JP3389468B2 - 固体電解質型燃料電池セル - Google Patents

固体電解質型燃料電池セル

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JP3389468B2
JP3389468B2 JP23462697A JP23462697A JP3389468B2 JP 3389468 B2 JP3389468 B2 JP 3389468B2 JP 23462697 A JP23462697 A JP 23462697A JP 23462697 A JP23462697 A JP 23462697A JP 3389468 B2 JP3389468 B2 JP 3389468B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、有底筒状の固体電
解質型燃料電池セルに関するものである。 【0002】 【従来技術】従来より、固体電解質型燃料電池はその作
動温度が900〜1050℃と高温であるため発電効率
が高く、第3世代の発電システムとして期待されてい
る。 【0003】一般に、固体電解質型燃料電池セルには円
筒型と平板型が知られている。平板型燃料電池セルは、
発電の単位体積当り出力密度が高いという特長を有する
が、実用化に関してはガスシール不完全性やセル内の温
度分布の不均一性などの問題がある。それに対して、円
筒型燃料電池セルでは、出力密度は低いものの、セルの
機械的強度が高く、またセル内の温度の均一性が保てる
という特長がある。両形状の固体電解質型燃料電池セル
とも、それぞれの特長を生かして積極的に研究開発が進
められている。 【0004】円筒型燃料電池の単セルは、図3に示した
ように開気孔率40%程度のCaO安定化ZrO2 を支
持管1とし、その上にLaMnO3 系材料からなる多孔
性の空気極2を形成し、その表面にY2 3 安定化Zr
3 からなる固体電解質3を被覆し、さらにこの表面に
多孔性のNi−ジルコニアの燃料極4が設けられてい
る。燃料電池のモジュールにおいては、各単セルはLa
CrO3 系の集電体(インターコネクタ)5を介して接
続される。発電は、支持管1内部に空気(酸素)6を、
外部に燃料(水素)7を流し、1000〜1050℃の
温度で行なわれる。 【0005】近年、このセル作製の工程においてプロセ
スを単純化するため、空気極材料であるLaMnO3
材料が直接多孔性の支持管として使用されている。空気
極としての機能を合わせ持つ支持管材料としては、La
をCaで20原子%又はSrで10〜15原子%置換し
たLaMnO3 固溶体材料が用いられている。 【0006】また、上記のような燃料電池セルを製造す
る方法としては、例えばCaO安定化ZrO2 からなる
絶縁粉末を押出成形法などにより円筒状に成形後、これ
を焼成して円筒状支持体を作製し、この支持体の外周面
に空気極、固体電解質、燃料極、集電体のスラリーを塗
布してこれを順次焼成して積層するか、あるいは円筒状
支持体の表面に電気化学的蒸着法(EVD法)やプラズ
マ溶射法などにより空気極、固体電解質、燃料極、集電
体を順次形成することも行われている。 【0007】最近では、セルの製造工程を簡略化するた
めに、各構成材料のうち少なくとも2つを同時焼成す
る、いわゆる共焼結法も提案されている。この共焼結法
は、例えば、円筒状の空気極支持管の成形体に固体電解
質成形体及び集電体用成形体をロール状に巻き付けて同
時焼成を行い、その後固体電解質層表面に燃料極層を形
成する方法である。この共焼結法は製造工程数が少なく
なるためにセルの製造時の歩留り向上、コスト低減に有
利である。 【0008】そして、従来、セルの一端の封止は、焼結
して得られた円筒状のセル本体を実際に発電を行う炉内
の取付部材にセットし、取付部材に形成されたガラス層
