JP4739689B2 - エポキシ樹脂硬化剤およびエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なエポキシ樹脂硬化剤および該硬化剤を配合してなるエポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂(硬化物)は、耐熱性、接着性、耐水性、機械的強度、電気特性などに優れていることから、接着剤、積層板、含浸物、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品等の分野で広く使用されている。
従来から、電子・電気機器を中心に、硬化剤として酸無水物系化合物が使用されてきた。該酸無水物系硬化剤は、脂肪族系、脂環式系、芳香族系、ハロゲン系に大別される(例えば、非特許文献1参照)。
特に近年、電気・電子分野では耐熱性と靭性(特に、耐ヒートサイクル性で評価される残留応力の低減)および高輝度LED光源に対する耐劣化性(紫外線領域の光透過性)に係る要求が高まっていることから、エポキシ樹脂および有機溶媒への溶解性に優れる脂環式テトラカルボン酸二無水物系化合物からなるエポキシ樹脂硬化剤が注目されている。
脂環式テトラカルボン酸二無水物系のエポキシ樹脂硬化剤としてメチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物(MCTC)が知られているが、この化合物は融点が167℃で耐熱性に限界があることに加え、その生成に無水マレイン酸1モルとピペリレン1モルをディールス・アルダー反応した後、さらに当該生成物と無水マレイン酸1モルとのエン反応の2段階の工程を必要とする(例えば特許文献1参照)。無水マレイン酸とα―メチルスチレンとから得られる脂環式テトラカルボン酸二無水物系のエポキシ樹脂硬化剤(例えば特許文献2参照)にも同様の問題がある。
「エポキシ樹脂ハンドブック」新保正樹編(日刊工業新聞社昭和62年刊行)179〜210ページ 特開昭55−36406号公報 特開昭62−212419号公報
本発明は、製造が容易であり、かつエポキシ樹脂および有機溶媒への溶解性と耐熱性に優れた脂環式テトラカルボン酸二無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤および当該硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のトリシクロ環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を用いれば、上記課題を克服した新規なエポキシ樹脂硬化剤および当該硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明の第1は、一般式(1)、(2)、(3)で表されるいずれかのテトラカルボン酸二無水物のエポキシ樹脂硬化剤としての使用である。
Figure 0004739689
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一般式(1)〜(3)において、R1は水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。m、nは互いに独立の0〜5までの任意の整数であり、m+nが複数の場合、複数のR2は互いに同じでも異なってもよい。
本発明の第2は、一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つを含むエポキシ樹脂硬化剤を配合してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
Figure 0004739689
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一般式(1)〜(3)において、R1は水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。m、nは互いに独立の0〜5までの任意の整数であり、m+nが複数の場合、複数のR2は互いに同じでも異なってもよい。
本発明の第3は、本発明の第2のエポキシ樹脂組成物からなること特徴とする発光ダイオード封止剤である。
本発明に係る一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つを含むエポキシ樹脂硬化剤は、その特定の化学構造に由来して、硬化剤自体として、および、硬化反応前後のエポキシ樹脂組成物において以下の優れた特性を発揮する。
(1)基本構造が脂環式構造でありながら、さらに、置換基として芳香族環を有するため、未硬化のエポキシ樹脂、有機溶剤に対する溶解性に優れ、硬化反応前の取り扱い性に優れる。
(2)2つのカルボン酸無水物基に挟まれる構造がビシクロ型の脂環式構造であるため、従来の脂環式テトラカルボン酸二無水物系化合物に比べて高融点であり、エポキシ樹脂硬化物にしたときの耐熱性が優れる。
(3)基本構造が非対称であり、さらに、置換基として嵩高い芳香族環を有するため、エポキシ樹脂硬化物に屈曲性が付与され、かつ靭性を与える。
