JP3342611B2 - 円筒型燃料電池セルの製造方法 - Google Patents

円筒型燃料電池セルの製造方法

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JP3342611B2
JP3342611B2 JP22311795A JP22311795A JP3342611B2 JP 3342611 B2 JP3342611 B2 JP 3342611B2 JP 22311795 A JP22311795 A JP 22311795A JP 22311795 A JP22311795 A JP 22311795A JP 3342611 B2 JP3342611 B2 JP 3342611B2
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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  • Fuel Cell (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒状の固体電解
質型燃料電池セルを製造するための方法の改良に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来より、固体電解質型燃料電池セルは、
その作動温度が1000℃前後と高温であるため、発電
効率が高く、第3世代の燃料電池として期待されてお
り、一般に円筒型と平板型の2種類の燃料電池が知られ
ている。
【0003】平板型燃料電池セルは、発電の単位体積当
り出力密度が高いという特長を有するが、実用化に際し
てはガスシ−ル不完全性やセル内の温度分布の不均一性
などの問題がある。それに対して、円筒型燃料電池セル
では、出力密度は低いものの、セルの機械的強度が高
く、またセル内の温度の均一性が保てるという特長があ
る。両形状の固体電解質燃料電池セルとも、それぞれの
特長を生かして積極的に研究開発が進められている。
【0004】円筒型燃料電池の単セルは、図1に示すよ
うにLaMnO3 系材料からなる多孔性の空気極層1の
表面に例えば、Y2 3 含有の安定化ZrO2 固体電解
質層2が形成され、さらに固体電解質層2の表面に多孔
性のNi−ジルコニアなどからなる燃料極層3が略同心
円状に形成される。また、セル間を接続するためのLa
CrO3 系材料などからなるインターコネクタ層4が空
気極層1と接続し、固体電解質層2を貫通し、燃料極層
3とは非接触の状態でセルの表面に露出している。燃料
電池のモジュ−ルは、上記構成からなる複数の単セルが
インタ−コネクタ層4を介して接続され、発電は、空気
極層1の内部に空気(酸素)を、外部に燃料(水素)を
流し、1000〜1050℃の温度で行われる。
【0005】このような円筒状燃料電池セルは、例え
ば、固体電解質粉末を押出成形などにより円筒状に成形
し、焼成することにより円筒状焼結体を作製し、その焼
結体の内周面や外周面にスラリーコート法などにより空
気極層あるいは燃料極層を形成して焼成する方法、また
はセラミックスの多孔質支持管あるいは空気極材料を焼
成してなる円筒状焼結体の表面に、スラリーコート法や
電気化学蒸着法(EVD法)、プラズマ溶射法などによ
り空気極層、固体電解質層、燃料極層を順次形成する方
法などが知られている。
【0006】また、安価にセルを作製する方法として空
気極形成粉末からなる円筒状成形体を作製し、この表面
に前記固体電解質シート状成形体および集電体シ−ト状
成形体等を巻き付けて積層し、円筒状積層体を形成して
酸化性雰囲気中で同時に焼成し燃料電池セルを作製す
る、いわゆる共焼結法も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
共焼結法によるセル作製方法は、簡単で量産性に優れ製
造コストが低いという大きな利点があるが、固体電解質
粉末および集電体粉末からなるシ−ト状成形体中にはバ
インダ−の分散不良やあるいは粉末同士の凝集があり、
このため焼成後に電解質や集電体部分にクラックやピン
ホ−ル等の欠陥が生成しセルの歩留まりが悪くなるとい
う問題があった。
【0008】よって、本発明の目的は、共焼結法におい
て、バインダーの分散の不良や、焼結後の各層において
クラックやピンホール等の欠陥のない高歩留りの円筒状
燃料電池セルの製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に対して検討を重ねた結果、共焼結前の積層体を作製
するにあたり、固体電解質形成粉末からなるシート状成
形体および/または集電体形成粉末からなるシ−ト状成
