JP6204728B2 - ベーパ回収装置 - Google Patents

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Description

本発明は、揮発性燃料液体を貯留した貯液タンクに付設され、貯液タンクから放出される燃料蒸気(ベーパ)を含んだ気体から燃料蒸気成分を分離・回収して、燃料蒸気成分が除去された気体にしてから外部へ放出するベーパ回収装置に関する。
この種のベーパ回収装置の一例として、特許文献1に記載されているような、ガソリン等の揮発性燃料液体を車輌等の供給対象に供給する燃料供給施設で用いられるベーパ回収装置がある。
特許文献1に記載されたベーパ回収装置では、タンクローリ車から燃料供給施設の貯液タンクへの燃料の荷卸し補給時等、貯液タンクから放出される燃料蒸気を含んだ気体をシリカゲル等の吸着剤が充填されている吸着槽に導入し、吸着槽で燃料蒸気成分(ガソリン等の主成分となる炭化水素:HC成分)を吸着剤に吸着させて分離する吸着処理を行い、燃料蒸気成分が除去された気体にしてから外部へ放出することによって、燃料蒸気を含んだ気体がそのまま大気中に放出されることを防止する構成になっている。また、吸着処理で吸着剤に吸着された燃料蒸気成分は、貯液タンクから放出される燃料蒸気を含んだ気体の導入を断った状態で、燃料蒸気成分を吸着した吸着剤が充填されている吸着槽内の雰囲気を、必要に応じてパージガスを併用しながら負圧状態(極低圧状態)に吸引して、吸着剤に吸着されている燃料蒸気成分を吸着剤から脱着する脱着処理を行い、この脱着した燃料蒸気成分を貯液タンク内に戻す還流処理を行って回収することによって、燃料の無用な損失を抑制する構成になっている。
特許第5123541号(特開2008−237954)
ところで、この種のベーパ回収装置を給油所のような燃料供給施設に適用する場合、例えば、燃料の荷卸し補給時におけるタンクローリ車から貯液タンクへの燃料の荷卸し補給量が毎回同じであれば、ベーパ回収装置は、その一定の荷卸し補給量に見合った吸着剤の量と、吸着槽の大きさはこの量の吸着剤を収容できる大きさで済ますことができるので、ベーパ回収装置を効率的に運用することができる。
しかし、同じ貯液タンクであっても、タンクローリ車から貯液タンクへの燃料の荷卸し補給量は、貯液タンク内の燃料残量や予測需要等に応じて荷卸し補給の都度大きく変動する。具体的に、仮に燃料の荷卸し補給量が毎回同じであったとしても、貯液タンク内の燃料残量や温度等を含めた貯液タンクの状態はその都度一定ではないため、従来のベーパ回収装置では、吸着剤の量や吸着槽の大きさ等の構成は、貯液タンクへの燃料の最大荷卸し補給量や、荷卸し補給時に貯液タンク内の燃料から燃料蒸気が最も放出され易い環境状態等を、事前に想定して決めていた。
これにより、従来のベーパ回収装置は、燃料蒸気成分の回収効果については全く問題ないものの、吸着槽に収容された吸着剤がベーパ回収時に常時全て有効活用されるわけでなく、最大荷卸し補給量や燃料蒸気が最も放出され易い環境状態等だけを考慮して単に吸着剤の量が増え、吸着槽が大型化することで、平時のベーパ回収時における脱着処理時間が長くなるという問題があった。
その結果、従来のベーパ回収装置では、次の荷卸し補給時までの間隔が十分ある場合は、時間をかけて脱着処理を行うことができるが、この荷卸し補給間隔は燃料供給の需要に応じてその都度大きく変化するので、次の荷卸し補給時までの間隔が極端に短くなった場合は、吸着剤は燃料蒸気成分の脱着が十分に行われていない状態で次の荷卸し補給に対応することになり、燃料蒸気成分の回収効果が低下する、という問題も生じる。
このように、荷卸し補給量、貯液タンクの状態、荷卸し補給間隔が大きく変化する場合では、吸着剤の量や吸着槽の大きさは、単に最大荷卸し補給量や燃料蒸気が最も放出され易い環境状態等だけを配慮して決定すれば最良のパフォーマンスを発揮するというわけではなく、その燃料供給施設の状況に応じた吸着剤の量や吸着槽の大きさの選定と、それに対する燃料蒸気成分の回収効果との折り合い点を探る難しさがある。
本発明は、このような問題点を鑑みなされたものであって、燃料蒸気成分の回収効果を低下させることなく平時の脱着処理時間を短縮して、効率的な装置運用をはかることができるベーパ回収装置を提供することを目的とする。
本発明に係るベーパ回収装置は、上述した課題を達成するために、燃料蒸気を含む気体から燃料蒸気成分を吸着して分離する吸着剤が収容されている吸着槽を、吸着槽群として複数備え、貯液タンクへの揮発性燃料液体の荷卸し作業時には、貯液タンクから放出される燃料蒸気を含んだ気体からの燃料蒸気成分の吸着及び回収に、吸着槽群としての複数の吸着槽の中、その燃料蒸気成分の吸着及び回収に必要な数の吸着槽だけを使用するようにしたことを特徴とする。
そのために、本発明に係るベーパ回収装置は、吸着槽群の吸着槽それぞれに設けられ、槽内に収容されている吸着剤の燃料蒸気成分の吸着状況を監視するセンサと、貯液タンクへ揮発性燃料液体を荷卸し補給する荷卸し補給開始当初は、吸着槽群の中の少なくとも1つ以上でかつ全部よりは少ない数の吸着槽に、貯液タンクから放出される燃料蒸気を含んだ気体を導入して燃料蒸気成分の吸着を行わせる一方、センサの出力に基づき、当該燃料蒸気を含んだ気体の導入中の吸着槽それぞれの吸着剤の燃料蒸気成分の吸着状態に応じて、残りの吸着槽に、貯液タンクから放出される燃料蒸気を含んだ気体を導入して燃料蒸気成分の吸着を行わせ、吸着槽群による燃料蒸気成分の吸着を制御する吸着制御手段と、貯液タンクへの揮発性燃料液体の荷卸し補給完了後は、吸着制御手段によって前記貯液タンクから放出される燃料蒸気を含んだ気体が導入された吸着槽それぞれについて、槽内に収容されている燃料蒸気成分を吸着した吸着剤の脱着を行わせ、吸着槽群の燃料蒸気成分の脱着を制御する脱着制御手段とを備えていることを特徴とする。
本発明に係るベーパ回収装置によれば、燃料蒸気成分の回収効果を低下させることなく平時の脱着処理時間を短縮して、効率的な装置運用をはかることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るベーパ回収装置のシステム構成、並びにこのベーパ回収装置が適用された給油所を示した図である。 第1の実施の形態のベーパ回収装置で行われる吸着処理のフローチャートである。 第1の実施の形態のベーパ回収装置で行われる脱着処理のフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るベーパ回収装置のシステム構成、並びにこのベーパ回収装置が適用された給油所を示した図である。 本発明の第3の実施の形態に係るベーパ回収装置のシステム構成、並びにこのベーパ回収装置が適用された給油所を示した図である。 第3の実施の形態のベーパ回収装置で行われる吸着処理のフローチャートである。 第3の実施の形態のベーパ回収装置で行われる脱着処理のフローチャートである。
本発明に係るベーパ回収装置の実施の形態について、燃料供給施設として、車輌等にガソリン等の揮発性燃料液体を補給する給油所に適用した場合を例に、図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るベーパ回収装置のシステム構成、並びにこのベーパ回収装置が適用された給油所の一例を示した図である。
まず、燃料供給施設としての給油所100について説明しておく。
給油所100の敷地面地下には、ハイオクガソリン,レギュラーガソリン等といった供給液種に対応させて、貯液タンク110が埋設されている。一方、給油所100の敷地面上の、車輌等の燃料供給対象への給油作業(燃料供給作業)が行われる給油エリア(燃料供給エリア)には、車輌等に燃料油液を給液するための給油機(燃料供給機)120が設置されている。なお、図1では、説明簡便のため、1基の貯液タンク110に対して1台の給油機120が設置された給油所100を図示したが、給油所100における貯液タンク110及び給油機120の配置構成は、図示の例に限定されない。
このような給油所100において、貯液タンク110と給油機120とは、敷地面地下に延設された燃料供給配管130を介して連通接続されている。燃料供給配管130の貯液タンク側は、貯液タンク110のタンク内下部において開口し、貯液タンク内の燃料液量が少量である場合でも、貯液タンク内の燃料油液が占める部分である液相部分Lに連通開口するようになっている。これに対し、燃料供給配管130の給油機側は、給油機本体内に設けられたポンプ(図示省略)の吸い込み側に連通されている。これにより、給油機120は、燃料供給配管130を介して、貯液タンク110に貯留された燃料油液をポンプにより汲み上げ可能になっている。
給油作業では、給油作業者(燃料供給作業者)は、給油機本体から延びる給油ホース先端の給油ノズル(図示省略)を操作して、車輌等に燃料油液を供給する。その際、給油機120は、給油作業者による給油ノズルの所定操作に応じて、貯液タンク内に貯留されている燃料油液を燃料供給配管130を介してポンプによって汲み上げ、同じく給油機本体内に設けられた流量計(図示省略)を介して、給油ホース先端の給油ノズルに送液する。給油ノズルから車輌等に供給された燃料液量は、流量計により計測され、演算制御部(図示省略)によりこの計測出力に基づいて給油量(燃料供給量)が演算され、給油機本体に設けられた表示器(図示省略)に表示される。
したがって、給油所100では、貯液タンク110に貯留されている燃料油液は、燃料供給配管130を介して連通接続された給油機120を用いて、車輌等の燃料供給対象に対する給油作業が実施される都度、その給油量分だけ液量が減少することになる。
そこで、給油所100における給油作業の邪魔にならない敷地面適所には、給油作業の実施によって減少する貯液タンク内の燃料油液を補給するための注油口(注液口)140が配置されている。注油口140は、敷地面地下を延設された注液管150を介して、対応する貯液タンク110のタンク内と連通している。そして、注油口140は、油槽所からハッチ(区画室)に補給燃料油液を積載して移送してきたタンクローリ車200から燃料油液の荷卸し補給を受けるため、タンクローリ車200に備えられた荷卸しホース210の注油口側の接続端が着脱自在に接続可能な構成になっている。また、注油口140は、タンクローリ車200からの燃料油液の荷卸し作業時以外は、蓋体(図示省略)によって閉塞され、貯油タンク110のタンク内上部の燃料蒸気を含んだ気体からなる気相部分Gの雰囲気を、注油口140から外部に放出させないようになっている。
