JP3447541B2 - 円筒状固体電解質型燃料電池セル及び燃料電池 - Google Patents

円筒状固体電解質型燃料電池セル及び燃料電池

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JP3447541B2 JP35693297A JP35693297A JP3447541B2 JP 3447541 B2 JP3447541 B2 JP 3447541B2 JP 35693297 A JP35693297 A JP 35693297A JP 35693297 A JP35693297 A JP 35693297A JP 3447541 B2 JP3447541 B2 JP 3447541B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒状固体電解質
型燃料電池セル及び燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、固体電解質型燃料電池セルは、
その作動温度が1000〜1050℃前後と高温である
ため発電効率が高く、第3世代の燃料電池として期待さ
れている。一般に、固体電解質型燃料電池セルには、円
筒型と平板型の2種類のものが知られている。
【0003】平板型燃料電池セルは、発電の単位体積当
り出力密度が高いという特長を有するが、実用化に際し
てはガスシール不完全性やセル内の温度分布の不均一性
などの問題がある。それに対して、円筒型燃料電池セル
では、出力密度は低いものの、セルの機械的強度が高
く、またセル内の温度の均一性が保てるという特長があ
る。両形状の固体電解質燃料電池セルとも、それぞれの
特長を生かして積極的に研究開発が進められている。
【0004】円筒型燃料電池の単セルは、図4に示すよ
うにLaMnO3 系材料からなる多孔性の空気極層1の
表面に、例えば、Y2 3 含有の安定化ZrO2 からな
る固体電解質層2が形成され、さらに固体電解質層2の
表面に多孔性のNi−ジルコニアなどからなる燃料極層
3が設けられている。
【0005】そして、各セル間を接続するためのLaC
rO3 系材料などからなる集電体(インターコネクタ)
4が固体電解質層2を貫通し、空気極層1と電気的に接
続しており、燃料極層3とは非接触の状態でセルの表面
に露出している。
【0006】燃料電池モジュールは、上記構成からなる
セルの集電体4と、他のセルの燃料極層が、金属ペース
ト層、金属フェルト、金属ペースト層を介して接続され
ている。即ち、集電体4表面および他のセルの燃料極層
表面に金属ペースト層を形成し、これらの金属ペースト
層の間に金属フェルトを介装することにより、セル同士
が接続されている。
【0007】発電は、空気極層1の内部に空気(酸素)
6を、外部に燃料(水素)7を流し、1000〜105
0℃の温度で行われる。発電と同時に、金属ペースト
層、金属フェルトが、集電体4と他のセルの燃料極層と
の間で焼き付けられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、セル同
士を金属ペースト層および金属フェルトを介して接続す
る場合、金属ペースト層に対してセラミックスからなる
集電体4は導電性がはるかに小さいため、金属ペースト
層と集電体4界面の接触が不十分となる場合があり、通
電性が低下するという問題があった。また、金属ペース
ト層と集電体4の界面は接着が脆弱であり、剥離が発生
し易いという問題があった。
【0009】即ち、従来、例えば、燃料電池セルの集電
体4と、他の燃料電池セルの燃料極層を金属ペースト
層、金属フェルト、金属ペースト層を介して接続する場
合には、集電体4の表面、および他のセルの燃料極層の
表面に金属ペーストを塗布した後、これらの金属ペース
トの間に金属フェルトを介装し、発電時の加熱により集
電体4と他のセルの燃料極層が電気的に接続されるが、
