JP6320124B2 - ベーパー回収システム - Google Patents

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Description

本発明はベーパー回収システムに関する。
例えば給油所等の燃料供給施設では、地下に埋設された燃料貯蔵タンク(以下「地下タンク」という)に貯蔵された液体燃料(ガソリン又は軽油など)を給油装置のポンプにより汲み上げて車両の燃料タンクに供給している。地下タンクにおいては、タンクローリ車との高低差を利用してタンクローリ車に積載された液体燃料が荷卸しホースを介して荷卸しされる。この荷卸しの際は、荷卸しによる地下タンク内の液体燃料の液面上昇と共に、地下タンク内の上部空間の容積が減少することにより地下タンク内の圧力が上昇する。そのため、給油所には、地下タンクの圧力上昇を防止するため、地下タンク内の気化した燃料成分を含む気体(以下、単に「ベーパ」という)を大気中に放出させる通気管が設けられている。さらに、給油装置においても、車両に搭載された燃料タンクに液体燃料を供給する際、燃料タンク供給口に挿入されたノズルから液体燃料が吐出されるのに伴い、供給口からベーパが大気中に放出される。
近年、大気中における環境汚染が問題になっていることから、荷卸し時においてもタンク内より排出されるペーパ中の燃料成分(石油に主成分となる炭化水素:HC成分)を回収することにより、大気汚染を防止することが要望されている。
ベーパ回収装置としては、例えば、地下タンク内より外部へ排出されるベーパの回収効率を高めるように構成された装置がある(例えば、特許文献1参照)。また、一対の吸着槽を並列に配し、一方の吸着槽でベーパ中の燃料成分を吸着する吸着工程を行うと共に、他方の吸着槽で当該吸着槽に吸着された燃料成分を脱着させる脱着工程を行うことにより当該吸着槽による燃料成分の吸着を行えるようにする装置もある(例えば、特許文献2参照)。
特許第5123541号公報 特開平11−57372号公報
燃料供給を行う給油所においては、回収すべきベーパが発生する要因としては、上記のように、車両に搭載された燃料タンクへの給油時と、タンクローリ車に積載された液体燃料を地下タンクに荷卸しする燃料荷卸し時とがある。
例えば特許文献1に記載されたベーパ回収装置は、1基の吸着槽しか設けられていないため、タンクローリ車による荷卸しが行われる燃料荷卸し時に発生した大量のべーパに含まれる燃料成分が当該吸着槽に充填された吸着剤に吸着されると、荷卸し終了後の脱着工程時には、車両の燃料タンクへの給油時に発生するベーパ中の燃料成分を吸着することができないという問題が生じる。
特許文献2に記載されたベーパ回収装置のみを設置した場合は、タンクローリ車による荷卸し時に大量に発生するベーパ中の燃料成分の回収を可能にするため、地下タンクの容量(最大貯蔵量)に対応する最大供給量を荷卸しする際のべーパ中の燃料成分を吸着可能とする吸着剤の充填量を収納しうる容量を有する吸着槽を少なくとも2基設けることになる。そのため、装置の全体構成が大型化するという問題が生じる。
そこで、給油時及び荷卸し時に発生するべーパ中の燃料成分の回収を効率良く行えるベーパ回収装置の構成を検討してみると、給油時(燃料供給時)及び荷卸し時(燃料受入時)における異なるべーパ発生源からのべーパ中の燃料成分を回収するには、当該給油所の敷地内に特許文献1,2に記載された二つのべーパ回収装置をそれぞれ設けることが考えられる。
しかしながら、上記特許文献1,2に記載された二つのべーパ回収装置を設けて各装置で脱着された燃料成分を地下タンクに戻す場合、以下のような問題が生じる。
荷卸し時(燃料受入時)に使用される吸着槽から燃料成分を脱着して地下タンクに戻す場合、吸着槽より脱着されて取り出される燃料成分の性状は液体のみであるとは限らず、液体の他、当該液体が気化した気体の状態で取り出されることもあり、更には気体の状態で取り出された場合はその燃料成分の濃度は高濃度である場合と低濃度である場合もある。
一方、地下タンクに戻す燃料成分の容積が大きければ大きいほど地下タンク内の圧力は上昇することとなり、場合によっては、地下タンク内を減圧するために再度地下タンクよりベーパを外部に排出させる必要が生じることとなり、この結果、場合によっては、地下タンクより排出される燃料成分の吸着槽による回収工程と、吸着槽より燃料成分を脱着して地下タンクへ燃料成分を戻す脱着工程が繰り返し行われてしまうという問題がある。
特に、この燃料成分の濃度(以下「ベーパ濃度」という)が地下タンク内の燃料成分の濃度よりも低い場合には、地下タンク内の気相部分の燃料成分濃度(地下タンク内の気体容積に対する燃料成分の割合)が低下する。その結果、地下タンク内における液体燃料の気化が促進されてしまうという問題がある。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決したベーパ回収システムの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
