JP4784213B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents
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Description
一方、特許文献4には固相重縮合工程において2段以上の移動床を用いることが開示されているが、開示された技術は中程度の分子量(固有粘度概ね0.5〜0.65dL/g)のポリエステルプレポリマー粒子を固相重縮合するにあたり粒子同士が融着しないように段階的に昇温するものであり、重縮合反応速度は必ずしも改良されるものではない。また、中程度の分子量のプレポリマーを得るための溶融重縮合設備は低分子量のプレポリマーを得る設備より高価になり必ずしも満足できる方法ではなかった。
即ち本発明の要旨は以下の通りである。
固有粘度が0.18dL/g以上0.40dL/g以下のポリエステルプレポリマーを固体状態で熱処理して、該ポリエステルプレポリマーの固有粘度を0.50dL/g以上増加させて、ポリエステルを得る熱処理工程を含むポリエステルを製造する方法であって、前記熱処理工程がn段階に分割されており、かつ、以下の条件を満足することを特徴とする、ポリエステルの製造方法。
(式1)Tj+15≦Tk≦245
固有粘度が0.18dL/g以上0.40dL/g以下のポリエステルプレポリマーを固体状態で熱処理して、該ポリエステルプレポリマーの固有粘度を0.50dL/g以上増加させて、ポリエステルを得る熱処理工程を含むポリエステルを製造する方法であって、前記熱処理工程が、温度T1(℃)で前記ポリエステルプレポリマーを結晶化する第1段、結晶化されたポリエステルプレポリマーを温度T2(℃)で固相重縮合する第2段、第2段で得られた産物を温度T3(℃)に昇温する第3段、第3段で得られた産物を温度T4(℃)で固相重縮合する第4段を、この順に全て含み、前記第2段での固有粘度上昇値が0.03dL/g以上であり、前記第2段終了時の固有粘度と第4段開始時の固有粘度の差が0.10dL/g以下であり、前記T1、T2、T3、T4(℃)が下記(式4)〜(式7)を満足することを特徴とする、ポリエステルの製造方法。
(式5)190≦T2≦230
(式6)T4≦T3≦250
(式7)T2+15≦T4≦245
本発明のポリエステルの製造方法(以下、本発明の方法ともいう)は、固有粘度が0.18dL/g以上0.40dL/g以下のポリエステルプレポリマーを固体状態で熱処理して、該ポリエステルプレポリマーの固有粘度を0.50dL/g以上増加させて、ポリエステルを得る熱処理工程を含むポリエステルを製造する方法であって、熱処理工程がn段階に分割されており、かつ、特定の条件を満足することを特徴とするものである。
また、本発明の方法においては、分子量の指標として固有粘度を用いる。
以下に本発明の詳細を説明する。
本発明の方法に用いるポリエステルプレポリマーは、例えば、ポリエステルプレポリマーの製造に慣用の方法を用いて製造することができる。具体的には、通常、ジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体とジオールとを、エステル化反応及び/又はエステル交換反応を経て、重縮合触媒を使用して溶融重縮合させることにより製造することができる。詳しくは、例えば、ジカルボン酸とジオールとを、スラリー調製槽に投入して攪拌・混合して原料スラリーとし、エステル化反応槽で常圧〜加圧下、加熱下で、反応によって生ずる水などを留去しつつエステル化反応させた後、得られたエステル化反応物としてのポリエステル低分子量体(オリゴマー)を重縮合槽に移送し、減圧下、加熱下で、重縮合触媒を使用して溶融重縮合させポリエステルを得る。
上記重縮合触媒の使用量は、得られるポリエステルプレポリマーに対して通常1〜400質量ppmである。
ここで、上記「主成分」とは、テレフタル酸が全ジカルボン酸成分の85モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上を占め、エチレングリコール、及び/又は1,4ブタンジオールが全ジオール成分の85モル%以上好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上を占めることを意味する。
4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール、並びに、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンのエチレンオキサイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
