JP2000178344A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JP2000178344A
JP2000178344A JP10358615A JP35861598A JP2000178344A JP 2000178344 A JP2000178344 A JP 2000178344A JP 10358615 A JP10358615 A JP 10358615A JP 35861598 A JP35861598 A JP 35861598A JP 2000178344 A JP2000178344 A JP 2000178344A
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Yoshinobu Onuma
吉信 大沼
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Yuka Shell Epoxy KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屋外用の塗料、床材、舗装材及び注型材料と
して有用な、常温硬化性および、特に耐候性に優れた塗
料を提供する。 【解決手段】(A) 成分:1 分子中に炭素数 5〜10の脂環
構造を少なくとも 1個有し、かつ 1個より多いグリシジ
ルエーテル基を有するエポキシ樹脂、 (B) 成分:1 分子中に少なくとも 1個のアミノ基を有す
る、脂肪族または脂環式アミン硬化剤、 (C) 成分:アンモニウム塩類から選ばれる硬化促進剤、 以上の(A) 成分、(B) 成分および(C) 成分を含有するエ
ポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋外用の塗料、床
材、舗装材および注型材料として有用な、常温硬化性が
改良され、特に耐候性に優れた塗料として有用なエポキ
シ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は耐熱性、接着性、耐水
性、機械的強度および電気特性等に優れていることか
ら、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の
絶縁材料等、様々の分野で使用されている。常温硬化性
のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAのジグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテ
ル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等の芳香族エ
ポキシ樹脂が一般的である。
【0003】しかし、上記芳香族エポキシ樹脂は、硬化
物が屋外に放置される場合や紫外線を発生する光源に曝
される場合には黄変色を起こすことが知られている。そ
こで、かかる問題を解消するため、耐候性が要求される
用途には、水添ビスフェノールA等のアルコール類をエ
ポキシ化して得られる脂環式エポキシ樹脂が用いられて
いる。
【0004】しかし、上記脂環式エポキシ樹脂は、一般
に、芳香族エポキシ樹脂と比べてアミン系の硬化剤との
反応性が著しく劣り、常温で硬化させるにはかなりの長
時間を要する。そこで、脂環式エポキシ樹脂の常温硬化
性を増加させるため、アルカリ金属塩類またはアルカリ
土類金属塩類の硬化促進剤を添加する方法(USP4,397,99
8 号明細書参照) 、ビスフェノール化合物を添加して硬
化を促進させる方法(特開平09-157357 号公報参照)が
提案されている。
【0005】これらの硬化促進剤によってエポキシ樹脂
組成物の常温硬化性は改良されるものの、アルカリ金属
塩類またはアルカリ土類金属塩類を添加する方法は、金
属塩類が脂環式エポキシ樹脂やアミン硬化剤へ非常に溶
解しにくいため、ポリエチレングリコール等の相溶化剤
を添加する必要がある。このような非反応性の相溶化剤
の添加は、ガラス乾移温度の低下や、相溶化剤のブリー
ドによる表面光沢の低下が起こるため、実用上かなり問
題である。また、ビスフェノール化合物を添加する方法
は、ビスフェノール中の芳香環のため、ビスフェノール
無添加系に比べ、その硬化物が紫外線により著しく黄変
するという問題を有しており、耐候性が要求される屋外
の塗料用途には使用できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、常温硬化性
が改良され、耐侯性に優れた硬化物を与えることができ
る、エポキシ樹脂、アミン硬化剤および硬化促進剤を含
有する、エポキシ樹脂組成物を提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、つぎの各発明
