JP6160777B2 - エポキシ樹脂、その製造方法、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂、その製造方法、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 Download PDF

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Description

本発明は、ターフェニル骨格を含有するエポキシ樹脂、その製造方法、ターフェニル骨格を含有するエポキシ樹脂組成物およびその硬化物に関する。
エポキシ樹脂およびその硬化剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物は、耐熱性、耐吸湿性等の諸物性に優れる点から、半積層板樹脂材料、電気絶縁材料、半導体封止材料、繊維強化複合材料、塗装材料、成型材料、接着材料等で広く用いられている。近年、電子部品分野では小型化及び高密度実装化により発熱密度の増加が顕著となっており、各構成部材に使用されるエポキシ樹脂組成物には耐熱性、熱膨張性および熱伝導性のより一層の向上が求められている。特に絶縁部に用いられるエポキシ樹脂組成物は、熱伝導性フィラーの使用による高熱伝導化では限界があり、マトリックスであるエポキシ樹脂自身の熱伝導性向上が求められている。
熱伝導性に優れたエポキシ樹脂としては、メソゲン骨格を有するものが知られており、例えば、特許文献1および特許文献2に、種々のメソゲン骨格を含むエポキシ樹脂が記載されている。しかしながら、これらのエポキシ樹脂は、エポキシ基を2つ有する2官能のエポキシ樹脂である為、耐熱性が悪く、今後、高温条件下での更なる安定性が求められる電子材料用途には使用が困難であった。また、これらのエポキシ樹脂は高融点であり、加熱条件下で硬化剤と溶融混練を行なう際に、硬化反応が進み、ゲル化するなど適切な配合物が得られない、高温の溶融状態でも高粘性であるため、熱伝導性フィラーとの混合が困難、等の問題があった。
特開平11−323162 特開2005−206814
本発明が解決しようとする課題は、低融点であって、得られる硬化物が優れた耐熱性および低熱膨張性、熱伝導性を発現するエポキシ樹脂組成物、その硬化物、これらの性能を与える新規エポキシ樹脂およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、3個以上のグリシジル基を有するポリグリシジルオキシ−p−ターフェニル化合物であるエポキシ樹脂は低融点であり、その硬化物は耐熱性、低熱膨張性、熱伝導性において優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の[1]〜[7]に関する。
[1]
下記式(1)で示されるエポキシ樹脂。
Figure 0006160777
(式中、n、mはそれぞれ0〜5の整数を表し、nとmの和は3以上である。)
[2]
下記式(2)で示されるエポキシ樹脂。
Figure 0006160777
[3]
下記式(3)で示されるエポキシ樹脂。
Figure 0006160777
[4]
下記式(4)で示される化合物にエピハロヒドリンを反応させて得られることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
Figure 0006160777
(式中、n、mはそれぞれ0〜5の整数を表し、nとmの和は3以上である。)
[5]
上記[4]に記載の製造方法で得られることを特徴とするエポキシ樹脂。
[6]
上記[1]〜[3]、または[5]のいずれかに記載のエポキシ樹脂と、硬化剤または硬化促進剤の少なくとも一方とを含有することを特徴とする、エポキシ樹脂組成物。
[7]
上記エポキシ樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする硬化物。
本発明によれば、低融点であるポリグリシジルオキシ−p−ターフェニルであるエポキシ樹脂およびその製造方法を提供でき、その硬化物は優れた耐熱性、低線膨張性、熱伝導性を示す。
実施例1で得られた2,4,4’’−トリグリシジルオキシ−p−ターフェニルのGPCチャートである 実施例1で得られた2,4,4’’−トリグリシジルオキシ−p−ターフェニルのC13NMRチャートである 実施例1で得られた2,4,4’’−トリグリシジルオキシ−p−ターフェニルのMSチャートである 実施例2で得られた3,4’’,5−トリグリシジルオキシ−p−ターフェニルのGPCチャートである 実施例2で得られた3,4’’,5−トリグリシジルオキシ−p−ターフェニルのC13NMRチャートである 実施例2で得られた3,4’’,5−トリグリシジルオキシ−p−ターフェニルのMSチャートである
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂は、例えば、ポリヒドロキシ−p−ターフェニル化合物とエピハロヒドリンを反応させる本発明の製法によって得ることができるものであり、次の構造式(1)で示されるものである。
Figure 0006160777
前記式(1)におけるnおよびmは0〜5の整数であり、nとmの和は3以上である。nとmの和が大きいほど、本発明のエポキシ樹脂は多官能となり硬化物の耐熱性は向上するが、同時に脆弱性が悪化する。したがって、耐熱性とその他の物性のバランスを考慮するとnとmの和は3〜8が好ましく、さらに好ましくは3〜6である。