をセル本体の一端に当接し、発電を行う際の昇温時に前
記ガラス層を溶融させ、セル本体の一端を前記取付部材
により封止していた。 【0009】また、空気極成形体、および空気極成形体
と同一材料により有底筒状の封止部材用成形体を作製
し、空気極成形体の一端と封止部材用成形体の一端を当
接し焼成した後、上記したように、電気化学的蒸着法
(EVD法)やプラズマ溶射法などにより固体電解質、
燃料極、集電体を順次形成するとともに、封止部材の表
面に電気化学的蒸着法(EVD法)やプラズマ溶射法な
どにより緻密質セラミック層を形成し、封止部材からの
ガスリークを防止していた。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃料電
池セルの一端をガラス材を用いて取付部材により封止す
る従来の方法では、実際に発電を行う際に封止すること
になるため完全に封止されているか否かの確認が困難で
あり、シール不良による単セルの出力の低下が生じ易
く、特にスタック化した場合には封止箇所の増加による
シール不良が発生し易く、結果として出力が低下すると
いう問題があった。 【0011】また、空気極成形体の一端と封止部材用成
形体の一端を当接した状態で焼成する方法では、空気極
成形体と封止部材との接合が困難であり、しかも、ガス
リークを防止するため、電気化学的蒸着法(EVD法)
やプラズマ溶射法などにより封止部材の表面に緻密質セ
ラミック層を形成する必要があり、封止工程が面倒であ
り、コスト高であるという問題があった。 【0012】本発明は、セル本体のガスシールを容易か
つ確実に行うことができるとともに、ガスシールの確認
が容易な固体電解質型燃料電池セルを提供することを目
的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
に対して検討を重ねた結果、セル本体の一端部外周面に
セラミックスラリーを塗布し、その上に封止部材用のセ
ラミック成形体を外嵌して焼成し、封止部材の焼成収縮
によりセル本体の一端部に嵌着することにより、セル本
体の一端を容易にかつ確実に封止することができ、しか
も封止状態を容易に確認し得ることを見出し、本発明に
至った。 【0014】即ち、本発明の固体電解質型燃料電池セル
は、円筒状の固体電解質の片面に空気極、他面に燃料極
が形成されるとともに、前記空気極または前記燃料極に
電気的に接続され、かつ外面に露出する集電体を具備す
る円筒状のセル本体の一端部外周面に、平均結晶粒径
0.6〜5μmのセラミック粒子からなるガスシール層
を介して、セラミックスからなるキャップ形状の封止部
材を外嵌してなるとともに、前記封止部材は、その焼成
収縮により前記セル本体の一端部を締め付けた状態で、
前記セル本体の一端部に前記封止部材が外嵌されている
ものである。 【0015】 【作用】本発明の固体電解質型燃料電池セルでは、従来
のように、発電用セル本体を炉内にセットし発電を行う
際にセル本体の一端を取付部材により封止するのではな
く、セル製造段階でセル本体の一端を緻密質セラミック
スにより封止するため、セル本体の一端の封止を容易か
つ確実に行うことができるとともに、発電用セル本体を
炉内にセットする前に封止状態を確認することができ、
発電の際のガスシール性が十分に保証される。 【0016】即ち、本発明の固体電解質型燃料電池セル
では、セル本体の一端部外周面にセラミックスラリーを
塗布し、その上面に封止部材用セラミック成形体を外嵌
して焼成することにより、封止部材用セラミック成形体
が焼成収縮しセル本体の一端部に嵌着すると同時に、焼
成時にセル本体の外面と封止部材の内面とが接合するた
め、セル本体の一端の封止を容易かつ確実に行うことが
できる。 【0017】特に、本発明の固体電解質型燃料電池セル
では、セル本体の一端部外周面にセラミックスラリーを
