JP2006249145A - エポキシ樹脂、その製造方法及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】常温で固体であり取り扱い性に優れ、かつ溶融粘度も極めて低く、硬化剤との反応性に優れ、難燃性、耐湿性に優れた硬化物を与える新規なエポキシ樹脂、その製造方法及びエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】一般式(1)で示されるエポキシ樹脂。一般式(2)で示されるジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂を直接水素化してこのエポキシ樹脂を製造する方法。このエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂用硬化剤とが配合されているエポキシ樹脂組成物。
【化10】
Figure 2006249145

【化11】
Figure 2006249145

[(1),(2)式中、R1〜R8は各々独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは0以上の数を示す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なエポキシ樹脂、及びその製造方法と、このエポキシ樹脂とエポキシ樹脂用硬化剤が配合されたエポキシ樹脂組成物に関するものである。
本発明のエポキシ樹脂により得られる硬化物は、難燃性、耐湿性に優れるため、半導体封止材料、レジスト材料、電気絶縁材料及び積層板等の用途に有用である。
エポキシ樹脂は、耐熱性、接着性、耐水性、機械的強度及び電気特性等に優れていることから、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料等、様々の分野で使用されている。常温又は加熱硬化型のエポキシ樹脂としては、従来、ビスフェノ−ルAのジグリシジルエ−テル、ビスフェノ−ルFのジグリシジルエ−テル、フェノ−ル又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の芳香族エポキシ樹脂が一般的に使用されている。
しかしながら、技術の進歩に伴い、エポキシ樹脂への高性能化に対する要求が高まってきており、上記のような従来のエポキシ樹脂ではその要求に対応できなくなってきているのが現状である。例えば、電気・電子用途の分野においては、電子部品の小型化、薄型化技術の進展に伴い、小型化した部品内部の狭い隙間にも十分に樹脂が入り込む必要があり、更に、電子部品からの発生する熱にも耐える、低溶融粘度で耐熱性の高いエポキシ樹脂が望まれている。
これらの問題を解決するため、常温以上で結晶性を有するエポキシ樹脂を用いる技術が提案されている。例えば、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂(特許文献1)、スチルベン型エポキシ樹脂(特許文献2)などである。しかし、これらの化合物はエポキシ基の近くに嵩高い置換基がついているので、溶融粘度が高く、更に硬化性の点で十分といえない。また、これらのエポキシ樹脂を用いた硬化物は難燃性や耐湿性の面で不十分である。
そこで、一分子中の芳香環の数を増やし、従来のエポキシ樹脂と比べて難燃性を向上させた新しいエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物が提案されている(特許文献3)。しかし、この芳香族エポキシ樹脂を硬化させた硬化物は、分子内に多くの芳香環を持っているため、難燃性は向上するが、溶融粘度が上がり、更に耐湿性が低下してしまい、作業性や信頼特性が要求される用途へは適用できないという問題を抱えている。
特公平7−53791号公報 特開平9−12674号公報 特開2002−128868号公報
本発明は、常温で固体であり取り扱い性に優れ、かつ溶融粘度も極めて低く、硬化剤との反応性に優れ、難燃性、耐湿性に優れた硬化物を与える新規なエポキシ樹脂、その製造方法及びエポキシ樹脂組成物を提供するものである。
本発明は、以下の各発明を包含する。
[1] 下記一般式(1)で示されることを特徴とするエポキシ樹脂。
Figure 2006249145
[(1)式中、R1〜R8は各々独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは0以上の数を示す。]
[2] 下記一般式(2)で示されるジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂を直接水素化することを特徴とする[1]に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
Figure 2006249145
[(2)式中、R1〜R8は各々独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは0以上の数を示す。]
[3] 前記一般式(2)において、R1〜R6が水素原子で、R7及びR8が水素原子又はメチル基であることを特徴とする[2]に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
[4] 前記ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂を溶媒及び水素化触媒の存在下に水素化することを特徴とする[2]又は[3]に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
[5] 水素化触媒がロジウム系触媒及び/又はルテニウム系触媒であることを特徴とする[4]に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
[6] [1]に記載のエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂用硬化剤とが配合されていることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
[7] エポキシ樹脂用硬化剤が、アミン類、酸無水物類、多価フェノール類、イミダゾール類、ブレンステッド酸塩類、ジシアンジアミド類、アミンのBF3錯体化合物、有機酸ヒドラジッド類及びポリカルボン酸類よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする[6]に記載のエポキシ樹脂組成物。
