JP2005166455A - 固体酸化物形燃料電池用セル、セル板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板強度・剛性に優れ、薄肉化が可能で、熱膨張差による電極や電解質層の剥離や割れを防止することができ、しかも大気中での焼成が可能で製造コストを低減することができる基板支持型の固体酸化物形燃料電池用セル及びセル板、さらにこれら燃料電池用セル及びセル板の製造方法を提供する。
【解決手段】アルミナやジルコニア等の緻密な非孔質セラミックス材料から成り、表裏両面に連通する多数の貫通孔3aを備えた緻密セラミックスベース3の上に、同じくセラミックス材料から成りガス透過性を備えた多孔質セラミックス層4を積層して支持基板2とし、この上に燃料極層5、電解質層6及び空気極層7から成る電池要素をこの順序、あるいは逆の順序に積層する。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体酸化物から成る電解質を空気極及び燃料極で挟持した電池要素をガス透過性を備えた多孔質基板によって支持した基板支持型の固体酸化物形燃料電池に係わり、特に、固体酸化物形燃料電池用セル及びセル板、さらにはこのようなセルの製造方法に関するものである。
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、電解質としての固体酸化物と、この酸化物から成る固体電解質を間に挟んで互いに対向する状態に配置された燃料極と空気極とを基本構成要素として備えており、燃料極側に水素などの燃料ガス、空気極側に空気などの酸化性ガスを供給することによって、電気化学反応に基づく直流電力を得ることができる。
一般に固体酸化物形燃料電池においては、電池の内部抵抗を減じることが電池性能の向上に繋がるために、内部抵抗を減少させる種々の手段が検討されている。
内部抵抗としては、電解質抵抗と反応抵抗が支配的であり、このうち反応抵抗は材料的要素や電極ミクロ構造など、種々の要素に影響される一方、電解質抵抗は電解質材料の電気伝導性及び膜厚に影響されることから、上記電解質の膜厚を減じ、電解質部分の抵抗を減じることができるセル構造として電極支持型セル、例えば燃料極支持型セルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、燃料極支持型セルは、ガス透過性を備えた多孔質構造をなす燃料極基板上に、固体酸化物から成る電解質層と、空気極層を形成したものであって、このような燃料極支持型セルにおいては、電荷の移動方向が膜厚方向となるため、その膜厚を減ずることによって電解質の抵抗を少なくすることができる。
一方、セラミックス材料から成る燃料極を基板として使用する上記燃料極支持型セルに対して、強度、柔軟性に優れた金属材料を基板として使用する多孔質金属支持型セルが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
多孔質金属支持型セルは、例えばステンレス鋼などから成る多孔質金属基板に、燃料極層、電解質層及び空気極層を順次(空気極が先でも可)成膜した構造を有し、このような金属材料を支持基板に用いることによって、多孔質セラミックス材料から成る燃料極基板に比べて、基板を薄板化することができることから、小型燃料電池の構成が容易であるという特長がある。
特開2002−25576号公報 Plasma Sprayed Thin Flm SOFC for Reduced Oparating Temperature., Fuel Cells Bulletin., pp597-600, 2000
しかしながら、上記燃料極支持型セルにおいては、薄膜電解質を支持するための基板強度の観点から、1〜5mm程度の板厚を必要とするため、このような構造の燃料極支持型セルを複数個積層し、集合化して燃料電池スタックを組み立てる場合、基板の板厚が厚いことによってスタックも大型化し、小型の燃料電池を構成する障害となることがある。
なお、セラミックス成形技術の改良による燃料極基板の薄板化が検討されてはいるものの、燃料極基板はガス透過性を確保するために多孔質となることから、強度と薄板化を両立することが極めて困難であるのが実情である。また、別のタイプの電極支持型セルとして、空気極を支持基板として使用することも考えられるが、基本的に同様の問題を有している。
