JPH11297334A - 中空平板状基板およびその製造方法ならびに固体電解質型燃料電池セルの製造方法 - Google Patents
中空平板状基板およびその製造方法ならびに固体電解質型燃料電池セルの製造方法Info
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- JPH11297334A JPH11297334A JP10116142A JP11614298A JPH11297334A JP H11297334 A JPH11297334 A JP H11297334A JP 10116142 A JP10116142 A JP 10116142A JP 11614298 A JP11614298 A JP 11614298A JP H11297334 A JPH11297334 A JP H11297334A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 固体電解質型燃料電池セルの作製プロセスの
大幅な簡易化をはかる。 【解決手段】 吸水性を有する型に着肉させた固体電解
質型燃料電池に用いる空気極、または、燃料極の材料か
らなる電極材料粉末からなるスラリー中に、焼結によっ
て燃焼する、ガス流路となる中空部を形成するための棒
状体を配置した後、乾燥し、これを焼結させる。 【効果】異なる材料からなるスラリーの着肉を順次行う
ことにより多層の積層も容易に行え、固体電解質型燃料
電池セルの作製プロセスの大幅な簡易化がはかられる。
また、作製時に用いる棒状体の形状によりガス流路の形
状を自由に変えることができ、その結果、強度およびセ
ル特性の両方を満足する電極基板の作製が可能となる。
大幅な簡易化をはかる。 【解決手段】 吸水性を有する型に着肉させた固体電解
質型燃料電池に用いる空気極、または、燃料極の材料か
らなる電極材料粉末からなるスラリー中に、焼結によっ
て燃焼する、ガス流路となる中空部を形成するための棒
状体を配置した後、乾燥し、これを焼結させる。 【効果】異なる材料からなるスラリーの着肉を順次行う
ことにより多層の積層も容易に行え、固体電解質型燃料
電池セルの作製プロセスの大幅な簡易化がはかられる。
また、作製時に用いる棒状体の形状によりガス流路の形
状を自由に変えることができ、その結果、強度およびセ
ル特性の両方を満足する電極基板の作製が可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は中空平板状基板およびそ
の製造方法ならびに固体電解質型燃料電池セルの製造方
法、固体電解質型燃料電池の電極基板、さらに詳細に
は、固体電解質型燃料電池の電極材料からなる、内部に
ガス流路を有する中空平板状電極基板およびその製造方
法、さらには固体電解質型燃料電池セルの製造方法に関
するものである。
の製造方法ならびに固体電解質型燃料電池セルの製造方
法、固体電解質型燃料電池の電極基板、さらに詳細に
は、固体電解質型燃料電池の電極材料からなる、内部に
ガス流路を有する中空平板状電極基板およびその製造方
法、さらには固体電解質型燃料電池セルの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来技術および課題】固体電解質型燃料電池は、高効
率で環境に優しい次世代の発電方式として注目され、研
究が進められている。固体電解質型燃料電池は高温動作
であるため、セルの構成材料はすべて固体のセラミック
スである。セルの基本構成は酸素イオン導電性の固体電
解質を二つの電極で挟んだもので、両電極に燃料(水素
ガス)および酸化剤(酸素ガス)をそれぞれ供給して発
電を行う。このセルの端子電圧はせいぜい1V程度であ
るため、実際にはこのような単セルを複数積層し、スタ
ック化して発電を行うが、このときガスリークにより双
方のガスが混入すると、そこで直接反応が進行し発電効
率が低下するためガスの完全な分離が必要となる。ま
た、スタック化の際には外部より応力がかかるが、単セ
ルが脆弱だと破損するため単セル自体にある程度の強度
が必要となる。
率で環境に優しい次世代の発電方式として注目され、研
究が進められている。固体電解質型燃料電池は高温動作
であるため、セルの構成材料はすべて固体のセラミック
スである。セルの基本構成は酸素イオン導電性の固体電
解質を二つの電極で挟んだもので、両電極に燃料(水素
ガス)および酸化剤(酸素ガス)をそれぞれ供給して発
電を行う。このセルの端子電圧はせいぜい1V程度であ
るため、実際にはこのような単セルを複数積層し、スタ