タンクローリ車200のハッチから貯油タンク110に、燃料油液の荷卸し補給を行う際は、注油口140は、その蓋体が取り外されて開放される。タンクローリ車200の補給する燃料油液が積載された該当ハッチに連通する荷卸し口との間は、荷卸しホース210によって接続される。この荷卸しホース210を介した接続状態で、タンクローリ車200における該当ハッチの底面の液排出口に設けられたハッチ底弁、及び荷卸し口に設けられた荷卸し弁をそれぞれ開弁操作することによって、タンクローリ車200の該当ハッチに積載された燃料油液が貯液タンク110へ流入するようになっている。したがって、貯液タンク110に貯留されている燃料油液の液量は、タンクローリ車200のハッチに積載され移送されてきた燃料油液の荷卸し補給を注液口140を介して受ける度、その荷卸し液量分(補給液量分)ずつ増加することになる。
このように、貯液タンク110の液量は、燃料油液の荷卸し作業や供給対象への給油作業の実施によって増減し、貯液タンク内部における液相部分Lと気相部分Gとの境界に係る、貯液タンク内の液面高さ位置も、貯留液量に応じて変位する。そして、貯液タンク110のタンク内の圧力も、貯留液量の増減、すなわち液相部分Lの増減に応じて上昇/下降変化し、気相部分Gの燃料蒸気を含んだ雰囲気の圧力も変化する。
そのため、貯液タンク110には、このような燃料油液の荷卸し補給時や給油機120を用いた給油作業の繰り返しによる貯留液量の増減変化、貯液タンク内の温度変化、等によってその気相部分Gの雰囲気の圧力が異常な高圧や低圧にならないようにするため、通気管160が設けられている。通気管160は、一側が貯液タンク内の気相部分Gに連通開口する一方、他側が敷地高所(例えば、地上4メートル)に延び、通気弁170を介して、大気雰囲気中に通気孔180として開放開口されている。
通気弁170は、ブリーザーバルブとして、通気管160の内圧、すなわち貯液タンク110の気相部分Gの雰囲気の圧力が、基準圧としての大気圧に対して所定値以上の差圧を生じると開弁し、貯液タンク110の気相部分Gの雰囲気の圧力を調整するようになっている。具体的に、燃料油液の荷卸し補給時や貯液タンク内の温度上昇等によって貯液タンク110の気相部分Gの雰囲気の圧力が大気圧に対して所定値以上高くなると、通気弁170が開弁して、貯液タンク内の圧力が異常に高圧にならないようにその気相部分Gの雰囲気の一部を外部に放出する。また、給油機120を用いた給油作業の繰り返しや貯液タンク内の温度低下等によって貯液タンク110の気相部分Gの雰囲気の圧力が大気圧に対して所定値以上低くなったときも、通気弁170が開弁して、貯液タンク内の圧力が異常に低圧にならないように外部から給気する。なお、この通気弁170の開弁による放出及び給気に関係し、通気弁170が開弁する際の大気圧に対する差圧の所定値の大きさ(大気圧に対する正圧及び負圧を考慮しない絶対値としての所定値)は、貯液タンク110の気相部分Gの雰囲気の圧力が高圧である場合と低圧である場合とで異なる値であってよい。
ところが、その一方で、通気弁170が貯液タンク内の圧力上昇を抑制するために頻繁に圧力調整を行うようにすると、貯液タンク110の気相部分Gの雰囲気の圧力が大気圧に対して僅かながら上昇するだけで気体通気弁170が開弁し、気相部分Gの雰囲気を形成する燃料蒸気を含んだ気体が通気孔180から大気中に頻繁に放出されてしまうことになる。
特にタンクローリ車200からの燃料油液の荷卸し補給時は、貯液タンク110のタンク内部の圧力は、燃料油液の荷卸し補給量に対応した貯留液量の増量変化に応じて上昇するので、通気弁170が開弁する際の大気圧に対する差圧の所定値の大きさが適当でないと、貯液タンク110へ燃料油液の荷卸し補給が行われている間、通気弁170が開弁し続けることになり、燃料油液の荷卸し補給時における貯液タンク内の圧力上昇は抑制できるものの、通気孔180からは、貯留液量の増量変化に応じて縮小する気相部分Gの燃料蒸気を含んだ気体が一度に大量に外部に放出されることになる。
このような、タンクローリ車200からの燃料油液の荷卸し補給時における通気孔180からの燃料蒸気を含んだ気体の放出は、環境汚染の原因になるばかりか、荷卸し補給を受ける燃料総量が多い燃料供給施設にとっては、この放出されてしまった気体に含まれる燃料蒸気の総量も無視できない液量となり、荷卸し補給を受けた燃料の無用な損失に繋がってしまう。
そこで、給油所100では、貯液タンク110にベーパ回収装置10を付設し、このベーパ回収装置10によって、従来、タンクローリ車200からの燃料の荷卸し作業時に、気相部分Gの縮小に伴って通気管160の通気孔180からそのまま外部に放出していた燃料蒸気を含んだ気体から、燃料蒸気成分を分離して回収し、燃料蒸気成分が除去された気体にしてから外部に放出する一方、その際に回収した燃料蒸気成分は貯液タンク内に戻すようにしている。
次に、上述した構成からなる給油所100に適用された、本実施の形態に係るベーパ回収装置10(10-1)のシステム構成について、同じく図1に基づいて説明する。
ベーパ回収装置10は、吸着剤25がそれぞれ内部に充填されている複数の吸着槽(回収槽)21を備えた吸着槽群20を有する。図示の例では、吸着槽群20は、2つの吸着槽21(21-1,21-2)を有して構成されている。各吸着槽21は、導入・還流口22、排気・給気口23を備え、吸着剤25が充填された槽内は、導入・還流口22、排気・給気口23を介して槽外と連通する構成になっている。
導入・還流口22は、吸着剤25に燃料蒸気成分を吸着させるために燃料蒸気を含んだ気体を槽内に導入する一方、吸着剤25に燃料蒸気成分が吸着された槽内を吸引して、吸着剤25から脱着された燃料蒸気成分を槽内から導出するためのものである。
これに対し、排気・給気口23は、槽内の吸着剤25によって燃料蒸気成分が吸着されて除去された導入気体を槽内から導出させる一方、吸着剤25に吸着されている燃料蒸気成分を脱着する際にパージ用のガスを槽内へ導入したり、脱着により負圧状態になっている槽内へ脱圧用の気体を導入するためのものである。
これにより、各吸着槽21では、導入・還流口22を介して槽内に導入された燃料蒸気を含んだ気体は、その燃料蒸気成分が吸着剤25に吸着されて分離される。その際、燃料蒸気成分が除去された気体は、排気・給気口23を介して槽外に排出される。これに対し、吸着剤25に吸着された燃料蒸気成分は、導入・還流口22からの燃料蒸気を含んだ気体の導入、及び排気・給気口23からの燃料蒸気成分が除去された気体の放出を断った状態で、導入・還流口22を介して槽内を真空吸引することにより、吸着剤25から脱着させられ、導入・還流口22から槽外に排出される。
吸着剤25は、例えば多孔質のシリカゲル等からなり、その微小な孔に燃料蒸気を含んだ気体の燃料蒸気成分(炭化水素:HC成分)を吸着(化学的吸着と物理的吸着)する。吸着剤25は、燃料蒸気成分を吸着する際に熱を発し、吸着された燃料成分を脱着する際に熱を奪う。吸着剤25には、シリカゲル、ゼオライト,吸着ガスの脱着が可能な活性炭(例えば、メソフェーズ活性炭)等のような、燃料蒸気成分を分離可能な物質が利用可能である。
その上で、各吸着槽21(21-1,21-2)には、貯液タンク110に対する燃料油液の荷卸し作業の際に、貯液タンク110から放出される燃料蒸気の最大量を吸着可能な量vmaxよりも少ない量vmの吸着剤25が充填されて収容され、これに伴い、各吸着槽21は、貯液タンク110に対する燃料油液の荷卸し作業の際に放出される燃料蒸気の最大量を吸着可能な量vmaxの吸着剤25を槽内に収容する場合に対して、その容量の小型化が図られている。なお、貯液タンク110から放出される燃料蒸気の最大量を吸着可能な量vmaxは、特定の給油所の一の貯液タンク110を基に設定された値であっても、ベーパ回収装置10が適用される可能性がある不特定の貯液タンク110を想定して適宜設定された値であってもよい。
その一方で、吸着槽群20は、各吸着槽21-mそれぞれに収容されている吸着剤25の量vmの合計量Σvmが、貯液タンク110への燃料油液の荷卸し作業の際に放出される燃料蒸気の最大量を吸着可能な吸着剤25の量vmax以上になっている。
すなわち、
各吸着槽21-mの容量をVm(m=1,2,…)、
各吸着槽21-mに収容されている吸着剤25の量をvm(m=1,2,…)
とし、貯液タンク110への燃料油液の荷卸し作業の際に放出される燃料蒸気の最大量を吸着可能な吸着剤25の量をvmax、このvmaxの量の吸着剤25を一括して収容するための吸着槽の容量をVmaxとすると、各吸着槽21-mそれぞれに収容されている吸着剤25の合計量Σvmは、
Σvm = v1+v2…+vm
となり、
vmax ≦ Σvm
となる。
このように、吸着槽群20における吸着槽21-mそれぞれに収容されている吸着剤25の合計量Σvmは、貯液タンク110への燃料油液の荷卸し作業の際に放出される燃料蒸気の最大量を吸着可能な吸着剤25の量vmax以上であっても、いずれの吸着槽21-mも、その容量Vmは、貯液タンク110への燃料油液の荷卸し作業の際に放出される燃料蒸気の最大量を吸着可能な吸着剤25の量vmaxを一括して収容するための吸着槽の容量Vmaxよりも小さくなっている。
Vm < Vmax
なお、その際、吸着槽21-mそれぞれの大きさVm、及びその内部に充填され、収容されている吸着剤25の量vmは、吸着槽相互で同一であっても、相違していてもよい。
その上で、吸着槽21-mそれぞれには、槽内に収容されている吸着剤25の燃料蒸気成分の吸着状態を監視する等のため、図示のように、槽内における燃料蒸気成分(炭化水素:HC成分)の濃度を計測する濃度計27や、槽内に収容されている吸着剤25の温度を測定する温度計28や、槽内の雰囲気の圧力を計測する圧力計29が設けられている。濃度計27は、炭化水素濃度センサを有し、吸着槽21-mの槽内の雰囲気に含まれるHC成分の濃度を計測する。温度計28は、熱電対,測温抵抗体,或いはサーミスタ等を有し、吸着槽21-mの槽内の上層領域、中間層領域、下層領域それぞれに収容されている吸着剤25の温度を計測する。圧力計29は、圧力伝送器(絶対圧圧力計)によって構成されている。
本実施の形態では、各吸着槽21(21-1,21-2)は、各吸着槽21(21-1,21-2)の導入・還流口21がそれぞれ専用のベーパ回収管41(41-1,41-2)の他端、及び専用の燃料蒸気還流管51(51-1,51-2)の一端に連通接続される一方、排気・給気口23がそれぞれ専用の給排気管61(61-1,61-2)の一端に連通接続された構成になっている。
各ベーパ回収管41(41-1,41-2)は、一端が通気管160の通気弁170よりも貯液タンク側の管路部分に連通接続され、途中に開閉バルブからなる導入バルブ42が配設された構成になっている。
