JP5289190B2 - 燃料電池セルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置 - Google Patents

燃料電池セルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置 Download PDF

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Description

本発明は、複数の燃料電池セルを配列してなる燃料電池セルスタック装置およびそれを具備する燃料電池モジュールならびに燃料電池装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、水素含有ガス(燃料ガス)と空気(酸素含有ガス)とを用いて電力を得ることができる燃料電池セルを、集電部材を介して複数個配置し、電気的に接続してなる燃料電池セルスタックを、燃料電池セルに燃料ガスを供給するためのマニホールドに固定して燃料電池セルスタック装置を構成し、その燃料電池セルスタック装置を収納容器内に収納してなる燃料電池モジュールや燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなる燃料電池装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような燃料電池セルスタック装置を構成する燃料電池セルとしては、一対の対向する平坦面を有する柱状の導電性支持基板一方の平坦面上に燃料極層、固体電解質層および空気極層が積層され、他方の平坦面上にランタンクロマイト系のペロブスカイト型複合酸化物からなるインターコネクタが積層されて構成される(例えば、特許文献2参照)。そして、インターコネクタ上には、遷移金属ペロブスカイト型複合酸化物(例えば、LaFeO系酸化物等)からなるP型半導体層を設けることができることが示されている。
また、複数の燃料電池セルの間に配置され、燃料電池セル同士を電気的に接続するための集電部材も提案されており、そのような集電部材として、その表面に、ペロブスカイト型複合酸化物と、Fe、Cr、Co及びMnから選択される少なくとも1種の金属の酸化物とを有する例も示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2007−59377号公報 特開2008−108722号公報 特開2008−293984号公報
しかしながら、特許文献2に開示された技術のように、インターコネクタ上にP型半導体層を1層設けてなる燃料電池セルと、集電部材とを接続してなる燃料電池セルスタック装置において、燃料電池セルスタック装置の作製時に、集電部材が剥離し、発電性能が低下するおそれがあった。
また、特許文献3に開示された技術のように、表面にペロブスカイト型複合酸化物と、Fe、Cr、Co及びMnから選択される少なくとも1種の金属の酸化物を有する集電部材を、インターコネクタ上にP型半導体層を1層設けてなる燃料電池セルに接合する場合においても、燃料電池セルスタック装置の作製時に、P型半導体層と集電部材の表面を形成するペロブスカイト型複合酸化物との接合面において剥離を生じ、発電性能が低下するおそれがあった、
それゆえ、本発明は、燃料電池セルと集電部材とを強固に接続することができ、信頼性の向上した燃料電池セルスタック装置、それを具備する燃料電池モジュールならびに燃料電池装置を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池セルスタック装置は、対向する一対の平坦面を有する導電性支持体の一方側平坦面上に、燃料極層、固体電解質層および空気極層をこの順に積層してなるとともに、他方側平坦面上にランタンクロマイト系ペロブスカイト型複合酸化物を含有してなるインターコネクタが積層された燃料電池セルを、集電部材を介して複数個立設して配列し、電気的に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの下端を固定するとともに、前記燃料電池セルに燃料ガスを供給するためのマニホールドとを有する燃料電池セルスタック装置であって、前記燃料電池セルは、前記インターコネクタ上に、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分する焼結体からなる第1の層と、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分する焼結体からなる第2の層とがこの順に積層されており、該第2の層と前記集電部材とが、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分する焼結体からなる接着層により接合されているとともに、前記第1の層、前記第2の層および前記接着層における気孔率が、この順に大きくなっていることを特徴とする。
このような燃料電池セルスタック装置においては、燃料電池セルのランタンクロマイト系複合酸化物を含有してなるインターコネクタ側に、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸酸化物を主成分する焼結体からなる3つの層が設けられており、その最上層(接着層)と集電部材とが接合されているとともに、これら3つの層の気孔率が、インターコネクタ側より順に大きい構成となっている。
