JP4361611B2 - 酵素活性および代謝産物の測定におけるnadph類似体およびnadh類似体の使用 - Google Patents

酵素活性および代謝産物の測定におけるnadph類似体およびnadh類似体の使用 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、測定のためにNADPH補因子および/またはNADH補因子を使用する必要のある酵素法を用いた酵素活性の測定または基質の測定における安定な酵素補因子としてのNADPH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)類似体およびNADH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)類似体の使用に関する。
発明の背景
NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)類似体の調製に関する最初の報告では、NADのピリジン環のアミド基の修飾が行われた。これについてはZateman et al.,J.Biol.Chem.209,453,1954およびZateman et al.,J.Biol.Chem.,209,467,1954の文献に記載されている。ピリジン環のアミド基の修飾が行われ、かつ酵素との協同的な機能を備えた最初のNAD類似体は、3-アセチルピリジンアデニンジヌクレオチドであり、その合成についてはKaplan et al.,J.Biol.Chem.221,823,1956に記載されている。これらのNAD類似体は、哺乳動物のNADグリコヒドロラーゼ(NADアーゼ)を用いて酵素的に合成された。このNADアーゼは、NADのピリジン−グリコシド結合の加水分解を行うほかに、NADのピリジン部分と他の置換ピリジンとの交換反応を行うこともできる。こうした初期の研究以来、ピリジン環のアミド基の修飾が行われたNAD/NADP類似体は少なくとも48種調製された。NAD/NADP類似体に関する完全なレビューについては、J.Everse、B.Anderson、およびW-S You著、The Pyridine Nucleotide Coenzymes,Academic Press,New York,1982,pp 92-132ならびにPyridine Nucleotide Coenzymes(Coemzymes and Cofactors,Vol III),John Wiley,New York,1987,pp 324-265を参照されたい。これらの内容は、引用により本明細書に組み入れる。しかしながら、ピリジン環のアミド基の修飾が行われたNAD/NADP類似体のうちで、デヒドロゲナーゼ酵素と協同して機能するものはごく少数である。デヒドロゲナーゼ酵素との協同的機能に必要な要件は、カルボニル基またはチオカルボニル基がピリジン環の3位に存在しなければならないこと、または3位のアミド基をハロゲン原子で置換することができることである(先に記載のEverseらの文献を参照されたい)。
NAD/NADP類似体を用いた酵素的研究のほとんどは、その酸化体を使用して、デヒドロゲナーゼ酵素との結合および協同的機能に欠かすことのできない官能基を推定することであった(上述の文献を参照されたい)。Kaplanら(J.Biol.Chem.,221,833,1956)は、3位がアルデヒド基(-CHO)およびアセチル基(-COCH3)で置換されたNAD類似体の酸化電位に関する研究を行い、NADの電位が-0.320ボルトであるのに対してこれらの置換体の電位は約-0.248ボルトであることを見出した。類似の研究を行ったBiellmanら(FEBS Lett.7,199,1970)は、チオニコチンアミドすなわちチオカルボニルNAD類似体(-CSNH2)の電位が-0.285ボルトであることを見出した。Lamosら(米国特許第5,037,738号)は、グルコースおよび尿素の同時アッセイにおいてチオニコチンアミド-NADPおよびNADHを使用した。かれらの手法によれば、グルコースデヒドロゲナーゼまたはグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼを使用する酵素反応では、チオニコチンアミド-NADPHの生成による404nmの吸光度の増加または550nmの蛍光の増加をモニターすることによりグルコースの測定が行われ、一方、ウレアーゼおよびグルタミン酸デヒドロゲナーゼを使用する共役酵素法では、NADHの酸化に伴う340nmの吸光度の減少または440nmの蛍光の減少をモニターすることにより尿素の測定が行われた。
Abrahamら(Nature 203,973,1964;Biochemistry 4,2616,1965)は、NADHの吸収を生じるUVスペクトル領域における吸光度変化をモニターすることにより、中性水溶液中でのNADHとオルトホスフェートとの自発的反応を調べた。かれらは、オルトホスフェートの濃度の増加に伴うNADHの反応性の増大を観測し、UV吸収の変化に基づいて、オルトホスフェートからNADHへの3個のプロトンの連続的な移動による少なくとも3つの連続した反応が起こると結論した。NADHおよび3-置換ピリジン-NADH類似体を含むpH6.62の15Mホスフェート中での1実験では、こうした類似体の反応性はNADHとの場合よりもホスフェートとの場合の方が低いことが観測された。
近年、臨床化学分析において特異性の増大が必要になるにつれて、酵素アッセイでは反応の進行中に速度論的モードすなわち連続的モードで測定を行い、代謝産物および基質アッセイでは共役酵素法を用いて酵素により直接的または間接的に測定を行うことが一般化し、十分に受け入れられるようになってきた。このような手法は、臨床分析分野の当業者には周知である。酵素アッセイの速度論的すなわち連続的モニタリングの例を2つ例示するために、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)およびAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)の酵素活性の測定を考える。
ALT活性の測定は、典型的には、次のような十分に解明された手法を用いて行われる。
L-アラニン+α-ケトグルタレート ALT→L-グルタメート+ピルビン酸
ピルビン酸+NADH 乳酸デヒドロゲナーゼ→NAD+L-乳酸
この手法では、生成するピルビン酸の連続的モニタリングによりALT活性の測定が行われる。このモニタリングを行うために、乳酸デヒドロゲナーゼを用いる共役酵素反応によって、ピルビン酸を乳酸に接触還元するが、この際、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)からその酸化体NADへの同時酸化が起こる。この反応の測定は、NADHの酸化に基づく吸光度(通常340nmにおける吸光度)の減少を追跡することによって分光測光的に行われる。NADHは、UVスペクトル領域において約340nmに吸収極大を有し、一方、NADは、実質的に、この波長で吸収を示さない。
AST活性の測定も同様にして、次のように行われる。
L-アスパラギン酸+α-ケトグルタレート AST→L-グルタメート+オキサロ酢酸
オキサロ酢酸+NADH リンゴ酸デヒドロゲナーゼ→NAD+L-リンゴ酸
この手法では、生成するオキサロ酢酸の連続的モニタリングによりAST活性の測定が行われる。このモニタリングを行うために、リンゴ酸デヒドロゲナーゼを用いる共役酵素反応によって、オキサロ酢酸をリンゴ酸に接触還元するが、この際、NADHからその酸化体NADへの同時酸化が起こる。この反応の測定は、NADHの酸化に基づく吸光度(通常340nmにおける吸光度)の減少を追跡することによって分光測光的に行われる。
酵素法を用いた測定ならびにNADHおよび/またはNADPHの酸化と共役する基質および/または代謝産物分析の例としては、例えば、二酸化炭素(集団で溶解している二酸化炭素、重炭酸イオン、および炭酸イオン)、アンモニア、ピルビン酸、尿素もしくはBUN(血液尿素窒素)、サリチレート、トリグリセリド、アデノシン5’-三リン酸、および2,3-ジホスホグリセリン酸の測定が挙げられる。二酸化炭素および尿素の測定は、一般に、共役酵素反応を用いて行われるが、アンモニアの測定は、通常、酵素グルタミン酸デヒドロゲナーゼおよび還元型補因子(通常はNADPH)を用いて行われ、ピルビン酸の測定は、通常、乳酸デヒドロゲナーゼおよびNADHを用いて行われる。以下に、二酸化炭素、尿素、およびアンモニアの測定法について記す。
二酸化炭素測定法
重炭酸イオン+ホスホエノールピルベート ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ→オキサロ酢酸+ホスフェート
オキサロ酢酸+NADH リンゴ酸デヒドロゲナーゼ→NAD+L-リンゴ酸
二酸化炭素の測定は、通常、エンドポイント反応として行われるが、特定の条件下ではレイトアッセイまたはカイネティックアッセイにより行うことも可能である。サンプル中の重炭酸イオンの量または二酸化炭素の総含有量と酸化されたNADHの量との間には化学量論的関係が存在する。従って、オキサロ酢酸によるNADHの酸化に基づいて、吸光度、通常は340nmにおける吸光度、の減少を測定することによって、サンプル中の重炭酸イオンの量を決定することができる。
尿素測定法
尿素+H2O ウレアーゼ→2 アンモニア+二酸化炭素
2 アンモニア+2NADH+α-ケトグルタレート グルタミン酸デヒドロゲナーゼ→2L-グルタメート+2NAD
この手法では、サンプル中の尿素の量と酸化されたNADHの量との間には直接的な関係が存在する。この共役酵素法では、サンプル中の尿素1モルあたり2モルのNADHが酸化される。この反応はエンドポイント反応として、すなわち、すべての尿素がアンモニアに変換され、かつすべてのアンモニアがL-グルタメートに変換され、同時に化学量論量のNADHが酸化される形態で行うこともできるが、臨床分析ではレイトアッセイとして行う方が普通である。レイトアッセイでは、サンプルを試薬に添加した直後に吸光度を読み取り、次いで短時間後(典型的には1〜4分後)、反応が部分的に終了した時点で同じ波長において二度目の吸光度を読み取る。最初に読み取った吸光度から後で読み取った吸光度を引くことにより、反応を進行させた時間に対する吸光度差ΔAを求める。このΔAを尿素濃度が既知の標準と比較することにより、サンプル中の尿素濃度を決定することができる。このほか、上記の方法を用いて、所定の時間間隔でいくつかの吸光度を読み取り、これらの値から線形回帰分析により所定時間あたりの平均ΔAを求めることができる。より一般的には、これらの吸光度値はΔA/minに変換される。また、この手法を用いると、スペクトルへの影響がモニタリングの時間中に変化しないかぎり、サンプルに由来するスペクトルへの影響が取り除かれる。なぜなら、読み取られた吸光度を互いに差し引くときに、こうした影響が除去されるからである。
