JP2014172923A - エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物及び半導体封止材料 - Google Patents

エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物及び半導体封止材料 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性及び金属基材密着性に優れるエポキシ樹脂、これを用いた硬化性樹脂組成物、その硬化物及び封止材料を提供する。
【解決手段】下記構造式(a)
Figure 2014172923

(式中、R1は水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかを表す。)で表されるシクロヘキサジエノン骨格が芳香核含有炭化水素基を介して他のナフタレン骨格と結節した骨格を有することを特徴とするエポキシ樹脂であり、ナフトール骨格間の距離を伸長させることにより、硬化物における応力が効果的に緩和され、基材密着性にも優れ、高い難燃性と金属基材密着性とを兼備する硬化物を得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は難燃性及び金属基材密着性に優れるエポキシ樹脂、これを用いた硬化性樹脂組成物、その硬化物、及び半導体封止材料に関する。
エポキシ樹脂は、接着剤、成形材料、塗料、フォトレジスト材料等に用いられている他、硬化物が耐熱性や耐湿性などに優れる特徴を活かし、半導体封止材料やプリント配線板用絶縁材料等の電気・電子分野で幅広く用いられている。
これらの各種用途のうち半導体封止材料の分野ではBGA、CSPといった表面実装パッケージへの移行や、鉛フリー半田への対応、ハロゲン系難燃剤の排除などの技術革新が進められており、具体的には、更なる耐熱性、低熱膨張性、耐湿耐半田性の向上に加え、ハロゲン系難燃剤を使用せずとも高い難燃性を有し、基材への密着性にも優れる樹脂材料が求められている。更に、半導体封止材料は樹脂材料にシリカ等のフィラーを充填させて用いることから、充填率を高めるためには樹脂材料が低粘度で流動性に優れるものである必要がある。
これら様々な要求特性に対応するための樹脂材料として、例えば、2−ナフトールとp−キシリレングリコールとを酸触媒条件下で脱水縮合させ、得られたナフトールアラルキル樹脂をエピクロルヒドリンと反応させて得られるエポキシ樹脂(下記特許文献1参照)や、2−ナフトールとp−キシリレングリコールとを酸触媒条件下で脱水縮合させた後、更にパラホルムアルデヒドを反応させ、得られたノボラック樹脂を更にエピクロルヒドリンと反応させて得られるエポキシ樹脂(下記特許文献2参照)などが知られている。
特公平5−393号公報 特公平7−45557号公報
しかしながら、前記特許文献2、3に記載されたエポキシ樹脂は、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等従来の樹脂材料と比較して熱膨張率や耐吸水性の改善効果はあるものの、難燃性が低く基材への密着性にも劣ることから、昨今の電子部品用途における要求性能を満たすものではなかった。
従って、本発明が解決しようとする課題は、難燃性及び金属基材密着性に優れるエポキシ樹脂、これを用いた硬化性樹脂組成物、その硬化物及び封止材料を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、樹脂構造中に下記構造式(1)
Figure 2014172923
(式中、Rは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかであり、Xは芳香核含有炭化水素基を、Gはグリシジル基を表す。)
で表される分子構造を有するエポキシ化合物は流動性が高く、これと硬化剤とを含有する熱硬化性樹脂組成物の硬化物は難燃性及び金属基材密着性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記構造式(1)
Figure 2014172923
(式中、Rは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかであり、Xは芳香核含有炭化水素基を、Gはグリシジル基を表す。)
で表される分子構造を有するエポキシ化合物(I)を必須の成分として含有することを特徴とするエポキシ樹脂に関する。
本発明は更に、下記一般式(2)
Figure 2014172923
[式中、Xは芳香核含有炭化水素基である。nは1〜20の整数であり、nが1の場合、Yは下記構造式(3−1)で表される構造部位である。また、nが2以上の整数の場合、Yはそれぞれ独立に下記構造式(3−1)〜(3−3)
Figure 2014172923
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかであり、Gはグリシジル基を表す。)
の何れかで表される構造部位であり、複数存在するYのうち少なくとも一つは前記構造式(3−1)で表される構造部位である。また、式中Zは下記一般式(4−1)又は(4−2)
Figure 2014172923
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかであり、Gはグリシジル基を表す。)
の何れかで表される構造部位であり、分子構造中に前記構造式(3−3)又は(4−1)で表される構造部位を1つ以上有する。]
で表される分子構造を有することを特徴とするエポキシ樹脂に関する。
本発明は更に、エポキシ化合物(A)と硬化剤(B)とを必須成分とする硬化性樹脂組成物であって、前記エポキシ化合物(A)として、前記したエポキシ樹脂を用いることを特徴とする硬化性樹脂組成物に関する。
本発明は、更に、前記硬化性樹脂組成物を硬化反応させてなることを特徴とする硬化物に関する。
本発明は、更に、前記硬化性樹脂組成物に加え、更に無機充填剤を含有する半導体封止材料に関する。
本発明によれば、難燃性及び金属基材密着性に優れるエポキシ樹脂、これを用いた硬化性樹脂組成物、その硬化物、及び封止材料を提供することができる。
図1は、実施例1で得られたエポキシ樹脂(A−1)のGPCチャートである。 図2は、実施例1で得られたエポキシ樹脂(A−1)の13C−NMRチャートである。 図3は、実施例1で得られたエポキシ樹脂(A−1)のMSスペクトルである。 図4は、実施例1で得られたエポキシ樹脂(A−1)のHPLCのチャートである。 図5は、実施例2で得られたエポキシ樹脂(A−2)のGPCチャートである。 図6は、実施例2で得られたエポキシ樹脂(A−2)の13C−NMRチャートである。 図7は、実施例2で得られたエポキシ樹脂(A−2)のMSスペクトルである。 図8は、実施例2で得られたエポキシ樹脂(A−2)のHPLCのチャートである。 図9は、実施例3で得られたエポキシ樹脂(A−3)のGPCチャートである。 図10は、実施例3で得られたエポキシ樹脂(A−3)の13C−NMRチャートである。 図11は、実施例3で得られたエポキシ樹脂(A−3)のMSスペクトルである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂は、下記構造式(a)
Figure 2014172923
(式中、Rは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかを表す。)
で表されるシクロヘキサジエノン骨格が芳香核含有炭化水素基を介して他のナフタレン骨格と結節した骨格を有することを特徴としており、具体的には、下記構造式(1)
Figure 2014172923
(式中、Rは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかであり、Xは芳香核含有炭化水素基を、Gはグリシジル基を表す。)
で表されるエポキシ化合物(I)を必須の成分として含有するエポキシ樹脂や、下記一般式(2)
Figure 2014172923
[式中、Xは芳香核含有炭化水素基である。nは1〜20の整数であり、nが1の場合、Yは下記構造式(3−1)で表される構造部位である。また、nが2以上の整数の場合、Yはそれぞれ独立に下記構造式(3−1)〜(3−1)
Figure 2014172923
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかであり、Gはグリシジル基を表す。)
の何れかで表される構造部位であり、複数存在するYのうち少なくとも一つは前記構造式(3−1)で表される構造部位である。また、式中Zは下記一般式(4−1)又は(4−2)
Figure 2014172923
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかであり、Gはグリシジル基を表す。)
の何れかで表される構造部位であり、分子構造中に前記構造式(3−3)又は(4−1)で表される構造部位を1つ以上有する。]
