JPH11111308A - 円筒型燃料電池セル - Google Patents

円筒型燃料電池セル

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JPH11111308A
JPH11111308A JP9264566A JP26456697A JPH11111308A JP H11111308 A JPH11111308 A JP H11111308A JP 9264566 A JP9264566 A JP 9264566A JP 26456697 A JP26456697 A JP 26456697A JP H11111308 A JPH11111308 A JP H11111308A
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JP
Japan
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solid electrolyte
air electrode
cylindrical
fuel cell
current collector
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JP9264566A
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Inventor
Masahito Nishihara
雅人 西原
Shoji Yamashita
祥二 山下
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】固体電解質層と集電体層の接合界面部からの燃
料ガスのリークを防止することができる円筒型燃料電池
セルを提供する。 【解決手段】固体電解質31の一部に切欠部50を設け
て該固体電解質31の内面に形成されている空気極32
の一部を露出させるとともに、この露出面37および切
欠部50近傍の固体電解質31の両端部40、41に集
電体35を積層してなり、集電体35と固体電解質層3
1の両端部40、41との周方向における重なり幅
1 、d2 が1.5〜2.5mmのものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池セル本体
の外面に集電体が形成された円筒型燃料電池セルに関す
るものである。
【0002】
【従来技術】従来より、固体電解質型燃料電池セルは、
その作動温度が1000〜1050℃前後と高温である
ため発電効率が高く、第3世代の燃料電池として期待さ
れている。一般に、固体電解質型燃料電池セルには、円
筒型と平板型の2種類のものが知られている。
【0003】平板型燃料電池セルは、発電の単位体積当
り出力密度が高いという特長を有するが、実用化に際し
てはガスシール不完全性やセル内の温度分布の不均一性
などの問題がある。それに対して、円筒型燃料電池セル
では、出力密度は低いものの、セルの機械的強度が高
く、またセル内の温度の均一性が保てるという特長があ
る。両形状の固体電解質燃料電池セルとも、それぞれの
特長を生かして積極的に研究開発が進められている。
【0004】円筒型燃料電池の単セルは、図4に示すよ
うに、例えば、Y2 3 含有の安定化ZrO2 からなる
固体電解質層3の内面に、LaMnO3 系材料からなる
多孔性の空気極層2を形成し、さらに固体電解質3の表
面に多孔性のNi−ジルコニアなどからなる燃料極層4
を形成して構成されている。そして、各セル間を接続す
るためのLaCrO3 系材料などからなる集電体5(イ
ンターコネクタ)が固体電解質層3を貫通し、空気極層
2と電気的に接続しており、燃料極層4とは非接触の状
態でセルの表面に露出している。燃料電池のモジュール
は、上記構成からなる複数の単セルが集電体5およびN
iフェルト(あるいはNi板)を介して接続され、発電
は、空気極層2の内部に空気(酸素)6を、外部に燃料
(水素)7を流し、1000〜1050℃の温度で行わ
れる。
【0005】このような円筒型燃料電池セルは、例え
ば、固体電解質粉末を押出成形などにより円筒状に成形
し、焼成することにより円筒状焼結体を作製し、その焼
結体の内周面や外周面にスラリーコート法などにより空
気極層あるいは燃料極層となるシート状成形体を形成し
て焼成する方法により製造されたり、またはセラミック
スの多孔質支持管を焼成してなる円筒状焼結体の表面
に、スラリーコート法や電気化学蒸着法(EVD法)、
プラズマ溶射法などにより空気極層、固体電解質層、燃
料極層を順次形成する方法により製造されたり、さら
に、空気極材料を焼成してなる円筒状空気極の表面に、
上記と同様の方法により固体電解質層、燃料極層を順次
形成する方法により製造される。
【0006】一方、本発明者等は、電気絶縁性円筒状基
