JP2010120989A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、耐湿性、耐熱性、耐クラック性、透明性に優れ、塗料用樹脂、コーティング剤、印刷インキ、レジストインキ、接着剤、半導体封止材、光半導体封止剤、成型材料、注型材料及び電気絶縁材料分野に有用なエポキシ樹脂組成物に関し、特に発光ダイオード(以下、LED(Light Emitting Diode)と記す)封止に適したエポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂は、電気特性、接着性、耐熱性等に優れることから主に塗料分野、土木分野、電気分野の多くの用途で使用されている。特に、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の芳香族エポキシ樹脂は、耐水性、接着性、機械物性、耐熱性、電気絶縁性、経済性などが優れることから種々の硬化剤と組み合わせて広く用いられている。近年、LEDに代表される光半導体は表示用途や、モバイル機器や携帯電話などのバックライト光源、センサ、車載部品など多方面に使用され、今後は照明用途にも展開が進むと予想されている。これらの光半導体の多くは、封止樹脂としてエポキシ樹脂が使用されている。中でもトランスファーモールドによって成形される場合は、常温で固形のBPA型エポキシ樹脂や脂環骨格の固形エポキシ樹脂が使用されている。しかし、これらの芳香族エポキシ樹脂は、紫外線等により劣化しやすく、耐光性を求められる分野では使用上の制約があった。
これに対して特許文献1には、芳香族エポキシ樹脂を水素化して得られる、芳香環の水素化率が85%以上で、エポキシ基の損失率が20%以下であり、かつ全塩素の含有量が0.3重量%以下である水素化エポキシ樹脂、及びエポキシ樹脂用硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物が開示されており水素化エポキシ樹脂により耐候性の良いエポキシ樹脂組成物が提案されている。特許文献2には(A)エポキシ樹脂、(B)フタル酸系無水物、(C)1,8-ジアザビシクロ [5,4,0]ウンデセン-7酸塩および(D)アルミニウム有機化合物を必須成分とし、前記(B)のフタル酸系無水物 100重量部に対し、前記(C)の1,8-ジアザビシクロ [5,4,0]ウンデセン-7酸塩と(D)アルミニウム有機化合物との合計量を 0.3〜6 重量部、またこれらの重量比[(C)/(D)]を 1/1 〜 1/5 となるように配合してなることを特徴とする光半導体封止用エポキシ樹脂組成物が開示されており、耐クラック性、密着性、透明性に優れ、樹脂と金属リードとの密着がよく、またクラックの発生もない信頼性の高い光半導体封止用エポキシ樹脂組成物が提案されている。しかし、使用されるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等の透明性を有するものが挙げらており、より厳しい条件での耐クラック性は十分ではなかった。特許文献3には、電極材料としてアルミニウムまたはニッケルを用いた発光素子を、脂環式エポキシ樹脂、もしくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂またはビスフェノールF型エポキシ樹脂の少なくともいずれか一方と脂環式エポキシ樹脂とが混合され、前記脂環式エポキシ樹脂の配合比が40〜100重量部(100重量部を除く)であるエポキシ樹脂に、酸無水物硬化剤、硬化促進剤、及びその他の添加剤を添加して熱硬化させて封止したことを特徴とする発光ダイオードが開示されており、高温高湿環境下での信頼性に優れ、電極材料の電気的腐食を低減することが提案されているが、厳しい条件での耐クラック性は十分ではなかった。これらの問題を解決するため、特願2007−191990号では耐熱性、耐湿性、耐クラック性に優れるエポキシ樹脂が提案されている。しかしながら剛直な骨格を導入し、耐熱性を高め厳しい条件での耐クラック性のあるエポキシ樹脂はできたものの、エポキシ樹脂の色相についてはより高い透明性を要求する用途では満足するものではなかった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、塗料、インキ、レジストインキ、接着剤、電子材料分野で、特にLED封止分野で有用な常温において固形で吸水率が低く、ゴム領域の低弾性化により耐クラック性に優れており、更に色相に優れたエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者等はエポキシ樹脂の上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。本願発明の要旨は一般式(1)及び/又は一般式(2)の含有率が10〜100重量部であり、必要に応じて一般式(3)を含む事を特徴とする色相の良好なエポキシ樹脂組成物である。
R3はC1〜6のアルキル基を示し、直鎖状、分岐状、環状のいずれであっても良い。