アンモニア測定法
アンモニア+NADPH+α-ケトグルタレート グルタミン酸デヒドロゲナーゼ→NADP+L-グルタメート
アンモニアの臨床的測定法では、通常、NADHの代わりにNADPHが使用される。これを使用する目的は、サンプル中に存在する可能性のあるピルビン酸による影響を防止することである。このピルビン酸は、サンプル中に同時に存在する可能性のある乳酸デヒドロゲナーゼの存在下において、次の反応を触媒する場合がある。
ピルビン酸+NADH 乳酸デヒドロゲナーゼ→NAD+L-乳酸
乳酸デヒドロゲナーゼはNADPHを利用することができないため、ピルビン酸の影響は回避される。
一般的には、上記の方法による測定は非常に良好に行われる。これらの方法に付随する主な欠点は、試薬水溶液中においてNADHおよびNADPHが本質的に不安定なことである。NADHおよびNADPHはpHが9を超える水溶液中でのみ比較的安定であることは周知である(Wu et al.,Clin.Chem.32,314,1986;Lowry et al.,J.Biol.Chem.235,2756,1961)。しかしながら、残念なことに、上記の方法はいずれも、一般的には、より低いpH値で行われる。例えば、最適pHは、血清中のALT活性の測定ではpH7.5、血清中のAST活性の測定ではpH7.8であり、血清中の二酸化炭素の測定ではpH7.0〜約8.0が好ましく(このpH値は、上記の共役酵素反応に対する最適値である)、血清中の尿素アッセイおよびアンモニアアッセイは、典型的には、約pH8.3で行われる(このpH値は、上記の2つの酵素法に対する最適pHである)。これらのおよび他の分析の反応条件に関するより総括的な議論については、Teitz,Textbok of Clinical Chemistry,1986,W.B.Saunders Co.Philadelphia,PAを参照されたい。この文献の記載内容は、引用により本明細書に組み入れる。この場合、NADHおよびNADPHを含有する水溶液は、これらの溶液のpHでは安定性に限界があり、貯蔵安定性を最大にするために、冷蔵温度で試薬を保存しなければならない。
NADHおよびNADPHが不安定なために生じる生成物のいくつかは、酸化生成物NADおよびNADPであり、これらの酸化生成物は、水溶液中に溶存する分子酸素による酸化を受けて生じる可能性がある。水溶液中におけるNADHおよびNADPHの安定性の改良の取り組みの中で、Modrovich(米国特許第4,394,449号)は、酸化された酵素補因子を還元体に戻すべく、ヌクレオチド再生系を添加した。このような添加を行うと、NADH補因子およびNADPH補因子を含有する試薬の水溶液中での貯蔵寿命を長くするのに役立つが、残念ながら、補因子の酸化だけが唯一の分解経路ではない。NADHおよびNADPHの貯蔵寿命を改良するための他の試みの中で、Modrovich(米国特許第4,372,894号)は、水含有量が0.5%未満となる状態を保持しつつ、乾燥剤粒子と共に還元型補因子を水混和性有機溶剤に添加した。NADHを安定化させるもう1つの方法において、Crowtherら(米国特許第5,116,728号)は、水溶液中のNADH濃度を緩衝させるべく、緩衝系を使用した。この系では、グルコース、グルコースデヒドロゲナーゼ、およびNADを、NADHを含有する水溶液に添加する。pH、グルコース濃度、NAD濃度、NADH濃度、およびグルコースデヒドロゲナーゼ活性を適切に選択することにより、所定の時間にわたりNADHのレベルを比較的一定に保持できると記されている。前述の各米国特許の内容は、引用により本明細書に組み入れる。
従って、NADH補因子およびNADPH補因子を使用する必要のある臨床化学検査室において、より良好な安定性を有する診断用試験キットが必要とされている。試験キットの水溶液中でNADHおよびNADPH補因子が分解を起こした場合、もはや試薬は機能しなくなり、使用期限までに使いきらなかったとしても廃却しなければならない。その結果、臨床検査室では、未使用の試薬およびそのために行われなかった試験に対する費用が新たに発生することになる。補因子の安定性が改良されれば、水溶液中での試薬の貯蔵寿命は長くなり、試験1回あたりの費用は減少し(キット中の試薬をすべて使用することができるため)、更に、安定性が問題の試薬を使用したときに得られる結果の質が向上する。
発明の概要
本発明の1態様によれば、本発明には、式(I):
Figure 0004361611
〔式中、
R1は、
Figure 0004361611
であり
R2は、アリールまたはヘテロアリールであり、
Qは、CまたはSであり、
Tは、OまたはSであり、
Xは、H、OR3、またはH2PO4(式中、R3は、H、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4置換アルキル、またはハロゲンである)であり、
Yは、O、S、またはNOHであり、
Zは、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6置換アルキル、またはNHL(式中、Lは、H、OH、NH2、アリール、またはアラルキルであるが、R2がアデニンの場合、LはHではない)である〕
で表される化合物を含有する診断用試薬キットが含まれる。
本発明のもう1つの好ましい態様において、サンプル中の酵素または分析対象物質の有無を定量する方法を提供する。この方法には、
a)サンプルを、上記の式(I)で表される化合物と接触させる工程と
b)工程a)の接触により生じた光吸収または蛍光の変化を測定する工程と、
が含まれる。
補因子を必要とする酵素を用いた酵素活性および基質の測定に有用であることが判明したいくつかの好ましいNADPH補因子およびNADH補因子は、3-アセチルピリジンアデニンジヌクレオチドすなわち3-アセチルピリジン-NADH、3-アセチルピリジンアデニンジヌクレオチドリン酸すなわち3-アセチルピリジン-NADPH、3-ピリジンアルデヒドアデニンジヌクレオチドすなわち3-ピリジンアルデヒド-NADH、3-ピリジンアルデヒドアデニンジヌクレオチドリン酸すなわち3-ピリジンアルデヒド-NADPH、チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチドすなわちチオニコチンアミド-NADH、チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸すなわちチオニコチンアミド-NADPHである。
本発明の好ましい態様において、分析サンプル中の代謝産物の有無または酵素活性を測定するためのキットおよび方法には、NADH類似体およびNADPH類似体が含まれる。これらの類似体を用いると、例えば、分析サンプル中のALT、AST、乳酸デヒドロゲナーゼ、α-ヒドロキシ酪酸、クレアチンキナーゼ、5’-ヌクレオチダーゼ、およびソルビトールデヒドロゲナーゼの活性を測定することができる。このほか、二酸化炭素、アンモニア、尿素、ピルビン酸、サリチレート、トリグリセリド、アデノシン5’-三リン酸、および2,3-ジホスホグリセリン酸を測定するために、こうした類似体を使用することができる。
サンプル中の尿素を測定するための好ましい補因子類似体は、3-アセチルピリジン-NADH、3-アセチルピリジン-NADPH、3-ピリジンアルデヒド-NADH、および3-ピリジンアルデヒド-NADPHである。
本発明の利点の1つは、3-アセチルピリジン-NADH、3-ピリジンアルデヒド-NADH、チオニコチンアミド-NADHなどの特定のNADH類似体およびNADPH類似体が、酸性、中性、およびアルカリ性のpH(すなわち、約<6〜約10.5)において、NADHおよびNADPHよりもかなり安定なことである。従って、これらの補因子類似体を用いて製造された診断用試薬キットは、NADHまたはNADPHを用いて製造された現用の従来型試験よりもはるかに優れた貯蔵寿命を有する。
本発明のキットおよび方法のもう1つの利点は、NADPH類似体およびNADH類似体が還元型で存在することである。例えば、乳酸デヒドロゲナーゼ活性の測定のようなアッセイでは、正反応(乳酸→ピルビン酸)の場合よりも活性が約2倍高い逆反応(ピルビン酸→乳酸)を用いて測定を行うことができる。この場合、より安定なキットが使用でき、しかも試薬の廃棄量は減少する。なぜなら、正反応の場合には、正反応の最適pH(〜9)において比較的不安定な酸化型補因子を使用するからである。
本発明のキットおよび方法のもう1つの顕著な利点は、NADPH類似体およびNADH類似体を用いるとアッセイの感度が増大することである。こうした利点が顕著に現れるのは、レファレンス領域の上限が1リットルあたり約60μモルにすぎない血清および血漿中のアンモニアを測定する場合である。例えば、NADHまたはNADPHのいずれか一方を使用する代わりにチオニコチンアミド-NADHまたはチオニコチンアミド-NADPHを使用すると、感度は約2倍増大する。また、チオニコチンアミド類似体は、可視スペクトル領域に吸収極大を有するため、高レベルの脂質(トリグリセリド)によって引き起こされる臨床サンプルの混濁の影響は減少する。高レベルの脂質が存在すると、340nm(NADHおよびNADPHの測定は、通常、この波長で行われる)における吸収測定は妨害を受ける。また、チオニコチンアミドNADH類似体およびチオニコチンアミドNADPH類似体の感度が増大するため、アッセイで使用するサンプル量を減少させることができる。このことは、サンプル量が制限されることの多い乳児および新生児由来の臨床サンプルを測定する場合に特に重要である。
発明の詳細な説明
好ましい1態様において、本発明は、NADH類似体およびNADPH類似体を含有する診断用キットに関する。これらの類似体は、式(I):
Figure 0004361611
〔式中、
R1は、
Figure 0004361611
であり
R2は、アリールまたはヘテロアリールであり、
Qは、CまたはSであり、
Tは、OまたはSであり、
Xは、H、OR3、またはH2PO4(式中、R3は、H、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4置換アルキル、またはハロゲンである)であり、
Yは、O、S、またはNOHであり、
Zは、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6置換アルキル、またはNHL(式中、Lは、H、OH、NH2、アリール、またはアラルキルであるが、R2がアデニンの場合、LはHではない)である〕
で表される化合物である。
