JP4744680B2 - 携帯型液圧式圧力装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、先ず、液圧シリンダを具備し、圧縮操作又は切断操作を行うべくそのシリンダ内で液圧により作動するピストンが動くことができる携帯型液圧式圧力装置に関し、そのピストンはピストン・ヘッドとピストン・シャンクを具備し、そのピストン・シャンクがツール・キャリアへ接続され、さらにそのツール・キャリアは交換可能な装置ヘッドの一部である。
【０００２】
【従来の技術】
この種の携帯型圧力装置は、例えば、DE-A1 197 16 804により知られている。
当該出願は、ピストン・シャンクを具備する携帯型圧力装置を開示し、そのピストン・シャンクは、交換可能な装置ヘッドであるツール・キャリアに対してねじ止め可能でありかつ液圧により作動可能なピストン・ヘッドと共に一部品として形成される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術に対し、本発明の技術的課題は、この種の携帯型液圧式圧力装置において検討されている有利な方式、特にその装置ヘッドをより簡単に交換することに関して更なる改良を行うことにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
この課題は、先ず、請求項１の発明の内容により解決される。この発明は、交換可能な装置ヘッドが、復帰スプリングを具備するピストン・シャンクを各筺体内に有することを提示する。既知の従来技術と対比すると、本発明の構成におけるピストン・シャンクは、装置ヘッドと接続されている。装置ヘッドが携帯型圧力装置から取り外されると、その装置ヘッド内に変位可能に配置されたツール・キャリアが、これもまた設けられている復帰スプリングにより常に初期位置にすなわち開位置に保持される。ツール・キャリアのこの開位置は、装置ヘッドが携帯型圧力装置と接続された位置にあるときの初期位置に対応し、つまり、液圧により作動可能なピストンすなわちピストン・ヘッドの復帰位置に対応する。
【０００５】
この構成により、種々の交換可能な装置ヘッドを、例えば圧縮用ツール又は切断用ツールに適合させて、スタンバイ位置すなわち開位置で利用可能とすることができる。さらに、この方式により形成された交換可能な装置ヘッドが携帯型圧力装置に装着されたとき、液圧により作動可能なピストンすなわちピストン・ヘッドがその初期位置として規定できる復帰位置に位置するという利点もある。
【０００６】
本発明のこの構成により、装置ヘッドを、極めて簡単な方法で交換することが可能となる。カップ型若しくはディスク型のピストン・ヘッドは、液圧シールを具備し、例えば背面支持リングをもつＯリング・シールの形態で具備し、圧力装置の液圧シリンダ内に収まる。これに対し、ピストン・シャンクは別個の構成部品であって復帰スプリングを具備し、装置ヘッドと接続される。これにより、この基部である携帯型圧力装置を、例えば、予め組み立て、オイル充填し、かつ修理作業後にチェックすることができるという利点が生じる。必要に応じて、適合する装置ヘッドを合わせられる。さらに修理の場合は、装置ヘッド又は基部圧力装置を単純なモジュール的方式により交換可能である。またさらに、例えば用途によって圧縮用装置ヘッドと切断用装置ヘッドを交換可能である。そして、このピストンの二分割特性により、装置の乾性側で交換が行われる。液圧側は、圧力装置内に留まるピストン・ヘッドにより確実に閉鎖状態に保持されることで、システムの液漏れ発生のおそれを排除する。
【０００７】