即ち、特定の構造を持った末端水酸基とエポキシ基を併せ持つエポキシ樹脂及び/又は両末端水酸基の樹脂の含有率が10〜100重量部であり、必要に応じて、特定の両末端エポキシ基を持つエポキシ樹脂を配合したエポキシ樹脂組成物であり、該エポキシ樹脂組成物と酸無水物硬化剤を配合してなる硬化性エポキシ樹脂組成物及び該硬化性エポキシ樹脂組成物を加熱硬化してなるエポキシ樹脂硬化物を用いることによって吸水率が低く、ゴム領域の弾性率が低い硬化物を得ることが出来、これによって耐クラック性に優れた硬化物となる。本発明では低吸水率、耐クラック性に加え、更に色相に優れたエポキシ樹脂組成物を提供することができることを見いだし本発明の完成に至った。
本発明はエポキシ樹脂組成物は、透明で、高Tg、低吸水率、ゴム領域での低弾性率化により耐クラック性に優れる硬化物を与える。従って、光半導体封止材等の電子材料分野、特に、LED封止用エポキシ樹脂組成物として有用である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は上記 一般式(1)及び/又は一般式(2)の含有率が10〜100重量部であり、必要に応じて上記一般式(3)を含む事を特徴とする色相の良好なエポキシ樹脂組成物であり、それぞれ単独で合成されたものを配合してエポキシ樹脂組成物としてもよい。また、下記一般式(7)で示されるエポキシ樹脂と、一分子中に1.2〜1.8個のカルボキシル基を有し且つ0.2個〜0.8個の末端水酸基を有するポリエステルオリゴマーを反応させて一括合成を行うことも出来る。
一分子中に1.2〜1.8個のカルボキシル基を有し且つ0.2個〜0.8個の末端水酸基を有するポリエステルオリゴマ−は2価カルボン酸又はその酸無水物と2価アルコールの反応によって得られるが、製法は特に限定されない。2価アルコール1モルに対して2価カルボン酸又はその酸無水物を1.2〜1.8モル反応させることにより、一分子中に1.2〜1.8個のカルボキシル基を有し且つ0.2個〜0.8個の末端水酸基を有するポリエステルオリゴマーを合成することができる。一分子あたりのカルボキシル基は1.2よりも少ないと、本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化剤により加熱硬化した硬化物の耐熱性が劣るものとなり、1.8より多いと耐クラック性に劣るものとなる。
ポリエステルオリゴマ−の一つの成分である2価カルボン酸又はその酸無水物の具体例としては、メチルヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、等の脂環族及び芳香族多価カルボン酸類ならびにその無水物が挙げられ、単独あるいは2種以上の混合物として使うことができる。
ポリエステルオリゴマ−のもう一方の成分である2価アルコールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンの脂環族グリコール類が挙げられる。
特願2007−191990号では耐熱性、耐湿性、耐クラック性に優れるエポキシ樹脂を開示しており、2,5−ジ−tert−ブチル−1,4−フェニレンビスのジグリシジルエーテル、2,5−ジメチル−1,4−フェニレンビスのジグリシジルエーテルを用いることで耐熱性と耐クラック性の両立を実現したが、得られたエポキシ樹脂は着色していた。本発明で用いる2官能エポキシ樹脂は一般式(7)で示されるものであり2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのジグリシジルエーテル、ビスフェノールCのジグリシジルエーテル、ビスフェノールZのジグリシジルエーテル、ビスフェノールフルオレンのジグリシジルエーテル、ビスクレゾールフルオレンのジグリシジルエーテル及びそれらの水素化物等が挙げられ、単独あるいは2種以上の混合物として使うことができる。
耐熱性、ゴム領域での低弾性化、耐クラック性のすべてを満たすためには硬化剤である酸無水物との反応点をエポキシ基以外、すなわち水酸基で増やすことにより実現することできる。また、エポキシ樹脂組成物の色相については原料となる2官能エポキシ樹脂の構造を選択することで問題を解決することができた。
このようにして得られたエポキシ樹脂組成物は、エポキシ当量が500〜1500g/eq、末端水酸基が1000〜4000g/eq、軟化温度が60〜150℃であり、好ましくはエポキシ当量が600〜1200g/eq、末端水酸基が1200〜3000g/eqである。エポキシ当量が500g/eqより低い場合は、硬化物の架橋密度が高くなり耐クラック性が不十分であり、1500g/eqより大きい場合は耐熱性が劣る。また、末端水酸基が1000g/eqより低い場合は、硬化物の架橋密度が低くなり過ぎ硬化不良となる。4000g/eq以上となるとゴム領域での低弾性率化が達成できない。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には本発明のエポキシ樹脂組成物を必須成分として含むが、通常のエポキシ樹脂硬化剤に使用される酸無水物硬化剤を配合する事で効果が発現される。その他、カチオン重合開始剤や、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を配合することができる