ック化して発電を行うが、このときガスリークにより双
方のガスが混入すると、そこで直接反応が進行し発電効
率が低下するためガスの完全な分離が必要となる。ま
た、スタック化の際には外部より応力がかかるが、単セ
ルが脆弱だと破損するため単セル自体にある程度の強度
が必要となる。
【0003】そこで、このような積層時のガスの分離や
強度の問題を解決するために、図1のように電極材料で
内部にガス流路を有する中空状の基板を作製し、この一
方の面上にセル部を形成する方式が考えられている(特
開平5−36417号)。図1の1は電解質、2は空気
極、3は燃料極、4はインターコネクタ、5はガス流
路、6は緻密膜である。ここでは空気極2を基板とした
例を示しているが、燃料極を基板としたセルも同様に作
製することができる。
強度の問題を解決するために、図1のように電極材料で
内部にガス流路を有する中空状の基板を作製し、この一
方の面上にセル部を形成する方式が考えられている(特
開平5−36417号)。図1の1は電解質、2は空気
極、3は燃料極、4はインターコネクタ、5はガス流
路、6は緻密膜である。ここでは空気極2を基板とした
例を示しているが、燃料極を基板としたセルも同様に作
製することができる。
【0004】ここで図1に示すセルでは、酸化剤ガスが
中空基板2中のガス流路5内を流れる。(燃料極を基板
とした時は、燃料ガスが中空基板中を流れる。)そのた
め、発電時には基板両端部のガスシールを行うだけで気
密性を保つことができる。また、発電部は基板上に形成
されるため、電解質の薄膜化が可能となり、内部抵抗の
低減による発電特性の向上が期待される。
中空基板2中のガス流路5内を流れる。(燃料極を基板
とした時は、燃料ガスが中空基板中を流れる。)そのた
め、発電時には基板両端部のガスシールを行うだけで気
密性を保つことができる。また、発電部は基板上に形成
されるため、電解質の薄膜化が可能となり、内部抵抗の
低減による発電特性の向上が期待される。
【0005】このようなセルの作製方法としては、あら
かじめ押し出し成形法で中空状基板を作製し、その表面
に電解質、電極、インターコネクタを溶射法、EVD法
などにより形成する方法が考えられる。
かじめ押し出し成形法で中空状基板を作製し、その表面
に電解質、電極、インターコネクタを溶射法、EVD法
などにより形成する方法が考えられる。
【0006】押し出し成形法は、断面が一定形状のもの
の成形に適しているが、断面が長さ方向で異なるもの
や、厚み方向で物性の異なるものの作製へは適用でき
ず、成形体の形状の自由度も小さい。また、基板とセル
部の形成が別の工程となるため製造プロセスが複雑とな
ることや、高温処理過程が複数回となるため、その間に
多孔質であるべき電極基板の焼結が進行し多孔度が変化
する恐れがある、などの問題点がある。
の成形に適しているが、断面が長さ方向で異なるもの
や、厚み方向で物性の異なるものの作製へは適用でき
ず、成形体の形状の自由度も小さい。また、基板とセル
部の形成が別の工程となるため製造プロセスが複雑とな
ることや、高温処理過程が複数回となるため、その間に
多孔質であるべき電極基板の焼結が進行し多孔度が変化
する恐れがある、などの問題点がある。
【0007】その他のセラミックスの成形方法としてス
ラリーキャスト法がある。この方法はセラミックス粉末
水溶液のスラリーを吸水性を有する鋳型に流し込んで着
肉させたのち、余分なスラリーを除去して乾燥、型から
外して成形体を作製するもので、着肉させる時間により
成形体の厚みを自由に変えることができる。さらに、ス
ラリーの種類を変えて順次着肉することで、異種材料を
積層する、多層スラリーキャストも可能であり、このよ
うにして成形したセルを一度に焼結することで、複数回
の高温処理過程による電極基板の多孔性の低下も抑制さ
れる。また、この方法ではセルの作製に用いる装置が簡
単で、プロセスの単純化も図れることから経済的にも優
れた方法と言える。しかし、これまで、このようなスラ
リーキャスト法では平板状の試料の成形は容易に行える
ものの、図1のような内部にガス流路を有する中空状基
板の作製は不可能だった。
ラリーキャスト法がある。この方法はセラミックス粉末
水溶液のスラリーを吸水性を有する鋳型に流し込んで着
肉させたのち、余分なスラリーを除去して乾燥、型から
外して成形体を作製するもので、着肉させる時間により
成形体の厚みを自由に変えることができる。さらに、ス
ラリーの種類を変えて順次着肉することで、異種材料を
積層する、多層スラリーキャストも可能であり、このよ
