JP4772848B2 - ベーパ回収装置 - Google Patents
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Description
ここで、係る従来技術(特許文献1)のベーパ回収装置では、ガソリンベーパにより吸着剤が飽和したか否かの判断、換言すれば吸着塔内の吸着剤による吸着と、当該吸着剤の脱着(再生)の切替を、給油時間の総和に基づいて行なっている。
例えば、給油される流量が多い態様の給油が長時間に亘って行なわれると、発生するガソリンベーパの量も多くなり、吸着剤を脱着する以前の段階で吸着剤が飽和してしまい、ガソリンベーパを吸着せず、ガソリンベーパを大気中に放出してしまう恐れがある。
一方、給油される流量を絞った態様の給油が長時間に亘って行なわれる場合には、吸着剤の吸着能力が充分に余裕があるにも拘らず、脱着工程に切り替わってしまうという不都合も存在する。
第1の吸着塔(33)を脱着工程に切り替え、第2の吸着塔(34)を吸着工程に切り替える場合には、開閉弁(31)を閉じて気液分離室(21)と第1の吸着塔(33)との連通を遮断し、開閉弁(42)を閉じて第1の吸着塔(33)が排気管(44)を介して大気と連通するのを遮断し、開閉弁(38)を開いて第1の吸着塔(33)を吸気管(40)を介して大気と連通せしめ、開閉弁(46)を開いて循環管(48)を介して第1の吸着塔(33)を第2のポンプ(49)の吸引側へ連通し、開閉弁(32)を開いて気液分離室(21)と第2の吸着塔(34)とを連通し、開閉弁(43)を開いて第2の吸着塔(34)を排気管(44)を介して大気と連通せしめ、開閉弁(39)を閉じて第2の吸着塔(34)が吸気管(40)を介して大気と連通するのを遮断し、開閉弁(47)を閉じて第2の吸着塔(34)と第2のポンプ(49)の吸引側との連通を遮断し、
第1の吸着塔(33)を吸着工程に切り替え、第2の吸着塔(34)を脱着工程に切り替える場合には、開閉弁(31)を開いて気液分離室(21)と第1の吸着塔(33)とを連通し、開閉弁(42)を開いて排気管(44)を介して第1の吸着塔(33)を大気と連通し、開閉弁(38)を閉じて第1の吸着塔(33)を吸気管(40)を介して大気と連通するのを遮断し、開閉弁(46)を閉じて第1の吸着塔(33)を第2のポンプ(49)の吸引側へ連通するのを遮断し、開閉弁(32)を閉じて気液分離室(21)と第2の吸着塔(34)との連通を遮断し、開閉弁(43)を閉じて排気管(44)を介して第2の吸着塔(34)が大気と連通するのを遮断し、開閉弁(39)を開いて吸気管(40)を介して第2の吸着塔(34)を大気と連通し、開閉弁(47)を開いて循環管(48)を介して第2の吸着塔(34)と第2のポンプ(49)の吸引側とを連通する
機能を有しているのが好ましい。
(1) 吸着工程と脱着工程との切替は給油量に対応して行なわれるので、吸着能力を多く残した状態で脱着工程に移行してしまうことが防止され、吸着能力を超えて吸着工程が続行してしまうことも防止され、ガソリンベーパの回収の確実性が確保できると共に、不必要な吸着/脱着工程の切替が防止される。
(2) 吸着工程と脱着工程とを切り替える際に、所定時間(例えば2秒間)だけ全ての開閉弁を開弁して管内の圧力が均一となった後に、第1及び第2の吸着塔の吸着工程/脱着工程に対応して開閉弁の開閉制御が行われるので、開閉弁の開閉操作をスムーズに行うことができる。
(3) 吸着工程と脱着工程とを切り替える際に、所定時間(例えば12秒間)だけ第2のポンプの駆動を停止して、脱着工程となった吸着塔からのガソリンベーパの量が正常になってから第2のポンプを駆動するので、第1のポンプの吸引側に吸着塔から脱着されたガソリンベーパのみが供給されてしまうという事態や、吸着塔から脱着されたガソリンベーパが給油側に逆流するという事態を防止することが出来る。
(4) 吸着塔の送気管及び循環管の圧力が一定範囲以外となると停止して報知するので、機器の故障を容易に知ることができ、ガソリンベーパの回収の確実性を確保できる。