酸無水物硬化剤としては、公知の種々の化合物を使用できる。例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水ナジック酸、水素化無水ナジック酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの酸無水物化合物を使用することができ、必要に応じて2種類以上を用いてもよい。これらの中で特に好ましくは無水メチルヘキサヒドロフタル酸を用いることで、硬化収縮が少なく、透明性を有し、耐候性に優れ、色相が良好なエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
硬化促進剤としては、公知の種々の化合物を使用できる。例えば、3級アミン及びその塩類、イミダゾール類及びその塩類、有機ホスフィン化合物(有機ホスフィン類及びその塩類等を含む意味である)、オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズなどの有機金属塩が挙げられ、必要に応じて2種類以上を用いてもよい。好ましい硬化促進剤は、3級アミン及びその塩類、有機ホスフィン化合物であり、有機ホスフィン化合物が硬化物の着色を防止できる点で特に好ましい。
その他の添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、その他各種充填剤、造膜剤、染料、離型剤、流れ調整剤、難燃剤、ゴム改質剤、界面活性剤、反応性希釈剤、各種オリゴマー類、各種ポリマー類などが挙げられ、必要に応じて2種類以上を用いることができる。
特に、本発明の光半導体用エポキシ樹脂組成物は、酸化防止剤を配合し、加熱時の酸化劣化を防止し着色の少ない硬化物とすることが好ましい。
その他の添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、その他各種充填剤、造膜剤、染料、離型剤、流れ調整剤、難燃剤、ゴム改質剤、界面活性剤、反応性希釈剤、各種オリゴマー類、各種ポリマー類などが挙げられ、必要に応じて2種類以上を用いることができる。
特に、本発明の光半導体用エポキシ樹脂組成物は、酸化防止剤を配合し、加熱時の酸化劣化を防止し着色の少ない硬化物とすることが好ましい。
酸化防止剤としては種々の化合物を使用できる。例えば、2,6−ジ-tert-ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ-tert-ブチル−4−エチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、ステアリル−β−(3,5−ジ-tert-ブチル−4−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのモノフェノール類、2,2−メチレンビス(4−メチル−6-tert-ブチルフェノール)、2,2−メチレンビス(4−エチル−6-tert-ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)などのビスフェノール類、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ-tert-ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ-tert-ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどの高分子型フェノール類、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ-tert-ブチル4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどのオキサホスファフェナントレンオキサイド類が挙げられる。これらの酸化防止剤は必要に応じて2種類以上を用いてもよい。
次に本発明について、合成例、実施例及び比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
合成例1
攪拌機、温度計、窒素吹き込み管、及び冷却管を備えた反応装置にリカシッドMH(メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、酸無水物当量168g/eq、新日本理化株式会社製)215部とリカビノールHB(水素化BPA、水酸基当量120g/eq、新日本理化株式会社製)153部との混合物を窒素ガス雰囲気中で撹拌しながら150℃で2時間反応させて、一分子中のカルボキシル基が1.8個で、末端水酸基が0.2個である常温で固形の末端カルボキシルポリエステルオリゴマーを得た。次いでYD−128(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのジグリシジルエーテル、エポキシ当量187g/eq、粘度13000mPs・s/25℃、東都化成株式会社製)490部及びトリフェニルホスフィン0.2重量部を仕込み150℃で4時間攪拌混合して反応を行い、軟化点86℃、エポキシ当量670g/eq、150℃溶融色相がガードナー0.2のエポキシ樹脂組成物C−1を得た。一般式(1),(2)で示される成分は15.2%であった。また、一般式(1),(2)由来の水酸基は7.6モル%であった。
