JPH11283634A - 円筒状固体電解質型燃料電池セル - Google Patents

円筒状固体電解質型燃料電池セル

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JPH11283634A
JPH11283634A JP10086374A JP8637498A JPH11283634A JP H11283634 A JPH11283634 A JP H11283634A JP 10086374 A JP10086374 A JP 10086374A JP 8637498 A JP8637498 A JP 8637498A JP H11283634 A JPH11283634 A JP H11283634A
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JP
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solid electrolyte
current collector
air electrode
cylindrical
fuel cell
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JP10086374A
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Masahide Akiyama
雅英 秋山
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Original Assignee
Kyocera Corp
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】集電体に発生する応力を抑制してクラックの発
生や破損を防止できる円筒状固体電解質型燃料電池セル
を提供する。 【解決手段】円筒状の固体電解質31の片面に燃料極3
3、他面に空気極32が形成された燃料電池セル本体3
4の外面に、固体電解質31の内面に形成された空気極
32と電気的に接続する集電体35を設けてなる円筒状
固体電解質型燃料電池セルにおいて、固体電解質31の
一部に切欠部を設けて該固体電解質31の内面に形成さ
れている空気極32の一部を露出させるとともに、この
露出面37および切欠部近傍の固体電解質31の端部3
6を集電体35により被覆してなり、固体電解質31に
当接する集電体35の端部の厚みt1 が、空気極32に
当接する部分の集電体35の厚みt2 よりも薄いもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒状の固体電解
質の片面に燃料極、他面に空気極が形成されたセル本体
の外面に集電体が形成された円筒状固体電解質型燃料電
池セルに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、固体電解質型燃料電池セルは、
その作動温度が1000〜1050℃前後と高温である
ため発電効率が高く、第3世代の燃料電池として期待さ
れている。一般に、固体電解質型燃料電池セルには、円
筒型と平板型の2種類のものが知られている。
【0003】平板型燃料電池セルは、発電の単位体積当
り出力密度が高いという特長を有するが、実用化に際し
てはガスシール不完全性やセル内の温度分布の不均一性
などの問題がある。それに対して、円筒状固体電解質型
燃料電池セルでは、出力密度は低いものの、セルの機械
的強度が高く、またセル内の温度の均一性が保てるとい
う特長がある。両形状の固体電解質燃料電池セルとも、
それぞれの特長を生かして積極的に研究開発が進められ
ている。
【0004】円筒状固体電解質型燃料電池セルは、図5
に示すように、例えば、Y2 3 含有の安定化ZrO2
からなる固体電解質3の内面に、(La,Ca)MnO
3 系材料からなる多孔性の空気極2を形成し、さらに固
体電解質3の表面に多孔性のNi−ジルコニアなどから
なる燃料極4を形成して構成されている。そして、各セ
ル間を接続するためのLaCrO3 系材料などからなる
集電体5(インターコネクタ)が固体電解質3を貫通
し、空気極2と電気的に接続しており、燃料極4とは非