塗布し、セラミックスからなるガスシール層を形成し、
その外周面に封止部材を嵌着したため、集電体がセル本
体から突出する等によりセル本体の外周面に凹凸が形成
されている場合でも、ガスシール層により封止部材が嵌
着される部分のセル本体外周面が平滑化され、封止部材
とセル本体を隙間なくより密着させることができ、ガス
シール性を向上できる。 【0018】また、例えば、封止部材としてZrO2
LaCrO3 系の磁器を用いた場合には、この磁器の焼
成温度(1300℃以上)は、実際の発電温度(100
0℃)よりも高いので、発電時におけるガスリークの恐
れが無く、結果としてセル出力の信頼性、長寿命化が図
れる。さらに、複数のセルを用いてスタックを組む際に
おいては、発電を行う段階でのシール箇所を極力少なく
することができるためにシステム設計を容易にすること
が可能となる。 【0019】そして、本発明の固体電界質燃料電池セル
では、セル本体の一端部外周面に、平均結晶粒径0.6
〜5μmのセラミック粒子からなるガスシール層を介し
て、セラミックスからなるキャップ形状の封止部材を外
嵌したので、封止部材とセル本体の外周面との間からの
ガスリークを確実に防止することができる。 【0020】 【発明の実施の形態】本発明の固体電解質型燃料電池セ
ルは、図1および図2に示すように、円筒状の空気極2
の表面に固体電解質3を形成し、この固体電解質3の表
面に燃料極4を形成し、さらに、空気極2と電気的に接
続する集電体5を設けてセル本体8が形成されている。 【0021】そして、セル本体8の一端部の外周面に
は、セラミックスからなるガスシール層9が形成され、
このガスシール層9の表面には、キャップ形状の緻密質
セラミックスからなる封止部材11が外嵌されており、
セル本体8とガスシール層9、封止部材11が焼成によ
り一体化されている。即ち、セル本体8の一端部外周面
にセラミックスラリーを塗布することにより、セル本体
8外周面の凹凸を無くし、平坦化した後、封止部材用セ
ラミック成形体を外嵌して焼成することにより、封止部
材用セラミック成形体が焼成収縮し、セル本体8の一端
部に嵌着すると同時に、焼成時にセル本体8の外周面と
封止部材11の内面とが、ガスシール層9を介して接合
している。 【0022】ガスシール層9は、例えば、部分安定化Z
rO2 や安定化ZrO2 、LaCrO3 系等の種々の材
料を用いることができるが、特には、熱膨張率の観点か
ら固体電解質材料と同一の材料から構成することが望ま
しい。ガスシール層9の厚みはセル本体8外表面の凹凸
を無くす程度あれば良いが、50〜300mmが望まし
い。 【0023】このガスシール層9は、平均結晶粒径0.
6〜5μmのセラミック粒子からなるものである。ガス
シール層9のセラミック粒子の平均結晶粒径が0.6μ
mよりも小さい場合には、ガスシール層9に小さな隙間
が生じ、ガスリークを起こすからであり、5μmよりも
大きくなると、ガスシール層9とセル本体8表面との間
に隙間が生じ、ガスリークを生じるからである。ガスシ
ール層9は、ガスリークを確実に防止するという観点か
ら、平均結晶粒径1〜3μmのセラミック粒子からなる
ことが望ましい。ガスシール層9の厚みは、セル本体8
外周面の凹凸がなくなる程度であれば、特に限定されな
い。 【0024】封止部材11はガスリークを防止するため
緻密質セラミックスからなるものであるが、緻密質セラ
ミックスとは、例えば、ガスシール層9と同様の材料を
用いることができる。またガスシール層9と同様に、熱
膨張率の観点から固体電解質材料と同一の材料から構成
することが望ましい。セル本体8の外表面に当接する封
止部材11の円筒部13の厚みtは、セルの直径の増大
を抑え、焼結時の収縮の応力で破損しないようにするた
めに、0.3〜1.2mmが望ましい。 【0025】このような固体電解質型燃料電池セルの製
