JPH0997621A - 円筒型燃料電池セル - Google Patents
円筒型燃料電池セルInfo
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Abstract
リ−クを起こし、長時間の発電において出力が低下した
り、あるいは円筒型燃料電池セルが破損するという問題
があった。 【解決手段】固体電解質の一部に切欠部を設けて該固体
電解質の内面に形成されている燃料極または空気極の一
部を露出させるとともに、この露出面および切欠部近傍
の固体電解質の表面を集電体により被覆し、さらに、固
体電解質と集電体との間に、Y,希土類元素およびアル
カリ土類金属から選択される少なくとも一種とZrとを
含有する複合酸化物の中間層を形成してなるものであ
る。
Description
ルに関するもので、特に固体電解質と集電体との間に中
間層を形成した固体電解質型燃料電池セルに関する。
動温度が1000〜1050℃と高温であるため発電効
率が高く、第3世代の発電システムとして期待されてい
る。
筒型と平板型が知られている。平板型燃料電池セルは、
発電の単位体積当り出力密度が高いという特長を有する
が、実用化に関してはガスシ−ル不完全性やセル内の温
度分布の不均一性などの問題がある。それに対して、円
筒型燃料電池セルでは、出力密度は低いものの、セルの
機械的強度が高く、またセル内の温度の均一性が保てる
という特長がある。両形状の固体電解質型燃料電池セル
とも、それぞれの特長を生かして積極的に研究開発が進
められている。
ように開気孔率40%程度のCaO安定化ZrO2 を支
持管1とし、その上にLaMnO3 系材料からなる多孔
性の空気極2を形成し、その表面にY2 O3 安定化Zr
O2 からなる固体電解質3を被覆し、さらにこの表面に
多孔性のNi−ジルコニアの燃料極4が設けられてい
る。燃料電池のモジュ−ルにおいては、各単セルはLa
CrO3 系の集電体(インタ−コネクタ)5を介して接
続される。
1000〜1050℃の温度で保持するとともに、支持
管1内部に空気(酸素)6を、外部に燃料(水素)7を
供給することにより行われる。
ロセスを単純化するため、空気極材料であるLaMnO
3 系材料を直接多孔性の支持管として使用する試みがな
されている。空気極としての機能を合わせ持つ支持管材
料としては、LaをCaで20原子%又はSrで10〜
15原子%置換したLaMnO3 固溶体材料が用いられ
ている。
固体電解質粉末を押出成形などにより円筒状に成形し、
焼成することにより円筒状焼結体を作製し、その焼結体
の内周面や外周面にスラリーコート法などにより空気極
層あるいは燃料極層を形成して焼成する方法により製造
されたり、またはセラミックスの多孔質支持管を焼成し
てなる円筒状焼結体の表面に、スラリーコート法や電気
化学蒸着法(EVD法)、プラズマ溶射法などにより空
気極層、固体電解質層、燃料極層を順次形成する方法に
より製造される。
体の表面に、少なくとも空気極および固体電解質を具備
してなる円筒型燃料電池セルを製造する方法であって、
電気絶縁性の粉末により円筒状基体用成形体を作製する
工程と、空気極形成用粉末および固体電解質形成用粉末
によりそれぞれシート状成形体を作製する工程と、前記
円筒状基体用成形体の表面に前記空気極用および固体電
解質用シート状成形体を巻き付けて積層して円筒型積層
物を作製する工程と、該円筒型積層物を同時に焼成する
工程とを具備する円筒型燃料電池セルの製造方法につい
て、先に出願した(特願平6−73025号)。この方
法では、非常に簡単なプロセスで、且つ少ない工程数で
燃料電池セルが歩留まりよく作製できる。また、空気極
成形体表面に電解質材料、集電体材料のグリ−ンシ−ト
を順次巻き付け積層した後に同時に焼成する(以下共焼
結と呼ぶこともある)技術についても、前述の出願に開
示した。
ル製造においてはプロセスが簡単で、且つ少ない工程数
で燃料電池セルが歩留まりよく作製できるという特徴が
あるが、固体電解質層と集電体層の間の化学的反応性が
小さいため接合が悪く、ガスリ−クを起こし易く、長時
間の発電において出力が低下したり、あるいは発電中に
円筒型燃料電池セルが破損する虞があった。
に対して検討を重ねた結果、燃料電池セルにおいて固体
電解質層と集電体層を、Y,希土類元素およびアルカリ
土類金属のうちの少なくとも一種とZrを含有する複合
酸化物の中間層を介して接合することにより、固体電解