導入バルブ42は、その開閉に応じて、対応するベーパ回収管41を連通/遮断する。導入バルブ42は、例えば電磁作動式若しくは空気圧作動式の開閉弁によって構成され、後述する制御部90からの作動制御信号に応じて開閉駆動する。導入バルブ42は、対応する吸着槽21に対して、貯液タンク110の気相部分Gの雰囲気の導入/導入停止をその開閉に応じて行う。
各燃料蒸気還流管51(51-1,51-2)は、他端が通気管160の通気弁170よりもタンク側の管路部分に接続され、途中に開閉バルブからなる還流バルブ52、真空ポンプ(吸引ポンプ)53が配設された構成になっている。
還流バルブ52は、その開閉に応じて、対応する燃料蒸気還流管51を連通/遮断する。還流バルブ52は、例えば電磁作動式若しくは空気圧作動式の開閉弁によって構成され、制御部90からの作動制御信号に応じて開閉する。還流バルブ52は、対応する吸着槽21に対して、吸着剤25に吸着された燃料蒸気成分を脱着するため槽内の吸引/吸引停止をその開閉に応じて行う。
真空ポンプ53は、その吸引側が還流バルブ52を介して吸着槽21の導入・還流口22と連通されている状態で、その駆動により、吸引ポンプとして、対応する吸着槽の吸着剤25が収容された槽内の雰囲気を吸引する。真空ポンプ53は、制御部90からの作動制御信号に応じて駆動/駆動停止する。
各給排気管61(61-1,61-2)は、他端が敷地高所(例えば、地上4メートル)に延び、大気雰囲気中に通気孔62として開放開口され、途中に開閉バルブからなる給排バルブ63が配設された構成になっている。
給排バルブ63は、その開閉に応じて、対応する給排気管61を連通/遮断するとともに、開弁量に応じて単位時間当たりの気体の通過流量を調整できるようにもなっている。給排バルブ63は、例えば電磁作動式、空気圧作動式、或いはモーター駆動等による流量調整機能を備えた開閉弁によって構成され、制御部90からの作動制御信号に応じて開閉する。給排バルブ63は、対応する吸着槽21の槽内を槽外の大気雰囲気中に対して連通/遮断し、吸着槽21の槽内で吸着剤25により燃料蒸気成分を除去された気体の外部に対する放出/放出停止や、負圧状態になっている吸着槽21の槽内へ脱圧のための大気雰囲気の導入/導入停止を、その開閉に応じて行う。
このように、本実施の形態に係るベーパ回収装置10では、燃料蒸気を含む気体から燃料蒸気成分を吸着して分離する吸着剤25が、貯液タンク110に対する揮発性燃料液体の荷卸し作業の際に放出される燃料蒸気の最大量を吸着可能な量vmaxよりも少ない量vmで収容され、吸着剤25の燃料蒸気成分の吸着状態を監視するセンサ27/28が設けられた吸着槽21-mが、それぞれの吸着槽21-mに収容されている吸着剤25の合計量Σvmが貯液タンクへの揮発性燃料液体の荷卸し作業の際に放出される燃料蒸気の最大量を吸着可能な吸着剤25の量(vmax ≦ Σvm)となるように、所定数(m=1,2,…)だけ、貯液タンク110の気相部分Gに連通した通気管160に対して、並列に接続されて設けられている。
そして、この複数の吸着槽21-mを通気管160に対して並列に接続するにあたっては、吸着槽21-mそれぞれ個別に、導入バルブ42が配設されたベーパ回収管41を用い、吸着槽21-mそれぞれ個別に、貯液タンク110から放出される燃料蒸気を含んだ気体を導入できる構成になっている。
なお、図示の例では、ベーパ回収管41は、通気管160を介して貯液タンク110の気相部分Gに連通する構成としたが、吸着槽20-mの導入口(図示の例では、導入・還流口22)と貯液タンク110の気相部分Gとの間を連通するものであれば、図示の接続構成に限定されない。
その上で、このような構成からなるベーパ回収装置10には、各部の作動制御を装置全体として管理して行うための制御部90が設けられている。制御部90は、例えば、CPU,メモリ等を含むマイクロコンピュータによって構成されている。
制御部90は、上述した吸着槽21-mそれぞれの、槽内に収容されている吸着剤の燃料蒸気成分の吸着状態を監視するセンサ27/28の検出出力等を基にして、吸着槽21-mそれぞれのベーパ回収管41の導入バルブ42や、燃料蒸気還流管51の還流バルブ52,真空ポンプ53、等といった各部を作動制御して、ベーパ回収装置10の吸着処理、及び脱着処理の実行制御を行う。
図2は、本実施の形態のベーパ回収装置で行われる吸着処理のフローチャートである。
図3は、本実施の形態のベーパ回収装置で行われる脱着処理のフローチャートである。
なお、吸着処理及び脱着処理の説明に当たり、図1に示したベーパ回収装置10では、吸着槽21-1,21-2それぞれの、燃料蒸気を含む気体の燃料蒸気成分の吸着に用いる優先順が、吸着槽21-2よりも吸着槽21-1が高く設定されているものとして説明する。
ベーパ回収装置10は、吸着処理の開始に当たって、制御部90は、貯液タンク110の気相部分Gに連通した通気管160に対して互いに並列に接続された複数の吸着槽21-1,21-2の中、優先順が高い吸着槽21-1について、その槽内に収容されている吸着剤25によって燃料蒸気成分が除去された気体が槽外の大気雰囲気中に放出されるように、給排気管61の給排バルブ63を開弁する一方、優先順が低い吸着槽21-2については、その槽内が槽外の大気雰囲気中に連通しないように、給排気管61-2の給排バルブ63を閉弁状態にしておく(ステップS101)。
また、制御部90は、このステップS101での給排バルブ63の制御と併せて、優先順が高い吸着槽21-1について、その吸着剤25が収容されている槽内に貯液タンク110の気相部分Gから放出された燃料蒸気を含んだ気体が導入するように、ベーパ回収管41-1の導入バルブ42を開弁する一方、優先順が低い吸着槽21-2については、その吸着剤25が収容されている槽内に貯液タンク110の気相部分Gから放出された燃料蒸気を含んだ気体が導入しないように、ベーパ回収管41の導入バルブ42を閉弁状態にしておく(ステップS102)。
その際、複数の吸着槽21-1,21-2それぞれの燃料蒸気還流管51-1,51-2に配設された各還流バルブ52については、それ以前に行われた図3に示す脱着処理により、吸着処理の開始当初は閉弁されているものとする。
このようなステップS101,S102からなる一連の処理によって、予め優先順が高く設定されている一方の吸着槽21-1では、導入・還流口22は、開弁状態の導入バルブ42により、ベーパ回収管41-1を介して貯液タンク110の気相部分Gと連通する一方、排気・給気口23は、開弁状態の給排バルブ63により、給排気管61-1を介して外部雰囲気と連通された状態になる。
これに対し、予め優先順が低く設定されている他方の吸着槽21-2では、その導入・還流口22は、閉弁状態の導入バルブ42及び還流バルブ52により、貯液タンク110の気相部分Gとのベーパ回収管41-2又は燃料蒸気還流管51を介した連通が遮断される一方、排気・給気口23は、閉弁状態の給排バルブ63により、外部雰囲気との給排気管61-2を介した連通が遮断された状態になる。
これにより、吸着処理では、タンクローリ車200からの燃料油液の荷卸し補給が未だ行われていない荷卸し待機状態では、吸着剤25の脱着が済み、槽内の脱圧が完了した吸着槽21-1,21-2の中、優先順が高い吸着槽21-1についてだけ、ベーパ回収管41-1の導入バルブ42及び給排気管61-1の給排バルブ63が開弁状態になっている。
その結果、この荷卸し待機状態において、貯液タンク内の温度上昇変化によって気相部分Gの雰囲気が圧力上昇し、その圧力上昇した気相部分Gの燃料蒸気を含んだ気体が導入された場合は、ベーパ回収装置10は、優先順が高い吸着槽21-1を用いて、燃料蒸気成分を吸着・回収できるようになっている。
本実施の形態のベーパ回収装置10では、このような荷卸し待機状態において、制御部90は、タンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給が開始されたか否かを、例えば吸着槽21-1に備えられた濃度計27及び/又は温度計28の計測出力を基に監視している(ステップS103)。
ここで、燃料油液の荷卸し補給が開始されると、貯液タンク内の貯留液量が増量変化し、気相部分Gの圧力が上昇するのに伴い、気相部分Gの燃料蒸気を含んだ気体がベーパ回収管41-1を介して吸着槽21-1に導入される。この燃料油液の荷卸し補給の際の気相部分Gの圧力上昇は、貯液タンク内の貯留液量が増量変化している短期間で生じるため、貯液タンク内の温度上昇変化の場合に比し、吸着槽21-1に導入される燃料蒸気の単位時間当たりの導入量は多くなる。そこで、制御部90は、濃度計27の濃度測定値及び/又は温度計28の温度測定値を基に、例えばその測定値の単位時間変化が所定の開始判定値よりも大きくなった場合には、タンクローリ車200からの燃料油液の荷卸し補給が開始されたと判別する。また、その後、例えばその計測出力の時間変化が所定の終了判定値よりも小さくなった場合には、タンクローリ車200からの燃料油液の荷卸し補給が終了されたと判別する。
なお、本実施の形態では、タンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の開始及び終了を、制御部90が、吸着槽21-1,21-2それぞれの槽内に収容されている吸着剤25の燃料蒸気成分の吸着状態を監視する濃度計27又は温度計28の計測出力を基に検出する構成としたが、例えば、吸着槽21-1,21-2それぞれの槽内の雰囲気の圧力を計測する圧力計29の測定値の単位時間変化や、貯液タンク110に備えられている液面計(液量計)の計測出力を利用してその液量変化を基に検出することも可能である。
タンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給が開始され、ベーパ回収装置10では、制御部90が、貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給が開始されたのを検出すると、例えば吸着槽21-1に備えられた濃度計27及び/又は温度計28の計測出力を基に、吸着槽21-1の吸着剤25がそれまでの燃料蒸気成分の吸着によって燃料蒸気成分の回収能力が低下してきていないか否か(ステップS104)、或いは貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給が終了したか否か(ステップS105)を検出する。
