JP4562230B2 - 固体電解質形燃料電池セルの製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体電解質燃料電池セルの製法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
固体電解質燃料電池セルはその作動温度が900〜1050℃と高温であるため発電効率が高く、第3世代の発電システムとして期待されている。
【0003】
一般に固体電解質燃料電池セルには、円筒型と平板型が知られている。平板型の固体電解質燃料電池セルは、発電の単位体積当たり出力密度が高いという特徴を有するが、実用化に関してはガスシール不完全性やセル内の温度分布の不均一性などの問題がある。それに対して、円筒型の固体電解質燃料電池セルでは、出力密度は低いものの、セルの機械的強度が高く、またセル内の温度の均一性が保てるという特徴がある。両形状の固体電解質燃料電池セルとも、それぞれの特徴を生かして積極的に研究開発が進められている。
【0004】
円筒型の固体電解質燃料電池セルは、図4に示すように開気孔率30〜40%程度のLaMnO系材料からなる多孔性の空気極31を形成し、その表面にY含有のZrOからなる固体電解質32を被覆し、さらにこの表面に多孔性のNi−ジルコニアの燃料極33を設けて構成されている。燃料電池のモジュールにおいては、各単セルはLaCrO系の集電体(インターコネクタ)34を介して接続される。発電は、空気極31内部に空気36(酸素)を、外部に燃料37(水素)を流し、1000〜1050℃の温度で行われる。
【0005】
即ち、燃料電池のモジュールにおいては、図2に示すように、集電体4の表面には、例えば、ニッケルからなる金属メッキ層11が形成され、この金属メッキ層11には、例えば、ニッケルペーストを塗布してなる金属粒子層15が形成されている。また、他の燃料電池セルの燃料極3の表面にも金属粒子層15が形成され、これらの集電体4側と、他の燃料電池セルの燃料極3側の金属粒子層15にニッケルフェルト17が焼き付けられ、これにより、燃料電池のモジュールが構成されている。
【0006】
このように金属メッキ層11、および金属粒子層15を集電体4表面に順次形成することにより、磁器と金属間でスムーズな通電を得ることができる。
【0007】
即ち、金属メッキ層11から取り出された電流を外部回路または他の燃料電池セルに通電させる場合、金属メッキ層11を単純に外部回路の配線や他の燃料電池セルに接触させるだけでは、集電体や燃料極の表面における凹凸等のために電気的に十分有効な接続面積は得られないが、金属メッキ層11上に金属ペーストを塗布して、金属粒子層15を形成し、これに、金属フェルト17を焼き付けることにより、凹凸がある金属メッキ層11表面であっても、外部回路や他の燃料電池セルとの間に十分な接触面積を確保することができ、燃料電池セルを外部回路の配線や他の燃料電池セルと電気的に確実に接続できる。
【0008】
上記のような円筒型の固体電解質燃料電池セルを製造する方法としては、近年、製造工程を簡略化し、且つ製造コストを低減するために、各構成材料のうち少なくとも2つを同時焼成する、いわゆる共焼結法が提案されている。この共焼結法は、例えば、円筒型の空気極成形体に、固体電解質成形体および集電体成形体をロール状に巻き付けて同時焼成を行い、その後、固体電解質表面に燃料極を形成する方法である。さらに、製造工程の簡略化のために、空気極成形体、固体電解質成形体、燃料極成形体、集電体成形体を同時焼成する場合もある。
【0009】
例えば、特開平9−129245号公報には、円筒型の空気極成形体の表面に固体電解質のシート状成形体を巻き付けた後、固体電解質のシート状成形体の端部が開口した部分(切欠部)を研磨して平坦状となした後、集電体のシート状成形体を積層圧着し、焼成し、この後、金属を含有するスラリーを固体電解質表面に塗布して燃料極を形成した円筒型の固体電解質燃料電池セルが開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図2に示すようなモジュールを作製すると、発電中に、金属メッキ層11が集電体4表面から剥離し易く、通電性が悪化するという問題があった。