燃料電池セルをこのような構成とすることにより、気孔率の最も小さい第1の層とインターコネクタとを強固に接合することができ、また第1の層と第2の層とをアンカー効果により強固に接合することができ、さらに第2の層と接着層とをアンカー効果により強固に接合することができる。
それにより、これら各層の剥離を抑制することができるとともに、燃料電池セルと集電部材とが剥離することを抑制でき、信頼性の向上した燃料電池セルスタック装置とすることができる。
また、本発明の燃料電池セルスタック装置は、前記第1の層、前記第2の層および前記接着層が、それぞれ同じ組成のLaを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分とする焼結体からなるとともに、該焼結体の断面において、前記第1の層は、該第1の層を構成する各粒子の最大径の分布のピークが1μm以下の範囲に存在し、前記第2の層および前記接着層は、前記第2の層および前記接着層を構成する各粒子の最大径の分布が1μm以下の範囲および3μm以上の範囲に存在することが好ましい。
このような燃料電池セルスタック装置においては、第1の層、第2の層および接着層が、それぞれ同じ組成のLaを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分する焼結体からなる、すなわち3つの層が、すべて同じ組成から構成されている。それにより、熱膨張係数をそれぞれ略類似させることができることから、これら各層が剥離することを抑制することができ、信頼性を向上させることができる。
また、焼結体の断面において、第1の層は、第1の層を構成する各粒子の最大径の分布のピークが1μm以下の範囲に存在することから、第1の層の表面積を大きくすることができ、第1の層とインターコネクタとの接合を強固にすることができる。
さらに、焼結体の断面において、第2の層および接着層は、第2の層および接着層を構成する各粒子の最大径の分布のピークが1μm以下の範囲および3μm以上の範囲に存在することから、第1の層と第2の層、また第2の層と接着層とをそれぞれアンカー効果により強固に接合することができる。
それにより、これら各層が剥離することを抑制することができ、信頼性を向上することができる。
また、本発明の燃料電池セルスタック装置は、前記第1の層、前記第2の層および前記接着層の厚みが、この順に大きくなっていることが好ましい。
このような燃料電池セルにおいては、第1の層、第2の層および接着層の厚みが、この順に大きくなっていることから、各層における接合を強固なものとすることができる。
本発明の燃料電池モジュールは、上記のうちいずれかに記載の燃料電池セルスタック装置を収納容器に収納してなることから、信頼性の向上した燃料電池モジュールとすることができる。
本発明の燃料電池装置は、上記に記載の燃料電池装置は、上記に記載の燃料電池モジュールと、燃料電池モジュールを動作させるための補機とを外装ケース内に収納してなることから、信頼性の向上した燃料電池装置とすることができる。
本発明の燃料電池セルスタック装置は、対向する一対の平坦面を有する導電性支持体の一方側平坦面上に、燃料極層、固体電解質層および空気極層をこの順に積層してなるとともに、他方側平坦面上にランタンクロマイト系ペロブスカイト型複合酸化物を含有してなるインターコネクタが積層された燃料電池セルを、集電部材を介して複数個立設して配列し、電気的に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの下端を固定するとともに、前記燃料電池セルに燃料ガスを供給するためのマニホールドとを有する燃料電池セルスタック装置であって、前記燃料電池セルは、前記インターコネクタ上に、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分する焼結体からなる第1の層と、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分する焼結体からなる第2の層とがこの順に積層されており、該第2の層と前記集電部材とが、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分する焼結体からなる接着層により接合されているとともに、前記第1の層、前記第2の層および前記接着層における気孔率が、この順に大きくなっていることから、これら各層が剥離することを抑制することができることから、信頼性の向上した燃料電池セルスタック装置とすることができる。あわせて、この燃料電池セルスタック装置を備えることで、信頼性の向上した燃料電池モジュールならびに燃料電池装置とすることができる。
本発明の燃料電池セルスタック装置の一例を概略的に示したものであり、(a)は側面図、(b)は一部拡大平面図である。 本発明の燃料電池セルスタック装置を構成する燃料電池セルの一例を示し、(a)は断面図、(b)は一部を抜粋して示す斜視図である。 本発明の燃料電池セルスタック装置における燃料電池セルと集電部材との接続の一例を示す概略図である。 本発明の燃料電池モジュールの一例を示す外観斜視図である。 本発明の燃料電池装置の一例を示す分解斜視図である。