式(I)中のいくつかの好ましいR1部分は、次式:
Figure 0004361611
(式中、Qは、CまたはSであり、Yは、O、S、またはNOHである)
で表される。より好ましくは、R1は、次の基:
Figure 0004361611
の中から選択される。このほか、R1は、次の基:
Figure 0004361611
の中から選択することも可能である。
好ましくは、R2は、次式:
Figure 0004361611
で表されるアデニンである。このほか、R2は、置換アデニン、または、キサンチン、チオキサンチン、ヒポキサンチン、グアニン、もしくは他の縮合ヘテロ環構造からなる群より選ばれる置換もしくは無置換の基、またはアリール、置換アリールなどであってもよい。
また、式(I)中のXは、好ましくは、OHまたはH2PO4であり、各TはOである。本明細書中に記載のキットおよび方法で利用される式(I)で表される好ましい化合物としては、3-ピリジンアルデヒド-NADH、3-ピリジンアルデヒド-NADPH、3-アセチルピリジン-NADH、3-アセチルピリジン-NADPH、チオニコチンアミド-NADH、およびチオニコチンアミド-NADPHである。これらの化合物は、標準的な有機化学的方法により合成することが可能であるが、必要であれば、Sigma Chemical Co.などの供給業者から購入することもできる。本発明のキットには、式(I)で表される化合物が約0.01〜約1.0mmol/リットルの範囲の量で含まれるように設定される。
本発明のキットおよび方法は、種々の酵素活性および代謝産物の測定に有用である。本明細書中に記載の合成類似体を用いて測定可能なこうした対象としては、分析サンプルのALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)活性、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)活性、乳酸デヒドロゲナーゼ活性、α-ヒドロキシ酪酸活性、ソルビトールデヒドロゲナーゼ活性、クレアチンキナーゼ活性、5’-ヌクレオチダーゼ活性、尿素含有量、アンモニア含有量、サリチレート含有量、トリグリセリド含有量、ピルビン酸含有量、二酸化炭素含有量、2,3-ジホスホグリセリン酸含有量、およびアデノシン5’-三リン酸含有量が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のこのほかの態様において、診断用キットにはまた、乳酸デヒドロゲナーゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、尿素、サリチレート、ヒドロキシラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、ホスホグリセリン酸ホスホキナーゼ、ホスホグリセリン酸ムターゼ、グリセロールキナーゼ、アデノシンデアミナーゼ、またはグリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼなどの酵素が含まれる。酵素は、約0.1〜約150単位/ml(試薬含有溶液)の酵素活性を示すのに十分な量で含まれる。酵素活性の実際のレベルは、キット中に含まれる酵素ならびに測定の対象となる標的代謝産物または酵素活性に依存することは分かるであろう。
式(I)で表されるNADH/NADPH類似体は、生物系に通常存在する「天然の」補因子ではないため、NADH/NADPH類似体とデヒドロゲナーゼ酵素との適合性または協同性について確認する。例えば、3-アセチルピリジン-NADHの場合、いくつかの好適な乳酸デヒドロゲナーゼが存在することが分かった。具体的には、ニワトリの肝臓、ウサギの筋肉、ブタの筋肉、ウシの筋肉、ニワトリの心臓、ブタの心臓、Leuconostoc mesenteroides、およびStaphyloccus sp.中に見られる乳酸デヒドロゲナーゼが挙げられる。他の乳酸デヒドロゲナーゼもまた好適であろうと考えられる。同様に、NADH/NADPH類似体とリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(MDH)との適合性または協同性についても確認したところ、3-アセチルピリジン-NADHに対して、例えば、Thermus sp.およびブタの心臓に由来するリンゴ酸デヒドロゲナーゼが適切であることが分かった。また、他の種の酵素も適切であると考えられる。
いくつかのキットにおいて、例えば乳酸デヒドロゲナーゼなどの酵素の代わりにオキサメート(oxamate)を約5〜約25mmol/リットルの範囲の量で添加することが可能である。
本発明のキットは、使用者の要求に応じて、湿潤状態または乾燥状態、例えば、凍結乾燥状態で調製することができる。キットにはまた、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンスルホン酸、ビシン、ビス-トリス、ヘペス、イミダゾール、およびMESなどの適切な緩衝剤を導入することもできる。導入される緩衝剤は、検査者の好みに依存し、また測定の対象となる代謝産物または酵素活性に基づいて選択されることは、当業者には自明であろう。しかしながら、キット中には十分な量、すなわち、約0.01〜約1.0mol/リットルの量の緩衝剤を含ませる。また、類似体含有溶液のpHは、約5.5〜約9.5とする。
本発明の更なる態様において、診断用キットに、L-アラニン、α-ケトグルタレート、L-アスパルテート、ピルビン酸、α-ケトブチレート、フルクトース、アデノシン5’-三リン酸、アデノシン5’-一リン酸、2-ホスホグリコール酸、ホスホエノールピルベート、アデノシン5’-二リン酸、クレアチンなどの基質を添加することができる。基質は、約0.1mmol/リットル〜約1000mmol/リットルの量で含ませることになろう。必要な場合には、アジ化ナトリウム、Kathon、Bronopol、またはパラベンのような適切な抗菌剤を加えてキットを調製することができる。このような抗菌剤は、約0.01〜約0.5重量%の範囲の量で含ませることができる。
本発明のキットは、酵素安定化成分または試薬系、すなわち酵素および基質、を加えて調製することもできる。具体的には、米国特許第4,394,449号に記載の物質を加えることができ、この場合には、適切な酵素および基質を使用することにより、酸化された補因子を再び還元してそのもとの還元体に戻すことができる。この特許の内容は、参照により本明細書に組み入れる。簡潔に述べると、酸化された補因子を酵素により再生してそのもとの還元体に戻すことによって、既に保存期間が延長されたキットの寿命を更に延ばすことができる。
酸化型NAD(P)類似体の再生のための酵素共役反応としては、例えば、次の反応が挙げられる。
1)グルコース-6-リン酸およびグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼを用いる反応:
NAD(P)類似体+グルコース-6-リン酸 グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ→NAD(P)H類似体+ホスホグルコン酸
2)グルコースおよびグルコースデヒドロゲナーゼを用いる反応:
NAD(P)類似体+グルコース グルコースデヒドロゲナーゼ→NAD(P)H類似体+グルコン酸
上記の例において、(P)は、NAD類似体またはリン酸化類似体NADPのいずれかを表す。上記のNAD(P)類似体再生系は、他の酵素−基質系が除外されることを意味するものではなく、単なる例示にすぎない。
ピリジンヌクレオチド再生系もまた、他の試薬中において還元型ピリジンヌクレオチド補因子類似体の安定性を増大させることが分かった。NADH/NADPH類似体を使用する試薬において、類似体の安定性の改良が観測されたのは、アンモニア、尿素もしくはBUN、ALTおよびAST、ならびに二酸化炭素を測定する場合であった。
本発明に係る試薬は、数種の異なる形態で構成可能である。抗菌剤、緩衝剤、共役酵素を安定化させるための成分などを添加する場合にはそれらを含めて、必要なすべての成分を含有する単一のバイアルを作製してもよい。便宜上、約+2〜+8℃の温度で貯蔵される(冷蔵庫中で貯蔵される)単一バイアル中のすぐに使用できる液体試薬が好ましい。このほか、2成分系もしくは3成分以上の系として試薬を調製してもよいし、また、粉末(乾式充填物)もしくは凍結乾燥物として調製してもよい。試薬の成分を別々のバイアルまたは瓶中に含んでなる形態では、通常、成分の安定性はより良好であるが、最終使用者の中にはあまり便利でないと感じるものもいるであろう。
実施例
以下の実施例により本発明の特定の態様について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。部およびパーセントはすべて、特に記載のないかぎり重量基準であり、温度は摂氏温度である。主な試薬は、Sigma Chemical Co.などの供給業者から入手した。
以下に示されている試薬組成は、サンプル量も含めた全成分の最終濃度である。種々の濃度で試薬を調製できることが分かる。例えば、試薬の濃縮物を調製し、次に、試薬を使用する前に、脱イオン水、精製水、または非精製水で希釈することもできる。
実施例1
ALT活性の測定
3-アセチルピリジン-NADHを用いて分析サンプルのALT活性を測定するための試薬組成物の実施例を以下に示す。この基本的な試薬の変形形態は多数存在するが、それらのいずれを用いても、分析サンプルのALT活性を測定するという同じ目的が達成される。この実施例で選択した処方は、IFCC(International Federation of Clinical Chemistry)推奨の処方であるが、ただし、ピリドキサールリン酸は省き、補因子NADHの代わりに3-アセチルピリジン-NADHを使用した。IFCC試薬処方のピリドキサールリン酸は、サンプルのすべてのALT活性を測定すべく、サンプル中のすべてのALTホロ酵素がピリドキサールリン酸に結合したことを確認するために使用される。
ALT活性を測定するための共役酵素反応は、次の通りである。
L-アラニン+α-ケトグルタレート ALT→L-グルタミン酸+ピルビン酸
ピルビン酸+3-アセチルピリジン-NADH 乳酸デヒドロゲナーゼ→3-アセチルピリジン-NAD+L-ラクテート
試薬組成(サンプル量を含めた成分濃度)
Figure 0004361611
上記の実施例では3-アセチルピリジン-NADHを使用しているが、チオニコチンアミド-NADHを同じような量で使用することも可能であり、必要に応じて、式(I)で表される他の類似体を使用することもできる。NADHをリン酸化した補因子NADPHは、典型的には、乳酸デヒドロゲナーゼとの協同的機能を示さない。従って、リン酸化された類似体である3-アセチルピリジン-NADPH、3-ピリジンアルデヒド-NADPH、およびチオニコチンアミド-NADPHを上記の反応スキームで機能させるためには、リン酸化された補因子を使用する適切な乳酸デヒドロゲナーゼが必要になると考えられる。