(5) 凝縮槽内の冷却液の液温が一定温度以下でないと停止して報知するので、冷却機の故障を容易に知ることができ、ガソリンベーパの回収の確実性を確保することができる。
(6) 複数台の給油機をベーパ回収装置に接続した場合は、給油中の給油機の台数に応じて第1のポンプの駆動速度を制御するので、ガソリンベーパと共に大量の空気を吸い込んでしまうことが防止され、ガソリンベーパを吸い込み損なってしまうことが防止される。
(7) ガソリンベーパを確実に回収することにより、資源の無駄がなくなり、且つ、大気汚染を防止することができる。
図1は、本発明に係る給油機のベーパ回収装置を設置した給油所の全体を示している。
給油所の地下には貯油タンク1が埋設され、貯油タンク1に接続された給油管2は、給油機3のハウジング4内に配設されている。
給油ホース7の先端には、給油ノズル8が設けられている。給油ノズル8はノズル掛け9に掛けられ、ノズル掛け9にはノズルスイッチ10が設けられている。ノズルスイッチ10は、ノズル掛け9から給油ノズルが外されたときにオン信号を出力する。
給油制御部11は、ノズルスイッチ10からのオン信号を受けて給油ポンプ5を駆動し、流量計6からの流量信号を計数して給油量を表示器12に表示し、これらの信号をベーパ回収装置13の回収制御部14に伝達するように構成されている。
図2において、図示しない自動車の燃料タンクから流出するガソリンベーパは、回収管15により回収される。回収管15は給油ホース7に併設され、給油機3のハウジング4内を経由して、ベーパ回収装置13のハウジング16内に連通している。
回収管15には、チェック弁18及び圧縮ポンプ19(第1のポンプ)が介装されている。そして回収管15の給油ノズル8とは反対側の端部は、凝縮槽20を経由して、気液分離室21に開口している。
凝縮槽20内には冷却液22が充填されており、冷却液22は冷却機23で冷却されている。
気液分離室21において、凝縮した水は、液化したガソリンとガソリンベーパとから分離され、排水管24を介してベーパ回収装置13の外部へ排出される。液化したガソリンは、気液分離室21の排油管25を介して、給油機3や貯油タンク1等へ回収されるようになっている。
図2において、符号26は排水管24に設けられたコックを示し、気液分離室21内に凝縮水が一定量以上溜まった際にはコック26を開放して、ベーパ回収装置13の外部へ排出する。符号27は排油管25に設けられたコックであり、気液分離室21内に一定量以上の液化したガソリンが溜まった際に開放して、液化したガソリンを給油機3や貯油タンク1等へ送出する。
また、図2における符号28は冷却液22の温度を測る温度センサであり、符号29は外気温を測る温度センサである。
吸着塔33、34内には吸着剤35が充填されている。吸着剤35は、ガソリンベーパを効率よく吸着し、脱着が容易な材料が選択されており、例えば、孔径4〜100オングストロームのシリカゲルやゼオライトが用いられる。
冷却ポンプ37を駆動することにより、凝縮槽20内の冷却液22が冷却管36を循環して吸着塔33、34内を冷却し、吸着剤35の吸着効率を向上させている。
一方、吸着塔33の上部には開閉弁42を介装した排気管が接続され、吸着塔34の上部には開閉弁43を介装した排気管が接続されている。そして、開閉弁42を介装した排気管と開閉弁43を介装した排気管とが合流して、排気管44を構成している。排気管44にはリリーフ弁45が介装されており、排気管44の端部は大気側に連通している。
循環管48には真空ポンプ49が介装されており、且つ、循環管48は真空ポンプ49(第2のポンプ)の吸引側に接続されている。
そして、真空ポンプ49の吐出側に接続された循環管48Aは、回収管15において、圧縮ポンプ19の吸引側の領域における合流点B1に接続されて、回収管15と合流している。
また、図2における符号51は、循環管48内の圧力を計測する圧力センサを示している。
