JP2006351403A - Sofc燃料極基板のグリーンシートと燃料極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】製造が簡便で且つ、酸化還元および熱膨張収縮に強い燃料極支持型SOFCセル用燃料極基板のグリーンシートおよび燃料極を作製する。
【構成】燃料極基板を構造体とし、緻密な酸素イオン伝導体からなる固体電解質と多孔質の空気極で構成された燃料電池セルのSOFC燃料極基板のグリーンシートの製造方法において、取り除くことが可能な物質で構成され、かつ連続気孔を有する基質1を用意し、これを熱膨張係数が固体電解質材料に近い値を有するセラミック粉末のスラリを含浸させ、乾燥し、3次元構造のセラミック骨格2を形成する工程、前記セラミック骨格に導電性物質のスラリを含浸させ、乾燥し、伝導パス層3を形成する工程を含むことを特徴とする。このグリーンシートの伝導パス層に固体電解質を設けて焼成することにより燃料極基板を製造する。
【選択図】 図1
【構成】燃料極基板を構造体とし、緻密な酸素イオン伝導体からなる固体電解質と多孔質の空気極で構成された燃料電池セルのSOFC燃料極基板のグリーンシートの製造方法において、取り除くことが可能な物質で構成され、かつ連続気孔を有する基質1を用意し、これを熱膨張係数が固体電解質材料に近い値を有するセラミック粉末のスラリを含浸させ、乾燥し、3次元構造のセラミック骨格2を形成する工程、前記セラミック骨格に導電性物質のスラリを含浸させ、乾燥し、伝導パス層3を形成する工程を含むことを特徴とする。このグリーンシートの伝導パス層に固体電解質を設けて焼成することにより燃料極基板を製造する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、SOFC燃料極基板のグリーンシートの製造方法と燃料極の製造方法、さらに詳細には酸化還元および熱膨張収縮に強い燃料極支持型SOFC(Solide Oxide Fuel Cellすなわち固体酸化物燃料電池)セル用燃料極基板のグリーンシートおよび燃料極の作製方法に関するものである。
近年、酸素イオン伝導体を用いたSOFCに関心が高まりつつある。特にエネルギーの有効利用という観点から、固体燃料電池はカルノー効率の制約を受けないため本質的に高いエネルギー変換効率を有し、さらに良好な環境保全が期待されるなどの優れた特長を持っている。SOFCは、セルがインターコネクタにより電気的に連結された構造となっているが、セルの構造から、電解質を支持体とする自立膜セル、燃料極を支持体とする燃料極支持型セル、空気極を支持体とする空気極支持型セルに分類できる。
ここで、燃料極支持型セルは、体積のほとんどを占める燃料極が安価なジルコニアなどで構成することができ、また電解質膜を薄くでき且つ電流パスが短いなどの長所があるため、近年注目されている。しかし、燃料極支持型セルでは、燃料極と電解質とが一体となっているため、この2要素(燃料極基板と固体電解質)の熱膨張係数が異なる応力が発生し、ソリや割れなどを引き起こす。また、酸化還元により上記の2要素の膨張収縮率が異なると同様に、応力が発生し、ソリや割れなどを引き起こす。
このため、燃料極基板と固体電解質をなるべく同じ材料で作製する必要がある。一般に燃料極支持型セルでは、固体電解質がジルコニア系酸化物、燃料極がジルコニア粉末とNi粉末の混合体で構成されているため、電解質の熱膨張係数は約1.05×10−5(1/K)、ニッケルは1.84×10−5(1/K)で、Niとジルコニアの混合比は重量比で55:45程度であり、その結果燃料極の熱膨張係数はその中間的な値(1.40×10−5(1/K))を取る。このため、室温と動作温度(800℃程度)との間の熱サイクルのたびに、セルが変形を繰り返す。また、セルのガスシールが不十分な場合は、燃料極基板の一部が酸化されその部分だけ膨張することにより、セルの破壊が起きる場合がある。また同じ原因から、シールレス構造を実現することが困難である。
そこで、固体電解質と同じジルコニアを用いて、電解質基板を作製し、この中にNiを含む溶液を含浸させるなどして、電解質とほぼ同じ熱膨張係数を有し、かつ燃料極の機能を持つ燃料極基板の作製が試みられている。ジルコニアの骨格を作製する方法として、ジルコニア粉末と炭素粉末などの造孔剤を混ぜたスラリを用いて、連続気孔を有するジルコニア骨格を作製することもできる。
