JP4781742B2 - クレアチンキナーゼ活性測定用試薬 - Google Patents

クレアチンキナーゼ活性測定用試薬 Download PDF

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Description

本発明は、試料中のクレアチンキナーゼ(CK)の活性を測定するための試薬に関する。
CKは、二つのサブユニットからなる二量体のリン酸化酵素である。CKのサブユニットにはB型(脳型)及びM型(筋型)の二種類が存在する。CKには、二種類のサブユニットの組み合わせによって三種類のアイソザイム(CK−MM、CK−MB及びCK−BB)が存在し、CK−MMは骨格筋に多く含まれ、CK−MBは心筋に多く含まれ、CK−BBは脳に多く含まれる。心筋梗塞や筋ジストロフィーなどの疾患によって疾患の原因部位に存在するCKアイソザイムが血液中に逸脱するため、臨床検査において血清や血漿などの試料に含まれるCKの活性値は上記疾患を診断する際の重要な指標となる。
CKは血液中で速やかに不活性化されるため、生体から採取した試料にSH化合物を添加してCKを活性化した後、活性測定を行なう。従って、CK活性測定用試薬には、N−アセチル−L−システイン(以下、NACとする)やチオグリセロールなどのSH化合物が含有されている。
SH化合物は不安定な物質であり、試薬の保存中にSH基が徐々に酸化されることによってSH化合物が劣化してしまう。このため、試薬にSH化合物を安定化させる物質を含有させる必要がある。SH化合物を安定化させる物質としては、キレート剤が用いられる。SH化合物を安定化させるキレート剤としては、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)が知られている(特許文献1)。しかしながら、DTPAはSH化合物を安定化させることができるものの、試薬を保存している間に試薬自体の吸光度が上昇する。そのため、試薬と試料とを混合した直後の吸光度(初期吸光度)も上昇してしまい、測定の精度が低下することがある。
特開平11−032798号公報
本発明の目的は、試薬溶液中のSH化合物の劣化を防ぎ、且つ試薬自体の吸光度の上昇を抑えることのできるキレート剤を含有するCK活性測定用試薬及び試薬キットを提供することである。
本発明は、シクロヘキシルジアミン四酢酸(以下、CyDTAとする)と、SH化合物とを含有するCK活性測定用試薬を提供する。
また、本発明は、シクロヘキシルジアミン四酢酸(CyDTA)、グルコース−6−リン酸脱水素酵素(G6PDH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)又はニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、ヘキソキナーゼ又はグルコキナーゼ、グルコース、アデノシン二リン酸(ADP)及びSH基を有する化合物を含有する第一試薬と、クレアチンリン酸を含む第二試薬とからなるクレアチンキナーゼ活性測定用試薬キットを提供する。
本発明によると、SH化合物を安定化させることができ、試薬自体の吸光度の上昇を抑えることのできるキレート剤を含む、保存安定性の優れたCK活性測定用試薬及び試薬キットを提供することができる


本実施形態のCK活性測定用試薬は、CyDTAとSH化合物とを含有する。CyDTAは白色粉末状で、化学名はtrans-1,2-Diaminocyclohexane-N,N,N',N'-tetraacetic acidであり、キレート作用を有する。試薬中のCyDTAの濃度としてはSH化合物を安定化させることができる濃度であれば特に限定されない。本明細書における「CyDTA」は、CyDTAの塩を含む。CyDTAの塩としては、CyDTAのカリウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩などを例示できる。
SH化合物としては、試料中のCKを活性化できれば特に限定されず、例えば、N−アセチル−L−システイン(NAC)、N−グアニル−L−システイン、システアミン、ジチオスレイトール(DTT)、システイン、グルタチオン、メルカプトコハク酸、チオグルコース、ジチオエリスリトール、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、臭化2−アミノエチルイソチオウロニウム、2−メルカプトエタンスルホン酸、チオグリセロールなどを用いることができる。これらのSH化合物は、二種類以上を組み合わせて用いてもよいが、単独で用いることが好ましい。試料と試薬とを混合した反応液中のSH化合物の濃度(終濃度)は、0.1〜200mM、好ましくは10〜100mMである。