図2において、回収管15、送気管30、循環管48、循環管48Aにより、ベーパ戻り管が構成されている。
図3において、給油機3の給油制御部11は、ノズルスイッチ10のオン−オフ信号及び流量計6の流量信号を受信する機能と、給油ポンプ5へ駆動信号を出力する機能と、表示器12へ給油量表示信号を出力する機能とを有している。
また、ベーパ回収装置13の回収制御部14は、開閉弁31、32、38、39、42、43、46、47へ開閉制御信号(開閉信号)を出力する機能を有している。
さらに回収制御部14は、ポンプ19、37、49へ駆動信号を出力する機能と、冷却機23へ駆動信号を出力する機能と、報知器52へ報知信号を出力する機能とを有している。
そして、給油制御部11と回収制御部14とは情報的に接続されており、相互に制御信号の授受が行なわれるようになっている。すなわち、ベーパ回収装置13の回収制御部14には、給油機3の給油制御部11から、流量計6の流量信号、すなわち給油量に係る信号が入力される。
給油所の営業中においては、冷却機23が駆動して、凝縮槽20内の冷却液22を一定温度(例えば5℃以下)に冷却する。冷却された冷却液22は、吸着塔33、34内の吸着剤35を冷却する。
ここで、第1の吸着塔33がガソリンベーパを吸着し(吸着工程)、第2の吸着塔34が充填されている吸着材の脱着(或いは、再生)を行っている(脱着工程)ものとする。そのような場合には、開閉弁31、39、42、47が開放しており、開閉弁32、38、43、46は閉鎖している。
ここで、一方の吸着塔でガソリンベーパの吸着を行なっている際には、他方の吸着塔では、その内部に充填された吸着剤の脱着(或いは再生)が行なわれる。
給油ノズル8を、図示しない自動車の燃料タンクに挿入して給油を開始すると、貯油タンク1内のガソリンは、給油ポンプ5で圧送されて、給油ノズル8から図示しない自動車の燃料タンク内へ吐出される。その際に、流量計6で計られた給油量が表示器12に表示されると共に、流量計6の計測結果に基づいた給油量信号が、ベーパ回収装置13の回収制御部14へ送られる。
回収管15内に流入したガソリンベーパは、凝縮槽20内で冷却されて、その殆どが液化する。液化したガソリンは気液分離室21内の下部に溜まり、排油管25を介して給油機3や貯油タンク1等へ戻される。
凝縮槽20内で液化しなかったガソリンベーパは、送気管30を流れ、開閉弁31を経由して、第1の吸着塔33内へ流入する。なお、吸着塔33内へ流入する気体は、圧縮ポンプ19により、例えば250KPa程度に加圧されている。
吸着塔33で吸着されたガソリンベーパは、吸着塔33が脱着工程となった際に、吸着剤35から離脱して、開閉弁46を経由し、循環管48を介して、真空ポンプ49で吸引される。真空ポンプ49から吐出されたガソリンベーパは、循環管48A、合流点B1を介して、圧縮ポンプ19の吸引側に流入する。
すなわち、ガソリンベーパは、給油機3外に漏出することなく回収される。
図4〜図6に関連する説明(吸着塔33、34の吸着/脱着の切り替えの説明)においては、第1の吸着塔33はガソリンベーパを吸着する工程(吸着工程)から、内部に充填された吸着剤を脱着或いは再生する工程(脱着工程)に切り替えられ、第2の吸着塔34は脱着工程から吸着工程に切り替わる場合を例示して説明する。
給油中であれば、すなわち、給油制御部11から回収制御部14に給油量信号が入力されていれば(ステップST1がYES)、給油量の積算値(前回、吸着塔33、34の吸着/脱着の切り替えが行なわれてからの給油量の総和)を求める(ステップST2)。
ここで、しきい値は給油量の積算値であって、第1の吸着塔33内の吸着剤35が、ガソリンベーパを十分に吸着して、飽和状態に近づいたと思われる値(例えば500リットル)として設定される。
