JP5060159B2 - ベーパ回収装置 - Google Patents

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Description

本発明はベーパ回収装置に係り、特に吸着剤が充填された吸着槽にベーパを供給してベーパに含まれる燃料成分を吸着剤により吸着させた後、吸着剤に吸着された燃料成分を脱着してタンクに還流させるよう構成されたベーパ回収装置に関する。
給油所等の燃料供給施設では、タンクローリ車の各ハッチから液体燃料が荷卸しされるタンクが設置されている。この種のタンクは、主に地下に埋設されており、タンクローリ車との高低差を利用してタンクローリ車に積載された液体燃料が荷卸しホースを介して荷卸しする際に液体燃料から蒸発したベーパ(油蒸気)がタンク内上部空間に発生する。
また、給油所のタンクは、高所で大気に連通された通気口を有する通気管が接続されており、荷卸し時は液面の上昇と共に、ベーパを大気中に放出するように構成されている。
近年、大気中における環境汚染が問題になっていることから、荷卸し時においてもタンク内のベーパに含まれる燃料成分(石油に主成分となる炭化水素:HC成分)を回収してベーパによる大気汚染を防止することが要望されている。
ベーパ回収装置としては、例えば、ベーパに含まれる燃料成分を吸着する吸着剤(例えば、シリカゲルなど)を用いて吸着し(吸着剤にベーパを吸着する工程を吸着工程という)、ベーパが大気中に放出されることを防止すると共に、吸着剤に吸着された燃料成分を脱着し(吸着剤よりベーパを脱着する工程を脱着工程という)、タンクに戻すように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
タンクローリ車から地下タンクへの荷卸し作業は、1日に1回程度であるので、荷卸し作業終了後の脱着工程は1日かけておこなうことができる。そのため、ベーパ回収装置としては、吸着槽を1槽のみとし、比較的小容量の吸引ポンプを用いて半日から1日程度の時間をかけて脱着することにより設備コストやエネルギコストを低減することができる。
特開2003−117338号公報
しかしながら、上記のように吸着槽を1槽のみとした場合、吸着工程と脱着工程とのうち何れか一方の工程のみを行なうため、例えば、タンクローリ車からの荷卸し時に吸着工程を行なっている間に地下タンクの液面が上昇すると、地下タンクの上部空間(液面より上方のベーパ発生領域)が次第に小さくなる。そして、荷卸し作業が終了した直後など地下タンクの上部空間の容積が小さい状態において、脱着工程に移行して吸着槽で吸着された燃料成分を吸引ポンプの吸引力によって脱着させて燃料成分を地下タンクへ戻そうとすると、上部空間での圧力が通常よりも早い段階で上昇することになるため、地下タンクの上部空間のベーパが通気管の安全弁を介して大気中に放出されてしまうという問題があった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決したベーパ回収装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
(1)本発明は、液体燃料が荷卸しされるタンクと、
前記液体燃料から蒸発したベーパを吸着するための吸着剤が充填された吸着槽と、
前記タンク内で発生したベーパを前記吸着槽に供給して前記ベーパに含まれる燃料成分を前記吸着剤に吸着させる吸着工程を行うベーパ回収手段と、
該吸着槽内と連通し、前記吸着槽で前記ベーパに含まれる燃料成分を除去された気体を当該吸着槽外に排出する気体排出手段と、
前記吸着槽内と連通し、前記吸着剤から前記燃料成分を脱着する脱着工程を行う脱着手段と、
該脱着手段により脱着された燃料成分を前記タンクに還流させる還流手段と備えたベーパ回収装置において、
前記脱着工程を行うためのタンク上部空間容積が十分であるか否かを監視する上部空間容積監視処理手段と、
前記上部空間容積監視処理手段の監視により脱着工程を行うためのタンク上部空間容積が十分である場合、前記脱着手段による脱着工程を開始し、前記脱着手段による脱着工程が行われている際に前記脱着工程を行うためのタンク上部空間容積が十分でない場合、前記脱着手段による脱着工程を停止させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする
(2)本発明前記上部空間容積監視処理手段は、前記タンク上部空間の圧力を検出する圧力検出手段からなり、
前記制御手段は、前記圧力検出手段により検出された圧力が予め設定された圧力未満になった場合、前記脱着手段による脱着工程を開始し、前記脱着手段による脱着工程が行われている際に前記圧力検出手段により検出された圧力が予め設定された設定圧力以上になった場合、前記脱着手段による脱着工程を停止させることを特徴とする。
(3)本発明の前記上部空間容積監視処理手段は、前記タンク内の上部空間の容量を検出する上部空間容量検出手段からなり、
前記制御手段は、前記上部空間容量検出手段により検出された上部空間容量が予め設定された所定量未満になった場合、前記脱着手段による脱着工程を開始し、前記脱着手段による脱着工程が行われている際に前記上部空間容量検出手段により検出された上部空間容量が予め設定された所定量以上になった場合、前記脱着手段による脱着工程を停止させることを特徴とする。
(4)本発明の前記脱着手段は、前記吸着槽内の気体を吸引する吸引ポンプからなり、
前記制御手段は、前記上部空間容積監視処理手段の監視により前記脱着工程を行うためのタンク上部空間容積が十分である場合に、前記吸引ポンプを起動させて前記吸引ポンプにより前記吸着槽内から吸引した気体を前記還流手段を介して前記タンクへ還流させ、前記脱着工程を行うためのタンク上部空間容積が十分でない場合に、前記吸引ポンプを停止させて前記脱着工程を停止させることを特徴とする。