体の表面に、少なくとも空気極層および固体電解質層を
具備してなる円筒型燃料電池セルを製造する方法であっ
て、電気絶縁性の粉末により円筒状基体用成形体を作製
する工程と、空気極形成用粉末および固体電解質形成用
粉末によりそれぞれシート状成形体を作製する工程と、
前記円筒状基体用成形体の表面に前記空気極用および固
体電解質用シート状成形体を巻き付けて積層して円筒型
積層物を作製する工程と、該円筒型積層物を同時に焼成
する工程とを具備する円筒型燃料電池セルの製造方法に
ついて、先に出願した(特願平6−73025号)。こ
の方法では、非常に簡単なプロセスで、且つ少ない工程
数で燃料電池セルが歩留まりよく作製できる。また、空
気極成形体表面に固体電解質材料、集電体材料のグリー
ンシートを順次巻き付け積層した後に同時に焼成する技
術についても、前述の出願に開示した(上記2方法を共
焼結と呼ぶこともある)。
【0007】この方法によれば、空気極材料を円筒状に
成形して仮焼し、空気極仮焼体を作製し、この空気極仮
焼体の表面に、固体電解質材料のスラリーを用いて形成
されたシート状成形体を巻き付けて、空気極仮焼体の表
面に固体電解質成形体を形成し、これを仮焼し、固体電
解質仮焼体の端面の間を研磨し、空気極仮焼体が露出し
た連続同一面を形成し、この平面に集電体材料からなる
シート状成形体を固体電解質仮焼体に一部重なるように
積層した後、焼成する。そして、燃料極層を固体電解質
の表面に形成する。
【0008】このような方法によれば、セル作製におい
てプロセスが簡単で、且つ、少ない工程数で量産性に優
れ製造コストが低いという大きな利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た共焼結法により円筒型燃料電池セルを作製すると、固
体電解質と集電体の接合界面部から燃料ガスが一部リー
クし、その結果、部分的にセルの変形等が発生する虞が
あった。
【0010】本発明は、固体電解質と集電体の接合界面
部からの燃料ガスのリークを防止することができる円筒
型燃料電池セルを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
対して検討を重ねた結果、研摩して形成された切欠部近
傍の固体電解質と、固体電解質の内面の空気極層表面を
被覆する集電体において、固体電解質と集電体の接合幅
(重なり幅)と、これらの界面強度について因果関係が
あることを見いだし、本発明に至った。
【0012】即ち、本発明の円筒型燃料電池セルは、円
筒状の固体電解質の片面に空気極、他面に燃料極が形成
された燃料電池セル本体の外面に、前記固体電解質の内
面に形成された前記燃料極または前記空気極と電気的に
接続する集電体を設けてなる円筒型燃料電池セルにおい
て、前記固体電解質の一部に切欠部を設けて該固体電解
質の内面に形成されている前記燃料極または前記空気極
の一部を露出させるとともに、この露出面および前記切
欠部近傍の固体電解質の両端部に前記集電体を積層して
なり、前記集電体と前記固体電解質層の両端部との周方
向における重なり幅d1 、d2 が1.5〜2.5mmの
ものである。
【0013】
【作用】円筒型燃料電池セルでは、固体電解質層と集電
体層との接合界面部は、両構成部材とは熱膨張係数の異
なる緻密質な反応生成物、例えばLa2 Zr2 7 が形
成されている。そのため、重なり幅(接合幅)が大きく
なると、熱膨張差に伴って界面の付着力が弱まり、その
結果ガスリークが発生しやすくなる。
【0014】一方、重なり幅(接合幅)が小さくなる
と、熱膨張差による付着力低下の影響は無くなるが、燃
料極層の形成段階で燃料極層の焼成収縮に伴い接合界面
部に引っ張り応力が発生するために、重なり幅の狭い界
面部では引っ張り応力が付着力を上回り、その結果ガス
のリークが発生しやすくなる。
【0015】よって、固体電解質の両端部と集電体の周
方向における重なり幅(接合幅)を最適に設定すること
により、固体電解質と集電体との接合部分からのガスリ
ークを防止でき、燃料電池セルを作製する際の製造歩留
まりを向上することが可能となる。また、燃料電池セル
から発生する電力を効率的に集電することができ、燃料
電池セルの発電性能を高めることもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の円筒型燃料電池セルは、
図1に示すように、円筒状の固体電解質31の内面に空
気極32、外面に燃料極33を形成して燃料電池セル本
体34が構成されており、この燃料電池セル本体34の
外面に、空気極32と電気的に接続する集電体35を設
けてなるものである。即ち、固体電解質31の一部を切
り欠いて固体電解質31の内面に形成されている空気極
32の一部が露出しており、この露出面37および切り
欠いた固体電解質31の表面に集電体35が積層されて