補因子類似体を使用してALT活性を測定するために、NADH補因子を使用する通常の測定の場合と同じように、分光測光法にて吸光度の減少を追跡する。しかしながら、補因子類似体は、NADHとはいくらか異なる極大波長およびモル吸光度を有する。従って、1分間あたりの吸光度変化(ΔA/min)を変換するために使用する係数は、各補因子類似体ごとに異なり、もちろん、NADHとも異なるであろう。3-アセチルピリジン-NADHの近紫外域の吸収極大波長は約363nmであり、3-ピリジンアルデヒド-NADHでは約358nmである(Siegel et al.,Arch Biochem and Biophys.82,288,1959)。可視スペクトル領域に吸収を有するチオニコチンアミド-NADHの場合には、極大波長は約398nmである(Stein et al.,Biochem.2,5,1015,1063)。これらの波長における3種の補因子類似体のモル吸光度は、それぞれ約9.1×103、9.3×103、および11.9×103である。これに対して、NADHの340nmにおけるモル吸光度は6.2×103である。ほとんどの臨床化学分析器は、NADH/NADPHを測定するように設計されているため、波長340nmが、3-アセチルピリジン-NADHおよび3-ピリジンアルデヒド-NADHの吸収極大に最も近い波長である。ただし、分析器の中には、340〜405nmの間の波長、例えば、360nmおよび380nmの波長を使用するものがある。340nmにおける3-アセチルピリジン-NADHの吸光度は、NADHの吸光度の約92%であり、363nmの吸収極大の約70%である。340nmにおける3-ピリジンアルデヒド-NADHの吸光度は、NADHの吸光度の約94%であり、358nmの吸収極大の約82%である。従って、340nmの吸光度の減少を測定することにより、ALT活性を求めるための係数を、使用する補因子類似体ごとに調節する必要がある。しかしながら、チオニコチンアミド補因子の場合には、ほとんどの臨床化学分析器は、この補因子類似体の極大波長398nmに非常に近い約405nmの波長を使用する。従って、405nmの臨床化学分析器の実質的にほとんどすべてが、チオニコチンアミド-NADHの測定に便利に利用できる。
上記のALT共役反応でNADH補因子類似体を使用する場合、十分な活性を有する共役酵素(この場合には乳酸デヒドロゲナーゼ)を添加して、第2の反応(この場合には、ピルビン酸から乳酸への還元および還元体補因子の同時酸化)が第1のアミノ基転移反応に続いて起こるようにしなければならない。このことは、特に、高いALT活性を有するサンプルの場合に重要である。上記の試薬組成物では、700U/Lのアッセイの直線性が得られるように、十分な乳酸デヒドロゲナーゼを添加した。これよりも低い酵素活性を使用した場合、ALTの直線性は減少するであろう。
実施例2
AST活性の測定
3-アセチルピリジン-NADHを用いて分析サンプルのAST活性を測定するための試薬組成物の実施例を以下に示す。ALT試薬の場合と同様に、この基本的な試薬の変化形態は多数存在する。この実施例で選択した処方は、IFCC推奨の処方であるが、ただし、ピリドキサールリン酸および乳酸デヒドロゲナーゼは省き、NADHの代わりに3-アセチルピリジン-NADHを使用した。ALT試薬の場合と同様に、すべての活性ASTの活性を測定すべく、すべてのASTホロ酵素がピリドキサールリン酸で飽和されることを確実にするために、ピリドキサールリン酸を添加した。サンプル(特に、血清サンプル)中に存在する可能性のある少量のピルビン酸を代謝させるために、反応の遅滞期間に乳酸デヒドロゲナーゼを添加する。この代わりに、オキサミド酸ナトリウム(sodium oxamate)を試薬に添加することができ、それはサンプル中に存在する可能性のある乳酸デヒドロゲナーゼを阻害する。したがってこれも、ピルビン酸による妨害を防止する代替手段となる。
AST活性を測定するための共役酵素反応は、次の通りである。
L-アスパラギン酸+α-ケトグルタレート AST→L-グルタミン酸+オキサロ酢酸
オキサロ酢酸+3-アセチルピリジン-NADH リンゴ酸デヒドロゲナーゼ→3-アセチルピリジン-NAD+L-マレート
試薬組成(サンプル量を含めた成分濃度)
Figure 0004361611
先にALTに関する実施例1で議論したことの多くがそのまま、AST活性の測定にも当てはまる。3-アセチルピリジン-NADHの代わりに、チオニコチンアミド-NADHおよび式(I)で表される他の類似体を使用することもできる。
補因子類似体のリン酸化誘導体を使用することもできるが、ただし、前記リン酸化補因子類似体を使用する好適なリンゴ酸デヒドロゲナーゼを見出す必要がある。
補因子類似体を使用してAST活性を測定するために、NADH補因子を使用する通常の測定の場合と同じように、吸光度の減少を分光測光的に追跡する。補因子類似体は、NADHとは異なる波長で吸収極大を有し、しかもモル吸光度も異なるため、1分間あたりの吸光度変化(ΔA/min)を1リットルあたりの単位(U/L)に変換するために使用する係数は、各補因子ごとに異なり、しかもNADHとも異なるであろう(詳細については、ALT活性の測定に対する説明のうちで、近紫外域の極大における補因子類似体のモル吸光度および340nmにおけるNAHDと比較した感度に関する説明の部分を参照されたい)。
AST共役反応で補因子類似体を使用する場合、十分な活性を有する酵素(この場合にはリンゴ酸デヒドロゲナーゼ)を使用して、第2の反応(この場合には、オキサロ酢酸からマレートへの還元)が第1のアミノ基転移反応の速度にに従うようにしなければならない。このことは、特に、高いAST活性を有するサンプルの場合に重要である。上記の試薬組成物では、700U/Lのアッセイの直線性が得られるように、十分なリンゴ酸デヒドロゲナーゼを添加した。これよりも低い酵素活性を使用した場合、ASTの直線性は減少するであろう。
実施例3
アンモニア濃度の測定
分析サンプルのアンモニア濃度を測定するために使用可能な試薬組成物の実施例を以下に示す。先に記載のALT試薬およびAST試薬の場合と同様に、変化形態は多数存在するが、この処方には、NADH類似体およびNADPH類似体を使用するという明確な特徴がある。
分析対象物中のアンモニアの測定を行うために使用される方法は、以下の反応に基づくものである。
アンモニア+α-ケトグルタレート+3-アセチルピリジン-NAD(P)H
グルタミン酸デヒドロゲナーゼ→L-グルタメート+3-アセチルピリジンNAD(P)
試薬組成(サンプル量を含めた成分濃度)
Figure 0004361611
上記の反応スキームでは、3-アセチルピリジン-NADHまたはリン酸化類似体3-アセチルピリジン-NADPHを例示した。このほか、例えば、チオニコチンアミド-NADH、チオニコチンアミド-NADPH、3-ピリジンアルデヒド-NADH、および3-ピリジンアルデヒド-NADPHを使用することもできる。3種のNADH/NADPH類似体のうちで、チオニコチンアミド体および3-アセチルピリジン体は、α-ケトグルタレートの還元に関してより好ましい平衡を示す。臨床サンプル中のアンモニアの測定の場合、チオニコチンアミド類似体が好ましい。なぜなら、この類似体の感度が増大されているからであり、しかも臨床サンプル中のアンモニア濃度が比較的低いからである。
上記の反応スキームを使用した多数の方法により、分析サンプル中のアンモニア濃度を定量することが可能である。典型的には、サンプル中のアンモニア含有量は、エンドポイント反応として測定される。上記のNADH/NADPH補因子類似体はいずれも、可視域(還元型チオニコチンアミド)および近紫外域(還元型3-アセチルピリジン類似体および3-ピリジンアルデヒド類似体)に吸収極大を有するため、サンプル自体に含まれる光吸収性化合物の影響を補正した後、サンプルが添加された後の試薬の吸光度の減少は、サンプル中のアンモニアレベルと比例する。通常、反応は、完全に終了するまでまたはほぼ終了に近い状態まで進行させる。(波長の選択およびそのときのモル吸光度ならびに感度に関してALTのところで記載した説明を参照されたい。)
このほか、アンモニア濃度は、初期レイトアッセイ(rate assay)として測定できる。こうした方法では、適切な波長における吸光度の変化を、アンモニア含有サンプルを試薬に添加した後の経過時間の関数として測定する。通常、短時間、おそらくアンモニアの20〜50%だけが消費された後まで反応を追跡する。アンモニアの代謝率、すなわち、補因子の消費率は、アンモニアのレベルに比例する。しかしながら、初期レイトアッセイを正常に機能させるためには、反応がアンモニア濃度に関して基本的に一次反応になるように、反応条件を設定しなければならない。上記の処方は、エンドポイント反応として利用すべくデザインされている。
還元型3-ピリジンアルデヒド類似体を使用する場合、初期レイトアッセイを使用してアンモニアの測定を行うことが好ましい。なぜなら、反応が終了するのではなく平衡点に到達する傾向を示すからである。
また、上記の反応スキームにおいて、特に、ピルビン酸および乳酸デヒドロゲナーゼを含有する可能性のある生体サンプルを分析する場合、還元型リン酸化ピリジン類似体を使用することが好ましいと考えられる。乳酸デヒドロゲナーゼが触媒するピルビン酸と還元型補因子類似体との副反応が起こると、正の(positive)妨害が誘発されてサンプル中のアンモニア分が過剰に回収される可能性がある。
このほか、ピルビン酸および乳酸デヒドロゲナーゼの存在下でのアンモニアのアッセイにおいて、NADH補因子類似体を使用することも可能であるが、オキサメートなどの乳酸デヒドロゲナーゼ阻害剤を添加することにより、上記の反応を抑制し、ピルビン酸によるNADH補因子類似体の酸化を防止することも可能である。上記の実施例において、3-アセチルピリジン-NAD(P)Hの代わりに、3-ピリジンアルデヒド-NAD(P)Hおよびチオニコチンアミド-NAD(P)Hを使用することが可能であり、臨床サンプル中のアンモニアの測定ではチオニコチンアミド-NADPHが好ましく、更に、チオニコチンアミド-NADPHを、本明細書中に記載したような酵素再生系と併用することが一層好ましい。
実施例4
尿素濃度の測定
分析サンプルの尿素濃度を測定するために使用可能な試薬組成物の実施例を以下に示す。この場合にも、この基本的な反応スキームの変化形態は多数存在するが、この処方には、NADH/NADPH補因子類似体を使用するという明確な特徴がある。分析サンプル中の尿素の測定を行うために使用される方法は、以下の反応に基づくものである。