また、本発明のエポキシ樹脂は、平面性の高いp−ターフェニル骨格が重なり規則性構造を形成することで高熱伝導性を発現できるが、特に、4,4’’位に官能基を有するものや、分子の対称性に優れるものは結晶性が高いため、高熱伝導性を発現しやすい。
従って、熱伝導性に優れ、さらに耐熱性とその他の硬化物性もバランスが良いエポキシ樹脂の具体例としては、4,4’’位に官能基を有する2,4,4’’−トリグリシジルオキシ−p−ターフェニル、2,4,4’’,6−テトラグリシジルオキシ−p−ターフェニル、2,2’’,4,4’’−テトラグリシジルオキシ−p−ターフェニル、分子対称性に優れた3,4’’,5−トリグリシジルオキシ−p−ターフェニル、2,2’’,4,4’’−テトラグリシジルオキシ−p−ターフェニル、3,3’’,5,5’’−テトラグリシジルオキシ−p−ターフェニル、2,2’’,5,5’’−テトラグリシジルオキシ−p−ターフェニル等が挙げられる。
前記式(1)において、p−ターフェニル骨格は置換基を有さなくても有していてもかまわない。置換基を有する場合、ハロゲン基または炭化水素基が挙げられる。炭化水素基としては置換基を有していても良い炭素数1〜10の炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、シクロプロペニル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等のアルキニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基が挙げられる。前記の置換基は、本発明のエポキシ樹脂の製造時に著しい影響を与えるものでなければいかなる置換基を有していても良い。エポキシ樹脂の低溶融粘度化には、運動性の高い長鎖状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基が好ましいが、運動性の高い置換基はエポキシ樹脂硬化物の耐熱性および熱伝導性を低下させる。したがって、本発明のエポキシ樹脂においては、置換基を有さないか、もしくは炭素数1〜4の炭化水素基が好ましく、置換基を有さないもしくはメチル基、アリル基がさらに好ましい。
本発明のエポキシ樹脂の原料となるポリヒドロキシ−p−ターフェニル化合物は、公知慣用の方法を用いて製造できる。例えば、p−ターフェニル骨格の構築には鉄や銅等の金属触媒を用いる酸化カップリング反応(Tetrahedron Letters,1977,50,4447)、銅やパラジウム等の金属触媒を用いるウルマン反応(J.Chem.Ber.1901,34,2174)や鈴木カップリング反応(J.Organomet.Chem.,576,147(1999); Synth.Commun.,11,513(1981))等のカップリング反応を用いる方法が、簡便で収率が良く好適である。これらの反応を利用したポリヒドロキシ−p−ターフェニル骨格を製造する具体例としては、European Journal of Medicinal Chemistry,2013,68,192、Journal of Medicinal Chemistry, 2006,49,10,3012、CrystEngComm,2013,15,34,6845、Journal of the Chemical Society,Dalton Transactions: Inorganic Chemistry(1972−1999),1994,6,799、特表2011−515340、Chemische Berichte,1967,100,2842等があり、本発明のエポキシ樹脂の原料となるポリヒドロキシ−p−ターフェニル化合物は、上記公知文献の方法に準じて製造するか、もしくは、適宜官能基位置の異なる原料を用いて同様の反応を行う事で製造できる。
本発明のエポキシ樹脂の製造法に特に制限はなく、公知慣用の方法で製造する事ができ、ポリヒドロキシ−p−ターフェニル化合物に、エピハロヒドリンを反応させる製造法やポリヒドロキシ−p−ターフェニル化合物にアリルハライドを反応させ、アリルエーテル化後の酸化反応による製造法などが挙げられる。工業的には、ポリヒドロキシ−p−ターフェニル化合物に、エピハロヒドリンを反応させる製造法が有意であり、その一例を、以下に詳述する。
フェノール化合物にエピハロヒドリンを反応させる製造法は、具体的には、例えばフェノール化合物中のフェノール性水酸基のモル数に対し、エピハロヒドリンを2〜10倍量(モル基準)となる割合で添加し、更に、フェノール性水酸基のモル数に対し0.9〜2.0倍量(モル基準)の塩基性触媒を一括添加または徐々に添加しながら20〜120℃の温度で0.5〜10時間反応させる方法が挙げられる。この塩基性触媒は固形でもその水溶液を使用してもよく、水溶液を使用する場合は、連続的に添加すると共に、反応混合物中から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリン類を留出せしめ、更に分液して水は除去しエピハロヒドリンは反応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。