形体をそれぞれ2層以上積層することにより問題を解決
できることを見出だし本発明に至った。
【0010】即ち、本発明は、空気極形成粉末からなる
円筒状成形体の表面に、固体電解質形成粉末からなるシ
ート状成形体と、集電体形成粉末からなるシ−ト状成形
体とを巻き付けて積層した後、該円筒状積層体を酸化性
雰囲気中で1300〜1700℃の温度で共焼成してな
る円筒型燃料電池セルを製造する方法において、前記固
体電解質形成粉末からなるシート状成形体、集電体形成
粉末からなるシ−ト状成形体のいずれか一方を2層以
上、あるいは両方をそれぞれ2層以上積層するととも
に、前記固体電解質形成粉末からなるシート状成形体、
集電体形成粉末からなるシ−ト状成形体の厚みの総和が
それぞれ20〜600μmであることを特徴とするもの
である。
【0011】また、本発明は、空気極形成粉末からなる
シート状成形体と、固体電解質形成粉末からなるシート
状成形体と、集電体形成粉末からなるシ−ト状成形体と
を積層して円筒状に成形した後、この円筒状積層体を酸
化性雰囲気中で1300〜1700℃の温度で共焼成し
てなる円筒型燃料電池セルを製造する方法において、前
記固体電解質形成粉末からなるシート状成形体、集電体
形成粉末からなるシ−ト状成形体のいずれか一方を2層
以上、あるいは両方をぞれぞれ2層以上積層するととも
に、前記固体電解質形成粉末からなるシート状成形体、
集電体形成粉末からなるシ−ト状成形体の厚みの総和が
それぞれ20〜600μmであることを特徴とするもの
である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第1の方法について説明
する。図1は、本発明の製造方法を説明するための円筒
型燃料電池セルの概略図である。図1において、1は、
空気極円筒体、2、2’は固体電解質、3は燃料極層、
4、4’は集電体層である。
【0013】この方法によれば、まず、空気極を形成す
る粉末を用いて円筒状成形体を作製する。この円筒状成
形体は、例えば、空気極形成粉末を押出成形や、静水圧
成形(ラバープレス)などにより成形する。さらに他の
方法としては、ドクターブレード法などにより空気極形
成粉末をシート状に成形した後、そのシート状成形体を
所定の円柱状支持体の表面に巻き付けて端部を合わせ接
合することによっても円筒状成形体を作製することがで
きる。なお、円筒状成形体の肉厚は1〜3mmが適当で
ある。また、空気極形成粉末からなるシ−ト状成形体の
厚みは100〜3000μmが適当である。
【0014】空気極層を形成する粉末としては、LaM
nO3 系組成物からなり、具体的には、Laの15〜2
0原子%をCa、Sr、Baなどのアルカリ土類元素に
より置換したLaMnO3 系組成物や特願平5−874
06号にて提案されるような組成物などが挙げられ、こ
れらは金属酸化物を所定の割合で混合したものを仮焼し
てなるLaMnO3 系化合物粉末であることが望まし
い。
【0015】次に固体電解質層および集電体層を形成す
る粉末により固体電解質および集電体のシート状成形体
をそれぞれ作製する。このシート状成形体は、ドクター
ブレード法や押出成形法により周知の方法で作製され
る。それぞれのシート状成形体の一層の厚みは5〜20
0μmが適当である。
【0016】固体電解質を形成する粉末としては、Zr
2 に対してY2 3 Yb2 3 などの安定化材を3〜
15モル%の割合で固溶させた部分安定化ZrO2 や安
定化ZrO2 、およびY2 3 、Yb2 3 、Gd2
3 等を10〜30モル%含有するCeO2 が用いられ
る。また、集電体層を形成する粉末としては、Ca、M
g、Srを固溶したLaCrO3 が用いられる。
【0017】本発明によれば、この固体電解質のシート
状成形体、あるいは集電体層のシート状成形体のいずれ
か一方を2層以上、あるいは両方をそれぞれ2層以上積
層することが重要である。例えば、固体電解質シート状
成形体を積層する場合、同一組成の2層以上の固体電解
質シート状成形体を重ね合わせ、これを50〜200℃
の温度を加えながら100〜1000kg/cm2 の圧
力で押し付ける熱圧着法により作製するか、または重ね
合わせたものを0.5〜3t/cm2 程度の静水圧プレ
ス(CIP)により圧着して形成し、これを空気極円筒
状成形体の表面に巻き付ける。その他、空気極層、固体
電解質層、燃料極層用の各シート状成形体を空気極円筒
状成形体の表面に巻き付けるのと同様にして、2層以上
の固体電解質のシート状成形体、あるいは2層以上の集
電体層のシート状成形体を順次積層して形成することも
できる。
【0018】この積層工程において、各シート状成形体