CK活性測定用試薬の溶液状態におけるpHとしては特に限定されないが、5.0〜10.0であることが好ましい。pHを維持するために、試薬に緩衝剤を含有させることが好ましい。緩衝剤としては、例えばトリス−塩酸緩衝剤、イミダゾール−酢酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リンゴ酸緩衝剤、シュウ酸緩衝剤、フタル酸緩衝剤、グリシン緩衝剤、酢酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、グッド緩衝剤などを用いることができる。
CK活性測定用試薬には、グルコース−6−リン酸脱水素酵素(G6PDH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)又はニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、ヘキソキナーゼ(HK)又はグルコキナーゼ(GK)、グルコース、アデノシン二リン酸(ADP)及びクレアチンリン酸を含有させることが好ましい。
CK活性測定用試薬は、各成分を凍結乾燥させた状態でも、溶媒に溶解させた溶液状態であってもよい。
また、G6PDH含有試薬は第一試薬及び第二試薬の二試薬からなることが好ましい。この場合、第一試薬及び/又は第二試薬が凍結乾燥した状態であってもよく、両方の試薬が溶液状態であってもよい。CyDTA及びSH化合物は第一試薬及び第二試薬の何れに含まれていてもよく、両方に含まれていてもよいが、第一試薬に含まれることが好ましい。
CK活性測定用試薬が第一試薬と第二試薬とからなる場合、第一試薬にG6PDH、CyDTA、NAD又はNADP、ヘキソキナーゼ(HK)又はグルコキナーゼ(GK)、グルコース、アデノシン二リン酸(ADP)、マグネシウムイオン及びSH化合物を含有させ、第二試薬にクレアチンリン酸を含有させることが好ましい。
G6PDH、HK及びGKとしては、その由来は特に限定されず、バクテリア、酵母、動植物などに由来するもの、又は遺伝子組み換え技術を用いて生成されたものを用いることができる。G6PDHの終濃度は、0.5〜40U/ml、好ましくは1〜10U/mlである。HK又はGKの終濃度は、0.5〜20U/ml、好ましくは1〜6U/mlである。
本実施形態のCK活性測定用試薬の測定対象となるのは、試料に含まれる全てのCKの活性、CK−MMの活性、CK−MBの活性及びCK−BBの活性の何れかである。一般的に臨床検査では、試料中の全てのCKの活性又はCK−MBの活性が測定される。CK活性測定用試薬に、CKのM型サブユニットに特異的に結合する抗体(以下、抗CK−M抗体とする)を含有させることにより、試料中のCK−MBの活性を測定することが可能となる(Wurzburg et al., 1977, J. Clin. Chem. Clin. Biochem., 15:131-135)。抗CK−M抗体としては、M型サブユニットを特異的に認識する抗体であればポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の何れでもよく、これらを混合して用いてもよい。また、抗体のフラグメント及びその誘導体を用いることもできる。抗体のフラグメント及びその誘導体としては、具体的にはFab,Fab’,F(ab)及びsFvフラグメントなど(Blazar et al., 1997, J. Immunol., 159: 5821-5833及びBird et al., 1988, Science, 242: 423-426)が例示される。抗体のサブクラスはIgGに限定されず、IgMなどでもよい。
測定に供される試料としては、例えば、血清、血漿、血液、髄液、尿、精液などを用いることができるが、血漿又は血清を用いることが好ましい。
以下、CK活性測定に用いられる反応系について説明する。
CKを含む試料に上記成分を含むCK活性測定用試薬を添加することにより、図1に示すような反応系が構築される。図1において、SH化合物によって活性化されたCKは、クレアチンリン酸及びADPからクレアチン及びATPを生成する反応を触媒する(反応1)。試薬に含まれるHK又はGKは、試薬に含まれるグルコース及び反応1で生成したATPからグルコース−6−リン酸(G6P)及びADPを生成させる(反応2)。さらに試薬に含まれるG6PDHは、反応2で生成したG6P及びNAD又はNADPから6−ホスホグルコノ−δ−ラクトン及びNADH又はNADPHを生成させる(反応3)。NADH又はNADPHが生成すると、試料と試薬との混合液の波長340nm付近での吸光度が上昇する。この吸光度の上昇をモニターすることにより、試料中のCKの活性を測定することができる。