本発明のエポキシ樹脂は、溶融時の粘度が低く、その硬化物は難燃性、耐湿性に優れた材料となるため、半導体封止材料、レジスト材料、電気絶縁材料や積層板用エポキシ樹脂として有利に使用できる。
以下に、本発明のエポキシ樹脂、その製造方法及びエポキシ樹脂組成物の実施の形態を詳細に説明する。
(エポキシ樹脂)
本発明のエポキシ樹脂は、下記一般式(1)で示され、好ましくは下記一般式(2)で示されるジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂を直接水素化することにより得られる。
Figure 2006249145
Figure 2006249145
[(1),(2)式中、R1〜R8は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは0以上の数を示す。]
上記ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂は、下記一般式(3)で示されるジヒドロアントラハイドロキノンとエピクロルヒドリンとを水酸化ナトリウム等のアルカリの存在下、脱塩酸反応を行う公知の方法により製造することができる。
Figure 2006249145
[(3)式中、R1〜R8は各々独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
上記の脱塩酸によるエポキシ化反応を行うことにより得られた、前記一般式(2)で示されるジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂の中で、R1〜R6が水素原子、R7及びR8が水素原子又はメチル基(この場合、R7及びR8のいずれか一方が水素原子で、他方がメチル基であるよりも、R7及びR8の両方が共に水素原子又はメチル基であることが好ましい。)であるエポキシ樹脂を水素化して得られるエポキシ樹脂が、硬化物の耐熱性と耐湿性のバランスに優れる点で好ましい。
本発明のエポキシ樹脂は、上記ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂を溶媒及び水素化触媒の存在下で炭素−炭素二重結合を水素化することにより得られる。
水素化触媒としては、各種の不均一系触媒あるいは均一系触媒を使用することができ、その中でも触媒分離が容易である事から不均一系触媒が好ましく、ニッケル系触媒、白金族触媒が好ましく使用される。ニッケル系触媒は、ラネー触媒として、又は珪藻土やアルミナなどの担体に担持されたものなどとして使用することができる。また、白金族触媒は主として担体に担持されたものとして使用される。
これの水素化触媒の中で、特に白金族触媒が好ましく、なかでもロジウム又はルテニウム系触媒は、含有されるエポキシ基の水素化分解を抑制して炭素−炭素二重結合を穏和な条件で水素化することができるため好ましい。触媒の担体としては、活性炭、グラファイト等の炭素系担体、シリカ、アルミナなどの無機担体が好ましく使用される。触媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。このような水素化触媒の使用量は原料エポキシ樹脂100質量部に対して0.05〜5質量部程度とすることが好ましい。
水素化反応溶媒は、エポキシ樹脂を溶解して反応をスムーズに進行させるために使用されるが、エポキシ樹脂の溶解性及び水素化反応で影響をうけにくいことからエーテル系溶媒又はエステル系溶媒が好ましく使用される。エーテル系溶媒としては、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン等が、エステル系溶媒としては酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルなどの各種溶媒を使用することができる。水素化反応溶媒は、これらのうちの1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。溶媒の使用量は原料エポキシ樹脂に対して20〜90質量%程度とすることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂は反応条件及び反応させる水素の量を制御することで、前記ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂の炭素−炭素二重結合を水素化することにより得られる。
水素化反応条件としては、触媒や原料エポキシ樹脂の水素化の程度にもよるが、炭素−炭素二重結合の水素化のためには、圧力は常圧〜30MPa、温度は30〜150℃程度で、反応時間は、製造のしやすいように0.5〜20時間程度になるように調整するのが一般的である。
より好ましい反応方法の例としては、ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂をエステル系溶媒及び/又はエーテル系溶媒に溶解し、白金系触媒、より好ましくはロジウム及び/又はルテニウムをグラファイト及び/又は活性炭に担持した触媒を用い、水素化する方法が挙げられる。反応終了後は、反応生成液から触媒を濾過により除去し、有機溶媒を減圧で実質的に無くなるまで留去することにより、本発明のエポキシ樹脂を得ることができる。
このようにして製造される本発明のエポキシ樹脂は、分子量の大きさによって異なるが、通常、エポキシ当量が165〜245で、融点が70〜150℃、コーンプレート型粘度計で測定した150℃での溶融粘度が2〜50mPa・sであることが好ましい。
(エポキシ樹脂用硬化剤)
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上述のような本発明のエポキシ樹脂とエポキシ樹脂用硬化剤とを配合してなるものである。エポキシ樹脂用硬化剤としては一般のエポキシ樹脂用硬化剤が用いられ、例えば次のものが挙げられる。
(1) アミン類:ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、m−キシリレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5,5]ウンデカン等の脂肪族及び脂環族アミン類、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン類、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル、1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−ウンデセン−7、1,5−アザビシクロ−(4,3,0)−ノネン−7等の3級アミン類及びその塩類。