本発明は、複数の吸着槽を有し、該複数の吸着槽のうちの一つの吸着槽が、燃料貯蔵タンクから被燃料供給体への液体燃料の供給に伴い当該被燃料供給体より排出されるベーパ中の燃料成分を吸着する吸着工程を行い、前記一つの吸着槽以外の他の吸着槽に既に吸着された前記燃料成分を脱着して前記燃料貯蔵タンクへ回収させる脱着工程を行うことにより、前記被燃料供給体より排出されるベーパを、交互に継続して吸着工程及び脱着工程を行うことを可能とした供給用ベーパ回収部と、一の吸着槽を有し、該一の吸着槽が、前記燃料貯蔵タンクに液体燃料を受け入れる際に当該燃料貯蔵タンクより排出されるベーパ中の燃料成分を吸着する吸着工程を行うとともに、当該燃料貯蔵タンクへの液体燃料の受入終了後に、当該吸着槽により吸着された燃料成分を脱着して、前記燃料貯蔵タンクへ回収させる脱着工程を行う受入用ベーパ回収部と、前記受入用ベーパ回収部の前記一の吸着槽より脱着されたベーパを前記燃料貯蔵タンクへ回収するための回収路の途中に一端が接続され、他端が前記供給用ベーパ回収部へのベーパの導入路に接続された再吸着経路と、前記受入用ベーパ回収部の吸着槽より脱着された燃料成分を濃度の高い燃料成分と当該濃度よりも低い濃度の燃料成分に分離し、当該濃度の高い燃料成分は前記燃料貯蔵タンクへ回収させ、濃度の低い燃料成分は前記導入路を介して前記供給用ベーパ回収部に供給させる分離器と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、連続的または断続的に小流量で放出される給油時のベーパと、スポット的に大流量で放出される荷卸しを行う際の燃料受入時(荷卸し時)のベーパの両方を、1台の装置で回収することができる。しかも、荷卸し時に使用される吸着槽より脱着された燃料成分のうち、濃度の低い燃料成分は地下タンクに供給するのではなく燃料供給時(給油時)に使用される吸着槽に吸着させ、液化した燃料成分を含む濃度の高い燃料成分のみが供給されることになる。その結果、地下タンクより排出される燃料成分の吸着槽による回収工程と、吸着槽より燃料成分を脱着して地下タンクへ燃料成分を戻す脱着工程が繰り返し行われてしまうということを抑制できる。
更に、濃度の低い燃料成分が地下タンク内に供給されることはないので、濃度の低い燃料成分を地下タンク内に供給することにより地下タンク内の上部空間に存在していたべーパが希釈されることに伴う新たなべーパの発生を抑制できる。
本発明によるベーパ回収システムの一実施形態を示すシステム系統図である。 制御部130が実行する、供給用ベーパ回収部10Aを構成する一つの吸着槽60における吸着・脱着工程の制御処理を説明するためのフローチャートである。 制御部130が実行する、供給用ベーパ回収部10Aを構成する他の吸着槽70における吸着・脱着工程の制御処理を説明するためのフローチャートである。 制御部130が実行する、受入用ベーパ回収部10Bを構成する一の吸着槽85における吸着・脱着工程の制御処理を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
〔ベーパ回収システムの構成〕
図1は本発明によるベーパ回収システムの一実施形態を示す図である。なお、図1は、べーパ回収システムの構成を模式的に簡略化したシステム系統図で示している。図1に示されるように、ベーパ回収システム10は、液体燃料(例えば、ガソリン)の供給に伴い、車両Cに搭載された燃料タンク(被燃料供給体)より給油時に排出されるベーパを回収する供給用(給油用)ベーパ回収部10Aと、燃料貯蔵タンクとしての地下タンク40に液体燃料を荷卸しする際に、地下タンク40より排出されるベーパを回収する受入用(荷卸し用)ベーパ回収部10Bと、を備える。
まず、供給用(給油用)ベーパ回収部10Aの構成について説明する。
〔供給用(給油用)ベーパ回収部10Aの構成〕
供給用(給油用)ベーパ回収部10Aは、給油装置20に接続された給油用ベーパ回収管路30と、給油時のベーパを吸着する第1の吸着槽60(一方の吸着槽)、第2の吸着槽70(一つの吸着槽以外の他の吸着槽)と、第1、第2の吸着槽60、70から排出された気体を大気中に排出する排気管路80とを有する。本実施形態では、第1、第2の吸着槽60、70がほぼ同程度の容量(充填可能容積)を有する円筒状容器により形成されており、車両Cの燃料タンクに対応する容量のコンパクトな大きさ(容量)である。
また、第1、第2の吸着槽60、70の流入側に接続された給油用べーパ回収管路30には、第1給油用開閉弁V1が設けられ、給油用べーパ回収管路30の接続管路31、32には、第2、第3給油用開閉弁V2、V3が設けられている。
また、第1、第2の吸着槽60、70の流出側に接続された排気管路80の接続管路81,82には、第1、第2排出用開閉弁V4、V5が設けられている。第1、第2の吸着槽60、70の中間部には、接続管路51、52の一端が接続されている。さらに、接続管路51、52には、第1、第2脱着用開閉弁V6、V7が設けられている。
接続管路51、52の他端には、第1真空ポンプ110の吸込み側が接続されており、排気管路80には、排出濃度計120が配置されている。第1真空ポンプ110の吐出側には第1気液分離器161(液化器)が配置されており、第1真空ポンプ110の吐出側と第1気液分離器161とを連通する管路途中には分岐管路53が接続され、当該管路と分岐管路53との接続部には第1真空ポンプ110より吐出される燃料成分の供給先を分岐管路53とするか或いは第1気液分離器161とするかの何れか一方に切り換える還流用切換弁V8が設けられている。なお、この還流用切換弁V8は通常時は、第1真空ポンプ110より吐出される燃料成分の供給先が第1気液分離器161とされている(切換弁V8のa−bポートが連通状態とされる)。更に、還流用切換弁V8と第1真空ポンプ110との間には第1真空ポンプ110より吐出される燃料成分の濃度(ベーパ濃度)を計測する第1の脱着濃度計111が設けられている。
分岐管路53は、第1気液分離器161をバイパスする分岐管路33を介して給油用ベーパ回収管路30に接続されている。後述するように第1気液分離器161では、上記第1、第2の吸着槽60、70から脱着された燃料成分を燃料成分のうち所定濃度未満の燃料成分(例えば気体状態の燃料成分)と所定濃度以上の高い濃度の燃料成分(例えば液体状態の燃料成分)とに分離(或いは燃料成分を濃縮することにより所定濃度未満の燃料成分と所定濃度以上の高い濃度の燃料成分とに分離)する。そして、分離された所定濃度未満の燃料成分を上記第1、第2の吸着槽60、70に供給し、また、所定濃度以上の高い濃度の燃料成分を地下タンク40に戻す。