うにして成形したセルを一度に焼結することで、複数回
の高温処理過程による電極基板の多孔性の低下も抑制さ
れる。また、この方法ではセルの作製に用いる装置が簡
単で、プロセスの単純化も図れることから経済的にも優
れた方法と言える。しかし、これまで、このようなスラ
リーキャスト法では平板状の試料の成形は容易に行える
ものの、図1のような内部にガス流路を有する中空状基
板の作製は不可能だった。
【0008】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ため、本研究における中空平板状基板は、吸水性を有す
る型に着肉させた固体電解質型燃料電池に用いる空気
極、または、燃料極の材料からなる電極材料粉末からな
るスラリー中に、焼結によって燃焼する、ガス流路とな
る中空部を形成するための棒状体を配置した後、乾燥
し、これを焼結させることを特徴とする。
ため、本研究における中空平板状基板は、吸水性を有す
る型に着肉させた固体電解質型燃料電池に用いる空気
極、または、燃料極の材料からなる電極材料粉末からな
るスラリー中に、焼結によって燃焼する、ガス流路とな
る中空部を形成するための棒状体を配置した後、乾燥
し、これを焼結させることを特徴とする。
【0009】また、本発明による固体電解質型燃料電池
セルの製造方法は、吸水性を有する型に着肉させた固体
電解質型燃料電池に用いる空気極、または、燃料極の材
料からなる電極材料粉末からなるスラリー中に、焼結に
よって燃焼する、ガス流路となる中空部を形成するため
の棒状体を配置した平板状基板を成形した後、その上に
電解質の材料粉末からなるスラリー、および基板電極と
異なる電極粉末からなるスラリーを順次着肉した後、乾
燥し、焼結することを特徴とする。
セルの製造方法は、吸水性を有する型に着肉させた固体
電解質型燃料電池に用いる空気極、または、燃料極の材
料からなる電極材料粉末からなるスラリー中に、焼結に
よって燃焼する、ガス流路となる中空部を形成するため
の棒状体を配置した平板状基板を成形した後、その上に
電解質の材料粉末からなるスラリー、および基板電極と
異なる電極粉末からなるスラリーを順次着肉した後、乾
燥し、焼結することを特徴とする。
【0010】本発明はまた、上述の中空平板状基板の製
造方法により製造された中空平板状基板に関するもので
あり、固体電解質燃料電池に用いる空気極または燃料極
に用い、中空部が一方の端部より他方の端部に貫通して
いる中空平板状基板において、前記中空部の断面が三角
形状であること、あるいは前記中空部は一方の端部より
他方の端部に波形に形成されていること、または前記中
空部は一方より他方の端部に網目状に形成されているこ
とを特徴とするものである。
造方法により製造された中空平板状基板に関するもので
あり、固体電解質燃料電池に用いる空気極または燃料極
に用い、中空部が一方の端部より他方の端部に貫通して
いる中空平板状基板において、前記中空部の断面が三角
形状であること、あるいは前記中空部は一方の端部より
他方の端部に波形に形成されていること、または前記中
空部は一方より他方の端部に網目状に形成されているこ
とを特徴とするものである。
【0011】上述のような中空平板状基板の製造方法に
よれば、スラリーの着肉時に焼結の際には燃焼し空洞を
生じるような棒状体を複数本配置することにより、中空
平板状基板を作製するため、容易にガス流路を有する中
空平板状基板を製造可能であるという利点があるととも
に、断面が三角形状など、あるいは波形、網目状のガス
粒をなど複雑形状のガス流路も容易に製造可能であると
いう利点がある。
よれば、スラリーの着肉時に焼結の際には燃焼し空洞を
生じるような棒状体を複数本配置することにより、中空
平板状基板を作製するため、容易にガス流路を有する中
空平板状基板を製造可能であるという利点があるととも
に、断面が三角形状など、あるいは波形、網目状のガス
粒をなど複雑形状のガス流路も容易に製造可能であると
いう利点がある。
【0012】このような焼結体に空洞を形成する棒状体
は、ポリエチレン系樹脂、または炭素など、成形体の焼
結の際に燃焼するような材料からなるものであることを
特徴とする。
は、ポリエチレン系樹脂、または炭素など、成形体の焼
結の際に燃焼するような材料からなるものであることを
特徴とする。
【0013】
【実施例1】以下に図面を参照して、本発明の実施例を
詳細に説明する。本発明は実施例にのみ限定されるもの
ではない。
詳細に説明する。本発明は実施例にのみ限定されるもの
ではない。
【0014】固体電解質型燃料電池の空気極材料であ