さらに本発明は、請求項１に記載の特徴を有する携帯型圧力装置に関し、有意義な改良として、そのピストン・シャンクが、ピストン・ヘッドに接続されることなく単にピストン・ヘッドに対して当接するのみとする。このように本発明においては、携帯型圧力装置と接続されるピストン・ヘッドと、装置ヘッドと接続されるピストン・シャンクとを具備する二分割ピストンが設けられる。装置が作動するとき液圧により圧力のかかるピストン・ヘッドは、ツール・キャリアに接続されたピストン・シャンクを介してツール・キャリアをその作動位置へと押すことにより対象物を圧縮したり切断したりする。予め設定された圧力を超えた場合、手動若しくは自動のトリガ動作により、ピストン・シャンクはツール・キャリアと共に後退して初期位置へ戻り、ピストン・ヘッドの及ぼす圧力がピストン・ヘッドに及ぶようにする。この復帰動作は、好適には、ピストン・シャンクに作用する復帰スプリングにより生じる。本発明においては、ピストン・シャンクとピストン・ヘッドは互いに接続されていないため、ピストン・シャンクを設けた装置ヘッドは、ピストン・ヘッドに対して影響を及ぼさない。ピストン・ヘッドは常にその位置に、好適には復帰位置に留まることにより、その背面側に接するオイルを密閉する。
【０００８】
本発明はまた、請求項１に記載の特徴を有する携帯型圧力装置に関し、更なる有意義な改良として、ピストン・シャンクが、手動操作により解放可能な方式でピストン・ヘッドへ接続されるようにする。この構成においても、前述の実施例におけるように、ピストンがニ分割形態であること、すなわちピストン・ヘッドが基部の携帯型圧力装置と接続され、ピストン・シャンクが装置ヘッドと接続されている。例えば、外部から手動操作できるような方式でピストン・シャンクとピストン・ヘッドの間を解放可能に接続させることにより、装置ヘッドを携帯型圧力装置から取り外すことが可能となる。ここで考え得る可能性としては、ピストン・シャンクとピストン・ヘッドの間の軸方向ねじ接続又は差込み接続がある。この接続は、装置ヘッドを取り外すために解放することができ、その後、装置ヘッドを携帯型圧力装置から極めて簡単な方式で取り外すことができる。この場合も、密閉ピストン・ヘッドは基部圧力装置内に留まる。
上記の解決手段は、別々でも、組み合わせても用いることができる。
【０００９】
上記の可能な解決手段に関わらず、本発明の更なる提示は、ピストンを復帰させるための圧縮スプリングが、ピストン・シャンク上に捕捉された状態で保持されることである。装置ヘッドが圧力装置から取り外されたときでさえ、ピストン・シャンクはそれに応じて常に初期位置へ、好適にはツールの開位置へ戻される。更なる提示は、ピストン・ヘッドが、ピストン・シャンク側に支持枠凹部又は支持枠凸部を有し、ピストン・シャンクが、ピストン・ヘッド側に支持枠凸部又は支持枠凹部を有することである。この構成により、二分割ピストンの２つの部分が、お互いからの圧縮力及び側面への力のみを伝達する。本発明の構成はさらに、ピストン・シャンクの精確な軸決めのための支持特性も提示する。これに換えて又はこれと組み合わせて、突出する円筒形頭部をもつ円筒頭ねじが、ピストン・シャンクのピストン・ヘッド側の中心に装着されることにより、ピストン・ヘッド上での中心支持を確保し、円筒形頭部がピストン・ヘッドの対応する凹部内に受容されることが可能である。
【００１０】
本発明の内容において更なる改良は、装置ヘッド上の復帰スプリングが、ピストン・シャンクを取り巻き装置ヘッド上でその一端が支持され、ピストン・シャンクの自由端の領域においてピストン・シャンク上で他端が支持されるように設けられる。ピストン・シャンクの自由端はピストン・ヘッドと当接する。この目的のために、ピストン・シャンクは径方向に拡張されると同時に支持突起を形成している。好適な構成では、圧力装置上のピストン・ヘッドがディスク形状に形成されかつその周囲をされている。別の構成として、ピストン・ヘッドが、ピストン・シャンク側にカップ壁を有し、このカップ壁の外径が液圧シリンダの内径にほぼ適合するように設けられる。装置ヘッドと携帯型圧力装置が結合されたとき、カップ壁はピストン・シャンクを、好適にはシャンクを取り囲む復帰スプリングと共に収容する。特にピストン・ヘッドのガイド機能に関して、軸方向のカップ壁の高さがシャンクの長さの４分の１以上となることが有益である。さらにカップ壁は、圧力付与動作の過程において、カップ壁の環状末端面が、装置ヘッドの鍔部に対して当接することにより、末端停止具として機能することもできる。装置ヘッドのこの鍔部は動作経路の内側に径方向に突出している。