質層と集電体層とを強固に接合することができ、ガスリ
−クを防止し、高出力で長期安定性のある円筒型燃料電
池セルを作製できることを見出し、本発明に至った。
筒状の固体電解質の片面に燃料極、他面に空気極が形成
された燃料電池セル本体の外面に、前記固体電解質の内
面に形成された前記燃料極または前記空気極と電気的に
接続する集電体を設けてなる円筒型燃料電池セルにおい
て、前記固体電解質の一部に切欠部を設けて該固体電解
質の内面に形成されている前記燃料極または前記空気極
の一部を露出させるとともに、この露出面および前記切
欠部近傍の前記固体電解質の表面を前記集電体により被
覆し、さらに、前記固体電解質と前記集電体との間に、
Y,希土類元素およびアルカリ土類金属から選択される
少なくとも一種とZrとを含有する複合酸化物の中間層
を形成してなるものである。
層と集電体層を、Y,希土類元素およびアルカリ土類金
属のうちの少なく一種とZrとを含有する複合酸化物の
中間層を介して接合することにより強固に接合でき、そ
の結果、ガスリ−クが防止され、高出力で長期安定性の
ある燃料電池セルを作製できるようになる。
土類金属のうちの少なく一種とZrとからなる複合酸化
物、または、Y,希土類元素およびアルカリ土類金属の
うちの少なく一種とZrとからなる複合酸化物の固溶体
であっても良い。
クスの多孔質支持管からなる仮焼体に空気極材料、固体
電解質材料、集電体材料のグリ−ンシ−トを順次巻き付
け積層する工程において、あるいは、支持管として機能
する空気極成形体に、固体電解質材料、集電体材料のグ
リ−ンシ−トを順次巻き付け積層する工程において、固
体電解質の表面に、スラリ−ディップ法,印刷法により
中間層を形成する上述の物質を塗布し、共焼結により中
間層を形成することができ、大きな工程の変更を必要と
しないことである。これは、工業的な観点から大きな特
徴といえる。
明の円筒型燃料電池セルは、図1および図2に示すよう
に、円筒状の固体電解質31の内面に空気極32、外面
に燃料極33を形成して燃料電池セル本体34が構成さ
れており、この燃料電池セル本体34の外面に、空気極
32と電気的に接続する集電体35を設けてなるもので
ある。即ち、固体電解質31の一部に切欠部36が形成
され、固体電解質31の内面に形成されている空気極3
2の一部が露出しており、この露出面37および切欠部
36近傍の固体電解質31の表面が集電体35により被
覆されている。そして、固体電解質31の端部表面と集
電体35との間には、中間層38が形成されている。
尚、本発明の円筒型燃料電池セルは、多孔質支持管を形
成し、この多孔質支持管の外面に空気極32,固体電解
質31,燃料極33を順次積層して構成しても良い。
は、燃料電池セル本体34の外面に形成され段差のない
連続同一面39を覆うように形成されており、燃料極3
3とは電気的に連続されていない。連続同一面39は、
固体電解質31の内面に形成されている空気極32の一
部を露出させるとともに、固体電解質31の端面41と
空気極32の露出面37とを連続した同一面(固体電解
質31の端面41と空気極32の露出面37とが段差の
ない平面状態)となして構成されている。この連続同一
面39は固体電解質成形体の一部と空気極成形体の一部
とが連続した同一面となるまでセル本体の外周面を研摩
することにより形成されている。
よびアルカリ土類金属から選択される少なくとも一種と
Zrとを含有する複合酸化物からなるものである。希土
類元素としては、Sc,La,Ce,Pr,Nd,P
m,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
m,Yb,Luがある。この中でも、経済的観点から、
La,Y,Yb,Ndが特に好ましい。
Ca,Sr,Ba,Ra等がある。
ら選択される少なくとも一種とZrとを含有する複合酸
化物としては、例えば、La2 Zr2 O7 ,Y2 Zr2
O7 ,Yb2 Zr2 O7 ,Nd2 Zr2 O7 ,CaZr
O3 ,SrZrO3 等がある。
うちの少なく一種とZrとからなる複合酸化物の固溶体
であっても良い。このような固溶体としては、(Y、L
a)Zr2 O7 等がある。
電気伝導度がかなり小さいものである。仮にこの中間層
38が電気伝導性が大きいと、固体電解質31から集電
体35への漏れ電流が発生して出力低下の原因となる。
このような理由から中間層は、電気的に絶縁体、あるい
はそれに近いもので、かつ固体電解質31と集電体35
を強固に接合してガスリ−クを防止しなければならな
