JP4859279B2 - 固体電解質形燃料電池セル及び燃料電池 - Google Patents

固体電解質形燃料電池セル及び燃料電池 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体電解質の片面に空気極を、他面に燃料極を形成してなり、空気極又は燃料極に電気的に接続され表面に深さ5〜30μmの凹部が形成された集電体を具備するとともに、Snが溶解した塩酸溶液中に浸漬した後、続いてPd溶液中に浸漬し、さらにNi無電解メッキ液に浸漬して揺動してメッキ処理することで形成された、集電体表面にNiメッキ層を有する固体電解質燃料電池セル及び燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来技術】
固体電解質燃料電池セルはその作動温度が900〜1050℃と高温であるため発電効率が高く、第3世代の発電システムとして期待されている。
【0003】
一般に固体電解質燃料電池セルには、円筒型と平板型が知られている。平板型の固体電解質燃料電池セルは、発電の単位体積当たり出力密度が高いという特徴を有するが、実用化に関してはガスシール不完全性やセル内の温度分布の不均一性などの問題がある。それに対して、円筒型の固体電解質燃料電池セルでは、出力密度は低いものの、セルの機械的強度が高く、またセル内の温度の均一性が保てるという特徴がある。両形状の固体電解質燃料電池セルとも、それぞれの特徴を生かして積極的に研究開発が進められている。
【0004】
円筒型の固体電解質燃料電池セルは、例えば図1、2に示すように開気孔率30〜40%程度のLaMnO系材料からなる多孔性の空気極30を形成し、その表面にY含有のZrOからなる固体電解質31を形成し、さらにこの表面に多孔性のNi−ジルコニアの燃料極33を設けて構成されている。
【0005】
固体電解質31から露出した空気極30の表面には、空気極30と電気的に接続する集電体35が形成されており、この集電体35表面には、高効率で電流を取り出すためのNiメッキ層40が形成されている。
【0006】
燃料電池のモジュールにおいては、各単セルはLaCrO3系の集電体(インターコネクタ)35、Niメッキ層40を介して接続される。発電は、空気極30内部に空気(酸素)を、外部に燃料(水素)を流し、1000〜1050℃の温度で行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような固体電解質燃料電池セルでは、外部回路又はセル同士の電気的な接続の為に集電体35表面に形成されたNiメッキ層40が発電中に剥離し易く、剥離した部分において集電体35とNiメッキ層40の導通が損なわれ、発電特性が低下するという問題があった。
【0008】
即ち、装飾用のメッキ層は、その用途上、1μm以下と薄くても問題ないが、固体電解質燃料電池セルは、導電率を高くするためNiメッキ層の厚みも3μm以上と厚くする必要がある。このようにNiメッキ層が3μm以上と厚くなればなるほど、Niメッキ層に引張応力が発生し易く、Niメッキ層が集電体表面から剥離し易く、発電特性が低下し易いという問題があった。
【0009】
また、固体電解質燃料電池セルは、発電するため1000℃程度の高温雰囲気中に晒される必要があるが、このような高温においてはNiメッキ層の結晶化が進行して内部応力が発生し、Niメッキ層が集電体から剥離し易く、発電特性が低下し易いという問題があった。
【0010】
本発明者は、発電中におけるNiメッキ層の集電体表面からの剥離の原因について検討したところ、集電体表面にはNiメッキ層との導通を効率よく行なう為に深さ5〜30μm程度の凹部を形成することが行われているが、このような凹部を形成した場合には、メッキ処理中に凹部内においてメッキ液のよどみが生じたり、メッキ液から発生したガスが付着するなどして集電体表面のNiメッキ層の形成が阻害され、セル作製時においてNiメッキ層と集電体との非接触部の面積比率が大きくなり、高温還元雰囲気中で発電した際に非接触部を起点としてNiメッキ層が集電体から剥離し易いことが判った。そのために集電体とNiメッキ層間の接触抵抗が増大し、発電特性の低下を生じるということが判った。
【0011】