上記範囲の平均粒径を有するポリエステルプレポリマーは、例えば、ストランドカッターで粒子化する場合、ダイホイール径や、プレポリマー吐出量とストランドの引取速度を調節することによって得ることができる。
上記範囲の固有粘度を有するポリエステルプレポリマーは、重縮合反応温度、時間、減圧度を制御することで得ることができる。
また、上記末端カルボキシル基濃度(AV)は、試料を溶媒に溶解後、水酸化ナトリウムで滴定することにより測定が可能である。
更に、上記末端カルボキシル基濃度(AV)は、エステル化反応工程及び/又は重縮合反応工程の温度、圧力、混合状態、或いは触媒やエチレングリコールの追加方法により制御が可能である。
上記のようにして得られたポリエステルプレポリマーは、本発明の方法により、固体状態で熱処理をされ所定の固有粘度まで重縮合される。本発明の方法における熱処理工程は、昇温、結晶化、固相重縮合、再昇温などの複数段(n段)の工程に分割されている。本発明の方法における熱処理工程は回分法でも行うことができるが連続法で行うことが生産効率の点で好ましい。
また、本発明の方法は、上記ポリエステルプレポリマーを固体状態で熱処理して、固有粘度を0.50dL/g以上増加させ、ポリエステルを得る熱処理工程を含むポリエステルを製造する方法である。好ましくは、上記熱処理工程での固有粘度の増加量が0.53dL/g以上、更に好ましくは0.55dL/g以上、特に好ましくは0.58dL/g以上である。一方、上記固有粘度の増加量は、通常、2.00dL/g以下となる。
上記固有粘度の増加量が0.50dL/g未満の場合、本発明の固相重縮合速度を大きくできるという効果が生産性向上に結びつかない。
上記第j段の温度Tjは190℃以上230℃以下であり、下限は好ましくは200℃である。一方、上限は好ましくは220℃、更に好ましくは215℃である。上記下限が190℃未満であると、第j段での固相重縮合速度が小さくなり後工程である第k段の負荷が大きくなる。上記上限が230℃を超える場合は、第k段の温度Tkが245℃を超え、ポリエステル粒子同士の融着が起き易いなど不都合である。また上述の如く、Tkの範囲は、(式1)Tj+15℃≦Tk≦245℃で表現されるがTkがTj+15℃未満であると本発明の固相重縮合速度の向上効果が得られない。
また、上記第j段終了時のポリエステルの固有粘度と第k段開始時のポリエステルの固有粘度の差は0.10dL/g以下であり、好ましくは0.05dL/g以下である。0.10dL/gを超える場合、第j段終了時から第k段開始時までの熱処理時間が長くなる結果、第j段から第k段に短時間で昇温することにより得られる本発明の効果が発揮されず、好ましくない。
さらに、上記第j段及び/又は第kは移動床、特に連続式移動床で実施されることが好ましい。
できる設備であれば特に制限されず、不活性ガスを用いた流動床で行うと粒子同士の融着などが少なく、好ましい。
また、第c段の前にTcまで昇温する工程を有することもできるし、第c段で昇温及び結晶化を行ってもよい。また第c段でポリエステルプレポリマー粒子の乾燥を行ってもよい。ポリエステルプレポリマー粒子の乾燥は固相重縮合の初期に行ってもよい。
(式4)100≦T1≦200
(式5)190≦T2≦230
(式6)T4≦T3≦250
(式7)T2+15≦T4≦245
試料約0.25gを、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒約25mLに、濃度が1.00×10-2kg/Lとなるように、非晶状態のポリエステルは110℃30分で、固相重縮合後のポリエステルは140℃30分で溶解させた後、30℃まで冷却し、全自動溶液粘度計(センテック社製「2CH型DJ504」)にて、濃度が1.00×10-2kg/Lの試料溶液及び溶媒のみの落下秒数を測定
し、下式(8)により算出した。なお、上記全自動溶液粘度計の測定原理は、単位体積の溶液が、キャピラリー(細管)中を落下する落下時間と、溶媒単独の場合の落下時間とを比較するものである。
ここで、ηsp=η/η0−1であり、ηは試料溶液の落下秒数、η0は溶媒の落下秒数、Cはポリマー溶液濃度(kg/L)、KHはハギンズの定数である。KHは0.33を採用した。
JIS K0069に記載の乾式ふるい分け試験法により、積算分布曲線を作成し、積算百分率が50%になるときの値を平均粒径とした。