造方法について詳述する。まず、セル本体を作製するた
めに、自己支持管としての機能を有する円筒状の空気極
成形体を押出成形により作製し、その後1200〜13
00℃の温度で5〜20時間程度脱バインダー・仮焼を
行い、空気極仮焼体を作製する。この空気極仮焼体は、
ペロブスカイト型結晶相を主相とするLaMnO3 系の
材料で、その平均結晶粒径は3〜20μm、特に5〜1
5μmであることが望ましい。これは、主結晶相の粒径
が3μmより小さいと強度は高いもののガス透過性が低
く、20μmを越えるとガス透過性は高くなるものの強
度が不十分となるためである。なお、空気極の開気孔率
は20〜45%、特に30〜40%が適当である。また
平均細孔径は1.0〜5.0μmの範囲がガス透過性に
優れる。 【0026】次に、空気極仮焼体の表面に固体電解質を
構成する材料の成形体層を形成する。この固体電解質成
形体層は、平均粒径が0.5〜3μmのY2 3 等の周
知の安定化剤により安定化されたZrO2 からなる粉体
を用いてスラリーを調製し、その後ドクターブレード法
等により作製されたグリーンシートを巻き付けて形成さ
れる。 【0027】そして空気極/固体電解質成形体を100
0〜1300℃の温度で1〜3時間程度仮焼し、その後
集電体の積層箇所となる固体電解質仮焼体の表面を平滑
に研磨し、空気極仮焼体を露出させ、固体電解質仮焼体
および空気極仮焼体の表面に集電体用成形体を積層す
る。集電体用成形体はLaCrO3 系の材料を使用し、
固体電解質成形体と同様にグリーンシートを積層して形
成される。 【0028】このようにして作製した積層体は、大気等
の酸化性雰囲気中、1300〜1600℃の温度で3〜
15時間程度同時焼成することにより共焼結させ、円筒
状の積層焼結体を作製する。 【0029】また、燃料極はNiを30〜80重量%含
有し残部が安定化ZrO2 (Y2 3 の安定化剤を含
む)からなる多孔質のサーメット材料を使用し、前記積
層焼結体の所定箇所に成形体層を形成して焼結させる
か、あるいは前記空気極/固体電解質/集電体成形体を
形成した後、さらに燃料極成形体を積層し、これらを同
時に焼成し、円筒状のセル本体を作製することもでき
る。 【0030】次に、例えば、固体電解質成形体と同様の
スラリーを用い、例えば、スラリー中にセル本体の一端
部を浸漬(ディッピング)することにより、セル本体の
一端部の外表面にセラミックスラリーを塗布し、100
〜150℃で1〜3時間乾燥する。セラミックスラリー
を塗布する方法としては、他にスプレー、刷毛等による
塗布がある。セラミックスラリーは、封止部材が外嵌さ
れる部分よりも僅かに広い面積で塗布されることが望ま
しい。ガスシールに用いる原料の平均粒子径は0.5〜
5μm、特に0.8〜3μmであることが望ましい。塗
布厚みについては、セル本体外周面の凹凸がなくなる程
度であれば、特に限定されない。 【0031】封止部材は発電の際にガスシール性を要求
されるため、例えば、平均結晶粒径が0.5〜3μm程
度のZrO2 系酸化物粉末を押出成形や静水圧成形(ラ
バープレス)等により成形し、キャップ形状に切削加工
を行い封止部材用セラミック成形体を作製する。 【0032】この時の封止部材用セラミック成形体は、
セル本体の外周面に当接し、締めつける円筒部の成形体
厚みは、0.7〜2.0mmであることが望ましい。こ
れは、0.7mmよりも薄い場合には焼成時に封止部材
が割れる場合があり、また2.0mmよりも厚い場合に
は、複数の固体電解質型燃料電池セルによりスタックを
作製する際のセル間の電気的な接続が困難になるからで
ある。 【0033】また、セル本体の一端が挿入される封止部
材用セラミック成形体の内径は、セル本体の外径の1.
15〜1.4倍であることが望ましい。これは、封止部
材用セラミック成形体の内径が、セル本体の外径の1.