を包含する。 (1)(A)成分として、1 分子中に炭素数5 〜10の脂環構造
を少なくとも 1個有し、かつ 1個より多いグリシジルエ
ーテル基を有するエポキシ樹脂、(B) 成分として、1 分
子中に少なくとも1 個のアミノ基を有する脂肪族または
脂環式アミン硬化剤、(C) 成分として、アンモニウム塩
類から選ばれる硬化促進剤、以上の(A) 成分、(B) 成分
および(C) 成分を含有するエポキシ樹脂組成物に関す
る。
【0008】(2)(A)成分としてのエポキシ樹脂100 重量
部に対し、(B) 成分としてのアミン硬化剤が、 1〜100
重量部、(C) 成分としての硬化促進剤がO.1 〜 7重量部
の割合で配合されて成る、(1) 項記載のエポキシ樹脂組
成物。 (3)(A)成分は、芳香族エポキシ樹脂を水素化して得られ
たエポキシ樹脂であることを特徴とする、(1) 項または
(2) 項に記載のエポキシ樹脂組成物。
【0009】(4)(A)成分は、芳香族エポキシ樹脂をエー
テル系溶剤に溶解し、ロジウムまたはルテニウムをグラ
ファイトに担持した触媒の存在下、加圧下に水素化して
得られたエポキシ樹脂であることを特徴とする、(1) 項
〜(3) 項のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。 (5)(A)成分は、エポキシ当量が 150〜1000の範囲内のビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂およびノボラック型エポキシ樹脂から選ばれ
た少なくとも1 種を水素化して得られるエポキシ樹脂で
あることを特徴とする、(1) 項〜(4) 項のいずれかに記
載のエポキシ樹脂組成物。
【0010】(6)(A)成分は、芳香環の水素化率が85%以
上のエポキシ樹脂であることを特徴とする、(3) 項〜
(5) 項のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。 (7)(C)成分のアンモニウム塩類は、アンモニウムの硝酸
塩およびチオシアン酸塩から選ばれたすくなくとも1 種
であることを特徴とする、(1) 項〜(6) 項のいずれかに
記載のエポキシ樹脂組成物。
【0011】(8)(A)成分のエポキシ樹脂100 重量部に対
して、(B) 成分のアミン硬化剤が、 1〜100 重量部、
(C) 成分の硬化促進剤が0.1 〜 7重量部、および有機溶
剤が 0〜100 重量部の範囲内で配合されており、E型回
転粘度計で測定した25℃の粘度が0.01〜10Pa・s である
ことを特徴とする、塗料用エポキシ樹脂組成物。
【0012】
【発明実施の形態】以下、本発明について詳細に説明す
る。 (A) 成分: エポキシ樹脂 本発明のエポキシ樹脂組成物における(A) 成分である、
1 分子中に炭素数5 〜10の脂環構造を少なくとも1 個有
し、かつ1個より多いグリシジルエーテル基を有するエ
ポキシ樹脂は、例えば、2,2 −ビス[4−(2,3−エポキシ
プロポキシ) シクロヘキシル] プロパン、ビス[o,o−
(2,3−エポキシプロポキシ) シクロヘキシル] メタン、
ビス[o,p−(2,3−エポキシプロポキシ) シクロヘキシ
ル] メタン、ビス[p,p−(2,3−エポキシプロポキシ) シ
クロヘキシル] メタン、1,4 −シクロヘキサンジメタノ
ールのジグリシジルエーテル、1,4 −シクロヘキサンジ
オールのジグリシジルエーテル、水添フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂、水添クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、水添ビスフェノールAノボラック型エポキシ
樹脂等が挙げられる。
【0013】上記エポキシ樹脂は、対応する芳香族エポ
キシ樹脂を水素化する方法、またはアルコール類をエポ
キシ化する方法により得られる。芳香族エポキシ樹脂を
水素化したエポキシ樹脂は、アルコールをエポキシ化し
たエポキシ樹脂と比べ、純度が非常に高くなり、ガラス
転移温度等が向上するという点でより好ましい。本発明
の(A) 成分のエポキシ樹脂が水素化エポキシ樹脂である
時、原料である芳香族エポキシ樹脂は、エポキシ当量が
150 〜1000の範囲内のビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂またはフェノール
類とアルデヒド類から得られるノボラックフェノールの
エポキシ化物であるノボラック型エポキシ樹脂を用いる
のが、本発明のエポキシ樹脂組成物を塗料用途として用
いた時の硬化性、表面硬度の点で好ましい。
【0014】また、芳香環の水素化率は、芳香環が脂環