上述したように、試薬中のSH化合物は試薬の保存中に徐々に劣化するため、安定化させる必要がある。通常、SH化合物を安定化させる目的で試薬にキレート剤が添加される。このようなキレート剤の一種であるDTPAは、試薬を長期保存してもSH化合物の劣化を防止することはできるものの、試薬保存中に試薬自体の吸光度が上昇してしまう。また、日本臨床化学会による勧告法でSH化合物を安定化させるキレート剤として推奨されているEDTAは、試薬を長期保存しても試薬自体の吸光度は上昇しないが、SH化合物の劣化を十分に抑えることができない。さらに、EDTAを含む試薬を長期保存した後、これを用いてCK活性が高値である試料のCK活性測定を行った場合、保存中に試薬中のSH化合物が劣化してしまうため試料に含まれるCKを十分に活性化することができず、正確に測定できないことがある。
CK活性測定用試薬中でCyDTAとSH化合物とを共存させることにより、試薬の長期保存によるSH基の劣化を抑制することができる。また、CyDTAは試薬自体の吸光度の上昇を抑制することができる。さらに、CyDTAを含有したCK活性測定用試薬によると、CK活性が高値の試料を用いて活性測定を行なった場合でも、SH化合物の劣化を抑制することができるため正確にCK活性を測定することが可能である。
CK活性測定用試薬にマグネシウムイオンを含有させることが好ましい。試薬にマグネシウム塩を添加することによってマグネシウムイオンを含有させることができる。マグネシウム塩としては、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウムなどを用いることができる。
防腐剤や界面活性作用を有する化合物を試薬に添加してもよい。防腐剤としては、例えばアジ化ナトリウムなどを用いることができる。界面活性作用を有する化合物としては、例えば非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、アルブミンなどを用いることができ、具体的にはトライトン類(Union Carbide Chemicals and Plastics Co.の登録商標)、エマルゲン類(花王(株)の登録商標)、BSAなどを用いることができる。
試料にはアデニレートキナーゼが含まれていることがある。アデニレートキナーゼは特に溶血試料に多く含まれており、CKの活性測定に悪影響を及ぼす。この悪影響を回避するため、試薬にアデニレートキナーゼの作用を阻害する阻害剤を加えることが好ましい。阻害剤の種類としてはアデニレートキナーゼの作用を阻害するものであれば特に限定されないが、例えばアデノシン一リン酸(AMP)やP1P5ジアデノシン−5’−ペンタリン酸(AP5A)などを用いることができる。
さらに、ダブルカイネティック法で活性測定することによりアデニレートキナーゼの悪影響を回避することも可能である。ダブルカイネティック法では、先ずアデニレートキナーゼの活性を測定し、その後クレアチンリン酸を添加し、CKによる酵素反応を開始させて試料に含まれるキナーゼの活性(CKの活性とアデニレートキナーゼの活性との和)を測定する。これらの測定結果の差がCKの活性値となる。
(実施例1)
下記に示す物質を下記濃度となるよう精製水に溶解した。
イミダゾール 125mM
酢酸マグネシウム 12.5mM
ADP 2.5mM
AMP 6.25mM
AP5A 12.5μM
グルコース 25mM
NADP 2.5mM
チオグリセロール 44mM
G6PDH 1875U/L
ヘキソキナーゼ 3750U/L
なお、溶液のpHは6.6に調整された。
上記組成にCyDTAを添加して、CyDTA濃度の異なる三種類のCK活性測定用試薬を調製した。これらの試薬のCyDTA濃度はそれぞれ、1mM、2mM及び4mMであった。これらの試薬に対して37℃で5日間温度負荷をかけた後、試薬中のSH基の残存量の定量を行なった。
CK活性測定用試薬は上記試薬(第一試薬)とクレアチンリン酸を含む試薬(第二試薬)とからなるが、本実施例では上記試薬に温度負荷をかけてチオグリセロールの安定性を評価しているため、第二試薬は用いない。
SH基の定量は、DTNB(5,5'-dithiobis(2-nitrobenzoic acid))を用いて行なった。試薬にDTNBを添加すると、SH化合物が存在する場合はSH化合物のSH基の量に相当する量のジスルフィド結合が切れて5-Mercapto-2-nitrobenzoic acidが生じる。5-Mercapto-2-nitrobenzoic acidが生じると、波長412nmにおける吸光度が上昇するため、これを測定することにより試薬中のSH基を定量した。
(比較例1〜6)
比較例1では、−80℃で保存していた上記試薬のSH基を定量した。ここでは、キレート剤を添加しておらず、また、温度負荷もかけていない。