【0011】
即ち、従来から、集電体材料としてLaCrO3系材料が用いられているが、この材料は難焼結性であり、上記したように、空気極成形体、固体電解質成形体、燃料極成形体、集電体成形体を同時焼成する場合には、集電体を焼結させるために、焼成温度を高くしたり、長時間焼成する必要があるが、このような焼成条件により燃料極中のNiおよび/またはNiOが雰囲気中に拡散し、このNiが酸化されて集電体表面に再凝縮し、集電体表面に酸化ニッケルが付着し、その上に金属メッキ層が形成されることになる。
【0012】
この状態で、発電時などで還元雰囲気に晒されると、集電体表面の酸化ニッケルが還元されて集電体表面からNiメッキ層が剥離し易くなり、集電体から効率よく電流を取り出すことが困難になるという問題があった。
【0013】
特に、燃料極成形体と集電体成形体を同時焼成する場合には、集電体焼成後に燃料極を焼き付ける場合と比べて、集電体を十分に焼結させるために燃料極がより高い温度で焼成されるため、雰囲気中に蒸発するNi量がより多くなって集電体表面への酸化ニッケル付着量が多くなるという問題があった。
【0014】
本発明は、発電中における金属メッキ層の集電体表面からの剥離を防止できる固体電解質燃料電池セルの製法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体電解質燃料電池セルの製法は、円筒状の空気極成形体(空気極仮焼体も含む概念である)の外面に、固体電解質成形体(固体電解質仮焼体も含む概念である)、ニッケルおよび/または酸化ニッケルを含有する燃料極成形体を順次積層してなり、前記空気極成形体積層され、外部に露出するLaCrO 系材料からなる集電体成形体を有する積層成形体を、焼成炉内に収容して、同時焼成する固体電解質形燃料電池セルの製法であって、前記焼成炉内に、1分間に前記焼成炉の容積の0.5〜2.5倍の容積の空気を導入しながら焼成することを特徴とする。
【0018】
このような方法によれば、焼成炉内の換気を行いながら焼成することになり、燃料極から蒸発したニッケルが焼成炉の外部に排出され、雰囲気中のNi濃度が低下し、集電体表面への酸化ニッケルの付着を抑制できる。
【0019】
また、本発明の固体電解質形燃料電池セルの製法は、円筒状の空気極成形体(空気極仮焼体も含む概念である)の外面に、固体電解質成形体(固体電解質仮焼体も含む概念である)、ニッケルおよび/または酸化ニッケルを含有する燃料極成形体を順次形成してなり、前記空気極成形体に積層され、外部に露出するLaCrO 系材料からなる集電体成形体を有する積層成形体を、焼成炉内に収容して、同時焼成する固体電解質燃料電池セルの製法であって、前記集電体成形体の外面に、焼成雰囲気中の金属酸化物を遮断する遮断用シートを載置して焼成し、この後、焼成された前記遮断用シートを除去することを特徴とする
【0020】
このような方法によれば、焼成する際に、例えば集電体成形体と同一組成からなる遮断用シートにより集電体成形体を被覆することにより、雰囲気中に蒸発したニッケルは、酸化ニッケルとして遮断用シートに付着することになり、このような酸化ニッケルが付着した遮断用シートを焼成後に除去することにより、集電体の外面の酸化ニッケル量を減少することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の固体電解質形燃料電池セルの製法により作製される固体電解質燃料電池セルは、図1に示すように、円筒状の空気極1の外面に固体電解質2、燃料極3を形成してセル本体が構成されており、このセル本体の外面に、空気極1と電気的に接続する集電体4が形成されている。
【0023】