合成例1
攪拌機、温度計、窒素吹き込み管、及び冷却管を備えた反応装置にリカシッドMH(メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、酸無水物当量168g/eq、新日本理化株式会社製)215部とリカビノールHB(水素化BPA、水酸基当量120g/eq、新日本理化株式会社製)153部との混合物を窒素ガス雰囲気中で撹拌しながら150℃で2時間反応させて、一分子中のカルボキシル基が1.8個で、末端水酸基が0.2個である常温で固形の末端カルボキシルポリエステルオリゴマーを得た。次いでYD−128(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのジグリシジルエーテル、エポキシ当量187g/eq、粘度13000mPs・s/25℃、東都化成株式会社製)490部及びトリフェニルホスフィン0.2重量部を仕込み150℃で4時間攪拌混合して反応を行い、軟化点86℃、エポキシ当量670g/eq、150℃溶融色相がガードナー0.2のエポキシ樹脂組成物C−1を得た。一般式(1),(2)で示される成分は15.2%であった。また、一般式(1),(2)由来の水酸基は7.6モル%であった。
合成例2
リカシッドMH 215部とリカビノールHB 192部との混合物を窒素ガス雰囲気中で撹拌しながら150℃で2時間反応させて、一分子中のカルボキシル基が1.6個で、末端水酸基が0.4個である常温で固形の末端カルボキシルポリエステルオリゴマーを得た。次いでYD−128 370部及びトリフェニルホスフィン0.2重量部を仕込み150で4時間攪拌混合して軟化点84℃、エポキシ当量730g/eq、150℃溶融色相がガ−ドナー0.2のエポキシ樹脂組成物C−2を得た。一般式(1),(2)で示される成分は65.2%であった。また、一般式(1),(2)由来の水酸基は47.1モル%であった。
リカシッドMH 215部とリカビノールHB 192部との混合物を窒素ガス雰囲気中で撹拌しながら150℃で2時間反応させて、一分子中のカルボキシル基が1.6個で、末端水酸基が0.4個である常温で固形の末端カルボキシルポリエステルオリゴマーを得た。次いでYD−128 370部及びトリフェニルホスフィン0.2重量部を仕込み150で4時間攪拌混合して軟化点84℃、エポキシ当量730g/eq、150℃溶融色相がガ−ドナー0.2のエポキシ樹脂組成物C−2を得た。一般式(1),(2)で示される成分は65.2%であった。また、一般式(1),(2)由来の水酸基は47.1モル%であった。
合成例3
リカシッドMH 215部とリカビノールHB 192部との混合物を窒素ガス雰囲気中で撹拌しながら150℃で2時間反応させて、一分子中のカルボキシル基が1.6個で、末端水酸基が0.4個である常温で固形の末端カルボキシルポリエステルオリゴマーを得た。次いでYDC−1312(2,5−ジ−tert−ブチル−1,4−フェニレンビスのグリシジルエーテルエポキシ当量178g/eq、融点142℃、東都化成株式会社製)507部及びトリフェニルホスフィン0.2重量部を仕込み150℃で4時間攪拌混合して反応を行い、軟化点94℃、エポキシ当量580g/eq、150℃溶融色相がガ−ドナー1.0のエポキシ樹脂組成物C−3を得た。一般式(1),(2)で示される成分は0%であった。また、一般式(1),(2)由来の水酸基は0モル%であった。
リカシッドMH 215部とリカビノールHB 192部との混合物を窒素ガス雰囲気中で撹拌しながら150℃で2時間反応させて、一分子中のカルボキシル基が1.6個で、末端水酸基が0.4個である常温で固形の末端カルボキシルポリエステルオリゴマーを得た。次いでYDC−1312(2,5−ジ−tert−ブチル−1,4−フェニレンビスのグリシジルエーテルエポキシ当量178g/eq、融点142℃、東都化成株式会社製)507部及びトリフェニルホスフィン0.2重量部を仕込み150℃で4時間攪拌混合して反応を行い、軟化点94℃、エポキシ当量580g/eq、150℃溶融色相がガ−ドナー1.0のエポキシ樹脂組成物C−3を得た。一般式(1),(2)で示される成分は0%であった。また、一般式(1),(2)由来の水酸基は0モル%であった。
実施例1〜2、及び比較例1〜3