比較例2では、キレート剤を添加しないこと以外は実施例1と同様にしてチオグリセロールのSH基の残存量の定量を行なった。
比較例3では、上記組成にCyDTAではなくDTPAを添加し、DTPA濃度の異なる三種類の試薬を調製すること以外は実施例1と同様にしてチオグリセロールのSH基の残存量の定量を行なった。それぞれの試薬のDTPA濃度は1mM、2mM及び4mMであった。
比較例4では、CyDTAではなくグリコールエチレンジアミン四酢酸(GEDTA)を添加し、GEDTA濃度の異なる三種類の試薬を調製すること以外は実施例1と同様にしてチオグリセロールのSH基の残存量の定量を行なった。それぞれの試薬のGEDTA濃度は1mM、2mM及び4mMであった。
比較例5では、CyDTAではなくエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を添加し、EDTA濃度の異なる三種類の試薬を調製すること以外は実施例1と同様にしてチオグリセロールのSH基の残存量の定量を行なった。それぞれの試薬のEDTA濃度は1mM、2mM及び4mMであった。
比較例6では、CyDTAではなくEDTA−OHを添加し、EDTA−OH濃度の異なる三種類の試薬を調製すること以外は実施例1と同様にしてチオグリセロールのSH基の残存量の定量を行なった。それぞれの試薬のEDTA−OH濃度は1mM、2mM及び4mMであった。
比較例7では、CyDTAではなくエチレンジアミン二酢酸(EDDA)を添加し、EDDA濃度の異なる三種類の試薬を調製すること以外は実施例1と同様にしてチオグリセロールのSH基の残存量の定量を行なった。それぞれの試薬のEDDA濃度は1mM、2mM及び4mMであった。
実施例1及び比較例1〜7の測定結果を下記表1に示す。なお、表1においてチオグリセロールの残存量は百分率で示されている。これらの値は比較例1の測定結果に対する値である。
Figure 0004781742
実施例1及び比較例2〜7の測定結果より、CyDTAを含む試薬(実施例1)及びDTPAを含む試薬(比較例3)は、キレート剤を含まない試薬及び他のキレート剤を含む試薬に比べて、温度負荷を行なった後のSH基の残存量が多かった。即ち、上記試薬にDTPA又はCyDTAを添加することでチオグリセロールの保存安定性を向上できることが判った。
(実施例2)
下記に示す物質を下記濃度となるよう精製水に溶解してCK活性測定用試薬の第一試薬及び第二試薬を調製し、これらを用いて初期吸光度を測定した。
<第一試薬>pH6.6
イミダゾール 125mM
酢酸マグネシウム 12.5mM
ADP 2.5mM
AMP 6.25mM
AP5A 12.5μM
グルコース 30mM
NADP 2.5mM
NAC 44mM
G6PDH 1875U/L
ヘキソキナーゼ 3750U/L
CyDTA 2mM
<第二試薬>pH9.0
クレアチンリン酸 150mM
日立7170S形自動分析装置を用いて、第一試薬180μlと、第二試薬45μlと、CKを含まない生理食塩水である試料5.6μlとを混合した後、340nmにおける吸光度を測定した。
また、4℃で1週間保存した第一試薬、4℃で2週間保存した第一試薬、4℃で3週間保存した第一試薬及び4℃で4週間保存した第一試薬をそれぞれ用いて上記と同様に初期吸光度を測定した。
(比較例8〜13)
上記第一試薬の組成のうちCyDTAではなく、別の種類のキレート剤を添加して初期吸光度を測定した。
比較例8では、CyDTAの代わりにDTPAを2mM添加すること以外は実施例2と同様にして初期吸光度を測定した。
比較例9では、CyDTAの代わりにGEDTAを2mM添加すること以外は実施例2と同様にして初期吸光度を測定した。
比較例10では、CyDTAの代わりにEDTAを2mM添加すること以外は実施例1と同様にして初期吸光度を測定した。
比較例11では、CyDTAの代わりにEDTA−OHを2mM添加すること以外は実施例1と同様にして初期吸光度を測定した。
比較例12では、CyDTAの代わりにEDDAを2mM添加すること以外は実施例1と同様にして初期吸光度を測定した。
比較例13では、CyDTAの代わりにニトリロ三酢酸(NTA)を2mM添加すること以外は実施例1と同様にして初期吸光度を測定した。
実施例2及び比較例8〜13の測定結果を下記表2に示す。なお、表2における値は測定した吸光度を10000倍した値である。また、上昇率の欄には、試薬調製直後の初期吸光度に比べて4週間保存した後の初期吸光度がどのくらい上昇したかを百分率で示した。
Figure 0004781742