集電体4の表面に金属ペーストを塗布すると、この塗布
面と集電体4との間に気泡が入ったり、また、金属ペー
スト中に含有されるバインダーを脱脂した際に形成され
る気泡等により、集電体4と金属ペースト層の界面に非
接触部分ができ、これにより集電体4と他のセルの燃料
極層の間で剥離が生じたり、非接触部分の存在により界
面間の通電性が低下し、燃料電池の内部抵抗が増加し、
発電性能を低下させるという問題があった。
【0010】ところで、金属ペースト層に対してセラミ
ックスからなる集電体4は導電性がはるかに小さいた
め、金属ペースト層と集電体との導通抵抗が大きい。そ
こで、この導通抵抗を小さくするために、集電体表面に
凹部を形成して表面積を大きくすることが行なわれる
が、この場合、集電体表面に金属ペーストを塗布する
と、この金属ペーストが集電体表面の凹部の隅まで充填
されず、集電体と金属ペースト層の界面に非接触部分が
でき易いという問題があった。
【0011】本発明は、一方のセルの集電体と他方のセ
ルの燃料極層との機械的および電気的接続を向上できる
円筒状固体電解質型燃料電池セル及び燃料電池を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決させるための手段】本発明者は上記課題に
つき鋭意検討した結果、集電体の表面に凹部を形成する
とともに、この集電体の表面に所定の膜厚の金属メッキ
膜を形成すると、この金属メッキ膜が集電体の凹部の隅
まで充填され、この金属メッキ膜の表面に金属ペースト
を塗布し、他のセルの燃料極に金属ペーストを塗布し、
その間に金属フェルトを介装することにより、セル相互
間の接合強度および通電性を向上できることを知見し、
本発明に至った。
【0013】即ち、本発明の円筒状固体電解質型燃料電
池セルは、円筒状の固体電解質の内面に空気極層、外面
に燃料極層を形成してなり、前記空気極に電気的に接続
され、外面に露出する集電体を有する円筒状固体電解質
型燃料電池セルにおいて、前記集電体の外面に深さ10
〜30μmの凹部を形成するとともに、この集電体の外
面に厚み0.3〜15μmの金属メッキ膜を形成し、該
金属メッキ膜の外面に金属ペースト層を送電部材ととも
に焼き付けてなるものである。また、本発明の燃料電池
は、円筒状の固体電解質の内面に空気極層、外面に燃料
極層を形成してなり、前記空気極に電気的に接続され、
外面に露出する集電体を有するとともに、前記集電体の
外面に深さ10〜30μmの凹部が形成され、かつ該凹
部が形成された集電体の外面に厚み0.3〜15μmの
金属メッキ膜が形成され、さらに該金属メッキ膜の外面
に金属ペースト層が形成された複数の円筒状固体電解質
型燃料電池セルを、一方の前記円筒状固体電解質型燃料
電池セルの金属メッキ膜に形成された金属ペースト層
と、他方の前記円筒状固体電解質型燃料電池セルの燃料
極層に形成された金属ペースト層との間に送電部材を介
装し、前記金属ペースト層を前記送電部材とともに前記
円筒状固体電解質型燃料電池セルに焼き付けることによ
り電気的に接続してなるものである。
【0014】また、集電体の表面に形成される金属メッ
キ膜の円周方向の両端面は、集電体の円周方向における
両端面よりも0.5mm以上内側に形成されていること
が望ましい。
【0015】そして、本発明の円筒状固体電解質型燃料
電池セルを用いて作製された燃料電池は、円筒状の固体
電解質層の内面に空気極層、外面に燃料極層が形成して
なり、前記空気極に電気的に接続され、外面に露出する
集電体を有する円筒状固体電解質型燃料電池セルと、円
筒状固体電解質型燃料電池セルの集電体と他の円筒状固
体電解質型燃料電池セルの前記燃料極とを電気的に接続
する送電部材を具備してなる燃料電池において、前記円
筒状固体電解質型燃料電池セルの集電体外面に凹部を形
成するとともに、この集電体外面に厚み0.3〜15μ