また、集電体表面のNiメッキ層は、無電解メッキのみ又は無電解メッキと電解メッキの組み合わせで形成される。無電解メッキは、まずSn溶液中に集電体表面を浸漬し、この後、Pd溶液中に浸漬し、SnをPdで置換し、この後Niメッキ液に集電体表面を浸漬して行われるが、メッキ被覆面積をより多く確保するため、Sn溶液中に浸漬する触媒付与が過剰に行われた場合、その前処理剤(Sn)がPdで置換しきれずに残留して、これにより発電中におけるNiメッキ層の剥離を促進してしまうことが判った。
【0012】
特に、Niメッキ層の厚みを3μm以上と厚く形成した場合には、セル作製時に発生する引張の内部応力により、集電体との非接触部の面積比率が非常に大きくなることが判った。
【0013】
本発明は、発電中におけるNiメッキ層の集電体からの剥離を抑制できる固体電解質燃料電池セル及び燃料電池を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体電解質燃料電池セルは、緻密質の固体電解質の片面に多孔性の空気極を、他面に多孔性の燃料極を形成してなり、前記空気極又は前記燃料極に電気的に接続され表面に深さ5〜30μmの凹部が形成された緻密質の集電体を具備するとともに、Snが溶解した塩酸溶液中に浸漬した後、続いてPd溶液中に浸漬し、さらにNi無電解メッキ液に浸漬して揺動してメッキ処理することで形成された、Niメッキ層と前記集電体との非接触部の割合が、前記Niメッキ層の全面積に対して1〜10%であることを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、Niメッキ層と集電体との非接触部の割合を、Niメッキ層の全面積に対して1〜10%と小さくしたので、発電中におけるNiメッキ層の集電体からの剥離を抑制でき、集電体とNiメッキ層間の接触抵抗を小さくすることができ、発電性能を高く維持することができる。
【0016】
また、本発明の固体電解質燃料電池セルでは、集電体表面に深さ5〜30μmの凹部が形成されており、該凹部が形成された集電体の表面にNiメッキ層が形成されている。このような構成によれば、集電体とNiメッキ層との導通を効率よく行なうことができる。
【0017】
さらに、本発明の固体電解質燃料電池セルでは、Niメッキ層の厚みが3μm以上であることが望ましい。このような厚いNiメッキ層を形成することにより、導電率を高くすることができる。
【0018】
本発明の燃料電池は、反応容器内に、上記した固体電解質燃料電池セルを複数収容してなるものである。本発明の燃料電池では、上記したように、発電中において、固体電解質燃料電池セルのNiメッキ層が集電体から剥離し難いため、燃料電池の発電性能劣化を抑制でき、発電特性を高く維持できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の円筒状固体電解質燃料電池セルは、図1、2に示すように、円筒状の多孔性セラミックスからなる空気極30の表面に緻密質セラミックスからなる固体電解質31を形成し、この固体電解質31の表面に多孔性燃料極33を形成してセル本体34が構成されており、このセル本体34の外面に、空気極30と電気的に接続する緻密質セラミックスからなる集電体35が形成されている。集電体35表面にはNiメッキ層40が形成されている。発電中のセルの内部は大気雰囲気に、外部は水素雰囲気に晒されることになる。
【0020】
空気極30と電気的に接続する集電体35はセル本体34の外面に形成され、ほぼ段差のない連続同一面39を覆うように形成されており、燃料極33とは電気的に接続されていない。集電体35の表面には、図3に示すように、深さ5〜30μmの溝状の凹部43が形成されており、この凹部43が形成された集電体35の表面に、厚さ3μm以上のNiメッキ層40が形成されている。この集電体35は、図2に示したように、セル同士を接続する際に、他のセルの燃料極にNiフェルト45を介して電気的に接続され、これにより燃料電池モジュールが構成される。
【0021】
連続同一面39は、固体電解質成形体の両端部と空気極成形体の一部とが連続したほぼ同一面となるまで、固体電解質成形体の両端部間を研摩することにより形成される。
【0022】
そして、本発明の固体電解質燃料電池セルでは、図3に示すように、Niメッキ層40と集電体35との非接触部47の割合が、Niメッキ層40の全面積に対して1〜10%であることを特徴とする。