る、La0.7Sr0.3MnO3に蒸留水、分散剤、アクリ
ル系バインダ、消泡剤を加え、ボールミルで20時間撹
拌し、スラリーを調整した。石膏型(吸水性を有する)
を用いる一般的なスラリーキャスト法における着肉時間
と厚みには、次式のような関係がある。
る、La0.7Sr0.3MnO3に蒸留水、分散剤、アクリ
ル系バインダ、消泡剤を加え、ボールミルで20時間撹
拌し、スラリーを調整した。石膏型(吸水性を有する)
を用いる一般的なスラリーキャスト法における着肉時間
と厚みには、次式のような関係がある。
【0015】L2=k・t k=2p・g・(1−F3)3/5S2・η・(F2/F1
−1)F3 2
−1)F3 2
【0016】ここで、Lは着肉厚み、tはキャスト時
間、kは着肉速度定数、pは石膏の吸引力、gは重力加
速度、sは着肉層の比表面積、F1はスラリー粒子の体
積率、F2は着肉層粒子の体積率、F3は着肉層粒子の充
填率である。つまり、上記の式から、kを定数として取
り扱える条件では、鋳型へのスラリーの着肉厚みは、キ
ャスト時間によってコントロール可能であることがわか
る。
間、kは着肉速度定数、pは石膏の吸引力、gは重力加
速度、sは着肉層の比表面積、F1はスラリー粒子の体
積率、F2は着肉層粒子の体積率、F3は着肉層粒子の充
填率である。つまり、上記の式から、kを定数として取
り扱える条件では、鋳型へのスラリーの着肉厚みは、キ
ャスト時間によってコントロール可能であることがわか
る。
【0017】以下に実際の成形手順を、図を用いて詳細
に説明する。図2(a)〜(d)は本発明による中空平
板状基板の作製手順である。まず、図2(a)に示すよ
うに方形の石膏型にスラリーを流し込み、これを2mm
の厚みに着肉したのち余剰なスラリーを除去する。着肉
したスラリーを乾燥したのち、断面が2×2mmの正方
形である炭素製の柱状体を複数本、図2(b)に示すよ
うに等間隔で配置し、その上から棒状体の上部2mmの
厚みになるよう再びスラリーを流し込み着肉する。この
ようにして着肉した成形体の断面を図2(c)に示す。
この成形体を乾燥した後、石膏型より取り外して焼結し
(これにより炭素製の棒状体は燃焼して消失する)、図
3に示すような内部にガス流路を有する中空平板状基板
を作製した。
に説明する。図2(a)〜(d)は本発明による中空平
板状基板の作製手順である。まず、図2(a)に示すよ
うに方形の石膏型にスラリーを流し込み、これを2mm
の厚みに着肉したのち余剰なスラリーを除去する。着肉
したスラリーを乾燥したのち、断面が2×2mmの正方
形である炭素製の柱状体を複数本、図2(b)に示すよ
うに等間隔で配置し、その上から棒状体の上部2mmの
厚みになるよう再びスラリーを流し込み着肉する。この
ようにして着肉した成形体の断面を図2(c)に示す。
この成形体を乾燥した後、石膏型より取り外して焼結し
(これにより炭素製の棒状体は燃焼して消失する)、図
3に示すような内部にガス流路を有する中空平板状基板
を作製した。
【0018】
【実施例2】また、スラリーキャスト過程において異種
材料からなるスラリーを順次キャストする事で、多層成
形体の形成を行った。上記の実施例1における図2
(c)の上に、電解質1として8mol%Y2O3−Zr
O2(YSZ)のスラリー、燃料極3としてNiOを6
0wt%含むNiO−YSZサーメットのスラリーを順
次着肉し、図2(d)に示すような、空気極、電解質、
燃料極の三層からなる形成体とした。電解質、燃料極の
厚みはそれぞれ、50μm、100μmである。あと
は、実施例1と同様に成形体を乾燥後に型より取り外し
焼成することで、中空平板型燃料電池セルを作製した。
本実施例では空気極を中空基板としたが、燃料極を基板
とした場合でも同様に作製できる。
材料からなるスラリーを順次キャストする事で、多層成
形体の形成を行った。上記の実施例1における図2
(c)の上に、電解質1として8mol%Y2O3−Zr
O2(YSZ)のスラリー、燃料極3としてNiOを6
0wt%含むNiO−YSZサーメットのスラリーを順
次着肉し、図2(d)に示すような、空気極、電解質、
燃料極の三層からなる形成体とした。電解質、燃料極の
厚みはそれぞれ、50μm、100μmである。あと
は、実施例1と同様に成形体を乾燥後に型より取り外し
焼成することで、中空平板型燃料電池セルを作製した。
本実施例では空気極を中空基板としたが、燃料極を基板
とした場合でも同様に作製できる。
【0019】
【実施例3】図4に図3のa−a’断面を示す。中空平
板状基板のガス流路の断面形状は、スラリーキャスト時