(2) 酸無水物類:無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香族酸無水物類、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリアルキルテトラヒドロフタル酸等の環状脂肪族酸無水物類。
(3) 多価フェノ−ル類:カテコ−ル、レゾルシン、ハイドロキノン、ビスフェノ−ルF、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルS、ビフェノ−ル、フェノ−ルノボラック類、クレゾ−ルノボラック類、ビスフェノ−ルA等の2価フェノ−ルのノボラック化物類、トリスヒドロキシフェニルメタン類、アラルキルポリフェノ−ル類、ジシクロペンタジエンポリフェノ−ル類等。
(4) その他:2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;上述のようなアミンのBF3錯体化合物;脂肪族スルホニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ヨードニウム塩及びホスホニウム塩等のブレンステッド酸塩類;アジピン酸ジヒドラジッド及びフタル酸ジヒドラジッド等の有機酸ヒドラジッド類;ジシアンジアミド類;アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びカルボキシル基含有ポリエステル等のポリカルボン酸類等。
これらのエポキシ樹脂用硬化剤は、1種を単独で使用しても良いが、2種以上を併用して使用することも可能である。
エポキシ樹脂用硬化剤の配合量は、用いるエポキシ樹脂用硬化剤の種類によっても異なるが、通常、エポキシ樹脂100質量部に対して0.01〜200質量部、好ましくは0.1〜150質量部の範囲内である。
(任意成分)
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて次の成分を添加配合することができる。
(a)硬化促進剤:ホスフィン化合物、イミダゾール化合物、ジアザビシクロ化合物、及びそれらの塩。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部配合することができる。
(b)粉末状の補強剤や充填剤;例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、微粉末シリカ、溶融シリカ、結晶シリカなどのケイ素化合物、ガラスビーズ等の透明フィラー、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、その他、カオリン、マイカ、石英粉末、グラファイト、二硫化モリブデン等の1種又は2種以上。
これらは、通常エポキシ樹脂100質量部に対して、10〜1000質量部の範囲が適当である。
(c)着色剤又は顔料;例えば二酸化チタン、モリブデン赤、紺青、群青、カドミウム黄、カドミウム赤、有機色素等の1種又は2種以上。
(d)難燃剤;例えば、三酸化アンチモン、ブロム化合物及びリン化合物等の1種又は2種以上。
(e)イオン吸着体。
(f)カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の特性向上剤。
上記(c)〜(f)は、通常エポキシ樹脂100質量部に対して、各々0.01〜30質量部、合計で0.1〜30質量部配合することができる。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物には、硬化物の性質を改善する目的で種々の硬化性モノマ−、オリゴマ−及び合成樹脂等を配合することができる。
例えば、本発明のエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂として、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、テルペンジフェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビスフェノールS、チオジフェノール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシナフタレン、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂などの種々のフェノール類や、種々のフェノール類と、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザールなどの種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂、石油系重質油又はピッチ類とホルムアルデヒド重合物とフェノール類とを酸触媒の存在下に重縮合させた変性フェノール樹脂等の各種のフェノール化合物と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂や、ジアミノジフェニルメタン、アミノフェノール、キシレンジアミンなどの種々のアミン化合物と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂、メチルヘキサヒドロキシフタル酸、ダイマー酸などの種々のカルボン酸類と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂などの1種又は2種以上を配合することができる。この他に脂肪族アルコールのグリシジルエーテル等のエポキシ樹脂用希釈剤、ジオール又はトリオール類、ビニルエーテル類、オキセタン化合物、フッ素樹脂、アクリル樹脂、シリコ−ン樹脂等の1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。
これらの化合物及び樹脂類は、本発明のエポキシ樹脂組成物の本来の性質を損なわない範囲で配合され、通常、本発明のエポキシ樹脂100質量部に対して、合計で50質量部以下とすることが好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
なお、以下において「部」は「質量部」を意味する。
[エポキシ樹脂の製造例]
以下に本発明のエポキシ樹脂を製造する実施例を示す。なお、以下の実施例において、得られたエポキシ樹脂の各種分析法は次の通りである。
1) エポキシ当量
JIS K7236−1955に準拠し、酢酸と臭化セチルトリメチルアンモニウムの存在下、過塩素酸で滴定し、発生する臭化水素をエポキシ基に付加させ、終点を電位差で判定した。
2) 1H核磁気共鳴スペクトル