図1は、本発明の燃料電池セルスタック装置1(以下、セルスタック装置と略す場合がある。)の一例を示したものであり、(a)はセルスタック装置1を概略的に示す側面図、(b)は(a)のセルスタック装置1の一部拡大平面図であり、(a)で示した点線枠で囲った部分を抜粋して示している。また、同一の部材については同一の番号を付するものとし、以下同様とする。なお、(b)において(a)で示した点線枠で囲った部分の対応する部分を明確とするために矢印にて示している。また図2は、図1で示すセルスタック装置1を構成する燃料電池セル3の一例を示しており、(a)は断面図、(b)は一部を抜粋して示す斜視図である。
ここで、セルスタック装置1を構成する燃料電池セル3は、一対の対向する平坦部nと両端の弧状部mとからなる柱状の導電性支持基板9(以下、支持基板9と略す場合がある)の一方の平坦部nと弧状部mを覆うように燃料極層10が設けられており、燃料極層10を覆うように、緻密質な固体電解質層11が積層されている。また、固体電解質層11の上には、燃料極層10と対向するように空気極層12が設けられている。すなわち、支持基板9の一方の平坦部n上に、燃料極層10、固体電解質層11及び空気極層12がこの順に積層されている。また、燃料極層10および固体電解質層11が形成されていない支持基板9の他方の平坦部n上には、インターコネクタ15が積層されている。このような構成により柱状の固体酸化物形燃料電池セル3(以下、燃料電池セル3と略す場合がある)が形成される。なお、図1(b)から明らかな通り、燃料極層10および固体電解質層11は、両端の弧状部mを経由してインターコネクタ15の両サイドにまで延びており、支持基板9の表面が外部に露出しないように構成されている。
そして、この燃料電池セル3の複数個を、隣接する燃料電池セル3間に集電部材4を介装して電気的に直列に接続することにより、セルスタック2が構成されている。なお、隣接する燃料電池セル3間に介装される集電部材4は、一方の燃料電池セル3の空気極層12と導電性接合材14を介して接合され、また他方の燃料電池セル3のインターコネクタ15側と接合され、それにより各燃料電池セル3が電気的に直列に接続されている。なお、集電部材4と燃料電池セル3のインターコネクタ15側の接続については後述する。
さらにセルスタック2には、燃料電池セル3の配列方向の両端部から集電部材4を介してセルスタック2を挟持するように導電部材5が配置され、各燃料電池セル3の下端および導電部材5の下端が、燃料電池セル3に反応ガス(例えば、燃料ガス)を供給するためのマニホールド7に固定されてセルスタック装置1が構成されている。なお、マニホールド7には反応ガスを供給するための反応ガス供給管8が接続されている。
ここで、図1に示す導電部材5においては、燃料電池セル3の配列方向に沿って、外側に向けて延びるとともに、燃料電池セル3の発電により生じる電流を引き出すための電流引き出し部6が設けられている。
また、燃料電池セル3を構成する支持基板9の内部には、複数のガス流路13が設けられており、マニホールド7より供給される燃料ガス(水素含有ガス)が、ガス流路13を流れる間に、燃料極層10に供給される。
なお、燃料電池セル3としては、各種燃料電池セルが知られているが、燃料電池セル3を収納してなる燃料電池装置を小型化、高効率化する上で、固体酸化物形燃料電池セルとすることができる。それにより、燃料電池装置を小型化、高効率化することができるとともに、家庭用燃料電池で求められる変動する負荷に追従する負荷追従運転を行なうことができる。
以下に、図1において示す燃料電池セル3を構成する各部材について説明する。なお、インターコネクタ15上に設けられる、第1の層16、第2の層17、接着層18については後述する。
支持基板9は、燃料ガスを燃料極層10まで透過させるためにガス透過性であること、インターコネクタ15を介して集電を行うために導電性であることが要求されることから、例えば、鉄族金属成分と特定の希土類酸化物とにより形成されることが好ましい。
鉄族金属成分としては、鉄族金属単体、鉄族金属酸化物、鉄族金属の合金もしくは合金酸化物等が挙げられる。より詳細には、例えば、鉄族金属としてはFe、Ni(ニッケル)およびCoが挙げられ、特に安価であることおよび燃料ガス中で安定であることから、鉄族成分としてNiおよび/またはNiOを含有することが好ましい。
また、特定の希土類酸化物とは、支持基板9の熱膨張係数を固体電解質層11の熱膨張係数に近づけるために使用されるものであり、Y(イットリウム)、Lu(ルテチウム)、Yb(イッテルビウム)、Tm(ツリウム)、Er(エルビウム)、Ho(ホルミウム)、Dy(ジスプロシウム)、Gd(ガドリウム)、Sm(サマリウム)、Pr(プラセオジム)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む希土類酸化物が、上記鉄族成分との組み合わせで使用される。このような希土類酸化物の具体例としては、Y、Lu、Yb、Tm、Er、Ho、Dy、Gd、Sm、Prを例示することができ、鉄族金属の酸化物との固溶、反応が殆どなく、また、熱膨張係数が固体電解質層11と殆ど同程度であり、かつ安価であるという点から、Y、Ybが好ましい。
また、本発明においては、支持基板9の良好な導電率を維持し、かつ熱膨張係数を固体電解質層11と近似させるという点で、鉄族金属成分:希土類酸化物成分=35:65〜65:35の体積比で存在することが好ましい。なお、支持基板9中には、要求される特性が損なわれない限りの範囲で、他の金属成分や酸化物成分を含有していてもよい。