尿素+H2O ウレアーゼ→2 アンモニア+二酸化炭素
アンモニア+3-アセチルピリジン-NADH グルタミン酸デヒドロゲナーゼ→3-アセチルピリジン-NAD+L-グルタメート
試薬組成(サンプル量を含めた成分濃度)
Figure 0004361611
上記の反応スキームでは、3-アセチルピリジン-NADHを例示した。このほか、例えば、3-アセチルピリジン-NADPH、または3-ピリジンアルデヒド-NAD(P)H、およびチオニコチンアミド-NAD(P)H等のリン酸化類似体を使用することもできる。波長の選択、吸収極大、および感度、ならびに補因子のモル吸光度に関してALT反応のところで記載した説明は、そのままこの反応にも同様にあてはまる。
上述した方法では、補因子の酸化(通常は酸化速度)を追跡することによって尿素濃度またはBUN濃度(血液尿素窒素と呼ばれることもある)を分光測光的に測定する。終了するまで反応を進行させることもできるが、特に、血清などの生体サンプルの場合には、レイトアッセイとして尿素アッセイを行うことがより一般的であり、従って、反応のダイナミックレンジをより大きくすることができる。レイト法として尿素測定を行うために、サンプルを試薬と混合し、適切な波長において、所定の時間にわたり時間の関数として吸光度を測定する。通常、1分間あたりのΔAとして表される単位時間あたりの吸光度変化から、分析サンプル中の尿素の濃度が求められる。一般的には、未知サンプルと同じ条件下で標準を用いた試験を行うことにより、標準の1分間あたりのΔAから、未知サンプル中の尿素濃度を計算することができる。アンモニアの測定の場合と同じように、レイトアッセイを行うには、1分間あたりのΔAが尿素濃度に比例するようにアッセイ条件を最適化しなければならない。
尿素エンドポイントアッセイの場合には、サンプルを添加する前またはサンプルを添加した直後、有意な部分の補因子が酸化される前に、適切な波長において吸光度を読み取る。所定の時間が経過し、反応がエンドポイントに達した時点で、第2の吸光度を同じ波長で読み取り、2つの吸光度の読みをそれぞれ差し引いて、サンプルのΔAを求める。吸光度を読み取るために選択された波長においてサンプルのバックグラウンドが識別しうる吸収を有し、しかも最初の吸光度を読み取った後にサンプルを添加する場合には、ブランクのサンプルを別に用意しなければならないこともある。典型的には、既知の尿素濃度を有する標準を用いてアッセイの検量を行う。次に、標準の既知のΔAおよび尿素濃度に基づいて、未知サンプルのΔAを尿素濃度に変換する。
実施例5
二酸化炭素含有量度の測定
分析サンプル中の二酸化炭素含有量を測定するために使用可能な試薬組成物の実施例を以下に示す。「全CO2」と呼ばれることもある二酸化炭素含有量は、分析サンプル中の重炭酸塩、溶存二酸化炭素、および炭酸塩の尺度である。以下に記載の方法には、多数の変化形態が存在するが、この場合には、NADH類似体を使用するという明確な特徴がある。
分析サンプル中の二酸化炭素含有量を測定するために使用する方法は、以下の反応に基づくものである。
重炭酸塩+ホスホエノールピルベート ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ→オキサロ酢酸+ホスフェート
オキサロ酢酸+3-アセチルピリジン-NADH リンゴ酸デヒドロゲナーゼ→マレート+3-アセチルピリジン-NAD
試薬組成(サンプル量を含めた成分濃度)
Figure 0004361611
上記の処方では、リンゴ酸デヒドロゲナーゼに対する補因子として3-アセチルピリジン-NADHを使用したが、このほかに、例えば、3-アセチルピリジン-NADHおよびチオニコチンアミド-NADHも使用することもできる。また、リン酸化類似体と協同的に機能するリンゴ酸デヒドロゲナーゼが分かれば、還元型リン酸化補因子を使用することも可能である。必要により、二塩化マグネシウムの代わりに、マンガンなどの他の二価金属を使用することもできる。
分析サンプル中の「全二酸化炭素」の測定は、上記の反応スキームを使用して、エンドポイントアッセイまたはレイトアッセイとして行ってもよい。レイトアッセイの場合、反応が「全二酸化炭素」含有量に関して一次になるように反応成分を構成しなければならない。レイトアッセイでは、サンプルを添加した直後から所定の時間にわたり適切な波長において吸光度をモニターし、通常、1分間あたりで表されるΔAを計算する。同じ反応条件下で二酸化炭素標準のアッセイを行うことにより、標準の既知の濃度およびΔAに基づいて、未知サンプルの二酸化炭素濃度は比較的簡単に計算される。エンドポイントアッセイは、先に説明したアンモニアの場合と同じように行われる。
実施例6
2成分系液状全二酸化炭素試薬
2成分系液状全二酸化炭素試薬は、次のように調製した。
成分1:脱イオン水〜50mLにトリススルフェート3.4gを添加し、溶解するまで攪拌する。体積が約90mlになるまで、ソルビトール30gを脱イオン水と共に添加する。塩化マグネシウム233mgおよびNa2EDTA・2H2O 3.7mgを添加し、溶解するまで攪拌する。50% NaOHを用いてpHを7.0に調節し、ウシγグロブリン100mgおよびアジ化ナトリウム90mgを添加し、完全に溶解するまで攪拌し、脱イオン水を用いて100mlに希釈する。この溶液66mlに、次の物質:すなわち、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(Thermus sp.由来)4026単位、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(微生物由来−Toyobo Co,Ltd.)488単位およびグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ50単位を添加する。この溶液を次のように分割する。すなわち、2つの12.0mlアリコートに、100mmol/Lグルコース-6-リン酸水溶液150μlを添加し、30.0mlアリコートに、このグルコース-6-リン酸水溶液375μlを添加した。12.0ml溶液の一方に3-アセチルピリジン-NAD 11.0mgを添加し、他方の12.0mlアリコートにチオニコチンアミド-NAD 11.3mgを添加し、30.0mlアリコートに3-ピリジンアルデヒド-NAD 25.1mgを添加した。第3の12.0mlアリコートにNADH 10.9mgを添加した。3-アセチルピリジン-NAD溶液および3-ピリジンアルデヒド-NAD溶液を密閉し、340nmにおける吸光度が一定になるまで、具体的には、アセチル類似体の場合には約12時間後まで、アルデヒド類似体の場合には24時間後まで37℃で保存した。
成分2:脱イオン水〜5mlにホスホエノールピルベートのモノシクロヘキシルアンモニウム塩94.6mgを添加した。50%水酸化ナトリウムを用いてpHを7.0に調節した。
4つの成分1溶液を4mlポリエチレン瓶に移し、存在する補因子の量を測定してから37℃で保存した。この測定は、100μlの成分1を33μlの成分2と混合し、脱イオン水110μlおよび1mol/L炭酸ナトリウム2μlを添加することにより行った。脱イオン水サンプルを添加してから4.5秒後の参照キュベットの吸光度から、サンプルを添加してから12分後の溶液の吸光度を差し引くことにより、補因子の完全酸化による吸光度変化(ΔA)として表される補因子の量を計算した。37℃インキュベーションの結果は次の通りである。
Figure 0004361611
データから分かるように、37℃、7日後では、NADHの約7%が残存している。これと比較して、同じ期間で3-ピリジンアルデヒド-NADHでは96%、3-アセチルピリジン-NADHでは80%、チオニコチンアミド-NADHでは47%が依然として残存している。36日後においてさえも、3-ピリジンアルデヒド-NADHの81%は依然として溶液中に残存している。
一連の炭酸ナトリウム水溶液サンプル中の二酸化炭素含有量の測定におけるNADH補因子類似体の性能を以下に示す。
Figure 0004361611
このデータは、吸光度変化ΔAと炭酸ナトリウム濃度との間の直線的関係を示している。
実施例7
1成分系液状全二酸化炭素試薬
脱イオン水〜50mlにトリススルフェート3.4gを添加する。ソルビトール30gを添加し、続いて脱イオン水を加えて体積を〜90mlにする。塩化マグネシウム190.4mgおよびNa2EDTA・2H2O 3.7mgを添加し、攪拌して溶解させる。pHを6.9に調節し、ウシγグロブリン100mgおよびアジ化ナトリウム90mgを添加し、溶解させてpHを7.0に調節した後、脱イオン水を用いて100mlに希釈する。
この溶液10mlに、3-ピリジンアルデヒド-NAD 10.7mg、グルコース-6-リン酸(ナトリウム塩)4.6mg、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ 5単位を添加し、この溶液を37℃において24時間インキュベートした。ホスホエノールピルベートナトリウム水和物16.6mgを添加し、続いて、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ610単位およびホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ74単位を添加した。
この試薬を使用して1セットの炭酸ナトリウム水溶液サンプル中の全二酸化炭素濃度を測定するために、サンプル2.0μlを試薬140μlおよび脱イオン水93μlに添加した。吸光度測定は、340nmで行った。サンプルおよび脱イオン水の添加の4.5秒後に最初の吸光度測定を行い、反応を終了させてから〜8分後に第2の吸光度を読み取った。最初に読み取った吸光度の値から2度目に読み取った吸光度の値を差し引いて、サンプル中の炭酸イオンの代謝に基づくΔAを求めた。脱イオン水中の溶存二酸化炭素に対するΔAを補正するために、ブランクのサンプルを用いて試験を行った。結果を以下に示す。
Figure 0004361611
先に記載の2成分系二酸化炭素試薬の場合と同様に、吸光度変化ΔAと炭酸ナトリウム濃度との間には直線的関係が存在する。
特に1成分系試薬に見られる二酸化炭素試薬に固有の安定性の問題の1つは、周囲の二酸化炭素の吸収およびそれに続く上記の一連の酵素共役反応による代謝である。この問題があると、還元型ピリジンヌクレオチド補因子が消費され、二酸化炭素を測定するための試薬の機能が損なわれる。このことが特に問題になるのは、長期間にわたり試薬が密閉されない状態で放置される場合である。補因子の安定性を改良するために、ピリジンヌクレオチド再生系を加えて、酸化された補因子を還元型に戻すようにできる。こうした役割を果たす再生系は多数存在する。一般的には、デヒドロゲナーゼ、および酸化型補因子により酸化されうる還元型物質が、主として必要である。しかしながら、NAD類似体の場合、類似体がデヒドロゲナーゼと協同的に機能しなければならない。