なお、工業生産を行う際、エポキシ樹脂生産の初バッチでは仕込みに用いるエピハロヒドリン類の全てが新しいものであるが、次バッチ以降は、粗反応生成物から回収されたエピハロヒドリン類と、反応で消費される分で消失する分に相当する新しいエピハロヒドリン類とを併用することが可能であり、経済的に好ましい。この時、使用するエピハロヒドリンは特に限定されないが、例えばエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン等が挙げられる。なかでも工業的入手が容易なことからエピクロルヒドリンが好ましい。
また、前記塩基性触媒は、具体的には、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。特にエポキシ樹脂合成反応の触媒活性に優れる点からアルカリ金属水酸化物が好ましく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。使用に際しては、これらの塩基性触媒を10〜55質量%程度の水溶液の形態で使用してもよいし、固形の形態で使用しても構わない。この際、反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量としては、用いるエポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜3.0質量部となる割合であることが好ましい。また、有機溶媒を併用することにより、エポキシ樹脂の合成における反応速度を高めることができる。このような有機溶媒としては特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類;テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、1、3−ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル類;アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、また、極性を調整するために適宜2種以上を併用してもよい。
前述のエポキシ化反応の反応物を水洗後、加熱減圧下、蒸留によって未反応のエピハロヒドリンや併用する有機溶媒を留去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂を再びトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えてさらに反応を行うこともできる。この際、反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量としては、用いるエポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜3.0質量部となる割合であることが好ましい。反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することにより目的とする本発明のポリグリシジルオキシ−p−ターフェニル化合物を主成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂を得ることができる。また、反応中に目的のエポキシ樹脂が結晶化する場合は、生じたエポキシ樹脂の結晶を濾過し、残渣を水洗して塩を除去し、減圧下で溶媒または水を留去することにより目的とする本発明のポリグリシジルオキシ−p−ターフェニル化合物を主成分とするエポキシ樹脂を得ることができる。
なお、本発明のエポキシ樹脂の製造方法は、前記ポリヒドロキシ−p−ターフェニル化合物に、本発明の効果を損なわない範囲で、他の多価フェノールを併用して、エピハロヒドリンと反応させても良い。
次に、本発明のエポキシ樹脂組成物は、以上詳述したポリグリシジルオキシ−p−ターフェニル化合物であるエポキシ樹脂を含有するものである。好ましくは硬化剤または硬化促進剤を含有するものであるが、該エポキシ樹脂は、オリゴマー成分を含有する製造時の反応生成物として用いて良い。
ここで用いる硬化剤は、特に限定はなく、通常のエポキシ樹脂の硬化剤として常用されている化合物は何れも使用することができ、例えば、アミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。具体的には、アミン系化合物としてはジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF3−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられ、アミド系化合物としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられ、酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、フェノール系化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、レゾルシンノボラック樹脂に代表される多価ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒドから合成される多価フェノールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でナフトール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミン、ベンゾグアナミンなどがメチレン結合を介してフェノール核が連結された多価フェノール化合物)やアルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物が挙げられる。これらの硬化剤は、単独でも2種類以上の併用でも構わない。