(4)主構造が脂環トリシクロ構造であるため、芳香族系エポキシ樹脂間の共役を阻害し、透明性の高いエポキシ樹脂組成物が得られる。
(5)再結晶による精製が可能であるために、高純度架橋剤としての使用が可能であり、優れた光学特性を有するエポキシ樹脂組成物が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、エポキシ樹脂の硬化剤として一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物化合物を使用する点に特徴を有する。
一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、一般式(4)で表される化合物1モルと一般式(5)で表される化合物2モルとを反応させて得られる。(W.N.Emmerling et al 、European Polymer Journal, Vol.13, p179を参照。)一般式(2)(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物は一般式(1)の化合物を水素化還元することによって得られる。
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一般式(4)、(5)において、R1は水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。m、nは互いに独立の0〜5までの任意の整数であり、m+nが複数の場合、複数のR2は互いに同じでも、または、異なっても良い。
一般式(4)で表される化合物の具体例としては、1,1−ジフェニルエチレン、1,1−ジ(メチルフェニル)エチレン、1−フェニル−1−メチルフェニルエチレン、1,1−ジフェニルプロペン、1,1−ジ(メチルフェニル)プロペン、1−フェニル−1−メチルフェニルプロペン等が挙げられる。
一般式(5)で示される化合物の具体例としては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸(3−メチル無水マレイン酸)、3−エチル無水マレイン酸、3,4−ジメチル無水マレイン酸、3−クロル無水マレイン酸、3,4−ジメチル無水マレイン酸、等が挙げられる。
一般式(4)の化合物1モルと、一般式(5)の化合物2モルとは、図1に示す経路で反応して、一般式(1)のテトラカルボン酸二無水物を生成するものと考えられる。反応の進行には、特に触媒を必要とせず、適宜、溶剤を使用して、両者を混合して加熱攪拌して得ることができる。反応温度は、溶媒を使用した場合は当該溶媒の沸点付近で行うのが一般的であるが、50〜200℃間で行うことができる。より好ましくは、60〜150℃である。反応時間は反応温度との関係から定まるが、通常0.1〜20時間の範囲が好ましい。
以下、反応経路を図1にしたがって説明する。
一般式(4)と一般式(5)の化合物とは、炭素・炭素二重結合の電子密度差を誘因として電荷移動錯体を形成する。
したがって、一般式(4)および一般式(5)それぞれの化合物に存在する置換基が、両者の炭素・炭素二重結合の電子密度差を減少させないようにすることが好ましい。すなわち、一般式(4)の化合物の芳香族環以外の炭素に電子吸引性の強い置換基を存在させすることは好ましくなく、一般式(5)の化合物の炭素に電子供与性の強い置換基を存在させることは好ましくない。さらに、立体障害効果を有する置換基の存在も好ましくない。
したがって、一般式(4)中のR1および一般式(5)中のR1の少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。また、R1およびR2は、それぞれがアルキル基である場合、炭素数10以下であることが好ましく、炭素数5以下がさらに好ましく、特にメチル基、プロピル基が好ましい。
また、一般式(4)の化合物については、m+n≦4とすることが好ましく、特に、m+n≦2が好ましい。したがって、最も好ましい一般式(4)で表される化合物は1,1−ジフェニルエチレンであり、最も好ましい一般式(5)で表される化合物は無水マレイン酸である。
一般式(4)と一般式(5)とから形成される電荷移動錯体は、分子内環化反応により六員環(シクロヘキサジエン環)となり、当該六員環化合物内のシクロヘキサジエン部と原料化合物一般式(5)の炭素・炭素二重結合部とが、ディールス・アルダー反応を経由して一般式(1)の化合物を生成するものと考えられる。当該ディールス・アルダーによって生成する炭素・炭素二重結合部は高温環境下で逆ディールス・アルダー反応で分解することがあるので、公知の還元法等を用いて常法により水素添加して当該部分を飽和結合として一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物、さらに、側鎖の芳香族環を水添して一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物とする。
接触還元方法は、金属触媒として、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、白金、ニッケル、コバルト等を使用して、溶媒中で、水素圧を常圧から10MPa(100kg/cm2)の範囲、温度を0〜150℃の範囲で行うことができる。