15倍よりも小さい場合には、封止部材に歪みによる割
れが生じ易く、また1.4倍よりも大きい場合には封止
部材とセル本体との間に隙間が生成し、封止できなくな
る場合があるからである。 【0034】この後、セル本体の一端部を封止部材用セ
ラミック成形体に挿入し、大気等の酸化性雰囲気中、1
300〜1600℃の温度で1〜5時間程度焼成し、セ
ル本体の一端部に、ガスシール層を介して封止部材を嵌
着し、本発明の固体電解質型燃料電池セルを得る。封止
部材とガスシール層とは焼成時に一体化し、さらにガス
シール層とセル本体の一端部外周面とも焼成時に一体化
し、これにより、封止部材がガスシール層を介してセル
本体の一端部外周面に接合されることになる。 【0035】ガスシール層および緻密質セラミックスか
らなる封止部材は、ガスリークを防止することができれ
ば良く、特に気孔率5%以下であることが望ましい。 【0036】尚、本発明は、セル本体の一端をガスシー
ル層を介して封止部材により封止した点に特徴があり、
セル本体の作製方法については特に限定されず、上記し
た方法以外の公知の方法で作製しても良い。 【0037】また、本発明では、燃料極スラリーを、空
気極、固体電解質、集電体を有するセル本体に塗布した
後、セル本体を封止部材用セラミック成形体に挿入し、
燃料極塗布膜と同時に前記封止部材用セラミック成形体
を焼成し、燃料極を固体電解質表面に焼き付けても良
い。この場合には、燃料極のみを焼き付けるための熱処
理工程を省略できる。 【0038】 【実施例】円筒型の固体電解質型燃料電池セルを共焼結
により作製するため、まず円筒状空気極成形体を以下の
ようにして作製した。市販の純度99.9%以上のLa
23 、CaCO3 、Mn2 3 を出発原料として、こ
れをLa0.8 Ca0.2 MnO3 の組成になるように秤量
混合した後、1500℃で3時間仮焼し粉砕して平均粒
径が5μmの固溶体粉末を得た。また、この固溶体粉末
にバインダーを添加し、押出成形法で円筒状の空気極成
形体を作製した。前記空気極成形体は、乾燥後1250
℃で10時間脱バインダー・仮焼することにより円筒状
の空気極仮焼体を作製した。 【0039】次に、共沈法により得られたY2 3 を8
mol%の割合で含有する平均粒径が1μmのZrO2
粉末に、トルエンとバインダーを添加してスラリーを調
製し、ドクターブレード法により厚み130μmの固体
電解質シートを作製した。 【0040】次に、市販の純度99.9%以上のLa2
3 、Cr2 3 、MgOを出発原料として、これをL
a(Mg0.3 Cr0.7 0.973 の組成になるように秤
量混合した後、1500℃で3時間仮焼し粉砕して、平
均粒径が2μmの固溶体粉末を得た。次に、この固溶体
粉末にトルエンとバインダーを添加してスラリーを調製
し、ドクターブレード法により厚み130μmの集電体
シートを作製した。 【0041】前記円筒状空気極仮焼体に前記固体電解質
シートをロール状に巻き付け、1100℃で3時間の仮
焼を行なった。仮焼後、集電体シートの積層箇所となる
固体電解質仮焼体の表面を平面研磨し、露出した空気極
仮焼体まで表面上を平面研磨し、前記集電体シートを所
定箇所に帯状に巻き付けた。その後、大気中1500℃
で6時間の条件で共焼結を試みた。 【0042】共焼結後、NiO粉末にZrO2 (10m
ol%Y2 3 含有)粉末を重量比で80:20の割合
で混合した混合粉末に水を溶媒として加えて燃料極スラ
リーを調整し、厚み50μmの燃料極スラリーを積層焼
結体表面に塗布乾燥した。 【0043】次に、Y2 3 を3mol%の割合で含有
する平均粒径0.1〜15μmのZrO2 粉末に水を溶
媒として加えてスラリーを調整し、このスラリーにセル
本体の一端部を浸漬し、ディッピング法により厚み10
0μmのセラミックスラリーをセル片端部の外周面に塗
布し、120℃で1時間乾燥した。 【0044】次に、封止部材としてのキャップ形状の成
形体を作製する。まず、前記スラリー組成と同じ組成で
ある、Y2 3 を3mol%の割合で含有する平均粒径
が1μmのZrO2 粉末を用いて静水圧成形(ラバープ
レス)を行いキャップ形状に切削加工した。その後、前
記スラリーを被覆した前記セル片端部を封止部材用成形