本発明のエポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂と硬化剤の配合量としては、特に制限されるものではないが、得られる硬化物特性が良好である点から、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計1当量に対して、硬化剤中の活性基が0.7〜1.5当量になる量が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物に硬化促進剤を単独で、あるいは前記の硬化剤と併用することもできる。硬化促進剤としてエポキシ樹脂の硬化反応を促す種々の化合物が使用でき、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール化合物、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。この中でも、イミダゾール化合物、リン系化合物、第3級アミン化合物の使用が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分として、前記した本発明のエポキシ樹脂を単独で用いてもよいが、必要に応じて、その他の公知慣用のエポキシ樹脂を本発明のエポキシ樹脂と併用して用いても良い。その他のエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;レゾルシノールジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノンジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等のベンゼン型エポキシ樹脂;テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂、トリグリシジルオキシビフェニル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルオキシビフェニル型エポキシ樹脂等のビフェニル型エポキシ樹脂;1,6−ジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂、1−(2,7−ジグリシジルオキシナフチル)−1−(2−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシナフチル)メタン、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシナフチル)−1−フェニル−メタン、1,1−ビ(2,7−ジグリシジルオキシナフチル)等のナフタレン型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;トリフェニルメタン型エポキシ樹脂;テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂;10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド等を用いて合成されるリン含有エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂;キサンテン型エポキシ樹脂;ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ樹脂;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキヒシクロヘキシル)アジペート等の脂環式エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート等のヘテロ環含有エポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジルp−オキシ安息香酸、ダイマー酸グリシジルエステル、トリグリシジルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;ジグリシジルアニリン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジルメタキシリレンジアミン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ジグリシジルヒダントイン、グリシジルグリシドオキシアルキルヒダントイン等のヒダントイン型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
本発明のエポキシ樹脂とその他エポキシ樹脂の配合比としては、エポキシ樹脂全体に対し、本発明のエポキシ樹脂が30重量%以上であると本発明の効果を十分発揮できる為好ましく、40重量%以上であると更に好ましい。