接触の状態でセルの表面に露出している。
【0005】燃料電池のモジュールは、上記構成からな
る複数の単セルが集電体5およびNiフェルト(あるい
はNi板)を介して接続され、発電は、空気極2の内部
に空気(酸素)6を、外部に燃料(水素)7を流し、1
000〜1050℃の温度で行われる。
【0006】このような円筒状固体電解質型燃料電池セ
ルは、例えば、固体電解質粉末を押出成形などにより円
筒状に成形し、焼成することにより円筒状焼結体を作製
し、その焼結体の内周面や外周面にスラリーコート法な
どにより空気極層あるいは燃料極層となるシート状成形
体を形成して焼成する方法により製造されたり、または
セラミックスの多孔質支持管の表面に化学蒸着法(EV
D法)、プラズマ溶射法などにより空気極層、固体電解
質層、燃料極層を順次形成する方法により製造された
り、さらに、空気極材料を焼成してなる円筒状空気極の
表面に、上記と同様の方法で固体電解質層、燃料極層を
順次形成する方法により製造される。
【0007】一方、従来、電気絶縁性円筒状基体の表面
に、少なくとも空気極層および固体電解質層を具備して
なる円筒型燃料電池セルを製造する方法であって、電気
絶縁性の粉末により円筒状基体用成形体を作製する工程
と、空気極形成用粉末および固体電解質形成用粉末によ
りそれぞれシート状成形体を作製する工程と、前記円筒
状基体用成形体の表面に前記空気極用および固体電解質
用シート状成形体を巻き付けて積層して円筒型積層物を
作製する工程と、該円筒型積層物を同時に焼成する工程
とを具備する円筒状固体電解質型燃料電池セルの製造方
法が開示されている。
【0008】この方法では、非常に簡単なプロセスで、
且つ少ない工程数で燃料電池セルが歩留まりよく作製で
きる。また、空気極成形体表面に固体電解質材料、集電
体材料のグリーンシートを順次巻き付け積層した後に同
時に焼成する技術についても開示した(上記2方法を共
焼結と呼ぶこともある)。
【0009】この方法によれば、空気極材料のスラリー
を円筒状に成形して空気極成形体を作製し、この空気極
成形体の表面に、固体電解質材料のスラリーを用いて形
成されたシート状成形体を巻き付けて、空気極成形体の
表面に固体電解質成形体を形成し、前記固体電解質成形
体の端面の間を研磨し、空気極成形体が露出した連続同
一面を形成し、この平面に集電体材料からなるシート状
成形体を固体電解質成形体に一部積層するように積層し
た後、焼成することにより、固体電解質型燃料電池セル
が得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では、固体電解質成形体の端面の間を研磨し、空気極
成形体が露出した連続同一面を形成し、この平面に集電
体材料からなるシート状成形体を固体電解質成形体に一
部積層するように積層した後、焼成していたため、固体
電解質に積層されている集電体部分が焼成中収縮により
外側にソリ上がり、その結果固体電解質にクラックが発
生したり、集電体の外側表面に、固体電解質の端部に沿
ってクラックが生じ易いという問題があった。これによ
り、ガスリークを生じ易くなり、長時間の発電において
出力が低下したり、発電中に円筒状固体電解質型燃料電
池セルが破損する虞があった。
【0011】また、焼成時において集電体にクラックが
発生しなくても、発電中、集電体の残留応力の影響でセ
ルが突然破壊する虞があった。
【0012】本発明は、集電体や固体電解質に発生する
応力を抑制しクラックの発生や破損を防止できる円筒状
固体電解質型燃料電池セルを提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題に対
して検討を重ねた結果、固体電解質の表面に積層される
集電体の端部の厚みを、空気極(燃料極)の表面に積層
される集電体部分の厚みより薄くすることにより、集電
体や固体電解質に発生する応力を抑制できることを見出
し本発明に至った。
【0014】即ち、本発明の円筒状固体電解質型燃料電
池セルは、円筒状の固体電解質の片面に燃料極、他面に
空気極が形成されたセル本体の外面に、前記固体電解質
の内面に形成された前記空気極と電気的に接続する集電
体を設けてなる円筒状固体電解質型燃料電池セルにおい
て、前記固体電解質の一部に切欠部を設けて該固体電解