で表される分子構造を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂は、前記構造式(1)又は前記一般式(2)で表される分子構造を有するものであり、これらは従来のナフトールアラルキル型エポキシ樹脂と比較して官能基濃度が低いことから、硬化物における難燃性に優れる特徴を有する。一般に、官能基濃度の減少に伴い金属基材への密着性が低下する傾向にあるところ、本願発明のエポキシ樹脂は、分子構造中に前記構造式(a)で表されるシクロヘキサジエノン骨格を有し、ナフトール骨格間の距離を伸長させることにより、硬化物における応力が効果的に緩和され、基材密着性にも優れるものとなる。更に、前記シクロヘキサジエノン骨格中のカルボニル基の酸素原子は電子密度が高いことから、金属基材への密着性を一層高める効果を奏し、したがって、本発明のエポキシ樹脂を用いることにより、これまでにない高い難燃性と金属基材密着性とを兼備する硬化物を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂の一つの形態である下記構造式(1)
Figure 2014172923
で表されるエポキシ化合物(I)において、Rはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかである。
前記炭素原子数1〜4のアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、また、前記炭素原子数1〜4のアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基等が挙げられる。中でも、硬化物における難燃性や耐熱性に優れるエポキシ樹脂となることから、前記構造式(1)中3つのRがそれぞれ水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、グリシジルオキシ基の何れかであることが好ましく、3つのR全てが水素原子であることが特に好ましい。
前記構造式(1)中のXは芳香核含有炭化水素基であり、芳香環構造を有する2価の有機基であれば特に限定されるものではない。該芳香核含有炭化水素基の具体例としては、例えば、下記構造式(5−1)〜(5−9)
Figure 2014172923
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基の何れかであり、Rはそれぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基の何れかであり、mは0〜4の整数である。)
のいずれかで表される構造部位が挙げられる。
前記構造式(5−1)〜(5−8)においてRはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基の何れかである。前記炭素原子数1〜4のアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、また、前記炭素原子数1〜4のアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基等が挙げられる。中でも、硬化物における難燃性及び耐熱性に優れるエポキシ樹脂となることから、前記構造式(5−1)〜(5−8)におけるRは、何れの構造式においても水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基の何れかであることが好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
前記構造式(5−9)においてRはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基の何れかである。前記炭素原子数1〜4のアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、また、前記炭素原子数1〜4のアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基等が挙げられる。中でも、硬化物における難燃性及び耐熱性に優れるエポキシ樹脂となることから、水素原子水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、フェニル基の何れかであることが好ましく、水素原子又はフェニル基であることが特に好ましい。
また、前記構造式(5−9)においてRはそれぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基の何れかである。前記炭素原子数1〜4のアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、また、前記炭素原子数1〜4のアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基等が挙げられる。中でも、硬化物における難燃性及び耐熱性に優れるエポキシ樹脂となることからメチル基又はフェニル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
このようなエポキシ化合物(I)は、具体的には、下記構造式(1−1a)〜(1−9d)の何れかで表されるものが挙げられる。
Figure 2014172923
Figure 2014172923
Figure 2014172923
これらの中でも、特に難燃性に優れ、かつ、製造が簡便であることから、前記構造式(1)におけるXが前記構造式(5−1)で表される構造部位であるものが好ましく、前記構造式(5−1)におけるmの値が0であるものがより好ましい。即ち、本発明の新規エポキシ化合物は前記構造式(1−1a)〜(1−1c)で表されるものが特に好ましく、難燃性に優れることから結合部位がパラ位である前記構造式(1−1a)で表されるものが最も好ましい。
本発明のエポキシ樹脂中の前記構造式(1)で表されるエポキシ化合物(I)の含有量は、本発明の効果、即ち、難燃性及び金属基材密着性に優れる効果がより顕著に発現することから、1〜50%の範囲となる割合であることが好ましく、1〜30%の範囲となる割合であることがより好ましく、3〜15%の範囲となる割合であることが特に好ましい。ここで、本発明のエポキシ樹脂中の前記エポキシ化合物(1)の含有量は、下記条件で測定されるHPLCチャートにおける本発明のエポキシ樹脂全体のピーク面積に対する前記エポキシ化合物(I)由来のピーク面積の比である。
<HPLC測定条件>
東ソー株式会社製「Agilent 1220 Infinity LC」、
カラム: 東ソー株式会社製「TSK−GEL ODS−120T」
検出器: VWD
データ処理:東ソー株式会社製「Agilent EZChrom Elite」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 アセトニトリル
流速 1.0ml/分
本発明のエポキシ樹脂の別の形態としては、下記一般式(2)
Figure 2014172923
[式中、Xは芳香核含有炭化水素基である。nは1〜20の整数であり、nが1の場合、Yは下記構造式(3−1)で表される構造部位である。また、nが2以上の整数の場合、Yはそれぞれ独立に下記構造式(3−1)〜(3−1)
Figure 2014172923
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかであり、Gはグリシジル基を表す。)
の何れかで表される構造部位であり、複数存在するYのうち少なくとも一つは前記構造式(3−1)で表される構造部位である。また、式中Zは下記一般式(4−1)又は(4−2)
Figure 2014172923
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかであり、Gはグリシジル基を表す。)
の何れかで表される構造部位であり、分子構造中に前記構造式(3−3)又は(4−1)で表される構造部位を1つ以上有する。]
で表される分子構造を有するエポキシ樹脂が挙げられる。
前記一般式(2)においてnは1〜20の整数であり、本発明のエポキシ樹脂は前記一般式(2)においてnの値が異なる種々の成分の混合物であっても良い。中でも、流動性がより優れるエポキシ樹脂となることから、nの値が1〜4の何れかである成分を合計で3〜60%の範囲で含有するエポキシ樹脂が好ましい。
尚、本発明のエポキシ樹脂において、前記一般式(2)中のnが各値である場合に相当する成分の含有量は、下記条件のGPC測定によって計算される本発明のエポキシ樹脂全体のピーク面積に対する各成分のピーク面積の割合であり、nの値が1〜4の何れかである成分の合計の含有量は、エポキシ樹脂全体のピーク面積に対する、nの値が1〜4の何れかである成分のピーク面積の合計の割合である。
<GPC測定条件>
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
前記一般式(2)においてYは下記構造式(3−1)〜(3−3)
Figure 2014172923