体に挿入した。 【0045】セル本体の外周面と当接し、セル本体を締
めつける封止部材用成形体の円筒部の肉厚tを1mmに
設定し、また、封止部材用成形体の円筒部の内径をセル
本体の外径の1.2倍とした。尚、セル本体の外径は1
4mmであった。 【0046】その後、大気中で1400℃で2時間の焼
成を行うことにより、燃料極層を形成するとともに、セ
ル本体の一端部外周面に、ガスシール層を介してキャッ
プ形状の封止部材を嵌合した燃料電池セルを各20個ず
つ作製した。 【0047】ガスシール層のセラミック粒子の平均結晶
粒径を、ガスシール層の断面の走査電子顕微鏡(SE
M)で観察し、インターセプト法により求めた。 【0048】また、燃料電池セルの表面リーク量を調べ
た。表面リーク量はセル内部を真空状態に吸引した後、
10分後にセル内部の真空度の値を読み取ることにより
測定し、表面リーク量が150mmTorr以上のもの
をシール不良と判断し、良品率を求めた。 【0049】また、シールが良好であった片端封着型の
上記円筒型セルについて、熱サイクル試験前後の出力密
度を測定した。熱サイクル試験は、昇温速度200℃/
hで室温から1000℃まで加熱し、そのまま1時間保
持し、その後降温速度200℃/hで冷却し、1時間放
置する工程を10回繰り返すものである。これらの結果
を表1に記載した。 【0050】 【表1】 【0051】この表1の結果から明らかなように、本発
明品の試料No.3〜7は全て表面リーク量が150m
mTorr以下であり、ガスシール層のセラミック粒子
の平均結晶粒径が5μmよりも大きい試料No.1、2
や、平均結晶粒径が0.6μmよりも小さい試料No.
8と比較すると、ガスシール性に優れていることが判
る。 【0052】また、ガスシール性の良好であった試料N
o.3〜7は出力密度においてもいずれも0.3W/c
2 以上であり、燃料電池セルの発電性能において性能
向上を示唆するものであった。また、熱サイクル試験後
でもガスシール性に優れ、出力密度の性能劣化がみられ
ず、0.3W/cm2 以上、特に、ガスシール層の平均
粒径が1〜3μmである場合には、0.33W/cm2
以上であった。 【0053】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
セル本体の一端を、平均結晶粒径0.6〜5μmのセラ
ミック粒子からなるガスシール層を介して緻密質セラミ
ックスの封止部材により封止するため、セル本体の一端
の封止を容易かつ確実に行うことができるとともに、発
電用セル本体を炉内にセットする前に封止状態を確認す
ることができ、発電の際のガスシール性が十分に保証さ
れ、長期的に安定したセル性能を維持できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の円筒型燃料電池セルの構造を示す概念
図である。 【図2】図1の封止部材の円筒部部分の断面図である。 【図3】固体電解質型燃料電池セルのセル本体を示す斜
視図である。 【符号の説明】 2・・・空気極 3・・・固体電解質 4・・・燃料極 5・・・集電体 8・・・セル本体 9・・・ガスシール層 11・・・封止部材 13・・・円筒部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/02 H01M 8/12

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】円筒状の固体電解質の片面に空気極、他面
    に燃料極が形成されるとともに、前記空気極または前記
    燃料極に電気的に接続され、かつ外面に露出する集電体
    を具備する円筒状のセル本体の一端部外周面に、平均結
    晶粒径0.6〜5μmのセラミック粒子からなるガスシ
    ール層を介して、セラミックスからなるキャップ形状の
    封止部材を外嵌してなるとともに、前記封止部材は、そ
    の焼成収縮により前記セル本体の一端部を締め付けた状
    態で、前記セル本体の一端部に前記封止部材が外嵌され
    ていることを特徴とする固体電解質型燃料電池セル。
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