mの金属メッキ膜を形成し、この金属メッキ膜の表面に
金属ペースト層を形成し、該円筒状固体電解質型燃料電
池セルの金属ペースト層と他の燃料極層に形成された金
属ペースト層との間に、金属を主成分とする金属繊維の
集合体からなる送電部材を介装してなるものである。
【0016】
【作用】一般に、セラミックスからなる集電体の表面は
ミクロンオーダーの結晶粒による凸凹が形成されている
ため、金属ペーストを塗布しても気泡等をかみ込んで非
接触部分ができてしまう。また、金属ペースト自身も気
泡を内包しやすい。特に、集電体の表面積をさらに増や
そうとして数十μmから数百μm程度の凹凸を人為的に
形成した場合、凹部の角などに金属ペーストとの非接触
部分を生じ易くなる。さらに、金属ペーストには粘度調
整のために樹脂成分を含有しているため、脱バイ時に空
孔が生じ易い。
【0017】金属ペーストと集電体の界面では、こうい
った非接触部分を開始点として剥離が成長するおそれが
あり、また、この非接触部分の存在により通電性が低下
する。集電体と金属の接触を向上させるには、上記のよ
うな集電体の凹部の内部にまで金属成分を浸入させなく
てはならない。そのためには金属ペーストの様な粘度が
高い物ではなく、粘度の低い液体(メッキ液)を用いる
必要がある。
【0018】本発明の円筒状固体電解質型燃料電池セル
では、集電体の表面に深さ10〜30μmの凹部を形成
するとともに、メッキによる0.3〜15μmの緻密な
金属メッキ膜を形成したため、集電体の表面の凹部の隅
々まで金属メッキ膜を充填することができ、セラミック
スからなる集電体と金属の間の気泡のかみ込みを防ぐこ
とができる。
【0019】メッキによる金属層の形成は、低粘度のメ
ッキ液を用いるため、人為的に集電体の表面に凸凹を形
成してもその内部まで容易にメッキ液が浸入して金属メ
ッキ膜を形成できる。よって、この金属メッキ膜の上面
に金属ペーストを塗布し、他のセルの燃料極層にも金属
ペーストを塗布し、これらの間に金属フェルトを介装
し、加熱して燃料電池モジュールを構成すると、集電体
の表面に、接触効率の高い金属メッキ膜と金属ペースト
塗布膜による金属層を形成できるため、この金属層と集
電体間の非接触部分を低減し、金属層と集電体間の機械
的および電気的接続を向上させ、これにより、燃料電池
セル間の剥離を防止し、内部抵抗を低減させ、セル間の
通電性を向上させ、発電性能を向上させることができ
る。
【0020】また、集電体の外面に深さ10〜30μm
の凹部を形成したため、集電体の外面の表面積が拡大
し、セラミックスからなる集電体と金属層との抵抗が小
さくなり導通性を向上できる。
【0021】さらに、凹部を有する集電体の表面に金属
メッキ膜を一様な厚みで形成することにより、金属メッ
キ膜表面にも10〜30μmの凹部が形成され、これに
より、金属メッキ膜と金属ペースト層の界面が噛み合わ
せの状態になり、強固に接合することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の円筒状固体電解質型燃料
電池セルは、例えば、図1に示すように、LaMnO3
系材料からなる多孔性の空気極層1の表面に固体電解質
層2が形成され、さらに固体電解質層2の表面に燃料極
層3が設けられている。
【0023】そして、各セル間を接続するためのLaC
rO3 系材料などからなる集電体4が固体電解質層2を
貫通し、空気極層1と電気的に接続しており、燃料極層
3とは非接触の状態でセルの表面に露出している。
【0024】そして集電体4の外面には、深さ10〜3
0μmの凹部9が形成され、この集電体4の外面に、厚
み0.3〜15μmの金属メッキ膜11が均一に形成さ
れている。この金属メッキ膜11の外面にも凹部が形成
されており、この凹部は、集電体4の外表面に形成され
た凹部9が、金属メッキ膜11表面に反映されたもので
ある。金属メッキ膜11に形成された凹部により、この