い。
電解質31として3〜20モル%のY2 O3 あるいはY
b2 O3 を含有した部分安定化あるいは安定化ZrO2
が用いられる。また、空気極32としては、主としてL
aをCa,Srで10〜30原子%置換したLaMnO
3 が、燃料極33としては50〜80重量%Niを含む
ZrO2 (Y2 O3 )サ−メットが用いられる。また、
集電体35としては主としてLaを10〜20原子%の
Ca,Srで、あるいはCrを10〜30原子%のMg
で置換したLaCrO3 が用いられる。
は、空気極成形体の外周面に固体電解質のシート状成形
体を巻き付けて積層したものを、酸化性雰囲気で100
0〜1300℃の温度1〜3時間程度仮焼し、集電体3
5の積層箇所となる固体電解質仮焼体の表面を固体電解
質仮焼体の一部と空気極仮焼体の一部とがほぼ連続した
同一面平面となるように研摩する。
質仮焼体の端面41に、Y,希土類元素およびアルカリ
土類金属から選択される少なくとも一種とZrとを含有
する複合酸化物の中間層成形体を形成し、空気極成形体
の露出面および中間層成形体の表面に集電体のシート状
成形体を積層する。中間層成形体の表面と空気極成形体
の露出面とが連続した同一面(平面)となるように、予
め固体電解質仮焼体の端面41の研摩量を多くすること
が望ましい。
例えば、La2 Zr2 O7 ,Y2 Zr2 O7 等を含有す
るスラリーを塗布して直接焼成により形成してもよい
し、Y2 O3 ,Yb2 O3 等を含有するスラリーを塗布
して高温でこれと集電体であるLaCrO3 と反応させ
Laを析出させた後、このLaと電解質中のZrと反応
させて、所望の中間層を形成させる方法がある。ガスリ
−ク抑制の観点からは後者の方法がより緻密質の中間層
が形成されるため優れている。
集電体のグリ−ンシ−ト間に予めLa2 Zr2 O7 ,Y
2 Zr2 O7 ,Yb2 Zr2 O7 ,Nd2 Zr2 O7 ,
等を含有するスラリーあるいはそれらの固溶体を含有す
るスラリーを塗布した後、高温度で処理することにより
それぞれの複合酸化物からなる中間層が形成される。
プ法、印刷法により行う。
b,Nd,Dy,Scの酸化物、例えばLa2 O3 ,Y
2 O3 ,Yb2 O3 ,Nd2 O3 ,Dy2 O3 ,Sc2
O3 を含有するスラリーを塗布してもよい。あるいは高
温の酸化雰囲気中において酸化物を形成する上述の元素
を含有する炭酸塩,臭酸塩,酢酸塩などの化合物を塗布
してもよい。これらのY,Yb等の元素は上述のように
Laを除き高温において集電体であるLaCrO3 結晶
中のLaと置換してLaが析出し、このLaは固体電解
質中のZrと反応して固体電解質と集電体間にLa2 Z
r2 O7 を形成する。一方、Laは直接電解質中のZr
と直接反応して固体電解質と集電体間にLa2 Zr2 O
7 を形成する。後者の方法においては,添加したLa,
Y,Ybからなる酸化物が残存する場合があるが、本発
明の中間層が層状に形成されていれば特に問題とならな
い。また、La2 Zr2 O7 中にY,Yb等を含有する
固溶体層が形成される場合もあるが特にこれも問題にな
らない。
2 Zr2 O7 ,Nd2 Zr2 O7 等のスラリーを予め塗
布する場合は、原料粉末の平均粒子径は0.1〜10μ
m、特に0.5〜2μmの大きさがよい。粉末の平均粒
子径が0.1μmより小さいと粉末同士の凝集が大きく
均一に塗布することが困難である。また、粉末の平均粒
子径が10μmを越えると、焼結性が悪くなりガスリ−
クが発生し易くなる。
合物を塗布する場合は、粉末の平均粒子径は0.1〜2
0μm、特に0.5〜5μmの大きさがよい。粉末の平
均粒子径が0.1μmより小さいと粉末の凝集が大きく
均一に塗布することが困難である。逆に、20μmを越
えると、塗布した元素とLaとの置換反応が小さく中間
層の形成が不十分となり、ガスリ−クが起こり易くなる
ためである。
05〜100μm、特には1〜50μmが最も好まし
い。中間層の厚みが0.05μmより薄いとガスリ−ク
に対する抑制効果が小さく、また100μmを越えると
電解質および集電体と中間層の熱膨張係数の違いから中
間層内にクラックが発生し易くなり、ガスリ−クが起こ
り易くなる。
質/集電体積層体は、大気等の酸化性雰囲気中、130
0〜1700℃の温度で1〜15時間程度同時焼成する
ことにより焼結させ、本発明の円筒型燃料電池セルが得
られる。
端面41と空気極32の露出面37との間に段差がない