即ち、固体電解質2の一部に切欠部6が形成され、固体電解質2の内面に形成されている空気極1の一部が露出しており、この露出面および切欠部6近傍の固体電解質2の両端部表面が集電体4により被覆され、集電体4が、固体電解質2の両端部表面、および固体電解質2の切欠部6から露出した空気極1の表面に接合されている。
【0024】
空気極1と電気的に接続する集電体4はセル本体の外面に形成され、ほぼ段差のない連続同一面9を覆うように形成されており、燃料極3とは電気的に接続されていない。連続同一面9は、固体電解質成形体の両端部と空気極成形体の一部とが連続したほぼ同一面となるまで、固体電解質成形体の両端部間を研磨することにより形成される。
【0025】
固体電解質2は、例えば3〜20モル%のY23あるいはYb23を含有した部分安定化あるいは安定化ZrO2が用いられ、空気極1は、例えば、LaおよびMnを含有するペロブスカイト型複合酸化物を主成分とするもので、Caを酸化物換算で8〜10重量%、希土類元素のうち少なくとも一種を酸化物換算で10〜20重量%含有しても良い。希土類元素としては、Y、Nd、Dy、Er、Yb等があり、このうちでもYが望ましい。燃料極3としては、例えば、50〜80重量%Niを含むZrO2(Y23含有)が用いられる。
【0026】
集電体4は、金属元素としてLa、CrおよびMgを含有するぺロブスカイト型結晶を主結晶とするものであり、希土類元素やアルカリ土類金属元素を含有するものであっても良い。集電体4には、さらにMgO結晶を含有することが、集電体4の熱膨張係数を高くして、固体電解質2や空気極1のそれと一致させることができるため望ましい。
【0027】
燃料電池モジュールは、図2に示すように、集電体4の表面に、例えば、ニッケルからなる金属メッキ層11が形成され、この金属メッキ層11に、例えば、ニッケルペーストを塗布してなる金属粒子層15が形成され、他の燃料電池セルの燃料極3の表面にも金属粒子層15が形成され、これらの集電体4側と、他の燃料電池セルの燃料極3側の金属粒子層15によりニッケルフェルト17が焼き付けられ、これにより、燃料電池のモジュールが構成されている。
【0028】
そして、本発明の固体電解質形燃料電池セルの製法により作製される固体電解質燃料電池セルでは、集電体4の外面に存在する酸化ニッケル量、集電体全量中0.5重量%以下とすることができ。酸化ニッケル量が、集電体全量中0.5重量%よりも多い場合には、上記したように、集電体4の表面に金属メッキ層11を形成して燃料電池モジュールを構成し、還元雰囲気で発電すると、集電体4と金属メッキ層11との間に存在する酸化ニッケルが還元されて集電体4表面からNiメッキ層11が剥離し、集電体4から効率よく電流を取り出すことが困難になる。
【0029】
集電体4の外面の酸化ニッケル量は、集電体4表面からのNiメッキ層11の剥離を防止するという点から、集電体全量中0.3重量%以下が望ましい。
【0030】
以上のように構成された固体電解質燃料電池セルは、以下のようにして作製できる。例えば、円筒状の空気極成形体(または空気極仮焼体)の外表面に、ドクターブレード法により作製したシート状の固体電解質成形体を、その両端が離間するように(開口部が形成されるように)貼り付け、仮焼した後、固体電解質仮焼体の両端間が同一平面となるまで研磨し、この部分にシート状の集電体成形体を貼り付け、さらに固体電解質仮焼体の表面にシート状の燃料極成形体を貼り付けて積層成形体を作製し、この積層成形体を焼成炉内に収容し、その後1400〜1600℃の温度で2〜10時間大気中で焼成して作製される。
【0031】
そして、焼成時には、焼成炉内に空気を導入しながら焼成することにより、集電体表面における酸化ニッケル量が0.5重量%以下の固体電解質燃料電池セルが得られる。
【0032】
焼成炉内への空気導入量は、1分間に焼成炉の容積に対して0.5〜2.5倍の容積を導入することが望ましい。この焼成雰囲気ガスの量が、0.5倍/分よりも少ないと、集電体表面の酸化ニッケル量低減効果が小さく、2.5倍/分よりも多いと、均一焼成が困難となるからである。