質の内面に形成されている前記空気極の一部を露出させ
るとともに、この露出面および前記切欠部近傍の前記固
体電解質の端部を前記集電体により被覆してなり、前記
固体電解質に当接する前記集電体の端部の厚みt1 が、
前記空気極に当接する部分の前記集電体の厚みt2 より
も薄いものである。ここで、固体電解質に当接する部分
における集電体が、その端部に向けてほぼ連続的に薄く
形成されていることが望ましい。また、固体電解質に当
接する部分における集電体が研摩されていることが望ま
しい。
【0015】
【作用】本発明の円筒状固体電解質型燃料電池セルで
は、固体電解質に当接する集電体の端部の厚みを、空気
極に当接する部分の集電体の厚みよりも薄くすることに
より、例えば、固体電解質に当接する部分の集電体を、
その端部に向けてほぼ連続的に薄く形成したり、固体電
解質に当接する部分の集電体の端部をC面取りすること
により、焼成時において集電体や固体電解質に作用する
応力を抑制して、集電体の端部の外側へのソリを防止
し、集電体や固体電解質のクラックの発生を抑制でき
る。さらに、集電体や固体電解質に作用する応力を抑制
できるので、発電中における円筒状固体電解質型燃料電
池セルの破損を防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の円筒状固体電解質型燃料
電池セルは、図1に示すように、円筒状の固体電解質3
1の内面に空気極32、外面に燃料極33を形成して燃
料電池セル本体34が構成されており、この燃料電池セ
ル本体34の外面に、空気極32と電気的に接続する集
電体35を設けてなるものである。即ち、固体電解質3
1の一部を切り欠いて固体電解質31の内面に形成され
ている空気極32の一部が露出しており、この露出面3
7および切り欠いた固体電解質31の表面が集電体35
により被覆されている。尚、本発明の円筒型燃料電池セ
ルは、多孔質支持管を形成し、この多孔質支持管の外面
に空気極32、固体電解質31、燃料極33を順次積層
して構成しても良い。
【0017】空気極32と電気的に接続する集電体35
は、燃料電池セル本体34の外面に形成され、連続同一
面39を覆うように形成されており、燃料極33とは電
気的に接続されていない。連続同一面39は、固体電解
質31の内面に形成されている空気極32の一部を露出
させるとともに、固体電解質31の端部36と空気極3
2の露出面37とをほぼ同一面(固体電解質31の端部
と空気極32の露出面37とが段差の少ない平面状態)
として構成されている。この同一面39は固体電解質成
形体の一部と空気極成形体の一部とが同一面近くとなる
までセル本体の外周面を研摩することにより形成されて
いる。
【0018】そして、本発明の円筒状固体電解質型燃料
電池セルでは、図1および図2に示すように、固体電解
質31に当接する部分における集電体35が、その端部
に向けてほぼ連続的に薄く形成されている。つまり、固
体電解質31に当接する集電体35の端部の厚みt
1 が、空気極32に当接する部分の集電体35の厚みt
2よりも薄く形成されている。この場合、薄くなってい
る面は曲面であっても直線的であっても良い。
【0019】集電体35の端部の厚みt1 は、空気極3
2に当接する部分の集電体35の厚みt2 に対して、1
/2程度になることが望ましい。
【0020】また、図3に示すように、固体電解質31
に当接する集電体35の端部をC面取りしてもよい。こ
のC面取りの部分は、集電体35と固体電解質31の重
なり部分の長さxに対してx/3以上で、かつ集電体3
5端部の厚みt1 が、空気極32に当接する部分の集電
体35の厚みt2 に対して1/2程度に制御することが
好ましい。
【0021】本発明の円筒状固体電解質型燃料電池セル
は、例えば、空気極形成粉末からなる円筒状成形体を作
製する工程と、固体電解質形成粉末によりシート状成形
体を作製する工程と、集電体形成粉末によりシート状成
形体を作製する工程と、前記円筒状成形体の表面に前記
固体電解質シート状成形体を巻き付けて積層する工程
と、前記固体電解質シート状成形体の表面に、一部で円
筒状成形体に当接するように前記集電体シート状成形体
を巻き付けて積層する工程と、該円筒状積層物を酸化性
雰囲気中で同時に1300〜1700℃の温度で焼成す