構造に変化した割合であり、核磁気共鳴分析により求め
られ、水素化率は85%以上であるのが好ましい。芳香環
の水素化率が85%未満であると、エポキシ樹脂硬化物の
耐候性が極端に低下するため好ましくない。本発明にお
ける(A) 成分のエポキシ樹脂が水素化エポキシ樹脂であ
る時、このエポキシ樹脂の製造方法は、芳香族エポキシ
樹脂をテトラヒドロフラン、ジオキサン等の工一テル系
の有機溶剤を用いて、ロジウムまたはルテニウムをグラ
ファイト( 六方晶結晶の黒鉛) に担持した触媒の存在下
で、芳香環を選択的に水素化反応し脂環式エポキシ樹脂
を得る方法が、芳香環の水素化の選択率が良いという点
で好ましい。
【0015】更に、本発明のエポキシ樹脂組成物を塗料
用途として用いる際、(A) 成分のエポキシ樹脂が高粘度
または固形であるため取り扱い性が劣る時に、粘度調整
の目的で有機溶剤を使用することができる。粘度調整す
る時の粘度(25 ℃) は、E型回転粘度計で測定した値
で、0.01〜10Pa・s であるのが作業性の点で好ましい。
【0016】使用できる有機溶剤としては、例えば、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類、イソプロパノール、n
−ブタノール等のアルコール類、リグロイン、ミネラル
スピリット等の石油系炭化水素類等が挙げられる。これ
ら有機溶剤の使用割合としては、(A) 成分のエポキシ樹
脂100 重量部に対して、有機溶剤をO 〜100 重量部の範
囲内で用いるのが粘度の点で好ましい。
【0017】(B) 成分:脂肪族または脂環式アミン硬化
剤 本発明の(A) 成分のエポキシ樹脂は、アミン硬化剤を用
いて硬化させることができる。用いられる(B) 成分とし
ての、1 分子中に少なくとも1 個のアミノ基を有する脂
肪族または脂環式アミン硬化剤としては、たとえば次の
ものが挙げられる。
【0018】ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘ
キサミン、N −アミノエチルピペラジン、ヘキサメチレ
ンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジプ
ロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ポ
リオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジア
ミン等の脂肪族アミン、メンセンジアミン、イソホロン
ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル) メタン、ビ
ス(4−アミノ−3 −メチルシクロヘキシル) メタン、ビ
ス( アミノメチル) シクロヘキサン、3,9 −ビス(3−ア
ミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5,5] ウンデ
カン等の脂環族アミン、m −キシリレンジアミン等の脂
肪芳香族アミン、ポリカルボン酸類と脂肪族または脂環
式アミンから得られるポリアミド類である。
【0019】これらのアミン硬化剤は、そのまま使用し
てもよいが、モノエポキシとのアミンアダクト、シアノ
エチル化ポリアミン、ケティミン等の変性アミンとして
も使用することもできる。また、これらのアミン硬化剤
は、単独で使用してもよいが、2 種以上を併用して使用
することも可能である。また、上記アミン硬化剤は25℃
で液体であるのが、作業性および常温硬化性が向上する
という点でより好ましい。
【0020】(C) 成分; 硬化促進剤 本発明の組成物は常温硬化性を向上させるために、硬化
促進剤を配合して使用する。添加できる硬化促進剤は、
アンモニウム塩類から選ばれるものである。本発明の組
成物における(C) 成分のアンモニウム塩類は、前記(A)
成分および(B) 成分中へ、相溶化剤等を必要とせずに容
易に溶解するため有利に使用できる。使用できるアンモ
ニウム塩類としては、例えば、次のような化合物が挙げ
られる。
【0021】塩化アンモニウム、臭化アンモニウムおよ
び沃化アンモニウム等のハロゲン化アンモニウム塩類、
リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウムおよびリ
ン酸三アンモニウム等のリン酸アンモニウム塩類、ギ酸
アンモニウム、酢酸アンモニウム、アジピン酸アンモニ
ウム、安息香酸アンモニウムおよび修酸アンモニウム等
の有機酸アンモニウム塩類、リン酸二水素アンモニウ
ム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硝酸ア
