JPH11224673A - 固体電解質型燃料電池セル - Google Patents
固体電解質型燃料電池セルInfo
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- JPH11224673A JPH11224673A JP10020084A JP2008498A JPH11224673A JP H11224673 A JPH11224673 A JP H11224673A JP 10020084 A JP10020084 A JP 10020084A JP 2008498 A JP2008498 A JP 2008498A JP H11224673 A JPH11224673 A JP H11224673A
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Abstract
能を向上できる固体電解質型燃料電池セルを提供する。 【解決手段】燃料極を、固体電解質表面に焼付けられた
Ni等とZrO2 等からなる第1燃料極層と、この第1
燃料極層の表面に形成されたNi等とZrO2 等からな
る第2燃料極層とから燃料極を構成し、また、第1燃料
極層と第2燃料極層の金属粒子の含有率あるいは粒子径
を制御した。
Description
電池セルに関するもので、特に燃料極の改良に関するも
のである。
作動温度が1000〜1050℃と高温であるため発電
効率が高く、第3世代の発電システムとして期待されて
いる。
の片面に空気極、他方の面に燃料極を備えた単セルを多
数個接合したセル群より構成されるもので、このような
燃料電池の発電は、各単セルを1000℃程度の温度で
保持するとともに、支持管内部に空気(酸素)を、外部
に燃料ガス、例えば、水素、都市ガス等を供給すること
により行われる。
筒型と平板型が知られている。平板型燃料電池セルは、
発電の単位体積当り出力密度が高いという特長を有する
が、実用化に関してはガスシ−ル不完全性やセル内の温
度分布の不均一性などの問題がある。それに対して、円
筒型燃料電池セルでは、出力密度は低いものの、セルの
機械的強度が高く、またセル内の温度の均一性が保てる
という特長がある。両形状の固体電解質型燃料電池セル
とも、それぞれの特長を生かして積極的に研究開発が進
められている。
ように開気孔率40%程度のCaO安定化ZrO2 を支
持管1とし、その上にLaMnO3 系材料からなる多孔
性の空気極2を形成し、その表面にY2 O3 安定化Zr
O2 からなる固体電解質3を被覆し、さらにこの表面に
多孔性のNi−ジルコニアの燃料極4が設けられてい
る。燃料電池のモジュ−ルにおいては、各単セルはC
a、Sr、Mgを固溶させたLaCrO3 系材料からな
るインタ−コネクタ5を介してNiフェルトで接続され
る。
セルと同じ材料系を用いて図4に示したように固体電解
質8の一方に多孔性の空気極9が、他方に多孔性の燃料
極10が設けられている。単セル間の接続は、セパレ−
タ11と呼ばれるMgやCaを添加した緻密質のLaC
rO3 材料が用いられる。
ス単純化のため、空気極材料であるLaMnO3 系材料
を直接多孔性の支持管として使用する試みがなされ、具
体的には、LaをCaあるいはSrで10〜20原子%
置換したLaMnO3 固溶体材料が用いられている。
固体電解質型燃料電池セルにおいて燃料極は、一般的に
Ni粉末とZrO2 (Y2 O3 含有)粉末あるいはNi
O粉末とZrO2 (Y2 O3 含有)粉末の混合粉末を含
有するペーストをスクリ−ン印刷法により固体電解質表
面に塗布するか、あるいは混合粉末を含有する溶液中に
浸漬した後、乾燥し燃料極として形成されていた。ま
た、後者のNiO/ZrO2 (Y2 O3 含有)混合粉末
の場合は、発電中にNiOがNiに還元されるものであ
る。
の方法で作製された燃料極について、前者のものは(ニ
ッケル金属使用)、固体電解質への付着強度に難があ
