JP5754731B2 - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の製造方法、及びその使用 - Google Patents
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〔1〕一般式(1):
(式中、
R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜10の直鎖若しくは分岐状アルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、又は置換若しくは非置換のアラルキル基を表すが、同一環上で隣接して存在する、2個のR1、2個のR2、又は2個のR3は、互いに結合して、縮合環を形成していてもよく、
p1、p2及びp3は、それぞれ独立に、1又は2の整数であり、p1、p2及びp3の全存在に対して、整数1であるp1、p2及びp3の存在が合計で10〜80%、整数2であるp1、p2及びp3の存在が合計で90〜20%の割合であり、
m1及びm3は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、
m2は、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、
nは、0〜15の整数であり、
Gは、置換又は非置換のグリシジル基を表す)
で表されるエポキシ樹脂に関する。
なお、「それぞれに独立に」とは、式中に同じ記号が複数あった場合も含めて、同一でも異なってもよいことを意味する。したがって同一記号でも別々の選択肢であることが許容され、例えば、一般式(I)において、単数又は複数のp1、p2及びp3は、1又は2の整数であり、同一でも異なっていてもよい。ただし、p1、p2及びp3の全存在に対して、整数1であるp1、p2及びp3の存在は合計で10〜80%、整数2であるp1、p2及びp3の存在は合計で90〜20%の割合であることとする。
(式中、Xは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルコキシル基、又は水酸基を表す)
で表されるビフェニル化合物と、2価フェノール類及び1価フェノール類とを反応させて、一般式(3):
(式中、R1、R2、R3、p1、p2、p3、m1、m2、m3及びnは、〔1〕の一般式(1)と同義である)
で表されるフェノールノボラック樹脂を得て、次いで、前記フェノールノボラック樹脂とエピハロヒドリン類とを、アルカリ金属水酸化物の存在下で反応させることを含む、〔1〕又は〔2〕のエポキシ樹脂の製造方法。
本発明のエポキシ樹脂は、特定の割合の1価フェノール類と2価フェノール類とを、ビフェニリレン類によって架橋した化学構造を有する。このエポキシ樹脂の1価フェノール類の割合と2価フェノール類との割合は、一般式(1)において、p1、p2及びp3の全存在に対する、整数1と整数2であるp1、p2及びp3の存在の割合で特定される。すなわち、本発明のエポキシ樹脂は、一般式(1)のp1、p2及びp3の全存在(導入された全フェノール類)に対して、整数1であるp1、p2及びp3の存在(1価フェノール類)が合計で10〜80%、整数2であるp1、p2及びp3の存在(2価のフェノール類)が合計で90〜20%の割合で導入された化学構造を有する。
一般式(3)で示されるフェノールノボラック樹脂は、前記一般式(2)で示される化合物(例えば、4,4’−ビフェニリレン基、2,4’−ビフェニリレン基、又は2,2’−ビフェニリレン基等を有する化合物)と、通常は過剰量の、2価フェノール類及び1価フェノール類を、酸触媒存在下又は触媒の非存在下で、縮合反応させることによって1段反応で好適に製造することができる。
本発明において、一般式(1)で示されるエポキシ樹脂は、一般式(3)で示されるフェノールノボラック樹脂を、エピハロヒドリン類と、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下、例えば10℃〜120℃で、グリシジルエーテル化することにより得られる。このグリシジルエーテル化反応は、公知の方法を好適に採用することができ、特に限定されない。
一般式(3)のフェノールノボラック樹脂の1価フェノール類及び2価フェノール類の導入割合は、以下のように求めることができる。フェノールノボラック樹脂の合成時の反応混合液についてGPC測定を行い、面積比より未反応の1価フェノール類と2価フェノール類のモル比を測定する。一方、GPC測定からフェノールノボラック樹脂の繰り返し単位数(一般式(3)のnに相当)を算出し、導入されたフェノール類合計のモル数及び未反応のフェノール類合計のモル数を求める。これらの値から、未反応のフェノール類の1価フェノール類と2価フェノール類の各モル数、及びフェノールノボラック樹脂に導入された1価フェノール類と2価フェノール類の各モル数を算出し、1価フェノール類及び2価フェノール類の導入割合を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂は、硬化剤と組み合わせて、硬化性のエポキシ樹脂組成物とすることができる。以下、エポキシ樹脂組成物について説明する。