本発明によれば、脱着工程を行うためのタンク上部空間容積が十分である場合、脱着手段による脱着工程を開始し、脱着手段による脱着工程が行われている際に脱着工程を行うためのタンク上部空間容積が十分でない場合、脱着手段による脱着工程を停止させるため、タンク内の上部空間の容量が十分に増大した状態で吸着槽から脱着された燃料成分をタンクに還流させることができ、脱着工程におけるタンクからのオーバフローを防止することができる。


以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明によるベーパ回収装置の一実施例を示すシステム系統図である。本実施例では、給油所に設置された地下タンクに液体燃料を荷卸しする場合を例に挙げて以下説明する。図1に示されるように、給油所に設置された地下タンク10には、ベーパ回収装置20が設けられている。また、地下タンク10は、図1では省略された地中に埋設されており、地上に延在する荷卸し管30と、計量機40に給液する給液管50と、通気管60とが挿入されている。
荷卸し管30は、地上に突出する上端に、タンクローリ車31に積載された油液(液体燃料)を荷卸しするための荷卸しホース32が接続される注油口34が設けられている。
また、通気管60は、上端にタンク内圧力が予め設定された所定圧以上に上昇した場合に排気側が開弁し、給油により地下タンク10内圧力が所定圧に降圧した場合には給気側が開弁するように構成された安全弁70が設けられている。
さらに、地下タンク10の上部空間12に連通された通気管60には、タンク内圧力を検出する圧力センサ(圧力検出手段)62が設けられている。本実施例では、圧力センサ62は、通気管60のベーパ回収管80が分岐される位置の圧力を検出するように取り付けられている。この圧力センサ62は、地下タンク10内の上部空間の圧力を検出するものであり、タンクローリ車31から地下タンク10に荷卸しされた油液の荷卸し量に応じて液面が上昇した場合や後述の脱着工程時のベーパが地下タンク10に導入されることにより生じうる圧力上昇や計量機40による給油によって液面が低下した場合の圧力低下等を検出することができる。圧力センサ62によって検出された圧力測定値の信号は、後述する制御装置150に入力される。
ベーパ回収装置20は、通気管60より分岐されたベーパ回収管80と、吸着剤90が充填された吸着槽100と、吸着槽100の排気口102に連通された排気管110と、排気管110を開または閉とする排気弁114と、吸着槽100の給気口104に連通された三方弁120と、吸着槽100で脱着された燃料成分を地下タンク10に還流させる還流管130とを有する。
吸着槽100は、内部を上層領域100a、中間層領域100b、下層領域100cの3ブロックに分けた場合、各ブロックの温度を測定する温度センサ(温度検出手段)141〜143が取り付けられている。温度センサ141〜143としては、熱電対などからなり、各温度センサ141〜143の防爆構造とされた温度検出部が吸着槽100に挿入されている。また、温度センサ141〜143は、夫々高さ位置の異なる上層領域100a、中間層領域100b、下層領域100cに充填された吸着剤90の温度を測定し、その検出温度に対応する電気的な検出信号を制御装置150に入力する。尚、温度センサの数及び設置場所は、上記数及び設置場所に限らない。また、温度センサ141〜143としては、測温抵抗体あるいはサーミスタ等を用いても良い。
排気管110は、上端開口112が高所に延在しており、吸着槽100を通過する過程でベーパを分離された気体を上端開口112から大気中に放出させる。また、排気管110の途中には、電磁弁からなる排気弁114が配置されており、排気弁114は制御装置150により吸着工程のとき開弁し、脱着工程のときは閉弁するように制御される。
また、排気弁114と排気口102との間には、パージ管116が接続されており、パージ管116には、電磁駆動式のパージ弁118が設けられている。このパージ弁118は、制御装置150により弁開度を制御されており、脱着工程が開始されて温度変化率が所定以下になったときに開弁され、パージガスを吸着槽100の排気口へ供給するパージガスの流量を調整する。尚、本実施例においては、パージ管116は、その端部がパージガスを生成する圧縮機119に連通されており、圧縮機119によって加圧された空気あるいは窒素ガスをパージガスとして供給するようになっているが、これに限るものではなく、例えば、圧縮機119を取り外し、パージ管116に外気を直接導入するようにしても良い。
三方弁120は、ベーパ回収管80が連通されたaポートと、給気口104に連通されたbポートと、還流管130に連通されたcポートとを有し、電磁アクチュエータ122により弁体を切替動作させるように構成されている。従って、三方弁120は、制御装置150からの制御信号により電磁アクチュエータ122が駆動されて、吸着工程時にはaポートとbポートとを連通させ、あるいは脱着工程時にはbポートとcポートとを連通するように切り替える。
さらに、還流管130には、脱着工程時に駆動されて吸着槽100内を減圧する吸引ポンプ(脱着手段)160と、吸着槽100から吸引されたベーパを冷却して液化する冷却ユニット170とが配置されている。この吸引ポンプ160及び冷却ユニット170は、制御装置150によって吸着工程時には停止され、脱着工程時には駆動されるように制御される。吸引ポンプ160は、比較的小容量のポンプであり、製造コストが安価であると共に、消費電力の点からも低コスト化されている。