り、部分剥離やクラックの発生などにより、固体電解質
と燃料極間における分極抵抗が大きくなり、他方、後者
のものは(ニッケル酸化物使用)は、長時間の発電でN
i(NiOは発電中に還元されNiとなる)の凝集や粒
成長、或いは、燃料極表面の体積収縮などが原因とな
り、クラックなどが発生する結果、固体電解質と燃料極
間における分極抵抗が大きくなり、いずれの場合も、発
電性能が低下するという大きな問題が発生していた。
討を加えた結果、円筒型燃料電池セルおよび平板型燃料
電池セルにおいて、固体電解質表面に形成されたNi等
とZrO2 等からなる第1燃料極層と、この第1燃料極
層の表面に形成されたNi等とZrO2 等からなる第2
燃料極層とからなる複層の燃料極を構成し、且つ、第1
燃料極層のNi等の金属の含有率と第2燃料極層のNi
等の金属の含有率を制御することにより、或いは、第1
燃料極層のNi等の粒子径と第2燃料極層のNi等の粒
子径を制御することにより、上述の機能面の問題を解決
できることを見いだし、本発明に至った。
では、固体電解質の片面に空気極、他方の面に燃料極を
形成してなる固体電解質型燃料電池セルにおいて、前記
燃料極が、Ni、CoおよびFeから選ばれた少なくと
も一種の金属粒子とZrO2粒子および/またはCeO
2 粒子からなり、前記固体電解質の表面に焼き付けられ
た第1燃料極層と、Ni、CoおよびFeから選ばれた
少なくとも一種の金属粒子とZrO2 粒子および/また
はCeO2 粒子からなり前記第1燃料極層の表面に形成
された第2燃料極層とからなるものである。ここで、第
1の発明は第1燃料極層の金属粒子の平均粒子径(R
1)と第2燃料極層の金属粒子の平均粒子径(R2)の
比(R1/R2)が1.5≦(R1/R2)≦3を満足
するものである。また、第2の発明は第1燃料極層の金
属粒子の含有率(X)と第2燃料極層の金属粒子の含有
率(Y)が60重量%≦X<Y≦90重量%を満足する
ものである。
ルの製造方法としては、固体電解質成形体の片面に空気
極成形体を形成したものを焼結する工程と、固体電解質
の他方の面にNi、CoおよびFeから選ばれた少なく
とも一種の金属酸化物粒子とZrO2 粒子および/また
はCeO2 粒子からなる第1燃料極成形体を形成する工
程と、該第1燃料極成形体を酸化性雰囲気中において熱
処理して第1燃料極層を作製する工程と、該第1燃料極
層の表面にNi、CoおよびFeから選ばれた少なくと
も一種の金属粒子とZrO2 粒子および/またはCeO
2 粒子からなる第2燃料極層を形成する工程と、還元雰
囲気中において熱処理して前記第1燃料極層の酸化物粒
子を還元する工程とを具備することを特徴とする固体電
解質型燃料電池セルの製造方法を用いることができる。
上するためには、NiO等の金属酸化物粒子とZrO2
等からなる燃料極材料を塗布して焼付け、後で還元雰囲
気中で熱処理して金属酸化物粒子を金属粒子に還元する
ことが望ましい。この場合、固体電解質への付着強度を
向上し、固定電解質と燃料極層との電気伝導度を向上す
るためには、還元された金属粒子が小さい方が良い。一
方、燃料ガスの透過性という点では、燃料極を構成する
金属粒子は大きい方が良い。従って、上記付着強度、固
体電解質と燃料極層との電気伝導度の向上と、燃料ガス
の透過性とは、相反する関係にあり、一方が向上すれば
一方が低下し、発電特性を最大限に向上させることは困
難であった。
ルでは、燃料極を、固体電解質表面に焼き付けられ、N
iO等が還元されて作製されたNi等とZrO2 等から
なる第1燃料極層と、この第1燃料極層の表面に形成さ
れたNi等とZrO2 等からなる第2燃料極層とからな
る二層構造燃料極を構成した。
せ、燃料極層との電気伝導度を向上させるという観点で
は、金属粒子の平均粒径は小さい方が良く、燃料ガスの
透過性という観点では金属粒子の平均粒径は大きい方が
良いため、本発明の固体電解質型燃料電池セルでは、燃
料極を、固体電解質表面に焼き付けられる第1燃料極層