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかであり、Gはグリシジル基を表す。)
の何れかで表される構造部位であり、Zは下記一般式(4−1)又は(4−2)
Figure 2014172923
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかであり、Gはグリシジル基を表す。)
の何れかで表される構造部位である。
本発明のエポキシ樹脂において、前記一般式(2)中のメチレン基のうち、前記構造式(3−1)で表される構造部位と結合しているメチレン基の割合は、難燃性及び金属基材密着性に優れる効果がより顕著に発現することから、13C−NMR測定によるピークの比率で1〜70%の範囲であることが好ましく、5〜50%の範囲であることがより好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂において前記一般式(2)中のメチレン基のうち、前記構造式(3−2)又は(4−2)で表される構造部位の酸素原子と結合しているメチレン基の割合は、基材密着性により優れるエポキシ樹脂となることから、13C−NMR測定によるピークの比率で1〜20%の範囲であることが好ましく、3〜15%の範囲であることがより好ましい。
前記一般式(2)においてXは芳香核含有炭化水素基であり、芳香環構造を有する2価の有機基であれば特に限定されるものではない。該芳香核含有炭化水素基の具体例としては、例えば、前記構造式(5−1)〜(5−9)のいずれかで表される構造部位が挙げられる。中でも、特に難燃性に優れ、かつ、製造が簡便であることから、前記一般式(2)におけるXが前記構造式(5−1)で表される構造部位であるものが好ましく、前記構造式(5−1)におけるmの値が0であるもの、即ち、パラキシリレン基、オルトキシリレン基又はメタキシリレン基の何れかであることがより好ましい。更に、硬化物がより難燃性に優れることからパラキシリレン基であることが最も好ましい。
以上詳述したエポキシ樹脂は、例えば、β位にフェノール性水酸基を有するナフトール化合物とビスハロゲン化メチル芳香族化合物とを、両者のモル比[(β位にフェノール性水酸基を有するナフトール化合物)/(ビスハロゲン化メチル芳香族化合物)]が1.0/1.0〜1.0/0.1となる割合で用い、低極性溶媒中、塩基性触媒の存在下で反応させて、シクロヘキサジエノン骨格含有ナフトール樹脂を得(工程1)、次いで、塩基性触媒の存在下エピハロヒドリンを反応させてエポキシ化する(工程2)方法により製造することができる。
ここで、前記工程1の反応は、具体的には0〜200℃の温度条件で行うことができる。
通常、前記工程1のように、フェノール性化合物とビスハロゲン化メチル芳香族化合物とを塩基性触媒の存在下で反応させた場合、フェノール性化合物の核置換反応よりも、フェノール性化合物が有する水酸基とビスハロゲン化メチル芳香族化合物とのエーテル化反応が優先して進行してしまい、本発明の様なシクロヘキサジエノン構造を有する化合物を得ることはできない。しかしながら、本願発明では、フェノール性化合物としてβ位にフェノール性水酸基を有するナフトール化合物を用いることにより、該ナフトール化合物の核置換反応が進行し、樹脂構造中に下記構造式(a)
Figure 2014172923
(式中、Rは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかを表す。)
で表されるシクロヘキサジエノン骨格含有ナフトール樹脂を得ることができる。
前記工程1で用いるβ位にフェノール性水酸基を有するナフトール化合物は、例えば、2−ナフトール及び2−ナフトールの芳香核にメチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基等の炭素原子数1〜4のアルキル基が置換した化合物、メトキシ基、エトキシ基、i−プロピルオキシ基、t−ブチルオキシ基等の炭素原子数1〜4のアルコキシ基が置換した化合物、ナフタレンのβ位に水酸基を有するジヒドロキシナフタレン等が挙げられ、具体的には、β−ナフトール、2−ヒドロキシ−3−メチルナフタレン、2−ヒドロキシ−5−メチルナフタレン、2−ヒドロキシ−6−メチルナフタレン、2−ヒドロキシ−5−エチルナフタレン、2−ヒドロキシ−6−エチルナフタレン、2−ヒドロキシ−5−ブチルナフタレン、2−ヒドロキシ−6−ブチルナフタレン、2−ヒドロキシ−5−プロピルナフタレン、2−ヒドロキシ−6−プロピルナフタレン、2−ヒドロキシ−5−メトキシナフタレン、2−ヒドロキシ−6−メトキシナフタレン、2−ヒドロキシ−5−エトキシナフタレン、2−ヒドロキシ−6−エトキシナフタレン、2−ヒドロキシ−5−プロピルオキシナフタレン、2−ヒドロキシ−6−プロピルオキシナフタレン、2−ヒドロキシ−5−ブチルオキシナフタレン、2−ヒドロキシ−6−ブチルオキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。中でも、得られるエポキシ樹脂が難燃性及び基材密着性に優れ、更に、溶融粘度が低く、低熱膨張性にも優れることから2−ナフトールであることが好ましい。
工程1で用いられるビスハロゲン化メチル芳香族化合物は、分子構造中に1乃至複数の芳香核を有し、該芳香核上の置換基として、ハロゲン化メチル基を2つ有する化合物であり、例えば、下記構造式(6−1)〜(6−9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014172923

(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基を表し、Rはそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、フェニル基を表し、mは0〜4の整数であり、Zはハロゲン原子を表す。)
前記構造式(6−1)〜(6−9)において、Rはそれぞれ独立的に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基であり、前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基等の炭素原子数1〜4のアルキル基が挙げられ、また、前記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、i−プロピルオキシ基、t−ブチルオキシ基等の炭素原子数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。中でも、難燃性及び耐熱性に優れるエポキシ樹脂が得られることから、前記構造式(3−1)〜(6−8)におけるRは、何れの構造式においても水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基であることが好ましく、水素原子であることが特に好ましい。また、前記構造式(6−9)におけるRは、難燃性及び耐熱性に優れるエポキシ化合物が得られることから、水素原子水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、フェニル基であることが好ましく、水素原子又はフェニル基であることが特に好ましい。
また、前記構造式(6−9)において、Rはそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、フェニル基であり、前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基等の炭素原子数1〜4のアルキル基が挙げられ、また、前記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、i−プロピルオキシ基、t−ブチルオキシ基等の炭素原子数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。中でも、難燃性及び耐熱性に優れるエポキシ樹脂となることから、前記構造式(6−9)におけるRはメチル基又はフェニル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
これらビスハロゲン化メチル芳香族化合物の中でも、得られるエポキシ樹脂が特に難燃性に優れるものとなり、また、2−ナフトールとの反応性にも優れることから、前記構造式(6−1)で表される化合物が好ましく、該構造式中のmが1であるものがより好ましい。更に、より低粘度のエポキシ化合物となることから、結合位がパラ位であるものが好ましい。即ち、前記工程1で用いるビスハロゲン化メチル芳香族化合物はp−キシリレンジハライドであることが好ましく、具体的には、入手が容易であるp−キシリレンジクロライドが特に好ましい。
前記工程1では、低極性溶媒中、塩基性触媒を用いて行うことにより、効率的に前記シクロヘキサジエノン骨格含有ナフトール樹脂を得ることが出来る。