硬化促進剤は、特に限定されず、例えばフェノール系硬化剤と組み合わせて用いられる公知の硬化促進剤等が好適に挙げられる。
具体例としては、有機ホスフィン化合物及びそのボロン塩、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、イミダゾール類及びそのテトラフェニルボロン塩等を挙げることができる。中でも、硬化性や耐湿性の点から、トリフェニルホスフィン及び1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)が好ましい。また、より高流動性にするためには、加熱により活性が発現する熱潜在性の硬化促進剤がより好ましく、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルホスフォニウム誘導体が好ましい。
(1)150℃溶融粘度:ICI溶融粘度計を用い、150℃でのフェノールノボラック樹脂及びエポキシ樹脂の溶融粘度を測定した。ICI粘度の測定方法は以下の通り。
ICIコーンプレート粘度計 MODEL CV−1S TOA工業(株)
ICI粘度計のプレート温度を150℃に設定し、試料を所定量、秤量する。
プレート部に秤量した樹脂を置き、上部よりコーンで押えつけ、90秒放置する。コーンを回転させて、そのトルク値をICI粘度として読み取る。
(2) 水酸基当量:JIS K0070に準拠した方法で測定した。
(3) エポキシ当量:JIS K−7236に準拠した方法で測定した。
(4) 2価フェノール導入割合
フェノールノボラック樹脂の合成時の反応混合液のGPC測定を行い、面積比より未反応の1価フェノールと2価フェノールのモル比を測定した。
一方、GPC測定からフェノールノボラック樹脂の繰り返し単位数(一般式(3)のnに相当)が算出できるので、導入されたフェノール類のモル数及び未反応のフェノール類のモル数を算出した。
以上の値から、未反応のフェノール類の1価フェノール類と2価フェノール類の各モル数、及びフェノールノボラック樹脂に導入された1価フェノール類と2価フェノール類の各モル数を算出し、2価フェノール類の導入割合を得た。
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)の測定方法は以下の通り。
・型式:HLC−8220 東ソー(株)製
・カラム:TSK−GEL Hタイプ
G2000H×L 4本
G3000H×L 1本
G4000H×L 1本
・測定条件:カラム圧力 13.5MPa
・溶解液:テトラヒドロフラン(THF)
・フローレート:1ml/min.
・測定温度:40℃
・検出器:スペクトロフォトメーター(UV−8020)
・RANGE:2.56 WAVE LENGTH 254nm & RI
GPC分析によって得られた樹脂組成より、2価フェノール導入割合を求めた。
なお、2価フェノール導入割合は、一般式(1)、一般式(3)における、p1、p2及びp3の全体に対する、整数2の割合であり、残りが1価フェノールになる。
(5) 硬化特性:エポキシ樹脂組成物について、175℃での硬化トルク上昇スピードをオリエンテック(株)製、JSRキュラストメーターWP型を用いて、ゲル化TSX(ゲル化時間)、硬化トルク(トルクMH)、硬化速度(tc(80))を測定した。
(6) Tg:動的粘弾性測定装置(TAインスツルメント社製 RSA−G2)(昇温速度3℃/min)を用いて30℃及び270℃の弾性率、ガラス転移温度を測定した。
(7) 難燃性:UL−94に準拠して測定した。
(8) 機械特性:機械強度:JIS K 7171に準拠して測定した。
撹拌装置、コンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応釜に、フェノール141g(1.5モル)、レゾルシン165g(1.5モル)、4,4’−ジ(クロロメチル)ビフェニル(以下、4,4’−BCMBと略記する。)188.3g(0.75モル)を仕込み、100℃で3時間反応させた。
その後、160℃に昇温し、4,4’−BCMBを全て反応させた。その間、生成するHClを留去した。反応終了後、減圧蒸留により未反応フェノール及び未反応レゾルシンを留去することにより250gのフェノールノボラック樹脂を得た。
得られたフェノールノボラック樹脂のICI粘度は4000mPa・s、水酸基当量は128g/eqであった。一般式(3)におけるnの値は1.9であった。得られたフェノールノボラック樹脂のGPCチャートを図1−1に示す。
反応終了時のGPCより、未反応フェノール類中の1価フェノール割合は66%、2価フェノール割合は34%であった。また、樹脂の繰り返し数より算出した未反応フェノール類のモル数は2.0モルであった。これらより、未反応フェノール類中のうち1価フェノール類は1.3モル、2価フェノール類は0.7モルとなる。したがって、仕込み量から逆算して反応に寄与したフェノール類は1価フェノール類が0.2モル、2価フェノール類が0.8モルとなり、GPCによる2価フェノール導入割合は82%であった。