上に塗布される金属ペースト層との接触面積が増加し、
接着強度が向上する。金属メッキ膜11としては、Ni
からなる金属メッキ膜が最も望ましい。
【0025】集電体4の凹部9の深さを10〜30μm
としたのは、凹部9の深さが10μmよりも小さい場合
には金属ペースト層との接合強度向上効果が小さく、剥
離が生じやすいからであり、30μmよりも大きくなる
と、焼成等において凹部9を起点として集電体4にクラ
ックが生じ易くなるからである。凹部9の幅は20〜8
0μmが望ましい。
【0026】また、金属メッキ膜11の厚みを0.3〜
15μmとしたのは、金属メッキ膜11が0.3μmよ
りも薄い場合には、高温で長時間運転することにより金
属が凝縮し、一部集電体の表面が露出し、接触面積が低
下し、発電特性が劣化するからである。また、15μm
よりも厚い場合には、金属メッキ膜11が剥離し、発電
特性が劣化するからである。この金属メッキ膜11の厚
みは、上記理由から特に、1〜10μmが望ましい。
【0027】金属メッキ膜11は、例えば、ほう酸ニッ
ケル系無電解メッキやワット浴などの電解メッキにより
一定の厚みで集電体4の表面に一様に形成する。金属メ
ッキ膜11を、凹部9が形成された集電体4表面に一様
に形成することにより、金属メッキ膜自体も凹部を有す
るようになる。
【0028】電解メッキ膜を一様に形成するためには、
無電解メッキを形成した面上にメッキ電極を点接触させ
て金属メッキ膜を成長させる。その場合、金属メッキ膜
の長さ、および、面積が大きい場合、電極からの距離が
大きい箇所では電流が十分に流れず、金属メッキ膜の厚
みの成長が不十分になるので、その場合は金属メッキ膜
の電極数を複数とし、メッキ電極の間隔は10cm以下
とする。
【0029】また、集電体4に形成される金属メッキ膜
11は、集電体4以外の固体電解質層2、燃料極層3に
接触しないように形成されなくてはならない。接触した
場合、燃料電池単体内で短絡が発生し、外部への電流の
導出の効率が低下する。これを防止するために、集電体
4の表面に形成される金属メッキ膜11の円周方向の両
端面は、集電体4の円周方向における両端面よりも0.
5mm以上内側に形成されていることが望ましい。この
間隔は1mm以上設けることが望ましい。即ち、図1に
示すように、集電体4の円周方向の端面と金属メッキ膜
11の円周方向の端面との距離dが0.5mm以上であ
ることが望ましい。
【0030】空気極層1を形成する原料としてはLaM
nO3 系組成物からなり、具体的にはLaを15〜20
原子%のCa、SrあるいはBaで置換した平均粒子径
が3〜20μmのLaMnO3 系組成物や、Laを4原
子%以下のY、Yb、ScあるいはErで置換し、さら
に、25〜50原子%のCa、SrあるいはBaで置換
するとともに、Mnを0〜50原子%のCo、Ni、Z
r、CeあるいはFeで置換したLaMnO3 系組成物
が挙げられる。
【0031】固体電解質層2を形成する原料としては、
8〜20モル%のCaO、Y2 3、Yb2 3 含有の
ZrO2 系組成物を用いることができ、集電体4を形成
する原料としては、Laの一部をCaあるいはSrで置
換したLaCrO3 、またはCrの一部をMgで置換し
たLaCrO3 系組成物を用いることができるが、固体
電解質層2および集電体4を形成する原料は、これらに
限定されるものではない。
【0032】本発明の円筒状固体電解質型燃料電池セル
を用いたモジュールは、図3に示すように、上記のよう
にして構成された本発明の燃料電池セルの金属メッキ膜
11の表面、および接続する他のセルの燃料極層3の表
面に、例えばNiペーストを塗布し、これらのNiペー
スト層15の間にNiフェルト17を介装し、発電する
際の発熱によりセル同士が接続されて構成される。
【0033】
【実施例】固体電解質層として8モル%Y2 3 を含有
したZrO2 、空気極としてLa0.9 Sr0.1 Mn