実施例2及び比較例8〜13の測定結果より、CyDTAを添加した試薬(実施例2)、EDTAを添加した試薬(比較例10)及びEDTA−OHを添加した試薬(比較例11)は、他のキレート剤を含む試薬に比べ、長期保存による初期吸光度の上昇率が低かった。即ち、CyDTA、EDTA及びEDTA−OHは、試薬自体の吸光度の上昇を抑制できることが判った。
(実施例3)
実施例2で調製した第一試薬及び第二試薬を用いて、CKを約2000U/l含む試料のCK活性を測定した。
日立7170S形自動分析装置を用いて、第一試薬180μlと、第二試薬45μlと、試料5.6μlとを混合して340nmにおける吸光度を測定し、試料に含まれるCKの活性値を算出した。
また、4℃で2週間保存した第一試薬及び4℃で4週間保存した第一試薬をそれぞれ用いて上記と同様にCKの活性値を算出した。
(比較例14〜19)
比較例14では、比較例8で調製した第一試薬を用いること以外は実施例3と同様にしてCKの活性値を算出した。
比較例15では、比較例9で調製した第一試薬を用いること以外は実施例3と同様にしてCKの活性値を算出した。
比較例16では、比較例10で調製した第一試薬を用いること以外は実施例3と同様にしてCKの活性値を算出した。
比較例17では、比較例11で調製した第一試薬を用いること以外は実施例3と同様にしてCKの活性値を算出した。
比較例18では、比較例12で調製した第一試薬を用いること以外は実施例3と同様にしてCKの活性値を算出した。
比較例19では、比較例13で調製した第一試薬を用いること以外は実施例3と同様にしてCKの活性値を算出した。
実施例3及び比較例14〜19の測定結果を下記表3に示す。低下率の欄には、試薬調製直後のCK活性値に比べて4週間保存した後の値がどのくらい低下したかを百分率で示した。
Figure 0004781742
実施例3及び比較例14〜19の測定結果より、CyDTAを添加した試薬(実施例3)及びDTPAを添加した試薬(比較例14)は、他のキレート剤を含む試薬に比べ、4週間保存した後の測定値の低下率が小さかった。即ち、CyDTA又はDTPAを添加した試薬を用いることによって、試薬を長期間保存しても正確にCK活性を測定できることが判った。
実施例1、2、3、及び比較例1〜18より、CyDTAを含有する試薬は、SH化合物の保存安定性に優れ、長期間保存した後でも試薬自体の吸光度が大きく上昇せず、さらにこの試薬によるとCK活性が高値の試料を用いた場合でも正確に活性測定を行なえることが判った。
CK活性測定の反応系を示した模式図である。

Claims (5)

  1. シクロヘキシルジアミン四酢酸と、SH基を有する化合物とを含有するクレアチンキナーゼ活性測定用試薬。
  2. 前記SH基を有する化合物が、N−アセチル−L−システイン(NAC)、N−グアニル−L−システイン、システアミン、ジチオスレイトール(DTT)、システイン、グルタチオン、メルカプトコハク酸、チオグルコース、ジチオエリスリトール、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、臭化2−アミノエチルイソチオウロニウム、2−メルカプトエタンスルホン酸及びチオグリセロールからなる群より選択される少なくとも一つである請求項1記載のクレアチンキナーゼ活性測定用試薬。
  3. グルコース−6−リン酸脱水素酵素(G6PDH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)又はニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、ヘキソキナーゼ又はグルコキナーゼ、グルコース、アデノシン二リン酸(ADP)及びクレアチンリン酸からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物をさらに含有する請求項1又は2記載のクレアチンキナーゼ活性測定用試薬。
  4. クレアチンキナーゼのM型サブユニットに特異的に結合する抗体をさらに含有する請求項1〜3の何れかに記載のクレアチンキナーゼ活性測定用試薬。
  5. シクロヘキシルジアミン四酢酸(CyDTA)、グルコース−6−リン酸脱水素酵素(G6PDH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)又はニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、ヘキソキナーゼ又はグルコキナーゼ、グルコースアデノシン二リン酸(ADP)及びSH基を有する化合物を含有する第一試薬と、クレアチンリン酸を含む第二試薬とからなるクレアチンキナーゼ活性測定用試薬キット。
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