【0033】
また、積層成形体における集電体仮焼体の外面に、焼成雰囲気中の金属酸化物の凝集を遮断する遮断用シートを載置して焼成し、この後、焼成された遮断用シートを除去することによっても、集電体表面における酸化ニッケル量が0.5重量%以下の固体電解質燃料電池セルが得られる。遮断用シートは、セルの焼成温度では焼結しない成形体で形成しても良いし、集電体と同じ組成の成形体で形成しても、載置するだけであるので、焼成後において容易に除去することができる。
【0034】
得られた固体電解質燃料電池セルの集電体表面には、Niからなる金属メッキ層を無電界メッキによって形成し、さらに外部の回路(他のセルを含む)と接続するために金属メッキ層の表面に、金属粒子層を形成するニッケルペーストを塗布してニッケルフェルトをはりつけ、還元雰囲気下で900〜1100℃で焼き付けることも行われる。
【0035】
積層成形体は、以下のようにして形成することが望ましい。まず、円筒状の空気極成形体を形成する。この円筒状の空気極成形体は、例えば所定の調合組成に従いLa23、Y23、CaCO3、MnO2の素原料を秤量、混合する。
この際、空気極成形体を構成するペロブスカイト型複合酸化物のA/B比は、0.95〜0.99であることが望ましい。
【0036】
この後、例えば、1500℃程度の温度で2〜10時間仮焼し、その後4〜8μmの粒度に粉砕調製する。調製した粉体に、バインダーを混合、混練し押出成形法により円筒状の空気極成形体を作製し、さらに脱バインダー処理し、1200〜1250℃で仮焼を行うことで円筒状の空気極仮焼体を作製する。
【0037】
シート状の第1固体電解質成形体として、3〜15モル%のY23を含有したZrO2粉末にトルエン、バインダー、市販の分散剤を加えてスラリー化したものをドクターブレード等の方法により、例えば、100〜120μmの厚さに成形したものを用い、上記円筒状の空気極仮焼体の表面に固体電解質成形体を貼り付けて仮焼し、空気極仮焼体の表面に第1固体電解質仮焼体を形成する。
【0038】
次に、シート状の燃料極成形体を作製する。まず、例えば、所定比率に調製したNi/YSZ混合粉体にトルエン、バインダーを加えてスラリー化したものを準備する。前記第1固体電解質成形体の作製と同様、成形、乾燥し、例えば、15μmの厚さのシート状の第2固体電解質成形体を形成する。
【0039】
この第2固体電解質成形体上に燃料極成形体を印刷、乾燥した後、第1固体電解質仮焼体上に、燃料極成形体が形成された第2固体電解質成形体を、第1固体電解質仮焼体に第2固体電解質成形体が当接するように巻き付け、積層する。
【0040】
燃料極成形体を構成するNi/YSZ混合粉体は、Ni粉末の平均粒径が0.2〜0.4μm、YSZ粉末の平均粒径が0.4〜0.8μmの原料粉体を用い、所定比率に調合した後分散性を高めるためにZrO2ボールを用いて湿式粉砕混合してスラリー化した。
【0041】
次に、固体電解質成形体の調製同様、CrをMgで10〜30原子%置換したLaCrO3からなり、100〜120μmの厚さに成形した集電体成形体を所定箇所に貼り付け、積層成形体が作製される。
【0042】
料電池は、例えば、図3に示すように、反応容器51内に、酸素含有ガス室仕切板53、燃焼室仕切板55、燃料ガス室仕切板57を用いて酸素含有ガス室A、燃焼室B、反応室C、燃料ガス室Dが形成されている。
【0043】
反応容器51内には、上記した複数の有底筒状の固体電解質燃料電池セル59が収容されており、これらの固体電解質燃料電池セル59は、燃焼室仕切板55に形成されたセル挿入孔60に挿入固定されており、その開口部61は燃焼室仕切板55から燃焼室B内に突出しており、その内部には酸素含有ガス室仕切板53に固定された酸素含有ガス導入管63の一端が挿入されている。
【0044】