【００１１】
装置ヘッドの基部圧力装置への固定に関して、液圧シリンダが、装置ヘッドへ向き合うその端部の外側にねじ山を有し、このねじ山を用いて装置ヘッドが液圧シリンダへ接続されることを提示する。この結果、装置ヘッドは、同時にピストン・シャンクを復帰スプリングと共に液圧シリンダから引き離しつつ極めて簡単な方式で携帯型圧力装置からねじを緩めて取り外すことができる。そして、ピストン・ヘッドはその位置を維持したまま基部圧力装置内に留まる。このとき、装置ヘッドと液圧シリンダの間の接続位置がインデックス・ピンにより規定されることが有益である。この結果、接続位置が規定されることとなる。予め規定された接続位置に到達したとき、インデックス・ピンが、バネにより付勢される形で液圧シリンダ内の凹部に入る。
【００１２】
更なる提示によれば、ピストン・シャンクが階段形状を有し、カウンタホルダ部品を用いて装置ヘッドへ接続される。カウンタホルダ部品は装置ヘッド上で支持されており、階段面に対して当接する。このカウンタホルダ部品は一方で、ツール・キャリアのための停止面を形成する。ピストン・シャンクに作用する復帰スプリングは、好適にはこの停止面の反対側上で支持される。このカウンタホルダ部品は、装置ヘッド上の段部に対して支持されることが好適であり、非常に簡単な方法で挿入することができる。しかしながら、別の方法として、装置ヘッドを液圧シリンダへ接続するためにねじ山を用いて装置ヘッドが液圧シリンダを収容したのと同様に、カウンタホルダ部品を装置ヘッド内の穴へねじで接続するようにしてもよい。
【００１３】
装置ヘッドが取っ手を有する構成は、取扱い上特に有益である。特に、取っ手がピストン又は液圧シリンダの動作方向に延びるように形成されると好適である。最後に、取っ手が円弧状部品で形成され、その両端において装置ヘッドへ結合されることが提示される。
【００１４】
【発明の実施の形態】
本発明は、添付の図面を参照し以下に詳細に説明されるが、それらは多数の実施例としてのみ示すものである。
【００１５】
図１を参照し、第１の実施例である電気モータにより駆動される携
帯型液圧式圧力装置を説明する。この種の圧力装置は、前述のDＥ-A1 197 16 804により知られている。この特許出願の内容の全ては、本発明の開示に含まれるものとする。これは、当該特許出願の特徴を本発明の各請求項へ含める目的でもある。
【００１６】
電気モータは、携帯型圧力装置１内に設けられる。この電気モータの駆動は、取っ手２に組み込まれるバッテリ３を用いて行われる。指操作スイッチ４を操作すると、ポンプ作用によりオイルが容器から圧力空間へと吸い込まれる。これによりピストンをその作業端位置の方向へ動かす。尚、本発明ではピストン・ヘッド５を動かすこととなる。
【００１７】
図６に示す携帯型圧力装置１は、レバー操作による圧力装置として設計されている。従って、ピストン・ヘッド５を動かすために必要な圧力は、電気モータによっては与えられない。ポンプレバー６を用いて手動操作することにより与えられる。
【００１８】
携帯型圧力装置１の設計に関わらず、ディスク状ピストン・ヘッド５を取り囲む液圧シリンダ８が設けられ、この液圧シリンダ８は周縁シール７を具備する。そして、このシリンダ８上に交換可能な装置ヘッド９を付設することができる。図１〜図４においては、第１の装置ヘッド９が示されており、そのツール・キャリア１０、１１は、圧縮用ツール（図示せず）に適合可能である。
【００１９】
図６及び図７においては、別の交換可能な装置ヘッド９を示す。図８は、さらに別の交換可能な装置ヘッド９を示す。これは、異なるツールを保持するための万能装置ヘッドとして設計されたものである。図８のこの装置ヘッド９の設計に関して、ドイツ特許出願199 26 481に注目する。これは先行刊行物ではない。この特許出願の内容もまた、その全てを本発明の開示に含めるものとする。これはまた、本発明の各請求項へこの特許出願の特徴を含める目的でもある。