また、分岐管路33は、荷卸し用べーパ回収管路160を介して通気管150に接続されている。そして、荷卸し時に地下タンク40の上部空間に溜まったべーパは、通気管150及び荷卸し用べーパ回収管路160及び分岐管路33を介して第3の吸着槽85に供給されて燃料成分を吸着される。
本実施形態においては、供給用(給油用)ベーパ回収部10Aにおいて、2基の吸着槽60、70を有する場合を例示して説明したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、供給用(給油用)ベーパ回収部10Aにおいて、3基以上の吸着槽を有していてもよい。この場合、制御部130は、何れの吸着槽について吸着工程を行うか、或いは、脱着工程を行うのか、を制御する。
次に、受入用ベーパ回収部の構成について説明する。
〔受入用ベーパ回収部10Bの構成〕
受入用ベーパ回収部10Bは、地下タンク40への荷卸し時に発生したべーパを回収するための第3の吸着槽85を有し、第3の吸着槽85の流入側管路34には、第1、第2受入用開閉弁V9、V10が設けられている。また、第3の吸着槽85は、第1、第2の吸着槽60、70と同様に円筒状容器により形成されており、地下タンク40の容量(充填可能容積)と同程度の容量である。
また、第3の吸着槽85の流出側管路91には、第3排出用開閉弁V11が設けられており、排気管路80に接続されている。第3の吸着槽85の中間部には、接続管路62の一端が接続されている。さらに、接続管路62には、第3脱着用開閉弁V12が設けられている。そして、接続管路62の他端には、第2真空ポンプ210の吸込み側が接続されている。
第2真空ポンプ210の吐出側は、第2気液分離器162(液化器)に接続されており、第2真空ポンプ210の吐出側と第2気液分離器162とを連通する管路途中には分岐管路63が接続され、当該管路と分岐管路63との接続部には第2真空ポンプ210より吐出される燃料成分の供給先を分岐管路63とするか或いは第2気液分離器162とするかの何れか一方に切り替える還流用切換弁V13が設けられている。なお、この還流用切換弁V13は通常時は、第2真空ポンプ210より吐出される燃料成分の供給先が第2気液分離器162とされている(切換弁V13のa−bポートが連通状態とされる)。更に、還流用開閉弁V13と第2真空ポンプ210との間には第2真空ポンプ210より吐出される燃料成分の濃度(ベーパ濃度)を計測する第2の脱着濃度計211が設けられている。
第1給油用開閉弁V1、第1受入用開閉弁V9の上流側は、給油用べーパ回収管路30から分岐する分岐管路33に接続されている。そして、第1、第2、第3排出用開閉弁V4、V5、V11の下流側は、それぞれ接続管路84を介して排気管路80に接続されている。
また、給油用べーパ回収管路30には、逆流防止弁Vaが配置されている。これにより、給油用べーパ回収管路30のべーパが第1、第2の吸着槽60、70に回収される際、給油装置20への逆流が防止される。さらに、荷卸し用べーパ回収管路160には、べーパ用流量計100と、圧力センサ170と、が設けられている。べーパ用流量計100は、荷卸し時に地下タンク40の上部空間に発生したべーパの流量を計測し、その流量計測値を制御部130に送信する。また、圧力センサ170は、荷卸し時に通気管150を介して荷卸し用べーパ回収管路160に導入されたべーパの圧力を計測し、給油時には給油用べーパ回収管路30及び分岐管路33と連通された荷卸し用べーパ回収管路160の圧力を計測し、当該圧力計測値を制御部130に送信する。
また、第1、第2気液分離器(液化器)161、162の下流側に接続されている液体排出側経路54、64は、混合部12を介して、脱着用べーパ回収管路50a、50b(回収路)に接続されている。本実施形態においては、脱着用べーパ回収管路50a、50bの途中に設けられている混合部12は、混合器12Aと、ポンプ12Bとを備える。ポンプ12Bは、地下タンク40内より脱着用べーパ回収管路50aを介して液体燃料を吸い上げ、混合器12Aによりこの地下タンク40側の液体燃料中に第1、第2気液分離器161、162により分離された燃料成分(べーパから分離された高い濃度の液体燃料)を溶け込ませ、この燃料成分を溶け込ませた液体燃料は、脱着用べーパ回収管路50bを介して地下タンク40に戻される。
具体的には、供給用ベーパ回収部10Aを経て脱着された燃料成分を有するベーパのうち、第1気液分離器161により分離した高い濃度の燃料成分よりなるべーパ(液化した燃料成分を含む)と、受入用ベーパ回収部10Bを経て脱着されたベーパのうち、第2気液分離器162により分離した高い濃度の燃料成分よりなるべーパ(液化した燃料成分を含む)と、地下タンク40内の液体燃料を、混合部12により混合して地下タンク40に戻す。これによって、上記高濃度の燃料成分が地下タンク40に戻されることになる。
さらに、本実施形態によるベーパ回収システム10においては、供給用べーパ回収部10Aと、受入用べーパ回収部10Bとの間が再吸着経路43により連通されている。再吸着経路43は、一端が第1、第2気液分離器161、162の排出側に連通された蒸気排出側経路55、65と接続されている。また、再吸着経路43の他端は、供給用ベーパ回収部10Aの給油用べーパ回収管路30(ベーパーの導入路)と接続されている。