しかしこの方法では、ジルコニア骨格を最初に焼成してしまうため骨格は取り扱いやすくなる一方、その上に設ける固体電解質膜を焼成する場合、収縮率が大きく異なることから、クラックの発生や、大きなソリの発生を避けることが困難である。このためジルコニア骨格を焼成してしまう前にグリーンの状態で、固体電解質シートをこの上に設け(張り合わせ、または、塗布などによる)同時焼成する必要がある。後者の方法ではグリーンの状態のジルコニア骨格は、変形に弱いため取り扱いが非常に難しい。また、この方法では、一枚のシートで複雑な層構造を有する基板を作製するのが困難である。
「固体酸化物燃料電池と地球環境」(株式会社アグネ承風社、1998年、P268〜275)
「固体酸化物燃料電池と地球環境」(株式会社アグネ承風社、1998年、P268〜275)
本発明は、製造が簡便で且つ、酸化還元および熱膨張収縮に強い燃料極支持型SOFCセル用燃料極基板のグリーンシートおよび燃料極を作製することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による酸化還元および熱膨張収縮に強いSOFC燃料極基板のグリーンシートの製造方法は、燃料極基板を構造体とし、緻密な酸素イオン伝導体からなる電解質と多孔質の空気極で構成された燃料電池セル、そしてそれらを電気的に接続するインターコネクタからなる固体電解質型燃料電池の燃料極の作製方法において、高温焼成時に燃焼等により取り除くことが可能な物質で構成され、連続気孔を有する基質を用意し、これを熱膨張係数が固体電解質材料に近い値を有するセラミック粉末を液体中に展開して作製したスラリに浸した後乾燥させることで、上記基質表面上にセラミック粉末を堆積させて骨格となるセラミック骨格の3次元構造を作製し、さらに、これを導電性を持たせる材料を液体に展開したスラリ中に浸し、乾燥させることで、燃料極基板のグリーンシートを作製することを特徴とする。
本発明によるSOFC燃料極基板のグリーンシートの製造方法の一実施態様のでは、気孔の平均的な径が異なる基質を用意しこれらを径の小さい順、または大きい順に張り合わせてから使用することを特徴とする。
また、本発明によるSOFC燃料極基板のグリーンシートの製造方法の上述の好ましい実施態様では、前記連続気孔を有する基質が、炭化水素または炭素繊維からなることを特徴とする。
同様に、本発明の好ましい実施態様では、前記セラミック粉末のスラリに造孔剤を添加することを特徴とする。
また、前記セラミック粉末のスラリおよび導電性セラミックのスラリの含浸および乾燥は複数回行われることを特徴とする。
本発明によるSOFC燃料極基板の製造方法は、前述のグリーンシートの前記伝導パス層に固体電解質を設けた後、焼成する工程を含むことを特徴とする。
上述のような本発明によるSOFC燃料極基板の製造方法の一実施態様では、前記固体電解質のシートを前記グリーンシートの前記伝導パス層に張り合わせて設けることを特徴とする。
上述のような本発明によるSOFC燃料極基板の製造方法の他の実施態様では、前記グリーンシートの前記伝導パス層に前記固体電解質をスクリーンプリントして設けることを特徴とする。
本発明によるSOFC燃料極基板の製造方法の一実施態様では、気孔の平均的な径が異なる基質を用意しこれらを径の小さい順、または大きい順に張り合わせて使用したグリーンシートのセラミック骨格の気孔の平均的径が小さな面に前記固体電解質を設けることを特徴とする。
本発明は、気孔率が高く連続気孔を有する仮の基質を用いて、これに、ジルコニア等の骨格、そして導電性を付与するNiO−ジルコニア混合粉末を堆積させたグリーンシートを用いることで、燃料極基板として理想的な3次元多孔体構造を容易に実現できる。この基質グリーンシートを用いて作製された固体電解質と燃料極基板からなるハーフセルは、燃料極基板の骨格が熱的、機械的に、固体電解質に似ていることで、熱サイクルによるセルの変形や、燃料の部分的な漏れなどによる酸化還元膨張収縮が抑制されるため、熱サイクルに強い。このため、セルの大型化に適しており、ガスシール方法を簡素化したり、シールレス構造を取ることも可能となる。
図1は、本発明による燃料極基板グリーンシートの作製方法を説明するための工程図である。図2は基質のディッピング(浸漬)の様子を示す図である。