の間には、アクリル樹脂や有機溶媒などの接着材を介在
させることもできる。なお、2層以上の固体電解質シー
ト状成形体、あるいは2層以上の集電体層シート状成形
体は、厚みの総和がが20〜600μmとなるようにす
れば良い。積層されたシ−ト状成形体の厚みが20μm
より薄いとシ−ト成形体の取扱いが困難となり、600
μmより厚いと焼成後の電解質層および集電体層の厚み
が500μmを越えるため、電気伝導度が悪くなり所望
の発電性能が得られない。積層されたシ−ト状成形体の
厚みの総和は望ましくは、電解質、集電体とも100〜
300μmがよい。
【0019】次に、上記のようにして得られた2層以上
の固体電解質シート状成形体、あるいは集電体層シート
状成形体を空気極の円筒状成形体の表面に巻き付けて積
層圧着する。また場合によっては、燃料極シート状成形
体も同時に巻き付けてもよい。各シ−ト状成形体の間に
はアクリル樹脂や有機溶媒などを接着材して介在させる
と接着が良くなる。
【0020】上記のようにして得られた円筒状積層体を
酸化性雰囲気中で共焼成する。具体的には大気中で13
00〜1700℃で3〜15時間程度焼成して少なくと
も固体電解質が相対密度96%以上の緻密質になるよう
に焼成する。なお、空気極は相対密度が60〜75%程
度であれば充分である。焼成温度が1300℃より低い
と、固体電解質が相対密度が96%より小さくなりガス
リ−クを起こしセルが作動しない。また、焼成温度が1
700℃より高いと空気極と電解質が反応してセル特性
が悪くなる。特に好ましい温度範囲は1400〜160
0℃である。
【0021】燃料極層は、上記のようにして得られた空
気極層と固体電解質層、集電体層からなる円筒型の一体
焼結体の固体電解質層の表面に燃料極を形成する粉末か
らなるスラリーをスクリーン印刷などにより塗布する
か、または燃料極粉末からなるシ−ト状成形体を固体電
解質表面に積層圧着した後に酸化性雰囲気中で1300
〜1500℃で焼き付け処理して燃料極層を形成しても
よい。なお、燃料極を形成する粉末としては、ZrO2
(Y2 3 を含有)とNiO粉末との混合物がが好適に
使用できる。
【0022】次に、本発明における第2の製造方法につ
いて説明する。この方法によれば、まず、第1の方法と
同様にして、空気極を形成する粉末、固体電解質を形成
する粉末、集電体を形成する粉末により周知のドクター
ブレード法などによりそれぞれシート状成形体を作製す
る。この際、上述の方法により固体電解質および/また
は集電体のシート状成形体については2層以上のシート
状成形体を作製する。
【0023】その後、それらのシート状成形体を用い
て、円筒状に成形する。
【0024】その成形方法としては、図2に示すよう
に、空気極シート状成形体6、固体電解質シート状成形
体7を所定の位置関係になるように接着材等を使用して
積層圧着した後、任意の円筒状支持体5の表面に巻き付
ける。巻き付ける際には、空気極シート状成形体6の端
部同士が当接するか、あるいは端部がわずかに重ね合う
ように巻き付ける。その後、さらに所定の位置に集電体
シート状成形体(図示せず)を巻き付けたのち、上記円
筒状積層体から円筒状支持体5を抜き取り円筒状成形体
を作製する。また、他の方法としては、円筒状支持体5
に対して、空気極シート状成形体6、固体電解質シート
状成形体7および集電体シート状成形体を順次巻き付け
て積層した後、円筒状支持体5を抜き取ることにより円
筒状成形体を作製することができる。
【0025】そして、上記のようにして作製された円筒
状積層体を前述と同様な条件、即ち、大気などの酸化性
雰囲気中で1300〜1700℃で3〜15時間程度焼
成することにより空気極層と固体電解質層とを同時に焼
成することができる。
【0026】また、燃料極層の形成にあたっては、第1
の方法で説明したのと同様な方法に従い、上記空気極層
と固体電解質層との形成工程後、あるいは工程中に形成
することができる。なお、この第2の方法において、集
電体層の形成においては、集電体層を空気極のシート端
部の当接部や合わせ部に形成することが空気極の気密性
の点で望ましい。
【0027】
【作用】本発明によれば、空気極の円筒状成形体あるい
はシート状成形体と、固体電解質のシート状成形体、お
よび集電体のシート状成形体を用いて、これらを積層し
て円筒状の積層成形体を作製して、これを同時焼成する
ことにより、各層を個別に焼成する必要がなく、燃料電
池セルの製造工程を大幅に削減することができる。しか
しながら、この共焼結法においては、バインダーの分散
が不十分な箇所でバインダー揮散後に層を貫くようなピ
ンホールや焼成収縮の不均一からクラックが生じたりす
る。固体電解質や集電体において、このようなクラック