ここで、給油装置20について説明する。給油装置20は、給油所のコンクリート面に設置された地上設置型給油装置であり、筐体内に給油ポンプ21、べーパ吸引ポンプ22が収納されている。さらに、筐体内には、給油ポンプ21に連通された給油管路23が挿通されており、給油管路23には、給油量を計測する流量計(図示せず)も設けられている。そして、筐体側面には、給油管路23の下流側に接続された給油ホース24が設けられ、給油ホース24の端部には給油ノズル25が接続されている。また、給油ノズル25には、べーパ吸引ホース26が給油ホース24と共に、並列に接続されている。
給油時は、給油ノズル25を車両Cの給油口に挿入することにより給油ポンプ21により地下タンク40から組み上げられた燃料が供給可能になると共に、べーパ吸引ポンプ22により車両Cの燃料タンク内で発生したべーパが吸引される。そして、べーパ吸引ポンプ22より吐出されたべーパは、給油用べーパ回収管路30を介して第1、第2の吸着槽60、70の何れかに導入され、第1、第2の吸着槽60、70に充填された吸着剤に燃料成分が吸着される。
また、地下タンク40には、タンクローリ車Tに積み込まれた燃料を荷卸しするための荷卸しホース140が挿入される注油口42が設けられている。地下タンク40に荷卸しホース140を介して液体燃料が荷卸しされると、地下タンク40においては、荷卸しに伴う液面上昇と共に、上部空間の容積が減少して圧力が上昇する。
地下タンク40の上部には、地下タンク40内の圧力が所定以上に達すると開弁するブリーザバルブ151を有する通気管150と、脱着用べーパ回収管路50bとが接続されている。さらに、通気管150の途中には、給油中に荷卸し用べーパを回収するための荷卸し用べーパ回収管路160が分岐しており、荷卸し用べーパ回収管路160の他端は分岐管路33及び給油用べーパ回収管路30及び流入側管路34を介して、第1、第2、第3の吸着槽60、70、85と接続されている。
各開閉弁V1〜V13は、それぞれ電磁弁により構成されており、制御部130からの制御信号(開弁信号)が入力されたタイミングで個別に開弁する。
また、べーパ濃度計90(濃度検出部)により計測(検出)された地下タンク40内のべーパの濃度計測値N1、排出濃度計120により計測された排出濃度計測値N2、第1の脱着濃度計111より計測された排出濃度計測値N3、第2の脱着濃度計211より計測された排出濃度計測値N4の各計測信号は、それぞれ制御部130に入力される。そして、制御部130は、上記濃度計90、111、120、211からの濃度計測値の各計測信号に基づいて各開閉弁、切換弁V1〜V13及び第1、第2真空ポンプ110、210を制御する制御プログラムを実行する。すなわち、制御部130は、所定のタイミングで第1、第2、第3の吸着槽60、70、85を吸着工程、脱着工程、停止モードの何れかを行うように切り替えるための制御信号を生成して各開閉弁V1〜V13及び第1、第2真空ポンプ110、210に対して制御信号を出力する。
また、本実施形態では、制御部130はベーパ供給先制御手段132を備える。ベーパ供給先制御手段132は、受入用ベーパ回収部10Bの第3の吸着槽85より脱着された燃料成分を含むベーパのベーパ濃度が所定濃度以上の高い濃度のベーパ(油蒸気)である場合には当該燃料成分を第1気液分離器161へ供給することにより地下タンク40へ戻し、濃度の低い所定濃度以下のベーパである場合には、還流用切換弁V13を切り替えて当該ベーパを給油用べーパ回収管路30に供給させる。すなわち、ベーパ供給先制御手段132は、上記吸着槽から脱着された低い濃度のべーパを他のべーパ回収部の吸着槽に供給することで、べーパのリサイクルを行う制御手段である。尚、濃度の高いベーパ(燃料成分の割合が高く液化される)と濃度の低いベーパの分離は、前述した第2気液分離器162により行う。
なお、本実施形態では、第3の吸着槽85より脱着された燃料成分を含むベーパのベーパ濃度が第1気液分離器161に供給したとしても地下タンク40に戻すべき所定の濃度以上に濃縮できない場合に、当該ベーパの供給先を給油用べーパ回収管路30を介して給油用ベーパ回収部10A側で回収するようにしているが、第1気液分離器161において液化した燃料成分のみを地下タンク40へ戻し、液化しない燃料成分を給油用ベーパ回収部10A側で回収するようするのであれば、本構成は省略してもよい。
〔制御部130による制御処理〕
図2〜図4はべーパ回収システムの制御部130が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。まず、第1の吸着槽60による吸着工程について説明する。
〔第1の吸着槽60による吸着工程〕
給油装置20は、複数台設置されており、そのうちの1台が給油開始となれば、制御部130は第1の吸着槽60又は第2の吸着槽70の何れかが吸着工程となるように制御する。まず、制御部130は、図2に示すように、ステップS1で、第1の吸着槽60の開閉弁V2、V4に開弁信号を送信して当該開閉弁V2、V4を開弁させる。これにより、第1の吸着槽60は、給油べーパに含まれる燃料成分を吸着する吸着工程を行う。
次いで、制御部130は、ステップS2において、給油用べーパ回収管路30及び分岐管路33と連通された荷卸し用べーパ回収管路160に設けられた圧力センサ170により計測された給油べーパの圧力計測値P1を読み込み、当該圧力計測値P1と予め設定された給油時の設定圧力(以下「給油圧力」という)とを比較する。ステップS2において、荷卸し用べーパ回収管路160の圧力計測値P1が給油圧力未満の場合(NOの場合)は、べーパ吸引ホース26から吸引されたべーパの圧力が上記給油圧力に達していないことから、当該車両Cへの燃料供給によるべーパ発生が少ないものと判断して待機する。