いる。尚、本発明の円筒型燃料電池セルは、多孔質支持
管を形成し、この多孔質支持管の外面に空気極32、固
体電解質31、燃料極33を順次積層して構成しても良
い。
【0017】空気極32と電気的に接続する集電体35
は、燃料電池セル本体34の外面に形成され、連続同一
面39を覆うように形成されており、燃料極33とは電
気的に接続されていない。連続同一面39は、固体電解
質31の内面に形成されている空気極32の一部を露出
させるとともに、固体電解質31の両端部40、41と
空気極32の露出面37とが同一面(固体電解質31の
端部40、41と空気極32の露出面37とが段差のな
い平面状態)をなして構成されている。この同一面39
は固体電解質仮焼体の端部40、41と空気極仮焼体の
一部とが同一面となるまでセル本体34の外周面を研摩
することにより形成されている。
【0018】そして、本発明の円筒型燃料電池セルで
は、図2および図3に示すように、固体電解質31の両
側の端部40、41と集電体35との周方向における重
なり幅d1 、d2 が1.5〜2.5mmとされている。
固体電解質31と集電体35との重なり幅d1 、d2
1.5〜2.5mmとしたのは以下の理由による。
【0019】即ち、固体電解質層と集電体との接合界面
部は、両構成部材とは熱膨張係数の異なる緻密質な反応
生成物、例えば、La2 Zr2 7 が形成されている。
そのため、重なり幅d1 、d2 が2.5mmより大きく
なると、熱膨張差により界面の付着力が弱まり、その結
果、ガスリークが発生し易くなり、重なり幅d1 、d2
が1.5mmより小さいと、熱膨張差による付着力低下
の影響は無くなるが、燃料極層33の形成段階で燃料極
層33の焼成収縮に伴い接合界面部に引っ張り応力が発
生するために、重なり幅d1 、d2 の狭い界面部では引
っ張り応力が付着力を上回り、その結果ガスリークが発
生し易くなるからである。固体電解質31の両端部4
0、41と集電体35との重なり幅d1 、d2 は、ガス
リークを防止するという観点から、1.5〜2.0mm
が望ましい。
【0020】本発明の円筒型燃料電池セルの製造方法に
ついて説明する。本発明の円筒型燃料電池セルは、例え
ば、円筒状の固体電解質の片面に空気極、他面に燃料極
が形成されるとともに、前記空気極または前記燃料極に
電気的に接続される集電体を具備する固体電解質型燃料
電池セルの製造方法であって、円筒状の空気極成形体を
仮焼する工程と、仮焼した前記空気極成形体の表面に前
記固体電解質成形体を形成し仮焼する工程と、前記固体
電解質仮焼体の一部と前記空気極仮焼体の表層部が連続
した同一面となるまで前記仮焼体外周面を研磨する工程
と、該連続同一面に集電体成形体を形成しこれらの積層
体を酸化性雰囲気中で共焼結する工程と、得られた共焼
結体の固体電解質表面に燃料極成形体を形成し酸化性雰
囲気中で焼成する工程と、前記共焼結体の片端部に封止
用のキャップを外嵌し固着する工程とを具備する方法で
ある。
【0021】即ち、先ず、セル本体を作製する前に、基
体管となる空気極の自己支持管を押出成形法により作製
する。空気極の原料はペロブスカイト型結晶相を主相と
するLaMnO3 系の材料で、平均結晶粒径は3〜5μ
mが望ましい。これは、主結晶相の粒径が5μmより大
きいと支持管の焼成収縮率が10%以下となり、固体電
解質層との収縮差が拡がりセルを作製できないからであ
る。一方、主結晶相の粒径が3μmより小さいと固体電
解質層との焼成収縮率の整合は図れるが、ガス透過率が
低くなりその結果セルの出力性能が低下するからであ
る。
【0022】次に、円筒状の空気極成形体の脱脂、仮焼
を1200〜1250℃の温度で3〜20時間行い、空
気極仮焼体を作製する。仮焼温度が1200℃より低い
と支持管強度が0.1kg/mm2 となり、成形体シー
トの巻き付け時におけるハンドリング性に欠ける。一
方、仮焼温度が1250℃より高いと支持管の仮焼密度
が45%よりも高くなり、支持管の焼成収縮率が10%
以下となる。その結果、共焼結後の固体電解質層が緻密
化しないからである。
【0023】また仮焼時間については、3時間より短い
と支持管強度が0.1kg/mm2となり、成形体シー
トの巻き付け時におけるハンドリング性に欠ける。一
方、20時間より長くなると、支持管強度は高くなりハ
ンドリングには支障はなくなるが、逆に反り、うねりが
発生し成形体シートの巻き付けが困難となる。なお、共
焼結後の空気極支持管の開気孔率は25〜45%、特に
35〜40%が適当である。また平均細孔径は、1〜5
μmの範囲がガス透過性に優れる。
【0024】次に、空気極仮焼体の表面に固体電解質を
構成する材料の成形体層を形成する。この成形体層は、
平均粒子径が0.5〜3μmのY2 3 等の周知の安定
化剤により安定化されたZrO2 からなる粉体を用いて
スラリーを調製し、その後ドクターブレード法等により