撹拌装置、コンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応釜に、フェノール225.6g(2.4モル)、レゾルシン264g(2.4モル)、4,4’−BCMB200.8g(0.8モル)を仕込み、100℃で3時間反応させた。
その後、160℃に昇温し、4,4’−BCMBを全て反応させた。その間、生成するHClを留去した。反応終了後、減圧蒸留により未反応フェノール及び未反応レゾルシンを留去することにより274gのフェノールノボラック樹脂を得た。
得られたフェノールノボラック樹脂のICI粘度は840mPa・s、水酸基当量は117g/eqであった。一般式(3)におけるnの値は1.1であった。合成例1と同様にして算出したGPCによる2価フェノール導入割合は71%であった。得られたフェノールノボラック樹脂のGPCチャートを図1−2に示す。
撹拌装置、コンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応釜に、フェノール315.8g(3.4モル)、レゾルシン158.4g(1.4モル)、4,4’−BCMB200.8g(0.8モル)を仕込み、100℃で3時間反応させた。
その後、160℃に昇温し、4,4’−BCMBを全て反応させた。その間、生成するHClを留去した。反応終了後、減圧蒸留により未反応フェノール及び未反応レゾルシンを留去することにより266gのフェノールノボラック樹脂を得た。
得られたフェノールノボラック樹脂のICI粘度は470mPa・s、水酸基当量は132g/eqであった。一般式(3)におけるnの値は1.3であった。合成例1と同様にして算出したGPCによる2価フェノール導入割合は64%であった。得られたフェノールノボラック樹脂のGPCチャートを図1−3に示す。
撹拌装置、コンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応釜に、フェノール253.8g(2.7モル)、レゾルシン33.0g(0.3モル)、4,4’−BCMB125.5g(0.5モル)を仕込み、100℃で3時間反応させた。
その後、160℃に昇温し、4,4’−BCMBを全て反応させた。その間、生成するHClを留去した。反応終了後、減圧蒸留により未反応フェノール及び未反応レゾルシンを留去することにより166gのフェノールノボラック樹脂を得た。
得られたフェノールノボラック樹脂のICI粘度は190mPa・s、水酸基当量は167g/eqであった。一般式(3)におけるnの値は1.2であった。合成例1と同様にして算出したGPCによる2価フェノール導入割合は29%であった。得られたフェノールノボラック樹脂のGPCチャートを図1−4に示す。
撹拌装置、コンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応釜に、レゾルシン220g(2.0モル)を150gの水に溶解させ4,4’−BCMB 125.5g(0.5モル)を仕込み、100℃で3時間反応させた。
その後、160℃に昇温し、4,4’−BCMBを全て反応させた。その間、生成するHCl、及び水を留去した。反応終了後、減圧蒸留により未反応レゾルシンを留去することにより180gのフェノールノボラック樹脂を得た。
得られたフェノールノボラック樹脂のICI粘度は700mPa・s、水酸基当量は123g/eqであった。一般式(3)におけるnの値は0.9であった。合成例1と同様にして算出したGPCによる2価フェノール導入割合は100%であった。得られたフェノールノボラック樹脂のGPCチャートを図1−5に示す。
撹拌装置、コンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応釜に、フェノール273.5g(2.9モル)、レゾルシン9.9g(0.1モル)、4,4’−BCMB125.5g(0.5モル)を仕込み、100℃で3時間反応させた。
その後、160℃に昇温し、4,4‘−BCMBを全て反応させた。その間、生成するHClを留去した。反応終了後、減圧蒸留により未反応フェノール及び未反応レゾルシンを留去することにより167gのフェノールノボラック樹脂を得た。
得られたフェノールノボラック樹脂のICI粘度は60mPa・s、水酸基当量は200g/eqであった。一般式(3)におけるnの値は0.9であった。合成例1と同様にして算出したGPCによる2価フェノール導入割合は12%であった。得られたフェノールノボラック樹脂のGPCチャートを図1−6に示す。
攪拌装置、及びコンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応容器に、合成例1で得られた2価フェノール導入割合が82%であるフェノールノボラック樹脂50.0g(0.39モル)、エピクロルヒドリン433.6g(4.7モル)、メタノール50gを仕込み、均一に溶解させた。50℃で固形の96%水酸化ナトリウム10.3g(0.4モル)を90分かけて分割投入した。その後50℃で2時間反応させ、70℃昇温後さらに2時間反応を継続した。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを減圧下において除去した。