また、支持基板9は、燃料ガス透過性を有していることが必要であるため、通常、開気孔率が30%以上、特に35〜50%の範囲にあることが好ましい。また、支持基板9の導電率は、300S/cm以上、特に440S/cm以上であることが好ましい。
なお、支持基板9の平坦部nにおける幅方向の長さは、通常、15〜35mm、弧状部mにおける弧の長さは、2〜8mmであり、支持基板9の厚み(両平坦部n,n間の厚み)は1.5〜5mmであることが好ましい。
本発明において、燃料極層10は、電極反応を生じさせるものであり、それ自体公知の多孔質の導電性を有するセラミックス(焼結体)により形成されるのが好ましい。例えば、希土類元素が固溶したZrOまたは希土類元素が固溶したCeOと、Ni及び/またはNiOとから形成される。
燃料極層10中の希土類元素が固溶したZrOまたは希土類元素が固溶したCeOの含量は、35〜65体積%の範囲にあるのが好ましく、またNiあるいはNiO含量は、65〜35体積%であるのが好ましい。さらに、この燃料極層10の開気孔率は、15%以上、特に20〜40%の範囲にあるのが好ましく、その厚みは、1〜30μmであるのが好ましい。例えば、燃料極層10の厚みがあまり薄いと、性能が低下するおそれがあり、またあまり厚いと、燃料極層10と固体電解質層11との間で熱膨張差による剥離等を生じるおそれがある。
固体電解質層11は、3〜15モル%のY(イットリウム)、Sc(スカンジウム)、Yb(イッテルビウム)等の希土類元素を含有した部分安定化ZrOあるいは安定化ZrOからなる緻密質なセラミックス(焼結体)を用いるのが好ましい。また、希土類元素としては、安価であるという点からYが好ましい。さらに、固体電解質層11は、ガス透過を防止するという点から、相対密度(アルキメデス法による)が93%以上、特に95%以上の緻密質であることが望ましく、かつその厚みが5〜50μmであることが好ましい。
空気極層12は、いわゆるABO型のペロブスカイト型複合酸化物を主成分とする導電性を持ったセラミックス(焼結体)により形成されるのが好ましく、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにSr(ストロンチウム)とLa(ランタン)が共存する複合酸化物(例えばLaSr1−xCoFe1−y、LaSr1−xMnO、LaSr1−xFeO、LaSr1−xCoO等、なおxは0<x<1であり、yは0<y<1の範囲である。)の少なくとも1種が好ましく、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaSr1−xCoFe1−yが特に好ましい。なお、上記ペロブスカイト型酸化物においては、Bサイトに、Co(コバルト)とともにFe(鉄)やMn(マンガン)が存在しても良い。
また、空気極層12は、ガス透過性を有する必要があり、空気極層12を形成する導電性セラミックスは、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。さらに、空気極層12の厚みは、集電性という点から30〜100μmであることが好ましい。
ここで、固体電解質層11と空気極層12との間に、長時間の発電における燃料電池セル3の発電性能の劣化を抑制することを目的として、中間層を設けることもできる。なお、中間層を設けるにあたっては、固体電解質層11との接合強度を向上させるための第1の層と、固体電解質層11や空気極層12を構成する成分の反応により電気抵抗の高い反応層が形成されることを抑制するための第2の層との2層から形成することもできる。この場合において、第1の層と第2の層とは、第1の層と第2の層との熱膨張係数を近づけることで、第1の層と第2の層との接合強度を向上させる目的で、同一の希土類元素(空気極層12に含有される元素を除く)を含有するように形成することが好ましい。
ところで、支持基板9のうち、燃料極層10および固体電解質層11が形成されていない他方の平坦部n上には、隣接する燃料電池セル3の発電により生じる電力を集電するためのインターコネクタ15が設けられている。ここで、インターコネクタ15としては、導電性を有するセラミックスにより形成されるのが好ましいが、燃料ガス(水素含有ガス)及び酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが要求される。それゆえ、インターコネクタ15は、耐還元性、耐酸化性を有し、かつ導電性を有するセラミックスであるランタンクロマイト系のペロブスカイト型複合酸化物(LaCrO系酸化物)を主成分とするセラミックス(焼結体)にて構成される。また、支持基板9の内部を通る燃料ガスおよび支持基板9の外部を通る酸素含有ガスのリークを防止するため、緻密質であることが要求され、例えば93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好ましい。
また、インターコネクタ15の厚みは、ガスのリーク防止と電気抵抗という点から、10〜200μmであることが好ましい。この範囲よりも厚みが薄いと、ガスのリークを生じやすく、またこの範囲よりも厚みが大きいと、電気抵抗が大きく、電位降下により集電機能が低下してしまうおそれがある。
