JP3898592B2 - 燃料電池セルの製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池セルの製法に関し、特に酸素側電極の作製方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来技術】
次世代エネルギーとして、近年、燃料電池セルのスタックを収納容器内に収容した燃料電池が種々提案されている。
【0003】
図5は、従来の固体電解質型燃料電池のセルスタックを示すもので、このセルスタックは、複数の燃料電池セル1(1a、1b)を集合させ、一方の燃料電池セル1aと他方の燃料電池セル1bとの間に金属フェルトからなる集電部材5を介在させ、一方の燃料電池セル1aの燃料側電極7と他方の燃料電池セル1bの酸素側電極11とを電気的に接続して構成されていた。
【0004】
燃料電池セル1(1a、1b)は、円筒状の金属からなる燃料側電極7の外周面に、固体電解質9、導電性セラミックスからなる酸素側電極11を順次設けて構成されており、固体電解質9、酸素側電極11から露出した燃料側電極7には、酸素側電極11に接続しないようにインターコネクタ13が設けられ、燃料側電極11と電気的に接続している。
【0005】
このインターコネクタ13は、燃料側電極7の内部を流れる燃料ガスと、酸素側電極11の外側を流れる酸素含有ガスとを確実に遮断するため、また、燃料ガス及び酸素含有ガスで変質しにくい緻密な導電性セラミックスが用いられている。
【0006】
一方の燃料電池セル1aと他方の燃料電池セル1bとの電気的接続は、一方の燃料電極1aの燃料側電極7を、該燃料側電極7に設けられたインターコネクタ13、集電部材5を介して、他方の燃料電池セル1bの酸素側電極11に接続することにより行われていた。
【0007】
従来、燃料電池セルにおける酸素側電極11は、燃料側電極7の表面に固体電解質9を形成し、これを、導電性セラミック粉末と、有機成分を含有するスラリー中に浸漬したり、前記スラリーを固体電解質表面に塗布し、加熱処理することにより、固体電解質9表面に酸素側電極11が形成されていた。
【0008】
燃料電池は、上記セルスタックを収納容器内に収容して構成され、燃料側電極7内部に燃料(水素)を流し、酸素側電極11に空気(酸素)を流して600〜1000℃で発電される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した燃料電池セル1は発電量が小さいという問題があった。この理由は明確ではないが、酸素側電極11の反応性を上げるために粒子を微粒化すると十分に固体電解質9に酸素が供給されず、逆に酸素の供給を上げるために、粒子を粗にすると固体電解質9との反応活性が下がり、両者の両立が困難だからであると考えている。
【0010】
本発明は、発電量を大幅に向上できる燃料電池セルの製法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池セルの製法は、緻密な固体電解質の一方側に導電性セラミックスからなる多孔質の酸素側電極、他方側に金属及び/又は金属酸化物を含有する多孔質の燃料側電極を設けてなる燃料電池セルの製法であって、前記酸素側電極が、導電性セラミック微粒子粉末と有機成分とを含有するスラリーを大気中に噴霧し、落下中に乾燥させて多数の微粒子が集合した粗粒子粉末を作製する工程と、該粗粒子粉末を溶媒中に分散させ、固体電解質の表面に塗布し、堆積させる工程と、これを加熱し、多数の導電性セラミック微粒子が集合した多孔質の粗粒子を三次元網目状に連結する工程とを具備して作製されることを特徴とする。
【0012】
このような燃料電池セルの製法によれば、多数の導電性セラミック微粒子が集合した多孔質の粗粒子を形成し、かつ粗粒子が三次元網目状に連結した酸素側電極を容易に作製できる。さらに、本発明の製法により得られた燃料電池セルでは、理由は明確ではないが、酸素側電極が反応活性に富む微粒で構成され、かつその導電性セラミック微粒子が多孔質の粗粒子を形成し、この粗粒子が三次元網目状に連結しているため、酸素の供給量も粗粒子間の大気孔を介して多くなり、発電量を大幅に向上できる。
【0013】
また、本発明の製法により得られた燃料電池セルは、酸素側電極が、粗粒子を形成する導電性セラミック微粒子間の小気孔群と、前記粗粒子間の大気孔群を有することを特徴とする。このような燃料電池セルでは、反応活性の向上と酸素供給量の増大を両立でき、発電性能を向上できる。
【0014】
さらに、本発明の製法により得られた燃料電池セルは、導電性セラミック微粒子が、LaFeO系又はLaCoO系導電性セラミック粒子であることを特徴とする。このような燃料電池セルでは、特に反応活性が優れ、酸素の供給量を増大させる効果が大きく、さらに発電性能を向上することができる。
【0015】