そして、荷卸し作業が終了すると、脱着工程に移行して吸着槽100で吸着された燃料成分を吸引ポンプ160の吸引力によって脱着させ、脱着された燃料成分を冷却ユニット170で液化して地下タンク10に還流させる。
制御装置150(制御手段)のメモリには、後述するように吸着槽100に吸着された燃料成分を脱着する際に、圧力センサ62により検出された圧力が予め設定された設定圧力以上となった場合に脱着工程を停止させる制御プログラム(脱着工程停止制御手段)と、圧力センサ62により検出された圧力が予め設定された設定圧力未満の場合、吸引ポンプ60を駆動することにより脱着工程を開始させる制御プログラム(脱着工程開始制御手段)とが格納されており、制御装置150は、各制御プログラムに基づいて演算処理を実行する。
図2は圧力センサ62により測定されたタンク上部空間12の圧力変化を示すグラフである。図2に示されるように、吸着工程時(時間t1〜t2、即ち、荷卸し時)における上部空間12内の圧力はほぼ一定で推移するのに対し、脱着工程時における上部空間12の圧力上昇率は、上部空間12の容積の大きさにより異なる。
即ち、タンクローリ車31からの荷卸しの開始前と荷卸し終了後とでは上部空間12の容積が大きく異なる。このため、荷卸しの開始前のように大きい容積の内部空間12に脱着工程時におけるベーパ(或いは液化した燃料成分)を還流させた場合の内部空間12内の圧力上昇率(時間t5〜t6)は、荷卸し開始直後の小さい容積の内部空間12に脱着工程時におけるベーパ(或いは液化した燃料成分)を還流させた場合の圧力上昇率(t3〜t4)に比べてその圧力上昇率は小さいものとなる。
以下、図2に基づきタンク上部空間12の圧力の推移につき詳細に説明する。同図に示されるように、タンクローリ車31からの荷卸しが行われている際(時間t1〜t2)には、液面が上昇するが上部空間12の圧力はほぼ一定に推移する。
次に荷卸しが終了し脱着工程1が開始されると、上部空間12の容積が小さいために上部空間12の圧力が急激に上昇する(t3〜t4)。そして、上部空間12の圧力が所定の圧力値PHH(上限値)に達した場合(t4)には脱着工程1が停止する。なお、この圧力値PHH(上限値)は、前述の安全弁70の開弁圧力(安全弁が開弁するのに必要とされる圧力値)よりも若干低い圧力に調整されており、これにより、脱着工程中に安全弁70が作動して上部空間12内の燃料成分が大気へ放出されることを防止している。
そして、上述のように脱着工程が停止した状態で、計量機40による給油が行なわれると、地下タンク10の液面が低下するため、上部空間12の圧力は上部空間12の容積が大きくなった分低下する(時間t4〜t5)。
そして、上部空間12の圧力が所定の圧力値(所定下限圧力)PL以下に低下した場合(t5)には、再び脱着工程2が開始される。これにより上部空間12内には再び燃料成分が還流されて上部空間12内の圧力は再び上昇することとなる(t5〜t6)。
しかし、この状態においては、上部空間12の容積は荷卸し直後よりも大きくなっているため、その圧力上昇は低いものとなる。
次に脱着工程が終了すると上部空間12内の圧力上昇は停止し、その後は、計量機40による給油が行なわれる度に上部空間12内の圧力は低下することとなる。
図3は温度センサ141〜143により測定された吸着工程、脱着工程の温度変化を示すグラフである。図3に示されるように、吸着槽100に充填された吸着剤90は、例えば、多孔質のシリカゲルなどからなり、微細な孔にベーパ(液体燃料成分が蒸発した油蒸気)に含まれる燃料成分(石油に主成分となる炭化水素:HC成分)を吸着(化学的吸着と物理的吸着)する性質を有している。そして、吸着剤90がベーパに含まれる燃料成分を吸着する際に熱を発し、吸着された燃料成分を脱着する際に熱を奪うため、吸着槽100で吸着が行なわれている間は温度センサ141〜143により温度上昇が検出され、吸着槽100で脱着が行なわれている間は温度センサ141〜143により温度低下が検出される。尚、吸着剤としては、シリカゲル以外のもの、例えば、ゼオライト、炭素系吸着剤などを用いても良い。
温度センサ141〜143により検出された温度変化は、夫々図3のグラフf1〜f3に示すように外気温(図3中、破線で示す規準線)に対して温度上昇と温度低下とを所定のサイクルで繰り返すように表せる。
一方、地下タンク10においては、計量機40による給油が行なわれることにより液面が低下すると共に、液面より上方の上部空間にベーパが発生する。そして、油槽所で油液が積載されたタンクローリ車31が給油所に到着し、荷卸し管30に荷卸しホース32が接続されると、地下タンク10への荷卸しが開始される。
その際、地下タンク10においては、油液の荷卸しに伴って液面が上昇し、上部空間が次第に狭くなる。このような、荷卸し時は、吸着工程(三方弁120のaポートとbポートとを連通させる)が設定される。これにより、地下タンク10内の上部空間に滞留していたベーパがベーパ回収管80を介して吸着槽100の下側に開口する給気口104に供給される。
給気口104より供給されたベーパに含まれる燃料成分は、吸着槽100の下層領域100cの吸着剤90に吸着されるため、荷卸し開始直後から吸着槽100の下層領域100cに設けられた温度センサ143によって検出された温度が急激に上昇する(グラフf3参照)。
吸着槽100の下層領域100cの吸着剤90によって燃料成分が吸着されなかったベーパは、排気口102側(上方)へ流れるため、吸着槽100の中間層領域100bの吸着剤90によって吸着される。そのため、荷卸し開始後に中間層領域100bの温度センサ142によって検出された温度が下層領域100cより若干遅れて上昇する(グラフf2参照)。