そして、隣接する一方の燃料電池セル3のインターコネクタ15と集電部材4とを電気的に接続し、また隣接する他方の燃料電池セル3の空気極層12と集電部材4とを電気的に接続することにより、セルスタック2を構成する各燃料電池セル3で生じる電流を電気的に直列に接続することができる。
なお、空気極層12と集電部材4とは導電性接合材14を介して接合される。ここで、導電性接合材14としては、例えば、空気極層12として用いることができるペロブスカイト型複合酸化物を主成分とする導電性セラミックス(焼結体)を用いることができ、例えば、異なる平均粒径のペロブスカイト型複合酸化物を組み合わせて構成することができる。
図3は、本発明のセルスタック装置における燃料電池セル3と集電部材4との接続の一例を示す概略図である。ここで、本発明の燃料電池セルスタック装置1においては、燃料電池セル3と集電部材4とを電気的に接続するにあたり、燃料電池セル3を構成するインターコネクタ15上に、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分する焼結体からなる第1の層16、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分する焼結体からなる第2の層17を順に積層し、第2の層16と集電部材4とをLaを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分する焼結体からなる接着層により接合するとともに、第1の層16、第2の層17および接着層18の気孔率が、この順に大きくなるように構成している。
ここで、第1の層16の気孔率を小さくすることにより、インターコネクタ15と第1の層16との接合面における比表面積を大きくすることができる。それにより、インターコネクタ15と第1の層16との接合を強固にすることができる。
また、第2の層17の気孔率を第1の層16の気孔率よりも大きくすることにより、第1の層16と第2の層17とをアンカー効果により強固に接合することができる。さらに、接着層18の気孔率を第2の層17の気孔率よりも大きくすることにより、第2の層17と接着層18をアンカー効果により強固に接合することができる。また接着層18の気孔率が大きいことから、接着層18と集電部材4とがアンカー効果により強固に接合することができる。
それにより、インターコネクタ15と第1の層16との接合、第1の層16と第2の層17との接合、第2の層17と接着層18との接合、接着層18と集電部材4との接合のそれぞれを強固にすることができることから、これら各層が剥離することを抑制することができるとともに、燃料電池セル3と集電部材4とが剥離することを抑制することができ、信頼性の向上した燃料電池セルスタック装置1とすることができる。
より具体的には、第1の層16の気孔率としては5〜15%とすることができ、第2の層17の気孔率としては25〜40%とすることができ、接着層18の気孔率としては35〜50%とすることができる。なお、これらの気孔率は、第1の層16<第2の層17<接着層18となるように、上述の範囲内において適宜設定することができる。
なお、第1の層16、第2の層17および接着層18のそれぞれは、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分する焼結体からなる。より好ましくは、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにSr(ストロンチウム)とLa(ランタン)が共存する複合酸化物(例えばLaSr1−xCoFe1−y、LaSr1−xMnO、LaSr1−xFeO、LaSr1−xCoO等、なおxは0<x<1であり、yは0<y<1の範囲である。)の少なくとも1種が好ましく、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaSr1−xCoFe1−yが特に好ましい。なお、空気極層12と集電部材4との接合を考慮して、第1の層16、第2の層17および接着層18と導電性接合材14とを同じ組成のペロブスカイト型複合酸化物から構成することが好ましい。
ここで、第1の層16、第2の層17および接着層18のそれぞれを強固に接合するにあたり、各層は同じ組成のLaを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分とする焼結体から構成することが好ましい。それにより、これら3つの層の熱膨張係数をそれぞれ類似させることができることから、それぞれの層が剥離することを抑制することができ、信頼性の向上したセルスタック装置1とすることができる。
前記第1の層、前記第2の層および前記接着層が、それぞれ同じ組成のLaを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分とする焼結体からなるとともに、該焼結体の断面において、
また、第1の層16、第2の層17および接着層18のそれぞれが剥離することを抑制するにあたり、焼結体の断面において、第1の層16は、第1の層16を構成する各粒子の最大径の分布のピークが1μm以下の範囲に存在し、第2の層17および接着層18は、第2の層16および接着層17を構成する各粒子の最大径の分布のピークが1μm以下の範囲および3μm以上の範囲に存在することが好ましい。
それにより、第1の層16の表面積を大きくすることができ、第1の層16とインターコネクタ15との接合を強固にすることができ、第1の層16と第2の層17、また第2の層17と接着層18とをそれぞれアンカー効果により強固に接合することができる。