積算値がしきい値以上となると(ステップST3がYES)、吸着工程を実行していた第1の吸着塔33が脱着工程を実行し、脱着工程を実行していた第2の吸着塔34が吸着工程を実行するように、開閉弁を開閉制御する(ステップST4)。そして、給油量の積算値(ステップST2で求められた積算値)をリセットする(ステップST5)。
ステップST3において、積算値がしきい値未満であれば(ステップST3がNO)、ステップST1に戻る。
開閉弁の係る開閉制御により、凝縮槽20で液化しなかったガソリンベーパは、送気管30、開閉弁32を介装された管を介して、第2の吸着塔34に供給される。そして、ガソリンベーパは吸着塔34内の吸着剤35で吸着処理され、ガソリンベーパを含まない空気が排気管44から大気中へ放出される。
一方、第1の吸着塔33は、開閉弁46が介装された管、循環管48を介して、真空ポンプ49と連通する。真空ポンプ49を駆動することにより、第1の吸着塔33内部に負圧が作用し、吸着剤35に吸着されたガソリンベーパが真空ポンプ49に吸引され、吸着剤の脱着が行なわれる。
真空ポンプから吐出されたガソリンベーパは、循環管48A、合流点B1、圧縮ポンプ19、回収管15を通って凝縮槽20で冷却されて凝縮する。なお、回収管15にはチェック弁18が設けられているので、ガソリンベーパが給油ノズル8の開口17から大気中へ流出することはない。
しかし、開閉弁の開閉状態を瞬時に切り替えてしまうと、当該開閉弁には正圧と負圧が同時に作用してしまい、確実な開放或いは閉鎖が困難になる場合がある。例えば、吸着塔34を脱着工程から吸着工程に切り替える場合に、開閉弁31、32、38、39、42、43、46、47の開閉を瞬時に切り替えてしまうと、例えば開閉弁47では、真空ポンプ49側からの負圧(例えば−30KPa程度)と、吸着塔34内に作用する圧縮ポンプ19からの正圧(例えば250KPa)とが同時に作用する恐れがある。
そして開閉弁47に正圧と負圧とが同時に作用すると、閉鎖するべき開閉弁47が完全に閉鎖しない場合がある。
図5を参照して、開閉弁31、32、38、39、42、43、46、47の開閉について説明する。
第1の吸着塔33が吸着工程から脱着工程に切り替えられ、且つ、第2の吸着塔34は脱着工程から吸着工程に切り替えられる段階であれば(ステップST21がYES)、全ての開閉弁31、32、38、39、42、43、46、47を開放すると共に、タイマTM(図3参照)による計時を開始する(ステップST22)。
ここで、タイマTMによる計時は、開閉弁31、32、38、39、42、43、46、47の全てを、一定時間(例えば2秒間)だけ開放するために行なわれる。そのため、ステップST23では、タイマTMにより計時された時間が当該一定時間(2秒間)となったか否かを判断する。
これにより、第1の吸着塔33は脱着工程を実行することが出来て、第2の吸着塔34は吸着工程を実行することが出来る。
ステップST24の開閉制御が終了したならば、ステップST21までリターンする(ステップST25)。ステップST21では、図4の制御においてステップST4が実行されるまで、すなわち吸着と脱着とが切り替えられるまで、ステップST21がNOのループを実行する。
第1の吸着塔33を包含する管系統と、第2の吸着塔34を包含する管系統との圧力とが均等となった状態で、例えば第1の吸着塔33は脱着工程を実行することが出来て、第2の吸着塔34は脱着工程を実行するべく開閉弁を開閉しても、開閉弁31、32、38、39、42、43、46、47に正圧と負圧とが同時に作用してしまうことはなく、開閉弁の開閉操作がスムーズ且つ確実に行なわれ、開閉弁開閉制御の信頼性を高めることができる。
上述したように、第1の吸着塔33が吸着工程から脱着工程に切り替えられ、且つ、第2の吸着塔34は脱着工程から吸着工程に切り替えられた場合に、ガソリンベーパを十分に吸着した第1の吸着塔33に対して、真空ポンプ49からの負圧が瞬時に作用すると、第1の吸着塔33内の吸着剤35から大量のガソリンベーパが真空ポンプ49に吸引される。そして、吸引されたガソリンベーパは真空ポンプ49により圧縮された状態で吐出され、循環管48A、合流点B1を介して回収管15に合流する。