詳述した本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成分の他に有機溶剤を配合しても良い。ここで使用し得る前記有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル系溶媒、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、さらに必要に応じて、充填剤、着色剤、難燃剤、離型剤またはシランカップリング剤等の公知慣用の各種添加剤を添加しても良い。
上記充填剤として代表的なものには、シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミ等が、着色剤として代表的なものにはカーボンブラック等が、難燃剤として代表的なものには、三酸化アンチモン等が、離型剤として代表的なものにはカルナバワックス等があり、シランカップリング剤として代表的なものには、アミノシランまたはエポキシシラン等がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記した各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂、硬化剤、さらに必要により硬化促進剤を含有する本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。該硬化物としては、積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成型硬化物が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、積層板樹脂材料、電気絶縁材料、半導体封止材料、繊維強化複合材料、塗装材料、成型材料、導電性接着剤やその他の接着剤の材料等の用途に利用できる。
本発明のポリグリシジルオキシ−p−ターフェニル化合物を含有するエポキシ樹脂組成物の硬化物は、メソゲンであるp−ターフェニル骨格由来の高熱伝導性を発現し、さらに多官能であることで優れた耐熱性と高温領域での低熱膨張性を実現できる。また、本発明のエポキシ樹脂は低融点であるため、硬化剤や熱伝導性フィラーと混合し加熱条件下で溶融混練し、更に高い熱伝導性を示す硬化物の作製が可能である。
本発明を実施例、比較例により具体的に説明する。尚、融点、GPC、NMR、MSスペクトルは以下の条件にて測定した。
1)融点:示差熱熱量重量同時測定装置(日立ハイテクサイエンス社製TG/DTA6200)を用いて測定した。
測定条件
測定温度:室温〜300℃
測定雰囲気:窒素
昇温速度:10℃/min
2)GPC:測定条件は以下の通り。
測定装置 :昭和電工株式会社製「Shodex GPC−104」、
カラム:昭和電工株式会社製「Shodex KF−401HQ」
+昭和電工株式会社製「Shodex KF−401HQ」
+昭和電工株式会社製「Shodex KF−402HQ」
+昭和電工株式会社製「Shodex KF−402HQ」
検出器: RI(示差屈折率計)
データ処理:ウォーターズ株式会社製「Empower 2」
測定条件: カラム温度 40℃
移動相: テトラヒドロフラン
流速: 1.0ml/分
標準 : (使用ポリスチレン)
ウォーターズ株式会社製「Polystyrene Standard 400」
ウォーターズ株式会社製「Polystyrene Standard 530」
ウォーターズ株式会社製「Polystyrene Standard 950」
ウォーターズ株式会社製「Polystyrene Standard 2800」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
3)NMR:日本電子株式会社製 NMR LA300
溶媒 :アセトン‐d6
4)MS :日本電子株式会社製 ガスクロマトグラフ飛行時間質量分析計JMS−T100GC
イオン化モード:FD
カソード電圧:−10kV
エミッタ電流:0mA → 40mA[25.6 mA/min.]
溶媒:テトラヒドロフラン
サンプル濃度:2%
合成例1
(2,4,4’’−トリメトキシ−p−ターフェニルの合成)
温度計、撹拌機、還流冷却器を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、4−ブロモ−4’−メトキシビフェニル95g、トルエン277g及び炭酸カリウム99gを水100gに予め溶解した溶液を仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)4.2gを加えた。混合液を90℃に昇温し、2,4−ジメトキシフェニルボロン酸71gを予めイソプロパノール(以下、IPA)250g及び水30gに溶解した溶液を滴下した。反応液を6時間加熱還流したのち、ろ過により固形分Aとろ液に分離し、固形分Aは水500mLおよびIPA200mL、トルエン200mLでそれぞれ洗浄した。ろ液に固形分Aの洗浄に使用した水及びIPA溶液を加え、分液漏斗に移してIPA層を分離した。IPA層は飽和食塩水で洗浄し、減圧留去し固形分Bを得た。水層はトルエン300mLを加え抽出し、トルエン層を飽和食塩水で洗浄した。固形分B及び固形分Aの洗浄に用いたトルエン溶液200mL、水層の抽出に使用したトルエン溶液300mLを合わせ、シリカゲル層を通した後、トルエンを減圧留去し固形分Cを得た。固形分Cにメタノール200mLを加え、沈殿物をろ取し固形分Dを得た。固形分A及び固形分Dを合わせて、50℃の真空乾燥機中で5時間乾燥させ、2,4,4’’−トリメトキシ−p−ターフェニル108gを得た。