【００２０】
液圧シリンダ８及びピストン・ヘッド５により形成される、圧力装置上のツール・キャリアの設計は、液圧式圧力装置１の構成に関わらず、実質的に同一である。このことは、種々の交換可能な装置ヘッド９の接続領域にも当てはまる。この結果、各交換可能な装置ヘッド９は、図１に示す携帯型圧力装置にも、図６に示すポンプレバー型の携帯型圧力装置にも接続できる。
【００２１】
実質的にカップ状形態である液圧シリンダ８は、装置ヘッド９の方向に開口する。そして、その内壁はピストン・ヘッド５を案内する役割を担う。一方、外面は、携帯型圧力装置１を装置ヘッド９と接続するために用いられる。このために、液圧シリンダ８は、その外壁上に外部ねじ山１２を具備する。
【００２２】
上記のように、本来ディスク形状のピストン・ヘッド５が液圧シール７を具備する。例えば、背面支持リングを備えたＯリング・シールの形態で具備することにより、液圧シリンダの内壁に関して密閉状態を実現する。
【００２３】
図２に示す例の如く、ピストン・ヘッド５がカップ状構成の場合は、ピストン・ヘッド５に対して同軸的にカップ壁１３が設けられ、このカップ壁の外側が、液圧シリンダ８の内壁に接することにより支持される。
【００２４】
ピストン・ヘッド５の変位方向に沿って測った場合、カップ壁１３の高さが、同方向に測った液圧シリンダ８のソケット深さの約半分に相当する。
【００２５】
圧力装置に装着されたピストン・ヘッド５は、装置ヘッド９の側において、中心にある円形の階段状凹部である大きい方の直径をもつ第１の支持枠凹部１４と、それに続くさらに小さい直径の凹部１５を有する。
【００２６】
図１〜図５に示す装置ヘッド９は、携帯型圧力装置１を用いて変位させることができるツール・キャリア１０と、この第１のツール・キャリアに対向して位置する固定ツール・キャリア１１とを具備する。
【００２７】
ツール・キャリア１０の背面にはピストン・シャンク１６が設けられ、図示の実施例においては、ツール・キャリア１０と一体の部品として形成される。別の手段として、例えばピストン・シャンク１６をツール・キャリア１０へねじで接続することも可能である。
【００２８】
この構成においては、ツール・キャリア１０に作用するピストンが、２つの部分に分割されており、第１の部分はピストン・ヘッド５であって圧力装置上に位置し、第２の部分はピストン・シャンク１６であって装置ヘッド上に位置する。
【００２９】
ツール・キャリア１０との境界領域において、ピストン・シャンク１６は階段形状を有し、これによりこの領域において、装置ヘッド９の開口方向に作用しかつピストン・シャンクより大きな直径をもつ停止面１７が形成される。
【００３０】
図２に示す開位置において、この停止面１７は、ピストン・シャンク１６の通り道となる穴１８へ挿入されたカウンタホルダ１９に対して当接する。このカウンタホルダ１９は、環形状であって、停止限界を規定する穴１８の段部２０に対して押圧されている。ピストン・シャンク１６は、カウンタホルダ１９の中心を通り、カウンタホルダはピストン・シャンクの支持枠となる。
【００３１】
穴１８の直径は、液圧シリンダ８の外形に適合し、穴１８は、外側ねじ山１２と接続可能な内側ねじ山２１を有する。
【００３２】
ピストン・シャンクの直径は、穴１８の直径の約半分に相当する。
【００３３】
ピストン・シャンク１６は、圧縮スプリング２２により取り巻かれ、穴１８の中心を通る。ピストン・シャンク１６の自由端は、その全長の約４分の１が穴１８から突出している。ピストン・シャンク１６のこの自由端には、末端に位置してピストン・シャンクより大きい直径の支持ワッシャ２３が設けられる。この支持ワッシャは、一方で圧縮スプリング２２を支持するために用いられ、他方でピストン・ヘッド５の支持枠凹部１４への位置決めのための支持枠凸部２４として用いられる。従って、支持枠凸部の直径は、ピストン・ヘッド５の支持枠凹部の直径に適合させられる。さらに、支持枠凸部２４すなわち支持ワッシャ２３の厚さは、軸方向に測って、支持枠凹部１４の対応して測った深さに相当する。