具体的に、制御部90は、HC成分の濃度を計測する濃度計27の濃度測定値、又は吸着槽21-1に充填された吸着剤25の温度を測定する温度計28の温度測定値が、予め設定されている性能低下判定値に達したか否かに基づいて、吸着剤25の燃料蒸気成分の吸着性能低下を判定する。なお、吸着剤25の燃料蒸気成分の吸着性能低下の判定の仕方は、上述のような濃度測定値や温度測定値に基づく判定の仕方に限定されるものではなく、例えば、吸着槽21-1内に導入される燃料蒸気を含んだ気体の導入量が性能低下判定値に達した場合や、吸着槽21-1内への燃料蒸気を含んだ気体の導入が開始(荷卸しが開始)されてからの荷卸し補給中の時間が所定時間経過したことをもって、吸着剤25の燃料蒸気成分の吸着性能低下が生じていると判定してもよい。
ここで、制御部90は、貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給が未だ終了せず、吸着槽21-1に充填された吸着剤25の燃料蒸気成分の吸着性能低下を検出した場合は(ステップS104)、このままでは、吸着槽21-1の導入・還流口22から槽内に導入されている貯液タンク110からの燃料油液を含んだ気体が、吸着性能が低下してきた吸着剤25によって燃料蒸気成分が十分に除去されないまま、排気・給気口23から給排気管61を介して放出されてしまうことになるので、貯液タンク110からの燃料油液を含んだ気体の導入先を、燃料油液を含んだ気体が現在導入されている吸着槽21-1から、優先順が次の吸着槽21-2に切り換える。
この場合、制御部90は、吸着性能が低下してきた現在の導入先の吸着槽21-1に係り、そのベーパ回収管41-1の導入バルブ42を閉弁するとともに、給排気管61-1の給排バルブ63を閉弁する(ステップS106)。すなわち、吸着槽21-1は、導入・還流口22が貯液タンク110の気相部分Gとの連通を遮断されるとともに、排気・給気口23が外部雰囲気との連通を遮断される。これにより、吸着性能が低下してきた吸着槽21-1には、貯液タンク110の気相部分Gからの燃料油液を含んだ気体の導入が行われなくなり、燃料油液を含んだ気体が燃料蒸気成分が十分に除去されないまま給排気管61-1の通気孔62から外部に放出されてしまうのを防ぐことができる。
また、制御部90は、吸着処理の開始当初から吸着槽21-1を用いて行ってきた燃料蒸気成分の吸着をステップS106で停止させるのと同時に、優先順が次の吸着槽21-2に係り、そのベーパ回収管41-2の導入バルブ42を開弁するとともに、給排気管61-2の給排バルブ63を開弁する(ステップS107)。すなわち、吸着槽21-2は、導入・還流口22が貯液タンク110の気相部分Gと連通されるとともに、排気・給気口23が外部雰囲気と連通される。これにより、今度は、現在まで用いられずに、吸着性能が低下していない吸着槽21-2の導入・還流口22に、貯液タンク110の気相部分Gからの燃料蒸気を含んだ気体が導入され、燃料油液を除去された気体が給排気管61-2の通気孔62から外部に放出されるようになり、燃料蒸気成分の吸着及び回収性能が損われることなく、燃料蒸気成分の吸着及び回収を継続して行うことができる。
その際には、制御部90は、今回のタンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給で、優先順位が上位の吸着槽21-1だけでなく、優先順位が下位の吸着槽21-2も燃料蒸気成分の吸着及び回収に使用されたことを記憶しておくようになっている(ステップS108)。
その後は、図示の例では、吸着槽21-1,21-2それぞれに収容されている吸着剤25の合計量Σvmは、貯液タンク110への燃料油液の荷卸し作業の際に放出される燃料蒸気の最大量を吸着可能な吸着剤25の量vmax以上になっているので、制御部90は、貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給が終了したか否かを監視する(ステップS109)。
制御部90は、貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の終了を、例えば吸着槽21-1に備えられた濃度計27及び/又は温度計28の計測出力を基に前述したようにして検出すると、貯液タンク110の気相部分Gから放出される燃料蒸気を含んだ気体の現在の導入先である吸着槽21-2に係り、ベーパ回収管41-2の導入バルブ42を閉弁するとともに、給排気管61-2の給排バルブ63を閉弁する(ステップS110)。すなわち、吸着槽21-2は、導入・還流口22が貯液タンク110の気相部分Gとの連通を遮断されるとともに、排気・給気口23が外部雰囲気との連通を遮断される。
これにより、タンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の際に、荷卸し補給量や環境状態等の関係で、貯液タンク110の気相部分Gから燃料蒸気を含んだ気体がベーパ回収装置10に平時に比べて多く導入する場合であっても、ベーパ回収装置10は、制御部90がステップS103〜105,S106〜110に示した処理を実行することによって、吸着槽21-1及び吸着槽21-2を順次用いて、導入気体に含まれる燃料蒸気成分を確実に回収することができる。
一方、前述したステップS105で、優先順位が上位の吸着槽21-1に充填された吸着剤25の燃料蒸気成分の吸着性能低下が検出されることなく、貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の終了を検出した場合は、制御部90は、貯液タンク110の気相部分Gから放出される燃料蒸気を含んだ気体の現在の導入先である吸着槽21-1に係り、ベーパ回収管41-1の導入バルブ42を閉弁するとともに、給排気管61-1の給排バルブ63を閉弁する(ステップS120)。すなわち、吸着槽21-1は、導入・還流口22が貯液タンク110の気相部分Gとの連通を遮断されるとともに、排気・給気口23が外部雰囲気との連通を遮断される。
これにより、タンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の際に、荷卸し補給量や環境状態等の関係で、貯液タンク110の気相部分Gから燃料蒸気を含んだ気体がベーパ回収装置10に平時に比べて多く導入せずに済んだ場合は、ベーパ回収装置10は、吸着槽21-1及び吸着槽21-2を順次用いることなく、優先順位が上位の吸着槽21-1だけを用い、導入気体に含まれる燃料蒸気成分を確実に回収することができる。そして、この場合は、優先順位が下位の吸着槽21-2に収容されている吸着剤25は、それ以前に行われた図3に示す脱着処理によって、燃料蒸気成分が吸着されていない状態のままにしておくことができる。
このようにして、ベーパ回収装置10は、燃料油液の荷卸し補給の際に貯液タンク110の気相部分Gから導入される燃料蒸気を含んだ気体の燃料蒸気成分の吸着処理を終了すると、ベーパ回収装置10は、図3に示すようにして、制御部90が脱着処理を行う。
ベーパ回収装置10は、脱着処理を開始するに当たり、制御部90が、吸着槽21-1,吸着槽21-2それぞれの吸着剤25に吸着されている燃料蒸気成分の脱着が可能であるか否かを確認する(ステップS131)。
この確認は、燃料油液の荷卸し補給直後の、貯液タンク110の気相部分Gの圧力が未だ高い状態や気相部分Gの容量が小さな状態で脱着処理を行っても、この脱着処理後の吸着処理の開始当初に、脱着処理によって貯液タンク110に還流された燃料蒸気成分が再び吸着槽に導入されて吸着剤で吸着されてしまい、脱着処理が効果的に行われないのを防ぐために行う。
そのために、制御部90は、例えば、図1のステップS110,S120に示した燃料油液の荷卸し補給が行われた場合の吸着処理の終了後、その後に給油機120を用いて行われたた給油作業により気相部分Gの容量が拡大して貯液タンク110の気相部分Gの圧力が下がって脱着処理が効果的に行えるようになったのを、例えば、吸着処理の終了後からの所定時間の経過等によって確認する。
ステップS131で、吸着槽21-1,吸着槽21-2それぞれの脱着が可能であることを確認すると、制御部90は、最先に行ったタンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の際の図2に示した吸着処理で、優先順位が上位の吸着槽21-1だけではなく、優先順位が下位の吸着槽21-2も用いて燃料蒸気を含んだ気体の燃料蒸気成分の吸着を行った否かを、優先順位が下位の吸着槽21-2に係る使用有無の記憶を参照して確認する(ステップS132)。
この確認により、ベーパ回収装置10では、最先に行ったタンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給時の吸着処理が、優先順位が上位の吸着槽21-1及び優先順位が下位の吸着槽21-2の両方を用いて行われた場合は、ステップS133〜S139に示す手順で、吸着槽21-1,21-2それぞれに収容されている吸着剤25について燃料蒸気成分の脱着を行う一方、優先順位が上位の吸着槽21-1だけを用いて行われた場合は、ステップS140〜S146に示す手順で、吸着槽21-1に収容されている吸着剤25についてのみ吸着した燃料蒸気成分の脱着を行う。
ベーパ回収装置10では、吸着槽21-1,21-2それぞれに収容されている吸着剤25について燃料蒸気成分の脱着を行う場合は、吸着槽21-1,21-2の燃料蒸気還流管51-1,51-2それぞれに設けられた還流バルブ52を開弁する(ステップS133)。これにより、吸着槽21-1,21-2それぞれの導入・還流口22は、燃料蒸気還流管51-1,51-2を介して貯液タンク110と連通されることになる。
なお、この状態では、図示の例では、図2のステップS106,S110、S120に示した燃料油液の荷卸し補給が行われた場合の吸着処理の終了時において、ベーパ回収管41-1,41-2それぞれに設けられた導入バルブ42や、給排気管61-1,61-2それぞれに設けられた給排バルブ63は閉弁状態になっている。
ベーパ回収装置10では、このような吸着槽21-1,21-2の状態で、制御部90は、燃料蒸気還流管51-1,51-2それぞれに設けられた真空ポンプを起動する(ステップS134)。これにより、吸着槽21-1,21-2それぞれの、吸着剤25が収容されている槽内の雰囲気が吸引され、吸着剤25に吸着された燃料蒸気成分の真空脱着が行われる。
ベーパ回収装置10では、吸着槽21-1,21-2それぞれの槽内の雰囲気の吸引が開始されると、制御部90が、吸着槽21-1,21-2それぞれに設けられた圧力計29の測定出力を基に、槽内の圧力が所定圧力よりも低くなったか否かを監視する(ステップS135)。