さらに詳しく述べれば、一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物を高い収率で得る場合は、パラジウム系触媒存在下で水素圧を1MPa〜5MPaの範囲とし、温度を室温〜50℃の範囲で5〜20時間接触還元を行うとよく、一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物を高い収率で得る場合は、パラジウム系触媒存在下で水素圧を5MPa〜8MPaの範囲とし、温度を50〜100℃の範囲で5〜20時間接触還元を行うとよい。
一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、従前のエポキシ樹脂硬化剤に使用されているテトラカルボン酸二無水物に比べて、特段の反応条件変更を要さずに実質的にひとつの反応操作で、エン反応等と比較して温和な条件下による反応で、副生成物を生じることなく得られる。特に高い純度が要求される光学機能部材中で使用されるエポキシ樹脂組成物の硬化剤製造として極めて優れた特性を発揮する。これらの中でも、一般式(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、高温環境下でも逆ディールス・アルダー反応がないので、高い耐熱性、あるいは、長期の安定性が要求されるエポキシ樹脂組成物の硬化剤として優れている。
本発明に係る一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、2つのカルボン酸二無水物基がトリシクロ環構造中に非対称に配置されていること、および、側鎖(例えば、n=0であればベンゼン環。)を有していることを特徴とする。本発明者らは、当該基本構造が、エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂組成物の耐熱性、有機溶剤への溶解性、靭性の付与に大きく関与しているものと考えている。
上記基本的特性に加えて、より優れた耐熱性と芳香族系材料との親和性を所望する場合は一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物、よりすぐれた透明性と溶解性を所望する場合は一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物を単独で使用するが、これらの特性をバランスよく所望する場合は、混合して使用しても良い。なお、一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物も、化学修飾や架橋反応を所望する場合、300℃以上で残渣を大量に残さない熱分解を所望する場合は併用することが好ましい。また、LED封止剤等、長期にわたり広範な温度で使用され、かつ、高い透明性が要求される用途においては、分解可能性の問題に加えて酸価劣化の問題を考慮して、一般式(2)、または(3)、特に一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物を使用することが好ましい。
また、本発明に係るエポキシ樹脂組成物を得るためには、一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物中に開環重付加反応や閉環反応の進行に関して立体障害となる置換基を含まないことが好ましく、一般式(1)、(2)、(3)の中でも、1,1−ジフェニルエチレンと無水マレイン酸から合成されるテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
本発明に係るテトラカルボン酸二無水物を含むエポキシ樹脂硬化剤を使用するに際して、そのまま使用するか、他のエポキシ樹脂硬化剤と併用するか、あるいは通常のエポキシ樹脂硬化剤組成物を構成する他の化合物と混合して硬化剤組成物として使用しても良いし、あらかじめジアミン化合物と反応させて得られる繰り返しイミド構造を有するものを得てこれを硬化剤として使用しても良い。
本発明に係る効果を得るためには、使用されるエポキシ硬化剤のうち、1種のみ使用する場合および2種以上使用する場合のいずれにおいても、一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物を、少なくとも5質量%以上、好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは、40質量%以上使用する。なお、これらの使用法、配合比は上記段落0029に記載の各化合物の特性に基づいて決定すればよい。なお、それ以外の硬化剤は、公知のエポキシ樹脂硬化剤に用いられる化合物を使用してよい。
本発明において用いられるエポキシ樹脂に特に制限はなく、1分子当り2以上のエポキシ基を持つものであればよい。芳香族系の化合物であれば、グリシジルエーテル類、グリシジルエステル類、グリシジルアミン類、具体例としては、例えば、ビスフェノールA又はビスフェノールFとエピクロロヒドリンを原料とするエポキシ化合物、フェノールノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル等が挙げられる。相当する市販品としては、「エピコート827」、「828」、「エピコート834」、「1001」、「1004」「エピコート152」、「154」、「180S65」等である。