【００３４】
支持ワッシャ２３は、円筒形頭部を具備し軸方向に配置されたねじ２５を用いてピストン・シャンク１６上に固定される。円筒形頭部２６は、支持ワッシャ２３を超えて突出している。ピストン・ヘッド５に設けられた第２の凹部１５は、軸方向に測って円筒形頭部２６の直径及び高さに適合する。
【００３５】
上記のように、圧縮スプリング２２の一端が、ピストン・シャンク上の支持ワッシャ２３により、さらに特定するとこの支持ワッシャにより形成される支持枠突起２４により支持される。そして、圧縮スプリング２２の他端は、カウンタホルダ１９上で支持される。カウンタホルダは同時にピストン・シャンク１６及び変位可能なツール・キャリア１０のための停止部を形成する。この結果、ピストン・シャンク１６及びツール・キャリア１０は、常に、図２に示す開位置へとスプリングバネにより付勢されることとなる。
【００３６】
さらに、図１〜図５に示す装置ヘッド９は取っ手２７を有し、この取っ手はピストン・シャンク１６及び変位可能なツール・キャリア１０の動作方向に延びる。この特殊な場合は、取っ手２７が、装置ヘッド９の下側に位置し、取っ手２７が円弧状部品２８で形成され、その両端にて装置ヘッド９へ結合されている。
【００３７】
装置ヘッド９は、極めて簡単な方法で携帯型圧力装置１へ接続することができる。例えば、装置ヘッド９は、液圧シリンダ８を押圧して、圧力装置上の外側ねじ山１２及び装置ヘッド上の適合する内側ねじ山２１を用いてねじにより接続される。装置ヘッド９と液圧シリンダ８の図３に示す予め規定された接続位置は、インデックス・ピン２９により規定される。インデックス・ピン２９は、装置ヘッド９上に位置し、予め規定された接続位置において、液圧シリンダ８の外側に形成されたバネに付勢されて周囲溝３０内に入る。
【００３８】
図３のスタンバイ位置において、ピストン・シャンク１６の支持枠凸部２４が、ピストン・ヘッド５の支持枠凹部１４と嵌り合い、さらに円筒頭ねじ２５の円筒形頭部２６が、更なる支持枠特性を具備して第２の凹部１５内に収容される。
【００３９】
ピストン・ヘッド５のカップ壁１３は、圧縮スプリング２２の長さの一部を取り囲む。
【００４０】
ピストンが二分割構成をもつ結果、ピストン・ヘッド５とピストン・シャンク１６が、お互いからの圧縮力のみを伝達する。さらに、支持枠凸部２４の支持枠凹部１４への確実な嵌め合いにより、お互いからの側面への力を伝達する。接続されていないので張力は伝達されない。
【００４１】
携帯型圧力装置１が作動されるとき、オイルが圧縮空間へ吸い込まれることにより、ピストン・ヘッド５が、圧縮復帰スプリング２２の作用に抗してその作業端位置の方向へ移動することができる。
【００４２】
ピストン・ヘッド５の復帰動作は、圧縮復帰スプリング２２により実行される。圧縮復帰スプリング２２は、予め規定された最大圧力を超えたとき非復帰バルブが開くと即座に支持枠凸部２４を介してピストン・ヘッド５に作用する。
【００４３】
図６及び図７に示す液圧シリンダ８すなわちこれによる交換可能な装置ヘッドのホルダーは、前述の携帯型圧力装置における液圧シリンダと同じ設計である。
【００４４】
一方、図６及び図７における装置ヘッド９内のピストン・シャンク１６の設計は異なる。しかしながら、前述の装置ヘッド９との互換性は維持される。
【００４５】
ここでは、ピストン・シャンク１６は、支持枠凸部２４を具備する中空円筒形状の部品として形成される。支持枠凸部２４は、ピストン・ヘッド５と当接可能である末端に形成され、そして同時に、ピストン・シャンク１６を取り巻く復帰スプリング２２の支持部も形成される。この場合、ピストン・シャンク１６の停止面は、カウンタホルダ１９と相互作用し、シャンクの外側面に位置するリング３１により形成される。
【００４６】
このように形成された装置ヘッド９の場合、支持枠が、より大きな直径の支持枠凸部２４と、これと嵌め合わされるピストン・ヘッド５の支持枠凹部１４のみを用いて設けられる。
【００４７】