る工程とを具備する製造方法により作製される。
【0022】また、空気極形成粉末によりシート状成形
体を作製する工程と、固体電解質形成粉末によりシート
状成形体を作製する工程と、集電体形成粉末によりシー
ト状成形体を作製する工程と、前記空気極シート状成形
体、前記固体電解質シート状成形体および前記集電体シ
ート状成形体を積層した後に円筒状に形成する工程と、
該円筒状積層物を酸化性雰囲気中で同時に1300〜1
700℃の温度で焼成する工程とを具備する製造方法に
より作製される。
【0023】そして、本発明に示される集電体は、固体
電解質の表面に一部積層するように設けられた部分を端
部に向かってほぼ連続的に薄くなるような集電体のシー
トを用いたり、集電体シートを積層した後に、固体電解
質に当接する集電体の端部をC面取りしたり、あるい
は、固体電解質シートおよび集電体シートが形成された
空気極成形体を適正な温度で仮焼した後、固体電解質の
表面に一部積層するように設けられた部分を端部に向か
ってほぼ連続的に薄くなるよう集電体の仮焼体を研摩し
たり、固体電解質に当接する集電体の仮焼体の端部をC
面取りすることにより得られる。
【0024】以下、本発明の円筒型燃料電池セルの製造
方法について詳述する。本発明の1つの方法によれば、
まず、空気極を形成する粉末を用いて円筒状成形体を作
製する。この円筒状成形体は、例えば、空気極形成粉末
を押出成形したり、静水圧成形(ラバープレス)したり
して形成される。さらに他の方法としては、ドクターブ
レード法などにより空気極形成粉末をシート状に成形し
た後、そのシート状成形体を所定の円柱状支持体の表面
に巻き付けて端部を合わせ接合することによっても円筒
状成形体を作製することができる。円筒状成形体の肉厚
は1〜3mmが適当である。
【0025】空気極を形成する粉末としては、LaMn
3 系組成物からなり、具体的には、Laの15〜20
原子%をCa、Sr、Baなどのアルカリ土類元素によ
り置換したLaMnO3 系組成物や特願平5−8740
6号にて提案されるような組成物などが挙げられ、これ
らは金属酸化物を所定の割合で混合したものを仮焼して
なるLaMnO3 系化合物粉末であることが望ましい。
空気極形成粉末からなるシート状成形体の厚みは100
〜3000μmが適当である。
【0026】次に固体電解質および集電体を形成する粉
末により固体電解質および集電体のシート状成形体をそ
れぞれ作製する。このシート状成形体は、ドクターブレ
ード法や押出成形法により周知の方法で作製される。固
体電解質のシート状成形体の厚みは、焼成後固体電解質
の厚みが10〜500μmになるように制御する必要が
ある。
【0027】固体電解質粉末としては、ZrO2 に対し
てY2 3 、Yb2 3 などの安定化材を3〜15モル
%の割合で固溶させた部分安定化ZrO2 あるいは安定
化ZrO2 粉末、Y2 3 、Yb2 3 、Gd2 3
を10〜30モル%含有するCeO2 粉末が用いられ
る。また、集電体を形成する粉末としては、Ca、M
g、Srを固溶したLaCrO3 が用いられる。
【0028】次に、上記のようにして得られた空気極の
円筒状成形体の表面に固体電解質のシート状成形体を巻
き付けた後、固体電解質のシート状成形体の端部部分を
研摩した後、固体電解質の表面に一部積層するように設
けられた部分を端部に向かってほぼ連続的に薄くなるよ
うな集電体のシート状成形体を積層圧着する。また場合
によっては、固体電解質のシート状成形体の表面に燃料
極のシート状成形体を巻き付けてもよい。各シート状成
形体の間にはアクリル樹脂や有機溶媒などを接着材して
介在させると接着が良くなる。
【0029】上記のようにして得られた積層成形体を酸
化性雰囲気中で円筒状形成体と積層されたシート状成形
体を同時に焼成する。具体的には大気中で1300〜1
700℃で3〜15時間程度焼成することにより、少な
くとも固体電解質が相対密度96%以上の緻密質になる
ように焼成する。なお、空気極は相対密度が60〜75
%程度であれば充分である。焼成温度が1300℃より
低いと、固体電解質が相対密度が96%より小さくなり
ガスリークを起こしセルが作動しない。また、焼成温度
が1700℃より高いと空気極と固体電解質が反応して
セル特性が悪くなる。特に好ましい温度範囲は1400