ンモニウム、ホウ酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、
チオシアン酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム等で
ある。これらの中で、硝酸アンモニウムおよびチオシア
ン酸アンモニウムが、エポキシ樹脂およびアミン硬化剤
への溶解性、耐候性の向上効果に優れるという点で特に
好ましい。
【0022】(A) 成分のエポキシ樹脂、(B) 成分のアミ
ン硬化剤および(C) 成分である硬化促進剤の配合割合
は、(A) 成分のエポキシ樹脂100 重量部に対して、(B)
成分のアミン硬化剤が1 〜100 重量部、好ましくは、3
〜80重量部の範囲内、(C) 成分の硬化促進剤が0.1 〜7
重量部、好ましくは、0.2 〜5 重量部の範囲内となるよ
うに配合する。上記範囲を外れると、エポキシ樹脂硬化
物の耐熱性および耐湿性のバランスが悪くなるため好ま
しくない。
【0023】(任意成分)本発明のエポキシ樹脂組成物
には、必要に応じて次の成分を添加配合することができ
る。 (1) 粉末状の補強剤や充填剤、たとえば酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウムなどの金属炭酸塩、ケイソウ土
粉、塩基性ケイ酸マグネシウム、焼成クレイ、微粉末シ
リカ、溶融シリカ、結晶シリカなどのケイ素化合物、水
酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、カオリン、マイ
カ、石英粉末、グラファイト、二硫化モリブデン等であ
る。これらの成分は、エポキシ樹脂と硬化剤の和の100
重量部に対して、10〜900重量部配合される。
【0024】(2) 着色剤、顔料、たとえば二酸化チタ
ン、鉄黒、モリブデン赤、紺青、群青、カドミウム黄、
カドミウム赤等である。これらはエポキシ樹脂と硬化剤
の和の100 重量部に対して、0.1 〜20重量部配合され
る。
【0025】(3) さらに、最終的な塗膜、接着層、成形
品などにおける樹脂の性質を改善する目的で種々の硬化
性モノマー、オリゴマーおよび合成樹脂を配合すること
ができる。たとえば、モノエポキシ等のエポキシ樹脂用
希釈剤、アルキド樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、塩
化ビニル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエ
ステル樹脂等の1 種または2 種以上の組み合わせを挙げ
ることができる。これらの樹脂類の配合割合は、本発明
の樹脂組成物の本来の性質を損なわない範囲の量、すな
わちエポキシ樹脂と硬化剤の和の100 重量部に対して、
50重量部以下が好ましい。
【0026】本発明の組成物におけるエポキシ樹脂、エ
ポキシ樹脂用硬化剤、および硬化促進剤の配合手段とし
ては、最初に、(C) 成分の硬化促進剤であるアンモニウ
ム塩を(B) 成分のアミン硬化剤中に添加し、室温〜100
℃位の温度で攪拌し、均一な溶液にするのが好ましい。
その後、(A) 成分、必要ならば、任意成分および有機溶
剤を配合し、エポキシ樹脂組成物として使用する。
【0027】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて本発明
をさらに詳しく説明する。なお、各例中の部は重量部を
意味する。
【0028】製造例1 攪拌機および温度計を備えた500ミリットルのオート
クレーブ内にエピコート828EL(油化シェルエポキ
シ社商品名;ビスフェノールAのジグリシジルエーテ
ル、エポキシ当量; 186g/eq.)を100g、テ
トラヒドロフランを100gおよび、5重量%ロジウム
/95重量%グラファイト(グラファイトの表面積:1
30m2 /g)触媒5gを仕込み、水素圧力7MPa、
温度50℃、攪拌数500乃至800rpmの条件を保
持しながら、3時間還元反応を行った。反応終了後、冷
却し、触媒を濾別した後、テトラヒドロフランをエバポ
レーターにて減圧下、温度50℃で留去させて、無色透
明液体の水素化エポキシ樹脂96.5gを得た。この水
素化エポキシ樹脂の、E型粘度計より求めた25℃での
粘度が1.6Pa・s、過塩素酸滴定法により求めたエ
ポキシ基の損失率は8.0%、核磁気共鳴分析により求
めた芳香環の水素化率は、ほぼ100%であった。
【0029】製造例2 芳香族エポキシ樹脂をエピコート807(油化シェルエ
ポキシ社商品名;ビスフェノールFのジグリシジルエー
テル、エポキシ当量;170g/eq.)に代える以外
は、製造例1と同様の操作を行い、水素化エポキシ樹脂
97.7gを得た。この水素化エポキシ樹脂の25℃で
の粘度が0.45Pa・s、エポキシ基の損失率は4.
