JP5496716B2 - 粉体塗料用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は硬化性エポキシ樹脂組成物に関する。更には硬化性、塗膜物性に優れた塗料用エポキシ樹脂組成物に関する。また更には硬化性、可撓性、衝撃性、衛生性に優れた上水道鋳鉄管内面塗料用樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂粉体塗料は、その優れた化学的、物理的特性により防食用塗料として鋼製家具、上下水道鋳鉄管、工業用水管、建築用鋼材等に広く使用されている。
これら各種用途のうち、上水道用鋳鉄管用途においては、塗装性、塗膜物性の観点から従来、ビスフェノールA型エポキシ樹脂粉体塗料が使用されてきたが、低温硬化による焼付けエネルギーコストの低減、耐陰極剥離性の向上のため、近年、ビスフェノールF型エポキシ樹脂粉体塗料が使用されてきている。
特開2002−265859号公報 特許第2813986号公報
しかしながらビスフェノールF型エポキシ樹脂粉体塗料は、ビスフェノールA型に比較して、硬化反応に寄与しない成分が多いため硬化速度が遅く、また、硬化反応に寄与しない成分は塗膜中に未硬化成分として多く残存し、上水道に用いられる鋳鉄管の内面に塗装した場合、上水へ未硬化成分及び硬化に寄与しない成分が移行し、上水の衛生性が損なわれるという問題があったので、硬化性に優れ、かつ、衛生性に優れたビスフェノールF型粉体塗料組成物を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の配向性比率を持ったビスフェノールFとエピクロルヒドリンから合成されるビスフェノールF型エポキシ樹脂に硬化剤を配合することにより、硬化性、可撓性、衝撃性に優れ、かつ、衛生性に優れた粉体塗料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明の要旨は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる2核体純度が80面積%以上で、かつ、液体クロマトグラフィーによる2核体中のパラ・パラメチレン結合が70面積%以下、かつ、オルソ・オルソメチレン結合が10面積%未満であるビスフェノールFとエピクロルヒドリンより合成される常温で固体のビスフェノールF型エポキシ樹脂および硬化剤とを必須成分とする粉体塗料用樹脂組成物である。
また、本発明の要旨は上記粉体塗料組成物を硬化させてなる硬化塗膜である。
本発明のビスフェノールF型エポキシ樹脂組成物ゲルタイムが速くは硬化性に優れ、得られた塗膜は、可撓性を有し、平滑性、耐衝撃性、耐屈曲性、衛生性が高く優れた機械的特性を有する。さらに、塗膜からの抽出水のCODが低く衛生性に優れ、特に鋳鉄管内面粉体塗料用として極めて有用である。
上側が合成例4で示されたエポキシ樹脂(A−4)のHPLCチャートであり、同図下側が合成例1で示されたエポキシ樹脂(A−1)のHPLCチャートである。
本発明について更に詳細に述べる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂の原料であるビスフェノールFはフェノールとホルムアルデヒドを酸性触媒存在下において重縮合反応をして得られるものであるが、オルソ・パラ配向性を有する反応であるため、2つのベンゼン核を有する2核体においてはオルソ・オルソメチレン結合(以後、「オルソ・オルソ結合」という)、オルソ・パラメチレン結合(以後、「オルソ・パラ結合」という)、パラ・パラメチレン結合(以後、「パラ・パラ結合」という)の3種類の結合様式を有する化合物が生成することが知られている。更に、この生成した2核体にビスフェノールFとホルムアルデヒドが反応することにより、3核体あるいはそれ以上の核体数の化合物が生成する。本発明で使用するビスフェノールF型エポキシ樹脂の原料ビスフェノールFの2核体の純度は80面積%以上、更には85面積%以上のものが好ましい。一般に市販されているビスフェノールFはこの範囲であり、95面積%以上のものは蒸留や再結晶、溶剤抽出などの高純度化工程を要しなければならず経済的に不利となるからである。2核体純度が80面積%以下であると、得られるエポキシ樹脂は多官能成分を多く含有しており、この多官能成分の影響によりエポキシ樹脂製造過程でのゲル化の恐れや、このエポキシ樹脂を粉体塗料とした場合に塗膜のピンホール発生、流れ性が悪いという問題があるからである。また、本発明ではビスフェノールF中2核体の結合様式組成としてオルソ・オルソ結合が10面積%未満、パラ・パラ結合が70面積%以下の範囲であることが好ましい。オルソ・オルソ結合が10面積%以上であると、エピクロルヒドリンによりエポキシ樹脂を製造する際、式(1)化合物の生成が多くなり、これを鋳鉄管内面用紛体塗料とした場合、硬化反応に寄与しないため硬化速度が遅く、また、塗膜中に未硬化成分として残存するため、上水中に移行し上水の衛生性を損ねるからである。また、パラ・パラ結合が70面積%以上であると、得られるエポキシ樹脂の粘度が著しく高くなるからである