上記の試薬を用いて得られたデータを、ヌクレオチド再生系を用いた場合および用いない場合について以下に示す。使用したヌクレオチド再生系は、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(微生物由来)およびグルコース-6-リン酸であった。ヌクレオチド再生系を含む上記の試薬では、グルコース-6-リン酸濃度を20mmol/Lまで増大させた。二酸化炭素試薬を4mlポリエチレンバイアルに入れ、瓶のキャップを取り除いた状態で室温(〜22℃)で放置した。種々の時間をおいて上記のプロトコルにより試薬の試験を行い、残存する還元型3-ピリジンアルデヒド-NADHの量を求めた。この試験では、0.1mol/Lまたは1mol/Lの炭酸ナトリウムサンプルを添加して残存する還元型ヌクレオチド補因子をすべて代謝させた後、340nmにおける吸光度変化を計算した。
Figure 0004361611
ヌクレオチド再生系を使用しない場合、50%を超える3-ピリジンアルデヒド-NADHが24時間後に代謝された。しかしながら、ヌクレオチド再生系を併用した場合、14日後においてさえも、実質的にすべての3-ピリジンアルデヒド-NADHが回復される。ヌクレオチド再生系を併用したキャップなしのバイアル中において時間と共にヌクレオチド濃度の「見掛け」の増加が起こるのは、蒸発およびそれに続く試薬およびヌクレオチドの「濃縮」が原因である。
ピリジンヌクレオチド再生系もまた、他の試薬中において還元型ピリジンヌクレオチド補因子類似体の安定性を増大させることが分かった。NADH/NADPH類似体を使用した試薬で、類似体の安定性の改良が観測されたのは、アンモニア、尿素またはBUN、ALT、およびASTが関連する場合であった。ヌクレオチド再生系は、ALT試薬およびAST試薬を使用する場合、特に有用であることが分かった。なぜなら、ALTおよびASTの汚染が完全にない乳酸デヒドロゲナーゼおよびリンゴ酸デヒドロゲナーゼを入手することはほとんど不可能であるからである。
実施例8
1成分系液状アンモニア試薬
脱イオン水〜100mlにビシン7.3gを添加する。溶解後、水酸化ナトリウムペレットを用いてpHを〜8.0に調節する。Na2EDTA・2H2O 5.6mg、アデノシン5’-ジホスフェート(カリウム塩二水和物)376mg、キシリトール45g、ウシ血清アルブミン150mg、およびアジ化ナトリウム135mgを、この順に溶解させながら添加する。脱イオン水を用いて体積を〜145mlにし、6mol/l水酸化ナトリウムを用いてpHを8.3にし、脱イオン水で希釈して150mlにする。この溶液の3つの10mlアリコートに、次の溶液を添加した。
溶液1:3-ピリジンアルデヒド-NAD 4.2mgおよびグルコース-6-リン酸(ナトリウム塩)1.77mg
溶液2:3-アセチルピリジン-NAD 5.1mgおよびグルコース-6-リン酸(ナトリウム塩)1.94mg
溶液3:チオニコチンアミド-NAD 3.4mgおよびグルコース-6-リン酸(ナトリウム塩)1.26mg
各溶液にグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ5単位を添加し、37℃で溶液をインキュベートした。6、22、および36時間後、溶液1、2、および3をそれぞれ、インキュベーション工程から取り出し、各溶液にα-ケトグルタル酸二ナトリウム76mgを添加した。溶液1、2、および3のそれぞれに、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(ウシ肝臓由来)20単位/ml、75単位/ml、および100単位/mlを添加した。これらの溶液を使用してアンモニアアッセイを行った。この際、溶液3、2、および1のそれぞれに対して試薬100μlならびにサンプル20μlおよび30μlを使用した。各アッセイに対して全体積が150μlとなるように、サンプルと共に脱イオン水を添加した。アッセイは37℃で行った。使用した波長は、3-ピリジンアルデヒド-NADHおよび3-アセチルピリジン-NADHでは340nm、チオニコチンアミド-NADHでは405nmであった。各サンプリングのΔAを計算するために、サンプルおよび脱イオン水を添加してから4.5秒後に測定した吸光度から、サンプルおよび脱イオン水を添加してから600秒後に測定した吸光度を差し引いた。結果を以下に示す。
Figure 0004361611
このデータは、吸光度変化ΔAとアンモニア濃度との間の直線的関係を示している。このことから、上記のNADH類似体を用いてアンモニアを定量的に測定できることが分かる。
実施例9
1成分系液状尿素試薬
イオン水125ml中に、ビシン3.26gを溶解させ、水酸化ナトリウムペレットを用いてpHを〜8.3に調節した。Na2EDTA・2H2O 7.4mg、アデノシン5’-ジホスフェート(カリウム塩二水和物)470mg、キシリトール60gを、この順に溶解させながら添加し、脱イオン水を用いて体積を〜190mlに希釈する。ウシ血清アルブミン200mg、アジ化ナトリウム100mgを添加し、pHを8.5にし、脱イオン水で希釈して200mlにした。3つの10mlアリコートに、次の溶液を添加した。
溶液1:3-ピリジンアルデヒド-NAD 5.5mgおよびグルコース-6-リン酸(ナトリウム塩)2.30mg
溶液2:3-アセチルピリジン-NAD 6.6mgおよびグルコース-6-リン酸(ナトリウム塩)2.52mg
溶液3:チオニコチンアミド-NAD 4.4mgおよびグルコース-6-リン酸(ナトリウム塩)1.64mg
各溶液にグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ 5単位を添加し、37℃で各溶液を次のようにインキュベートした。溶液1:6時間、溶液2:36時間、溶液3:44時間。
各溶液に二ナトリウムα-ケトグルタレート 76mgおよびウレアーゼ500単位を添加し、続いて、グルタミン酸デヒドロゲナーゼを次のように添加した。溶液1:30単位/ml、溶液2:15単位/ml、および溶液3:5単位/ml。100μlの溶液1または2、および200μlの溶液3に、サンプル2μlおよび脱イオン水92μlを添加することにより、尿素水溶液サンプルの測定を行った。溶液1および2は、サンプル添加後、3.75分間にわたり、レイトアッセイとして行い、溶液3は、75秒アッセイとして行った。結果は次の通りである。
Figure 0004361611
このデータは、吸光度変化ΔAと尿素濃度との間の直線的関係を示している。このデータから、上記のNADH類似体を用いて尿素を定量的に測定できることが分かる。
実施例10
1成分系AST液状試薬
脱イオン水〜60mlに、溶解しながら、トリス1.45g、L-アスパラギン酸ナトリウム5.58g、ソルビトール30g、アジ化ナトリウム90mg、およびウシγグロブリン100mgを添加した。6N HClを用いてpHを7.8に調節した。試薬10mlに、3-アセチルピリジン-NAD 5.6mg、グルコース-6-リン酸(ナトリウム塩)14.1mg、およびグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ〜1単位を添加した。37℃において12時間のインキュベーションを行った後、α-ケトグルタル酸二ナトリウム34.2mg、Na2EDTA・2H2O 4.1mg、およびリンゴ酸デヒドロゲナーゼ 500単位を添加した。
一連のAST水溶液サンプルの試験を行い、市販のIFCC AST試薬(ピリドキサールリン酸を含有せず)と比較した。各試薬による試験は、(サンプル:試薬体積)比1:12で行い、37℃において340nmで吸光度を測定した。サンプル添加の50秒後に最初の測定を行い、25秒間隔で10分間にわたり測定した。各サンプルの吸光度の測定値の直線部分を決定するために、線形探索プログラムを使用した。結果を以下に示す。
Figure 0004361611
このデータは、3-アセチルピリジン-NADHが、NADHを使用した市販の試薬と本質的に同じ結果を与えることを示している。従って、3-アセチルピリジン-NADHを使用してAST活性を定量することができる。
実施例11
1成分系ALT液状試薬
脱イオン水〜30mlに、溶解しながら、トリス1.82g、L-アラニン6.42g、α-ケトグルタレート428mg、アジ化ナトリウム90mg、およびウシ血清アルブミン100mgを添加する。脱イオン水を用いて溶液を〜95mlに希釈し、6N HClを用いてpHを7.5に調節した後、脱イオン水を用いて100mlに希釈した。試薬10mlに、3-アセチルピリジン-NAD 5.7mg、グルコース-6-リン酸(ナトリウム塩)2.17mg、およびグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ〜200単位を添加する。37℃において約36時間にわたり溶液をインキュベートし、室温まで冷却した後、乳酸デヒドロゲナーゼ(Staphylococcus sp.由来)50単位を添加した。先にASTの場合で説明したのと同様に、一連のALT水溶液サンプルの試験を行い、更に、市販のIFCC試薬(ピリドキサールリン酸を含有せず)による試験も行った。結果を以下に示す。
Figure 0004361611
このデータは、3-アセチルピリジン-NADHが、NADHを使用した市販の試薬と本質的に同じ結果を与えることを示している。従って、3-アセチルピリジン-NADHを使用してALT活性を定量することができる。
実施例12
1成分系液状トリグリセリド試薬
トリグリセリドを測定するための共役酵素反応は、次の通りである。
トリグリセリド+H2O リパーゼ→グリセロール+3 脂肪酸
グリセロール+ATP(アデノシン5’-三リン酸) グリセロールキナーゼ→グリセロール-1-リン酸+ADP
ホスホエノールピルベート+ADP ピルビン酸キナーゼ→ATP+ピルベート
ピルベート+NADH類似体 乳酸デヒドロゲナーゼ→L-ラクテート+NAD類似体
脱イオン水〜80mlに、溶解しながら、(N-[2-ヒドロキシエチル]ピペラジン-N’-[2-エタンスルホン酸])ナトリウム塩2.60g、アデノシン5’-三リン酸二ナトリウム三水和物182mg、塩化マグネシウム六水和物203mg、Na2EDTA・2H2O 37mg、コール酸41mg、ウシ血清アルブミン50mg、およびアジ化ナトリウム90mgを順に添加する。6N HClを用いてpHを7.5に調節し、脱イオン水を用いて体積を100mlにした。混合後、3つの10mlアリコートを採取し、A、B、およびCのラベルを付けた。これらの溶液に以下の溶液を添加した。