また、ステップS2において、圧力計測値P1が給油圧力以上の場合(YESの場合)、べーパ吸引ホース26、給油用べーパ回収管路30、分岐管路33から吸引されたべーパの圧力が上記給油圧力に達しているため、給油装置20による車両Cへの燃料供給が開始されたものと判断し、ステップS3に進む。
次のステップS3では、圧力センサ170により計測された圧力計測値P1を読み込み、当該圧力計測値P1と予め設定された荷卸し時の設定圧力(以下「受入圧力」という)とを比較する。尚、当該受入圧力は、前述した給油圧力よりも高い圧力値に設定されている。また、ステップS3において、圧力計測値P1が受入圧力を超える場合(NOの場合)、地下タンク40への荷卸しに伴うべーパが通気管150から荷卸し用べーパ回収管路160に流入していると判断し、図4に示すS33以降の処理(第3の吸着槽85による吸着工程の制御処理)に移行する。
また、ステップS3において、圧力計測値P1が受入圧力以下の場合(YESの場合)、地下タンク40への荷卸しに伴うべーパが通気管150から荷卸し用べーパ回収管路160に流入していないものと判断してステップS4の処理を行う。
ステップS4では、給油用べーパ回収管路30に設けられた供給用ベーパ回収部10Aの開閉弁V1に開弁信号を送信して当該開閉弁V1を開弁させる。これにより、べーパ吸引ホース26から吸引された給油によるべーパが給油用べーパ回収管路30を介して第1の吸着槽60に、流入開始する。
続いて、ステップS5に進み、圧力センサ170の圧力計測値P1を読み込み、当該圧力計測値P1と予め設定された給油圧力(閾値)とを比較する。ステップS5において、圧力計測値P1が給油圧力未満の場合(NOの場合)は、当該車両Cへの給油が終了したものと判断し、ステップS7に進み、開閉弁V1に対する開弁信号を停止して、開閉弁V1を閉弁させる。これにより、第1の吸着槽60へのベーパを含む気体の供給が停止され、第1の吸着槽60は停止モードとなる。この場合には、前述したステップS2の処理に戻り、ステップS2以降の処理を行う。
ステップS5において、圧力計測値P1が給油圧力以上の場合(YESの場合)は、車両Cへの給油が行われているものと判断し、ステップS6に進む。
ステップS6では、圧力センサ170により計測された圧力計測値P1を読み込み、当該圧力計測値P1と予め設定された受入圧力(閾値)とを比較する。ステップS6において、圧力計測値P1が受入圧力を超える場合(NOの場合)、地下タンク40への荷卸しに伴うべーパが通気管150から荷卸し用べーパ回収管路160に流入していると判断し、図4に示すステップS33以降の処理(第3の吸着槽85による吸着工程の制御処理)に移行する。
また、上記ステップS6において、圧力計測値P1が受入圧力以下の場合(YESの場合)、地下タンク40における荷卸しが行われていないものと判断し、ステップS8の処理を行う。
ステップS8では、排気管路80に配置された排出濃度計120により計測された排出濃度計測値N2を読み込み、当該排出濃度計測値N2と予め設定された所定の濃度(閾値)とを比較する。ステップS8において、排出濃度計測値N2が所定の濃度以下の場合(NOの場合)は、第1の吸着槽60に充填された吸着剤による吸着能力に余力があるので、前述したステップS5の処理に戻り、ステップS5以降の処理を行う。
排出濃度計測値N2が所定の濃度を超えている場合(YESの場合)は、第1の吸着槽60に充填された吸着剤による吸着能力に余力がないので、ステップS9に進み、開閉弁V2、V4に対する開弁信号を停止して、開閉弁V2、V4を閉弁させる。これにより、第1の吸着槽60の吸着工程を終了する。
次に、第1の吸着槽60による脱着工程について説明する。
〔第1の吸着槽60による脱着工程〕
制御部130は、第1の吸着槽60の吸着工程が終了した後に、脱着工程に移行する。図2に示すステップS10において、第1の吸着槽60の開閉弁V6に対する開弁信号を送信して開閉弁V6を開弁状態に切り替える。次いで、ステップS11において、第1真空ポンプ110を作動させる。第1真空ポンプ110を作動させたらステップS12に進み、第1気液分離器161を作動させる。これにより、第1気液分離器161では、第1の吸着槽60から脱着された燃料成分をより濃度の高い燃料成分に液化し、濃度の低いべーパと分離する。第1気液分離器161で当該液化された燃料成分は、脱着用べーパ回収管路50bを通って地下タンク40に供給されると共に、第1気液分離器161で分離された濃度の低いべーパは、再吸着経路43を通って第2の吸着槽70に供給される。従って、第1の吸着槽60において、再度、吸着及び脱着が行われる。このように、制御部130は、ベーパの供給先の制御を行う。次いで、ステップS13の処理を行う。
ステップS13は、第1真空ポンプ110より吐出される燃料成分を含むベーパの濃度濃度計測値N3を読み込み、当該濃度計測値N3と予め設定された所定の濃度(閾値)と比較する。ステップS13において、濃度計測値N3が所定の濃度以下の場合(NOの場合)は、脱着された燃料成分を第1気液分離器161で気液分離したとしても所定濃度を超えるベーパ濃度とすることができないものと判断し、ステップS16に進み、切換弁V8に切換信号を送信して当該切換弁V8を切り換えて第1真空ポンプ110より吐出される燃料成分を分岐管路53を介して第1の吸着槽60と第2の吸着槽70のうち吸着工程となっている吸着槽に供給することにより、当該吸着槽でベーパ中の燃料成分を再吸着させる。そして、ステップS15に進む。この場合、制御部130は、切換信号を送信して切換弁V8のa−cポートを連通状態とし、第1真空ポンプ110より吐出される燃料成分を分岐管路53を介して第1の吸着槽60と第2の吸着槽70のうち吸着工程となっている吸着槽に供給されるように、切換弁V8を切り換える。