他方、上記燃料極支持型セルは大気中での焼成が可能であるのに対し、多孔質金属支持型セルにおいては、基板上に電池要素を形成するに際して、多孔質金属基板の酸化による劣化を防止するために還元性あるいは不活性雰囲気中での焼成が必要となる。また、電極及び電解質をスパッタ法やCVD法等の真空成膜法で形成することも可能であるが、いずれにしても製造コストが高くなるという問題がある。
さらに、多孔質金属支持型セルは、基板の柔軟性のためにスタック化したときの接合部も柔軟で、セルの剛性が低く、スタック化に際してセル外周部が破損し易いという問題と共に、金属材料と電解質や電極などのセラミックス材料とでは、一般に熱膨張係数が大きく異なることから、セルの昇温・降温時に、多孔質金属基板上に形成された電解質層や電極層が割れたり、剥離したりし易いという問題がある。
本発明は、従来の固体酸化物形燃料電池用セルにおける上記課題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、基板の強度・剛性に優れ、薄肉化が可能で、熱膨張差による電極や電解質層の剥離や割れを防止することができ、しかも大気中での焼成が可能で製造コストを低減することができる基板支持型の固体酸化物形燃料電池用セルを提供すると共に、このような燃料電池用セルを2次元的に配列させた燃料電池用セル板、さらにはこれら燃料電池用セル及びセル板の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、燃料電池基板の構造やその材料等について鋭意検討を重ねた結果、基板材料として耐熱性、耐酸化性に優れ、しかも電極や電解質材料に近い熱膨張特性を備えたセラミックス材料を使用し、貫通孔を備えた緻密なセラミックス材からなる強度部材としての有孔セラミックス基材と、ガス拡散性を確保するための多孔質セラミックス層から成る積層構造とすることによって上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の固体酸化物形燃料電池用セルは、多孔質基板上に固体酸化物電解質層と電極層から成る電池要素を形成した基板支持型のセルであって、上記多孔質基板を表裏に連通する貫通孔を備えた緻密セラミックスベースとガス透過性を有する多孔質セラミックス層から成る積層体としたことを特徴としており、本発明の固体酸化物形燃料電池用セル板は、上記燃料電池用セルが積層方向とほぼ直角をなす方向に2次元的に複数個連結されて一体化していることを特徴としている。
また、本発明の固体酸化物形燃料電池用セルの製造方法は、上記固体酸化物形燃料電池用セルの製造に好適なものであって、[1]緻密セラミックスベース上に多孔質セラミックス層を形成して焼成する工程と、[2]焼成された多孔質セラミックス層の上に一方の電極層を形成する工程と、[3]多孔質セラミックス層の上に形成された上記電極層の上に電解質層を形成して、電極層と電解質層とを焼成(共焼結)する工程と、[4]焼成された電解質層の上に他方の電極層を形成して焼成する工程を含むことを特徴としている。
本発明によれば、固体酸化物形燃料電池用セルの多孔質支持基板として、例えばアルミナやジルコニアなどのセラミックス材料から成るものを使用しているため、十分な耐熱性、耐酸化性を有しており、大気中での焼成ができ、製造コストの低減が可能となると共に、電極や電解質材料に近似した熱膨張係数を備えているので、熱膨張差に起因する電層や電解質層の割れや剥離を防止することができる。また、上記支持基板が貫通孔を形成した緻密なセラミックス材から成るセラミックスベースと、ガス透過性を備えた多孔質セラミックス層から成る積層構造を有しているので、ガス拡散性を維持しながら支持基板としての強度・剛性を確保することができ、薄板化による燃料電池スタックの小型化に対応することができる。
また、本発明の製造方法によれば、貫通孔を備えた緻密セラミックスベースの上に多孔質セラミックス層を形成して焼成した後、この多孔質セラミックス層の上に一方の電極層、例えば燃料極層を形成し、さらにこの燃料極層の上に電解質層を形成した後、これら燃料極層と電解質層を同時に焼成(共焼結)し、焼成された電解質層の上に他方の電極層、例えば空気極層を形成して焼成するようにしていることから、高価な真空成膜装置や雰囲気焼成を必要とすることなく、本発明の固体酸化物形燃料電池用セル及びセル板を円滑に、低コストで製造することができるという優れた効果がもたらされる。
以下、本発明の固体酸化物形燃料電池用セルについて、さらに詳細に説明する。なお、本明細書及び特許請求の範囲の記載において、「%」は特記しない限り質量百分率を意味するものとする。