また、本発明の製法により得られた燃料電池セルは、導電性セラミック微粒子の平均粒径は0.5〜4μmであることを特徴とする。このような燃料電池セルでは、特に反応活性を向上することができる。
【0016】
さらに、酸素側電極を構成する粗粒子の平均粒径は、10〜100μmであることを特徴とする。このような燃料電池セルでは、酸素側電極に大気孔を十分に形成できるため、酸素を固体電解質に十分に供給することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の製法により得られた燃料電池セルの横断面図を示すもので、図1の燃料電池セル33は断面が扁平状で、全体的に見て楕円柱状であり、その内部には複数の燃料ガス通路34が形成されている。この燃料電池セル33は、断面が扁平状で、全体的に見て楕円柱状の多孔質な金属を主成分とする燃料側電極(内側電極)33aの外面に、緻密質な固体電解質33b、多孔質な導電性セラミックスからなる酸素側電極(外側電極)33cを順次積層し、酸素側電極33cと反対側の燃料側電極33aの外面にインターコネクタ33dを形成して構成されており、燃料側電極33aが支持体となっている。
【0023】
即ち、燃料電池セル33は、断面形状が、幅方向両端に設けられた弧状部Aと、これらの弧状部Aを連結する一対の平坦部Bとから構成されており、一対の平坦部Bは平坦であり、ほぼ平行に形成されている。これらの一対の平坦部Bは、燃料側電極33aの平坦部にインターコネクタ33d、又は固体電解質33b、酸素側電極33cを形成して構成されている。
【0024】
燃料側電極33aは、Ni、Co、Ti、Ruのうちいずれか一種の金属及び/又は金属酸化物、もしくはこれらの合金又は合金酸化物を主成分とするものであり、これら以外に、外面の固体電解質33bへの接合強度を向上し、固体電解質33bの熱膨張係数に近似させるため、固体電解質材料を含有しても良い。金属及び/又は金属酸化物としては、コストの観点からNi及び/又はNiOが望ましい。
【0025】
この燃料側電極33aの内部には、燃料側電極33aの軸長方向に複数の燃料ガス通路34が形成されている。尚、燃料側電極33aは楕円柱状である必要はなく、円筒状であっても良く、四角筒状であっても良い。
【0026】
この燃料側電極33aの外面に設けられた固体電解質33bは、3〜15モル%のY、希土類元素を含有した部分安定化あるいは安定化ZrO2からなる緻密質なセラミックスが用いられている。燃料側電極33aと固体電解質33bとの間には、燃料側電極33aとの接合強度を向上するため、緻密層からなる接合層を介在させても良い。この固体電解質33bの厚みは、ガス透過を防止するという点から10〜100μmであることが望ましい。
【0027】
また、酸素側電極33cは、LaFeO3系材料、LaCoO3系材料、LaMnO3系材料の少なくとも一種の多孔質の導電性セラミックスから構成されている。酸素側電極33cは、600〜1000℃程度の比較的低温での電気伝導性が高いという点からLaFeO3系材料が望ましい。酸素側電極33cの厚みは、集電性という点から30〜100μmであることが望ましい。
【0028】
さらに、燃料側電極33a外面の一部には、その軸長方向に固体電解質33b及び酸素側電極33cが形成されていない部分を有しており、この固体電解質33b及び酸素側電極33cから露出した燃料側電極33aの外面には、導電性セラミックスからなるインターコネクタ33dが形成されている。
【0029】
このインターコネクタ33dの厚みは、緻密性と電気抵抗という点から30〜200μmであることが望ましい。インターコネクタ33dは、LaCrO3系材料の導電性セラミックスから構成されている。インターコネクタ33dは、燃料側電極33aの内外の燃料ガス、酸素含有ガスの漏出を防止するため緻密質とされており、また、インターコネクタ33dの内外面は、燃料ガス、酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有している。
【0030】
このインターコネクタ33dの端面と固体電解質33bの端面との間には、シール性を向上すべく接合層を介在させても良い。
【0031】
そして、本発明の製法により得られた燃料電池セルでは、図2及び図3に示すように、酸素側電極33cが、多数の導電性セラミック微粒子Pが集合した多孔質の粗粒子33c1を三次元網目状に連結して構成されている。即ち、粗粒子33c1は内部に多数の小気孔37を有しており、この粗粒子33c1が大気孔39を形成するようにランダムに降り積もったように堆積し、この状態で焼き付け、大気孔39が固体電解質33bから酸素側電極33cの表面まで連通している。
【0032】
尚、図2は酸素側電極33cの模式図を示すもので、導電性セラミック微粒子Pは、便宜上一部のみ記載した。また、図3は、酸素側電極33c及びその近傍の顕微鏡写真である。
【0033】
この酸素側電極33cは、図3から、粗粒子33c1を形成する導電性セラミック微粒子P間の小気孔37群と、粗粒子33c1間の大気孔39群を有している。酸素は、大気孔39を介して固体電解質33bに大量に供給される。