燃焼室仕切板55には、余剰の未反応燃料ガスを反応室Cから燃焼室Bに排出するために、複数の排気孔64が形成されており、燃料ガス室仕切板57には、燃料ガス室Dから反応室C内に供給するための供給孔が形成されている。
【0045】
また、反応容器51には、例えば水素からなる燃料ガスを導入する燃料ガス導入口65、例えば、空気を導入する酸素含有ガス導入口67、燃焼室B内で燃焼したガスを排出するための排気口69が形成されている。尚、図3では、金属メッキ層、金属粒子層、金属フェルトについては記載を省略した。
【0046】
このような固体電解質燃料電池は、酸素含有ガス室Aからの酸素含有ガス、例えば空気を、酸素含有ガス導入管63を介して固体電解質燃料電池セル59内にそれぞれ供給し、かつ、燃料ガス室Dからの燃料ガスを複数の固体電解質燃料電池セル59間に供給し、反応室Cにて反応させ発電し、余剰の空気と未反応燃料ガスを燃焼室Bにて燃焼させ、燃焼したガスが排気口69から外部に排出される。
【0047】
、燃料電池は、上記した図3の燃料電池に限定されるものではなく、反応容器内に、上記した固体電解質形燃料電池セルを複数収容していれば良い。
【0048】
【実施例】
円筒状の空気極仮焼体として押出成形により成形し仮焼した(La0.560.14Ca0.30.98MnO3を作製した。固体電解質としてY23を8モル%の割合で含有する安定化ジルコニアを用いてドクターブレード法により、厚さ100μmのシート状の第1固体電解質成形体を、さらに厚さ15μmのシート状の第2固体電解質成形体をそれぞれ作製した。
【0049】
次に、燃料極成形体の作製について説明する。平均粒径が0.4μmのNi粉末に対し、平均粒径が0.6μmのY23を8モル%の割合で含有するZrO2粉末を準備し、Ni/YSZ比率(重量分率)が65/35になるように調合し、粉砕混合処理を行い、スラリー化した。その後、調製したスラリーを第2固体電解質成形体上に、30μmになるように全面に印刷し、燃料極成形体を作製した。
【0050】
次に、市販の純度99.9%以上のLa23、Cr23、MgOを出発原料として、これをLa(Mg0.3Cr0.70.973の組成になるように秤量混合した後1500℃で3時間仮焼粉砕し、この固溶体粉末を用いてスラリーを調製し、ドクターブレード法により厚さ100μmの集電体成形体を作製した。この集電体成形体に、直径10μmのナイロンメッシュを静水圧プレスで押しつけて集電体表面に凹凸を形成した。
【0051】
まず、前記空気極仮焼体に前記第1固体電解質成形体を、その両端部が開口するようにロール状に巻き付け1150℃で5時間の条件で仮焼した。仮焼後、第1固体電解質仮焼体の両端部間を空気極仮焼体が露出するように平坦に研磨し、連続した同一面を形成するように加工した。
【0052】
次に、第1固体電解質仮焼体表面に、燃料極成形体が形成された第2固体電解質成形体を、第1固体電解質仮焼体と第2固体電解質成形体が当接するように積層し、乾燥した後、上記連続同一面に集電体成形体を貼り付け、積層成形体を作製した。この積層成形体を大気中1500℃で6時間共焼結し、固体電解質燃料電池セルを作製した。
【0053】
そして、焼成時においては、表1に示すような割合で、空気を炉内に導入しながら焼成した試料を作製した。空気の導入量は、1分間に焼成炉の容積に対して何倍導入するかを表1に記載した。また、積層成形体の集電体成形体表面に、集電体と同じ組成からなる遮断用シートを載置し、焼成した試料を作製した。得られた固体電解質燃料電池セルの集電体表面における酸化ニッケル量を、集電体の表面にX線を照射してX線マイクロアナライザ(EPMA)により求めた。
【0054】
次に、発電用の円筒型セルを作製するため、前記共焼結体片端部に封止部材の接合を行った。封止部材の接合は、以下のような手順で行った。Y23を8モル%の割合で含有する平均粒子径が1μmのZrO2粉末に水を溶媒として加えてスラリーを調製し、このスラリーに前記共焼結体の片端部を浸漬し、厚さ100μmになるように片端部外周面に塗布し乾燥した。封止部材としてのキャップ形状を有する成形体は、前記スラリー組成と同組成の粉末を用いて静水圧成形(ラバープレス)を行い切削加工した。その後、前記スラリーを被覆した前記共焼結体片端部を封止部材用成形体に挿入し、大気中1300℃の温度で1時間焼成を行った。