Figure 0005496716
ビスフェノールFに含まれるオルソ・オルソ結合ビスフェノールFとオルソ・パラ結合ビスフェノールFとパラ・パラ結合ビスフェノールFの比率については使用する触媒種に大きく影響される。オルソ位の反応がパラ位の反応よりも著しく遅い場合、パラ位の反応が選択的に進行し、3核体以上のノボラック樹脂が副生しにくくなって、フェノール/ホルムアルデヒドのモル比を小さくできる。すなわち仕込むフェノール量を少なくできるため加熱や冷却、反応後の蒸留によるフェノール回収にかかるエネルギーコストが小さくなり、さらにバッチあたりの生産量という視点でみると、ホルムアルデヒド量を増やせるため収量が多くなり、生産性は著しく向上する。なお、パラ・パラ結合ビスフェノールF選択性の高い触媒を用いた場合でも1重量%程度のオルソ・オルソ結合ビスフェノールFなどの副生物が混入するが、さらに精留や再結晶などの手法でパラ・パラ結合ビスフェノールFの純度を高め、オルソ・オルソ結合ビスフェノールF含有率を低減することができる。
ビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応にエポキシ樹脂を生成する。ビスフェノールFとエピクロルヒドリンとのモル比は1:1.0〜1.9の範囲が好ましい。モル比が1:1.0未満では生成するエポキシ樹脂のエポキシ当量が高くなり、十分な硬化性が得られないからである。またモル比が1:1.9以上であると、生成するエポキシ樹脂の軟化点が低くなり、粉体塗料のブロッキング性が低下するからである。
ビスフェノールFとエピクロルヒドリンの反応はアルカリ性物質の存在下に行われる。アルカリ性物質としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられ、これらは単独であるいは混合物として使用される。これらは固形あるいは水溶液の形で用いられ、好ましくは通常市販されている水溶液が好ましい。アルカリ金属水酸化物の使用量としてはエピクロルヒドリン1モル当り0.9〜1.3モルが好ましい。
この反応は無溶媒でも行うことができるが、エポキシ基と反応しない溶媒中でも行うことができる。エポキシ基と反応しない溶媒として、具体的にはトルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン等のケトン類、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジエチレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル等のグリコールエーテル類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル等の脂肪族エーテル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の脂環式エーテル類が挙げられ、それらは単独であるいは2種以上混合して使用することができる。これらの溶媒はビスフェノールF100重量部に対して10〜200重量部、より好ましくは50〜100重量部の範囲である。200重量部以上では反応の進行を遅らせることになるため好ましくない。
反応形態はビスフェノールFをエピクロルヒドリンおよび必要により溶媒に溶解後、アルカリ金属水酸化物の水溶液を滴下しながら、常圧で70〜100℃、30分〜4時間で行うことができる。その際、アルカリ金属水酸化物水溶液は一括で、あるいは間欠的に、あるいは連続的に滴下しても良い。また、ビスフェノールFをアルカリ金属水酸化物水溶液及び必要により溶媒に溶解した後、エピクロルヒドリンを滴下する方法でも良く、同様に常圧で70〜100℃、30分から4時間で行うことができる。反応温度が70℃未満では反応が進みにくく、反応時間が長くなるため好ましくない。また、反応温度が100℃を超えるとエピクロルヒドリンが反応系外に流出することで、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンのモル比にずれが生じることから目的のエポキシ当量を得ることが困難になるため好ましくない。