〜1600℃である。
【0030】燃料極は、得られた空気極と固体電解質、
集電体からなる円筒型の一体焼結体の固体電解質の表面
に、燃料極を形成する粉末からなるスラリーをスクリー
ン印刷などにより塗布するか、または燃料極粉末からな
るシート状成形体を表面に積層圧着した後に酸化性雰囲
気中で1300〜1500℃で焼き付け処理して燃料極
を形成してもよい。なお、燃料極を形成する粉末として
は、CeO2 またはZrO2 (Y2 3 を含有)とNi
O粉末との混合物が好適に使用できる。
【0031】次に、本発明の製造方法の他の方法につい
て説明する。この方法によれば、まず、空気極を形成す
る粉末、固体電解質を形成する粉末、集電体を形成する
粉末により周知のドクターブレード法などによりそれぞ
れシート状成形体を作製する。その後、空気極および固
体電解質のシート状成形体を所定の位置関係になるよう
に積層圧着する。この時の積層圧着は、前述したように
所定の接着剤などを用いるのがよい。
【0032】そして、このようにして得られた積層体を
円筒状に形成する。具体的には任意の円筒状支持体の表
面に、空気極のシート状成形体、固体電解質のシート状
成形体との積層体を、空気極のシート状成形体の端部同
士が当接するか、あるいは端部がわずかに重ね合うよう
に巻き付けて円筒状積層体を作製する。この後、固体電
解質の端部部分を研摩し、この部分に、上記と同様、固
体電解質の表面に一部積層するように設けられた部分を
端部に向かってほぼ連続的に薄くなるような集電体のシ
ート状成形体を積層する。その後、上記円筒状積層体か
ら円筒状支持体を抜き取り、円筒状積層体を前述の方法
と同様な条件、即ち、大気などの酸化性雰囲気中で13
00〜1700℃で3〜15時間程度焼成することによ
り空気極と固体電解質と集電体とを同時に焼成すること
ができる。
【0033】また、燃料極の形成にあたっては、上記と
同様な方法に従い、空気極と固体電解質との形成工程
後、あるいは工程中に形成することができる。なお、こ
の方法において、集電体の形成においては、集電体を空
気極のシート端部の当接部や合わせ部に形成することが
空気極の気密性の点で望ましい。
【0034】
【実施例】実施例1 空気極を形成する粉末としてLa2 3 、MnO2 、C
aCO3 の粉末をLa0.85Ca0.15MnO3 となるよう
に秤量混合した後に、1500℃で仮焼して(La、C
a)MnO3 粉末を得た。この後、これを粉砕して平均
粒子径が8μmの粉末をそれぞれ作製した。また、固体
電解質を形成する粉末として平均粒子径0.5μmのY
2 3 を10モル%の割合で含有する共沈法ZrO2
末を準備した。さらに、燃料極を形成する粉末としてN
iO粉末とZrO2 (Y2 3 含有)粉末を重量比で8
0:20の割合で混合したものを、集電体を形成する粉
末として平均粒子径1μmのLa0.8 Ca0.21CrO3
からなる化合物粉末を準備した。
【0035】まず、上記の8μmの(La、Ca)Mn
3 粉末を水を溶媒としてスラリーを作製し、このスラ
リーを用いて押出成形装置により内径13mm、外径1
6mmの円筒状の空気極成形体を得た。一方、上記固体
電解質としてはY2 3 安定化ZrO2 粉末を、集電体
としてはLa0.8 Ca0.21CrO3 粉末をそれぞれトル
エンを溶媒としてスラリーを作製し、これをドクターブ
レード法により所定厚みのシート状成形体を作製した。
【0036】空気極成形体の表面にアクリル樹脂からな
る接着材を介して、上記固体電解質のシート状成形体を
巻き付け、その端部の間を研摩して連続同一面を形成
し、この連続同一面に集電体のシート状成形体を積層し
て圧着したものを150個作製した。
【0037】その後、50個について固体電解質のシー
ト状成形体に積層した集電体のシート状成形体部分を連
続的に端部に向かって研磨し、端部の厚みt1 が集電体
の中心部の厚みt2 に対して1/2になるように研磨し
た。また、その他の50個について固体電解質のシート
状成形体に積層した集電体のシート状成形体部分xの1
/3の部分で、端部の厚みt1 が集電体の中心部の厚み
2 の1/2になるようC面とり研磨した。後の50個
については何ら研摩しなかった。その後、それぞれ大気
中1500℃で5時間焼成し円筒型燃料電池セルを作製