そして、制御部90は、槽内の圧力が所定圧力よりも低くなったのを検出すると、吸着槽21-1,21-2それぞれの給排気管61-1,61-2それぞれに設けられた給排バルブ63は開弁状態にする(ステップS136)。これにより、負圧状態の吸着槽21-1,21-2それぞれの槽内には排気・給気口23から給排気管61-1,61-2を介して外部の大気雰囲気がパージガスとして導入され、吸着剤25に吸着された燃料蒸気成分のパージ脱着を行う。
その後、制御部90は、吸気剤25に吸着された燃料蒸気成分の脱着が終了したか否かを確認する(ステップS137)。制御部90は、この脱着の終了を、例えば、ステップS133,S134に示した真空脱着の開始から現時点までの経過時間、又はステップS136に示したパージ脱着の開始から現時点までの経過時間が、予め設定された吸着槽21-1,21-2それぞれの吸気剤25の脱着に必要十分な時間が経過したか否か、又は、濃度計27若しくは温度計28の計測出力を基に、吸着槽21-1,21-2それぞれの槽内のHC成分の濃度若しくは吸着剤25の温度が予め設定された濃度若しくは温度に低下したか否か、等に基づいて検出する。
ベーパ回収装置10では、吸着槽21-1,21-2それぞれの槽内の吸着剤25の脱着が完了すると、吸着槽21-1,21-2それぞれの導入・還流口22に連通された燃料蒸気還流管51-1,51-2に設けられた真空ポンプ53の駆動を停止した後(ステップS138)、還流バルブ52を閉弁する(ステップS139)。
これにより、吸着槽21-1,21-2それぞれは、真空脱着の実行により負圧状態になった槽内がパージ脱着により大気圧又はその近傍圧力に脱圧された状態で、導入・還流口22は貯液タンク内と、排気・給気口23は外部の大気雰囲気と、それぞれ遮断状態になる。
一方、ベーパ回収装置10では、吸着槽21-1に収容されている吸着剤25についてだけ燃料蒸気成分の脱着を行う場合は、ベーパ回収装置10では、吸着槽21-1の燃料蒸気還流管51-1に設けられた還流バルブ52を開弁する(ステップS140)。これにより、吸着槽21-1の導入・還流口22は、燃料蒸気還流管51-1を介して貯液タンク110と連通されることになる。
なお、この状態では、図示の例では、図2のステップS110,S120に示した燃料油液の荷卸し補給が行われた場合の吸着処理の終了時は、ベーパ回収管41-1に設けられた導入バルブ42や、給排気管61-1に設けられた給排バルブ63は閉弁状態になっている。
ベーパ回収装置10では、このような吸着槽21-1の状態で、制御部90は、燃料蒸気還流管51-1に設けられた真空ポンプを起動する(ステップS141)。これにより、吸着槽21-1の、吸着剤25が収容されている槽内の雰囲気が吸引され、吸着剤25に吸着された燃料蒸気成分の真空脱着を行う。
ベーパ回収装置10では、吸着槽21-1の槽内の雰囲気の吸引が開始されると、制御部90が、吸着槽21-1に設けられた圧力計29の測定出力を基に、槽内の圧力が所定圧力よりも低くなったか否かを監視する(ステップS142)。
そして、制御部90は、槽内の圧力が所定圧力よりも低くなったのを検出すると、吸着槽21-1の給排気管61-1に設けられた給排バルブ63を開弁状態にする(ステップS143)。これにより、負圧状態の吸着槽21-1の槽内には排気・給気口23から給排気管61-1を介して外部の大気雰囲気がパージガスとして導入され、吸着剤25に吸着された燃料蒸気成分のパージ脱着を行う。
その後、制御部90は、吸気剤25に吸着された燃料蒸気成分の脱着が終了したか否かを確認する(ステップS144)。制御部90は、この脱着の終了を、例えば、ステップS140,S141に示した真空脱着の開始から現時点までの経過時間、又はステップS143に示したパージ脱着の開始から現時点までの経過時間が、予め設定された吸着槽21-1,21-2それぞれの吸気剤25の脱着に必要十分な時間が経過したか否か、又は、濃度計27若しくは温度計28の計測出力を基に、吸着槽21-1,21-2それぞれの槽内のHC成分の濃度若しくは吸着剤25の温度が予め設定された濃度若しくは温度に低下したか否か、等に基づいて検出する。
ベーパ回収装置10では、吸着槽21-1の槽内の吸着剤25の脱着が完了すると、制御部90は、吸着槽21-1の導入・還流口22に連通された燃料蒸気還流管51-1に設けられた真空ポンプ53の駆動を停止した後(ステップS145)、還流バルブ52を閉弁する(ステップS146)。
これにより、吸着槽21-1は、真空脱着の実行により負圧状態になった槽内がパージ脱着により大気圧又はその近傍圧力に脱圧された状態で、導入・還流口22は貯液タンク内と、排気・給気口23は外部の大気雰囲気と、それぞれ遮断状態になる。
この結果、タンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の際に、荷卸し補給量や環境状態等の関係で、貯液タンク110の気相部分Gから燃料蒸気を含んだ気体がベーパ回収装置10に平時に比べて多く導入せずに済んだ場合は、ベーパ回収装置10は、吸着槽21-1及び吸着槽21-2を順次用いることなく、優先順位が上位の吸着槽21-1だけを用い、導入気体に含まれる燃料蒸気成分を確実に回収することができる。その結果、この場合は、燃料蒸気成分の分離、回収に用いた優先順位が上位の吸着槽21-1に収容されている吸着剤25にのみ、脱着処理を行うだけで済むので、脱着時間を短縮することができる。
そして、ベーパ回収装置10では、制御部90は、上述したステップS138,S139の処理又はステップS145,S146の処理を実行し、脱着処理が完了すると、再び図2に示した吸着処理を再開するようになっている。
<第2の実施の形態>
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るベーパ回収装置のシステム構成、並びにこのベーパ回収装置が適用された給油所の一例を示した図である。
なお、図中、図1に示した第1の実施の形態に係るベーパ回収装置の構成、このベーパ回収装置が適用された給油所の構成と同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施の形態に係るベーパ回収装置10(10-2)は、図1に示した第1の実施の形態に係るベーパ回収装置10(10-1)と同様に、燃料蒸気を含む気体から燃料蒸気成分を吸着して分離する吸着剤25が収容され、吸着剤の燃料蒸気成分の吸着状態を監視するセンサ27/28が設けられた吸着槽21-mが、所定数(m=1,2,…)だけ、貯液タンク110の気相部分Gに連通した通気管160に対して、並列に接続されて設けられた構成になっている。
そのため、図示の例では、ベーパ回収管41は、第1の実施の形態とは異なり、一端が通気管160の通気弁170よりも貯液タンク側の管路部分に連通接続され、途中に開閉バルブからなる導入バルブ42が配設された一端側部分が、吸着槽21-1,21-2で共用化されている一方、吸着槽21-mの導入・還流口22に連通される他端側部分は導入側三方切換バルブ44により分岐され、各吸着槽21-1,21-2の導入・還流口22にそれぞれ連通された構成になっている。
同様に、燃料蒸気還流管51も、他端が通気管160の通気弁170よりも貯液タンク側の管路部分に連通接続され、途中に開閉バルブからなる還流バルブ52、真空ポンプ(吸引ポンプ)53が配設された他端側部分が、吸着槽21-1,21-2で共用化されている一方、吸着槽21-mの導入・還流口22に連通される一端側部分は還流側三方切換バルブ54により分岐され、各吸着槽21-1,21-2の導入・還流口22にそれぞれ連通された構成になっている。
導入側三方切換バルブ44は、その弁切換に応じて、導入バルブ42の流出側を、吸着槽21-1の導入・還流口22又は吸着槽21-2の導入・還流口22に対して選択的に連通する。還流側三方切換バルブ54は、その弁切換に応じて、吸着槽21-1の導入・還流口22又は吸着槽21-2の導入・還流口22を還流バルブ52の流入側に対して選択的に連通する。導入側三方切換バルブ44、還流側三方切換バルブ54は、電磁作動式若しくは空気圧作動式の切換弁によって構成され、後述する制御部90からの作動制御信号に応じて切換駆動される。
加えて、給排気管61も、他端が通気孔62として開放開口され、途中に給排バルブ63が配設された他端側部分が、吸着槽21-1,21-2で共用化されている一方、吸着槽21-mの排気・給気口23に連通される一端側部分は給排側三方切換バルブ64により分岐され、各吸着槽21-1,21-2の排気・給気口23にそれぞれ連通された構成になっている。
給排側三方切換バルブ64は、その弁切換に応じて、吸着槽21-1の排気・給気口23又は吸着槽21-2の排気・給気口23を給排バルブ63に対して選択的に連通する。給排側三方切換バルブ64も、電磁作動式若しくは空気圧作動式の切換弁によって構成され、後述する制御部90からの作動制御信号に応じて切換駆動される。
このように、本実施の形態に係るベーパ回収装置10によれば、通気管160の通気弁170よりも貯液タンク側の管路部分とのベーパ回収管41や燃料蒸気還流管51の接続部や、燃料蒸気還流管51の途中に配設された真空ポンプ53、給排気管61の通気孔62を、複数の吸着槽21-1,21-2で共用化できる構成になっている。
次に、上述した構成からなる給油所100に適用された、本実施の形態に係るベーパ回収装置10(10-2)が行う吸着処理及び脱着処理について、第1の実施の形態に係るベーパ回収装置10(10-1)の吸着処理及び脱着処理と対比しながら説明する。
吸着処理では、タンクローリ車200からの燃料油液の荷卸し補給が未だ行われていない荷卸し待機状態では、制御部90は、まず導入バルブ42を開弁し、導入側三方切換バルブ44を予め優先順が高く設定されている一方の吸着槽21-1の導入・還流口22と連通するように切り換えることにより、優先順が高い吸着槽21-1についてだけ、ベーパ回収管41を介して、気相部分Gの燃料蒸気を含んだ気体が導入可能にする。その際、制御部90は、給排バルブ63を開弁し、給排側三方切換バルブ64を予め優先順が高く設定されている一方の吸着槽21-1の排気・給気口23と通気孔62が連通するように切り換えることにより、優先順が高い吸着槽21-1についてだけ給気/排気を可能とするとともに、優先順が高い吸着槽21-1の排気・給気口23と優先順が低い吸着槽21-2の排気・給気口23とが給排気管61の一端側部分を介して相互に連通しないようにしている。なお、燃料蒸気還流管51については、先の脱着処理の完了時に、還流バルブ52を閉弁し、還流側三方切換バルブ54を、優先順が低い吸着槽21-2の排気・給気口23と連通するように切り換えておくことにより、優先順が高い吸着槽21-1の導入・還流口22と優先順が低い吸着槽21-2の導入・還流口22とは、燃料蒸気還流管51の一端側部分を介して相互に連通しないようになっている。