【0034】
また、導電性セラミック微粒子Pは、LaFeO3系又はLaCoO3系導電性セラミック粒子とされている。また、導電性セラミック微粒子Pの平均粒径は0.5〜4μm、粗粒子33c1の平均粒径は10〜100μmとされている。微粒子Pの平均粒径を0.5〜4μmとすることにより、酸素の浸透が粗粒子33c1内部まで行われ、反応活性を十分に行うことができる。また、粗粒子33c1の平均粒径を10〜100μmとすることにより、粗粒子33c1間の大気孔39により酸素の浸透を十分に行うことができるとともに、固体電解質33bとの密着性を高く維持できる。
【0035】
尚、インターコネクタ33dの外面にP型半導体を設けても良い。このP型半導体としては、使用環境下で作動させるために、一般の不純物半導体ではなく、インターコネクタ33dを構成するLaCrO3系材料よりも電子伝導性が大きいセラミック製のP型半導体である酸素側電極33cと同一成分、即ち、LaMnO3系材料、LaFeO3系材料、LaCoO3系材料の少なくとも一種からなることが望ましい。特に酸素側電極33cと同一材料を用いることが望ましい。P型半導体の厚みは集電性という点から10〜100μmであることが望ましい。
【0036】
以上のような燃料電池セルの製法について説明する。先ず、例えば、NiO粉末と、Yを含有したZrO2(YSZ)粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合した燃料側電極材料を押出成形して、楕円柱状の燃料側電極成形体を作製し、これを乾燥する。
【0037】
次に、例えば、YSZ粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合した、固体電解質材料を用いてシート状成形体を作製し、このシート状成形体を、燃料側電極成形体上に、その両端間が燃料側電極成形体の平坦部で所定間隔をおいて離間するように巻き付け、乾燥する。
【0038】
この後、例えば、LaCrO3系材料と、有機バインダーと、溶媒とを混合した、インターコネクタ材料を用いてシート状成形体を作製し、このシート状成形体を、露出した燃料側電極成形体の外面に積層し、燃料側電極成形体に固体電解質のシート状成形体、インターコネクタのシート状成形体が積層された積層成形体を作製する。
【0039】
次に、積層成形体を脱バインダ処理し、酸素含有雰囲気中で1300〜1600℃で同時焼成する。
【0040】
この後、得られた焼結体の固体電解質表面に酸素側電極を以下のようにして形成する。先ず、例えば、LaFeO3系材料からなる平均粒径0.5〜4μmの導電性セラミック微粒子と、IPA、水等の溶媒とからなるスラリーを作製し、このスラリーを噴霧装置(スプレードライ)により噴霧し、落下中に乾燥させて、平均粒径10〜100μmの粗粒子を作製しながら、上記固体電解質表面に10〜200μmの厚みで堆積させる。
【0041】
固体電解質表面に堆積した粗粒子は、1000〜1400℃の温度で大気中で加熱処理することにより、固体電解質表面に酸素側電極を作製する。
【0042】
尚、本発明は上記形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記例では、燃料側電極の表面に固体電解質、インターコネクタが形成されたものを作製した後、酸素側電極を形成した例について説明したが、例えば、燃料側電極に固体電解質を形成した後、この固体電解質表面に酸素側電極を形成し、その後インターコネクタを形成しても良い。
【0043】
また、インターコネクタの表面に、上記酸素側電極を形成するスラリーを塗布し、固体電解質表面に堆積した粗粒子と同時に加熱処理して、酸素側電極とともにP型半導体を形成しても良い。
【0044】
さらに、上記例では、楕円柱型の燃料電池セルについて説明したが、本発明では燃料電池セルの形状は限定されるものではなく、例えば円筒状の燃料電池セルでも良い。さらに、上記例では、インターコネクタが外面に露出した燃料電池セルについて説明したが、インターコネクタを具備しない、即ち、燃料側電極の外面を取り囲むように固体電解質を形成し、この固体電解質の外面を取り囲むようにして酸素側電極を形成した燃料電池セルであっても良い。
【0045】
また、上記したように導電性セラミック微粒子粉末と有機成分とを含有するスラリーを大気中に噴霧し、落下中に乾燥させて多数の微粒子が集合した粗粒子粉末を作製した後、この粗粒子粉末を溶媒中に分散させ、固体電解質の表面に塗布し、堆積させ、これを加熱して酸素側電極を形成しても、上記とほぼ同様の効果が得られる。この場合には、さらに酸素側電極の厚み制御も容易となる。
【0046】
料電池は、図1の燃料電池セルが、収納容器内に複数収容されて燃料電池が構成される。
【0047】
参考例】