試料を粉砕した後、熱風乾燥機にて、140℃で15分間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した。得られた乾燥試料0.1gを精秤して試験管に採取し、ベンジルアルコール3mlを加えて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら195℃、3分間で溶解させ、次いで、クロロホルム5mlを徐々に加えて室温まで冷却した。この溶液にフェノールレッド指示薬を1〜2滴加え、乾燥窒素ガスを吹き込みながら撹拌下に、0.1規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液で滴定し、黄色から赤色に変じた時点で終了とした。また、ブランクとして、ポリエステル樹脂試料を使用せずに同様の操作を実施し、以下の式(9)により算出した。
(式9)AV(当量/トン)=(A−B)×0.1×f/W
ここで、Aは滴定に要した0.1規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の量(ml)、Bはブランクでの滴定に要した0.1規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の量(ml)、Wはポリエステル樹脂試料の量(g)、fは0.1規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の力価である。
尚、0.1規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の力価(f)は、試験管にメタノール5mlを採取し、フェノールレッドのエタノール溶液を指示薬として1〜2滴加え、0.1規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液0.4mlで変色点まで滴定し、次いで、力価既知の0.1規定の塩酸水溶液を標準液として0.2ml採取して加え、再度、0.1規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液で変色点まで滴定し、以下の式(10)によって力価(f)を算出した。(以上の操作は、乾燥窒素ガスを吹き込みながら行った。)
(式10)力価(f)=0.1規定の塩酸水溶液の力価×0.1規定の塩酸水溶液の採取料(ml)/0.1規定の水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の滴定量(ml)
<ポリエステルプレポリマーAの製造>
撹拌機、エチレングリコール仕込み配管およびテレフタル酸仕込み配管を有するスラリー調製槽;スラリーを第一エステル化反応槽へ移送する配管;撹拌機、分離塔、原料受入れ口、触媒仕込み配管、反応物移送配管を有する完全混合型第一および第二エステル化反応槽;エステル化反応物(オリゴマー)を溶融重縮合反応槽へ移送する配管;撹拌機、分離塔、オリゴマー受入れ口、触媒仕込み配管、を有する完全混合型第一溶融重縮合反応槽;撹拌機、分離塔、ポリマー受入れ口、ポリマー抜き出し口を有するプラグフロー型第二及び第三溶融重縮合反応槽;ポリマーを抜き出し口よりギヤポンプを介してダイプレートからストランド状に取り出し水冷下ストランドカットする粒子化装置(ストランドカッターはリーター・オートマチック社製ペレタイザー(P−USG100))を備えたポリエステル連続製造装置を用いた。
まず、スラリー調製槽にて、得られるポリエステル中のリンの濃度がリン原子として22質量ppmとなるよう正リン酸のエチレングリコール溶液(濃度:リン原子として0.50質量%)を添加したテレフタル酸/エチレングリコール(モル比1:1.5)スラリーを調製した。また、ビス−(ベータヒドロキシエチル)テレフタレート400質量部を第一エステル化反応槽に仕込み窒素雰囲気下で溶融し、温度262℃、圧力96kPaG(以下、Gは大気圧に対する相対圧力であることを示す)に保たれた中へ、前記のスラリー調製槽で調製されたスラリーを135質量部/時間で、ポリエステルとしての平均滞留時間が4.5時間になるように連続的に仕込み、生成する水を分離塔から留去しながらエステル化反応を行いつつ、反応液を連続的に第二エステル化反応槽へ移送した。
得られたポリエステルプレポリマーAの固有粘度は0.247dL/g、末端カルボキシル基濃度は55当量/トンであった。
<ポリエステルプレポリマーBの製造>
ポリエステルプレポリマーAの製造に用いたと同じポリエステル連続製造装置を用いてポリエステルプレポリマーBの製造を行った。
まず、スラリー調製槽にて、得られるポリエステルプレポリマー中のチタンの濃度がチタン原子として8質量ppmとなるようにテトラブチルチタネートのエチレングリコール溶液(濃度:チタン原子として0.075質量%)を添加したテレフタル酸/エチレングリコール(モル比1:1.5)スラリーを調製した。また、ビス−(ベータヒドロキシエチル)テレフタレート400質量部を第一エステル化反応槽に仕込み窒素雰囲気下で溶融し、温度262℃、圧力96kPaGに保たれた中へ、前記のスラリー調製槽で調製されたスラリーを135質量部/時間で、ポリエステルとしての平均滞留時間が4.5時間になるように連続的に仕込み、分離塔から生成する水を留去しながらエステル化反応を行いつつ、反応液を連続的に第二エステル化反応槽へ移送した。