また、濃度計測値N3が所定の濃度を超えている場合(YESの場合)は、脱着された燃料成分を第1気液分離器161で気液分離すれば所定濃度を超える高濃度の燃料成分を生成することができるものと判断し、ステップS14に進み、切換弁V8を切り換えて、第1の吸着槽60から脱着された燃料成分を第1気液分離器161に供給し、第1気液分離器161において濃縮されたより濃度の高い燃料成分を地下タンク40に供給する。この場合、制御部130は、切換信号を送信して切換弁V8のa−bポートを連通状態とし、第1真空ポンプ110より吐出される燃料成分が、第1気液分離器161に供給されるように、切換弁V8を切り換える。
次のステップS15では、予め設定された所定の脱着時間の経過有無を判断しており、当該所定の脱着時間が経過していない場合(NOの場合)、前述したステップS13の処理に戻り、ステップS13以降の処理を繰り返す。
ステップS15において、当該所定の脱着時間が経過している場合(YESの場合)、第1の吸着槽60による脱着工程を終了する。
次に、第2の吸着槽70による吸着工程について説明する。なお、第1の吸着槽60による吸着工程と同一の処理内容部分については、説明を省略する。
〔第2の吸着槽70による吸着工程〕
制御部130は、第1の吸着槽60の吸着工程が終了した後に、第2の吸着槽70の吸着工程が開始される。具体的には、図3に示すように、ステップS17において、第2の吸着槽70の開閉弁V3、V5に開弁信号を送信して当該開閉弁V3、V5を開弁させる。これにより、第2の吸着槽70において、給油装置20の給油時に発生した給油べーパに含まれる燃料成分を吸着する吸着工程が行われる。
なお、ステップS18の圧力計測値P1と給油圧力の比較判断から、ステップS24の排出濃度計測値N2の比較判断までの処理は、第1の吸着槽60による吸着工程(図2に示すステップS2〜S8)と同一の処理であるため、説明を省略する。
ステップS24において、排出濃度計測値N2が所定の濃度超えている場合(YESの場合)は、第2の吸着槽70に充填された吸着剤による吸着能力に余力がないので、ステップS25に進み、開閉弁V3、V5に対する開弁信号を停止して、開閉弁V3、V5を閉弁させる。これにより、第2の吸着槽70の吸着工程を終了する。
次に、第2の吸着槽70による脱着工程について説明する。なお、第1の吸着槽60による脱着工程と同一の処理内容部分については、説明を省略する。
〔第2の吸着槽70による脱着工程〕
制御部130は、第2の吸着槽70が吸着工程が終了した場合に脱着工程に移行する。
ステップS26において、第2の吸着槽70の開閉弁V7に対する開弁信号を送信して開閉弁V7を開弁状態に切り替えてステップS27に進む。
なお、ステップS27の第1真空ポンプ110の作動以降の処理は、第1の吸着槽60による脱着工程と同一の処理であるため、説明を省略する。
ステップS31において、予め設定された所定の脱着時間の経過有無を判断し、当該所定の脱着時間が経過している場合(YESの場合)、第2の吸着槽70による脱着工程を終了する。
このように、供給用ベーパ回収部10Aにおいて、二つの吸着槽60、70で交互に吸着工程・脱着工程を行うことにより、複数の車両Cの燃料タンクより排出されるベーパを連続して吸着することが可能な構成となっている。
次に、受入用ベーパ回収部10Bの第3の吸着槽85による吸着工程について説明する。
〔第3の吸着槽85による吸着工程〕
制御部130は、図4に示すステップS33において、第3の吸着槽85の開閉弁V10、V11に開弁信号を送信して当該開閉弁V10、V11を開弁させる。これにより、第3の吸着槽85において、地下タンク40における荷卸し時に発生したべーパに含まれる燃料成分を吸着する吸着工程が行われる。
次いで、ステップS34において、開閉弁V9に対する開弁信号を送信して当該開閉弁V9を開弁させるとともに、開閉弁V1に対する開弁信号を停止して開閉弁V1を閉弁させる。これにより、荷卸し時に地下タンク40で発生したべーパが通気管150及び荷卸し用べーパ回収管路160を介して第3の吸着槽85に供給される。次のステップS35において、圧力センサ170により計測された圧力計測値P1を読み込み、当該圧力計測値P1と予め設定された受入圧力(閾値)と比較する。ステップS35において、圧力計測値P1が受入圧力を超える場合(NOの場合)は、次のステップに進まない。
また、ステップS35において、圧力計測値P1が受入圧力以下の場合(YESの場合)、荷卸し時に地下タンク40で発生したべーパの圧力が受入圧力以下であるので、第3の吸着槽85への燃料成分の受け入れができないものと判断して、開閉弁V10、11に対する開弁信号を停止して開閉弁V10、11を閉弁させる(ステップS36)。これにより、地下タンク40への荷卸しが終了すると共に、第3の吸着槽85による吸着工程も終了する。
次に、第3の吸着槽85による脱着工程について説明する。
〔第3の吸着槽85による脱着工程〕
以上のように、地下タンク40への荷卸しが終了して液体燃料の受入が終了すると、第3の吸着槽85においては、吸着された燃料成分を脱着する脱着工程に移行する。
ステップS37において、開閉弁V1に対する開弁信号を送信して当該開閉弁V1を開弁させるとともに、開閉弁V9に対する開弁信号を停止して開閉弁V9を閉弁させる。次いで、ステップS38に進み、第3の吸着槽85の開閉弁V12に対する開弁信号を送信して開閉弁V12を開弁状態に切り替えてステップS39に進み、第2真空ポンプ210を作動させる。これにより、第3の吸着槽85の脱着工程が行われる。