合成例2
(2,4,4’’−トリヒドロキシ−p−ターフェニルの合成)
温度計、撹拌機、還流冷却器を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、合成例1で得られた2,4,4’’−トリメトキシ−p−ターフェニル100g及び酢酸571gを仕込んだ後、47%臭化水素158gを素早く滴下し、110℃で40時間撹拌した。さらに、47%臭化水素53gを追加し、130℃で20時間還流した。反応液を室温まで冷却し、水2Lに加えて結晶を析出させろ取した。残渣をトルエン/酢酸エチル/アセトンの混合液(重量比で69/28/3)3Lに溶解し、シリカゲル層を通した後、溶媒を減圧留去し2,4,4’’−トリヒドロキシ−p−ターフェニル79gを得た。
合成例3
(3,4’’,5−トリメトキシ−p−ターフェニルの合成)
温度計、撹拌機、還流冷却器を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、4−ブロモ−4’−メトキシビフェニル85g、IPA100gおよびトルエン200g、炭酸カリウム94gを水100gに予め溶解した溶液を仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)4.0gを加えた。混合液を90℃に昇温し、3,5−ジメトキシフェニルボロン酸67gを予めイソプロパノール(以下、IPA)154gに溶解した溶液を滴下した。反応液を7時間加熱還流したのち、ろ過により固形分Aとろ液に分離し、固形分Aは水500mLおよびIPA200mL、トルエン200mLでそれぞれ洗浄した。ろ液に固形分Aの洗浄に使用した水及びIPA溶液を加え、分液漏斗に移してIPA層を分離した。IPA層は飽和食塩水で洗浄し、減圧留去し固形分Bを得た。水層はトルエン300mLを加え抽出し、トルエン層を飽和食塩水で洗浄した。固形分B及び固形分Aの洗浄に用いたトルエン溶液200mL、水層の抽出に使用したトルエン溶液300mLを合わせ、シリカゲル層を通した後、トルエンを減圧留去し固形分Cを得た。固形分Cにメタノール200mLを加え、沈殿物をろ取し固形分Dを得た。固形分A及び固形分Dを合わせて、50℃の真空乾燥機中で5時間乾燥させ、3,4’’,5−トリメトキシ−p−ターフェニル91gを得た。
合成例4
(3,4’’,5−トリヒドロキシ−p−ターフェニルの合成)
温度計、撹拌機、還流冷却器を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、合成例3で得られた3,4’’,5−トリメトキシ−p−ターフェニル90g及び酢酸514gを仕込んだ後、47%臭化水素142gを素早く滴下し、110℃で9時間撹拌した。さらに、47%臭化水素47gを追加し、130℃で55時間還流した。反応液を室温まで冷却し、水2Lに加えて結晶を析出させろ取した。残渣をトルエン/酢酸エチル/アセトンの混合液(重量比で69/28/3)3Lに溶解し、シリカゲル層を通した後、溶媒を減圧留去し3,4’’,5−トリヒドロキシ−p−ターフェニル73gを得た。
実施例1
(2,4,4’’−トリグリシジルオキシ−p−ターフェニルの合成)
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、2,4,4’’−トリヒドロキシ−p−ターフェニル55g、エピクロルヒドリン274g、n−ブタノール96gを仕込み溶解させた。45℃に昇温した後に、48%水酸化ナトリウム水溶液53gを8時間要して添加し、その後更に60℃に昇温し更に1時間反応させた。反応終了後、水77gを加えて静置した後、下層を棄却した。その後、150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン(以下、MIBK)232gを加え懸濁させた。更にこの懸濁液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液4.9gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水洗を3回繰り返した。反応液をろ過により固形分とろ液に分離し、固形分にメチルエチルケトン(以下、MEK)2Lを加えて90℃に加熱して溶解し、不溶のゲルをろ過で除いた後、溶媒を減圧留去し、目的のエポキシ樹脂である2,4,4’’−トリグリシジルオキシ−p−ターフェニル(A−1)67gを得た。得られたエポキシ樹脂(A−1)は融点157℃の固体で、エポキシ当量は158g/当量であった。得られたエポキシ樹脂のGPCチャートを図1に、C13NMRチャートを図2に、MSスペクトルを図3に示す。MSスペクトルから2,4,4’’−トリグリシジルオキシ−p−ターフェニル(A−1)を示す446のピークが検出された。
実施例2
(3,4’’,5−トリグリシジルオキシ−p−ターフェニルの合成)