作製されたグリーンシートを巻き付けて形成される。
【0025】そして、空気極仮焼体/固体電解質成形体
を1000〜1200℃の温度で1〜5時間程度仮焼
し、その後集電体の積層箇所となる固体電解質及び空気
極仮焼体の表面を平滑に研磨し、連続同一面を作製する
とともに、固体電解質に切欠部50を形成する。空気極
仮焼体は、この切欠部50から外部に露出することにな
る。この際、連続同一面内の空気極仮焼体の露出幅は4
mmから5mmの範囲になるようにする。
【0026】次に、集電体成形体をこの連続同一面上に
形成する。この際、集電体成形体は連続同一面内の固体
電解質仮焼体の両端部との重なり幅がそれぞれ2〜3m
mの範囲になるようにする。集電体成形体はLaCrO
3 系の材料を使用し、固体電解質成形体と同様にグリー
ンシートを積層して形成される。
【0027】このようにして作製した積層体は、大気等
の酸化性雰囲気中、1400〜1600℃の温度で3〜
10時間程度同時焼成することにより共焼結させ、円筒
状のセル本体を作製する。
【0028】また、燃料極はNiを30〜80重量%含
有し残部が安定化ZrO2 (Y2 3 等の安定化剤を含
む)からなる多孔質のサーメット材料を使用し、前記積
層焼結体の所定箇所に成形体層を形成して焼結させる
か、あるいは前記空気極仮焼体/固体電解質成形体/集
電体成形体を形成した後、さらに燃料極成形体を積層
し、これらを同時焼成することで円筒状のセル本体を作
製することもできる。
【0029】次に、円筒内外部でのガスを分離するため
の封止部材をセル片端部に接合させる。初めに、セル本
体の片端部の外表面に固体電解質成形体と同様のスラリ
ーを塗布し、100〜150℃の温度で1〜3時間乾燥
する。封止部材は発電の際にガスシール性が要求される
ため、例えば、平均結晶粒径が0.5〜3μm程度のZ
rO2 系やLaCrO3 系酸化物粉末を押出成形や静水
圧成形(ラバープレス)等により成形し、キャップ形状
に切削加工を行い封止部材用セラミック成形体を作製す
る。乾燥後、封止部材用セラミック成形体をセル片端部
に挿入し、大気等の酸化性雰囲気中、1300〜150
0℃の温度で1〜5時間程度焼成することで接合させ
る。
【0030】また封止部材の接合は、燃料極スラリーを
積層焼結体の所定箇所に塗布、乾燥した後燃料極塗布膜
の焼き付けと同時に行うことも可能である。この場合に
は、燃料極のみを焼き付けるための熱処理工程を省略で
きる。
【0031】
【実施例】円筒型の固体電解質型燃料電池セルを共焼結
により作製するため、まず円筒状空気極成形体を以下の
ような手順で作製した。市販の純度99.9%以上のL
2 3 、Y2 3 、CaCO3 、Mn2 3 を出発原
料として、これをLa0.56Y0.14Ca0.3 MnO3 の組
成になるように秤量混合した後、1500℃で3時間仮
焼し粉砕して平均粒径が2〜6μmの粒度の固溶体粉末
を得た。この固溶体粉末にバインダーを添加し、押出成
形法により円筒状空気極成形体を作製した。
【0032】前記空気極成形体は、自然乾燥した後12
50℃の温度で15時間脱バインダー・仮焼を行い、円
筒状の空気極仮焼体を作製した。
【0033】次に、共沈法により得られたY2 3 を8
mol%の割合で含有する平均粒子径が1〜2μmのZ
rO2 粉末に、トルエンとバインダーを添加してスラリ
ーを調製し、ドクターブレード法により厚さ120〜1
40μmの固体電解質シートを作製した。
【0034】次に、市販の純度99.9%以上のLa2
3 、Cr2 3 、MgOを出発原料として、これをL
a(Mg0.3 Cr0.7 0.973 の組成になるように秤
量混合した後、1500℃で3時間仮焼し粉砕して、平
均粒径が1〜2μmの固溶体粉末を得た。次に、この固
溶体粉末にトルエンとバインダーを添加してスラリーを
調製し、ドクターブレード法により厚さ120〜140
μmの集電体シートを作製した。
【0035】前記円筒状空気極仮焼体に前記固体電解質
シートをロール状に巻き付け、1100℃で3時間の仮
焼を行った。仮焼後、集電体シートの積層箇所となる固
体電解質仮焼体の表面を、空気極仮焼体の露出面が連続
同一面となるように平面研磨し、前記集電体シートを所
定箇所に帯状に巻き付け、大気中1500℃で6時間の
条件で共焼結し、表1に示すように、所定の重なり幅d
1 、d2 を有する試料を作製した。この後、発電評価用
の円筒状セルを作製するため、前記積層焼結体表面に燃
料極層の形成し、前記積層焼結体片端部に封止部材の接
合を行った。
【0036】まず、NiO粉末にZrO2 (10mol
%Y2 3 含有)粉末を重量比で80:20の割合で混
合した混合粉末に水を溶媒として加えて燃料極スラリー
を調製し、燃料極スラリーを前記積層焼結体表面に厚さ
50μm塗布し乾燥した。
【0037】次に、Y2 3 を8mol%の割合で含有