さらに、第2真空ポンプ210を作動させた後、ステップS40に進み、第2気液分離器162を作動させる。第2気液分離器162において、分離された燃料成分は、液体排出側経路64、混合部12、脱着用べーパ回収管路50bを通って地下タンク40に供給される。さらに、第2気液分離器162において、分離された濃度の低いべーパは、再吸着経路43を通って吸着工程中の第1、第2の吸着槽60又は70に供給される。次いで、ステップS41の処理を行う。
ステップS41は、第2真空ポンプ210より吐出される燃料成分を含むベーパの濃度濃度計測値N4を読み込み、当該濃度計測値N4と予め設定された所定の濃度(閾値)と比較する。ステップS41において、濃度計測値N4が所定の濃度以下の場合(NOの場合)は、脱着された燃料成分を第2気液分離器162で気液分離したとしても所定濃度を超えるベーパ濃度とすることができないものと判断し、ステップS44に進み、切換弁V13に切換信号を送信して当該切換弁V13を切り換えて第2真空ポンプ210より吐出される燃料成分を分岐管路63を介して第1の吸着槽60と第2の吸着槽70のうち吸着工程となっている吸着槽に供給することにより、当該吸着槽でベーパ中の燃料成分を再吸着させる。そして、ステップS43に進む。この場合、制御部130は、切換信号を送信して切換弁V13のa−cポートを連通状態とし、第2真空ポンプ210より吐出される燃料成分を分岐管路63を介して第1の吸着槽60と第2の吸着槽70のうち吸着工程となっている吸着槽に供給されるように、切換弁V13を切り換える。
また、濃度計測値N4が所定の濃度を超えている場合(YESの場合)は、脱着された燃料成分を第2気液分離器162で気液分離すれば所定濃度を超える高濃度の燃料成分を生成することができるものと判断し、ステップS42に進み、切換弁V13を切り換えて、第3の吸着槽85から脱着された燃料成分を第2気液分離器162に供給し、第2気液分離器162において濃縮されたより濃度の高い燃料成分を地下タンク40に供給する。この場合、制御部130は、切換信号を送信して切換弁V13のa−bポートを連通状態とし、第2真空ポンプ210より吐出される燃料成分が、第2気液分離器162に供給されるように、切換弁V13を切り換える。
ステップS43では、予め設定された所定の脱着時間の経過有無を判断しており、当該所定の脱着時間が経過していない場合(NOの場合)、前述したステップS41の処理に戻り、ステップS41以降の処理を繰り返す。
ステップS43において、当該所定の脱着時間が経過している場合(YESの場合)、第3の吸着槽85による脱着工程を終了する。
なお、上記荷卸し時は、第3の吸着槽85による吸着工程又は脱着工程を行っており、荷卸し終了後には第3の吸着槽85の脱着工程が行われる。そして、第3の吸着槽85の脱着工程時は、第2気液分離器162において、分離された濃度の低いべーパを再吸着経路43を介して吸着工程中の第1、第2の吸着槽60又は70に供給してべーパが大気中に放出されないように制御している。ステップS37において、第1の吸着槽60による吸着工程が行われている場合は、図2に示すステップS2からS9までの処理が行われる。また、ステップS45において、第1の吸着槽60による脱着工程が行われている場合は、図2に示すステップS10以降の処理が行われる。
ステップS37において開閉弁V1が開弁される。そのため、供給用ベーパ回収部10A側の第1の吸着槽60または第2の吸着槽70による吸着工程・脱着工程が、上述の受入用ベーパ回収部10B側の第3の吸着槽85による吸着工程・脱着工程と並行して行われる。
第1の吸着槽60による吸着工程が行われている場合は、第2の吸着槽70による脱着工程が行われる。一方、第1の吸着槽60による脱着工程が行われている場合は、第2の吸着槽70による吸着工程が行われる。
第1の吸着槽60による吸着工程・脱着工程が行われる場合は、それぞれ、図2に示すステップS2からS9までの処理、ステップS10以降の処理が行われる。
第2の吸着槽70による吸着工程・脱着工程が行われる場合は、それぞれ、図3に示すステップS18からS25までの処理、ステップS26以降の処理が行われる。
以上のように、受入用ベーパ回収部10Bの脱着は、受入用ベーパ回収部10Bの第3の吸着槽85内への外気の導入を行わずに、第3の吸着槽85内よりベーパを吸引して脱着させる(真空脱着工程)ことにより行う。
そして、制御部130は、開閉弁V11に開弁信号を送信して当該開閉弁V11を開弁させることにより、排気管路80を通じて外気放出口83から外気を、第3の吸着槽85に導入しながら、第3の吸着槽85内よりベーパを吸引して脱着させる工程(パージ脱着工程)を行う。これによって、ベーパの回収し残りを防止している。
なお、パージ脱着工程は、上述のように真空脱着工程後に行ってもよいし、所定のタイミングずらして、真空脱着工程中にパージ脱着工程を行ってもよい。或いは、真空脱着工程と同時にパージ脱着工程を行ってもよい。
なお、制御部130は、真空脱着工程の際のベ―パの供給先を地下タンク40とし、パージ脱着工程の際のベーパの供給先を給油用べーパ回収管路30(ベーパの導入路)とする、供給先を切り替える制御を行ってもよい。
本実施形態によるベーパ回収システムは、以上のような構成及び制御処理が行われるため、連続的または断続的に小流量で放出される給油用のベーパと、スポット的に大流量で放出される受入用のベーパの両方を、1台のシステムで回収することができる。そのため、従来、給油所で放出され損失となっていたベーパを給油所給油所内で回収することが可能となる。