吸着槽100の中間層領域100bの吸着剤90によって燃料成分が吸着されなかったベーパは、さらに排気口102側(上方)へ流れるため、吸着槽100の上層領域100aの吸着剤90によって燃料成分を吸着される。そのため、荷卸し開始後に上層領域100aの温度センサ141によって検出された温度が下層領域100c、中間層領域100bの温度より若干遅れて上昇する(グラフf1参照)。
このように、吸着槽100には、異なる高さ位置に温度センサ141〜143が分散配置されているので、各領域100a〜100cでの温度変化を検出することが可能になり、荷卸し開始(T1)から荷卸し終了(T2)までの吸着槽100の状態を各温度センサ141〜143に検出された温度変化率(吸着時は温度上昇率、脱着時は温度低下率)に基づいて確認することが可能になる。また、地下タンク10からのベーパ供給が止まると吸着剤90による吸着が行なわれなくなるので、温度上昇も緩やかな変化となり、やがて各温度センサ141〜143に検出された温度の上昇率が所定以下(温度上昇率t1以下)に低下する。
また、温度センサ141〜143は、吸着槽100の一部の温度を検出しているだけなので、温度変化率の低下状態が所定時間継続することによって、吸着槽100全体での吸着工程が終了したことになる。
従って、各温度センサ141〜143により検出された温度上昇率の減少から各領域100a〜100cでの吸着工程が終了したことを正確に判断することが可能になる。これにより、吸着工程における精度をより高めることができる。
そして、吸着槽100を通過する過程でベーパに含まれる燃料成分を除去された気体は、ベーパを含まないクリーンな状態になって排気管110の上端開口112から大気中に放出される。
図3において、タンクローリ車30から地下タンク10への荷卸しが終了(T2)すると、吸着工程が終了して脱着工程に移行する。脱着工程は、三方弁120をbポートとcポートとが連通されるように切り替えると共に、排気管110の排気弁14を閉弁し、且つ吸引ポンプ160により吸着槽100の気体を吸引する。
脱着工程に切り替わると、吸着槽100において、吸引ポンプ160の負圧によって吸着剤90に吸着された燃料成分が脱着されるため、図3のグラフf1〜f3に示すようにT2以降は各領域100a〜100cで吸着剤90の温度が低下する。そして、グラフf1〜f3に示すように各領域での脱着に伴う温度低下が各温度センサ141〜143によって検出される。
また、吸着工程が開始されて時間T3になると、各温度センサ141〜143に検出された温度低下率が所定温度低下率Δt1以下に低下し、この状態が所定時間継続された時点(T3)で、脱着効率が著しく低下する。このとき、パージ管116のパージ弁118を開弁して吸着槽100の排気口102に圧縮機119により加圧されたパージガスを供給することにより、吸着槽100においては、吸着剤90に吸着された燃料成分の脱着分離が促進される。そのため、グラフf1〜f3に示すように、パージガスの供給により各温度センサ141〜143に検出された温度がさらに低下して燃料成分の脱着分離が促進されたことを確認することが可能になる。
ガスパージにより脱着効率が回復した後再び脱着効率が著しく低下した時点(T4)で、各温度センサ141〜143に検出された温度低下率が所定温度低下率Δt2以下に減少するのでガスパージによる脱着分離が終了したことを検出できる。
そして、時間T4で吸引ポンプ160を停止させるとともに排気弁114を開弁することにより、吸着槽100にはパージガスおよび排気弁114より大気が導入され、吸着剤90の温度が外気温に上昇したことが各温度センサ141〜143に検出された時点(T5)で脱着工程が終了する。
ここで、制御装置150が実行する制御処理について図4A、図4Bを参照して説明する。図4AのS11では、三方弁120のaポートとbポートとを連通させるように切り替えることにより、吸着槽100は、吸着工程に切り替わる。
なお、このときの吸着槽100の排気弁114は開弁状態であるため、地下タンク10の上部空間の圧力が吸着槽100の給気口104に供給され、排気弁114を介して大気圧が吸着槽100の排気口102に供給される。地下タンク10の上部空間に溜まったベーパの圧力が大気圧以上であるので、排気口102と給気口104との圧力差により、地下タンク10のベーパが吸着槽100に供給される。
次のS12では、温度センサ141〜143によって検出された吸着槽100の温度が上昇しているか否かをチェックしており、温度上昇があれば、吸着工程が開始(図3のT1参照)されたものと判断することができる。
続いて、S13に進み、冷却ユニット170を駆動して冷却を開始させる。尚、冷却ユニット170は、冷媒をコンプレッサにより圧縮して冷却する構成であるので、冷却可能状態になるのに時間がかかるため、脱着工程に入る前段階で始動させるようになっている。なお、本実施例では、冷却ユニット170を事前に始動することにより脱着工程時における冷却を効率よく行えるようにしているが、例えば、冷却ユニット170に冷却水による冷却、或いは水道水による冷却を用いたものを利用しても良い。そして、このように始動段階から冷却機能をすぐに発揮できる冷却ユニット170を使用した場合には、本S13の処理をS16の処理の後(脱着工程開始と同時)に行うようにしても良い。
次のS14では、吸着槽100の下層領域100cから吸着反応が進行するため、下層領域100cの温度センサ143によって検出された温度(信号)を読み込み、下層領域100cの温度上昇率が予め設定された所定温度上昇率t1よりも大であるか否かをチェックする。このS14において、下層領域100cの温度上昇率が所定温度上昇率t1よりも大である場合(YESの場合)、現在の状態を維持すべくS14の処理を繰り返す。