した。
【0038】燃料極は上述の粉末にトルエンを溶媒とし
てスラリーを作製し、このスラリー中にディップし、乾
燥して燃料極を形成し、図1に示したような円筒型燃料
電池セルを作製した。固体電解質や集電体におけるクラ
ックの有無について目視により観察し、クラックのない
ものを良品として、その良品率を求めたところ、何ら研
摩しなかった従来の円筒状固体電解質型燃料電池セルで
は良品率が30%であったのに対して、連続的に研摩し
た場合には90%、C面取りした場合には80%であ
り、連続的に研磨したもの、およびC面取りをおこなっ
たものは、何ら処理しないものに比較して良品率が極め
て高いことがわかる。
【0039】実施例2 実施例1の良品について、円筒型燃料電池セルの外側に
水素、内側に空気を供給して1000℃で1000時間
発電試験を実施し出力密度を求めた。その結果を、図4
に示す。これより集電体を研磨しないものは、固体電解
質のクラック発生により500時間後急激に出力が低下
したが、集電体を研磨した試料は安定した出力を示すこ
とがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明の円筒状固体電解質型燃料電池セ
ルでは、固体電解質に当接する集電体の端部の厚みを、
空気極に当接する部分の集電体の厚みよりも薄くするこ
とにより、例えば、固体電解質に当接する部分の集電体
を、その端部に向けてほぼ連続的に薄く形成したり、固
電解質に当接する部分の集電体の端部をC面取りするこ
とにより、焼成時において集電体に作用する応力を抑制
して、集電体の端部の外側へのソリを防止し、集電体や
固体電解質のクラックの発生を抑制できる。さらに、集
電体に作用する応力を抑制できるので、発電中における
円筒状固体電解質型燃料電池セルの破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒状固体電解質型燃料電池セルを示
す断面図である。
【図2】図1の集電体近傍を拡大して示す断面図であ
る。
【図3】集電体の端部をC面取りした状態を示す断面図
である。
【図4】出力密度と発電時間との関係を示すグラフであ
る。
【図5】従来の円筒状固体電解質型燃料電池セルを示す
斜視図である。
【符号の説明】
31・・・固体電解質 32・・・空気極 33・・・燃料極 34・・・燃料電池セル本体 35・・・集電体 36・・・固体電解質の端部 37・・・露出面 t1 ・・・集電体の端部の厚み t2 ・・・空気極に当接する部分の集電体の厚み

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状の固体電解質の片面に燃料極、他面
    に空気極が形成されたセル本体の外面に、前記固体電解
    質の内面に形成された前記空気極と電気的に接続する集
    電体を設けてなる円筒状固体電解質型燃料電池セルにお
    いて、前記固体電解質の一部に切欠部を設けて該固体電
    解質の内面に形成されている前記空気極の一部を露出さ
    せるとともに、この露出面および前記切欠部近傍の前記
    固体電解質の端部を前記集電体により被覆してなり、前
    記固体電解質に当接する前記集電体の端部の厚みt
    1 が、前記空気極に当接する部分の前記集電体の厚みt
    2 よりも薄いことを特徴とする円筒状固体電解質型燃料
    電池セル。
  2. 【請求項2】固体電解質に当接する部分における集電体
    が、その端部に向けてほぼ連続的に薄く形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の円筒状固体電解質型燃
    料電池セル。
  3. 【請求項3】固体電解質に当接する部分における集電体
    が研摩されていることを特徴とする請求項1または2記
    載の円筒状固体電解質型燃料電池セル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018098201A (ja) * 2016-12-09 2018-06-21 日本碍子株式会社 燃料電池セル

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