本発明では、気孔率が高く連続気孔を有する仮の基質1を用いて、これに、熱膨張係数が固体電解質材料に近い値を有するセラミック粉末(たとえばジルコニアなど)を液体中に展開して作製したスラリに、たとえば浸漬し(図2参照)、含浸させた後乾燥させる。ここで前記基質1は高温焼成時に燃焼等により取り除くことが可能な物質で構成される(図1(a)参照)。
このようなディップコート方法としては、たとえば含浸したい多孔体と含浸する液とを真空容器内に入れ、真空引き(1/ 100気圧程度)し、多孔体を液に完全に浸した後に、1気圧に戻す方法を挙げることができる(真空含浸法)。この方法によれば、多孔体内のガスを取り除いた後に含浸ができるとともに、圧力を戻したときに1気圧で 液を押し込むので良く含浸できる。また、多孔体の側面を封じた後、片面を液に浸し、他の面を真空引きして、液 を吸引する方法(真空吸引法)を使用することができる。すなわちスラリの基質への堆積方法は、基本的に限定されるものではない。このスラリへのディップ(基質への堆積)は、所望により複数回行うことができる。
これにより、基質1の3次元構造における表面を前記セラミック骨格(たとえばジルコニア)2が覆い、基質1と似た3次元構造が形成される(図1(b)参照)。このため、所望の構造を基質1で作製しておけば、これを型にして前記セラミック骨格(たとえばジルコニア骨格)2の3次元構造を自由に作ることが可能である。したがって、空孔のサイズが異なる基質1を複数用意し、これらを張り合わせることで、電解質に近い層では、微細な構造とし、電解質から離れるにつれ、ガスが通りやすい大きな空孔サイズにすることなども可能となる。すなわち気孔の平均的な径が異なる基質を用意し、これらを径の小さい順、または大きい順に張り合わせて使用することができる。
次いで、前記セラミック骨格2を導電性を持たせる材料を液体に展開したスラリ中に浸し、乾燥させ、伝導パス3を形成する。この工程も複数回行うことができる。たとえばジルコニア骨格に導電性を付与するためにNiO粉末やNiO−ジルコニア混合粉末の入ったスラリを含浸させ乾燥することで、骨格の燃料極基板のグリーンシート4を作製する(図1(c)参照)。
上記の基質1は、発泡ウレタンなどの炭化水素系または炭素繊維からなる材料で作製すれば焼成を行うときに燃焼により取り除くことができる(図1(d)参照)。
基質1自体の気孔率を高くすることが可能であるため、基質1を取り除いても機械強度は充分であり、基質1が取り除かれた部分は新たなガス拡散路となる。ここで、セラミック骨格2、たとえばジルコニア骨格を作製するスラリに炭素粉末などの造孔剤を混ぜたスラリを使用することで、セラミック骨格(たとえばジルコニア骨格)2の一部に穴があき、基質1が取り除かれた3次元構造とその他の空孔とがより密接に連結されるため、燃料ガス等の拡散を向上させることができる。このような基質1の空孔の寸法は、上述の観点から50μm〜300μmであるのがよい。
本発明によれば、前述のようなグリーンシート4を使用して燃料極基板ハーフセルを作製する。すなわち、上記グリーンシート4を作製した後、前記グリーンシート4と固体電解質用のシートと張り合わせるまたは、スクリーンプリント法などにより固体電解質膜を設け、これを高温で焼成する。これにより、基質1は燃焼により焼失し、燃料極基板ハーフセルとなる。
複数の基質を張り合わせた場合は、グリーンシート4の孔の平均的な径が小さい面に、固体電解質シートを張り合わせた後、あるいは固体電解質をスクリーンプリントした後同時焼成する。
以下に本発明の作用を説明する。上記に説明した方法で後で取り除くことが可能な3次元的な構造を持つ基質の内部表面に固体電解質とほぼ同じ性質を有する材料を付着させ、次に、導電性を付与する材料を付着させることで、燃料極基板として理想的な3次元多孔体構造を容易に実現できる。幾つかの種類の基質を予め用意しこれらを組み合わせて張り付けることで所望の構造に対応した構造を持つ基質を簡便に作製することが可能である。基質は焼成を行うまで残るため、グリーンシートの取り扱いが容易となる。特に、固体電解質膜を燃料極基板のグリーンシート上に設けるなどする過程において重要である。
基質グリーンシートと固体電解質膜を張り合わせた後、同時焼成を行う。この様な方法で作製された固体電解質と燃料極基板からなるハーフセルは、燃料極基板の骨格が熱的、機械的に、固体電解質に似ていることで、熱サイクルによるセルの変形や、燃料の部分的な漏れなどによる酸化還元膨張収縮が抑制される。このため、簡易なガスシールや、シールレス構造を取ることも可能となる。