下層領域100cにおける吸着反応が進むことにより、下層領域100cの吸着剤90の温度が上昇するがこの温度上昇率は徐々に低下し始める。そして、S14において、下層領域100cの温度上昇率が所定温度上昇率t1よりも小さくなった場合(NOの場合)、S15に進む。
次のS15では、吸着槽100の中間層領域100bの温度センサ142によって検出された温度(信号)を読み込み、前述のS14の処理と同様に中間層領域100bの温度上昇率が予め設定された所定温度上昇率t1よりも大であるか否かをチェックする。このS15において、中間層領域100bの温度上昇率が所定温度上昇率t1よりも大である場合(YESの場合)、上記S14に戻る。
中間層領域100bにおける吸着反応が進むことにより、中間層領域100bにおける吸着剤90の温度が上昇する。そのため、S15において、中間層領域100bの温度上昇率が所定温度上昇率t1よりも小さい場合(NOの場合)、S16に進む。
次のS16では、吸着槽100の上層領域100bの温度センサ141によって検出された温度(信号)を読み込み、前述のS14の処理と同様に上層領域100aの温度上昇率が予め設定された所定温度上昇率t1よりも大であるか否かをチェックする。このS17において、上層領域100aの温度上昇率が所定温度上昇率t1よりも大である場合(YESの場合)、上記S14に戻る。
また、上層領域100aにおける吸着反応が進むことにより、上層領域100aにおける吸着剤90の温度上昇率が徐々に低下し始める。そして、S16において、上層領域100aの温度上昇率が所定温度上昇率t1よりも小くなった場合(NOの場合)、S17に進み、三方弁120を吸着状態から脱着状態に切り替える。
このように、上記S14〜S16で各領域100a〜100cの温度上昇率が所定温度上昇率t1以下になったとき(図3のT2参照)、吸着工程が終了したものと判断して、脱着工程に切り替える。すなわち、三方弁120をbポートとcポートとが連通されるように切り替えて脱着工程にする。
続いて、S18に進み、排気管110の排気弁114を閉弁させ、S19で吸引ポンプ160を起動させて吸着槽100の気体を吸引(減圧)し、次のS20の処理に移行する。これで、脱着工程が開始されると共に、吸引ポンプ160によって吸着槽100内より吸引された脱着燃料成分が冷却ユニット170で冷却されて液化され、地下タンク10に戻される。なお、このS17〜S19による脱着工程の開始は、吸着工程終了直後に圧力センサ62により検出された圧力P(計測値)が予め設定された所定上限圧力PHH(上限値)未満であることを条件として行なうようにしても良い。
また、地下タンク10に貯留されている液体燃料の量を計測するための液面センサを当該地下タンク10に設け、この液面センサより得られる信号(液面高さや液体燃料貯蔵量)を利用して地下タンク10内の上部空間12の大きさ(容量)を計測し、この容量が所定量以上であることを条件として、脱着工程を開始するようにしても良い。
次のS20では、圧力センサ62により検出された圧力P(計測値)が予め設定された所定上限圧力PHH(上限値)以上か否かをチェックする。このS20において、圧力センサ62により検出された圧力P(計測値)が所定圧力PHH(上限値)以上である場合は、S21に進み、吸引ポンプ160の運転を停止状態にする。吸引ポンプ160が停止された状態では、吸着槽100からの吸引が行なわれないため、吸着も脱着も行なわない待機状態になる。
この待機状態においては、吸引ポンプ160が停止しているので、給油が所定回数行なわれて地下タンク10の上部空間12の容積が大きくなるまでは、吸引ポンプ160から吐出された燃料成分が上部空間12に戻されず、上部空間12の圧力上昇を抑制することができ、ベーパが通気管60の安全弁70を介して大気中に放出されることを防止できる。
続いて、S22に進み、圧力センサ62により検出された圧力P(計測値)が予め設定された所定下限圧力PL(下限値)未満か否かをチェックする。計量機40により給油が行なわれることで地下タンク10の液面が低下して上部空間12の容積が増大し、これにより、圧力低下が生じる。そして、圧力センサ62により検出された圧力が予め設定された所定下限圧力PL(下限値)未満に低下すると、脱着工程を開始して問題ないものと判定し(脱着工程開始判定手段)、S22において、圧力センサ62により検出された圧力P(計測値)が予め設定された所定下限圧力PL(中間値)未満に低下した時点でS23に進み、吸引ポンプ160の運転を開始し、吸着槽100における脱着処理を行なう。このとき、地下タンク10の上部空間12の容積が十分あるので、吸引ポンプ160から吐出された燃料成分が地下タンク10に導入されても、それにより生ずる上部空間12内の圧力上昇は低く抑えられるため、上部空間12内の圧力が所定圧力PHH(上限値)に達する可能性はほぼない。
また、上記S20において、圧力センサ62により検出された圧力P(計測値)が所定圧力PHH(上限値)未満である場合は、上記S21〜S23の処理を省略して図4Bに示すS24に進む。
次のS24では、吸着槽100の上層領域100aの温度センサ141によって検出された温度(信号)を読み込み、上層領域100aの温度低下率が予め設定された所定温度低下率Δt1よりも大であるか否かをチェックする。このS24において、上層領域100aの温度低下率が所定温度低下率Δt1よりも大である場合(YESの場合)、S20に戻り、S20以降の処理を行なう。
上層領域100aにおける脱着分離が進むことにより、上層領域100aにおける吸着剤90の温度が低下する。そのため、S24において、上層領域100aの温度低下率が所定温度低下率Δt1よりも小さい場合(NOの場合)、S25に進む。