先ず、平均粒径0.5μmのNiO粉末と、平均粒径0.5μmのYを8モル%含有したZrO(YSZ)粉末と、ポアー剤、PVAからなる有機バインダーと、水からなる溶媒とを混合した燃料側電極材料を押出成形して、楕円柱状の燃料側電極成形体を作製し、これを乾燥した。
【0048】
次に、上記YSZ粉末と、アクリル樹脂からなる有機バインダーと、トルエンからなる溶媒とを混合した、固体電解質材料を用いてシート状成形体を作製し、このシート状成形体を、燃料側電極成形体上に、その両端間が平坦部で所定間隔をおいて離間するように巻き付け、乾燥した。
【0049】
この後、平均粒径1μmのLaCrO3系材料と、アクリル樹脂からなる有機バインダーと、トルエンからなる溶媒とを混合した、インターコネクタ材料を用いてシート状成形体を作製し、このシート状成形体を、露出した燃料側電極成形体の外面に積層し、円筒状の燃料側電極成形体に固体電解質のシート状成形体、インターコネクタのシート状成形体が積層された積層成形体を作製した。
【0050】
次に、この積層成形体を脱バインダー処理し、大気中にて1500℃で同時焼成した。
【0051】
この後、平均粒径1μmのLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83粉末と、IPAからなる溶媒を含有するスラリーを作製し、このスラリーを市販のスプレードライ装置で噴霧し、落下中に粗粒子を作製し、この粗粒子を、上記焼結体の固体電解質表面に堆積させた。
【0052】
この後、大気中で1150℃で焼き付け、酸素側電極を形成し、図1に示すような本発明の燃料電池セルを作製した。この時の酸素側電極及びその近傍の写真を図3に示す。この図3から、酸素側電極を構成する粗粒子は平均粒径が22μm、この粗粒子を構成する導電性セラミック微粒子の平均粒径は1.9μmであった。平均粒径はインターセプト法により算出した。この図3から、明らかに、粗粒子を形成する導電性セラミック微粒子間の小気孔群と、粗粒子間の大気孔群の2つの気孔群を有することがわかる。
【0053】
この燃料電池セルの発電量を850℃で0.7Vを印加して測定したところ、0.6W/cm2の出力密度が得られた。
【0054】
一方、比較例として、上記と同様にして、積層成形体を焼成し、この焼結体を上記酸素側電極を形成するスラリー中に浸漬し、熱処理することにより、固体電解質の表面に酸素側電極を形成した。この比較例の酸素側電極及びその近傍の写真を図4に示す。この図4から、比較例では導電性セラミック微粒子により酸素側電極が形成されており、気孔径が小さくしかも気孔径はほぼ一定であり、参考例のように粗粒子並びに大気孔は存在していなかった。この比較例の燃料電池セルは0.2W/cmの出力密度であった。
【0055】
従って、参考例の燃料電池セルでは、従来の燃料電池セルよりも発電量を大幅に向上できることが判る。
【0056】
【発明の効果】
本発明の燃料電池セルの製法では、多数の導電性セラミック微粒子が集合した多孔質の粗粒子を形成し、かつ粗粒子が三次元網目状に連結した酸素側電極を容易に作製できる。さらに、本発明の製法により得られた燃料電池セルでは、酸素側電極が反応活性に富む微粒で構成され、かつその導電性セラミック微粒子が多孔質の粗粒子を形成し、この粗粒子が三次元網目状に連結しているため、酸素の供給量も粗粒子間の大気孔を介して多くなり、発電量を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製法により得られた燃料電池セルを示す横断面図である。
【図2】素側電極の模式図である。
【図3】燃料側電極及びその近傍を示すもので、(a)は300倍、(b)は1000倍、(c)は2000倍の写真である。
【図4】スラリー浸漬法により形成した従来の酸素側電極及びその近傍を示すもので、(a)は300倍、(b)は1000倍の写真である。
【図5】従来のセルスタックを示す横断面図である。
【符号の説明】
33・・・燃料電池セル
33a・・・燃料側電極
33b・・・固体電解質
33c・・・酸素側電極
P・・・導電性セラミック微粒子
33c1・・・粗粒子
37・・・小気孔
39・・・大気孔

Claims (1)

  1. 緻密な固体電解質の一方側に導電性セラミックスからなる多孔質の酸素側電極、他方側に金属及び/又は金属酸化物を含有する多孔質の燃料側電極を設けてなる燃料電池セルの製法であって、前記酸素側電極が、導電性セラミック微粒子粉末と有機成分とを含有するスラリーを大気中に噴霧し、落下中に乾燥させて多数の微粒子が集合した粗粒子粉末を作製する工程と、該粗粒子粉末を溶媒中に分散させ、固体電解質の表面に塗布し、堆積させる工程と、これを加熱し、多数の導電性セラミック微粒子が集合した多孔質の粗粒子を三次元網目状に連結する工程とを具備して作製されることを特徴とする燃料電池セルの製法。
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