にて溶融重縮合反応を行った。得られたポリエステルプレポリマーを連続的に抜き出し口よりギヤポンプを介してダイプレートからストランド状に取り出し、水流下ストランドカットしてポリエステルプレポリマーBの粒子(平均粒径1.2mm)4000質量部を得た。
得られたポリエステルプレポリマーBの固有粘度は0.373dL/g、末端カルボキシル基濃度は31当量/トンであった。
上記ポリエステルプレポリマーの製造例1で得たポリエステルプレポリマーA粒子30gを底面が130mm×170mmの角形で、深さが30mmのステンレス製バットに広げて置き、内部のガス温度が180℃のイナートオーブン(タバイエスペック社製IPHH−201M型)に入れ、イナートオーブンの内部に流通させる窒素の流量を50NL/分、温度を180℃の窒素流通下として、180℃で1時間の結晶化処理を行った。ここで、NLとは0℃1気圧における体積(L)のことである。
結晶化処理後の試料ポリエステルプレポリマーAの固有粘度は0.250dL/gであった。これを図1に示すガラス製熱処理装置で熱処理を行った。図1に示す熱処理装置において、試料は、試料充填部の内径が45mmのガラス製熱処理管(1)に充填されている。熱処理管(1)には、流量計(2)、窒素導入管(3)、窒素予熱管(4)を経由して、オイルバス(5)に充填されたオイルにより加熱された窒素が導入される。導入された窒素は、熱処理管(1)下部にある分散板(6)により分散され、熱処理管(1)内部で略均一な線速度を有する上昇流となって、試料層(7)を通過する。試料層(7)を通過した窒素は、熱処理管(1)上部にあるフィルター(8)を経由して、ガスパージ口(9)から熱処理管(1)の外部に排出される。熱処理管(1)は枝管(10)を有しており、その上部にある開口部(通常はガラス栓にて閉止してある)から試料の投入やサンプルの採取が可能である。また、熱処理管(1)内部の試料の温度は、熱電対(11)を備えた温度計(12)で測定できる。本実施例の範囲の温度、空塔線速度においては、熱処理管(1)の内部温度は、オイルバス中のオイル温度よりも2℃低い温度となるため、目標とする固相重縮合温度に対して、オイルバスの温度は2℃高い温度に調節した。
実施例1において、第一のオイルバス温度を212℃にすることで第1段固相重縮合温度を210℃とし、その固相重縮合時間を2時間に変えた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例2において第1段固相重縮合時間を4時間に変えた以外は実施例2と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例2において試料投入後、第1段固相重縮合操作をすべて省き、昇温工程及び第2段固相重縮合を実施例2と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例2において第一のオイルバス温度を222℃にすることで第1段固相重縮合温度を220℃変えた以外は実施例2と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例2において第1段固相重縮合の後、引き続き第一のオイルバス(5)に浸漬した状態で、窒素の空塔線速度が220℃で1.0m/秒となるように窒素の流量を変更し、オイルバス(5)のオイルの温度を212℃から232℃まで120分掛けて連続的に昇温し、120分後に枝管(10)の開口部より、固有粘度測定用サンプルを採取し、引き続き第一のオイルバス(5)に浸漬した状態で、窒素の空塔線速度が230℃で0.30m/秒となるように窒素の流量を変更し、この時点を230℃での第2段固相重縮合開始点とした以外は実施例2と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例2においてポリエステルプレポリマーAをポリエステルプレポリマーBに置き替え、第2段固相重縮合工程におけるサンプル採取時間を8時間、16時間、32時間の時点に変更した以外は実施例2と同様に行った。結晶化処理後ポリエステルプレポリマーBの固有粘度IVは0.380dL/gであった。結果を表2に示す。
実施例4において第1段固相重縮合後、235℃昇温工程を省き、ただちに230℃の第2段固相重縮合に移した以外は実施例4と同様に行った。結果を表2に示す。