このようにして得られたビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち、エポキシ当量500〜3,000g/eq、更には700〜2,000g/eqの範囲のものが好ましい。エポキシ当量が3,000g/eq以上では、分子量が高くなり粉体塗料の製造が困難となる。またエポキシ当量が500g/eq未満ではエポキシ樹脂の軟化点が低くなり、粉体塗料のブロッキング性が悪くなるからである。軟化点としては60〜120℃、更には70〜100℃の範囲が好ましい。
本発明の粉体塗料用樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂硬化剤としては、コハク酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等の有機酸ジヒドラジド類、無水フタル酸、無水コハク酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物類、酸官能基末端のポリエステル樹脂類、フェノールホルムアルデヒド樹脂、クレゾールホルムアルデヒド樹脂、ビスフェノールAホルムアルデヒド樹脂、ビスフェノール末端エポキシ樹脂等のフェノール樹脂類、ジアミノジフェニルメタン等のアミン類、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ドデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類、2−メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン類、イミダゾール化合物のトリアジン塩、シアノエチル塩、シアノエチルトリメリット酸等の各種塩類、酢酸亜鉛、酢酸ナトリウム等の金属系化合物類、アミド化合物類、トリフェニルホスフィン等の有機リン化合物類、ジシアンジアミド等を挙げることができる。これらは単独で、あるいは2種以上を併用して使用しても良い。
本発明の粉体塗料用樹脂組成物には、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で従来のエポキシ樹脂を併用することができる。例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールADノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等の1種または2種以上を併用しても良い。
本発明の粉体塗料用樹脂組成物には、必要に応じて各種顔料を配合することができる。
体質顔料としては、硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、シリカ、アルミナ、マイカ等が挙げられる。着色顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド等を配合することができる。これらの顔料の使用量は特に限定されるものではないが、粉体塗料中10〜50重量%の範囲が好ましい。
また、本発明の粉体塗料用樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤、ワキ防止剤、揺変剤、流展剤を配合することもできる。
本発明粉体塗料組成物は、上記材料を用いて通常の方法で配合することができる。例えばエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び他の材料をヘンシェルミキサー等で予備混合した後、加熱されたニーダー等で溶融混練し、冷却後粉砕、分級して粉体塗料とすることができる。
また、本発明粉体塗料組成物は既知の方法で被塗物に塗装後、硬化して塗膜を得る事ができる。例えば、流動浸漬法、静電塗装法、予備静電塗装法により、被塗物に塗布し、余熱による放冷硬化あるいは熱風循環炉で加熱することにより硬化して塗膜を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。特に断りがない限り「部」は重量部を表す。
本発明において、分析方法、測定方法は以下の通りである。
(1)エポキシ当量:JIS K 7236の規定に従い測定した。
(2)軟化点:JIS K 5601−2−2の規定に従い測定した。
(3)ビスフェノールFの二核体純度:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、2核体成分のピーク面積/全成分のピーク面積×100(%)で求めた。
測定装置はHLC−8220(東ソー株式会社製)を使用し、RI検出器で検出した。移動相にテトラヒドロフランを用い、流量は1mL/minとした。分離カラムにはTSK−GEL 2000HXL、TSK−GEL 2000HXL、TSK−GEL 1000HXLの3本(東ソー株式会社製)を用いてカラム温度は40℃とした。