本発明に係るエポキシ樹脂硬化剤とエポキシ樹脂との混合比率は、(エポキシ樹脂中のエポキシ基):((一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物中の酸無水物基)+(他の硬化剤の硬化反応に関与する官能基))のモル当量比が0.5〜1.5となるような範囲である(以下これを「官能基当量比」と称する。)。エポキシ樹脂組成物を硬化するに際しては、通常の方法に従って処理すれば良く、温度範囲は50〜200℃、好ましくは100〜200℃の範囲で硬化反応所要時間とのバランスで選択すればよい。
硬化反応においては、公知の硬化促進剤を添加してもよい。また、本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、反応性希釈剤、可塑剤、シリカ等の無機充填剤、難燃剤、離型剤、消泡剤、沈降防止剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、染料、顔料、着色剤等を配合することができる。
以下、実施例を挙げ本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<テトラカルボン酸二無水物の合成>
容量20mlのナス型フラスコに1,1−ジフェニルエチレン5.10gと無水マレイン酸2.78g(モル比1:1)を入れ、10分間溶存酸素を脱気した後、油浴を140℃に保ち5時間加熱攪拌した。反応系の温度は106℃であった。反応終了後、トルエンをフラスコに加えて析出する沈殿物を濾過して集めた。濾過物の重量は3.65gであった。本実施例おいては、1,1−ジフェニルエチレンは反応原料として仕込まれたと同時に、過剰分は溶剤として機能している。本実施例の収率は、1,1−ジフェニルエチレン2.55gと無水マレイン酸2.78g(モル比1:2)を基準として、68%である。
(DSC分析による融点測定)
酢酸エチルから再結晶した当該化合物は、20℃/minでの昇温条件で290℃ に明確な吸熱ピークを示した。
<テトラカルボン酸二無水物の構造決定>
(マススペクトル)
マススペクトルの結果、生成物の分子量は376であった。
(IRスペクトル測定)
700cm−1〜740cm−1:1置換芳香族帰属ピーク
760cm−1〜860cm−1:炭素・炭素二重結合帰属ピーク
1780cm−1〜1880cm−1:カルボン酸無水物帰属ピーク
(1HNMRスペクトル測定)
1H NMRスペクトル(DMSO−d6)
2.55(m、2H)、2.75(m、2H):カルボニル基隣接炭素上の水素
3.50〜3.60(m、2H)
3.70(t、1H):シクロへキセン環とシクロヘキサジエン環結合部炭素上の水素
3.80(m、2H):シクロヘキセン中のメチン水素
6.00(t、1H)、6.25(t、1H):炭素・炭素二重結合部の水素
7.20(d、2H)、7.35(t、1H)、7.45(t、2H):1置換ベンゼン部の水素
以上の分析結果から、生成物の化学構造は一般式(1)の構造を満足するテトラカルボン酸二無水物のうち、下記の化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることを確認した。なお、当該化合物の構造決定に関しては、上記非特許文献1も参照した。
Figure 0004739689
化学式(1)で表される上記テトラカルボン酸二無水物を1gを10mlのTHFに溶解し、10%パラジウム/カーボン触媒(小島薬品製)100mgを加えて、50℃、5〜4.50MPa(水素圧)で水素化還元を16時間行った。触媒を除去後、THFを減圧蒸留して白色の結晶を95%の収率で回収した。
当該結晶のHNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合部分の2個の水素原子に帰属されるピーク面積が消滅し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)が水素化還元されたことを示した。一方、δ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素は新たに出現せず芳香族環族の核水添が生じていないことを示した。なお、これ以外に大きな変化は見られなかった。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認し、また、マススペクトルの結果から分子量が化学式(6)の化合物より2多い378になっていることを確認した。
この結果から、当該還元処理化合物が、一般式(2)の構造を満足する化学式(7)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることが確認された。
Figure 0004739689
化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物1gを10mlのTHFに溶解し、10%パラジウム/カーボン触媒(小島薬品製)50mgを加えて、100℃、1〜0.95MPa(水素圧)で水素化還元を6時間行った。触媒を除去後、THFを減圧蒸留して白色の結晶を95%の収率で回収した。