次のS25では、吸着槽100の中間層領域100bの温度センサ142によって検出された温度(信号)を読み込み、中間層領域100bの温度低下率が予め設定された所定温度低下率Δt1よりも大であるか否かをチェックする。このS25において、中間層領域100bの温度低下率が所定温度低下率Δt1よりも大である場合(YESの場合)、上記S20に戻る。そして、S20以降の処理を行なう。
また、中間層領域100bにおける脱着分離が進むことにより、中間層領域100bにおける吸着剤90の温度が低下する。そのため、S25において、中間層領域100bの温度低下率が所定温度低下率Δt1よりも小さい場合(NOの場合)、S26に進む。
次のS26では、吸着槽100の下層領域100cの温度センサ143によって検出された温度(信号)を読み込み、下層領域100cの温度低下率が予め設定された所定温度低下率Δt1よりも大であるか否かをチェックする。このS26において、下層領域100cの温度低下率が所定温度低下率Δt1よりも大である場合(YESの場合)、S20に戻り、S20以降の処理を行なう。
下層領域100cにおける脱着分離が進むことにより、下層領域100cの吸着剤90の温度が低下する。そのため、S26において、下層領域100cの温度低下率が所定温度低下率Δt1よりも小さい場合(NOの場合)、S27に進む(図3のT3参照)。吸着剤90は、真空状態での脱着分離が限界に達すると温度低下が鈍化する。
このように、上記S24〜S26で各領域100a〜100cの温度低下率が所定温度低下率Δt1以下になったとき、脱着工程(吸着槽100内よりのベーパ(燃料成分)の脱着)の第1段階が終了したものと判断して、パージ制御(脱着工程の第2段階)を行なう。
次のS27では、パージ管116のパージ弁118を開弁させてパージ制御(図3のT3〜T4)を開始する。これにより、圧縮機119によって加圧されたパージガス(圧縮された空気または窒素)が排気口102より吸着槽100の内部に供給される。吸着槽100内は、吸着剤90から脱着された燃料成分が充満しており、排気口102に加圧されたパージガスが導入されると共に、吸着槽100の上部から下部に向かう気流が発生して吸着剤90から脱着された燃料成分がパージされる。そして、吸着槽100からパージされた燃料成分は、吸引ポンプ160によって吸引された脱着ベーパが冷却ユニット170で冷却されて液化され、地下タンク10に戻される。
また、吸着剤90に吸着された燃料成分が残っている場合は、吸着槽100の下部から導入された吸引ポンプ160による負圧と、吸着槽100の上部から導入されたパージガスとの相乗効果により、燃料成分の脱着がより一層促進される。
ここで、上記S20〜S23の処理で実行した地下タンク上部空間容積監視処理を再度実行する。このS28〜S31の処理は、前述したS20〜S23の処理と同じであるので、その説明は省略する。
すなわち、圧力センサ62により検出された圧力P(計測値)が所定圧力PHH(上限値)以上である場合は、吸引ポンプ160の運転を停止させる。これにより、吸着槽100をパージガスにより脱着処理を促進させた後の地下タンク10の上部空間12の圧力を監視して容積不足によるベーパの大気放出を防止することができる。
また、圧力センサ62により検出された圧力P(計測値)が予め設定された所定下限圧力PL(中間値)未満に達した時点で、吸引ポンプ160の運転を再開し、吸着槽100における脱着処理を行なう。
次のS32では、吸着槽100の上層領域100bから燃料成分の脱着分離が進行するため、上層領域100bの温度センサ141によって検出された温度(信号)を読み込み、上層領域100aの温度低下率が予め設定された所定温度低下率Δt2よりも大であるか否かをチェックする。このS32において、上層領域100aの温度低下率が所定温度低下率Δt2よりも大である場合(YESの場合)、S28に戻り、S28以降の処理を行なう。
上層領域100aにおける燃料成分の脱着分離が進むことにより、上層領域100aにおける吸着剤90の温度が低下する。そのため、S32において、上層領域100aの温度低下率が所定温度低下率Δt2よりも小さい場合(NOの場合)、S33に進む。
次のS33では、吸着槽100の中間層領域100bの温度センサ142によって検出された温度(信号)を読み込み、中間層領域100bの温度低下率が予め設定された所定温度低下率Δt2よりも大であるか否かをチェックする。このS33において、中間層領域100bの温度低下率が所定温度低下率Δt2よりも大である場合(YESの場合)、上記S28に戻り、S28以降の処理を行なう。パージガスの供給による吸着槽100における燃料成分の脱着分離が限界に達すると、吸着剤90の温度低下がとまり、外気温に向かって温度が徐々に上昇する。
中間層領域100bにおける燃料成分の脱着分離が進むことにより、中間層領域100bにおける吸着剤90の温度が低下する。そのため、S33において、中間層領域100bの温度低下率が所定温度低下率Δt2よりも小さい場合(NOの場合)、S34に進む。
次のS34では、吸着槽100の下層領域100cの温度センサ143によって検出された温度(信号)を読み込み、下層領域100cの温度低下率が予め設定された所定温度低下率Δt2よりも大であるか否かをチェックする。このS34において、下層領域100cの温度低下率が所定温度低下率Δt2よりも大である場合(YESの場合)、S28に戻り、S28以降の処理を行なう。
下層領域100cにおける燃料成分の脱着分離が進むことにより、下層領域100cの吸着剤90の温度が低下する。そのため、S34において、下層領域100cの温度低下率が所定温度低下率Δt2よりも小さい場合(NOの場合)、S35に進む(図3のT4参照)。