図1(a)及び(b)は、本発明の固体酸化物形燃料電池用セルの実施形態の一例を示すそれぞれ斜視図及び断面図であって、図に示す固体酸化物形燃料電池用セル1は、例えばアルミナやジルコニア等の緻密なセラミックス材料から成り、表裏両面に連通する多数の貫通孔3aを備えた緻密セラミックスベース3の上に、同じくセラミックス材料から成り、ガス透過性を備えた多孔質セラミックス層4を積層した構造をなす多孔質基板2の上に、燃料極層5、電解質層6及び空気極層7から成る電池要素をこの順序、あるいは逆の順序に積層した構造を備えたものであって、上記多孔質基板2がセラミックス材であるので、大気中での焼成に耐えると共に、電解質層6や両電極5,7の材料との熱膨張率の差が小さいので、昇温・降温時に熱的衝撃を受けたとしても、電解質層や電極層に割れや剥離が生じ難いものとなる。
また、上記多孔質基板2は、非孔質で高強度の緻密セラミックスベース3を基材とし、この部分で電池要素の支持基板としての強度・剛性を確保するようにしているので、全体の厚さを薄くすることができ、燃料電池スタックの小型化が可能なものとなる。
すなわち、電池要素の支持基板には、電極層に燃料ガスや酸化性ガスを供給するためにガス透過性が必要であり、例えば市販のアルミナ粒子から成り、無数の微細孔を有する多孔質セラミックスにより基板の全体を形成した場合には、支持基板としての強度を確保するために1〜5mm程度の板厚が必要となる。
これに対し、本発明においては、薄板化を可能にするために緻密な非孔性セラミックス製の薄板(例えば、0.2から0.5mm程度)に比較的大口径(例えば、0.2から0.5mm程度)の貫通孔3aを比較的大きな間隔(例えば、1.0から1.5mm程度のピッチ)を多数形成することによって、ガス透過性を確保すると共に、支持基板としての強度・剛性が得られるようにしている。
そして、このような貫通孔3aを備えた有孔緻密セラミックスベース3に薄膜構造の電極及び電解質層を直接形成した場合には、ガス透過性は得られるものの、電極層へのガス供給が貫通孔3aの周囲のみに限定されてしまい、全体的なガス供給が不足することになるため、上記緻密セラミックスベース3に無数の微細孔を有するガス透過性多孔質セラミックス層4を形成してガス拡散層として機能させ、電極層全体に燃料ガスや酸化性ガスが均一に供給されるようにしている。
このとき、多孔質セラミックス層4は、緻密セラミックスベース3の貫通孔3aを覆うように形成してもよく、貫通孔3aの内部全体あるいは一部に多孔質セラミックス材が入り込むようにしても差し支えない。
図2(a)及び(b)は、緻密セラミックスベース3の形状例を示すものであって、当該緻密セラミックスベース3の厚さtとしては、基板2の薄肉化と強度とを両立させる観点から、0.2〜0.5mm程度とすることが望ましく、貫通孔3aの径dとしては、同様に強度と通気性(ガス透過性)のバランスから0.2〜0.5mmの範囲とすることが好ましい。なお、隣接する貫通孔3a同士のピッチについても、基板強度と通気性を考慮して1.0〜1.5mm程度とすることが望ましい。
また、上記緻密セラミックスベース3の材料としては、上記したアルミナやジルコニアの他に、シリカ、アルミナ−シリカ、窒化珪素、炭化珪素などを用いることができ、これら材料の2種以上を混合して使用することも可能である。
なお、貫通孔3aの形成には、例えばレーザ加工を適用することができる。また、焼成前のグリーンシートの状態であれば、ドリル加工によっても貫通孔3aを形成することも可能である。
一方、多孔質セラミックス層4としては、例えば図3(a)〜(c)に示すように、セラミックファイバーやセラミック微粒子から成る多孔質体、さらには無数の微細クラックの入った多孔質セラミックスなどを適用することができ、当該多孔質セラミックス層4の厚さとしては、基板2の薄肉化を図る一方、貫通孔3aを通過したガスを十分に拡散させ、偏りなく均等に電極層に供給する観点から、0.2〜0.5mm程度とすることが好ましい。
なお、図3(c)に示しような微細クラック入りセラミックスは、例えば有機金属を含む液体を溶媒で希釈して成るスラリーの塗布と焼成を繰り返すことによって得ることができる。
また、上記多孔質セラミックス層4の材料としては、アルミナ、アルミナ−シリカ、ジルコニアなどを単独、あるいは混合して使用することができる。また、これら材料中に、Ni、Cu、Feなどの金属材料を単独あるいは任意に組み合わせて、質量比で30%以下の範囲内で添加することもでき、これによって該セラミックス層4の上に燃料極層5を積相する場合に、燃料極層5の集電体層として機能させることができるほか、炭化水素系燃料を使用する場合の触媒層として機能させることもできる。