当該結晶のHNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合部分の2個の水素原子に帰属されるピーク面積とδ=7.20〜7.45の領域に現れる一置換ベンゼン環部分の5個の水素原子に帰属されるピーク面積との比が、還元処理前の2:5から、1.2:5に変化し、δ=6.00近傍にメチン系水素のピークが新たに出現し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)の一部が水素化還元されたことを示した。
一方、δ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素は新たに出現せず芳香族環族の核水添が生じていないことを示した。なお、これ以外に大きな変化は見られなかった。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認した。
この結果から、当該還元処理化合物が化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物約60モル%と化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物約40モル%とから構成されることが確認された。
以下、当該方法で得られた化合物を「水添テトラカルボン酸二無水物混合物A」という。
化学式(1)で表される上記テトラカルボン酸二無水物を1gを10mlのTHFに溶解し、10%パラジウム/カーボン触媒(小島薬品製)100mgを加えて、120℃、9.00〜8.50MPa(水素圧)で水素化還元を16時間行った。触媒を除去後、THFを減圧蒸留して白色の結晶を95%の収率で回収した。
当該結晶のHNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合部分の2個の水素原子に帰属されるピークおよびδ=7.20〜7.00の領域に現れる芳香族環の水素原子に帰属されるピークが消滅し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)が水素化されかつ芳香族環が核水添されたことを示した。一方、δ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素が出現した。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認し、また、マススペクトルの結果から分子量が化学式(6)の化合物より8多い386になっていることを確認した。
この結果から、当該還元処理化合物が、一般式(3)の構造を満足する化学式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることが確認された。
これらの脂環式テトラカルボン酸二無水物系化合物の合成経路を図2に示した。
Figure 0004739689
化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物1gを10mlのTHFに溶解し、10%パラジウム/カーボン触媒(小島薬品製)50mgを加えて、100℃、1〜0.95MPa(水素圧)で水素化還元を6時間行った。触媒を除去後、THFを減圧蒸留して白色の結晶を95%の収率で回収した。
当該結晶のHNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合部分の2個の水素原子に帰属されるピークが消滅し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)が水素化されたことを示した。また、δ=7.20〜7.45の領域に現れる一置換ベンゼン環部分の5個の水素原子に帰属されるピーク面積とδ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素が新たに出現した。なお、これ以外に大きな変化は見られなかった。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認した。
それぞれのピーク面積の比から、当該還元処理化合物が化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物約50モル%と化学式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物約50モル%とから構成されることが確認された。
以下、当該方法で得られた化合物を「水添テトラカルボン酸二無水物混合物B」という。
<エポキシ樹脂未硬化組成物の製造>(実施例1〜11)