と、その表面に形成された第2燃料極層とから構成し、
しかも、第1燃料極層の金属粒子の平均粒径(R1)
と、第2燃料極層の金属粒子の平均粒径(R2)とを
1.5≦R2/R1の関係を満足させることにより、固
体電解質への付着強度、電気伝導度、燃料ガスの透過性
の三者を同時に向上できるのである。
(R2)が、第1燃料極層の金属粒子の平均粒径(R
1)と比較してあまりにも大きいと、発電中に、第1燃
料極層と第2燃料極層との界面の金属粒子が粒成長し、
燃料ガスの透過を阻止するようなガス遮断層が形成さ
れ、発電性能が劣化してしまう。また、このガス遮断層
に外部から衝撃が作用するとクラックが入りやすく、そ
のクラックに起因して燃料極層の剥離が生じる虞があっ
た。このため、本願発明ではR2/R1≦3の関係を満
足させることにより、第1燃料極層と第2燃料極層との
界面におけるガス遮断層の形成を阻止したのである。
けられる第1燃料極層と、その表面に形成された第2燃
料極層とから構成し、しかも、第1燃料極層の金属粒子
の平均粒径(R1)と第2燃料極層の金属粒子の平均粒
径(R2)を1.5≦R2/R1≦3の関係を満足させ
ることにより、固体電解質への付着強度、電気伝導度、
燃料ガスの透過性の三者を同時に向上できるとともに、
第1燃料極層と第2燃料極層近傍の金属粒子の粒成長を
抑制し、燃料ガスの透過性を確保できるのである。
せ、固体電解質との電気伝導度を向上させるという観点
では、金属粒子の含有率が低い方が良く、一方、燃料ガ
スの透過性という観点では金属粒子の含有率が高い方が
良いため、本発明の固体電解質型燃料電池セルでは、燃
料極を、固体電解質表面に焼き付けられる第1燃料極層
と、その表面に形成された第2燃料極層とから構成し、
しかも、第1燃料極層の金属粒子の含有率(X)と第2
燃料極層の金属粒子の含有率(Y)が60重量%≦X<
Y≦90重量%を満足させることにより、固体電解質へ
の付着強度、電気伝導度、燃料ガスの透過性の三者を同
時に向上できるのである。
って説明する。
電池セルを示す。本発明の円筒型燃料電池セルは、固体
電解質3の内面に空気極2が外面に燃料極4が設けられ
ており、各単セルはインターコネクタ5を介して接続さ
れる。
うに、燃料極4は、固体電解質3の外側に形成される第
1燃料極層13と、該第1燃料極層13の表面に形成さ
れる第2燃料極14とから構成されている。第1燃料極
層13はNi粒子15とZrO2 粒子16から構成され
ており、第2燃料極層14はNi粒子17とZrO2粒
子16から構成されている。
85重量%、ZrO2 15〜40重量%、特にNiが7
0〜85重量%,ZrO2 15〜30重量%の範囲が好
ましい。Niの重量比が40重量%より少ないと初期の
出力密度が低くなりやすく、85重量%を越えると時間
とともにNiが焼結して分極抵抗がおおきくなり、出力
密度が低下しやすくなるからである。
mが好ましい。第1燃料極層13の厚みが10μmより
薄いと分極抵抗が大きくなりやすく、100μmを越え
ると発電中にクラックが発生して出力密度が低下しやす
くなるからである。第1燃料極13の厚みは、特に10
〜50μmが好ましい。第1燃料極層13を固体電解質
3の表面に焼き付けるための熱処理温度は1000〜1
700℃であることが必要であるが、これは、1000
℃よりも低いと燃料極の固体電解質への付着力が低く、
1700℃よりも高いとNiO粒子15の粒成長が著し
くなり、いずれの場合も出力が低下するからである。熱
処理温度は、1200〜1400℃であることが特に望
ましい。
90重量%,ZrO2 10〜40重量%、特にNiが7
0〜90重量%,ZrO2 10〜30重量%の範囲が好
ましい。Niの重量比が60重量%より小さいと電気伝
導度が小さくなりやすく、90重量%を越えると発電中
に時間とともにNiが焼結して電気伝導度が小さくなり
出力密度が低下しやすくなるからである。
mが望ましい。第2燃料極層14の厚みが10μmより