前記工程1で用いられる塩基性触媒は、具体的には、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。特に触媒活性に優れる点から水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が好ましい。使用に際しては、これらの塩基性触媒を10〜55質量%程度の水溶液の形態で使用してもよいし、固形の形態で使用しても構わない。該塩基性触媒の使用量は、前記構造式(a)で表されるシクロヘキサジエノン骨格の生成反応がより効率的に進行することから、ビスハロゲン化メチル芳香族化合物1モルに対し塩基性触媒が180〜400モル%の範囲となるように用いることが好ましい。
また、前記工程1で用いられる低極性溶媒は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン性溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、溶解性を調整するために2種類以上を併用しても良い。該低極性溶媒の使用量は、本発明のエポキシ樹脂の生成反応が進行しやすいことから、2−ナフトール化合物とビスハロゲン化メチル芳香族化合物との合計質量に対し、10〜1000質量%の範囲で用いることが好ましい。
工程1終了後は、反応液をそのまま工程2に用いても良いし、反応生成物を水洗して取りだした後、これを工程2に用いても良い。反応生成物を水洗する場合には、まず、第1リン酸ソーダ等を用いて中和処理を行った後、反応生成物を水洗し、加熱減圧下、蒸留によって未反応原料と低極性溶媒を留去する。
次に、工程2では、工程1で得られたシクロヘキサジエノン骨格含有ナフトール樹脂物をエピハロヒドリンと反応させることにより、目的とする新規エポキシ化合物を得る。
斯かる工程2は、具体的には、シクロヘキサジエノン骨格含有ナフトール樹脂が有するフェノール性水酸基のモル数に対し、エピハロヒドリンを2〜10倍量(モル基準)となる割合で添加し、更に、フェノール性水酸基のモル数に対し0.9〜2.0倍量(モル基準)の塩基性触媒を一括添加または徐々に添加しながら20〜120℃の温度で0.5〜10時間反応させる方法が挙げられる。この塩基性触媒は固形でもその水溶液を使用してもよく、水溶液を使用する場合は、連続的に添加すると共に、反応混合物中から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液して水は除去しエピハロヒドリンは反応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。
なお、工業生産を行う際、エポキシ化合物生産の初バッチでは仕込みに用いるエピハロヒドリン類の全てが新しいものであるが、次バッチ以降は、粗反応生成物から回収されたエピハロヒドリン類と、反応で消費される分で消失する分に相当する新しいエピハロヒドリン類とを併用することが好ましい。この時、使用するエピハロヒドリンは特に限定されないが、例えばエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン等が挙げられる。なかでも工業的入手が容易なことからエピクロルヒドリンが好ましい。
工程2で用いる塩基性触媒は、工程1と同様に、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。特にエポキシ化反応の触媒活性に優れる点から水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が好ましい。使用に際しては、これらの塩基性触媒を10〜55質量%程度の水溶液の形態で使用してもよいし、固形の形態で使用しても構わない。
また、工程2は有機溶媒中で行うことにより、エポキシ樹脂の合成における反応速度を高めることができる。ここで用いる有機溶媒は特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン性溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等のアルコール性溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ溶媒、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、1、3−ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、また、極性を調整するために適宜2種以上を併用してもよい。
工程2の終了後は、反応生成物を水洗した後、加熱減圧下、蒸留によって未反応のエピハロヒドリンや併用した有機溶媒を留去する。また、加水分解性ハロゲンのより少ないエポキシ化合物とするために、前記水洗工程を行う前に未反応のエピハロヒドリンや併用した有機溶媒を留去し、得られた粗生成物をトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒に再溶解して、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて追反応させることもできる。この際、反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量としては、用いるエポキシ粗生成物100質量部に対して0.1〜3.0質量部となる割合であることが好ましい。追反応終了後は、生成した塩を濾過や水洗などの方法により除去し、更に、加熱減圧下でトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することにより、目的とするエポキシ樹脂を得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、以上詳述した新規エポキシ樹脂を主剤であるエポキシ樹脂(A)とし、硬化剤(B)と配合して用いるものである。ここで、該硬化性樹脂組成物における硬化剤(B)としては、例えば、アミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ−ル系化合物などの各種の公知の硬化剤が挙げられる。具体的には、アミン系化合物としてはジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられ、アミド系化合物としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられ、酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、フェノール系化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、ナフトールアラルキル樹脂、トリフェニロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミン、ベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)やアルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物が挙げられる。
以上詳述したエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との配合割合は、エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基と、硬化剤(B)中の活性水素原子との当量比(エポキシ基/活性水素原子)が1/0.5〜1/1.5となる割合であることが耐熱性に優れる点から好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に、前記エポキシ樹脂(A)以外のエポキシ樹脂(A’)(以下、これを「その他のエポキシ樹脂(A’)」と略記する。)を用いても良い。
ここで用いるその他のエポキシ樹脂(A’)は、具体的には、1,6−ジグリシジルオキシナフタレン、2,7−ジグリシジルオキシナフタレン、α−ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、β−ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、α−ナフトール/β−ナフトール共縮合型ノボラックのポリグリシジルエーテル、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)アルカン等のナフタレン骨格含有エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のビフェニル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、フェノール系化合物とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェニルメタン型エポキシ樹脂;テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂;フェノールアラルキル型エポキシ樹脂;リン原子含有エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらその他のエポキシ樹脂(A’)の中でも、より耐熱性に優れる硬化物が得られることから、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂が好ましい。更に、前記エポキシ樹脂(A)との相溶性に優れることからナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、β−ナフトールノボラック型エポキシ樹脂がより好ましい。本発明においては、エポキシ樹脂(A)製造時に、その前駆体であるシクロヘキサジエノン骨格含有ナフトール樹脂としてナフトールアラルキル樹脂やβ−ナフトールノボラック型エポキシ樹脂を含む混合物を得、これをエポキシ化することにより、前記エポキシ樹脂(A)と、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂やβ−ナフトールノボラック型エポキシ樹脂との混合物を製造することも出来る。