その様な事態を生じると、給油ノズル8の開口17から圧縮ポンプ19により吸引されて凝縮槽20へ送られるガソリンベーパの量が減少してしまう。或いは、真空ポンプ49から吐出された高濃度且つ大量のガソリンベーパが、給油ノズル8の開口17側に逆流してしまう恐れも存在する。
図6にフローチャートで示す制御は、図4のステップST4で、第1の吸着塔33が吸着工程から脱着工程に切り替えられ、第2の吸着塔34は脱着工程から吸着工程に切り替えられる段階で実施される。
従って、図6においても、先ずステップST26で、図5の制御と同様に、図4のステップST4における切り替えを行なうべき状態となっているか否かが判断される。
第1の吸着塔33が吸着工程から脱着工程に切り替えられ、且つ、第2の吸着塔34は脱着工程から吸着工程に切り替えられる段階であれば(ステップST26がYES)、真空ポンプ49を停止すると共に、タイマTMによる計時を開始する(ステップST27)。
そして、ステップST26までリターンする。ステップST26へリターンすると、図4の制御においてステップST4が実行されるまで、すなわち吸着と脱着とが切り替えられるまで、ステップST26がNOのループを実行する。
真空ポンプ49が停止している間には、圧縮ポンプ19のみが駆動しており、脱着工程に移行した第1の吸着塔33には、圧縮ポンプ19の吸引側の負圧のみが作用し、圧縮ポンプ19の吸引側の負圧に対応する量及び濃度のガソリンベーパのみが、循環管48、真空ポンプ49、循環管48A、合流点B1を介して回収管15に合流する。そのため、第1の吸着塔33から高濃度のガソリンベーパが大量に吸引されてしまうことはない。
ここで、一定時間(12秒間)が経過するまでの間、圧縮ポンプ19の吸引側の負圧により、或る程度のガソリンベーパは第1の吸着塔33から脱着されているので、一定時間経過後、真空ポンプ49が駆動しても、真空ポンプ49から高濃度且つ大量のガソリンベーパが吐出されることはない。
図7において、先ず、冷却機23の電源が入ったか否かを判断し(ステップST31)、電源が入ると(ステップST31がYES)、回収制御部14は、温度センサ29から外気温度信号を取り入れる(ステップST32)。
次にステップST33において、回収制御部14は、入力された外気温度信号に基づいて、凝縮槽20内の冷却液22が一定温度以下に冷却される時間を設定する。係る時間は、例えば外気温度が30℃であれば60分、外気温度が20℃であれば30分に設定される。それと共にステップST33では、タイマTMによる計時を開始する。
そしてステップST36で、温度センサ28の計測結果(冷却液22の液温)が一定温度(しきい値)以下であるか否かを判断する。冷却液22の液温がしきい値以下であれば(ステップST36がYES)、冷却機23が正常に駆動されていると判断して、ステップST37に進む。
ステップST37では電源がOFFとなったか否かを判断し、電源が切られていなければ(ステップST37がNO)、ステップST35に戻る。一方、電源が切られたならば(ステップST37がYES)制御を終了する。
ここで、冷却液22が一定温度(しきい値)以下に下がったとしても(ステップST36がYES)、ステップST37がNOのループを実行している間に、冷却液22の液温がしきい値以上に昇温した場合には(ステップST36がNO)、冷却機23を停止し、報知器52を作動する(ステップST38)。
図8において、回収制御部14は給油中である旨の信号が入力されているか否か、換言すれば、給油中であるか否かを判断する(ステップST41)。給油中である旨の信号を受信していれば(ステップST41がYES)、圧縮ポンプ19を駆動すると共に、タイマTMによる計時を開始する(ステップST42)。