それにより、第1の層16、第2の層17および接着層18の各層が剥離することを抑制でき、信頼性の向上したセルスタック装置1とすることができる。
なお、このような焼結体は、例えばLaを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物として、LaSr1−xCoFe1−yを用いる場合においては、第1の層16の原料として、平均粒径1μm以下のLaSr1−xCoFe1−yを用い、第2の層17および接着層18の原料として、平均粒径3μm以上のLaSr1−xCoFe1−yおよび平均粒径1μm以下のLaSr1−xCoFe1−yを用いることにより作製することができる。
なお、第2の層17および接着層18の原料として、平均粒径3μm以上のLaSr1−xCoFe1−yおよび平均粒径1μm以下のLaSr1−xCoFe1−yを用いる場合において、その混合比は、重量比で7:3〜9:1の範囲とするのが好ましい。
また、第1の層16、第2の層17および接着層18は、それぞれの厚みがこの順に大きくなるようにすることが好ましい。
それにより、各層における接合を強固なものとすることができ、接着層18の厚みを厚くすることで、第2の層17と集電部材4とを強固に接合することができる。
具体的には、第1の層16の厚みは5〜20μmとすることができ、第2の層17の厚みは30〜70μmとすることができ、接着層18の厚みは200〜400μmとすることができる。なお、これらの各層の厚みは、第1の層16<第2の層17<接着層18となるように、上述の範囲内において適宜設定することができる。
以上、本発明のセルスタック2を構成する各部材について説明したが、続いて本発明のセルスタック装置1の作製方法について説明する。
先ず、Ni等の鉄族金属或いはその酸化物粉末と、Yなどの希土類酸化物の粉末と、有機バインダーと、造孔材と、溶媒とを混合して坏土を調製し、この坏土を用いて押出成形により支持基板用成形体を作製し、これを乾燥する。なお、支持基板用成形体として、支持基板用成形体を900〜1000℃にて2〜6時間仮焼した仮焼体を用いてもよい。
次に、例えば所定の調合組成に従いNiO、Yが固溶したZrO(YSZ)の素原料を秤量、混合する。この後、混合した粉体に、有機バインダー、造孔材及び溶媒を混合して燃料極層用スラリーを調製する。
さらに、希土類元素が固溶したZrO粉末に、トルエン、バインダー、市販の分散剤等を加えてスラリー化したものをドクターブレード等の方法により、7〜75μmの厚さに成形してシート状の固体電解質層用成形体を作製する。
得られたシート状の固体電解質層用成形体上に燃料極層用スラリーを塗布して燃料極層用成形体を形成し、この燃料極層用成形体側の面を支持基板用成形体に積層する。なお、燃料極層用スラリーを支持基板用成形体の所定位置に塗布し乾燥して、燃料極層用スラリーを塗布した固体電解質層用成形体を支持基板用成形体に積層しても良い。
続いて、インターコネクタ用材料(例えば、LaCrO系酸化物粉末)、有機バインダー及び溶媒を混合してスラリーを調製し、インターコネクタ用シートを作製し、固体電解質層用成形体が形成されていない支持基板用成形体の露出面に積層する。
次いで、上記の積層成形体を脱バインダー処理し、酸素含有雰囲気中、1400〜1600℃にて2〜6時間、同時焼成する。
続いて、例えば平均粒径0.5μmのLaSr1−xCoFe1−y粉末、有機バインダー、造孔材及び溶媒を混合して第1の層用スラリーを調製する。この際、造孔材は、焼成後の第1の層16の気孔率が5〜15%となるように混合する。混合して出来上がったスラリーを、インターコネクタ15上にスクリーン印刷法にて塗布する。また、例えば平均粒径0.5μmのLaSr1−xCoFe1−y粉末、平均粒径4μmのLaSr1−xCoFe1−y粉末、有機バインダー、造孔材及び溶媒を混合して第2の層用スラリーを調製する。この際、造孔材は、焼成後の第2の層17の気孔率が25〜40%となるように混合する。混合して出来上がったスラリーを、第1の層成形体上にスクリーン印刷法にて塗布する。
続いて、例えばLaSr1−xCoFe1−y粉末、溶媒および造孔材を含有するスラリーを固体電解質層11上にスクリーン印刷法にて塗布して乾燥し、空気極層用成形体を形成する。
続いて、インターコネクタ15上に第1の層用成形体および第2の層用成形体が積層され、固体電解質層11上に空気極層用成形体が形成された積層体を、1100〜1200℃にて1〜3時間焼成する。
続いて、例えば平均粒径0.5μmのLaSr1−xCoFe1−y粉末、平均粒径4μmのLaSr1−xCoFe1−y粉末、有機バインダー、造孔材及び溶媒を混合して接着層成形体用スラリーを調製する。この際、造孔材は、焼成後の接着層18の気孔率が35〜50%となるように混合する。混合して出来上がったスラリーを、第2の層上にスクリーン印刷法にて塗布する。また、空気極層12上に、例えば、LaSr1−xCoFe1−y粉末、溶媒および造孔材を含む導電性接合材用スラリーをスクリーン印刷法にて塗布する。接着層用スラリーおよび導電性接合材用スラリーを塗布した直後に、集電部材4を接着して乾燥して、900〜1100℃にて1〜3時間焼成する。それにより、各燃料電池セル3間に集電部材4を介装してなるセルスタック2を形成することができる。