釜残にメチルイソブチルケトンを85g投入し溶解させた。25%水酸化ナトリウム水溶液6.3g(0.04モル)を添加し70℃で1時間反応させた。反応終了後、水層が中性になるまで水洗処理を7回繰り返した。加熱減圧下メチルイソブチルケトンを留去することで67gのエポキシ樹脂を得た。
得られたエポキシ樹脂の150℃におけるICI粘度は660mPa・sであり、エポキシ当量は200g/eq、一般式(1)におけるnの値は2.0であった。得られたエポキシ化ノボラック樹脂のGPCチャートを図2−1に示す。
攪拌装置、及びコンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応容器に、合成例2で得られた2価フェノール導入割合が71%であるフェノールノボラック樹脂50.0g(0.43モル)、エピクロルヒドリン476.4g(5.1モル)、メタノール50gを仕込み、均一に溶解させた。50℃で固形の96%水酸化ナトリウム17.8g(0.4モル)を90分かけて分割投入した。その後50℃で2時間反応させ、70℃昇温後さらに2時間反応を継続した。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを減圧下において除去した。
釜残にメチルイソブチルケトンを85g投入し溶解させた。25%水酸化ナトリウム水溶液6.8g(0.04モル)を添加し70℃で1時間反応させた。反応終了後、水層が中性になるまで水洗処理を7回繰り返した。加熱減圧下メチルイソブチルケトンを留去することで67gのエポキシ樹脂を得た。
得られたエポキシ樹脂の150℃におけるICI粘度は285mPa・sであり、エポキシ当量は195g/eq、一般式(1)におけるnの値は1.2であった。得られたエポキシ化ノボラック樹脂のGPCチャートを図2−2に示す。
攪拌装置、及びコンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応容器に、合成例3で得られた2価フェノール導入割合が64%であるフェノールノボラック樹脂50.0g(0.37モル)、エピクロルヒドリン408.1g(4.4モル)、メタノール50gを仕込み、均一に溶解させた。50℃で固形の96%水酸化ナトリウム15.3g(0.4モル)を90分かけて分割投入した。その後50℃で2時間反応させ、70℃昇温後さらに2時間反応を継続した。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを減圧下において除去した。
釜残にメチルイソブチルケトンを85g投入し溶解させた。25%水酸化ナトリウム水溶液5.9g(0.04モル)を添加し70℃で1時間反応させた。反応終了後、水層が中性になるまで水洗処理を7回繰り返した。加熱減圧下メチルイソブチルケトンを留去することで69gのエポキシ樹脂を得た。
得られたエポキシ樹脂の150℃におけるICI粘度は300mPa・sであり、エポキシ当量は200g/eq、一般式(1)におけるnの値は1.4であった。得られたエポキシ化ノボラック樹脂のGPCチャートを図2−3に示す。
攪拌装置、及びコンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応容器に、合成例4で得られた2価フェノール導入割合が29%であるフェノールノボラック樹脂55.0g(0.33モル)、エピクロルヒドリン365.6g(4.0モル)、メタノール50gを仕込み、均一に溶解させた。50℃で固形の96%水酸化ナトリウム13.7g(0.3モル)を90分かけて分割投入した。その後50℃で2時間反応させ、70℃昇温後さらに2時間反応を継続した。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを減圧下において除去した。
釜残にメチルイソブチルケトンを85g投入し溶解させた。25%水酸化ナトリウム水溶液5.3g(0.03モル)を添加し70℃で1時間反応させた。反応終了後、水層が中性になるまで水洗処理を7回繰り返した。加熱減圧下メチルイソブチルケトンを留去することで75gのエポキシ樹脂を得た。
得られたエポキシ樹脂の150℃におけるICI粘度は120mPa・sであり、エポキシ当量は224g/eq、一般式(1)におけるnの値は1.3であった。得られたエポキシ化ノボラック樹脂のGPCチャートを図2−4に示す。
攪拌装置、及びコンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応容器に、合成例5で得られた2価フェノール導入割合が100%であるフェノールノボラック樹脂50.0g(0.41モル)、エピクロルヒドリン451.2g(4.9モル)、メタノール50gを仕込み、均一に溶解させた。50℃で固形の96%水酸化ナトリウム16.9g(0.4モル)を90分かけて分割投入した。その後50℃で2時間反応させ、70℃昇温後さらに2時間反応を継続した。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを減圧下において除去した。
釜残にメチルイソブチルケトンを85g投入し溶解させた。25%水酸化ナトリウム水溶液6.5g(0.04モル)を添加し70℃で1時間反応させた。反応終了後、水層が中性になるまで水洗処理を7回繰り返した。加熱減圧下メチルイソブチルケトンを留去することで67gのエポキシ樹脂を得た。