実施例4において第1段固相重縮合の後、引き続き第一のオイルバス(5)に浸漬した状態で、窒素の空塔線速度が220℃で1.0m/秒となるように窒素の流量を変更し、オイルバス(5)のオイルの温度を212℃から232℃まで20分掛けて連続的に昇温し、20分後に枝管(10)の開口部より、固有粘度測定用サンプルを採取し、引き続き第一のオイルバス(5)に浸漬した状態で、窒素の空塔線速度が230℃で0.30m/秒となるように窒素の流量を変更し、この時点を230℃での第2段固相重縮合開始とした以外は実施例4と同様に行った。結果を表2に示す。
実施例4において試料投入後、第1段固相重縮合及び235℃昇温工程を省き、ただちに230℃の第2段固相重縮合に移した以外は実施例4と同様に行った。結果を表2に示す。
比較例1では、固相重縮合工程が高温の第2段固相重縮合工程だけであり固相重縮合速度が小さい。比較例2では、第1段固相重縮合工程と第2段固相重縮合工程における固相重縮合温度の差が15℃未満なので固相重縮合速度が小さい。比較例3では、第1段固相重縮合工程終了時と第2段固相重縮合工程開始時の固有粘度差が0.10dL/g以上となり、固相重縮合速度が小さい。比較例4では、高温の第2段固相重縮合工程だけである
ので固相重縮合速度が小さい。
2: 流量計
3: 窒素導入管
4: 窒素予熱管
5: オイルバス
6: 分散板
7: 試料層
8: フィルター
9: ガスパージ口
10: 枝管
11: 熱電対
12: 温度計
Claims (11)
- 固有粘度が0.18dL/g以上0.40dL/g以下のポリエステルプレポリマーを固体状態で熱処理して、該ポリエステルプレポリマーの固有粘度を0.50dL/g以上増加させて、ポリエステルを得る熱処理工程を含むポリエステルを製造する方法であって、
前記熱処理工程がn段階に分割されており、かつ、以下の条件を満足することを特徴とする、ポリエステルの製造方法。
1)前記熱処理工程の第j段の温度(Tj)が190℃以上230℃以下であり、かつ第j段での固有粘度上昇値が0.03dL/g以上である。
2)前記熱処理工程の第j段の温度(Tj(℃))及び第k段の温度(Tk(℃))が下記(式1)を満たす第j段、第k段の組み合わせが、少なくとも1組存在する。
(式1)Tj+15≦Tk≦245
3)上記第j段、第k段の組み合わせにおいて、第j段終了時の固有粘度と第k段開始時の固有粘度の差が0.10dL/g以下である。
4)nは2以上の整数であり、かつ、j及びkは1≦j<k≦nを満たす整数である。 - 前記第j段に先立ってポリエステルの結晶化を伴う第c段が存在し、その温度(Tc(℃))が下記(式2)を満たす請求項1に記載のポリエステルの製造方法。
(式2)100≦Tc≦200 - 前記第c段が流動床で実施される請求項2に記載のポリエステルの製造方法。
- 前記第j段と第k段の間に第h段が存在し、その温度(Th(℃))が下記(式3)を満たす請求項1乃至3の何れか1項に記載のポリエステルの製造方法。
(式3)Tk≦Th≦250 - 前記第h段が流動床で実施される請求項4に記載のポリエステルの製造方法。
- 前記熱処理工程が連続法である請求項1乃至5の何れか1項に記載のポリエステルの製造方法。
- 前記第j段及び/又は第k段が連続式移動床で実施される請求項1乃至6の何れか1項に記載のポリエステルの製造方法。
- 前記ポリエステルプレポリマーの平均粒径が0.5mm以上3.0mm以下である請求項1乃至7の何れか1項に記載のポリエステルの製造方法。
- 前記ポリエステルプレポリマーの末端カルボキシル基濃度が100当量/トン以下である請求項1乃至8の何れか1項に記載のポリエステルの製造方法。
- 前記ポリエステルがチタン化合物を含有する請求項1乃至9の何れか1項に記載のポリエステルの製造方法。
- 固有粘度が0.18dL/g以上0.40dL/g以下のポリエステルプレポリマーを固体状態で熱処理して、該ポリエステルプレポリマーの固有粘度を0.50dL/g以上増加させて、ポリエステルを得る熱処理工程を含むポリエステルを製造する方法であって、
前記熱処理工程が、温度T1(℃)で前記ポリエステルプレポリマーを結晶化する第
1段、結晶化されたポリエステルプレポリマーを温度T2(℃)で固相重縮合する第2段、第2段で得られた産物を温度T3(℃)に昇温する第3段、第3段で得られた産物を温度T4(℃)で固相重縮合する第4段を、この順に全て含み、
前記第2段での固有粘度上昇値が0.03dL/g以上であり、
前記第2段終了時の固有粘度と第4段開始時の固有粘度の差が0.10dL/g以下であり、
前記T1、T2、T3、T4(℃)が下記(式4)〜(式7)を満足することを特徴とする、ポリエステルの製造方法。
(式4)100≦T1≦200
(式5)190≦T2≦230
(式6)T4≦T3≦250
(式7)T2+15≦T4≦245
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