3 、燃料極として80重量%のNiOと20重量%の
10モル%Y2 3 を含有したZrO2 、集電体として
La0.8 Ca0.21CrO3 の粉末を用いて、図1に示す
ような円筒状固体電解質型燃料電池セルを作製した。
【0034】先ず、La0.9 Sr0.1 MnO3 粉末と有
機系粘結剤を混合し、チューブ状に成形し、空気極成形
体を作製する。この空気極成形体を1000℃で1Hr
脱脂を行ったものに、8モル%Y2 3 を含有したZr
2 のグリーンシートを巻き付けて1100℃で一体仮
焼させ、空気極仮焼体の表面に固定電解質仮焼体を形成
する。
【0035】さらに、この固定電解質仮焼体の一部を削
り込み、空気極仮焼体の層を露出させ、露出部分上にL
0.8 Ca0.21CrO3 の厚み120μmのグリーンシ
ート(集電体用)を貼り付けて1500℃で6時間一体
焼結させ、空気極層の外面に固体電解質層を形成し、空
気極層に接続する集電体を形成した。尚、上記集電体用
のグリーンシートの表面には、#380のナイロンメッ
シュを0.2ton/cm2 の圧力で押し付けてメッシ
ュ状の溝(凹部)を形成したものと、凹部を形成しない
ものを作製した。また、凹部を形成するものについて
は、グリーンシートへのナイロンメッシュへの押し付け
力を調整して、表1に示すように凹部の深さを調整し
た。
【0036】次に、固体電解質層表面に80重量%のN
iOと20重量%の10モル%Y23 を含有したZr
2 からなるスラリーを塗布し1400℃で2Hr焼き
付け、燃料極用焼結体を形成した。尚、凹部の幅は30
μmであった。
【0037】そして、集電体の外表面に、Niメッキ膜
を表1に示す厚みに形成し、この後外表面部を還元処理
した。この還元により、固体電解質層表面にニッケルと
ジルコニアのサーメットからなる燃料極層を形成し、図
1に示したような円筒状固体電解質型燃料電池セルを作
製した。
【0038】尚、Niメッキ膜は、ほう酸ニッケル系無
電解メッキにより0.3μmの厚みで全面に一様にNi
メッキ膜を薄く形成する。Niメッキ膜に5cm間隔で
金属Ni電極を接触させ、2A/cm2 の電流を流しな
がらワット浴中にてNiメッキ膜を成長させ、表1に示
すような厚みのNiメッキ膜を作製した。集電体部の外
縁部とメッキの外縁部の間隔dを表1に示すように作製
した。
【0039】こうして作製した試料の燃料極表面に、N
iペーストを塗布し、また、集電体のNiメッキ膜の表
面にもNiペーストを塗布し、外表面を1000℃の還
元雰囲気で焼き付けた。この部分にNi導線を接続し、
集電体とNiメッキ膜間に、0.5A/cm2 の電流密
度で通電させ、集電体とNiメッキ膜界面の電圧降下を
測定し、その経時変化を調べた。
【0040】比較として、メッキの厚みを無電解メッキ
により0.2μm、20μmで形成したもの、さらにメ
ッキ処理を行わなかったものについても測定した。結果
を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】メッキ膜厚みが0.2μmの試料は初期的
には電圧降下が小さいが1000時間処理を行うと電圧
降下が大きくなった。そこで、集電体の表面に0.2μ
mの厚みでNiメッキ膜を形成し、そのまま還元雰囲気
下で1000℃で1000Hr熱処理したところ、Ni
が凝集してところどころLaとCrの酸化物が露出し、
メッキの有効面積が小さくなっていた。メッキとセラミ
ックスの界面の接触面積の減少が電圧降下の増大を引き
起こしたと考えられる。
【0043】20μmのメッキ膜を設けた試料は初期的
には電圧降下が小さいが100時間処理を行うと電圧低
下が大きくなった。この試料のメッキ膜と集電体表面の
界面を断面観察したところ、メッキ膜が剥離をおこして
おり、この剥離が電圧降下の増大を引き起こしたと考え
られる。
【0044】集電体に凹部を形成しなかった試料では初