に用いる棒状体の断面形状に依存する。図5は断面が三
角形の棒状体を用いたものであるが、この場合、三角形
の底面が並ぶ方の側面にセルを形成することにより、セ
ル方向におけるガスの接触面積を確保しつつ、ガス流路
体積の減少が可能となり、基板強度の向上を図ることが
出来る。また、図6は断面が円形の棒状体を使用した例
であるが、ガス流路の断面形状が円形となるため、断面
が多角形のときに見られたようなガス流路の角部への熱
応力の集中が分散され、基板強度はさらに向上する。
板状基板のガス流路の断面形状は、スラリーキャスト時
に用いる棒状体の断面形状に依存する。図5は断面が三
角形の棒状体を用いたものであるが、この場合、三角形
の底面が並ぶ方の側面にセルを形成することにより、セ
ル方向におけるガスの接触面積を確保しつつ、ガス流路
体積の減少が可能となり、基板強度の向上を図ることが
出来る。また、図6は断面が円形の棒状体を使用した例
であるが、ガス流路の断面形状が円形となるため、断面
が多角形のときに見られたようなガス流路の角部への熱
応力の集中が分散され、基板強度はさらに向上する。
【0020】図3に示したように直線状の棒状体を使用
した場合のb−b’断面は図7のようであるが、波形の
ポリエチレン製の棒状体の使用により基板中に波形のガ
ス流路も形成できた。この断面図が図8であるが、この
基板においては電極基板内部におけるガス流路体積が増
加するため電池反応部へのガス拡散がスムーズになる。
また、実際のセルの使用では、このような単セルを複数
枚積層したスタックの形で用いるが、ガス流路が波形に
なることによって基板平面に垂直に加わる力で生じる応
力に対する強度が向上する。
した場合のb−b’断面は図7のようであるが、波形の
ポリエチレン製の棒状体の使用により基板中に波形のガ
ス流路も形成できた。この断面図が図8であるが、この
基板においては電極基板内部におけるガス流路体積が増
加するため電池反応部へのガス拡散がスムーズになる。
また、実際のセルの使用では、このような単セルを複数
枚積層したスタックの形で用いるが、ガス流路が波形に
なることによって基板平面に垂直に加わる力で生じる応
力に対する強度が向上する。
【0021】また、図9はこのようなポリエチレン製の
波形棒状体を互いに接触するように左右対称に配置した
ものであるが、これにより形成される中空部は網目状と
なるため、中空部におけるガスの拡散性はさらに向上す
る。
波形棒状体を互いに接触するように左右対称に配置した
ものであるが、これにより形成される中空部は網目状と
なるため、中空部におけるガスの拡散性はさらに向上す
る。
【0022】
【発明の効果】以上の説明のように本発明では、図1に
示すような中空平板状電極基板の形成が容易に行えるも
のである。これまで、スラリーキャスト法によるセラミ
ックスの成形では内部に多数のガス流路を有する平板の
作製は困難であった。本発明ではスラリーの着肉時に焼
結の際には燃焼し空洞を生じるような棒状体を複数本配
置することにより、中空平板状基板を作製するものであ
る。このようなスラリーキャスト法による作製において
は、異なる材料からなるスラリーの着肉を順次行うこと
により多層の積層も容易に行え、固体電解質型燃料電池
セルの作製プロセスの大幅な簡易化がはかられる。ま
た、作製時に用いる棒状体の形状によりガス流路の形状
を自由に変えることができ、その結果、強度およびセル
特性の両方を満足する電極基板の作製が可能となる。
示すような中空平板状電極基板の形成が容易に行えるも
のである。これまで、スラリーキャスト法によるセラミ
ックスの成形では内部に多数のガス流路を有する平板の
作製は困難であった。本発明ではスラリーの着肉時に焼
結の際には燃焼し空洞を生じるような棒状体を複数本配
置することにより、中空平板状基板を作製するものであ
る。このようなスラリーキャスト法による作製において
は、異なる材料からなるスラリーの着肉を順次行うこと
により多層の積層も容易に行え、固体電解質型燃料電池
セルの作製プロセスの大幅な簡易化がはかられる。ま
た、作製時に用いる棒状体の形状によりガス流路の形状
を自由に変えることができ、その結果、強度およびセル
特性の両方を満足する電極基板の作製が可能となる。
【図1】従来の内部にガス流路を有する基板を用いた燃
料電池を示す斜視図である。
料電池を示す斜視図である。
【図2】本発明による中空平板状基板の作製プロセスの
説明図である。
説明図である。
【図3】本発明により作製した中空平板状基板を示す斜
視図である。
視図である。
【図4】図3のa−a’断面図である。