また、吸着処理で、タンクローリ車200からの燃料油液の荷卸し補給が開始され、優先順が高い吸着槽21-1について吸着性能の低下を検出した場合は、制御部90は、導入側三方切換バルブ44を予め優先順が低く設定されている他方の吸着槽21-2の導入・還流口22と連通するように切り換えることにより、今度は優先順が低い吸着槽21-2についてだけ、ベーパ回収管41を介して、気相部分Gの燃料蒸気を含んだ気体が導入可能にする。その際、制御部90は、給排側三方切換バルブ64を予め優先順が低く設定されている他方の吸着槽21-2の排気・給気口23と通気孔62が連通するように切り換えることにより、新たに気相部分Gの燃料蒸気を含んだ気体が導入される優先順が低い吸着槽21-2についてだけ給気/排気を可能とするとともに、気相部分Gの燃料蒸気を含んだ気体の導入が終了させられた優先順が高い吸着槽21-1の排気・給気口23と優先順が低い吸着槽21-2の排気・給気口23とが給排気管61の一端側部分を介して相互に連通しないようにしている。なお、燃料蒸気還流管51については、還流バルブ52を閉弁したまま、還流側三方切換バルブ54を、今度は優先順が高い吸着槽21-1の排気・給気口23と連通するように切り換えることにより、優先順が高い吸着槽21-1の導入・還流口22と優先順が低い吸着槽21-2の導入・還流口22とは、燃料蒸気還流管51の一端側部分を介して相互に連通しないようにしている。
これにより、本実施の形態に係るベーパ回収装置10(10-2)は、図1に示した第1の実施の形態に係るベーパ回収装置10(10-1)と同様に、タンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の際に、荷卸し補給量や環境状態等の関係で、貯液タンク110の気相部分Gから燃料蒸気を含んだ気体がベーパ回収装置10に平時に比べて多く導入せずに済んだ場合は、ベーパ回収装置10は、吸着槽21-1及び吸着槽21-2を順次用いることなく、優先順位が上位の吸着槽21-1だけを用い、導入気体に含まれる燃料蒸気成分を確実に回収することができる。そして、この場合は、優先順位が下位の吸着槽21-2に収容されている吸着剤25は、それ以前に行われた図3に示す脱着処理によって、燃料蒸気成分が吸着されていない状態のままにしておくことができる。
これに対し、本実施の形態に係るベーパ回収装置10の脱着処理では、通気管160の通気弁170よりも貯液タンク側の管路部分とのベーパ回収管41や燃料蒸気還流管51の接続部や、燃料蒸気還流管51の途中に配設された真空ポンプ53、給排気管61の通気孔62を、複数の吸着槽21-1,21-2で共用化するために、三方切換バルブ44,54,64を用いたことにより、タンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の際に、吸着槽21-1及び吸着槽21-2を順次用いて燃料蒸気成分の吸着・回収を行った場合は、第1の実施の形態に係るベーパ回収装置10の場合とは異なり、吸着槽21-1及び吸着槽21-2の脱着処理は、順番で行われる。
すなわち、脱着処理では、制御部90は、まず、還流側三方切換バルブ54を予め優先順が高く設定されている一方の吸着槽21-1の導入・還流口22と連通するように切り換えることにより、優先順が高い吸着槽21-1についてからだけ、燃料蒸気還流管51を介して、吸着された燃料蒸気成分が導入可能にする。その際、給排側三方切換バルブ64も優先順が高く設定されている一方の吸着槽21-1の排気・給気口23と連通するように切り換える。そして、この状態で、制御部90は、還流バルブ52、真空ポンプ53、給排バルブ63を作動制御することによって、第1の実施の形態に係るベーパ回収装置10の場合と同様に、吸着槽21-1についてだけ真空脱着及びパージ脱着を行う。
その後、優先順が高く設定されている一方の吸着槽21-1の処理が終了した後、先の吸着処理で、優先順位が上位の吸着槽21-1だけではなく、優先順位が下位の吸着槽21-2も用いて、燃料蒸気を含んだ気体の燃料蒸気成分の吸着を行った否かを、優先順位が下位の吸着槽21-2に係る使用有無の記憶を参照して確認した後、吸着槽21-2も用いた場合は、次にその脱着処理を行う。その際、制御部90は、還流側三方切換バルブ54を予め優先順が低く設定されている他方の吸着槽21-2の導入・還流口22と連通するように切り換えることにより、優先順が低い吸着槽21-2についてからだけ、燃料蒸気還流管51を介して、吸着された燃料蒸気成分を導入可能にする。その際、給排側三方切換バルブ64も優先順が低く設定されている他方の吸着槽21-2の排気・給気口23と連通するように切り換える。そして、この状態で、制御部90は、還流バルブ52、真空ポンプ53、給排バルブ63を作動制御することによって、第1の実施の形態に係るベーパ回収装置10の場合と同様に、吸着槽21-2についてだけ真空脱着及びパージ脱着を行う。
これにより、本実施の形態に係るベーパ回収装置10によっても、タンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の際に、荷卸し補給量や環境状態等の関係で、貯液タンク110の気相部分Gから燃料蒸気を含んだ気体がベーパ回収装置10に平時に比べて多く導入せずに済んだ場合は、ベーパ回収装置10は、吸着槽21-1及び吸着槽21-2を順次用いることなく、優先順位が上位の吸着槽21-1だけを用い、導入気体に含まれる燃料蒸気成分を確実に回収することができる。その結果、この場合は、燃料蒸気成分の分離、回収に用いた優先順位が上位の吸着槽21-1に収容されている吸着剤25にのみ、脱着処理を行うだけで済むので、脱着時間を短縮することができる。 また、真空ポンプ53を共用化することができる。
<第3の実施の形態>
図5は、本発明の第3の実施の形態に係るベーパ回収装置のシステム構成、並びにこのベーパ回収装置が適用された給油所の一例を示した図である。
なお、図中、第1,第2の実施の形態に係るベーパ回収装置の構成、このベーパ回収装置が適用された給油所の構成と同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施の形態に係るベーパ回収装置10(10-3)は、図1,図4に示した第1,第2の実施の形態に係るベーパ回収装置10(10-1,10-2)と異なり、燃料蒸気を含む気体から燃料蒸気成分を吸着して分離する吸着剤25が収容され、吸着剤の燃料蒸気成分の吸着状態を監視するセンサ27/28が設けられた吸着槽21-mが、所定数(m=1,2,…)だけ、貯液タンク110の気相部分Gに連通した通気管160に対して、相互に直列に接続されて設けられた構成になっている。
そのため、図示の例では、ベーパ回収管41は、予め優先順が高く設定されている一方の吸着槽21-1については、第1の実施の形態と同様に、導入・還流口22が、途中に導入バルブ42が配設されたベーパ回収管41(41-1)、並びに途中に還流バルブ52及び真空ポンプ53が配設された燃料蒸気還流管51(51-1)をそれぞれ介して、通気管160の通気弁170よりも貯液タンク側の管路部分に連通接続され、排気・給気口23が,途中に給排バルブ63が配設された給排気管61(61-1)の通気孔62に連通接続された構成になっているのに対し、予め優先順が低く設定されている他方の吸着槽21-2については、第1の実施の形態とは異なり、導入・還流口22が、ベーパ回収管41(41-2)と燃料蒸気還流管51(51-2)とを兼ね、途中に吸脱着バルブ72が配設された回収・還流管71を介して、優先順が高く設定されている一方の吸着槽21-1の排気・給気口23に連通され、排気・給気口23が、途中に給排バルブ63が配設された別の給排気管61(61-2)の通気孔62に連通接続された構成になっている。
その上で、本実施の形態に係るベーパ回収装置10では、制御部90は、上述した吸着槽21-mそれぞれの、槽内に収容されている吸着剤の燃料蒸気成分の吸着状態を監視するセンサ27/28の検出出力等を基にして、吸着槽21-mそれぞれのベーパ回収管41の導入バルブ42や、燃料蒸気還流管51の還流バルブ52,真空ポンプ53、等といった各部を作動制御して、ベーパ回収装置10の吸着処理、及び脱着処理の実行制御を行う。
図6は、本実施の形態のベーパ回収装置で行われる吸着処理のフローチャートである。
図7は、本実施の形態のベーパ回収装置で行われる脱着処理のフローチャートである。
ベーパ回収装置10は、吸着処理の開始に当たって、制御部90は、優先順が高い吸着槽21-1について、その槽内に収容されている吸着剤25によって燃料蒸気成分が除去された気体が槽外の大気雰囲気中に放出されるように、給排気管61-1の給排バルブ63を開弁する一方、優先順が低い吸着槽21-2については、給排気管61-2の給排バルブ63を閉弁する(ステップS301)。
また、制御部90は、このステップS301での給排バルブ63の制御と併せて、優先順が高い吸着槽21-1について、その吸着剤25が収容されている槽内に貯液タンク110の気相部分Gから放出された燃料蒸気を含んだ気体が導入するように、ベーパ回収管41-1の導入バルブ42を開弁する(ステップS302)。
その際、吸着槽21-1の燃料蒸気還流管51-1に配設された還流バルブ52については、それ以前に行われた図7に示す脱着処理により、吸着処理の開始当初は閉弁されている。また、吸着槽21-2の回収・還流管71に配設された吸脱着バルブ72についても、それ以前に行われた図7に示す脱着処理により、吸着処理の開始当初は閉弁され、吸着槽21-1の排気・給気口23と吸着槽21-2の導入・還流口22との間は連通遮断状態になっている。
このようなステップS301,S302からなる一連の処理によって、予め優先順が高く設定されている一方の吸着槽21-1では、導入・還流口22は、開弁状態の導入バルブ42により、ベーパ回収管41-1を介して貯液タンク110の気相部分Gと連通する一方、排気・給気口23は、開弁状態の給排バルブ63により、給排気管61-1を介して外部雰囲気と連通された状態になる。
これに対し、予め優先順が低く設定されている他方の吸着槽21-2では、その導入・還流口22は、吸脱着バルブ72の閉弁により、吸着槽21-1の排気・給気口23との回収・還流管71を介した連通が遮断される一方、排気・給気口23は、閉弁状態の給排バルブ63により、外部雰囲気との給排気管61-2を介した連通が遮断された状態になる。