小さいと電気伝導度が低くなり、200μmを越えると
燃料極中のガスの拡散速度が低下していづれも出力が悪
くなりやすいからである。第2燃料極層14の厚みは、
特に30〜100μmが好ましい。
ガスの拡散速度が高いことが重要である。第1燃料極層
13および第2燃料極層14の開気孔率としては、それ
ぞれ40〜80%が必要である。開気孔率が40%より
小さいと燃料極中のガスの拡散速度が低下して出力が悪
くなる。それに対して、開気孔率が80%より大きいと
電気伝導度が小さくなり同様に出力が悪くなる。第1燃
料極層13および第2燃料極層14の開気孔率として
は、特に50〜70%が望ましい。
とZrO2 粒子16から、第2燃料極層14をNi粒子
17とZrO2 粒子16とから構成した例について説明
したが、第1燃料極層13は,Ni,CoおよびFeか
ら選ばれた少なくとも一種の金属粒子と、ZrO2 粒子
および/またはCeO2 粒子から構成されている物であ
れば良く、また、第2燃料極層14はNi、Coおよび
Feから選ばれた少なくとも一種の金属粒子とZrO2
粒子および/またはCeO2 粒子から構成されているも
のであれば良い。たとえば、第1燃料極層13はNiと
ZrO2 の組み合わせの他にCo,Feの酸化物とCe
O2 ,ZrO2 を組み合わせて用いることができる。ま
た、第2燃料極層14はNiとZrO2 の組み合わせの
他にCo,FeとCeO2 ,ZrO2 を組み合わせて用
いることができる。さらに、CeO2 、ZrO2 は単体
の他にY、Yb、Nd、Dy等の希土類元素を含有する
固溶体であっても良い。
電解質として3〜20モル%のY2O3 あるいはYb2
O3 を含有した部分安定化あるいは安定化ZrO2 が用
いられる。また、空気極としては、主としてLaをC
a,Srで10〜30原子%置換したLaMnO3 が、
また、インターコネクタとしては主としてLaを10〜
30原子%のCa、Srで、あるいはCrを10〜30
原子%のMgで置換したLaCrO3 が用いられる。
空気極成形体の外周面に固体電解質成形体を積層した物
を、酸化性雰囲気で1000〜1300℃の温度で1〜
3時間程度仮焼し、空気極仮焼体と電気的に導通する集
電体(インターコネクタ)の成形体を積層する。このよ
うにして作製した空気極仮焼体/固体電解質仮焼体/集
電体成形体からなる積層体は、大気等の酸化性雰囲気
中、1300〜1700℃の温度で1〜15時間程度同
時に焼成することにより焼結させる。この後、固体電解
質の表面に、例えばNiOとZrO2 からなる第1燃料
極層成形体を形成し、この第1燃料極成形体を酸化性雰
囲気中において1000〜1700℃の温度で焼き付け
て第1燃料極層を形成し、該第1燃料極層の表面に、N
i粒子とZrO2 粒子からなる第2燃料極層を形成し、
還元雰囲気中において、熱処理して第1燃料極層のNi
O粒子を還元することにより形成される。
rO2 の原料粉末としては、分極抵抗を低減する観点か
ら、平均粒子径としてNiO粉末については0.5〜5
μm,ZrO2 粉末については0.2〜10μmが好ま
しい。第1燃料極層13の作製は一般的に用いられてい
るNiOとZrO2 を含む水溶液中に固体電解質を浸漬
するスラリーディップ法、スクリーン印刷法、あるいは
ドクターブレード法によりグリーンシートを作製して、
固体電解質に巻き付けて熱処理しても良い。いずれの方
法においても、熱処理温度(焼付け)としては1000
〜1700℃、特に1200〜1400℃が望ましい。
この熱処理温度が1000℃より低いと第1燃料極層1
3と固体電解質3との付着力が小さく分極抵抗が大きく
なり易い。また、熱処理温度が1700℃より高いとN
iOおよびZrO2 の粒成長が大きくなり同様に分極抵
抗が大きくなり発電性能が低下し易いからである。
とZrO2 の原料粉末としては、電気伝導度とガスの拡
散の観点から平均粒子径としてNi粉末については0.