硬化性エポキシ樹脂組成物として、合成例1で得られたエポキシ樹脂組成物C−1、合成例2で得られたエポキシ樹脂組成物C−2、合成例3で得られたエポキシ樹脂組成物C−3、YD−012(ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂、エポキシ当量645g/eq、軟化点81℃、150℃溶融色相がガ−ドナー0.2、東都化成株式会社製)、EHPE3150(脂環骨格固形エポキシ樹脂、エポキシ当量180g/eq、軟化点78℃、150℃溶融色相がガードナー0.2、ダイセル化学工業株式会社製)を用い、硬化剤として、リカシッドMH−700(無水メチルヘキサヒドロフタル酸、酸無水物当量168g/eq、新日本理化株式会社製)、硬化促進剤として、ヒシコーリンPX−4ET(有機ホスホニウム塩化合物;日本化学工業株式会社製)を用い、表1に示す配合で硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。なお、表中の数値は配合における重量部を示す。
硬化性エポキシ樹脂組成物として、合成例1で得られたエポキシ樹脂組成物C−1、合成例2で得られたエポキシ樹脂組成物C−2、合成例3で得られたエポキシ樹脂組成物C−3、YD−012(ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂、エポキシ当量645g/eq、軟化点81℃、150℃溶融色相がガ−ドナー0.2、東都化成株式会社製)、EHPE3150(脂環骨格固形エポキシ樹脂、エポキシ当量180g/eq、軟化点78℃、150℃溶融色相がガードナー0.2、ダイセル化学工業株式会社製)を用い、硬化剤として、リカシッドMH−700(無水メチルヘキサヒドロフタル酸、酸無水物当量168g/eq、新日本理化株式会社製)、硬化促進剤として、ヒシコーリンPX−4ET(有機ホスホニウム塩化合物;日本化学工業株式会社製)を用い、表1に示す配合で硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。なお、表中の数値は配合における重量部を示す。
この硬化性エポキシ樹脂組成物を用いて100℃で2時間かけて成形し、更に140℃にて12時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。結果を表2に示す。
なお、硬化物性の試験方法及び評価方法は以下の通りである。
(1)ガラス転移温度及び動的粘弾性率はセイコーインスツルメンス社製DMA120によって測定し、ガラス転移温度はTanδピーク値で示した。
(2)吸水率は、直径50mm、厚さ5mmの円形の試験片を用いて、23℃、100%RHの条件で50時間吸湿させた後の重量増加変化率とした。
(3)耐熱変色性は直径10mm、厚さ5mmの試験片を作成し、所定温度で72時間加熱後のYI値(Yellowness Index)を東京電色社製 TC−1500MCを用い、標準板を1としたときの値で示した。
(4)耐紫外線変色性は直径10mm、厚さ5mmの試験片を作成し、ATLS社製サンテストXLSを用い、照射強度400W/m2で24時間照射後のYI値(Yellowness Index)を標準板を1としたときの値で示した。
なお、硬化物性の試験方法及び評価方法は以下の通りである。
(1)ガラス転移温度及び動的粘弾性率はセイコーインスツルメンス社製DMA120によって測定し、ガラス転移温度はTanδピーク値で示した。
(2)吸水率は、直径50mm、厚さ5mmの円形の試験片を用いて、23℃、100%RHの条件で50時間吸湿させた後の重量増加変化率とした。
(3)耐熱変色性は直径10mm、厚さ5mmの試験片を作成し、所定温度で72時間加熱後のYI値(Yellowness Index)を東京電色社製 TC−1500MCを用い、標準板を1としたときの値で示した。
(4)耐紫外線変色性は直径10mm、厚さ5mmの試験片を作成し、ATLS社製サンテストXLSを用い、照射強度400W/m2で24時間照射後のYI値(Yellowness Index)を標準板を1としたときの値で示した。
本発明にかかるエポキシ樹脂組成物はエポキシ樹脂の色相が良好であり、耐熱性、耐湿性に優れているので、光半導体封止材等の電子材料分野、特に、LED封止用エポキシ樹脂組成物として有用である。
Claims (5)
- 一般式(1)及び/又は一般式(2)の含有率が10〜100重量部であり、必要に応じて一般式(3)を含む事を特徴とする色相の良好なエポキシ樹脂組成物。
Xは一般式(4)を示し、Yは一般式(5)、Zは一般式(6)を示す。
Xは一般式(4)を示し、Yは一般式(5)、Zは一般式(6)を示す。
Xは一般式(4)を示し、Yは一般式(5)、Zは一般式(6)を示す。
R3はC1〜6のアルキル基を示し、直鎖状、分岐状、環状のいずれであっても良い。 - 一般式(1)及び/又は一般式(2)に由来する末端水酸基の含有率が全末端基の5モル%〜50モル%である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜3に記載のエポキシ樹脂組成物と酸無水物硬化剤を配合してなる硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 請求項4に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物を加熱硬化してなるエポキシ樹脂硬化物。
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