前記その他のエポキシ樹脂(A’)を用いる場合、前記エポキシ樹脂(A)と前記その他のエポキシ樹脂(A’)との配合割合は、流動性に優れ、かつ、硬化物における耐熱性、低熱膨張性、耐湿耐半田性に加え、難燃性や、基材への密着性にも優れる硬化性樹脂組成物となることから、両者の質量比[(A)/(A’)]が5/95〜95/5の範囲であることが好ましい。
また、その他のエポキシ樹脂(A’)を用いる場合、前記硬化剤(B)との配合割合は、硬化性樹脂組成物中の全エポキシ成分中のエポキシ基と、硬化剤(B)中の活性水素原子との当量比(エポキシ基/活性水素原子)が1/0.5〜1/1.5となる割合であることが、硬化性が良好となり硬化物の耐熱性に優れる点から好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物には必要に応じて硬化促進剤を適宜併用することもできる。前記硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、イミダゾール化合物では2−エチル−4−メチルイミダゾール、リン系化合物ではトリフェニルフォスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。
更に、本発明の硬化性樹脂組成物はその用途や所望の性能に応じてその他の添加剤成分を含有していても良い。具体的には、難燃性をさらに向上させる目的で、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を配合してもよい。
前記非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
前記リン系難燃剤としては、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
また、前記赤リンは、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていることが好ましく、表面処理方法としては、例えば、(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等が挙げられる。
前記有機リン系化合物としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等の汎用有機リン系化合物の他、9,10−ジヒドロ−9−オキサー10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,5―ジヒドロオキシフェニル)―10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10―(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等が挙げられる。
それらの配合量としては、リン系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ成分、硬化剤、及びその他の添加剤や充填材等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、赤リンを非ハロゲン系難燃剤として使用する場合は0.1〜2.0質量部の範囲で配合することが好ましく、有機リン化合物を使用する場合は同様に0.1〜10.0質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜6.0質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記リン系難燃剤を使用する場合、該リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニウム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライト、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用してもよい。
前記窒素系難燃剤としては、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物が好ましい。
前記トリアジン化合物としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等の他、例えば、(i)硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、(ii)フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール系化合物と、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルムグアナミン等のメラミン類およびホルムアルデヒドとの共縮合物、(iii)前記(ii)の共縮合物とフェノールホルムアルデヒド縮合物等のフェノール樹脂類との混合物、(iv)前記(ii)、(iii)を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
前記シアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等を挙げることができる。
前記窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ成分、硬化剤、その他の添加剤や充填材等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜10質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.1〜5質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記窒素系難燃剤を使用する際、金属水酸化物、モリブデン化合物等を併用してもよい。
前記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記シリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ成分、硬化剤、及びその他の添加剤や充填材等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましい。また前記シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデン化合物、アルミナ等を併用してもよい。
前記無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が挙げられる。
前記金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
前記金属酸化物の具体例としては、例えば、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を挙げることができる。
前記金属炭酸塩化合物の具体例としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等を挙げることができる。
前記金属粉の具体例としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙げることができる。
前記ホウ素化合物の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げることができる。
前記低融点ガラスの具体例としては、例えば、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水和ガラスSiO−MgO−HO、PbO−B系、ZnO−P−MgO系、P−B−PbO−MgO系、P−Sn−O−F系、PbO−V−TeO系、Al−HO系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙げることができる。
前記無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ成分、硬化剤、及びその他の添加剤や充填材等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.5〜50質量部の範囲で配合することが好ましく、特に5〜30質量部の範囲で配合することが好ましい。
前記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
前記有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ成分、硬化剤、及びその他の添加剤や充填材等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.005〜10質量部の範囲で配合することが好ましい。
この他、本発明の硬化性組成物は必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、顔料、乳化剤等の種々の配合剤を添加することができる。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて無機質充填材を配合することができる。本発明の硬化性組成物は流動性に優れる特徴を有することから、無機質充填剤の配合量を高めることが可能であり、このような硬化性組成物は特に半導体封止材料用途に好適に用いることが出来る。
前記無機質充填材は、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。中でも、無機質充填材をより多く配合することが可能となることから、前記溶融シリカが好ましい。前記溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、且つ、硬化性組成物の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いることが好ましい。更に、球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。その充填率は硬化性樹脂組成物100質量部中、0.5〜100質量部の範囲で配合することが好ましい。
この他、本発明の硬化性組成物を導電ペーストなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
本発明の硬化性組成物をプリント配線基板用ワニスに調整する場合には、有機溶剤(C)を配合することが好ましい。ここで使用し得る前記有機溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、その選択や適正な使用量は用途によって適宜選択し得るが、例えば、プリント配線板用途では、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド等の沸点が160℃以下の極性溶剤であることが好ましく、また、不揮発分40〜80質量%となる割合で使用することが好ましい。一方、ビルドアップ用接着フィルム用途では、有機溶剤として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を用いることが好ましく、また、不揮発分30〜60質量%となる割合で使用することが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、上記した各成分を均一に混合することにより得られる。エポキシ成分、硬化剤、更に必要により硬化促進剤の配合された本発明の硬化性組成物は、従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。該硬化物は、積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成形硬化物が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、硬化物における耐熱性、低熱膨張性、耐湿耐半田性に加え、難燃性や、基材への密着性にも優れる特徴を有することから、各種電子材料用途に用いることが出来る。中でも、その流動性の高さを活かし、特に半導体封止材料用途として好適に用いることが出来る。
以下、本発明の硬化性組成物から半導体封止材料を調整する方法の一例を示す。
まず、硬化性組成物の各種成分を均一に混合する方法としては、例えば、プラネタリミキサ、らいかい機、ビーズミルなどを用いて撹拌混合する方法が挙げられる。また、硬化性組成物が無機質充填材を含有する場合には、2本ロールや3本ロール等を用いて混練し、無機質充填材を樹脂組成物中に分散させる。
得られた半導体封止材料は、液状のまま用いても、或いは、一度フィルム化して用いても良く、フィルム化して用いる場合には、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、本発明の半導体封止材料をトルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドンなどの有機溶媒に溶解し、プラネタリミキサやビーズミルを用いて混合することによってワニスを調製する。得られたワニスを、ナイフコーターやロールコーターを用いて、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレート樹脂などのフィルム基材上に塗布した後、有機溶媒を乾燥除去することによって、フィルム上の半導体封止材料が得られる。
次に、本発明の半導体封止材料を用いた半導体封止装置の製造方法の一例を示す。
まず、第一工程として半導体チップ又は基板に本発明の半導体封止材料を供給する。この際、半導体封止材料を液状で用いる場合には、ディスペンサーを用いて、半導体チップ又は基板の所定の位置にエポキシ樹脂組成物を塗布する。
一方、フィルム化した半導体封止材料を用いる場合は、フィルムを所定のサイズに切り出した後、加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネートなどによって、半導体チップ又は基板の所定の位置に貼り付ける。または、フィルムを半導体ウエハのバンプ形成面に貼り付けた後、ダイシングして、半導体チップに個片化することによって、フィルム状半導体封止材料が貼り付けられた半導体チップを得ることができる。
半導体封止材料の供給量は、半導体チップの大きさ、バンプ高さなどによって規定され、半導体チップと基板の間の空隙を隙間なく充填可能な量、かつ、フリップチップ接続時に半導体チップの側壁を樹脂が伝わって接続装置に付着することがないような量に、適宜設定される。
次に、半導体チップと基板とを位置合わせした後、半導体チップと基板とをフリップチップ接続するとともに、半導体チップと基板の間の空隙をエポキシ樹脂組成物によって封止充填する。具体的には、上記半導体封止材料が供給された半導体チップと基板とを、フリップチップボンダーなどの接続装置を用いて位置合わせした後、はんだバンプの融点以上の温度で加熱しながら加圧して、半導体チップと基板とを接続するとともに、エポキシ樹脂組成物によって半導体チップと基板の間の空隙を封止充填する。このようにして得られた半導体封止装置は、更に接続信頼性を高めるために、オーブンなどで再度加熱処理し、半導体封止材料の硬化を更に進行させてもよい。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り質量基準である。尚、1)軟化点、2)溶融粘度、3)GPC、4)13C−NMR、5)MS、及び6)HPLCは以下の条件にて測定した。
1)軟化点測定法:JIS K7234
2)溶融粘度測定法:ASTM D4287に準拠し、ICI粘度計にて150℃の温度条件で測定した。
3)GPC:測定条件は以下の通り。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
4)13C−NMR:測定条件は以下の通り。
装置:日本電子(株)製「AL−400」
測定モード:SGNNE(NOE消去の1H完全デカップリング法)
溶媒:クロロホルム又はジメチルスルホキシド
パルス角度:45℃パルス
試料濃度:30wt%
積算回数:10000回
5)MS:日本電子株式会社製 二重収束型質量分析装置「AX505H(FD505H)」
6)HPLC:測定条件は以下の通り。
東ソー株式会社製「Agilent 1220 Infinity LC」、
カラム: 東ソー株式会社製「TSK−GEL ODS−120T」
検出器: VWD
データ処理:東ソー株式会社製「Agilent EZChrom Elite」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 アセトニトリル
流速 1.0ml/分
実施例1 エポキシ樹脂(A−1)の製造