これにより、吸着処理では、タンクローリ車200からの燃料油液の荷卸し補給が未だ行われていない荷卸し待機状態では、吸着剤25の脱着が済み、槽内の脱圧が完了した吸着槽21-1,21-2の中、優先順が高い吸着槽21-1についてだけ、ベーパ回収管41-1の導入バルブ42及び給排気管61-1の給排バルブ63が開弁状態になっている。
その結果、この荷卸し待機状態において、貯液タンク内の温度上昇変化によって気相部分Gの雰囲気が圧力上昇し、その圧力上昇した気相部分Gの燃料蒸気を含んだ気体が導入された場合は、ベーパ回収装置10は、優先順が高い吸着槽21-1を用いて、燃料蒸気成分を吸着・回収できるようになっている。
本実施の形態のベーパ回収装置10では、このような荷卸し待機状態において、制御部90は、タンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給が開始されたか否かを、例えば吸着槽21-1に備えられた濃度計27及び/又は温度計28の計測出力を基に監視している(ステップS303)。
タンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給が開始され、ベーパ回収装置10では、制御部90が、貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給が開始されたのを検出すると、例えば吸着槽21-1に備えられた濃度計27及び/又は温度計28の計測出力を基に、吸着槽21-1の吸着剤25がそれまでの燃料蒸気成分の吸着によって燃料蒸気成分の回収能力が低下してきていないか否か(ステップS304)、或いは貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給が終了したか否か(ステップS305)を検出する。
ここで、制御部90は、貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給が未だ終了せず、吸着槽21-1に充填された吸着剤25の燃料蒸気成分の吸着性能低下を検出した場合は(ステップS304)、このままでは、吸着槽21-1の導入・還流口22から槽内に導入されている貯液タンク110からの燃料油液を含んだ気体が、吸着性能が低下してきた吸着剤25によって燃料蒸気成分が十分に除去されないまま、給排気管61-1の排気・給気口23から放出されてしまうことになるので、給排気管61-1の給排バルブ63を閉弁する(ステップS306)。
そして、制御部90は、吸脱着バルブ72を開弁して、吸着槽21-1の排気・給気口23と吸着槽21-2の導入・還流口22との間を回収・還流管71を介して連通状態にするとともに、優先順が低い吸着槽21-2の給排バルブ63を開弁して、給排気管61-2を介して、吸着槽21-2を外部雰囲気と連通された状態にする(ステップS307)。これにより、吸着槽21-1の排気・給気口23は、外部雰囲気と連通された状態になるとともに、吸着槽21-1の排気・給気口23も 回収・還流管71及び吸着槽21-2の槽内を介して、外部雰囲気と連通された状態になる。
すなわち、吸着槽21-1は、吸着槽21-2と直列接続されて見かけ上で一体化することにより、吸着剤の量が増え、吸着能力が増大することになる。これにより、ベーパ回収装置10では、吸着槽21-1,吸着槽21-2を一体化した、吸着能力が増大した吸着槽21-1,21-2によって貯液タンク110からの燃料油液を含んだ気体の燃料蒸気成分の吸着・回収が行われることになり、吸着槽21-2の給排気管61-2に設けられた排気・給気口23からは、燃料蒸気成分が除去された気体の放出が可能になる。
その際には、制御部90は、今回のタンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給で、優先順位が上位の吸着槽21-1だけでなく、優先順位が下位の吸着槽21-2も燃料蒸気成分の吸着及び回収に使用されたことを記憶しておくようになっている(ステップS308)。
その後は、図示の例では、吸着槽21-1,21-2それぞれに収容されている吸着剤25の合計量Σvmは、貯液タンク110への燃料油液の荷卸し作業の際に放出される燃料蒸気の最大量を吸着可能な吸着剤25の量vmax以上になっているので、制御部90は、貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給が終了したか否かを監視する(ステップS309)。
制御部90は、貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の終了を検出すると、吸着槽21-1のベーパ回収管41-1に配設された導入バルブ42を閉弁するとともに、吸着槽21-2の排気管61-2に配設された給排バルブ63を閉弁する(ステップS310)。すなわち、一体化された吸着槽21-1,21-2は、吸着槽21-1の導入・還流口22が貯液タンク110の気相部分Gとの連通を遮断されるとともに、吸着槽21-2の排気・給気口23が外部雰囲気との連通を遮断される。
これにより、タンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の際に、荷卸し補給量や環境状態等の関係で、貯液タンク110の気相部分Gから燃料蒸気を含んだ気体がベーパ回収装置10に平時に比べて多く導入する場合であっても、ベーパ回収装置10は、制御部90がステップS303〜305,S306〜310に示した処理を実行することによって、吸着槽21-1及び吸着槽21-2を一体化して、導入気体に含まれる燃料蒸気成分を確実に回収することができる。
一方、前述したステップS305で、優先順位が上位の吸着槽21-1に充填された吸着剤25の燃料蒸気成分の吸着性能低下が検出されることなく、貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の終了を検出した場合は、制御部90は、貯液タンク110の気相部分Gから放出される燃料蒸気を含んだ気体の現在の導入先である吸着槽21-1に係り、ベーパ回収管41-1の導入バルブ42を閉弁するとともに、給排気管61-1の給排バルブ63を閉弁する(ステップS320)。すなわち、吸着槽21-1は、導入・還流口22が貯液タンク110の気相部分Gとの連通を遮断されるとともに、排気・給気口23が外部雰囲気との連通を遮断される。
これにより、タンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の際に、荷卸し補給量や環境状態等の関係で、貯液タンク110の気相部分Gから燃料蒸気を含んだ気体がベーパ回収装置10に平時に比べて多く導入せずに済んだ場合は、ベーパ回収装置10は、吸着槽21-1及び吸着槽21-2を順次用いることなく、優先順位が上位の吸着槽21-1だけを用い、導入気体に含まれる燃料蒸気成分を確実に回収することができる。そして、この場合は、優先順位が下位の吸着槽21-2に収容されている吸着剤25は、それ以前に行われた図7に示す脱着処理によって、燃料蒸気成分が吸着されていない状態のままにしておくことができる。
このようにして、ベーパ回収装置10は、燃料油液の荷卸し補給の際に貯液タンク110の気相部分Gから導入される燃料蒸気を含んだ気体の燃料蒸気成分の吸着処理を終了すると、ベーパ回収装置10は、図7に示すようにして、制御部90が脱着処理を行う。
ベーパ回収装置10は、脱着処理を開始するに当たり、制御部90が、吸着槽21-1,吸着槽21-2それぞれの吸着剤25に吸着されている燃料蒸気成分の脱着が可能であるか否かを確認する(ステップS331)。
ステップS331で、吸着槽21-1,吸着槽21-2それぞれの脱着が可能であることを確認すると、制御部90は、最先に行ったタンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の際の図6に示した吸着処理で、優先順位が上位の吸着槽21-1だけではなく、優先順位が下位の吸着槽21-2も用いて、燃料蒸気を含んだ気体の燃料蒸気成分の吸着を行った否かを、優先順位が下位の吸着槽21-2に係る使用有無の記憶を参照して確認する(ステップS332)。
この確認により、ベーパ回収装置10では、最先に行ったタンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給時の吸着処理が、優先順位が上位の吸着槽21-1及び優先順位が下位の吸着槽21-2の両方を用いて行われた場合は、ステップS333〜S339に示す手順で、吸着槽21-1,21-2それぞれに収容されている吸着剤25について燃料蒸気成分の脱着を行う一方、優先順位が上位の吸着槽21-1だけを用いて行われた場合は、ステップS340〜S346に示す手順で、吸着槽21-1に収容されている吸着剤25についてのみ吸着した燃料蒸気成分の脱着を行う。
ベーパ回収装置10では、吸着槽21-1,21-2それぞれに収容されている吸着剤25について燃料蒸気成分の脱着を行う場合は、ベーパ回収装置10では、吸着槽21-1の燃料蒸気還流管51-1に設けられた還流バルブ52を開弁する(ステップS333)。なお、その際、吸着槽21-2の回収・還流管71に配設された吸脱着バルブ72は、図6に示したステップS307の処理で開弁状態になっている。これにより、吸着槽21-1の導入・還流口22は、燃料蒸気還流管51-1を介して貯液タンク110と連通され、吸着槽21-2の導入・還流口22も一体化された吸着槽21-1を介して貯液タンク110と連通されることになる。
なお、図示の例では、図6のステップS310に示した燃料油液の荷卸し補給が行われた場合の吸着処理の終了時は、ベーパ回収管41-1,燃料蒸気還流管51-1に設けられた導入バルブ42,還流バルブ52や、給排気管61-1,61-2それぞれに設けられた給排バルブ63は閉弁状態になっている。
ベーパ回収装置10では、このような吸着槽21-1,21-2の状態で、制御部90は、燃料蒸気還流管51-1に設けられた真空ポンプを起動する(ステップS334)。これにより、一体化されている吸着槽21-1,21-2それぞれの、吸着剤25が収容されている槽内の雰囲気が吸引され、吸着剤25に吸着された燃料蒸気成分の真空脱着を行う。
ベーパ回収装置10では、吸着槽21-1,21-2それぞれの槽内の雰囲気の吸引が開始されると、制御部90が、吸着槽21-1,21-2それぞれに設けられた圧力計29の測定出力を基に、槽内の圧力が所定圧力よりも低くなったか否かを監視する(ステップS335)。