なお、燃料電池セル3は、その後、ガス流路13の内部に水素含有ガス(燃料ガス)を流通させ、支持基板9および燃料極層10の還元処理を行なうことが好ましい。その際、たとえば750〜1000℃にて5〜20時間還元処理を行なうのが好ましい。
そして、上述したような作製方法により作製したセルスタック2を、図1に示すように、燃料電池セル3の下端をマニホールド7に固定するとともに、燃料電池セル3の配列方向の両端部から集電部材4を介してセルスタック2を挟持するように導電部材5を配置して、導電部材5の下端をマニホールド7に固定し、さらにマニホールド7に反応ガス(燃料ガス等)を供給するための反応ガス供給管8を接続してセルスタック装置1を作製する。
この作製したセルスタック装置1を収納容器20内に収納することにより、本発明の燃料電池モジュール19とすることができる。なお、必要に応じて、収納容器20内に複数のセルスタック装置1を配置することも可能である。図4においては、燃料電池セル3の上方に、マニホールド7に燃料ガスを供給するための改質器21を配置している。
このような燃料電池モジュール19においては、セルスタック2を構成する燃料電池セル3間に配置する集電部材4(図示せず)を燃料電池セル3に強固に接続することができ、またインターコネクタ15上に設けられた第1の層16、第2の層17および接着層18の各層の剥離を抑制することができ、信頼性が向上したセルスタック装置1を収納容器20内に収納することから、信頼性を向上した燃料電池モジュール19とすることができる。
図5は、本発明の燃料電池装置24の一例を示す分解斜視図である。なお、図5においては一部構成を省略して示している。
図5に示す燃料電池装置24は、支柱25と外装板26から構成される外装ケース内を仕切板27により上下に区画し、その上方側が上述した燃料電池モジュール19を収納するモジュール収納室28とし、下方側が燃料電池モジュール19を動作させるための補機類を収納する補機収納室29として構成されている。なお、補機収納室29に収納する補機類を省略して示している。
また、仕切板27には、補機収納室29の空気をモジュール収納室28側に流すための空気流通口30が設けられており、モジュール収納室28を構成する外装板26の一部に、モジュール収納室28内の空気を排気するための排気口31が設けられている。
このような燃料電池装置24においては、上述したように、信頼性の向上した燃料電池モジュール19をモジュール収納室28内に収納して構成されることにより、信頼性の向上した燃料電池装置24とすることができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
平均粒径0.5μmのNiO粉末と、平均粒径0.9μmのY粉末を焼成‐還元後における体積比率が、Niが48体積%、Yが52体積%になるように混合し、有機バインダーと溶媒にて作製した坏土を押出成形法にて中空平板型に成形し、乾燥、脱脂して支持基板成形体を作製した。なお、試料No.5においては、Y粉末の焼成‐還元後における体積比率が、Niが45体積%、Yが55体積%となるようにした。
次に平均粒径0.5μmのNiO粉末と、Yが固溶したZrO粉末と、有機バインダーと、溶媒と、造孔材とを混合した燃料極層用スラリーを作製し、支持基板成形体上に、スクリーン印刷法にて塗布、乾燥して、層状の燃料極層用成形体を形成した。次にマイクロトラック法による粒径が0.8μmである8mol%のイットリウムが固溶したZrO粉末(固体電解質層原料粉末)と有機バインダーと溶媒とを混合して得られたスラリーを用いて、ドクターブレード法にて厚み30μmの固体電解質層用シートを作製した。固体電解質層用シートを、燃料極層用成形体上に貼り付け、乾燥した。なお、試料No.6においてはZrO粉末の粒径を1.0μmとし、試料No.7においては固体電解質層用シートの厚みを40μmとした。
続いて、上記のように成形体を積層した積層成形体を1000℃にて3時間仮焼処理した。
続いて、LaCrO系酸化物と、有機バインダーと溶媒とを混合したインターコネクタ用スラリーを作製し、これを、固体電解質層仮焼体が形成されていない露出した支持基板仮焼体上に積層し、大気中1510℃にて3時間同時焼成した。
次に、第1の層および第2の層を構成する各組成の粉末とイソプロピルアルコールと造孔材とからなる各層用の混合液を作製し、積層焼結体のインターコネクタ上に、第1の層用スラリーおよび第2の層用スラリーのそれぞれをスクリーン印刷法により塗布し、乾燥した。あわせて、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8粉末と、イソプロピルアルコールと造孔材とからなる混合液を作製し、積層焼結体の固体電解質層上にスクリーン印刷方により塗布して乾燥することにより、空気極層用成形体を作製した。
続いて、各層が塗布された積層体を、1150℃にて2時間焼成した。なお、造孔材は、焼結体における各層が表1に示す気孔率となるように適宜調整した。
なお、第2の層および接着層においては、原料粉末として、平均粒径3μm以上のLaSr1−xCoFe1−y粉末および平均粒径1μm以下のLaSr1−xCoFe1−y粉末を、重量比で、7:3または8:2で混合した粉末を用いて形成した。