温度計、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、2−ナフトール144部(1.0モル)、p−キシリレンジクロリド44部(0.25モル)、トルエン230部、49%水酸化ナトリウム45部(0.55モル)を仕込み、室温から85℃まで攪拌しながら昇温し、85℃で4時間撹拌した。反応終了後、第1リン酸ソーダ6質量部を添加して中和した後、水100質量部で3回洗浄を繰り返した後に、加熱減圧下乾燥して溶剤と残留ナフトールモノマーを留去してナフトール樹脂(a−1)145質量部得た。得られたナフトール樹脂の軟化点は98℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は3.9dPa・s、水酸基当量は243g/eq.であった。
次いで、温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、前記ナフトール樹脂(a−1)を243g(水酸基1当量)、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)、n−ブタノール139g、テトラエチルベンジルアンモニウムクロライド2gを仕込み溶解させた。65℃に昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、49%水酸化ナトリウム水溶液90g(1.1モル)を5時間かけて滴下した。その後、同条件で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸によって留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離し、水層を除去し、油層を反応系内に戻しながら、反応を行った。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン590gとn−ブタノール177gとを加え溶解した。更にこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液10gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のPHが中性となるまで水150gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去してエポキシ樹脂(A−1)268gを得た。得られたエポキシ樹脂の軟化点は75℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は1.5dPa・s、エポキシ当量は328g/eq.であった。得られたエポキシ樹脂(A−1)のGPCチャートを図1に、13C−NMRチャートを図2に、MSスペクトルを図3に、HPLCのチャートを図4に示す。HPLCのチャートから算出されるエポキシ樹脂(A−1)中の前記エポキシ化合物(I)に相当する成分の含有量は6%であった。GPCチャートから算出される前記一般式(2)におけるnの値が1〜4の何れかである成分の合計の含有量は36%であった。また、13C−NMR測定によるピークの比率から計算されるエポキシ樹脂中のメチレン基のうち前記構造式(3−1)に相当する構造部位と結合しているメチレン基の割合は12%、前記構造式(3−2)又は(4−2)に相当する構造部位の酸素原子と結合しているメチレン基の割合は6%であった。
実施例2 エポキシ樹脂(A−2)の製造
p−キシリレンジクロリド88部(0.5モル)、トルエン350部、49%水酸化ナトリウム90部(1.1モル)に変更した以外は実施例1と同様に反応を行い、ナフトール樹脂(a−2)174質量部得た。得られたナフトール樹脂(a−2)の軟化点は125℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は37.8dPa・s、水酸基当量は318g/eq.であった。
次いで、ナフトール樹脂(a−1)をナフトール樹脂(a−2)318g(水酸基1当量)に変更した以外は実施例1と同様にしてエポキシ化反応を行い、エポキシ樹脂(A−2)を得た。得られたエポキシ樹脂(A−2)の軟化点は94℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は8.5dPa・s、エポキシ当量は383g/eq.であった。得られたエポキシ樹脂(A−2)のGPCチャートを図5に、13C−NMRチャートを図6に、MSスペクトルを図7に、HPLCのチャートを図8に示す。HPLCのチャートから算出されるエポキシ樹脂(A−2)中の前記エポキシ化合物(I)に相当する成分の含有量は9%であった。GPCチャートから算出される前記一般式(2)におけるnの値が1〜4の何れかである成分の合計の含有量は57%であった。また、13C−NMR測定によるピークの比率から、エポキシ樹脂中のメチレン基のうち前記構造式(3−1)に相当する構造部位と結合しているメチレン基の割合は44%、前記構造式(3−2)又は(4−2)に相当する構造部位の酸素原子と結合しているメチレン基の割合は9%であった。
実施例3 エポキシ樹脂(A−3)の製造
p−キシリレンジクロリド67部(0.375モル)、トルエン290部、49%水酸化ナトリウム68部(0.83モル)に変更した以外は実施例1と同様に反応を行い、ナフトール樹脂(a−3)を得た。次いで、温度計、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、得たナフトール樹脂(a−3)170部、2−ナフトール40部、37%ホルマリン水溶液23部、49%水酸化ナトリウム16部、n−ブタノール200部を仕込み、室温から85℃まで攪拌しながら昇温し、85℃で4時間撹拌した。反応終了後、第1リン酸ソーダを添加して中和した後、水100質量部で3回洗浄を繰り返した後に、加熱減圧下乾燥して溶剤と残留ナフトールモノマーを留去してナフトール樹脂(a−4)を得た。得られたナフトール樹脂の水酸基当量は209g/eq.であった。
次いで、ナフトール樹脂(a−1)を、ナフトール樹脂(a−4)209g(水酸基1当量)に変更した以外は実施例1と同様にしてエポキシ化反応を行い、エポキシ樹脂(A−3)を得た。得られたエポキシ樹脂(A−3)の軟化点は75℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は1.1dPa・s、エポキシ当量は291g/eq.であった。得られたエポキシ樹脂(A−3)のGPCチャートを図9に、13C−NMRチャートを図10に、MSスペクトルを図11に示す。HPLCのチャートから算出されるエポキシ樹脂(A−3)中の前記エポキシ化合物(I)に相当する成分の含有量は8%であった。GPCチャートから算出される前記一般式(2)におけるnの値が1〜4の何れかである成分の合計の含有量は35%であった。また、13C−NMR測定によるピークの比率から、エポキシ樹脂中のメチレン基のうち前記構造式(3−1)に相当する構造部位と結合しているメチレン基の割合は32%、前記構造式(3−2)又は(4−2)に相当する構造部位の酸素原子と結合しているメチレン基の割合は13%であった。
比較製造例1 エポキシ樹脂(A’−1)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、2−ナフトール108g(0.75モル)、p−キシリレングリコール69g(0.5モル)及びシュウ酸5.4gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら150℃で6時間反応させた。この間、生成する水は系外に除いた。その後、減圧下系内の揮発分を除き、ナフトール樹脂(a’−1)を得た。得られた樹脂の水酸基当量は224g/eq.であった。このナフトール樹脂(a’−1)100gをエピクロルヒドリン600gに溶解し、70℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液36.2gを3.5時間かけて滴下した。この間、水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、溜出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに15分間反応を継続した。その後、エピクロルヒドリンを留去し、残留物にメチルイソブチルケトンを加えて生成物を抽出により回収し、水洗した後メチルイソブチルケトンを留去しエポキシ樹脂(A’−1)119gを得た。得られたエポキシ樹脂(A’−1)の軟化点は101℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は17dPa・s、エポキシ当量は333g/eq.であった。13C−NMR分析の結果、前記構造式(3−1)で表されるシクロヘキサジエノン構造や前記構造式(3−2)、(4−2)で表されるエーテル構造は検出されなかった。