やピンホールが存在すると、ガスのリークが生じたり、
集電性が低下することにより、発電効率が低下する。
【0028】そこで、本発明によれば、共焼結法におい
て、固体電解質および/または集電体を形成するシ−ト
状成形体を、2層以上積層して共焼成することによりシ
ート状成形体中のバインダーの分散不良、粉末同士の凝
集に起因する焼成後のクラック、ピンホ−ルを確実に防
止することができる。
【0029】つまり、図3に示すように、電解質層ある
いは集電層において第1層8において層間を貫くような
クラック9やピンホ−ル10が生じても、第2層11を
積層することにより、第1層目のクラック9やピンホー
ル10は第2層11によって覆われてしまい、焼成中に
おいて埋められてしまうため、電解質層や集電体層を貫
くようなピンホールやクラックの発生を解消することが
できるのである。
【0030】この効果は、2層以上であれば効果が発揮
されるが、より確実に防止するには経済性も考慮すれば
3〜5層が適当である。積層数が5層を越えても特に問
題はない。
【0031】本発明の方法によれば、格別に複雑な成形
装置などを使用することなく、ドクターブレード法や押
し出し成形法などの周知の方法によりシート状成形体を
作製し、これを熱圧着あるいは静水圧プレスにより容易
に積層することができるものである。従って、従来法に
比較して工程数を格段に削減することができるとともに
歩留まりを向上させ量産性を高めることができることか
ら、燃料電池の製造コストをさらに低減することがで
き、製品のローコスト化を図ることができる。
【0032】
【実施例】
実施例1 空気極を形成する粉末としてLa2 3 、MnO2 、C
aCO3 の粉末をLa0.85Ca0.15MnO3 となるよう
に秤量混合した後に1500℃で仮焼して(La、C
a)MnO3 粉末を得た。この後、これを粉砕して平均
粒子径が8μmの粉末をそれぞれ作製した。また、固体
電解質を形成する粉末として平均粒子径0.5μmのY
2 3 を10モル%の割合で含有する共沈法ZrO2
末を準備した。さらに、燃料極を形成する粉末としてN
iO粉末とZrO2 (Y2 3 含有)粉末を重量比で8
0:20の割合で混合したものを、集電体を形成する粉
末として平均粒子径1μmのLa0.8 Ca0.21CrO3
からなる化合物粉末を準備した。
【0033】まず、上記LaCaMnO3 粉末を水を溶
媒としてスラリーを作製し、このスラリーを用いて押出
成形装置により内径13mm、外径16mmの円筒状の
成形体を得た。一方、上記電解質としては上記Y2 3
安定化ZrO2 粉末を、集電体として上記La0.8 Ca
0.21CrO3 粉末をそれぞれトルエンを溶媒としてスラ
リーを作製し、これをドクターブレード法によりそれぞ
れ厚み50〜300μmのシート状成形体を作製した。
そして、電解質および集電体のシート状成形体を表1に
示すようにそれぞれ2〜4層重ね合わせ静水圧プレス
(1t/cm2 )により積層密着したシート状成形体を
作製した。この後、円筒状成形体の表面にアクリル樹脂
からなる接着材を介して、上記電解質のシート状成形体
および集電体のシ−ト状成形体を巻き付け、圧着した。
そしてこの円筒状積層体を1200〜1750℃の焼成
温度で2〜5時間共焼成した。
【0034】この方法により、それぞれ100個づつ試
料を作製し、電解質および集電体に層を貫くようなクラ
ック、ピンホ−ルの有無を観察し、このようなクラック
やピンホールのない良品率を表1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】表1の結果より、電解質および集電体とも
2層以上積層したものは1層のシ−ト状成形体No.1、
2、3を用いた場合に比較していずれもクラック、ピン
ホ−ルが減少して良品率が高くなった。
【0037】実施例2 次に、実施例1と同様にして、電解質シート状成形体、
集電体シート状成形体を表2の層数で積層した後、表2
の焼成温度で2〜5時間共焼成した。そのうち、クラッ
ク、ピンホールのない良品の円筒状焼結体の電解質表面
に燃料極形成粉末を含むスラリーを約100μmの厚み
で塗布し燃料極を形成した後、乾燥し1400℃で3時
間焼成し燃料電池セルを作製した。
【0038】そして、そのセルの内側に酸素ガス、外側
に水素ガスを流し1000℃で1000時間発電して出
力密度を測定した。その結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】表2の結果から明らかなように、1200
℃で共焼成した試料No.11は電解質の焼結性が悪くガ
スリ−クが起こり発電できなかった。また、1750℃