(4)ビスフェノールFの配向性比率:HPLC法により、各成分を分離して2核体成分中の各成分のピーク面積/2核体成分のピーク面積×100(%)で求めた。
測定装置はHP−1100(アジレント・テクノロジー社製)を使用し、UV検出器(280nm)で検出した。移動相にアセトニトリル/水=40%/60%を流量1mL/minのアイソクラチックで測定した。分離カラムとしてCadenza CD−C18(インタクト株式会社製)を用い、カラム温度は40℃とした。
(5)塗料の流れ性指数:粉体塗料0.7gを用いて直径11mm(L0)のタブレットを作成し15分間脱気して、予め180℃に加熱した鋼板に乗せ、45°の傾きで10分間保持する。その後に塗料の流れた距離(L)を測定し、次式より流れ性指数を算出した。
流れ性指数=(L−L0)/L0
(6)ゲルタイム:180℃に加熱したホットプレート上に粉体塗料0.1gを乗せ溶融した時点からテフロン棒で掻き混ぜ、ゲル化するまでの時間を測定する。
(7)平滑性:塗膜外観を目視により判定した。
(8)耐屈曲性:JIS K 5600−5−1の規定に従い、タイプ1の試験機で直径2mmのマンドレルを使用し行い目視で判定した。
異常なし:○ 亀裂あり:×
(9)耐衝撃性:JIS K 5400−8−3−2の規定に従い、デュポン衝撃試験を行った。撃ち方は、半径1/4インチ、重り500g、高さ50Cmで評価した。
異常なし:○ 問題あり:×
(10)可とう性;JIS Z 2247エリクセン試験を行い、可とう性を判断した。
10mm以上:○ 10mm未満:×
(11)MEKラビングテスト;MEKを含んだガーゼで塗膜表面を10往復擦り塗膜の状態を判定した。
異常なし:○ 10往復未満で溶出、若しくは白化;×
(12)衛生性:基材から分離した硬化塗膜2gと蒸留水20gをテフロン製容器に入れた後、耐圧容器で密閉し125℃で4時間加熱し、常温まで冷却後濾過を行い、試験水を得た。得られた試験水をJIS K 0102の規定に従いCOD値を算出した。
合成例1
撹拌機、窒素導入管、測温抵抗体、滴下装置及び冷却コンデンサーを備えたセパラブルフラスコに49%苛性ソーダ水溶液110.6部と水399部を仕込み、撹拌しながら系内雰囲気を窒素置換した。次に2核体純度91面積%、2核体中のオルソ・オルソ結合6面積%、パラ・パラ結合51面積%、オルソ・パラ結合43面積%であるビスフェノールF200部投入し、系内温度を50℃に制御し撹拌溶解した。次いでエピクロロヒドリン111.0部を滴下装置から同時に投入した。投入後、系内温度を92℃に制御し2時間反応を行った。反応終了後メチルイソブチルケトン327部を加え15分撹拌後静置し、下層の水を除去した。次いでリン酸で中和、水洗を行い、水層を除去し、ろ過した後メチルイソブチルケトンを留去してビスフェノールF型固形エポキシ樹脂(A−1)を得た。一般性状を表1に示した。
合成例2
2核体純度83面積%、2核体中のオルソ・オルソ結合9面積%、パラ・パラ結合面積35%、オルソ・パラ結合56面積%であるビスフェノールFを使用した以外は合成例1と同様の操作を行いビスフェノールF型固形エポキシ樹脂(A−2)を得た。一般性状を表1に示した。
合成例3
撹拌機、窒素導入管、測温抵抗体、滴下装置及び冷却コンデンサーを備えたセパラブルフラスコに49%苛性ソーダ水溶液119.6部と水435部を仕込み、撹拌しながら系内雰囲気を窒素置換した。次に2核体純度88面積%、2核体中のオルソ・オルソ結合8面積%、パラ・パラ結合65面積%、オルソ・パラ結合27面積%であるビスフェノールF200部投入し、系内温度を50℃に制御し撹拌溶解した。次いでエピクロロヒドリン166.5部を滴下装置から同時に投入した。投入後、系内温度を92℃に制御し2時間反応を行った。反応終了後メチルイソブチルケトン319部を加え15分撹拌後静置し、下層の水を除去した。次いでリン酸で中和、水洗を行い、水層を除去し、ろ過した後メチルイソブチルケトンを留去してビスフェノールF型固形エポキシ樹脂(A−3)を得た。一般性状を表1に示した。
合成例4
2核体純度91面積%、2核体中のオルソ・オルソ結合14面積%、パラ・パラ結合面積51%、オルソ・パラ結合35面積%であるビスフェノールFを使用した以外は合成例1と同様の操作を行いビスフェノールF型固形エポキシ樹脂(A−4)を得た。一般性状を表1に示した。
合成例5
2核体純度68面積%、2核体中のオルソ・オルソ結合10面積%、パラ・パラ結合面積32%、オルソ・パラ結合58面積%であるビスフェノールFを使用した以外は合成例1と同様の操作を行った。反応1時間20分後に反応物がゲル化した。このため樹脂は得られなかった。