する平均粒径が1μmのZrO2 粉末に水を溶媒として
加えてスラリーを調製し、このスラリーに前記積層焼結
体の片端部を浸漬し、厚さ100μmになるように片端
部外周面に塗布し120℃の温度で1時間乾燥した。封
止部材としてのキャップ形状を有する成形体は、前記ス
ラリー組成と同組成の粉末を用いて静水圧成形(ラバー
プレス)を行いキャップ形状に切削加工した。その後、
前記スラリーを被覆した積層焼結体片端部を封止部材用
成形体に挿入した。
【0038】燃料極層の形成と前記封止部材の接合は、
大気中、1400℃の温度で2時間焼成を行うことによ
り同時に作製した。
【0039】以上の工程を経て作製した長さ50cmの
円筒型セルを用いて、圧環法による破壊荷重試験とガス
リークの有無の判定を行った。破壊荷重試験に用いるサ
ンプルは、円筒型セルを長さ3cmに切り出したものを
用い、また荷重を負荷する位置は集電体層上部とした。
また、ガスリークの有無の判定は、円筒型セル片端部の
開口部よりセルの内圧が0.5kg/mm2 になるよう
にAirガスを導入し、水中に浸してセル表面からの気
泡の発生があるか、ないかで判定した。さらに出力密度
を測定した。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】この表1の結果から明らかなように、重な
り幅(d1 、d2 )が1.5〜2.5mmの範囲にある
本発明の試料No.3〜7はいずれも破壊荷重が約37
kgfよりも高く、セル表面からのガスリークも無かっ
た。
【0042】一方、試料No.1、2は破壊荷重が30
kgf以下となり、セル表面からのガスリーク判定では
集電体と固体電解質層との界面より部分的に5〜10カ
所程度リークが発生した。
【0043】また試料No.8、9は全体的に若干セル
の変形を伴っており、破壊荷重は30kgf程度であっ
た。これらの試料No.8、9では、破壊荷重試験及び
セル表面からのガスリーク試験後において集電体層の一
部が剥離した。
【0044】さらに、セル表面からのガスリークの無い
試料No.3〜7はいずれも出力密度が0.3W/cm
2 よりも高く、燃料電池セルの発電性能において優れる
ものであった。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の円筒型燃
料電池セルでは集電体と固体電解質の両端部との重なり
幅を1.5〜2.5mmとすることにより、セル製造時
の歩留まり向上を図ることが出来る。また、集電体及び
固体電解質間での接合が良好となるため、セルの発電性
能をも十分に期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒型燃料電池セルの断面図である。
【図2】図1の斜視図である。
【図3】集電体と固体電解質の両端部との重なり幅を説
明するための図2の平面図である。
【図4】従来の円筒型燃料電池セルを示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
31・・・固体電解質 32・・・空気極 33・・・燃料極 35・・・集電体 37・・・露出面 40、41・・・端部 50・・・切欠部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状の固体電解質の片面に空気極、他面
    に燃料極が形成された燃料電池セル本体の外面に、前記
    固体電解質の内面に形成された前記燃料極または前記空
    気極と電気的に接続する集電体を設けてなる円筒型燃料
    電池セルにおいて、前記固体電解質の一部に切欠部を設
    けて該固体電解質の内面に形成されている前記燃料極ま
    たは前記空気極の一部を露出させるとともに、この露出
    面および前記切欠部近傍の固体電解質の両端部に前記集
    電体を積層してなり、前記集電体と前記固体電解質層の
    両端部との周方向における重なり幅d1 、d2 が1.5
    〜2.5mmであることを特徴とする円筒型燃料電池セ
    ル。
JP9264566A 1997-09-29 1997-09-29 円筒型燃料電池セル Pending JPH11111308A (ja)

Priority Applications (1)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003068322A (ja) * 2001-08-28 2003-03-07 Kyocera Corp 固体電解質型燃料電池セル及び燃料電池
KR101278419B1 (ko) * 2011-12-01 2013-06-24 삼성전기주식회사 고체산화물 연료전지 및 이의 제조 방법

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