化学式(1)〜(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物、および、「水添テトラカルボン酸二無水物混合物A」、「水添テトラカルボン酸二無水物混合物B」のそれぞれとビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828:(ジャパンエポキシレジン油化シェル(株)製、エポキシ当量=185)とを表1に示す官能基当量比の割合で混合し、硬化促進剤としてベンジルジメチルアミン(BDMA)(東京化成工業(株)試薬)をエポキシ樹脂100重量部に対し1重量部添加してよく攪拌したところ、溶液は均一となった。
<靭性(耐ヒートサイクル)評価>
上記エポキシ樹脂未硬化組成物をトランスファー成形機(成形条件175℃、硬化時間2分間)で成形を行い、その後175℃で8時間後硬化し、日本工業規格JIS C―2105(電気絶縁用無溶剤レジン試験方法)に準拠した熱伝導率の異なる金属ワッシャーを封入した硬化物試験片を得た。
ヒートサイクル試験:5個の試験片が150℃から0℃まで冷却する際に発生してくるクラックを観察し、その平均クラック数を算出した。
<耐熱性(熱変形温度)評価>
上記エポキシ樹脂未硬化組成物をトランスファー成形機(成形条件175℃、硬化時間2分間)で成形を行い、その後175℃で8時間後硬化し、日本工業規格JIS K―6901の方法に準拠して試験片を作成し、熱変形温度(HDT)ついて測定を行った。
<耐UV光透過性評価>
上記エポキシ樹脂未硬化組成物をトランスファー成形機(成形条件175℃、硬化時間2分間)で成形を行い、その後175℃で8時間後硬化し、冷却後、150mm×75mmの試験片を切り出し、400nmにおける初期透過率と100時間照射後の透過率を測定した。紫外線照射装置はスガ試験機社製「Dew Panel Light ControlWeather Meter DWPL−5R」)を使用し、UVランプを試験片に照射し、ただし、ブラックパネル温度は63℃、照射強度は3mW/cm2とした。
[比較例1]
硬化剤としてMH−700(新日本理化(株)製:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸を主成分とする酸無水物系硬化剤。官能基(酸無水物基)=約168g/eq。)を使用して、実施例1に準じて試験片を作成し、評価した。
評価結果を表1に示す。
表1から、本発明に係る硬化剤を使用したエポキシ樹脂組成物から得られた硬化物は、広範な環境温度変化においてもクラック発生数が少なく靭性に優れ、荷重下における耐熱性に優れ、UV光に対して初期透過率が高くかつ透過率の低下が小さい。この結果は、温度環境変化への対応の機械的特性、透明性維持性にすぐれた耐熱性エポキシ樹脂組成物であることを示し、LED用封止剤として使用したときに極めて優れた特性として発揮されることが予測される。
Figure 0004739689
本発明に係るエポキシ樹脂硬化剤組成物における一般式(1)、(2)、(3)で表される脂環式テトラカルボン酸無水物は高融点を有する固体であるが、優れた有機溶剤への溶解性を有している。
また、本発明にかかるエポキシ樹脂硬化剤を配合してなるエポキシ樹脂組成物の硬化物は、耐熱性、靭性に優れていることから、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料など、様々な分野で使用することができる。
さらに、透明性が高く、発光装置の封止材料として使用できる。特に、高輝度の青色(460nm付近に主発光がある)LEDの開発や紫外線領域(例えば350〜400nm)の透過性能の維持性能に優れるから、青色LEDの性能が向上したことにより3原色の表示が可能となり、ディスプレイユニット用の封止材料として用いることができる。
テトラカルボン酸二無水物を生成する反応経路図 実施例に係るテトラカルボン酸二無水物を生成する反応経路図

Claims (3)

  1. 一般式(1)、(2)、(3)で表されるいずれかのテトラカルボン酸二無水物のエポキシ樹脂硬化剤としての使用。
    Figure 0004739689
    Figure 0004739689
    Figure 0004739689
    一般式(1)〜(3)において、R1は水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。m、nは互いに独立の0〜5までの任意の整数であり、m+nが複数の場合、複数のR2は互いに同じでも異なってもよい。
  2. 一般式(1)、(2)、(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つを含むエポキシ樹脂硬化剤を配合してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    Figure 0004739689
    Figure 0004739689
    Figure 0004739689
    一般式(1)〜(3)において、R1は水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。m、nは互いに独立の0〜5までの任意の整数であり、m+nが複数の場合、複数のR2は互いに同じでも異なってもよい。
  3. 請求項2記載のエポキシ樹脂組成物からなること特徴とする発光ダイオード封止剤。
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