得られたエポキシ樹脂の150℃におけるICI粘度は230mPa・sであり、エポキシ当量は176g/eq、一般式(1)におけるnの値は1.2であった。得られたエポキシ化ノボラック樹脂のGPCチャートを図2−4に示す。
攪拌装置、及びコンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応容器に、合成例6で得られた2価フェノール導入割合が12%であるフェノールノボラック樹脂50.0g(0.25モル)、エピクロルヒドリン277.5g(3.0モル)、メタノール50gを仕込み、均一に溶解させた。50℃で固形の96%水酸化ナトリウム10.4g(0.3モル)を90分かけて分割投入した。その後50℃で2時間反応させ、70℃昇温後さらに2時間反応を継続した。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを減圧下において除去した。
釜残にメチルイソブチルケトンを85g投入し溶解させた。25%水酸化ナトリウム水溶液4.0g(0.03モル)を添加し70℃で1時間反応させた。反応終了後、水層が中性になるまで水洗処理を7回繰り返した。加熱減圧下メチルイソブチルケトンを留去することで64gのエポキシ樹脂を得た。
得られたエポキシ樹脂の150℃におけるICI粘度は50mPa・sであり、エポキシ当量は266g/eq、一般式(1)におけるnの値は1.0であった。得られたエポキシ化ノボラック樹脂のGPCチャートを図2−6に示す。
比較例3として市販のビフェニル型エポキシ樹脂(YX−4000:三菱化学株式会社製)を用いた。なお、このエポキシ樹脂のGPCによる2価フェノール導入割合は0%であった。
実施例・比較例のエポキシ樹脂、硬化剤として明和化成株式会社製MEH−7851SS(水酸基当量202g/eq)のビフェニル型ノボラック樹脂、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPPと略記することもある)、及び充填剤として龍森社製シリカ(MSR−2212)を使用してEMCを調製した。その際、エポキシ樹脂と硬化剤とは、フェノール水酸基当量とエポキシ当量比が1:1となるように配合し、TPP触媒をキュラストメーター試験におけるゲル化tsxが0.6〜0.8minとなるように配合した。これに、83質量%になるように充填剤を加え、60℃の温度条件で2本ロールで混練後粉砕しEMC粉体を調製した。
得られたEMC粉体を用いて作成した40φタブレットを、トランスファー成形機にて試験片を作成し、180℃ 8時間のポストキュアを行い、ガラス転移点評価及び、難燃評価用のテストピースを得た。
Claims (10)
- 一般式(1):
(式中、
R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜10の直鎖若しくは分岐状アルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、又は置換若しくは非置換のアラルキル基を表すが、同一環上で隣接して存在する、2個のR1、2個のR2、又は2個のR3は、互いに結合して、縮合環を形成していてもよく、
p1、p2及びp3は、それぞれ独立に、1又は2の整数であり、p1、p2及びp3の全存在に対して、整数1であるp1、p2及びp3の存在が合計で10〜80%、整数2であるp1、p2及びp3の存在が合計で90〜20%の割合であり、
m1及びm3は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、
m2は、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、
nは、0〜15の整数であり、
Gは、置換又は非置換のグリシジル基を表す)
で表され、150℃における溶融粘度が20〜1000mPa・sであるエポキシ樹脂。 - 請求項1に記載のエポキシ樹脂及び硬化剤を含む、エポキシ樹脂組成物。
- 得られる硬化物が、ガラス転移温度が135℃以上であり、かつUL94規格に基づく難燃性評価がV−0である、請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物。
- さらに、硬化速度(tc(80))が、3.3分以下である、請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項3〜5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物からなる半導体封止材。
- 請求項3〜5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
- ガラス転移温度が135℃以上であり、かつUL94規格に基づく難燃性評価がV−0である、請求項7に記載の硬化物。
- さらに、UL94規格に基づく難燃性評価において、残炎時間が35秒以下である、請求項8に記載の硬化物。
- 請求項7〜9のいずれか1項に記載の硬化物を含む半導体装置。
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