で焼成した試料No.18は出力密度が悪かった。これよ
り、共焼成の焼成温度として1300〜1700℃が好
ましいと考えられる。
【0041】実施例3 実施例1と同じ粉末を用いて、押出成形法により厚み2
mmの空気極のシート状成形体、および50〜300μ
mの固体電解質および集電体のシート状成形体をそれぞ
れ作製した。
【0042】そして、空気極シート状成形体をステンレ
スからなる円柱状の支持体の表面に巻き付けてシート状
成形体の端部同士が当接するようにした。そして、その
当接部に実施例1で作製した表3の層数からなる集電体
シート状成形体を、さらに空気極のシート状成形体表面
に同様に実施例1で作製した表3の層数からなる電解質
のシート状成形体を巻きつけ接合した。
【0043】このようにして作製した円筒状積層体を1
500℃および1600℃の大気中で5時間焼成した。
表3にセル作製数量を100個として電解質あるいは集
電体にクラック、ピンホ−ルがない良品率を表3に示し
た。
【0044】
【表3】
【0045】表3の結果より、電解質および集電体とも
2層以上積層したものは一層のシ−ト状成形体No.2
1、22、23よりクラック、ピンホ−ルが減少して良
品率が高くなることが分かる。
【0046】また、実施例2と同様な方法で発電試験を
実施した結果、No.24〜29とも0.2W/cm2
以上の出力密度を示し、発電性能の高いものであった。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
円筒状燃料電池セルの製造における工程数を格段に削減
することができるとともに歩留まりが向上して量産性を
高めることができることから、燃料電池の製造コストを
大幅に低減することができ、製品のローコスト化を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における円筒型燃料電池セルの構造を説
明するための断面図である。
【図2】本発明の製造方法を一実施例を説明するための
概略図である。
【図3】本発明の製造方法における原理を説明するため
の図である。
【符号の説明】
1 空気極層 2,2’固体電解質 3 燃料極層 4,4’集電体層 5 円筒状支持体 6 空気極シート状成形体 7 固体電解質シート状成形体 9 クラック 10 ピンホール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−111157(JP,A) 特開 平5−82141(JP,A) 特開 平6−260176(JP,A) 特開 平6−283179(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/12 H01M 4/88 H01M 8/02 H01M 8/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気極形成粉末からなる円筒状成形体の表
    面に、固体電解質形成粉末からなるシート状成形体と、
    集電体形成粉末からなるシ−ト状成形体とを巻き付けて
    積層した後、該円筒状積層体を酸化性雰囲気中で130
    0〜1700℃の温度で共焼成してなる円筒型燃料電池
    セルを製造する方法において、前記固体電解質形成粉末
    からなるシート状成形体、集電体形成粉末からなるシ−
    ト状成形体のいずれか一方を2層以上、あるいは両方を
    それぞれ2層以上積層するとともに、前記固体電解質形
    成粉末からなるシート状成形体、集電体形成粉末からな
    るシ−ト状成形体の厚みの総和がそれぞれ20〜600
    μmであることを特徴とする円筒型燃料電池セルの製造
    方法。
  2. 【請求項2】空気極形成粉末からなるシート状成形体
    と、固体電解質形成粉末からなるシート状成形体と、集
    電体形成粉末からなるシ−ト状成形体とを積層して円筒
    状に成形した後、この円筒状積層体を酸化性雰囲気中で
    1300〜1700℃の温度で共焼成してなる円筒型燃
    料電池セルを製造する方法において、前記固体電解質形
    成粉末からなるシート状成形体、集電体形成粉末からな
    るシ−ト状成形体のいずれか一方を2層以上、あるいは
    両方をぞれぞれ2層以上積層するとともに、前記固体電
    解質形成粉末からなるシート状成形体、集電体形成粉末
    からなるシ−ト状成形体の厚みの総和がそれぞれ20〜
    600μmであることを特徴とする円筒型燃料電池セル
    の製造方法。
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