そして、制御部90は、槽内の圧力が所定圧力よりも低くなったのを検出すると、吸着槽21-2の給排気管61-2に設けられた給排バルブ63を開弁状態にする(ステップS336)。これにより、負圧状態の吸着槽21-1,21-2それぞれの槽内には、吸着槽21-2の排気・給気口23から給排気管61-2を介して外部の大気雰囲気がパージガスとして導入され、吸着剤25に吸着された燃料蒸気成分のパージ脱着を行う。
その後、制御部90は、吸着槽21-1,21-2それぞれの吸気剤25に吸着された燃料蒸気成分の脱着が終了したか否かを確認する(ステップS337)。ベーパ回収装置10では、吸着槽21-1,21-2それぞれの槽内の吸着剤25の脱着が完了すると、吸着槽21-1の導入・還流口22に連通された燃料蒸気還流管51-1に配設された真空ポンプ53の駆動を停止した後(ステップS338)、同じく燃料蒸気還流管51-1に配設された還流バルブ52を閉弁するとともに、吸着槽21-2の導入・還流口22に連通された回収・還流管71に配設された吸脱着バルブ72、給排気管61-2の給排バルブ63を閉弁する(ステップS339)。
これにより、吸着槽21-1,21-2それぞれは、真空脱着の実行により負圧状態になった槽内がパージ脱着により大気圧又はその近傍圧力に脱圧された状態で、吸着槽21-1,21-2それぞれの導入・還流口22は貯液タンク内と、排気・給気口23は外部の大気雰囲気と、それぞれ遮断状態になる。
一方、ベーパ回収装置10では、吸着槽21-1に収容されている吸着剤25についてだけ燃料蒸気成分の脱着を行う場合は、ベーパ回収装置10では、吸着槽21-1の燃料蒸気還流管51-1に設けられた還流バルブ52を開弁する(ステップS340)。これにより、吸着槽21-1の導入・還流口22は、燃料蒸気還流管51-1を介して貯液タンク110と連通されることになる。
なお、この状態では、図示の例では、図6のステップS306,S310、S320に示した燃料油液の荷卸し補給が行われた場合の吸着処理の終了時は、ベーパ回収管41-1に設けられた導入バルブ42や給排気管61-1に設けられた給排バルブ63、及び吸着槽21-2の導入・還流口22に連通された回収・還流管71に配設された吸脱着バルブ72は、閉弁状態になっている。
ベーパ回収装置10では、このような吸着槽21-1の状態で、制御部90は、燃料蒸気還流管51-1に設けられた真空ポンプを起動する(ステップS341)。これにより、吸着槽21-1の吸着剤25に吸着された燃料蒸気成分の真空脱着を行う。
ベーパ回収装置10では、吸着槽21-1の槽内の雰囲気の吸引が開始されると、制御部90が、吸着槽21-1に設けられた圧力計29の測定出力を基に、槽内の圧力が所定圧力よりも低くなったか否かを監視する(ステップS342)。
そして、制御部90は、槽内の圧力が所定圧力よりも低くなったのを検出すると、吸着槽21-1の給排気管61-1に設けられた給排バルブ63は開弁状態にする(ステップS343)。これにより、負圧状態の吸着槽21-1の槽内には排気・給気口23から給排気管61-1を介して外部の大気雰囲気がパージガスとして導入され、吸着剤25に吸着された燃料蒸気成分のパージ脱着を行う。
その後、制御部90は、吸気剤25に吸着された燃料蒸気成分の脱着が終了したか否かを確認する(ステップS344)。ベーパ回収装置10では、吸着槽21-1の槽内の吸着剤25の脱着が完了すると、制御部90は、吸着槽21-1の導入・還流口22に連通された燃料蒸気還流管51-1に設けられた真空ポンプ53の駆動を停止した後(ステップS345)、同じく燃料蒸気還流管51-1に配設された還流バルブ52を閉弁するとともに、給排気管61-1の給排バルブ63を閉弁する(ステップS346)。
これにより、吸着槽21-1は、真空脱着の実行により負圧状態になった槽内がパージ脱着により大気圧又はその近傍圧力に脱圧された状態で、導入・還流口22は貯液タンク内と、排気・給気口23は外部の大気雰囲気と、それぞれ遮断状態になる。
これにより、タンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の際に、荷卸し補給量や環境状態等の関係で、貯液タンク110の気相部分Gから燃料蒸気を含んだ気体がベーパ回収装置10に平時に比べて多く導入せずに済んだ場合は、ベーパ回収装置10は、吸着槽21-1及び吸着槽21-2を順次用いることなく、優先順位が上位の吸着槽21-1だけを用い、導入気体に含まれる燃料蒸気成分を確実に回収することができる。その結果、この場合は、燃料蒸気成分の分離、回収に用いた優先順位が上位の吸着槽21-1に収容されている吸着剤25にのみ、脱着処理を行うだけで済むので、脱着時間を短縮することができる。
本発明に係るベーパ回収装置10について、第1〜3の実施の形態のベーパ回収装置10-1〜10-3を挙げて説明したが、本発明に係るベーパ回収装置10の実施の形態はこれに限られるものではない。
例えば、複数の吸着槽21-mを貯液タンク110の気相部分Gに連通した通気管160に対して互いに並列に接続した第1,第2の実施の形態のベーパ回収装置10-1,10-2では、2つの吸着槽21-1,21-2を互いに並列に接続した構成として説明したが、互いに並列に接続される複数の吸着槽の個数は3つ以上であっても構わない。さらに、その場合においては、3つ以上の吸着槽を、第1,第2の実施の形態の場合と同様に2つの導入グループに分けて、燃料蒸気を含んだ気体を順次導入する構成であっても、それ以上の導入グループに分けて、燃料蒸気を含んだ気体を順次導入する構成であっても構わない。
また、第1,第2の実施の形態の場合における吸着槽21-1,21-2の優先順位、及び上記導入グループ相互の優先順位については、複数の吸着槽21-mそれぞれの使用均等化をはかるべく、タンクローリ車200から貯液タンク110への燃料油液の荷卸し補給の回数に応じて順番を入れ替える等、流動的に変化させることも可能である。
また、複数の吸着槽21-mを互いに直列に接続した第1,第2の実施の形態のベーパ回収装置10-1,10-2では、2つの吸着槽21-1,21-2を互いに直列に接続した構成として説明したが、互いに直列に接続される複数の吸着槽の個数は3つ以上であっても構わない。さらに、直列に接続される吸着槽自体も、互いに並列接続されてなる複数の吸着槽であってもよい。
さらに、吸着処理や脱着処理についての具体的な構成及び手順についても、第1の実施の形態のベーパ回収装置10-1と第2の実施の形態のベーパ回収装置10-2との関係、また、第1の実施の形態のベーパ回収装置10-1と第3の実施の形態のベーパ回収装置10-3との関係で例示したように、種々の態様が採用可能である。したがって、吸着処理や脱着処理についての具体的な構成及び手順についても、複数の吸着槽を用い、燃料蒸気成分の回収効果を低下させることなく平時の脱着処理時間を短縮して、効率的な装置運用をはかることができるものであるならば、上述した第1〜3の実施の形態のベーパ回収装置10-1〜10-3で示した、吸着処理や脱着処理についての具体的な構成及び手順に限定されないことは明らかである。
10 ベーパ回収装置、 20 吸着槽群、 21 吸着槽、 22 導入・還流口、
23 排気・給気口、 25 吸着剤、 27 濃度計、 28 温度計、
29 圧力計、 41 ベーパ回収管、 42 導入バルブ、
44 導入側三方切換バルブ、 51 燃料蒸気還流管、 52 還流バルブ、
53 真空ポンプ(吸引ポンプ)、 54 還流側三方切換バルブ、
61 給排気管、 62 通気孔、 63 給排バルブ、
64 給排側三方切換バルブ、 71 回収・還流管、 72 吸脱着バルブ、
90 制御部、 100 給油所、 110 貯液タンク、 120 給油機、
130 燃料供給配管、 140 注液口、 150 注液管、 160 通気管、
170 通気弁、 180 通気孔、 200 タンクローリ車、
210 荷卸しホース

Claims (4)

  1. 燃料蒸気を含む気体から燃料蒸気成分を吸着して分離する吸着剤が、貯液タンクに対する揮発性燃料液体の荷卸し作業の際に放出される燃料蒸気の最大量を吸着可能な量よりも少ない量で収容されている吸着槽と、
    該吸着槽それぞれに収容されている吸着剤の合計量が前記貯液タンクへの揮発性燃料液体の荷卸し作業の際に放出される燃料蒸気の最大量を吸着可能な量となるように、前記吸着槽が複数備えられている吸着槽群と、
    該吸着槽群の前記吸着槽それぞれに設けられ、槽内に収容されている吸着剤の燃料蒸気成分の吸着状況を監視するセンサと、
    前記貯液タンクへ揮発性燃料液体を荷卸し補給する荷卸し補給開始当初は、前記吸着槽群の中の少なくとも1つ以上でかつ全部よりは少ない数の吸着槽に、前記貯液タンクから放出される燃料蒸気を含んだ気体を導入して燃料蒸気成分の吸着を行わせる一方、前記貯液タンクへの揮発性燃料液体の荷卸し補給完了前に、前記センサの出力に基づき、当該燃料蒸気を含んだ気体の導入中の吸着槽それぞれの吸着剤の吸着性能の低下が判定されたときには、前記貯液タンクへの揮発性燃料液体の荷卸し補給開始当初は前記貯液タンクから放出される燃料蒸気を含んだ気体が未導入の残りの別の吸着槽に、前記貯液タンクから放出される燃料蒸気を含んだ気体を導入して燃料蒸気成分の吸着を行わせ、前記吸着槽群による燃料蒸気成分の吸着を制御する吸着制御手段と、
    前記貯液タンクへの揮発性燃料液体の荷卸し補給完了後は、前記吸着制御手段によって前記貯液タンクから放出される燃料蒸気を含んだ気体が導入された吸着槽それぞれについてのみ、槽内に収容されている燃料蒸気成分を吸着した吸着剤の脱着を行わせ、前記吸着槽群の燃料蒸気成分の脱着を制御する脱着制御手段と
    を備えていることを特徴とするベーパ回収装置。
  2. 前記吸着槽群は、前記複数の吸着槽が互いに並列になるように、前記複数の吸着槽それぞれの燃料蒸気を含む気体の導入口が前記貯液タンクに対して連通される
    ことを特徴とする請求項1記載のベーパ回収装置。
  3. 前記吸着槽群は、前記複数の吸着槽が互いに直列になるように、前記複数の吸着槽の中の一の吸着槽の燃料蒸気を含む気体の導入口が前記貯液タンクに連通され、当該一の吸着槽の燃料蒸気成分が吸着された気体の導出口には、当該一の吸着槽で燃料蒸気成分が吸着された気体を外部に放出する放出管、及び前記複数の吸着槽の中の別の吸着槽の燃料蒸気を含む気体の導入口が連通される
    ことを特徴とする請求項1記載のベーパ回収装置。
  4. 前記脱着制御手段は、前記吸着制御手段によって前記貯液タンクから放出される燃料蒸気を含んだ気体が導入された吸着槽それぞれの脱着を同時に開始させる
    ことを特徴とする請求項1記載のベーパ回収装置。
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