記他方の電極が、前記固体電解質層の前記ガス流路に面する前記壁面とは反対側の壁面に形成されていることを特徴とする、請求項5記載の電気化学セル。
- 前記支持体が、前記固体電解質層を一層備えておりかつ前記インターコネクター層を二層備えており、前記固体電解質層の一方の側に一方の前記インターコネクター層が設けられており、前記固体電解質層と前記一方のインターコネクター層との間に一方の前記ガス流路が形成されており、前記固体電解質層の他方の側に他方の前記インターコネクター層が設けられており、前記固体電解質層と前記他方のインターコネクター層との間に他方の前記ガス流路が形成されており、前記一方の電極が、少なくとも前記固体電解質層の前記一方のガス流路に面する壁面に形成されており、前記他方の電極が、少なくとも前記固体電解質層の前記他方のガス流路に面する壁面に形成されていることを特徴とする、請求項5記載の電気化学セル。
- 請求項5記載の電気化学セルを製造するのに際して、前記固体電解質層用の坏土と前記インターコネクター層用の坏土とを同時に押出成形することによって、前記支持体の成形体を製造し、この成形体を焼成して前記支持体を作製し、次いで少なくとも前記固体電解質層の前記ガス流路に面する壁面に前記一方の電極を形成し、少なくとも前記固体電解質層の前記壁面とは反対側の壁面に前記他方の電極を形成することを特徴とする、電気化学セルの製造方法。
- 請求項5記載の電気化学セルを製造するのに際して、前記固体電解質層用の坏土と前記インターコネクター層用の坏土とを同時に押出成形することによって、前記支持体の成形体を製造し、少なくとも前記固体電解質層の前記ガス流路に面する壁面に前記一方の電極の材料を付着させ、少なくとも前記固体電解質層の前記壁面とは反対側の壁面に前記他方の電極の材料を付着させ、次いで前記成形体、前記一方の電極の材料および前記他方の電極の材料を焼成することによって、前記支持体、前記一方の電極および前記他方の電極を生成させることを特徴とする、電気化学セルの製造方法。
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