【図5】断面が三角形の棒状体を用いて作製した中空平
板状基板のa−a’断面図である。
板状基板のa−a’断面図である。
【図6】断面が円形の棒状体を用いて作製した中空平板
状基板のa−a’断面図である。
状基板のa−a’断面図である。
【図7】図3のb−b’断面の斜視図である。
【図8】波形の棒状体を同方向に配置して作製した中空
平板状基板のb−b’断面の斜視図である。
平板状基板のb−b’断面の斜視図である。
【図9】波形の棒状体を交互に左右対称に配置して作製
した中空平板状基板のb−b’断面の斜視図である。
した中空平板状基板のb−b’断面の斜視図である。
1 電解質 2 空気極 3 燃料極 4 インターコネクタ 5 ガス流路 6 緻密膜 7 石膏型 8 棒状体
Claims (6)
- 【請求項1】吸水性を有する型に着肉させた固体電解質
型燃料電池に用いる空気極、または、燃料極の材料から
なる電極材料粉末からなるスラリー中に、焼結によって
燃焼する、ガス流路となる中空部を形成するための棒状
体を配置した後、乾燥し、これを焼結させることを特徴
とする中空平板状基板の製造方法。 - 【請求項2】請求項1の中空平板状基板の製造方法にお
いて、焼結体に中空部を形成する棒状体の材料は、ボリ
エチレン系樹脂、または炭素であることを特徴とする中
空平板状基板の製造方法。 - 【請求項3】固体電解質燃料電池に用いる空気極または
燃料極に用い、中空部が一方の端部より他方の端部に貫
通している中空平板状基板において、前記ガス流路とな
る中空部の断面が三角形状であることを特徴とする中空
平板状基板。 - 【請求項4】固体電解質燃料電池に用いる空気極または
燃料極に用い、中空部が一方の端部より他方の端部に貫
通している中空平板状基板において、前記ガス流路とな
る中空部は一方の端部より他方の端部にかけて波形に形
成されていることを特徴とする中空平板状基板。 - 【請求項5】固体電解質燃料電池に用いる空気極または
燃料極に用い、中空部が一方の端部より他方の端部に貫
通している中空平板状基板において、前記ガス流路とな
る中空部は一方の端部より他方の端部にかけて網目状に
形成されていることを特徴とする中空平板状基板。 - 【請求項6】吸水性を有する型に着肉させた固体電解質
型燃料電池に用いる空気極、または、燃料極の材料から
なる電極材料粉末からなるスラリー中に、焼結によって
燃焼する、ガス流路となる中空部を形成するための棒状
体を配置した平板状基板を成形した後、その上に電解質
の材料粉末からなるスラリー、および基板電極と異なる
電極粉末からなるスラリーを順次着肉した後、乾燥し、
焼結することを特徴とする固体電解質型燃料電池セルの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10116142A JPH11297334A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 中空平板状基板およびその製造方法ならびに固体電解質型燃料電池セルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10116142A JPH11297334A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 中空平板状基板およびその製造方法ならびに固体電解質型燃料電池セルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11297334A true JPH11297334A (ja) | 1999-10-29 |
Family
ID=14679797
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10116142A Pending JPH11297334A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 中空平板状基板およびその製造方法ならびに固体電解質型燃料電池セルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11297334A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 1998-04-10 JP JP10116142A patent/JPH11297334A/ja active Pending
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