【0023】
非接触部47の割合は、Niメッキ層40が形成された部分の一断面における所定線分長に対して、Niメッキ層40が集電体35に接触していない部分の線分の長さの割合を、非接触部47の面積比率とした。
【0024】
このように、非接触部47の割合をNiメッキ層40の全面積に対する割合を1〜10%としたのは、Niメッキ層40が3μm以上と厚くなれば、その引張内部応力によりNiメッキ層40が集電体35に接触していない部分が1%以上発生するからであり、また、非接触部47の割合が10%よりも大きい場合には、1000℃程度の高温での発電において、この非接触部47を起点としてNiメッキ層40の剥離が発生し、発電特性が低下するからである。
【0025】
非接触部47の割合は、発電特性を高く維持するという点、およびNiメッキ層40の剥離を抑制するという点から、1〜5%であることが望ましい。
【0026】
また、Niメッキ層40の厚みを3μm以上としたのは、3μmよりも薄い場合にはNiメッキ層の導電率が小さくなるからであり、Niメッキ層40に作用する引張内部応力を考慮すると5μm以下であることが望ましい。
【0027】
本発明は、セルの最大外径が10mm以下、特に5mm以下の場合に好適に使用できる。このような小径のセルでは、メッキされる集電体表面が曲面になる傾向があり、このような曲面に形成されたNiメッキ層40には特に内部応力が発生し易いからである。
【0028】
固体電解質31は、例えば3〜20モル%のY23あるいはYb23を含有した部分安定化あるいは安定化ZrO2が用いられ、空気極30は、例えば、La及びMnを含有するペロブスカイト型複合酸化物を主成分とするもので、Caを酸化物換算で8〜10重量%、希土類元素のうち少なくとも一種を酸化物換算で10〜20重量%含有しても良い。希土類元素としては、Y、Nd、Dy、Er、Yb等があり、このうちでもYが望ましい。燃料極33としては、例えば、50〜80重量%Niを含むZrO2(Y23含有)が用いられる。
【0029】
集電体35は、金属元素としてLa、Cr及びMgを含有するぺロブスカイト型結晶を主結晶とするものであり、希土類元素やアルカリ土類金属元素を含有するものであっても良い。集電体35には、さらにMgO結晶を含有することが、集電体35の熱膨張係数を高くして、固体電解質31や空気極30のそれと一致させることができるため望ましい。
【0030】
以上のように構成された固体電解質燃料電池セルは、以下のようにして作製できる。例えば、円筒状の空気極成形体(又は空気極仮焼体)の外表面に、ドクターブレード法により作製した固体電解質シートを、その両端が離間するように(開口部が形成されるように)貼り付け、仮焼した後、固体電解質仮焼体の両端間が同一平面となるまで研摩し、この部分にイットリアスラリーを用いてドクターブレード法により作製した集電体シートを貼り付ける。このときの集電体シートには、シートとナイロンメッシュを重ねあわせてPETフィルムに挟み込んでものを静水圧プレスを行なうことによって、集電体シート表面に凹部を形成したものを用いる。
【0031】
この後、固体電解質シートの表面に燃料極シートを貼り付け、その後1400〜1600℃の温度で2〜10時間大気中にて焼成して作製される。燃料極シートは、セルの長さ方向端部には貼り付けないようにようにする。このセル端部の燃料極非形成部分に封止処理が行われる。
【0032】
即ち、セルに形成された固体電解質上の集電体端部の段差を研削してセル外面を平坦化し、セル外面にジルコニアスラリーを塗布してキャップ形状成形体を外嵌し、1150〜1400℃の温度で1〜3時間大気中にて焼成して封止する。
【0033】
そして、セルの集電体表面にNiメッキ層40を形成する。Niメッキ層40を形成しない部分に目張りを施し、Niメッキ層40を形成する部分をSnが溶解した塩酸溶液中に浸漬して、無電界メッキ触媒付与前処理を行い、この後、Pd溶液中に浸漬し、無電界メッキ触媒活性前処理を行い、この後にNi溶液による無電界メッキを行なった。
【0034】
この際、無電界メッキ触媒付与前処理時のSnが、無電界メッキ触媒活性前処理時のPdにより全て置換されるように、言い換えれば無電界メッキ触媒付与前処理時のSnが残存しないように、浸漬時間を制御することが重要である。