溶液A:3-ピリジンアルデヒド-NAD 2.8mg、グルコース-6-リン酸(ナトリウム塩)1.18mg 溶液B:3-アセチルピリジン-NAD 3.4mg、グルコース-6-リン酸(ナトリウム塩)1.26mg 溶液C:チオニコチンアミド-NAD 1.9mg、グルコース-6-リン酸(ナトリウム塩)0.70mg
グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ〜1単位を添加した後、溶液AおよびBを37℃においてそれぞれ36時間および18時間にわたりインキュベートし、また溶液Cを室温(22℃)において24時間にわたりインキュベートした。各溶液に、ホスホエノールピルビン酸トリ(モノシクロヘキシルアンモニウム)塩46.6mg、グリセロキナーゼ30単位、リポプロテインリパーゼ100単位、およびピルビン酸キナーゼ30単位を添加した。溶液Aに乳酸デヒドロゲナーゼ1000単位を添加し、溶液BおよびCに100単位を添加した。トリグリセリドアッセイは37℃で行った。溶液AおよびBを用いて、サンプル3μlおよび脱イオン水10μlを試薬150μlに添加した。溶液AおよびBの場合には、サンプル添加の4.5秒後に340nmにおいて吸光度を読み取り、12.1分後および6.25分後に再び測定した。溶液Cの場合には、サンプル2μlおよび脱イオン水10μlを試薬200μlに添加し、サンプル添加の4.5秒後および10分後に405nmにおける吸光度を読み取った。一連のジカプリン(dicaprin)水溶液標準を用いて得られた結果は以下の通りである。
Figure 0004361611
このデータは、吸光度変化ΔAとジカプリン濃度との間の直線的関係を示している。従って、上記のNADH類似体を用いてトリグリセリドを定量的に測定できる。
実施例13
1バイアル液状ピルビン酸試薬
脱イオン水〜40mlに、溶解しながら、(N-[2-ヒドロキシエチル]ピペラジン-N’-[2-エタンスルホン酸])ナトリウム塩1.3g、ウシ血清アルブミン50mg、およびアジ化ナトリウム40mgを添加する。pHを7.0に調節し、脱イオン水を用いて溶液を50mlに希釈した。10mlアリコートに以下の溶液を添加した。
溶液A:チオニコチンアミド-NAD 2.2mgおよびグルコース-6-リン酸(ナトリウム塩)0.81mg 溶液B:ピリジンアルデヒド-NAD 3.9mgおよびグルコース-6-リン酸(ナトリウム塩)1.57mg 溶液C:アセチルピリジン-NAD 3.5mgおよびグルコース-6-リン酸(ナトリウム塩)1.34mg
グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ約1単位を添加した後、各溶液を次のようにインキュベートした。溶液A− 室温(〜22℃)で48時間、溶液B− 37℃で48時間、および溶液C− 37℃で24時間。次の活性が得られるように、各溶液にウサギ筋肉乳酸デヒドロゲナーゼを添加した。溶液A− 7.5U/mL、溶液B− 100U/mL、および溶液C− 6U/mL。これらの3種の溶液を用いて、一連のピルビン酸ナトリウム水溶液サンプルのアッセイを行った。溶液Aの場合、サンプル5μl、脱イオン水15μl、および試薬150μlを使用し、溶液Bの場合、サンプル10μl、脱イオン水40μl、および試薬100μlを使用し、溶液Cの場合、サンプル10μl、脱イオン水15μl、および試薬150μlを使用した。溶液AおよびCはエンドポイントアッセイ(end point assay)として試験し、サンプルおよび脱イオン水の添加の4.5秒後に読み取った初期吸光度の値から、最後に読み取った吸光度の値を差し引いた。溶液Bはレイトアッセイ(rate assay)として試験した。アッセイはいずれも37℃で行った。結果を以下に示した。
Figure 0004361611
このデータは、吸光度変化ΔAとピルベート濃度との間の直線的関係を示している。従って、上記のNADH類似体を用いてピルビン酸を定量的に測定できる。
実施例14
クレアチンキナーゼ測定法
クレアチンキナーゼは、NADH類似体を用いて次の方法により測定することができる。
クレアチン+ATP クレアチンキナーゼ→ADP+クレアチンリン酸
ADP+ホスホエノールピルベート ピルビン酸キナーゼ→ピルベート+ATP
ピルベート+NADH類似体 乳酸デヒドロゲナーゼ→L-ラクテート+NAD類似体
この共役酵素法では、マグネシウムのような二価金属の存在下においてNADH類似体の酸化速度からクレアチンキナーゼの活性を求めることができる。この測定を行うためのキットには、例えば、チオニコチンアミド-NADH、3-アセチルピリジン-NADH、または3-ピリジンアルデヒド-NADH;緩衝液;クレアチン;ピルビン酸キナーゼ;乳酸デヒドロゲナーゼ;アデノシン5’-三リン酸;およびホスホエノールピルベートが含まれるであろう。
実施例15
ATP(アデノシン5’-三リン酸)測定法
ATPは、NADH類似体を用いて次の共役酵素法により測定することができる。
ATP+3-ホスホグリセレート ホスホグリセリン酸ホスホキナーゼ→ADP+1,3-ジホスホグリセレート
1,3-ジホスホグリセレート+NADH類似体 グリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ→グリセルアルデヒド-3-リン酸+NAD類似体
マグネシウムのような二価金属の存在下で行われるこの共役酵素アッセイでは、1,3-ジホスホグリセレートにより酸化されるNADH類似体の量は、サンプル中のATPの量に等しいであろう。この測定を行うためのキットには、例えば、チオニコチンアミド-NADH、チオニコチンアミド-NADPH、3-アセチルピリジン-NADH、3-アセチルピリジン-NADPH、3-ピリジンアルデヒド-NADH、または3-ピリジンアルデヒド-NADPH;緩衝液;3-ホスホグリセレート;ホスホグリセリン酸ホスホキナーゼ;およびグリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼが含まれるであろう。
実施例16
2,3-ジホスホグリセリン酸の測定
次の酵素共役法を用いて2,3-ジホスホグリセリン酸を測定することができる。
2,3-ジホスホグリセリン酸 ホスホグリセリン酸ムターゼ→3-ホスホグリセリン酸+ホスフェート (2-ホスホグリコール酸)
3-ホスホグリセレート+ATP ホスホグリセリン酸ホスホキナーゼ→1,3-ジホスホグリセレート+ADP
1,3-ジホスホグリセレート+NADH類似体 グリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ→グリセルアルデヒド-3-ホスフェート+NAD類似体
マグネシウムのような二価金属の存在下で行われるこの手法では、酸化されるNADH類似体の量は、サンプル中の2,3-ジホスホグリセレートの量に等しいであろう。この測定を行うための有用なキットには、例えば、チオニコチンアミド-NADH、チオニコチンアミド-NADPH、3-アセチルピリジン-NADH、3-アセチルピリジン-NADPH、3-ピリジンアルデヒド-NADH、または3-ピリジンアルデヒド-NADPH;緩衝液;アデノシン5’-三リン酸;ホスホグリセリン酸ムターゼ;2-ホスホグリコール酸;ホスホグリセリン酸ホスホキナーゼ;およびグリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼが含まれるであろう。
実施例17
ソルビトールデヒドロゲナーゼの測定
ソルビトールデヒドロゲナーゼ活性は、次の手法を用いて測定することができる。
フルクトース+NADH類似体 ソルビトールデヒドロゲナーゼ→ソルビトール+NAD類似体
この手法では、ソルビトールデヒドロゲナーゼの活性は、NADH類似体の酸化速度に等しいであろう。この測定を行うための有用なキットには、例えば、チオニコチンアミド-NADH、3-アセチルピリジン-NADH、または3-ピリジンアルデヒド-NADH;緩衝液;およびフルクトースが含まれるであろう。
実施例18
乳酸デヒドロゲナーゼの測定
乳酸デヒドロゲナーゼ活性は、次の手法を用いて測定することができる。
ピルビン酸+NADH類似体 乳酸デヒドロゲナーゼ→L-乳酸+NAD類似体
この手法では、乳酸デヒドロゲナーゼの活性は、NADH類似体の酸化速度に等しいであろう。この測定を行うための有用なキットには、例えば、3-アセチルピリジン-NADH、3-ピリジンアルデヒド-NADH、またはチオニコチンアミド-NADH;緩衝液;およびピルビン酸が含まれるであろう。
実施例19
α-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼの測定
α-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ活性は、次の手法を用いて測定することができる。
α-ケトブチレート+NADH類似体 α-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ→α-ヒドロキシブチレート+NAD類似体
この手法では、α-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼの活性は、NADH類似体の酸化速度に等しいであろう。この測定を行うための有用なキットには、例えば、3-アセチルピリジン-NADH、3-ピリジンアルデヒド-NADH、またはチオニコチンアミド-NADH;緩衝液;およびα-ヒドロキシブチレートが含まれるであろう。
実施例20
サリチレートの測定法
以下の手法を用いてサンプル中のサリチレートを測定することができる。
サリチレート+NADH類似体 サリチレートヒドロキシラーゼ→カテコール+NAD類似体
この手法では、サリチレートの量は、酸化されるNADH類似体の量に等しいであろう。この測定を行うための有用なキットには、例えば、3-アセチルピリジン-NADH、3-ピリジンアルデヒド-NADH、またはチオニコチンアミド-NADH;緩衝液;およびサリチレートデヒドロゲナーゼが含まれるであろう。
実施例21
5’-ヌクレオチダーゼ活性の測定法
次の手法を用いて5’-ヌクレオチダーゼの活性を測定することができる。
アデノシン5’-一リン酸 5’-ヌクレオチダーゼ→アデノシン+ホスフェート
アデノシン アデノシンデアミナーゼ→イノシン+アンモニア
アンモニア+α-ケトグルタレート+NADH類似体 グルタメートデヒドロゲナーゼ→L-グルタメート+NAD類似体