5〜5μm,ZrO2 粉末については0.2〜10μm
が好ましい。第2燃料極層14の作製は、上記第1燃料
極層13の作製と同様に、スラリーディップ法、スクリ
ーン印刷法あるいはドクターブレード法によりグリーン
シートを巻き付けて作製することができる。
解質表面に焼き付けられる第1燃料極層と、その表面に
形成された第2燃料極層とから構成し、しかも、第1燃
料極層の金属粒子の平均粒径(R1)と第2燃料極層の
金属粒子の平均粒径(R2)が1.5≦R2/R1≦3
の関係を満足するものである。ここで、1.5≦R2/
R1≦3としたのは、R2/R1が1.5より小さい
と、第1燃料極層と第2燃料極層の金属粒子の平均粒径
が同等あるいは第2燃料極層の平均粒径が小さくなり、
固体電解質表面への付着強度が低下したり、固体電解質
との電気伝導度を低下し、発電特性が低下するからであ
る。
(R1)と、第2燃料極層の金属粒子の平均粒径(R
2)について、R2/R1が3より大きいと、第2燃料
極層の金属粒子の平均粒径(R2)が(R1)と比較し
てあまりにも大きくなり、発電中に、第1燃料極層と第
2燃料極層との界面の金属粒子が粒成長し、燃料ガスの
透過を阻止するようなガス遮断層が形成され、発電性能
が劣化してしまうからである。R2/R1は特には2〜
3が望ましい。また、長期間安定な発電を考えると、特
にR2/R1が2≦(R2/R1)≦2.5を満足する
ことが望ましい。
解質表面に焼き付けられる第1燃料極層と、その表面に
形成された第2燃料極層とから構成し、しかも、第1燃
料極層の金属粒子の含有率(X)と、第2燃料極層の金
属粒子の含有率(Y)が60重量%≦X<Y≦90重量
%の関係を満足するものである。ここで、60重量%≦
X<Y≦90重量%としたのはXが60重量%より小さ
いと、第1燃料極層の金属粒子の含有率が低く、固体電
解質への付着強度は高くなるが、発電性能が悪くなる。
第2燃料極層の金属粒子の含有率が高く、電気伝導率が
高くなり集電性能は良くなるが、発電中に金属粒子が凝
集、粒成長して燃料ガスの透過を防止するようなガス遮
断層が形成されるため、発電性能が劣化してしまうから
である。X,Yとしては70重量%≦X<Y≦90重量
%であることが更に望ましい。
子の含有率(X)と第2燃料極層の金属粒子の含有率
(Y)が60重量%≦X<Y≦90重量%を満足すると
ともに、第1燃料極層の金属粒子の平均粒子径(R1)
と第2燃料極層の金属粒子の平均粒子径(R2)が1.
5≦R2/R1≦3を満足することが望ましい。
のLa2 O3 ,CaCO3 ,Mn2 O3 を出発原料とし
て、これをLa0.8 Ca0.2 MnO3 の組成になるよう
に秤量混合した後、1500℃で3時間仮焼し粉砕して
平均粒径が6μmの固溶体粉末を得た。また、この固溶
体粉末にバインダーを添加し、押出成形法で円筒状の空
気極成形体を作製した。前記空気極成形体は、乾燥後1
250℃で10時間脱バインダー・仮焼することにより
円筒状の空気極仮焼体を作製した。
mol%の割合で含有する平均粒子径が1μmのZrO
2 粉末に、トルエンとバインダーを添加してスラリーを
調製し、ドクターブレード法により厚み100μmの固
体電解質シートを作製した。
O3 ,Cr2 O3 ,CaCO3 を出発原料として、これ
をLa0.8 Ca0.22CrO3 の組成になるように秤量混
合した後、1500℃で3時間仮焼し粉砕して、平均粒
径が2μmの固溶体粉末を得た。次に、この固溶体粉末
にトルエンとバインダーを添加してスラリーを調製し、
ドクターブレード法により厚み100μmの集電体シー
トを作製した。
シートをロール状に巻き付け、1100℃で3時間の仮
焼を行なった。仮焼後、集電体シートの積層箇所となる
固体電解質仮焼体の表面を平面研磨し、空気極仮焼体が
露出するまで表面上を平面研磨し、前記集電体シートを
所定箇所に帯状に巻き付けた。その後、大気中1500
℃で6時間の条件で共焼結を試みた。
の異なるNi,Co、Fe,NiO、CoO,FeO粉
末と平均粒子径が1.5μmのZrO2 (8モル%Y2
O3含有)およびCeO2 (Y2 O3 含有)粉末を、表
1に示す組み合わせになるように混合した。ここで、第
1燃料極層を形成する混合粉末であるNiO,CoO,
FeO粉末とZrO2 (8モル%Y2 O3 含有),Ce