方が好ましいが、例えば、連続同一面39は曲面であっ
ても良い。さらに、研摩せずに、固体電解質の端面41
と空気極32の露出面37との間に段差が生じている場
合でも、本発明は有効であるが、集電体の接合強度向上
の点から段差がない方が望ましい。
来、固体電解質と集電体とを当接して接合していた部分
を、本発明の中間層を介して接合するものであれば、ど
のような方法で製造されたものでも良い。
aCO3 の粉末をLa0.85Ca0.15MnO3 となるよう
に秤量混合した後に1500℃で仮焼して(La、C
a)MnO3 粉末を得た。この後、これを粉砕して平均
粒子径が6μmの粉末を作製した。また、固体電解質を
形成する粉末として平均粒子径0.5μmのY2 O3 を
10モル%の割合で含有する共沈法ZrO2 粉末を準備
した。さらに、燃料極を形成する粉末としてNiO粉末
とZrO2 (Y2 O3 含有)粉末を重量比で80:20
の割合で混合したものを、集電体を形成する粉末として
平均粒子径1μmのLa0.8 Ca0.21CrO3 からなる
化合物粉末を準備した。
O3 粉末を水を溶媒としてスラリーを作製し、このスラ
リーを用いて押出成形装置により内径13mm、外径1
6mmの円筒状の空気極成形体を得た。一方、固体電解
質については、上記Y2 O3安定化ZrO2 粉末を水を
溶媒としてスラリーを作製し、これをドクターブレード
法により厚み150μmのシート状成形体を作製した。
燃料極については上記NiO粉末とZrO2 (Y2 O3
含有)粉末を同様に水を溶媒としてスラリーを作製し、
これをドクターブレード法により厚み100μmのシー
ト状成形体を作製した。
クリル樹脂からなる接着材を介して、電解質シ−トを巻
き付け、空気極の露出面と電解質シ−トの表面に中間層
を形成し、集電体シ−ト、燃料極シ−トを順次巻き付
け、図1に示したように円筒状積層体を作製した。電解
質シ−トと集電体シ−トの間の中間層には表1の複合酸
化物となる平均粒子径0.6〜2.5μmの複合酸化物
粉末を厚み1〜95μmになるようにスクリ−ン印刷に
て塗布した。その後、この円筒状積層体を大気中におい
て1500℃で5時間焼成して、図1に示したような円
筒状セルを作製した。
試験機を用いて、25℃におけるHeの透過速度を測定
した。また、円筒状セルの内側に酸素を、外側に水素を
流して1000℃で1000時間毎に4000時間発電
を行い出力密度を測定した。
し,中間層の厚みは走査型電子顕微鏡により測定した。
この結果を表1に示す。
料No.1に対して、中間層を形成した本発明の試料は
いずれも高出力であった。
面に電解質シ−ト、集電体シ−ト、燃料極シ−トを順次
巻き付け円筒状積層体を作製した後、1550℃で3時
間焼成して、図1に示したような電池セルを作製した。
この際、電解質シ−トと集電体シ−トの間には表2に示
した平均粒子径0.6〜1.3μmの酸化物、炭酸塩粉
末を厚み0.1〜90μmになるように塗布した。作製
したセルについては、実施例1と同様にHeの透過速度
を測定した。また、円筒状セルの内側に酸素を、外側に
水素を流して1000℃で1000時間発電を行い出力
密度を測定した。また、中間層の種類はX線回折により
同定した。この結果を表2に示す。
の試料No.1に対して、中間層を形成した試料はいず
れも高出力であった。
電解質層と集電体層を、Y,希土類元素およびアルカリ
土類金属のうちの少なく一種とZrとを含有する複合酸
化物の中間層を介して接合することにより強固に接合で
き、その結果、ガスリ−クが防止され、高出力で長期安
定性のある燃料電池セルを作製できる。
Claims (1)
- 【請求項1】円筒状の固体電解質の片面に燃料極、他面
に空気極が形成された燃料電池セル本体の外面に、前記
固体電解質の内面に形成された前記燃料極または前記空
気極と電気的に接続する集電体を設けてなる円筒型燃料
電池セルにおいて、前記固体電解質の一部に切欠部を設
けて該固体電解質の内面に形成されている前記燃料極ま
たは前記空気極の一部を露出させるとともに、この露出
面および前記切欠部近傍の前記固体電解質の端面を前記
集電体により被覆し、さらに、前記固体電解質と前記集
電体との間に、Y,希土類元素およびアルカリ土類金属
から選択される少なくとも一種とZrとを含有する複合
酸化物の中間層を形成してなることを特徴とする円筒型
燃料電池セル。
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