この手法では、5’-ヌクレオチダーゼの活性は、NADH類似体の酸化速度に等しいであろう。この測定を行うための有用なキットには、例えば、チオニコチンアミド-NADH、チオニコチンアミド-NADPH、3-アセチルピリジン-NADH、3-アセチルピリジン-NADPH、3-ピリジンアルデヒド-NADH、または3-ピリジンアルデヒド-NADPH;緩衝液;アデノシン5’-一リン酸;アデノシンデアミナーゼ;α-ケトグルタレート;グルタメートデヒドロゲナーゼが含まれるであろう。

Claims (20)

  1. NADH補因子の使用を伴う一連の酵素反応に基づきサンプル中の二酸化炭素を測定するための診断検査キットであって、緩衝剤、ホスホエノールピルビン酸、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、二価金属イオン、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、ならびに、NADH補因子の代わりとしての、3-ピリジンアルデヒド-NADH、3-アセチルピリジン-NADHおよび3-チオニコチンアミド-NADHからなる群より選択されるNADH類似体を含んでなる前記診断検査キット。
  2. NAD(P)H補因子の使用を伴う酵素反応に基づきサンプル中のアンモニアを測定するための診断検査キットであって、緩衝剤、α-ケトグルタレート、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、ならびにNAD(P)H補因子の代わりとしての、3-ピリジンアルデヒド-NAD(P)H、3-アセチルピリジン-NAD(P)Hおよび3-チオニコチンアミド-NAD(P)Hからなる群より選択されるNAD(P)H類似体を含んでなる前記診断検査キット。
  3. NAD(P)H補因子の使用を伴う一連の酵素反応に基づきサンプル中の尿素を測定するための診断検査キットであって、緩衝剤、α-ケトグルタレート、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、ウレアーゼ、ならびに、NAD(P)H補因子の代わりとしての、3-ピリジンアルデヒド-NAD(P)H、3-アセチルピリジン-NAD(P)Hおよび3-チオニコチンアミド-NAD(P)Hからなる群より選択されるNAD(P)H類似体を含んでなる前記診断検査キット。
  4. NADH補因子の使用を伴う酵素反応に基づきサンプル中のピルビン酸を測定するための診断検査キットであって、緩衝剤、乳酸デヒドロゲナーゼ、ならびに、NADH補因子の代わりとしての、3-ピリジンアルデヒド-NADH、3-アセチルピリジン-NADHおよび3-チオニコチンアミド-NADHからなる群より選択されるNADH類似体を含んでなる前記診断検査キット。
  5. NADH補因子の使用を伴う一連の酵素反応に基づきサンプル中のアラニンアミノトランスフェラーゼを測定するための診断検査キットであって、緩衝剤、L-アラニン、α-ケトグルタレート、乳酸デヒドロゲナーゼ、ならびに、NADH補因子の代わりとしての、3-ピリジンアルデヒド-NADHおよび3-アセチルピリジン-NADHからなる群より選択されるNADH類似体を含んでなる前記診断検査キット。
  6. NADH補因子の使用を伴う一連の酵素反応に基づきサンプル中のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼを測定するための診断検査キットであって、緩衝剤、L-アスパルテート、α-ケトグルタレート、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ならびに、NADH補因子の代わりとしての、3-ピリジンアルデヒド-NADHおよび3-アセチルピリジン-NADHからなる群より選択されるNADH類似体を含んでなる前記診断検査キット。
  7. オキサメートデヒドロゲナーゼまたは乳酸デヒドロゲナーゼをさらに含む、請求項6に記載の診断検査キット。
  8. NADH補因子の使用を伴う酵素反応に基づきサンプル中の乳酸デヒドロゲナーゼを測定するための診断検査キットであって、緩衝剤、ピルビン酸、ならびに、NADH補因子の代わりとしての、3-ピリジンアルデヒド-NADH、3-アセチルピリジン-NADHおよび3-チオニコチンアミド-NADHからなる群より選択されるNADH類似体を含んでなる前記診断検査キット。
  9. NADH補因子の使用を伴う酵素反応に基づきサンプル中のサリチル酸を測定するための診断検査キットであって、緩衝剤、サリチル酸ヒドロキシラーゼ、ならびに、NADH補因子の代わりとしての、3-ピリジンアルデヒド-NADH、3-アセチルピリジン-NADHおよび3-チオニコチンアミド-NADHからなる群より選択されるNADH類似体を含んでなる前記診断検査キット。
  10. NADH補因子の使用を伴う酵素反応に基づきサンプル中のα−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼを測定するための診断検査キットであって、緩衝剤、α-ケトブチレート、ならびにNADH補因子の代わりとしての、3-ピリジンアルデヒド-NADH、3-アセチルピリジン-NADHおよび3-チオニコチンアミド-NADHからなる群より選択されるNADH類似体を含んでなる前記診断検査キット。
  11. NAD(P)H補因子の使用を伴う一連の酵素反応に基づきサンプル中のアデノシン5’-三リン酸を測定するための診断検査キットであって、緩衝剤、3-ホスホグリセリン酸、ホスホグリセリン酸ホスホキナーゼ、二価金属イオン、グリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ、ならびに、NAD(P)H補因子の代わりとしての、3-ピリジンアルデヒド-NAD(P)H、3-アセチルピリジン-NAD(P)Hおよび3-チオニコチンアミド-NAD(P)Hからなる群より選択されるNAD(P)H類似体を含んでなる前記診断検査キット。
  12. NAD(P)H補因子の使用を伴う一連の酵素反応に基づきサンプル中の2,3-ジホスホグリセリン酸を測定するための診断検査キットであって、緩衝剤、2-ホスホグリコール酸、アデノシン5’-三リン酸、ホスホグリセリン酸ムターゼ、ホスホグリセリン酸ホスホキナーゼ、二価金属イオン、グリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ、ならびに、NAD(P)H補因子の代わりとしての、3-ピリジンアルデヒド-NAD(P)H、3-アセチルピリジン-NAD(P)Hおよび3-チオニコチンアミド-NAD(P)Hからなる群より選択されるNAD(P)H類似体を含んでなる前記診断検査キット。
  13. NADH補因子の使用を伴う酵素反応に基づきサンプル中のソルビトールデヒドロゲナーゼを測定するための診断検査キットであって、緩衝剤、フルクトース、ならびに、NADH補因子の代わりとしての、3-ピリジンアルデヒド-NADH、3-アセチルピリジン-NADHおよび3-チオニコチンアミド-NADHからなる群より選択されるNADH類似体を含んでなる前記診断検査キット。
  14. NADH補因子の使用を伴う一連の酵素反応に基づきサンプル中のトリグリセリドを測定するための診断検査キットであって、緩衝剤、ホスホエノールピルビン酸、ピルビン酸キナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、二価金属イオン、胆汁酸、アデノシン5’-三リン酸、グリセロールキナーゼ、ならびに、NADH補因子の代わりとしての、3-ピリジンアルデヒド-NADH、3-アセチルピリジン-NADHおよび3-チオニコチンアミド-NADHからなる群より選択されるNADH類似体を含んでなる前記診断検査キット。
  15. NADH補因子の使用を伴う一連の酵素反応に基づきサンプル中のクレアチンキナーゼを測定するための診断検査キットであって、緩衝剤、クレアチン、ピルビン酸キナーゼ、ホスホエノールピルビン酸、乳酸デヒドロゲナーゼ、二価金属イオン、アデノシン5’-三リン酸、ならびに、NADH補因子の代わりとしての、3-ピリジンアルデヒド-NADH、3-アセチルピリジン-NADHおよび3-チオニコチンアミド-NADHからなる群より選択されるNADH類似体を含んでなる前記診断検査キット。
  16. NAD(P)H補因子の使用を伴う一連の酵素反応に基づきサンプル中の5’-ヌクレオチダーゼを測定するための診断検査キットであって、緩衝剤、アデノシンデアミナーゼ、アデノシン5’-一リン酸、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、α-ケトグルタレート、ならびに、NAD(P)H補因子の代わりとしての、3-ピリジンアルデヒド-NAD(P)H、3-アセチルピリジン-NAD(P)Hおよび3-チオニコチンアミド-NAD(P)Hからなる群より選択されるNAD(P)H類似体を含んでなる前記診断検査キット。
  17. 前記キットがさらにヌクレオチド再生系を含んでなる、請求項1〜16のいずれか1項に記載の診断検査キット。
  18. NAD(P)H補因子の使用を伴う酵素反応または一連の酵素反応に基づきサンプル中の酵素もしくは分析対象物質の存在を定量する方法であって、次のステップ、
    a)前記サンプルを、緩衝剤、前記酵素反応または一連の酵素反応に関わる酵素または試薬、ならびに3-ピリジンアルデヒド-NAD(P)Hおよび3-アセチルピリジン-NAD(P)Hからなる群より選択されるNAD(P)H類似体と接触させること、ならびに
    b)前記接触ステップa)により生じる吸収または蛍光の変化を320〜410ナノメートルにて測定すること、
    を含んでなる前記方法
  19. NAD(P)H補因子の使用を伴う酸素反応または一連の酵素反応に基づきサンプル中の、乳酸デヒドロゲナーゼ、α-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼ、5’-ヌクレオチダーゼおよびクレアチンキナーゼからなる群より選択される酵素、または二酸化炭素、アンモニア、尿素、血液尿素窒素、ピルベート、サリチレート、トリグリセリド、2,3-ジホスホグリセリン酸、およびアデノシン5’-三リン酸からなる群より選択される分析対象物質の存在を定量する方法であって、次のステップ、
    a)前記サンプルを、緩衝剤、前記酵素反応もしくは一連の酵素反応に関わる酵素または試薬、およびNAD(P)H類似体としてのチオニコチンアミド-NAD(P)Hと接触させること、ならびに
    b)前記接触ステップa)により生じる吸収の変化を360〜440ナノメートルにて測定すること、
    を含む前記方法。
  20. 前記試薬がヌクレオチド再生系を含んでなる、請求項18または19に記載の方法。
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