O2 粉末の重量比は金属換算で70:30の割合で混合
し、第2燃料極層を形成する混合粉末であるNi,C
o,Fe粉末とZrO2 (8モル%Y2 O3 含有),C
eO2 粉末の重量比は金属換算で75:25の割合で混
合し第1燃料極用と第2燃料極用のスラリーを作製し
た。
第1燃料極用のスラリーの中にディップして、第1燃料
極形成層を形成した後、乾燥し、大気中1300℃で熱
処理して表1に示す第1燃料極層を形成した。さらにこ
の第1燃料極層が形成されたものを、第2燃料極用スラ
リーの中にディップして、第2燃料極層を成形した後、
乾燥し表1に示す第2燃料極を形成し、この後、100
0℃の還元雰囲気で熱処理して本発明の固体電解質型燃
料電池セルを作製した。
に水素を流して1000℃で行い、100時間後の出力
密度と、100時間後の出力密度に対する2000時間
後の出力密度の低下率を求めた。また、第1燃料極層と
第2燃料極層の厚みは走査型電子顕微鏡(SEM)によ
り測定した。
等(第1燃料極層のNiO等は還元されてNi等にな
る)の粒子の平均粒子径は燃料極層の断面をSEMで観
察し、インターセプト法により求めた。
ZrO2 (8モル%Y2 O3 含有)を用い、金属換算で
Ni:Zr=70:30の割合で混合したスラリー中に
ディップした後、1300℃の還元雰囲気で熱処理して
作製した。平均粒径は1μmで厚みは30μmであっ
た。
セルは従来の方法により燃料極を作製した試料番号8よ
りも出力密度の低下率が小さく発電特性が向上している
ことが判る。また、R2/R1が1.5よりも小さい試
料番号1は固体電解質への付着強度が低下し、固体電解
質との電気伝導度が低下し、出力密度の低下率が大きく
なっており、R2/R1が3よりも大きい、試料番号7
も第1燃料極層と第2燃料極層との間にガス遮断層が形
成され低下率が大きくなっていることが判る。
μmのNiO、CoO,FeO粉末と平均粒子径が1.
5μmのZrO2 (8モル%Y2 O3 含有)およびCe
O2 (Y2 O3 含有)粉末を、表2に示す組み合わせに
なるように混合し第1燃料極層用と第2燃料極層用のス
ラリーを作製した。
施例1と同様にして第1燃料極層を形成した。金属粒子
の平均粒径の比R2/R1は2.0であった。第1燃料
極層の厚みは30μm、第2燃料極層の厚みは50μm
であった。100時間後の出力密度と、出力密度の低下
率を実施例1と同様にして求め、表2に記載した。尚、
試料番号20は表1の試料番号8と同一の試料である。
電池セルは従来の方法により燃料極を作製した試料番号
20よりも、出力密度が高く、その低下率も小さいこと
が判る。また、第1燃料極の金属含有率が低い試料番号
21は固体電解質への付着強度が高いため低下率は低い
が、第1燃料極層のNi金属含有率が低いため初期の出
力密度が低く、さらに、第1燃料極層と第2燃料極層が
60重量%の試料番号22では出力密度の低下率は低い
ものの、初期の出力密度が低いことがわかる。
7、29ではNi金属の含有率が高く、発電中に金属粒
子が凝集、粒成長して燃料ガスの透過を防止するような
ガスの遮断層が形成され、低下率が大きくなっているこ
とが判る。
燃料極を、固体電解質表面に焼付けられたNi等とZr
O2 等からなる第1燃料極層と、この第1燃料極層の表
面に形成されたNi等とZrO2 等からなる第2燃料極
層とから燃料極を構成し、第1燃料極層の金属粒子と、
第2燃料極層の金属粒子の含有率或いは平均粒径を一定
に制御したので固体電解質への付着強度、電気伝導度、
燃料ガスの透過性の3点を同時に向上できるとともに、
金属粒子の粒成長を制御し、燃料ガスの透過性を向上
し、発電特性を向上できる。
面図である。
面図である。
斜視図である。
斜視図である。
Claims (3)
- 【請求項1】固体電解質の片面に空気極、他方の面に燃
料極を形成してなる固体電解質型燃料電池セルにおい
て、前記燃料極が、Ni、CoおよびFeから選ばれた
少なくとも一種の金属粒子とZrO2 粒子および/また
はCeO2 粒子からなり、前記固体電解質の表面に焼き
付けられた第1燃料極層と、Ni、CoおよびFeから
選ばれた少なくとも一種の金属粒子とZrO2 粒子およ
び/またはCeO2 粒子からなり、前記第1燃料極層の
表面に形成された第2燃料極層とからなるとともに、前
記第1燃料極層を形成するNi、CoおよびFeから選