以下に本発明の実施例を説明する。なお、当然のことであるが本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まず平均粒径が約0.2μmの8YSZ(0.92ZrO2−0.08Y2O3)粉末にフタル酸エステルとエチルセルロースとキシレンを加えて、脱泡器により粘度調整することで燃料極骨格用スラリを用意した。
このスラリに、基質となる平均の気孔径が100μm、直径38mmの発泡ウレタンを含浸させ、基質内部の表面へ上記スラリーをディップコートした。これをオーブンで乾燥した。
次に平均粒径が約0.8μmのNiO粉末を用意し、これと平均粒径が約0.2μmの8YSZ(0.92ZrO2−0.08Y2O3)粉末を混合(NiO粉末が65wt%)し、ポリビニルアルコール水溶液に展開してスラリを作製し、上記のジルコニアをコートした基質にスラリを含浸させて伝導パスにあたる部分を付与した。これを乾燥させて燃料極基板のグリーンシートとした。
次に、ドクターブレード法で作製した固体電解質用のグリーンシートと、燃料極と同じ組成のスラリを用いて作製した中間層用のグリーンシートを燃料極基板と張り合わせて、ハーフセル用グリーンシートとした。これを、オーブンで脱脂し、1300℃、2時間の条件で空気中で焼成を行ったところ、約30mm径、電解質厚20μm、中間層厚100μm、燃料極基板厚1mmのハーフセルが得られた。
得られたハーフセル上にLSMスラリをスクリーンプリントしたのち、1100℃で焼成し、10mm径の空気極とした。
燃料極側と空気極側に白金ペーストを塗布し白金メッシュ集電体を乗せて、1000℃、2時間の条件で焼成し集電体とした。このセルおよび試験装置内の模式図を図3に示す。図中、5は燃料電極基板(燃料極)、6は中間層、7は薄膜固体電解質、8は空気極であり、9は電流線、10は電圧線を示す。
ここで、燃料極5には室温で加湿した水素ガスを用い、空気極8には酸素を用いた。開放起電力としては、800℃で1.05Vの値が得られた。このセルは、表1に示すように、400mA/cm2において、0.68Vと比較的良好な特性が得られた。燃料電池セルとして働いていることがわかった。
一方、上記の燃料極基板グリーンシートを2.5cmの長さの短冊状に加工し、セルと同じ条件で焼成し、熱膨張の試験試料とした。この条件で作製した試料を、水素窒素混合ガス中で、還元処理を行った試料もあわせて作製した。ディラトメータを用いて室温から1000℃までの熱膨張係数を測定した。空気中、および還元処理後の試料(水素、窒素中で測定)いずれも、1.1×10−5(1/K)と電解質とほぼ同じ値が得られた。
以上の様に、本方法を用いることで、酸化還元および熱膨張収縮に強い燃料極支持型SOFCセル用燃料極基板の作製に成功した。
実施例1において使用した空孔径100μmの基質と空孔径が50μmとさらに小さな基質を張り合わせて、実施例1と同様に使用したスラリを用いてジルコニア骨格、その上にNi−ジルコニア層を堆積させた。そして、気孔径が小さい面に実施例1で使用したNi−8YSZのスラリの8YSZに代えてSASZ(0.89ZrO2−0.10Sc2O3−0.01Al2O3)粉末を使用したスラリを用いて中間層をスクリーンプリントし、さらにその上にSASZスラリを用いて電解質層を設けた。このシートを脱脂後、1300℃、2時間、焼成しハーフセルを得た。これに、実施例1と同様に空気極を設け、同様の試験を行った。この結果を表1に示す。このセルは、開放起電力、発電出力共に、実施例1と同等の結果が得られた。
ここでは、実施例1に用いた基質を窒素中で蒸し焼きにして、炭素のみでできた基質として用いている。SASZスラリを用いたジルコニア骨格とNiO−SASZスラリを用いた電子伝導部分を基質上に堆積させた。この上にSASZ電解質グリーンシートを張り付けたシートを脱脂後、1300℃、2時間、焼成しハーフセルを得た。これに、実施例1と同様に空気極を設け、同様の試験を行った。この結果を表1に示す。このセルは、開放起電力、発電出力共に、実施例1と同等の結果が得られた。