このように、上記S32〜S34で各領域100a〜100cの温度低下率が所定温度低下率Δt2以下になったとき、脱着工程が終了したものと判断して、吸着工程に切り替える。すなわち、三方弁120をaポートとbポートとが連通されるように切り替えて吸着工程にする。
次のS35では、吸引ポンプ160の運転を停止させ、続いて、S36では冷却ユニット170を停止する。S37ではパージ弁118を閉止し、続いてS38では排気弁114を開弁する。この後は、S39で予め設定された所定時間(図2のT4〜T5)が経過したか否かをチェックし、この所定時間が経過する間に吸着槽100の圧力が上昇して大気圧に戻り(図3の終了制御)、前述のS11の処理に移行する。これで、吸着槽100は、吸着剤90の再生が完了して次回の吸着工程が開始される。
このように、制御装置150は、温度センサ141〜143に検出された温度上昇率に基づいて吸着工程が終了したことを判断し、温度センサ141〜143に検出された温度低下率に基づいて脱着工程が終了したことを判断することができるので、地下タンク10におけるベーパの発生量に応じて吸着槽100の吸着工程及び脱着工程の進行状況を確認して吸着工程から脱着工程への切り替えや脱着工程から吸着工程への切り替えを正確に行なうことが可能になり、ベーパ吸着・脱着工程によるベーパに含まれる燃料成分の回収効率をより高めることが可能になる。
従って、吸着槽100における脱着精度が向上するため、吸着剤90の吸着能力を有効に利用することが可能になり、大気中へのベーパの放出量を最小限に減らすことができる。
また、吸着工程と脱着工程を無駄なく実施することができるため、無駄なエネルギの消費を削減してベーパ回収のためのコストを安価に抑えることが可能になる。
さらに、温度センサ141〜143に検出された温度変化に基づいて脱着工程時の脱着状況をモニタすることができるので、パージガスの使用量を最小限に抑えると共に、地下タンク10へのパージガスの流入によるタンク圧力上昇を抑えることができる。
図5はベーパ回収装置の変形例を示すシステム系統図である。尚、図5において、上記実施例と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。図5に示されるように、変形例のベーパ回収装置200は、上記地下タンク10に液面計210を設けた構成になっている。液面計210は、地下タンク210内の液面高さを測定しており、その測定値を液面表示器220に出力する。液面表示器220は、地下タンク10の形状が楕円形であるので、液面高さと貯蔵量とが比例せず、予めメモリに格納された演算式に基づいて液面高さに対応する貯蔵量を演算して表示する。
制御装置150のメモリには、液面表示器220からの貯蔵量から地下タンク10の上部空間容量を演算するための制御プログラムが格納されている。制御装置150では、液面表示器220からの貯蔵量が入力されると、地下タンク10の全容量から貯蔵量を差し引いて上部空間容量を算出する(上部空間容量検出手段)。尚、上部空間容量の算出方法としては、これに限らず、例えば、液面計210により測定された液面高さから液面と地下タンク10の天井内壁までの距離を求め、楕円形とされた地下タンク10の上部内壁と液面との間に囲まれた空間の容積を演算する方法を用いることも可能である。
ここで、変形例の制御装置150が実行する制御処理について図6A、図6Bを参照して説明する。尚、図6A、図6Bにおいて、前述した図4A、図4Bと異なる処理(S20a,S22a,S28a,S30a)についてのみ説明する。
図6AのS20aでは、液面計210により測定された液面高さHが予め設定された所定高さHH以上か否か(または上部空間容量が所定上限容量未満か否か)をチェックする。このS20aにおいて、液面計210により測定された液面高さHが所定高さHH以上である場合(または上部空間容量が所定上限容量未満の場合)は、S21に進み、吸引ポンプ160の運転を停止状態にする。これにより、吸着槽100からの吸引が行なわれないため、吸着も脱着も行なわない待機状態になる。
この待機状態においては、吸引ポンプ160から吐出された燃料成分が上部空間12に戻されず、上部空間12の圧力上昇を抑制することができる。
そして、S22aでは、液面計210により測定された液面高さHが予め設定された所定下限高さHL未満か否か(または上部空間容量が所定下限容量以上か否か)をチェックする。計量機40により給油が行なわれることで地下タンク10の液面が低下して上部空間12の容積が増大する。そして、液面計210により測定された液面高さHが予め設定された所定下限高さHL未満に低下する(または上部空間容量が所定下限容量以上となる)と、脱着工程を開始して問題ないものと判定し(脱着工程開始判定手段)、S22aにおいて、液面計210により測定された液面高さHが予め設定された所定下限高さHL未満に低下した時点(または上部空間容量が所定下限容量以上になった時点)でS23に進み、吸引ポンプ160の運転を開始し、吸着槽100における脱着処理を行なう。
また、図6BのS28a〜S30aは、上記図6AのS20a〜S22aと同じ処理を行なうため、その説明は省略する。
このように、本変形例では、液面計210により測定された液面高さHが所定高さHH以上である場合(または上部空間容量が所定上限容量未満の場合)は、吸引ポンプ160の運転を停止し、液面計210により測定された液面高さHが予め設定された所定下限高さHL未満に低下した場合(または上部空間容量が所定下限容量以上になった場合)、吸引ポンプ160の運転を再開することにより、地下タンク10内の液面高さH(または上部空間容量)に基づき脱着工程の停止、または脱着工程の再開を行なうことができる。