そして、タイマTMにより、圧縮ポンプ19を駆動した後、回収管15、気液分離室21、送気管30、吸着工程にある吸着塔33、排気管44内の圧力が安定すると思われる一定時間(例えば10秒間)が経過したか否かを判断する(ステップST43)。
そしてステップST45において、圧力センサ50で計測された圧力が一定範囲以内、例えば150KPa〜250KPaであるか否かが判断される。
圧力センサ50で計測された圧力が一定範囲以内(150KPa〜250KPa)であれば(ステップST45がYES)、第1の吸着塔33を包含する系統における圧力は正常であると判断される。そしてステップST41にリターンして、図8の制御を繰り返す。
何れの場合においても、圧縮ポンプ19を停止し、報知器52で異常を報知する(ステップST46)。
図9において、回収制御部14は、真空ポンプ49が駆動しているか否かを判断し(ステップST51)、真空ポンプ49が駆動しているならば(ステップST51がYES)、タイマTMによる計時を開始する(ステップST52)。
ここで、タイマTMは、真空ポンプ49の駆動後、吸気管40、脱着工程を実行している吸着塔34、循環管48内の圧力が安定すると思われる一定時間(例えば10秒間)が経過したか否かを判断するために、計時を行なう。
ステップST55では、圧力センサ51で計測された圧力が一定範囲(例えば−10KPa〜−50KPa)内にあるか否かを判断する。圧力センサ51で計測された圧力が一定範囲内の数値であれば(ステップST55がYES)、脱着工程を実行している吸着塔34を介装している系統は正常であると判断する。そしてステップST51にリターンして、図9の制御を繰り返す。
一方、圧力センサ51で計測された圧力が−10KPaよりも高圧であると、真空ポンプ49の故障等により、吸着塔34を包含する系統が減圧できない状態にあると判断する。
何れにおいても、真空ポンプ49を停止し、報知器52で異常を報知する(ステップST56)。
複数台の給油機3のベーパを一台のベーパ回収装置13で処理する場合は、各給油機3の給油制御部11と、ベーパ回収装置13の回収制御部14とで信号の授受を行ない、給油中の給油機3の台数に対応して、圧縮ポンプ19の駆動を制御する必要がある。ここで、圧縮ポンプ19を図示しないインバータモータで駆動することにより、容易に駆動制御を行なうことができる。
図10において、ステップST61では、ベーパ回収装置13の回収制御部14は、各給油機3の給油制御部11から給油中である旨を示す信号を受信する。そして回収制御部14は、一台の給油機3からのみ給油中である旨を示す信号が受信されているか否かを判断する(ステップST62)。
一方、複数台の給油機3から、給油中である旨を示す信号が受信されている場合には(ステップST62がNOで、ステップST64がYES)、圧縮ポンプ19を高速駆動する(ステップST65)。
どの給油機3からも給油中である旨の信号が入力されていない場合は(ステップST62がNOで、且つ、ステップST64がNO)、ステップST61に戻る。
一方、ステップST65で、圧縮ポンプ19を高速駆動するのであれば、例えば70Hzでインバータモータを駆動する。
そして、インバータモータの駆動周波数が変化することにより、ステップST63とステップST65では、圧縮ポンプ19の能力が異なっている。
図11、図12において、符号1Rはレギュラーガソリン貯油タンクを示し、符号1Hはハイオクガソリン貯油タンクを示している。
ハイオクタンガソリンのベーパをレギュラーガソリンの供給源側(貯油タンク1R或いはレギュラーガソリン給油系統)に戻しても、コンタミネーションの問題は生じないからである。
図12において、レギュラーガソリン専用のベーパ回収装置13Rにおける回収系統RRは、レギュラーガソリン貯油タンク1R或いは貯油タンク1Rからのレギュラーガソリン給油系統に戻され、ハイオクガソリン専用のベーパ回収装置13Hにおける回収系統RHは、ハイオクガソリン貯油タンク1H或いは貯油タンク1Hからのハイオクガソリン給油系統に戻される。