ここでは、実施例1に用いた基質をそのまま使用し、SASZスラリ中に直径約5μmの炭素粉末を15wt%混ぜたものを用いてジルコニア骨格を堆積させ、次にNiO−SASZスラリに直径約3μmの炭素粉末を15wt%混ぜて電子伝導部分として基質上に堆積させた。この上にSASZ電解質グリーンシートを張り付けたシートを脱脂後、1300℃、2時間、焼成しハーフセルを得た。これに、実施例1と同様の手法でLNF(LaNi0.6Fe0.4O3)空気極材料を塗布し、1000℃、2時間の条件で焼成を行い空気極を設け、同様の試験を行った。この結果を表1に示す。このセルは、開放起電力、発電出力共に、実施例1と同等、またはこれを上回る良好な結果が得られた。
本発明は燃料極支持型SOFCセル用燃料極基板のグリーンシート及び燃料極基板の作製方法に関するもので、高温焼結で焼失する連続気孔を有する基質を、固体電解質の熱膨張率に近いセラミックス粉末や導電性材料などを含むスラリに含浸し乾燥することで、三次元の燃料極基板のグリーンシート骨格を作製し、この基質を電解質に張り合わせ焼成して燃料極を作製する点を特徴としている。焼成で基質は焼失し、燃料極は多孔性、導電性、ガス拡散機能を有し、かつ、熱膨張率は固体電解質と同程度であり耐久性の向上が実現できる。
1 基質
2 セラミック骨格
3 伝導パス
4 グリーンシート
5 燃料極
6 中間層
7 薄膜固体電解質
8 空気極
9 電流線
10 電圧線
2 セラミック骨格
3 伝導パス
4 グリーンシート
5 燃料極
6 中間層
7 薄膜固体電解質
8 空気極
9 電流線
10 電圧線
Claims (9)
- 燃料極基板を構造体とし、緻密な酸素イオン伝導体からなる固体電解質と多孔質の空気極で構成された燃料電池セルのSOFC燃料極基板のグリーンシートの製造方法において、取り除くことが可能な物質で構成され、かつ連続気孔を有する基質を用意し、これを熱膨張係数が固体電解質材料に近い値を有するセラミック粉末のスラリを含浸させ、乾燥し、3次元構造のセラミック骨格を形成する工程、前記セラミック骨格に導電性物質のスラリを含浸させ、乾燥し、伝導パス層を形成する工程を含むことを特徴とするSOFC燃料極基板のグリーンシートの製造方法。
- 気孔の平均的な径が異なる基質を用意しこれらを径の小さい順、または大きい順に張り合わせてから使用することを特徴とする請求項1記載の燃料極支持型SOFCセル用燃料極基板のグリーンシートの製造方法。
- 前記連続気孔を有する基質が、炭化水素または炭素繊維からなることを特徴とする請求項1又は2記載のSOFC燃料極基板のグリーンシートの製造方法。
- 前記セラミック粉末のスラリに造孔剤を添加することを特徴とする請求項1から3記載のいずれかのSOFC燃料極基板のグリーンシートの製造方法。
- 前記セラミック粉末のスラリおよび導電性セラミックのスラリの含浸および乾燥は複数回行われることを特徴とする請求項1から4記載のいずれかのSOFC燃料極基板のグリーンシートの製造方法。
- 請求項1記載のグリーンシートの前記伝導パス層に固体電解質を設けた後、焼成する工程を含むことを特徴とするSOFC燃料極基板の製造方法。
- 前記固体電解質のシートを前記グリーンシートの前記伝導パス層に張り合わせて設けることを特徴とする請求項6記載のSOFC燃料極基板の製造方法。
- 前記グリーンシートの前記伝導パス層に前記固体電解質をスクリーンプリントして設けることを特徴とする請求項6記載のSOFC燃料極基板の製造方法。
- 請求項2記載の基質を使用したグリーンシートのセラミック骨格の気孔の平均的径が小さな面に前記固体電解質を設けることを特徴とする請求項6から8記載のいずれかのSOFC燃料極基板の製造方法。
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2010534400A (ja) * | 2007-07-25 | 2010-11-04 | ザ、リージェンツ、オブ、ザ、ユニバーシティ、オブ、カリフォルニア | 高温電気化学装置用のインタロッキング組織及びその製法と使用法 |
JP2012221946A (ja) * | 2011-04-04 | 2012-11-12 | Korea Institute Of Science And Technology | ナノ構造複合体空気極を含む固体酸化物燃料電池及びその製造方法 |
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