【0035】
また、セルをNi無電界メッキ液とともに、例えば管などの容器中に入れて封をし、容器ごと揺動させながら60〜80℃の恒温水槽中に1〜20分間浸して集電体表面にNiメッキ層40を形成することも重要である。
【0036】
次に、外部の回路と接続するために、Niメッキ層40上にNiペーストを塗布してNiフェルトをはりつけ、還元雰囲気下にて900〜1100℃で焼き付けることにより、本発明の固体電解質燃料電池セルを作製することができる。
【0037】
以上のように構成された固体電解質燃料電池セルは、集電体表面にNiメッキ層を形成する際、メッキ液に揺動を与えて集電体表面の凹部内部に新鮮なメッキ液を効率よく供給するとともに、凹部内部に発生したガスを即座に排出し、かつ、集電体とNiメッキ層の界面に残留する活性化前処理剤の残留を抑えることにより、集電体表面に生じるNiメッキ層の非接触部の発生を抑制して、発電中において集電体とNiメッキ層間に安定した導通を確保でき、安定した高い発電特性を維持できる。
【0038】
本発明の燃料電池は、例えば、図4に示すように、反応容器51内に、酸素含有ガス室仕切板53、燃焼室仕切板55、燃料ガス室仕切板57を用いて酸素含有ガス室A、燃焼室B、反応室C、燃料ガス室Dが形成されている。反応容器51内には、上記した複数の有底筒状の固体電解質燃料電池セル59が収容されており、これらの固体電解質燃料電池セル59は、燃焼室仕切板55に形成されたセル挿入孔60に挿入固定されており、その開口部61は燃焼室仕切板55から燃焼室B内に突出しており、その内部には酸素含有ガス室仕切板53に固定された酸素含有ガス導入管63の一端が挿入されている。燃焼室仕切板55には、余剰の未反応燃料ガスを反応室Cから燃焼室Bに排出するために、複数の排気孔64が形成されており、燃料ガス室仕切板57には、燃料ガス室Dから反応室C内に供給するための供給孔が形成されている。
【0039】
また、反応容器51には、例えば水素からなる燃料ガスを導入する燃料ガス導入口65、例えば、空気を導入する酸素含有ガス導入口67、燃焼室B内で燃焼したガスを排出するための排気口69が形成されている。
【0040】
このような固体電解質燃料電池は、酸素含有ガス室Aからの酸素含有ガス、例えば空気を、酸素含有ガス導入管63を介して固体電解質燃料電池セル59内にそれぞれ供給し、かつ、燃料ガス室Dからの燃料ガスを複数の固体電解質燃料電池セル59間に供給し、反応室Cにて反応させ発電し、余剰の空気と未反応燃料ガスを燃焼室Bにて燃焼させ、燃焼したガスが排気口69から外部に排出される。
【0041】
尚、本発明の燃料電池は、上記した図4の燃料電池に限定されるものではなく、反応容器内に、上記した燃料電池セルを複数収容していれば良い。
【0042】
【実施例】
空気極を形成する粉末としてLaMnO3系粉末を用い、焼結時の収縮率を制御するためにポア形成剤を添加し、押し出し成形により外径9mm、内径6mmの中空の円筒状成形体を作製し、これを仮焼した。一方、固体電解質として市販の平均粒径が0.6μmの10モル%Y23/90モル%ZrO2組成の粉末と、集電体として金属元素La、Mg、Crからなるペロブスカイト型酸化物粉末、及びLa23、MgOからなる粉末に有機系粘結剤を混合し、ドクターブレード法によってそれぞれ厚み120μmのグリーンシートからなる集電体シート、厚みが120μmのグリーンシートからなる固体電解質シートを作製した。
【0043】
集電体シートの片面には#400のナイロンメッシュを重ねてペットフィルムに挟み、200〜1000kgf/cm2の圧力にて静水圧プレスすることにより、集電体シートの表面に溝状の凹部を形成した。尚、プレス圧を変化させることにより、凹部の深さを制御した。
【0044】
次に、上記空気極材料からなる円筒状仮焼体表面に固体電解質シートを巻き付け1100度で仮焼し、固体電解質仮焼体の両端部間を研磨して平坦化し、この部分にイットリアスラリーを塗布して集電体シートを積層し、大気中において1500℃で3時間焼成した。
【0045】
さらに、焼成後にセル開口端付近を研削して平坦化し、この部分にジルコニアスラリーを塗布してキャップ形状成形体を外嵌し、1300℃で1時間焼成した。
【0046】