図11、図12のベーパ回収装置13、13R、13Hのその他の構成及び作用効果は、図1〜図10で説明した実施形態と同様である。
2・・・給油管
3、3A、3B・・・給油機
4、16・・・ハウジング
5・・・給油ポンプ
6・・・流量計
7・・・給油ホース
8・・・給油ノズル
9・・・ノズル掛け
10・・・ノズルスイッチ
11・・・給油制御部
12・・・表示器
13、13R、13H・・・ベーパ回収装置
14・・・回収制御部
15・・・回収管
17・・・開口
18・・・チェック弁
19・・・圧縮ポンプ
20・・・凝縮槽
21・・・気液分離室
22・・・冷却液
23・・・冷却機
24・・・排水管
25・・・排油管
26、27・・・コック
28、29・・・温度センサ
30・・・送気管
31、32、38、39、42、43、46、47・・・開閉弁
33、34・・・吸着塔
35・・・吸着剤
36・・・冷却管
37・・・冷却ポンプ
40・・・吸気管
41・・・絞り
44・・・排気管
45・・・リリーフ弁
48・・・循環管
49・・・真空ポンプ
50、51・・・圧力センサ
52・・・報知器
Claims (6)
- 給油系統とガソリンベーパ回収系統とを備え、給油系統は、一端を貯油タンクに接続し他端を給油ホースに接続した給油管と、該給油管に介装された給油ポンプ及び流量計とを備え、ガソリンベーパ回収系統は、一端が給油ノズル近傍に開口しているベーパ戻り管に第1のポンプを介して接続された凝縮装置及び吸脱着装置を備え、凝縮装置は水蒸気及びガソリンベーパを凝縮して除去する機能を有しており、前記吸脱着装置は凝縮装置の下流側に設けられ内部に吸着剤を充填した第1及び第2の吸着塔を有し、その下流に第2のポンプを介装しており、制御装置を備え、該制御装置は、流量計からの計測信号に基づいて、第1及び第2の吸着塔は、一方の吸着塔がガソリンベーパを吸着する吸着工程を行っている際には、他方の吸着塔は吸着剤を脱着する脱着工程を行い、吸着/脱着の切り替えを行う機能を有していることを特徴とするベーパ回収装置。
- 前記制御装置は、前記ベーパ戻り管が凝縮装置を経由して接続された気液分離室を第1又は第2の吸着塔に選択的に接続してガソリンベーパを吸着塔内の吸着剤へ吸着する吸着工程と、第1又は第2の吸着塔を第2のポンプに選択的に接続して吸着剤に吸着されているガソリンベーパを脱着する脱着工程との切り替えを実行する際に、吸着塔に接続された管に介装された開閉弁の全てを開放し、一定時間経過後に開閉弁を開閉制御する機能を有する請求項1のベーパ回収装置。
- 前記制御装置は、気液分離室を第1又は第2の吸着塔に選択的に接続してガソリンベーパを吸着塔内の吸着剤へ吸着する吸着工程と、第1又は第2の吸着塔を第2のポンプに選択的に接続して吸着剤に吸着されているガソリンベーパを脱着する脱着工程との切り替えを実行する際に、第2のポンプを一定時間停止し、前記一定時間が経過した後、第2のポンプを駆動する機能を有している請求項1、2何れかのベーパ回収装置。
- 前記吸着塔の一方側に接続された送気管と他方側に接続された循環管とに圧力センサが設けられ、前記制御装置は、圧力センサで計測された圧力が一定範囲から外れた場合に第1及び第2のポンプを停止する機能を有している請求項1〜3の何れか1項のベーパ回収装置。
- 前記凝縮装置の冷却媒体の温度を計測する温度センサと、外気温を計る温度センサとを設け、前記制御装置は、外気温を計る温度センサの計測結果に基づいて冷却媒体の冷却に必要な時間を決定し、該必要な時間経過後の冷却媒体の温度がしきい値より高温であれば、冷却媒体を冷却する冷却装置を停止する機能を有している請求項1〜4の何れか1項のベーパ回収装置。
- 給油機は複数台設けられており、前記制御装置は、給油を行なっている給油機の台数に基づいて前記第1のポンプの能力を制御する機能を有する請求項1〜5の何れか1項のベーパ回収装置。
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