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、3,4’’,5−トリヒドロキシ−p−ターフェニル55g、エピクロルヒドリン274g、n−ブタノール96gを仕込み溶解させた。40℃に昇温した後に、48%水酸化ナトリウム水溶液53gを8時間要して添加し、その後更に70℃に昇温し更に1時間反応させた。反応終了後、水77gを加えて静置した後、下層を棄却した。その後、150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン(以下、MIBK)132gを加え懸濁させた。更にこの懸濁液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液6.0gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水洗を3回繰り返した。反応液をろ過により固形分とろ液に分離し、固形分にメチルエチルケトン(以下、MEK)2Lを加えて90℃に加熱して溶解し、不溶のゲルをろ過で除いた後、溶媒を減圧留去し、目的のエポキシ樹脂である3,4’’,5−トリグリシジルオキシ−p−ターフェニル(A−2)69gを得た。得られたエポキシ樹脂(A−1)は融点146℃の固体で、エポキシ当量は159g/当量であった。得られたエポキシ樹脂のGPCチャートを図4に、C13NMRチャートを図5に、MSスペクトルを図6に示す。MSスペクトルから3,4’’,5−トリグリシジルオキシ−p−ターフェニル(A−2)を示す446のピークが検出された。
実施例3〜7および比較例1〜3
実施例1で得られた本発明のエポキシ樹脂(A−1、A−2)及び比較用エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC(株)社製エピクロン850S)(A−3)、硬化剤としてジシアンジアミド(味の素(株)社製AH−154)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(DDM)、硬化促進剤としてイミダゾール(四国化成工業(株)社製2PHZ−PW)を用いて表1に示した組成で配合し、それぞれの温度条件にて熱プレス成形により樹脂硬化物試験片(60×110×0.5mm)を作成した。作成した硬化物について耐熱性、線膨張係数、熱伝導率を評価した。各エポキシ樹脂の性状とその硬化物の性状を表1に示す。
<耐熱性(ガラス転移温度;Tg(DMA)>
粘弾性測定装置(DMA:レオメトリック社製固体粘弾性測定装置RSAII、レクタンギュラーテンション法;周波数3.5Hz、昇温速度3℃/min)を用いて、弾性率変化が最大となる(tanδ変化率が最も大きい)温度をガラス転移温度として評価した。
測定温度:20〜350℃
<線膨張係数>
熱機械分析装置(日立ハイテクサイエンス社製TMA/SS7100)を用いて、引張モードで熱機械分析を行った。
測定条件
荷重:30mN
昇温速度:10℃/minで2回
測定温度範囲:30℃から300℃
上記条件での測定を同一サンプルにつき2回実施し、2回目の測定における、50℃か
ら280℃の温度範囲における平均膨張係数を線膨張係数として評価した。
<熱伝導度>
熱伝導率(λ)を、比重(ρ)、熱拡散率(α)、比熱容量(C)を用いて、λ=αρCの式に基づき、算出した。比重、熱拡散率および比熱容量は、それぞれ、以下に示す方法により求めた。
(1)比重
電子天秤CP224Sおよび比重測定キットYDK01CP(ザルトリウス社製)を用いて、比重を測定した。
(2)熱拡散率
熱拡散率測定装置LFA447Nanoflash(NETZSCH社製)を用いて、25℃における熱拡散率を測定した。
(3)比熱容量
示差走査熱量計EXSTAR7200(日立ハイテクサイエンス社製)により、25℃における比熱容量を算出した。
測定条件
測定温度:−20〜100℃
測定雰囲気:窒素
昇温速度:10℃/min
Figure 0006160777
ポリグリシジルオキシ−p−ターフェニル骨格を有する化合物であることを特徴とするエポキシ樹脂は低融点であり、その硬化物は耐熱性、低熱膨張性、熱伝導性において優れた性能を示す。

Claims (7)

  1. 下記式(1)で示されるエポキシ樹脂。
    Figure 0006160777
    (式中、n、mはそれぞれ〜5の整数を表し、nとmの和は3以上である。)
  2. 下記式(2)で示される請求項1に記載のエポキシ樹脂。
    Figure 0006160777
  3. 下記式(3)で示される請求項1に記載のエポキシ樹脂。
    Figure 0006160777
  4. 下記式(4)で示される化合物にエピハロヒドリンを反応させて得られることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
    Figure 0006160777
    (式中、n、mはそれぞれ〜5の整数を表し、nとmの和は3以上である。)
  5. 請求項4に記載の製造方法で得られることを特徴とするエポキシ樹脂。
  6. 請求項1〜3または5のいずれかに記載のエポキシ樹脂と、硬化剤または硬化促進剤の少なくとも一方とを含有することを特徴とする、エポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項6記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする硬化物。
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