この後、セルのNiメッキ層を形成しない部分に目張りを施し、Niメッキ層を形成する部分をSnが溶解した塩酸溶液中に、表1に記載した時間浸漬して、無電界メッキ触媒付与前処理を行い、この後、Pd溶液中に1分間浸漬し、無電界メッキ触媒活性前処理を行い、この後に、セルをNi無電界メッキ液とともに管中に入れて封をし、管を軸方向に揺動させながら70℃の恒温水槽中に1〜20分浸して集電体表面にNiメッキ層を形成した。浸漬時間を変更することにより、Niメッキ層の厚みを変化させた。Ni無電解メッキ液に浸漬中の揺動について、単位時間当りの揺動回数を30〜150回/分の間で変化させて試料を作製した。尚、試料No.6〜9については揺動回数を150回/分とした。
【0047】
得られたセルの集電体とNiメッキ層との界面を鏡面処理し、界面付近の前処理成分Snの残留有無をEPMA分析により測定した。さらに、Niメッキ層が形成された集電体部分の断面を500μmにわたって顕微鏡観察し、集電体とNiメッキ層の非接触部の長さを測定し、界面500μmあたりの集電体とNiメッキ層の非接触部分長の割合を算出した。
【0048】
さらに、1000℃水素雰囲気下で1000時間発電を行い、0.5A/cm2の電流密度をセルに与えて初期と1000時間後の集電体とNiメッキ層間における電位降下を測定した。これらの結果を表1に記載した。
【0049】
【表1】
Figure 0004859279
【0050】
この表1より、Niと集電体の非接触部分長の割合が20%以上だと初期の電位降下が100mVを超えてしまい、また、10%を超えると1000時間発電後の電位降下が100mVを超え、さらにNiメッキ層の剥離が生じることが判る。また、集電体とNiメッキ層の界面から前処理時のSn成分が検出されると、Niメッキ層が発電中に剥離することが判る。
【0051】
非接触部の割合を小さくしようとした場合には前処理時間の延長が必要であり、過剰に延長すると、非接触部の割合は小さくなるものの、Snが残留してしまい発電中のメッキ剥離を起こすことが判る。
【0052】
さらに、管中に入れたものの揺動しなかった場合には、非接触部の割合は22%と大きく、発電後の電位降下が大きくなることが判る。
【0053】
これに対して、本発明では、発電後においてNiメッキ層の剥離が生じず、発電初期の電位降下が小さく、1000時間発電後においても電位降下が小さかった。
【0054】
【発明の効果】
本発明の固体電解質燃料電池セルでは、Niメッキ層と集電体との非接触部の割合を、Niメッキ層の全面積に対して1〜10%と小さくしたので、発電中におけるNiメッキ層の集電体からの剥離を抑制でき、集電体とNiメッキ層間の接触抵抗を小さくすることができ、発電特性を高く長期間維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体電解質燃料電池セルを示す斜視図である。
【図2】固体電解質燃料電池セルの横断面図である。
【図3】Niメッキ層及びその近傍を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の燃料電池を示す説明図である。
【符号の説明】
30・・・空気極
31・・・固体電解質
33・・・燃料極
35・・・集電体
40・・・Niメッキ層
43・・・凹部
47・・・非接触部
51・・・反応容器
59・・・固体電解質燃料電池セル

Claims (3)

  1. 固体電解質の片面に多孔性の空気極を、他面に多孔性の燃料極を形成してなり、前記空気極又は前記燃料極に電気的に接続され表面に深さ5〜30μmの凹部が形成された集電体を具備するとともに、Snが溶解した塩酸溶液中に浸漬した後、続いてPd溶液中に浸漬し、さらにNi無電解メッキ液に浸漬して揺動してメッキ処理することで形成された、Niメッキ層と前記集電体との非接触部の割合が、前記Niメッキ層の全面積に対して1〜10%であることを特徴とする固体電解質燃料電池セル。
  2. Niメッキ層の厚みが3μm以上であることを特徴とする請求項1記載の固体電解質燃料電池セル。
  3. 反応容器内に、請求項1または2に記載の固体電解質燃料電池セルを複数収容してなることを特徴とする燃料電池。
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