4%、芳香環の水素化率は、99%であった。
【0030】製造例3 芳香族エポキシ樹脂をエピコート154(油化シェルエ
ポキシ社商品名;フェノールノボラックのポリクリシジ
ルエーテル、エポキシ当量;178g/eq.)に代え
る以外は、上記製造例1と同様の操作を行い水素化エポ
キシ樹脂94.3gを得た。得られた水素化エポキシ樹
脂のエポキシ基の損失率は8.5%、芳香環の水素化率
は、95%であった。また、この水素化エポキシ樹脂1
00部に対し、トルエン10部を添加して均一な溶液と
した。この溶液の25℃での粘度は1.2Pa・sであ
った。
【0031】実施例1 イソホロンジアミン21部および硝酸アンモニウム1部
を室温で混合し、均一な溶液とした。また、製造例1に
より得られた水素化エポキシ樹脂100部中にルチル型
酸化チタン30部を添加し、混合物を3本ロールにて混
錬を行った。続いて、このエポキシ樹脂混合物中に、上
記アミン溶液を室温で加え、混合し、脱泡後、均一な溶
液としエポキシ樹脂組成物を得た。この、エポキシ樹脂
組成物の指触乾燥性(硬化性)を表1に示す。
【0032】次いで、上記組成物を、鋼鈑上にアプリケ
ーターにて塗布し、厚さ300μの塗膜を得た後、23
℃で24時間、さらに80℃で3時間オーブン中にて硬
化を行い硬化塗膜を得た。この塗膜の物性値を表1に示
す。なお、各種試験は下記に示す方法により測定を行っ
た。 指触乾燥性;JIS K5400に準拠して、温度23
℃、膜厚300μでの指触乾燥性を測定した。 硬化塗膜のガラス転移温度;DSC(10℃/分で昇
温)の変曲点より求めた。 硬化塗膜の耐候性;キセノンテスター(島津製作所製)
中にて、硬化塗膜の耐候性試験を行った。色差計を用い
て、200時間および400時間後の色の変化、ΔEを
測定した。ΔEの値が低いほど耐候性が良好である。
【0033】実施例2〜9および比較例1〜3 エポキシ樹脂、アミン硬化剤、硬化促進剤および任意成
分を表1のように代える以外は、実施例1と同様の操作
を行いエポキシ樹脂組成物を得、指触乾燥性を測定し、
更に硬化塗膜を得た。指触乾燥性および硬化塗膜の物性
値を表1に示す。
【0034】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明の組成
物は、エポキシ樹脂をアミン硬化剤と硬化促進剤を用い
ることによって、常温での硬化性を著しく改良した組成
物であり、硬化させたエポキシ樹脂硬化物は、耐候性が
より向上するばかりでなく、耐熱性をバランス良く備え
た硬化物が得られるため、広範な用途に応用展開が可能
である。特に、耐候性常乾塗料の用途において有利に使
用できる。
【0035】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J036 AB01 AB07 AB09 AD01 AF01 CC05 DA04 DC02 GA02 JA01 JA14 KA01 4J038 DB041 DB301 HA266 HA326 HA336 HA376 HA406 HA436 JB03 JB04 JB05 JB06 KA03 KA04 KA06 NA03 PB05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中に炭素数5〜10の脂環構造を
    少なくとも1個有し、かつ 1個より多いグリシジルエー
    テル基を有するエポキシ樹脂(A) 、1分子中に少なくと
    も1個のアミノ基を有する、脂肪族または脂環式アミン
    硬化剤(B) および、アンモニウム塩類から選ばれる硬化
    促進剤(C) の各成分を含有するエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A) 成分のエポキシ樹脂100重量部に
    対し、(B) 成分のアミン硬化剤が、1〜100重量部、
    (C) 成分の硬化促進剤が0.1〜7重量部の割合で配合
    されて成る、請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A) 成分は、芳香族エポキシ樹脂を水素
    化して得られたエポキシ樹脂であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A) 成分は、芳香族エポキシ樹脂をエー
    テル系溶剤に溶解し、ロジウムまたはルテニウムをグラ
    ファイトに担持した触媒の存在下、加圧下に水素化して
    得られたエポキシ樹脂であることを特徴とする、請求項
    1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A) 成分は、エポキシ当量が150〜1
    000の範囲内のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
    スフェノールF型エポキシ樹脂およびノボラック型エポ
    キシ樹脂から選ばれた少なくとも1種を水素化して得ら
    れるエポキシ樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項
    に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (A) 成分は、芳香環の水素化率が85%
    以上のエポキシ樹脂であることを特徴とする、請求項3
    〜5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (C) 成分のアンモニウム塩類は、アンモ
    ニウムの硝酸塩またはチオシアン酸塩であることを特徴
    とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエポキシ
    樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (A) 成分のエポキシ樹脂100 重量部に対
    し、(B) 成分のアミン硬化剤が、1〜100重量部、
    (C) 成分の硬化促進剤が0.1〜7重量部、および有機
    溶剤が 0〜100 重量部の範囲内で配合されており、E型
    回転粘度計で測定した25℃の粘度が0.01〜10P
    a・sである、塗料用エポキシ樹脂組成物。
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