合成例6
2核体純度100面積%、2核体中のオルソ・オルソ結合0面積%、パラ・パラ結合面積100%、オルソ・パラ結合0面積%であるビスフェノールFを使用した以外は合成例1と同様の操作を行った。反応30分後に生成した樹脂が結晶化して析出し、攪拌が困難となり反応を中断した。このため樹脂は得られなかった。
Figure 0005496716
実施例1
合成例1で得られたビスフェノールF型固形エポキシ樹脂(A−1)588.1部、硬化剤としてDICY(ピーティーアイジャパン社製ジシアンジアミド)11.9部、促進剤として2−メチルイミダゾール(四国化成工業社製)1.5部:着色顔料としてルチル型酸化チタンJR−301(テイカ株式会社製)300部、流れ調整剤としてアクロナール4F(BASFジャパン社製)3部を予備混合後、混合物をヘンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製 形式10B)でドライブレンドし、次いでエクストルーダー(池貝鉄工株式会社製 PCM−30)を用いて溶融混練を行い、冷却後に微粉砕した。更に100メッシュの篩で分級し粉体塗料(B−1)を得た。得られた粉体塗料(B−1)をJIS G3141規定の150×70×0.8mmのSPCC−SD鋼板に静電粉体塗装を行い、180℃で20分焼付け、膜厚約100μmの塗装試験板を得た。耐屈曲性試験にはJIS G3141規定の150×50×0.3mmのSPCC−SD鋼板に塗装した試験板を使用した。
実施例2
合成例2で得られたビスフェノールF型固形エポキシ樹脂(A−2)588.6部、DICY11.4部、2−メチルイミダゾール1.5部:着色顔料として酸化チタン300部、アクロナール4F3部を配合した以外は実施例と同様の操作を行い粉体塗料(B−2)を得た。得られた粉体塗料(B−2)を実施例と同じく塗装を行った。
実施例3
合成例3で得られたビスフェノールF型固形エポキシ樹脂(A−3)550.5部、アジピン酸ジヒドラジド(大塚化学株式会社製)49.5部、2−メチルイミダゾール1.5部:着色顔料として酸化チタン300部、アクロナール4F(BASFジャパン社製)3部を配合した以外は実施例と同様の操作を行い、粉体塗料(B−3)を得た。得られた粉体塗料(B−3)を実施例と同じく塗装を行った。
比較例1
合成例4で得られたビスフェノールF型固形エポキシ樹脂(A−4)588.6部、DICY11.4部、2−メチルイミダゾール1.5部:着色顔料として酸化チタン300部、アクロナール4F(BASFジャパン社製)3部を配合した以外は実施例と同様の操作を行い粉体塗料(B−4)を得た。得られた粉体塗料(B−4)を実施例と同じく塗装を行った。
実施例、比較例の配合部と、塗料物性及び塗膜物性を表2に示す。
Figure 0005496716
本発明にかかる粉体塗料用エポキシ樹脂組成物はゲルタイムは速く、硬化性に優れた樹脂組成物であって、該樹脂組成物により得られた塗膜は平滑性、耐衝撃性、耐屈曲性、衛生性が優れ、鋳鉄管内面粉体塗料用として極めて有用である。
図1におけるピークAは式(1)で示される化合物、ピークBはパラ・パラメチレン結合であるビスフェノールF型エポキシ樹脂、ピークCはオルソ・パラメチレン結合であるビスフェノールF型エポキシ樹脂、ピークDはオルソ・オルソメチレン結合であるビスフェノールF型エポキシ樹脂である。

Claims (4)

  1. ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる2核体純度が80面積%以上で、かつ、液体クロマトグラフィーによる2核体中のパラ・パラメチレン結合が70面積%以下、かつ、オルソ・オルソメチレン結合が10面積%未満であるビスフェノールFとエピクロルヒドリンより合成されるビスフェノールF型エポキシ樹脂および硬化剤とを必須成分とする粉体塗料用樹脂組成物。
  2. 請求項1記載のビスフェノールFとエピクロルヒドリンのモル比1:1〜1.9の範囲で合成されるビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いる請求項1記載の粉体塗料用樹脂組成物。
  3. ビスフェノールF型エポキシ樹脂のエポキシ当量が500〜3,000g/eq、軟化点が60〜100℃である請求項1または2記載の粉体塗料用樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3記載の粉体塗料用樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
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