図4(a)〜(c)は、本発明の固体酸化物形燃料電池用セル1の形態例を示すものであって、図4(a)に示す燃料電池用セル1においては、緻密セラミックスベース3の貫通孔3a内に多孔質セラミックス材が充填されることなく、貫通孔3aを覆うように多孔質セラミックス層3が形成され、この上に燃料極層5、電解質層6及び空気極層7がこの順序に積層された構造を有している。
言うまでもなく、空気極7が先に多孔質セラミックス層3上に形成され、この上に電解質層6及び燃料極層5を積層するようにしてもよい。また、緻密セラミックスベース3の貫通孔3a内に多孔質セラミックス材が充填されていても特に問題はない。
また、図4(b)に示すように、電池要素の側だけでなく、裏面側にも多孔質セラミックス層3を形成するようになすこともできる。このとき、当該図4(b)に示したように緻密セラミックスベース3の貫通孔3aの内部に多孔質セラミックス材が充填されていてもよいし、図4(a)のように空洞のままでも差し支えない。
さらに、図4(c)に示すように、電池要素の両面、すなわち燃料極層5及び空気極層7に多孔質セラミックス層4がそれぞれ接するように多孔質基板2を配置してもよい。
すなわち、図4(a)に示した燃料電池用セル1においては、図3(a)に示したようなセラミックスファイバーから成る多孔質体が好適に使用でき、本発明の中でも薄型のセルを構成する場合に好適である。また、図4(b)に示した燃料電池用セル1においては、図3(b)に示したようなセラミックス微粒子から成る多孔質体が好適に使用でき、本発明の中でも剛性の高いセルを構成する場合に好適である。
さらに、図4(c)に示した燃料電池用セル1においては、図3(b)及び(c)に示した多孔質体が好適に使用でき、特に剛性の高いセルを構成する場合に好適である。なお、図4の形態は、セルを集積しスタック化する場合にスタックの構成に応じて選択されるべきものである。
なお、本発明のような固体酸化物形燃料電池において、燃料極層5の材料としては、例えばPt、Ni、Cuなどの金属材料や、Ni−SDC(サマリウム・ドープ・セリア)、Ni−YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、Ni−CGO(セリウム−ガリウム複合酸化物)、Cu−CeO(セリア)などのサーメット材料、あるいはこれらの混合材料を用いることができる。
また、電解質層6としては、例えばYSZ、SSZ(スカンジウム安定化ジルコニア)、SDC、LSGM(ランタンガレート)などを用いることができ、空気極層7の材料としては、Pt、Agなどの金属材料の他、LSM(La1−XSrMnO)、LCM(La1−XCaMnO)、LSC(La1−XSrCoO)、SSC(Sm1−XSrCoO)などの複合酸化物を用いることができる。
次に、図5に基づいて、本発明の固体酸化物形燃料電池用セルの製造方法について簡単に説明する。
先ず、図5(a)に示すように、多数の貫通孔3aを形成した緻密セラミックスベース3を準備する。なお、貫通孔3aは、前述のようにレーザ加工やドリル加工を適用することができる。
次に、上記緻密セラミックスベース3の上に、図5(b)に示すように、多孔質セラミックス層4を形成したのち焼成し、当該多孔質セラミックス層4の緻密セラミックスベース3に対する密着性を高め、多孔質基板2を得る。
そして、緻密セラミックスベース3と一体化された基板2における多孔質セラミックス層4の上に、図5(c)に示すように燃料極層5を形成した後、当該燃料極層5の上に、電解質層6を形成し、これら燃料極層5及び電解質層6を焼成し、燃料極層5の上に、図5(d)に示すように緻密な電解質層6を得る。
そして最後に、上記電解質層6の上に空気極層7を形成することによって、図5(e)に示すように電解質層6に空気極層7を焼き付け、図1に示したような固体酸化物形燃料電池用セル1が完成する。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
(実施例1)
まず、緻密セラミックスベース3として、アルミナ焼結体から成る厚さ0.3mm、直径40mmの円板であって、0.2mm径の貫通孔3aを1.0mmのピッチで備えたものを用意した。