尚、上記実施例では、地下タンクに油液を荷卸しされる構成を一例として挙げたが、これに限らず、地上に設置されたタンクで発生したベーパを回収する場合にも適用することができるのは勿論である。
上記実施例では、通気管60のベーパ回収管80が分岐される位置の圧力を検出するように圧力センサ62を設けたが、これに限らず、地下タンク10の上部空間12の圧力を検出することができれば良いので、地下タンク10の上部に圧力センサを設けても良いし、あるいは地下タンク10に連通されたベーパ回収管80に圧力センサを設ける構成としても良いのは勿論である。
また、上記図4A、図4B及び図6A、図6Bに示す制御処理では、吸引ポンプ160を停止させて脱着工程を停止状態にする制御方法について説明したが、これに限らず、例えば、還流管130に設けた電磁弁を設け、この電磁弁を閉弁させることにより、地下タンク10の圧力上昇を防止する方法を用いても良いし、あるいは弁の開弁により吸引ポンプ160の吸引口と吐出口とを連通して地下タンク10の圧力上昇を防止する方法を用いても良い。
本発明によるベーパ回収装置の一実施例を示すシステム系統図である。 圧力センサ62により測定されたタンク上部空間の圧力変化を示すグラフである。 温度センサ141〜143により測定された吸着工程、脱着工程の温度変化を示すグラフである。 制御装置150が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。 図4Aに示す処理に続いて制御装置150が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。 本発明によるベーパ回収装置の変形例を示すシステム系統図である。 制御装置150が実行する制御処理の変形例を説明するためのフローチャートである。 図5Aに示す処理に続いて制御装置150が実行する制御処理の変形例を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10 地下タンク
20,200 ベーパ回収装置
30 荷卸し管
31 タンクローリ車
34 注油口
40 計量機
50 給液管
60 通気管
62 圧力センサ
70 安全弁
80 ベーパ回収管
90 吸着剤
100 吸着槽
100a 上層領域
100b 中間層領域
100c 下層領域
102 排気口
104 給気口
110 排気管
114 排気弁
116 パージ管
141〜143 温度センサ
150 制御装置
118 パージ弁
119 圧縮機
120 三方弁
130 還流管
160 吸引ポンプ
170 冷却ユニット
210 液面計

Claims (4)

  1. 液体燃料が荷卸しされるタンクと、
    前記液体燃料から蒸発したベーパを吸着するための吸着剤が充填された吸着槽と、
    前記タンク内で発生したベーパを前記吸着槽に供給して前記ベーパに含まれる燃料成分を前記吸着剤に吸着させる吸着工程を行うベーパ回収手段と、
    該吸着槽内と連通し、前記吸着槽で前記ベーパに含まれる燃料成分を除去された気体を当該吸着槽外に排出する気体排出手段と、
    前記吸着槽内と連通し、前記吸着剤から前記燃料成分を脱着する脱着工程を行う脱着手段と、
    該脱着手段により脱着された燃料成分を前記タンクに還流させる還流手段と備えたベーパ回収装置において、
    前記脱着工程を行うためのタンク上部空間容積が十分であるか否かを監視する上部空間容積監視処理手段と、
    前記上部空間容積監視処理手段の監視により脱着工程を行うためのタンク上部空間容積が十分である場合、前記脱着手段による脱着工程を開始し、前記脱着手段による脱着工程が行われている際に前記脱着工程を行うためのタンク上部空間容積が十分でない場合、前記脱着手段による脱着工程を停止させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とするベーパ回収装置。
  2. 前記上部空間容積監視処理手段は、前記タンク上部空間の圧力を検出する圧力検出手段からなり、
    前記制御手段は、前記圧力検出手段により検出された圧力が予め設定された圧力未満になった場合、前記脱着手段による脱着工程を開始し、前記脱着手段による脱着工程が行われている際に前記圧力検出手段により検出された圧力が予め設定された設定圧力以上になった場合、前記脱着手段による脱着工程を停止させることを特徴とする請求項1記載のベーパ回収装置。
  3. 前記上部空間容積監視処理手段は、前記タンク内の上部空間の容量を検出する上部空間容量検出手段からなり、
    前記制御手段は、前記上部空間容量検出手段により検出された上部空間容量が予め設定された所定量未満になった場合、前記脱着手段による脱着工程を開始し、前記脱着手段による脱着工程が行われている際に前記上部空間容量検出手段により検出された上部空間容量が予め設定された所定量以上になった場合、前記脱着手段による脱着工程を停止させることを特徴とする請求項1記載のベーパ回収装置。
  4. 前記脱着手段は、前記吸着槽内の気体を吸引する吸引ポンプからなり、
    前記制御手段は、前記上部空間容積監視処理手段の監視により前記脱着工程を行うためのタンク上部空間容積が十分である場合に、前記吸引ポンプを起動させて前記吸引ポンプにより前記吸着槽内から吸引した気体を前記還流手段を介して前記タンクへ還流させ、前記脱着工程を行うためのタンク上部空間容積が十分でない場合に、前記吸引ポンプを停止させて前記脱着工程を停止させることを特徴とする請求項1に記載のベーパ回収装置。
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