このようにして形成された燃料電池セルのインターコネクタ側に接着層用スラリーを、空気極層側にLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8粉末と、イソプロピルアルコールと造孔材とからなる導電性接合材用スラリーを塗布した直後に、所定間隔を空けて設けられた隣り合う燃料電池セルと接触させるための板状をした一対の接触部と、該一対の接触部のうち一方の接触部の一端と他方の接触部の一端とを接続する接続部とを有する複数の導電片を燃料電池セルの長手方向に連続的に形成してなる集電部材(例えば、燃料電池セルの長手方向に沿った一対の接続部と、それぞれの接続部を橋渡しするように設けられた接触部とからなる集電部材)を接着して乾燥し、その後1000℃にて2時間焼成した。なお、焼成後の燃料電池セルに850℃にて10時間燃料ガスを流通させて還元処理を行った。
還元処理後、インターコネクタ、第1の層、第2の層および接着層のそれぞれの層について剥離の有無を調査し、その結果を表1に示した。
なお、各層を構成する各粒子の最大径の分布は、焼結体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した画像を画像解析し、各層を構成する各粒子の最大径を求めてその分布をとることで、分布のピークを求めることができる。また、各層における気孔率は、焼結体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、空隙の面積比率を算出することにより求めることができる。また各層の組成は、エネルギー分散型X線分光解析(EDS)もしくはX線解析法(XRD)等により分析することができる。
Figure 0005289190
表1に示したように、第2の層を形成していない試料No.1においては、第1の層と接着層とが剥離を生じていた。また、各層の気孔率を、第1の層<接着層<第2の層となるように形成した試料No.2においては、第1の層と第2の層とが剥離を生じていた。さらに、第1の層を形成していない試料No.3においては、インターコネクタと第1の層とが剥離を生じていた。
一方、インターコネクタ上に形成される第1の層、第2の層および接着層の気孔率をこの順に大きくなるように形成した試料No.4〜11は、インターコネクタ、第1の層、第2の層および接着層のそれぞれが剥離することを抑制でき、信頼性を向上することができることが分かった。
1:燃料電池セルスタック装置
3:燃料電池セル
4:集電部材
15:インターコネクタ
16:第1の層
17:第2の層
18:接着層

Claims (5)

  1. 対向する一対の平坦面を有する導電性支持体の一方側平坦面上に、燃料極層、固体電解質層および空気極層をこの順に積層してなるとともに、他方側平坦面上にランタンクロマイト系ペロブスカイト型複合酸化物を含有してなるインターコネクタが積層された燃料電池セルを、集電部材を介して複数個立設して配列し、電気的に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの下端を固定するとともに、前記燃料電池セルに燃料ガスを供給するためのマニホールドとを有する燃料電池セルスタック装置であって、
    前記燃料電池セルは、前記インターコネクタ上に、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分とする焼結体からなる第1の層と、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分とする焼結体からなる第2の層とがこの順に積層されており、該第2の層と前記集電部材とが、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分とする焼結体からなる接着層により接合されているとともに、前記第1の層、前記第2の層および前記接着層における気孔率が、この順に大きくなっていることを特徴とする燃料電池セルスタック装置。
  2. 前記第1の層、前記第2の層および前記接着層が、それぞれ同じ組成のLaを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物を主成分とする焼結体からなるとともに、該焼結体の断面において、前記第1の層は、該第1の層を構成する各粒子の最大径の分布のピークが1μm以下の範囲に存在し、前記第2の層および前記接着層は、前記第2の層および前記接着層を構成する各粒子の最大径の分布のピークが1μm以下の範囲および3μm以上の範囲に存在することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セルスタック装置。
  3. 前記第1の層、前記第2の層および前記接着層の厚みが、この順に大きくなっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池セルスタック装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載の燃料電池セルスタック装置を収納容器に収納してなることを特徴とする燃料電池モジュール。
  5. 請求項4に記載の燃料電池モジュールと、該燃料電池モジュールを動作させるための補機とを外装ケース内に収納してなることを特徴とする燃料電池装置。


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