そして、平均粒径が0.2μmと0.8μmのシリカ微粒子を体積比で50%ずつ混合したシリカ微粒子100重量部に対して、平均粒径20μmのグラファイト粒子20重量部を加えたスラリーをスリップキャストの手法によって、上記緻密セラミックスベース3の上に形成し、大気中600℃で乾燥し、スラリー内の溶媒成分、バインダ成分を揮発させたのち、大気中1200℃で焼成し、上記ベース3の上に0.4mmの厚さに多孔質セラミックス層4を形成し、多孔質基板2を得た。
次に、平均粒径0.2μmのNiO微粒子(60%)及び平均粒径0.5μmのYSZ微粒子(40%)を含むペーストを調整し、このペーストを上記基板2の多孔質セラミックス層4の上にスクリーン印刷法によって印刷することによって燃料極層5を形成し、大気中600℃でペースト内の溶媒成分、バインダ成分を揮発させた。
そして、電解質材料として平均粒径0.4μmのYSZ微粒子を含むペーストを調整し、同じくスクリーン印刷の手法によって、このペーストを上記燃料極層5の上に塗布したのち、大気中1400℃で焼成し、燃料極層5及び電解質層6を得た。なお、得られた燃料極層5及び電解質層6の厚さはそれぞれ70μm及び30μmであった。
次いで、空気極材料として平均粒径0.8μmのLSM微粒子を含むペーストを調整し、このペーストを上記電解質層6の上に、スクリーン印刷の手法によって塗布し、大気中1150℃で焼結し、厚さ50μmの空気極層7を得た。
以上により、図1に示したような構造を有し、約0.5mm程度の厚さを備えた薄型の固体酸化物形燃料電池用セル1を得ることができた。
(実施例2)
上記実施例1において使用したものと同じ緻密セラミックスベース3を用い、平均線径が0.02mmのシリカ−アルミナファイバーを含むスラリーをスリップキャストの手法によって上記緻密セラミックスベース3の上に形成し、大気中600℃で乾燥することによりスラリー中に含まれる溶媒成分、バインダ成分を揮発させたのち、大気中1100℃で焼成して、多孔質セラミックス層4を0.3mmの厚さに積層して多孔質基板2とした。
このようにして得られた多孔質基板2に対して、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、燃料極層5、電解質層6及び空気極層7を順次成膜し、図1に示したような構造を有し、約0.4mm程度の厚さを備えた薄型の固体酸化物形燃料電池用セル1が得られた。
(実施例3)
上記実施例1において使用したものと同じ緻密セラミックスベース3を使用して、この上にマイクロクラックの入ったジルコニアから成る多孔質セラミックス層4を形成して多孔質基板2とした。
すなわち、Zrを金属として含む有機化合物(高純度化学製:ZrO)をディップコートの手法によって上記緻密セラミックスベース3の上に浸漬・塗布したのち、大気中800℃でスラリー内の溶媒成分、バインダ成分を揮発させながら焼成するという操作を5回繰り返し、これによってセラミックスベース3の上に、マイクロクラック入りジルコニアから成る多孔質セラミックス層4を0.2mmの厚さに積層して多孔質基板2とした。
そして、このようにして得られた多孔質基板2に対して、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、燃料極層5、電解質層6及び空気極層7を順次成膜することによって、図1に示したような構造を有し、約0.4mm程度の厚さを備えた薄型の固体酸化物形燃料電池用セル1を得ることができた。
(実施例4)
上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによってによって、図1に示したような固体酸化物形燃料電池用セルを得たのち、平均粒径が0.2μmと0.8μmのシリカ微粒子を含有する多孔質セラミックス層形成用のスラリーをスクリーン印刷法によって、上記燃料電池用セルの空気極層7の上に印刷した。
そして、上記多孔質セラミックス層用スラリーの印刷膜が乾燥しないうちに、同様の緻密セラミックスベース3を印刷膜上に押し付けたのち、大気中900℃で焼成することによって多孔質セラミックス層4を空気極層7及び緻密セラミックスベース3に焼き付け、図4(c)に示したように、電池要素5,6,7の両面側にそれぞれ多孔質基板2を備えた固体酸化物形燃料電池用セル1が得られた。