【0055】
次に、上記したセル本体の集電体以外の部分をシールで保護し、集電体表面を無電解メッキにより、約1μmの厚みを有するニッケルからなる金属メッキ層を形成した。この金属メッキ層の表面にNiからなる金属ペーストを塗布し、金属粒子層を形成した。この後、金属粒子層に、ニッケルからなる線径2μmの金属繊維からなる金属フェルトを配置し、フォーミングガス雰囲気にて1000時間で7時間熱処理し、金属粒子層に金属フェルトを固着した。
【0056】
1000℃でセルの内側に空気を、外側に水素を流し、セルに0.5A/cm2の電流を流した場合に、金属フェルトと集電体間における電位降下を、初期値と、1000時間経過後において測定評価した。集電体と金属メッキ層間の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により、剥離の有無を観察した。結果を表1に記載した。
【0057】
【表1】
Figure 0004562230
【0058】
表1より、集電体表面の酸化ニッケル量が0.5重量%以下の本発明の試料では、集電体と金属フェルト間の電位降下が、初期と1000時間経過後では殆ど変化ないものの、酸化ニッケル量が0.5重量%よりも多い比較例の試料では、初期における電位降下は、本発明と同等であるものの、1000時間経過後には、電位降下が大きく、集電体表面からの金属メッキ層の剥離が見られた。
【0059】
【発明の効果】
本発明の固体電解質燃料電池セルの製法では、焼成炉内に空気を導入しながら、積層成形体を焼成したり、積層成形体の集電体成形体の外面に、焼成雰囲気中の金属酸化物を遮断する遮断用シートを載置して焼成し、この後、焼成された前記遮断用シートを除去することにより、集電体表面の酸化ニッケル量を0.5重量%以下とした固体電解質形燃料電池セルを作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体電解質形燃料電池セルの作製方法により作製された固体電解質燃料電池セルを示す断面図である。
【図2】2個の固体電解質燃料電池セルを接続したモジュールを示す断面図である。
【図3】料電池を示す概念図である。
【図4】従来の固体電解質燃料電池セルを示す斜視図である。
【符号の説明】
1・・・空気極
2・・・固体電解質
3・・・燃料極
4・・・集電体
11・・・金属メッキ層
51・・・反応容器
59・・・固体電解質燃料電池セル

Claims (2)

  1. 円筒状の空気極成形体の外面に、固体電解質成形体、ニッケルおよび/または酸化ニッケルを含有する燃料極成形体を順次積層してなり、前記空気極成形体に積層され、外部に露出するLaCrO 系材料からなる集電体成形体を有する積層成形体を、焼成炉内に収容し同時焼成する固体電解質燃料電池セルの製法であって、前記焼成炉内に、1分間に前記焼成炉の容積の0.5〜2.5倍の容積の空気を導入しながら焼成することを特徴とする固体電解質燃料電池セルの製法。
  2. 円筒状の空気極成形体の外面に、固体電解質成形体、ニッケルおよび/または酸化ニッケルを含有する燃料極成形体を順次積層してなり、前記空気極成形体に積層され、外部に露出するLaCrO 系材料からなる集電体成形体を有する積層成形体を、焼成炉内に収容して、同時焼成する固体電解質燃料電池セルの製法であって、前記集電体成形体の外面に、焼成雰囲気中の金属酸化物を遮断する遮断用シートを載置して焼成し、この後、焼成された前記遮断用シートを除去することを特徴とする固体電解質燃料電池セルの製法。
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