サンプル約0.02gを重水素化クロロホルムに溶解し、400MHzで測定した。
3) 13C−NMR核磁気共鳴スペクトル
サンプル約0.1gを重水素化クロロホルムに溶解し、100MHzで測定した。
4) 赤外吸収スペクトル
サンプルをアセトンで溶解して、KBr板に塗布し、ドライヤーにて乾燥してから、透過測定した。
実施例1
1Lオートクレーブ中に、下記構造式(3A)で表されるジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂(エポキシ当量;178)150g、酢酸エチル300g、触媒として5重量%ロジウム/グラファイト触媒1.5gを仕込み、50℃、8MPaの条件で水素化反応を行った。反応開始から10分ほど水素吸収がみられたが、水素吸収が極端に低下したので、さらに30分攪拌後、冷却し、脱圧、ガス置換し、反応液を抜き出した。
Figure 2006249145
反応液に酢酸エチル及び酸化マグネシウム粉末(富田製薬社製「AD100P」)及び濾過助剤を添加し、濾過を実施した。濾液を減圧下、150℃で溶媒を留去し、缶液を冷やして固めて、結晶性の固体エポキシ樹脂を得た。
得られたエポキシ樹脂をH−NMRで分析したところ、芳香環でない炭素−炭素二重結合の部分は水素化されており、また芳香環部分は水素化されていないことが確認され、下記構造式(1A)で表されるものであることが確認された。また、得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は181であり、融点は115℃であった。また、コーンプレート型粘度計で測定した150℃での溶融粘度は12mPa・Sであった。
Figure 2006249145
このエポキシ樹脂の核磁気共鳴スペクトルを図1に、赤外吸収スペクトルを図2にそれぞれ示す。
[エポキシ樹脂組成物の製造例及び硬化例]
以下に本発明のエポキシ樹脂組成物を製造し、製造されたエポキシ樹脂組成物から硬化体を得る実施例と比較例を挙げる。
なお、以下において用いた本発明のエポキシ樹脂以外の原材料は次の通りである。
〈その他のエポキシ樹脂〉
I;ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「E828US」)
II;テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「YX4000」)
〈エポキシ樹脂用硬化剤〉
a;無水メチルヘキサヒドロフタル酸(新日本理化社製「MH−700」)
b;無水トリアルキルテトラヒドロフタル酸(ジャパンエポキシレジン社製「YH306」)
〈硬化促進剤〉
トリフェニルホスフィン
また、エポキシ樹脂組成物又は硬化物の各種物性ないし特性の測定方法は次の通りである。
〈ゲル化時間〉
安田精機社製ゲルタイムテスターを用い、100℃で測定した。
〈ガラス転移温度Tg〉
TMA法(5℃/分で昇温)により測定した。
〈吸湿率〉
厚さ3mm、直径50mmの円盤状硬化物について、121℃、24時間後の吸湿率を測定した。この値が小さいほど耐湿性に優れる。
実施例2,3、比較例1,2
表1に示す配合で、硬化促進剤以外の成分を温度70℃で均一になるまで混合した後、硬化促進剤を添加し、攪拌、溶解してエポキシ樹脂組成物を得た。
このエポキシ樹脂組成物の物性は表1に示す通りであった。
このエポキシ樹脂組成物を減圧下で脱泡した後、金属型の中に流し込み、オーブン中にて100℃で3時間、次いで、140℃で3時間加熱硬化して硬化物を得た。
この得られたエポキシ硬化物の物性値は表1に示す通りであった。
Figure 2006249145
表1より、本発明のエポキシ樹脂は溶融粘度が低く、しかもこのエポキシ樹脂によれば、耐湿性に優れた硬化物を得ることができることが分かる。
なお、上記評価では難燃性についての評価は行っていないが、本発明のエポキシ樹脂は、分子中に燃え難いナフタレン環を有しているため難燃性にも優れる。
実施例1で得られたエポキシ樹脂の核磁気共鳴スペクトルである。 実施例1で得られたエポキシ樹脂の赤外線吸収スペクトルである。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で示されることを特徴とするエポキシ樹脂。
    Figure 2006249145
    [(1)式中、R1〜R8は各々独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは0以上の数を示す。]
  2. 下記一般式(2)で示されるジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂を直接水素化することを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
    Figure 2006249145
    [(2)式中、R1〜R8は各々独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは0以上の数を示す。]
  3. 前記一般式(2)において、R1〜R6が水素原子で、R7及びR8が水素原子又はメチル基であることを特徴とする請求項2に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
  4. 前記ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂を溶媒及び水素化触媒の存在下に水素化することを特徴とする請求項2又は3に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
  5. 水素化触媒がロジウム系触媒及び/又はルテニウム系触媒であることを特徴とする請求項4に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
  6. 請求項1に記載のエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂用硬化剤とが配合されていることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  7. エポキシ樹脂用硬化剤が、アミン類、酸無水物類、多価フェノール類、イミダゾール類、ブレンステッド酸塩類、ジシアンジアミド類、アミンのBF3錯体化合物、有機酸ヒドラジッド類及びポリカルボン酸類よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
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