本発明の固体酸化物形燃料電池用セルの構造例を示す斜視図(a)及び断面図(b)である。 図1に示した緻密セラミックスベースの形状例を示す断面図(a)及び平面図(b)である。 図1に示した多孔質セラミックス層がセラミックファイバー(a)、セラミック微粒子(b)及びマイクロクラック入りセラミックス(c)から成る例をそれぞれ示す断面図である。 (a)〜(c)は本発明の固体酸化物形燃料電池用セルの他の構造例を示す断面図である。 (a)〜(e)は本発明の固体酸化物形燃料電池用セルの製造手順を順番に示すそれぞれ斜視図である。
符号の説明
1 固体酸化物形燃料電池用セル
2 多孔質基板
3 緻密セラミックスベース
3a 貫通孔
4 多孔質セラミックス層
5 燃料極層
6 電解質層
7 空気極層

Claims (13)

  1. 多孔質基板上に固体酸化物から成る電解質層を電極層で挟持した電池要素を形成した基板支持型セルにおいて、
    上記基板が表裏に連通する貫通孔を備えた緻密セラミックスベースとガス透過性を有する多孔質セラミックス層から成る積層体であることを固体酸化物形燃料電池用セル。
  2. 上記基板を電池要素の両面に備えていることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
  3. 上記緻密セラミックスベースの電池要素側の面に多孔質セラミックス層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
  4. 上記緻密セラミックスベースの電池要素の裏面側に多孔質セラミックス層が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
  5. 上記緻密セラミックスベースの貫通孔内に多孔質セラミックスが充填されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
  6. 上記緻密セラミックスベースの厚さが0.2〜0.5mm、当該セラミックスベースに設けた貫通孔の径が0.2〜0.5mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
  7. 上記多孔質セラミックス層の厚さが0.2〜0.5mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
  8. 上記多孔質セラミックスベースがセラミックファイバー、セラミック微粒子又はクラック入りセラミックスから成る多孔質体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
  9. 上記緻密セラミックス基板がシリカ、アルミナ、アルミナ−シリカ、ジルコニア、窒化珪素及び炭化珪素から成る群より選ばれた少なくとも1種の材料を含んでいることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
  10. 上記多孔質セラミックス層がシリカ、アルミナ、アルミナ−シリカ及びジルコニアから成る群より選ばれた少なくとも1種の材料を含んでいることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
  11. 上記多孔質セラミックス層がNi、Cu及びFeから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属を質量比で30%以下含んでいることを特徴とする請求項10に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つの項に記載の燃料電池用セルが積層方向と略直交する方向へ2次元的に複数個連結されて一体化していることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用セル板。
  13. 請求項1〜11のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用セル又は請求項12に記載の固体酸化物形燃料電池用セル板を製造する方法であって、
    [1]緻密セラミックスベース上に多孔質セラミックス層を形成した後、焼成する工程、
    [2]上記多孔質セラミックス層の上に一方の電極層を形成する工程、
    [3]上記電極層の上に電解質層を形成した後、焼成する工程、
    [4]上記電解質層の上に他方の電極を形成した後、焼成する工程、
    を含むことを特徴とする固体酸化物形燃料電池用セルの製造方法。
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