また、脱着工程において、給油所の地下タンクに発生する回収蒸気量を少なくすることで、地下タンク気相部のベーパ過多状態が防止でき、脱着中断状態がなくなる。そのため、脱着工程時間の短縮化を図ることができるとともに、給油ベーパの回収と受け入れベーパの回収の両立が可能となる。
また、給油所の地下タンク気相部のベーパ濃度を所定濃度以上に維持することで、地下タンク内の燃料液面から蒸発するベーパ量を抑制し、給油所の地下タンク内の燃料の損失を防止することができる。
また、給油ベーパを一旦、地下タンクに戻すことで、給油用ベーパ回収経路へのベーパ流入量を少なくすることができ、吸着槽の小型化が可能になる。
さらに、受入用ベーパ回収部の脱着工程で、吸着槽から回収排出される燃料成分の多くは液体として回収し残る蒸気状の燃料成分を、小型の給油用ベーパ回収部で再吸着させることができる。これによって、装置の小型化が可能になる。
以上、ベーパ回収システムを実施形態例により説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではない。他の実施形態例の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
10 ベーパ回収システム
10A 給油用ベーパ回収部(供給用ベーパ回収部)
10B 受入用ベーパ回収部(荷卸し用ベーパ回収部)
20 給油装置
21 給油ポンプ
22 ベーパ吸引ポンプ
30 給油用べーパ回収管路(ベーパの導入路)
40 地下タンク(燃料貯蔵タンク)
43 再吸着経路
50 脱着用べーパ回収管路(回収路)
60 第1の吸着槽(一つの吸着槽)
70 第2の吸着槽(他の吸着槽)
80 排気管路
85 第3の吸着槽
90 べーパ濃度計(濃度検出部)
100 べーパ用流量計
110 第1真空ポンプ
111 第1の脱着濃度計
210 第2真空ポンプ
120 排出濃度計
130 制御部
140 荷卸しホース
150 通気管
151 ブリーザバルブ
160 荷卸し用べーパ回収管路
161 第1気液分離器(液化器)
162 第2気液分離器(液化器)
170 圧力センサ
211 第2の脱着濃度計
V1、V2、V3 第1、第2、第3給油用開閉弁(給油用ベーパ回収部側)
V4、V5 第1、第2排出用開閉弁(給油用ベーパ回収部側)
V6、V7 第1、第2脱着用開閉弁(給油用ベーパ回収部側)
V8 還流用切換弁(給油用ベーパ回収部側)
V9、V10、V11 第1、第2、第3給油用開閉弁(受入用ベーパ回収部側)
V12 脱着用開閉弁(受入用ベーパ回収部側)
V13 還流用切換弁(受入用ベーパ回収部側)
T タンクローリ車
C 車両

Claims (4)

  1. 複数の吸着槽を有し、該複数の吸着槽のうちの一つの吸着槽が、燃料貯蔵タンクから被燃料供給体への液体燃料の供給に伴い当該被燃料供給体より排出されるベーパ中の燃料成分を吸着する吸着工程を行い、前記一つの吸着槽以外の他の吸着槽に既に吸着された前記燃料成分を脱着して前記燃料貯蔵タンクへ回収させる脱着工程を行うことにより、前記被燃料供給体より排出されるベーパを、交互に継続して吸着工程及び脱着工程を行うことを可能とした供給用ベーパ回収部と、
    一の吸着槽を有し、該一の吸着槽が、前記燃料貯蔵タンクに液体燃料を受け入れる際に当該燃料貯蔵タンクより排出されるベーパ中の燃料成分を吸着する吸着工程を行うとともに、当該燃料貯蔵タンクへの液体燃料の受入終了後に、当該吸着槽により吸着された燃料成分を脱着して、前記燃料貯蔵タンクへ回収させる脱着工程を行う受入用ベーパ回収部と、
    前記受入用ベーパ回収部の前記一の吸着槽より脱着されたベーパを前記燃料貯蔵タンクへ回収するための回収路の途中に一端が接続され、他端が前記供給用ベーパ回収部へのベーパの導入路に接続された再吸着経路と、
    前記受入用ベーパ回収部の吸着槽より脱着された燃料成分を濃度の高い燃料成分と当該濃度よりも低い濃度の燃料成分に分離し、当該濃度の高い燃料成分は前記燃料貯蔵タンクへ回収させ、濃度の低い燃料成分は前記導入路を介して前記供給用ベーパ回収部に供給させる分離器と、
    を備えたことを特徴とするベーパ回収システム。
  2. 前記分離器は、前記受入用ベーパ回収部の前記一の吸着槽より脱着された燃料成分のうち、前記濃度が高い燃料成分を液化し、当該液化された燃料成分を前記燃料貯蔵タンクへ回収させるとともに、液化されない、前記濃度が低い燃料成分を前記導入路に供給する液化器であることを特徴とする請求項1に記載のベーパ回収システム。
  3. 前記回収路内のベーパに含まれる燃料成分の濃度を検出する濃度検出部と、
    記濃度検出部により検出された濃度が所定濃度を超えている場合には、ベーパの供給先を前記燃料貯蔵タンクに切り替え、また、濃度が所定濃度以下の場合には、ベーパの供給先を前記導入路に供給するように供給先を切り替える制御を行うベーパ供給先制御手段と、を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベーパ回収システム。
  4. ベーパ供給先制御手段を備え、
    前記受入用ベーパ回収部の脱着工程は、前記受入用ベーパ回収部の前記一の吸着槽内への外気の導入を行わずに前記一の吸着槽内よりベーパを吸引して脱着させる真空脱着工程と、前記真空脱着工程の後に行われ、前記受入用ベーパ回収部の前記一の吸着槽内への外気の導入を行いながら、前記吸着槽内よりベーパを吸引して脱着させるパージ脱着工程と、を有し、
    前記ベーパ供給先制御手段は、前記真空脱着工程の際のベーパの供給先を前記燃料貯蔵タンクとし、前記パージ脱着工程の際のベーパの供給先を前記導入路とすることを特徴とする請求項1に記載のベーパ回収システム。
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