ばれた少なくとも一種の金属粒子の平均粒子径(R1)
と前記第2燃料極層を形成するNi、Co、およびFe
から選ばれた少なくとも一種の金属粒子の平均粒子径
(R2)の比(R2/R1)が1.5≦(R2/R1)
≦3を満足することを特徴とする固体電解質型燃料電池
セル。 - 【請求項2】固体電解質の片面に空気極、他方の面に燃
料極を形成してなる固体電解質型燃料電池セルにおい
て、前記燃料極が、Ni、CoおよびFeから選ばれた
少なくとも一種の金属粒子とZrO2 粒子および/また
はCeO2 粒子からなり、前記固体電解質の表面に焼き
付けられた第1燃料極層と、Ni、CoおよびFeから
選ばれた少なくとも一種の金属粒子とZrO2 粒子およ
び/またはCeO2 粒子からなり、前記第1燃料極層の
表面に形成された第2燃料極層とからなるとともに、前
記第1燃料極層を形成するNi、CoおよびFeから選
ばれた少なくとも一種の金属粒子の含有率(X)と前記
第2燃料極層を形成するNi、Co、およびFeから選
ばれた少なくとも一種の金属粒子の含有率(Y)が60
重量%≦X<Y≦90重量%を満足することを特徴とす
る固体電解質型燃料電池セル。 - 【請求項3】前記請求項1に記載する金属粒子の平均粒
子径の条件と、前記請求項2に記載する金属粒子の含有
率の条件の双方を満たすことを特徴とする固体電解質型
燃料電池セル。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP9-330688 | 1997-12-01 | ||
JP33068897 | 1997-12-01 | ||
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JP3730774B2 JP3730774B2 (ja) | 2006-01-05 |
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ID=26356974
Family Applications (1)
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JP02008498A Expired - Fee Related JP3730774B2 (ja) | 1997-12-01 | 1998-01-30 | 固体電解質型燃料電池セル |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3730774B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002035634A1 (en) * | 2000-10-23 | 2002-05-02 | Stichting Energieonderzoek Centrum Nederland | Anode assembly for an electrochemical cell |
JP2002231256A (ja) * | 2001-01-30 | 2002-08-16 | Kyocera Corp | 固体電解質型燃料電池セルおよび燃料電池 |
JP2008204906A (ja) * | 2007-02-22 | 2008-09-04 | Toho Gas Co Ltd | 燃料極用集電材料、固体酸化物形燃料電池単セルおよび固体酸化物形燃料電池 |
JP2015088471A (ja) * | 2013-09-25 | 2015-05-07 | 株式会社デンソー | 燃料電池用アノードおよび燃料電池単セル |
JP2018088332A (ja) * | 2016-11-28 | 2018-06-07 | 日本特殊陶業株式会社 | 電気化学反応単セルおよび電気化学反応セルスタック |
JP2019197692A (ja) * | 2018-05-11 | 2019-11-14 | 日本碍子株式会社 | 燃料電池セル |
-
1998
- 1998-01-30 JP JP02008498A patent/JP3730774B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|---|---|---|
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