比較製造例2 エポキシ樹脂(A’−2)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、2−ナフトール144g(1.0モル)、p−キシリレングリコール55.2g(0.4モル)及びシュウ酸14gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら150℃で3時間反応させた。この間、生成する水は系外に除いた。その後、180℃に昇温して2時間攪拌下加熱を行い、シュウ酸を分解した。さらに、140℃まで冷却し92%パラホルムアルデヒド6.3gを加えた。1時間反応後、減圧下系内の揮発分を除き、ナフトール樹脂(a’−2)を得た。得られた樹脂の水酸基当量は194g/eq.であった。このナフトール樹脂(a’−2)100gをエピクロルヒドリン400gに溶解し、さらにトリエチルアンモニウムクロライド0.3gを加え、減圧下(約150mmHg)70℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液42gを3時間かけて滴下した。この間、水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、溜出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに30分間反応を継続した。その後、濾過により生成した塩を除き、さらに水洗したのちエピクロルヒドリンを留去し、エポキシ樹脂(A’−2)112gを得た。得られたエポキシ樹脂(A’−2)の軟化点は86℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は5.1dPa・s、エポキシ当量は265g/eq.であった。13C−NMR分析の結果、前記構造式(3−1)で表されるシクロヘキサジエノン構造や前記構造式(3−2)、(4−2)で表されるエーテル構造は検出されなかった。
比較製造例3 エポキシ樹脂(A’−3)の製造
2−ナフトールをフェノール94部(1.0モル)に変更した以外は実施例2と同様に反応を行ったが、不溶不融のゲル物が生成し、製造できなかった。
実施例4〜6及び比較例1、2
<硬化性組成物の調整>
エポキシ樹脂として前記(A−1)、前記(A−2)、前記(A−3)、前記(A’−1)、又は前記(A’−2)、硬化剤として三井化学株式会社製「XLC−3L」(フェノールアラルキル樹脂、水酸基当量:172g/eq)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)、無機充填材として球状シリカ(電気化学株式会社製「FB−560」)、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製「KBM−403」)、カルナウバワックス(株式会社セラリカ野田製「PEARL WAX No.1−P」)、カーボンブラックを用い、表1〜2に示した組成で配合した。これを、2本ロールを用いて90℃の温度で5分間溶融混練し、目的の硬化性組成物を作成した。
<硬化物の作成>
調整した硬化性組成物を粉砕し、トランスファー成形機にて圧力70kg/cm、カラム速度5cm/秒、温度175℃、時間180秒の条件下、φ50mm×3(t)mmの円板状に成形したものを180℃で5時間さらに硬化させ、硬化物1を得た。同様の条件で、幅12.7mm、長さ127mm、厚み1.6mmの長方形に成形したものを180℃で5時間さらに硬化させ、硬化物2を得た。また、密着性試験用に、金型の片面に銅箔(古河サーキットホイル株式会社製:厚さ35μm、GTS−MP処理したもののシャイン面を樹脂組成物との接着面として使用)を置いて、幅12.7mm、長さ127mm、厚み1.6mmの長方形に成形したものを180℃で5時間さらに硬化させ、硬化物3を得た。
<流動性の評価>
上記で調整した硬化性樹脂組成物を試験用金型に注入し、175℃、70kg/cm2、120秒の条件でスパイラルフロー値を測定した。
<耐熱性の評価>
前記硬化物2について、粘弾性測定装置(レオメトリック社製「固体粘弾性測定装置RSA II」、二重カレンチレバー法;周波数1Hz、昇温速度3℃/分)を用い、弾性率変化が最大となる(tanδ変化率が最も大きい)温度をガラス転移温度として測定した。
<線膨張係数の測定>
前記硬化物2から幅約5mm長さ約5mmの試験片を切り出し、熱機械分析装置(TMA:セイコーインスツルメント社製「SS−6100」)を用いて、圧縮モードで熱機械分析を行った。(測定架重:30mN、昇温速度:3℃/分で2回、測定温度範囲:−50℃から250℃)2回目の測定における50℃での線膨張係数を評価した。
<密着性の評価>
前記硬化物3から幅10mm、長さ127mmの試験片を切り出し、50mm/minの速度でピール強度を測定した。
<吸湿率の測定>
硬化物1を用い、85℃/85%RHの恒温恒湿装置中で300時間処理した前後の重量変化(wt%)を吸湿率として測定した。
<耐湿耐半田性の評価>
前記硬化物1を用い、85℃/85%RHの雰囲気下168時間放置し、吸湿処理を行った後、これを260℃のハンダ浴に10秒間浸漬させ、クラックの発生の有無を調べた。
○:クラックの発生なし
×:クラック発生
<難燃性の評価>
前記硬化物2を試験片とし、これを5本用いてUL−94試験法に準拠した燃焼試験を行った。
*1:試験片5本の合計燃焼時間(秒)
*2:1回の接炎における最大燃焼時間(秒)
Figure 2014172923

Claims (10)

  1. 下記構造式(1)
    Figure 2014172923
    (式中、Rは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかであり、Xは芳香核含有炭化水素基を、Gはグリシジル基を表す。)
    で表される分子構造を有するエポキシ化合物(I)を必須の成分として含有することを特徴とするエポキシ樹脂。
  2. 下記一般式(2)
    Figure 2014172923
    [式中、Xは芳香核含有炭化水素基である。nは1〜20の整数であり、nが1の場合、Yは下記構造式(3−1)で表される構造部位である。また、nが2以上の整数の場合、Yはそれぞれ独立に下記構造式(3−1)〜(3−1)
    Figure 2014172923
    (式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかであり、Gはグリシジル基を表す。)
    の何れかで表される構造部位であり、複数存在するYのうち少なくとも一つは前記構造式(3−1)で表される構造部位である。式中Zは下記一般式(4−1)又は(4−2)
    Figure 2014172923
    (式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、グリシジルオキシ基の何れかであり、Gはグリシジル基を表す。)
    の何れかで表される構造部位であり、分子構造中に前記構造式(3−3)又は(4−1)で表される構造部位を1つ以上有する。]
    で表される分子構造を有することを特徴とするエポキシ樹脂。
  3. エポキシ樹脂中のメチレン基のうち、前記構造式(3−1)で表される構造部位と結合しているメチレン基の割合が、13C−NMR測定によるピークの比率で1〜70%の範囲である請求項2記載のエポキシ樹脂。
  4. エポキシ樹脂中のメチレン基のうち、前記構造式(3−2)又は(4−2)で表される構造部位の酸素原子と結合しているメチレン基の割合が、13C−NMR測定によるピークの比率で1〜20%の範囲である請求項3記載のエポキシ樹脂。
  5. 前記一般式(2)におけるXが、それぞれ独立に、下記構造式(5−1)〜(5−9)
    Figure 2014172923
    (式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基の何れかであり、Rはそれぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基の何れかであり、mは0〜4の整数である。)のいずれかで表される構造部位である請求項4に記載のエポキシ樹脂。
  6. 前記一般式(2)においてnの値が1〜4の何れかである成分の合計の含有量が、GPCチャートの面積比から算出される値で3〜60%の範囲である請求項5記載のエポキシ樹脂。
  7. エポキシ樹脂中の前記構造式(1)で表されるエポキシ化合物(I)を、HPLCチャートのピーク面積比から算出される値が1〜50%の範囲となる割合で含有する請求項1〜6の何れか一つに記載のエポキシ樹脂。
  8. エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)とを必須成分とする硬化性組成物であって、前記エポキシ樹脂(A)として、請求項1〜7の何れか一つに記載のエポキシ樹脂を用いる硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項8記載の硬化性樹脂組成物を硬化反応させてなる硬化物。
  10. 請求項8記載の硬化性樹脂組成物に加え、更に無機充填剤を含有する半導体封止材料。
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