さらに、液圧シリンダ８の円筒穴を直接的に支持枠とすることも考えられる。特に、ピストン・ヘッド５が図８に示すようなディスクの形で構成される場合である。
【００４８】
カウンタホルダ１９を装置ヘッド９の穴１８にねじで接続することも考えられる。この穴１８は液圧シリンダ８を収容する。
【００４９】
図８においては、ピストン・シャンク１６の自由端領域が、一体的に形成された放射状の鍔部を具備して形成可能である。この鍔部は支持枠凸部２４を形成するためであり、この上に復帰スプリング２２のための支持ワッシャ２３がある。この支持ワッシャは、ピストン・シャンク１６に対して押しつけられ、ピストン・ヘッドに向き合う側でピストン・ヘッドから離れて支持される。
【００５０】
図８の実施例においては、ピストン・シャンク１６を案内するカウンタホルダもまた、装置ヘッド９上の内側へ放射状に突出する環状鍔部として形成することができる。
【００５１】
【発明の効果】
本発明によるピストンの二分割構成と同時に復帰スプリング２２の装置ヘッド９との連携を組み合わせることで、図１及び図６に示す異なる携帯型圧力装置に対して取り付けられる多様な装置ヘッド９を設けることができる。従って、装置ヘッド９又は基部の圧力装置１を、簡単にモジュール的に交換することが可能である。用途に応じてユーザは、例えば、圧縮用装置ヘッドと切断用装置ヘッドの間で選択することができ、あるいは電動の基部圧力装置とレバー式の基部圧力装置の間で選択することができる。
【００５２】
交換は、常に乾性側で行われ、すなわち液圧側は常に、基部圧力装置に留まるピストン・ヘッド５により閉鎖状態に保持される。
【００５３】
この構成により、さらに携帯型圧力装置１が、予め組み立てられ、オイル充填され、そして検査されることが可能となる。その後、適宜の装置ヘッド９を必要に応じて装着することができる。
【００５４】
以上、本発明に関し全ての特徴が開示された。関連する添付の優先書類（先の出願の複写）もまた全て本願の開示に含まれるものとする。これらの書類における特徴を本願のクレームへ導入する目的でもある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による携帯型液圧式圧力装置であって、この圧力装置に接続できる交換可能な装置ヘッドを具備する携帯型液圧式圧力装置を示す斜視図である。
【図２】図１の携帯型液圧式圧力装置であり、部分的に断面を示す側面図である。
【図３】図２の携帯型液圧式圧力装置であって交換可能な装置ヘッドの接続後の側面図であり、圧力が付与されていない初期位置にある状態を示す図である。
【図４】図３に対応する図であり、圧力が付与された作業位置にある状態を示す図である。
【図５】図４のＶ−Ｖ領域を詳細に示す拡大図である。
【図６】別の交換可能な装置ヘッドを装着した手動により作動可能な別の組み合わせに係る圧力装置の斜視図である。
【図７】図６の圧力装置の部分的に断面を示す側面図である。
【図８】ピストン・ヘッドを具備する液圧式シリンダに接続される別の交換可能な装置ヘッドの断面図である。
【符号の説明】
１ 携帯型液圧式圧力装置
５ ピストン・ヘッド
７ 液圧シール
８ 液圧式シリンダ
９ 装置ヘッド
１０ ツール・キャリア
１２ ねじ山
１３ カップ壁
１４ ピストン・ヘッド支持枠凹部
１５ ピストンヘッド凹部
１６ ピストン・シャンク
１９ カウンタホルダ部品
２２ 復帰スプリング
２４ ピストン・シャンク支持枠凸部
２５ 円筒頭ねじ
２６ 円筒形頭部
２７ 取っ手
２８ 円弧状部品

Claims (15)

1. 交換可能な装置ヘッド（９）を接続及び取り外し可能な携帯型液圧式圧力装置（１）であって、液圧シリンダ（８）を具備し、前記装置ヘッド（９）による圧縮操作又は切断操作を行うべく該液圧シリンダ（８）内で液圧により作動するピストンを動かすことができ、該ピストンがピストン・ヘッド（５）とピストン・シャンク（１６）とを具備し、該ピストン・シャンク（１６）が該ピストンを復帰させるための圧縮スプリング（２２）を具備するとともに前記装置ヘッド（９）の一部であるツール・キャリア（１０）に接続される、前記携帯型液圧式圧力装置（１）において、