期的な電圧降下が高く、100時間処理を行うとさらに
電圧低下が大きくなった。この試料のメッキ膜と集電体
表面の界面を断面観察したところ、メッキ膜が剥離をお
こしており、この剥離が電圧降下の増大を引き起こした
と考えられる。また、Niペーストの焼き付け後に、ペ
ースト端部に若干の剥離が見られた。
【0045】また、集電体の凹部の深さが40μmの場
合には、焼成後に集電体にクラックが生じていた。
【0046】これに対して、本発明の円筒状固体電解質
型燃料電池セルでは、1000時間処理した場合でも電
圧降下は起こらないことが判る。
【0047】以上のことから、表面に凹部を有する集電
体に、一様な金属メッキ膜を形成してメッキ膜表面にも
凹部を形成し、そこにさらにNiペーストを塗布してN
iフェルトとともに焼き付けることによって、より高い
通電性と機械的強度が得られることが判る。メッキ層
は、集電体端部から間隔を設けて形成することにより、
燃料電池セル単体内での短絡を防止できる。
【0048】
【発明の効果】本発明の円筒状固体電解質型燃料電池セ
ルでは、深さ10〜30μmの凹部を有する集電体の表
面に厚み0.3〜15μmの金属メッキ膜を形成したた
め、集電体表面の凹部の内部まで金属メッキ膜が進入し
て気泡のかみ込みを防ぐことができ、さらに、凹部を有
するメッキ膜と他のセルの燃料極の間に金属ペーストな
らびに金属繊維の集合体を介してセル同士を接続する場
合において、セル個体間の接着を向上させ、これらの間
の通電性および機械的強度を向上させることができ、発
電特性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒状固体電解質型燃料電池セルを示
す断面図である。
【図2】集電体近傍を示す断面図である。
【図3】2個のセルを接続したモジュールを示す断面図
である。
【図4】従来の円筒状固体電解質型燃料電池セルを示す
斜視図である。
【符号の説明】
1・・・空気極層 2・・・固体電解質層 3・・・燃料極層 4・・・集電体 9・・・凹部 11・・・金属メッキ膜 15・・・金属ペースト層 17・・・金属フェルト

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状の固体電解質の内面に空気極層、外
    面に燃料極層を形成してなり、前記空気極に電気的に接
    続され、外面に露出する集電体を有する円筒状固体電解
    質型燃料電池セルにおいて、前記集電体の外面に深さ1
    0〜30μmの凹部を形成するとともに、この集電体の
    外面に厚み0.3〜15μmの金属メッキ膜を形成し、
    該金属メッキ膜の外面に金属ペースト層が送電部材とと
    もに焼き付けられていることを特徴とする円筒状固体電
    解質型燃料電池セル。
  2. 【請求項2】円筒状の固体電解質の内面に空気極層、外
    面に燃料極層を形成してなり、前記空気極に電気的に接
    続され、外面に露出する集電体を有するとともに、前記
    集電体の外面に深さ10〜30μmの凹部が形成され、
    かつ該凹部が形成された集電体の外面に厚み0.3〜1
    5μmの金属メッキ膜が形成され、さらに該金属メッキ
    膜の外面に金属ペースト層が形成された複数の円筒状固
    体電解質型燃料電池セルを、一方の前記円筒状固体電解
    質型燃料電池セルの金属メッキ膜に形成された金属ペー
    スト層と、他方の前記円筒状固体電解質型燃料電池セル
    の燃料極層に形成された金属ペースト層との間に送電部
    材を介装し、前記金属ペースト層を前記送電部材ととも
    に前記円筒状固体電解質型燃料電池セルに焼き付けるこ
    とにより電気的に接続してなることを特徴とする燃料電
    池。
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