   前記ピストン・ヘッド（５）と前記ピストン・シャンク（１６）は互いに分割されており、前記ピストン・ヘッド（５）は前記携帯型液圧式圧力装置（１）上に位置する一方、前記ピストン・シャンク（１６）は前記装置ヘッド（９）上に位置し、かつ、
   前記装置ヘッド（９）は前記ピストン・シャンク（１６）及び前記圧縮スプリング（２２）とともに交換可能であることを特徴とする携帯型液圧式圧力装置。
2. 前記ピストン・シャンク（１６）が前記ピストン・ヘッド（５）へ接続されることなく圧力付与すべく、該ピストン・ヘッド（５）に対して単に当接することを特徴とする請求項１に記載の携帯型液圧式圧力装置。
3. 前記ピストン・シャンク（１６）が、手動操作により解放可能な方式により前記ピストン・ヘッド（５）へ接続されることを特徴とする請求項１に記載の携帯型液圧式圧力装置。
4. 前記圧縮スプリング（２２）が、前記ピストン・シャンク（１６）を取り巻き、かつ、前記圧縮スプリング（２２）の両端は前記ピストン・シャンク（１６）の両端の位置にてそれぞれ支持されていることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の携帯型液圧式圧力装置。
5. 前記ピストン・ヘッド（５）が、ピストン・シャンク側に支持枠凹部（１４）又は支持枠凸部を有し、前記ピストン・シャンク（１６）が、ピストン・ヘッド側に支持枠凸部(24)又は支持枠凹部を有することを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の携帯型液圧式圧力装置。
6. 突出する円筒形頭部（２６）をもつ円筒頭ねじ（２５）が、ピストン・シャンク（１６）のピストン・ヘッド側の中心に装着されることにより、ピストン・ヘッド（５）上での中心支持を確保し、該円筒形頭部（２６）が該ピストン・ヘッド（５）の対応する凹部（１５）内に受容されることを特徴とする請求項１〜５のいずれかに記載の携帯型液圧式圧力装置。
7. 前記ピストン・ヘッド（５）が、ピストン・シャンク側にカップ壁（１３）を有することを特徴とする請求項１〜６のいずれかに記載の携帯型液圧式圧力装置。
8. 前記カップ壁（１３）の高さが、前記シャンクの長さの４分の１よりも長いことを特徴とする請求項７に記載の携帯型液圧式圧力装置。
9. 前記液圧シリンダ（８）が前記装置ヘッドに向き合う端部の外側にねじ山（１２）を有し、装置ヘッド（９）がこのねじ山（１２）を用いて液圧シリンダ（８）へ接続されることを特徴とする請求項１〜８のいずれかに記載の携帯型液圧式圧力装置。
10. 前記装置ヘッド（９）と前記液圧シリンダ（８）の接続位置が、インデックス・ピン（２９）により規定される請求項１〜９のいずれかに記載の携帯型液圧式圧力装置。
11. 前記ピストン・シャンク（１６）が階段形状であり、カウンタホルダ部品（１９）を用いて前記装置ヘッド（９）へ接続され、該カウンタホルダ部品（１９）が装置ヘッド（９）上で支持され該階段面に対して当接することを特徴とする請求項１〜１０のいずれかに記載の携帯型液圧式圧力装置。
12. 前記カウンタホルダ部品（１９）が、前記液圧シリンダ（８）を収容する装置ヘッド（９）の穴へねじで接続されることを特徴とする請求項１１に記載の携帯型液圧式圧力装置。
13. 前記装置ヘッド（９）が取っ手（２７）を有することを特徴とする請求項１〜１２のいずれかに記載の携帯型液圧式圧力装置。
14. 前記取っ手（２７）が、前記ピストン又は液圧シリンダ（８）の動作方向に延びることを特徴とする請求項１３に記載の携帯型液圧式圧力装置。
15. 前記取っ手（２７）が円弧状部品（２８）により形成され、該円弧状部品がその両端にて前記装置ヘッド（９）へ結合することを特徴とする請求項１３又は１４のいずれかに記載の携帯型液圧式圧力装置。

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