JP5714216B2 - エポキシ樹脂組成物、その硬化物、エポキシ樹脂、その製造方法、半導体封止材料、及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、その硬化物、エポキシ樹脂、その製造方法、半導体封止材料、及び半導体装置 Download PDF

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本発明は、耐ブロッキング性に優れ常温で取り扱うことが容易であり、かつ、硬化剤やフィラー等との溶融混練性に優れ、更に低線膨張で金属との密着にも優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物、半導体封止材料、半導体装置に関する。
エポキシ樹脂及びその硬化剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物は、電気絶縁性、高耐熱性、耐湿性、寸法安定性等の諸物性に優れる点から半導体封止材やプリント回路基板、ビルドアップ基板、レジストインキ等の電子部品、導電ペースト等の導電性接着剤やその他接着剤、アンダーフィルなどの液状封止材、液晶シール材、フレキシブル基板用カバーレイ、複合材料用マトリックス、塗料、フォトレジスト材料、顕色材料等で広く用いられている。これらの中でも半導体やプリント配線基板などのエレクトロニクス材料分野においては、封止材や基板材料等として用いられており、これらの分野における技術革新に伴って高性能化への要求が高まっている。
例えば半導体パッケージは、小型化・薄型化の観点からFBGA、PoP、ウエハレベルCSPが開発され、高機能・高密度実装化のためパッケージは3次元化、SiP化など内%構造が非常に複雑化している。これらパッケージ(エリアアレイ型パッケージ)では、パッケージの片面にチップを搭載しチップとパッケージ基板上の導体パターンを金の細線ワイヤーで結線後、トランスファー成形によりエポキシ樹脂組成物などを用いて封止するため、成形時にワイヤ−の変形が起こりにくい低粘度の樹脂組成物が求められ、また成形後の反りが大きな問題となっており、これらの解決策として線膨張係数が小さな樹脂組成物が求められている。
一方、エポキシ樹脂組成物を封止材料とする場合には、UL−94V−0クラスの高い難燃性が要求されるが、近年の環境・安全への取り組みのなかで、ダイオキシン発生が懸念されるハロゲン系難燃剤を用いず、且つ発ガン性が疑われているアンチモン化合物を用いない環境・安全対応型であることが必須となっている。更に、半導体封止材料の非ハロゲン化は半導体装置の高温放置信頼性の改良にも大きく貢献する技術であり、かかる観点からも非ハロゲン化の要求は高い。
このような要求に応え、低線膨張で耐熱性、耐水性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂として、ジヒドロキシナフタレンとエピクロルヒドリンとを反応せしめてなるエポキシ樹脂が知られており(下記、特許文献1参照)、また2,7−ナフタレンジオールをエピハロヒドリンでエポキシ化して得られるエポキシ樹脂を結晶化処理した固形エポキシ樹脂が知られている(下記、特許文献2参照)。
しかしながら、前記特許文献1に記載されたエポキシ樹脂は、高融点のエポキシ樹脂(例えば特許文献1の製造例5参照)、或いは、アモルファス状のエポキシ樹脂(特許文献1の製造例6参照)が記載されるのみであり、高融点エポキシ樹脂は硬化剤やフィラー等を配合、溶融混練してコンパウンドを製造する際、実質的に溶融混練ができないという問題があった。また、エポキシ樹脂がアモルファス状になる場合には、40℃以下の比較的低温で融解を起こし、長期保存時にブロッキング化し易く、ハンドリング性が低いものであった。
一方、前記特許文献2に記載された固形エポキシ樹脂は融点が低く、やはり40℃以下の低温領域で融解してしまうため、保存時のブロッキング化を招きやすくハンドリング性が低いものであった。
このようにジヒドロキシナフタレンとエピクロルヒドリンとの反応生成物であるエポキシ樹脂は、耐熱性、耐水性に優れるものの、ハンドリング性に劣る、或いは、融点が高くて溶融混練に用いることができない、という問題を抱えており半導体封止材料用途などにおける他の配合成分を加え溶融混練するエポキシ・モールディング・コンパウンド化や、その他溶融成形用途への適用が極めて難しいものであった。
特開昭61−73719号公報 特開2000−119369号公報
本発明が解決しようとする課題は、常温での取扱性に優れ溶融混練を経るコンパウンド化や成形が容易であり、かつ、硬化物において難燃性、耐熱性や耐湿性に優れるエポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、半導体封止材料、及びこれを用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物、半導体装置を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンであってもその結晶状態により他の配合成分との配合性及び硬化物の性能が異なることとを見出し、具体的には、1,4−ジヒドロキシナフタレンとエピハロヒドリンとを反応させて得られる、示差走査熱量測定(DSC)により毎分3℃の速度で昇温して測定した融解ピークの頂点が80℃以上105℃以下のナフタレン型エポキシ樹脂結晶化物であることを特徴とするエポキシ樹脂が常温で取り扱い性に優れ、且つ、エポキシ・モールディング・コンパウンドを製造する際の硬化剤との配合性に優れ、更に硬化物に難燃性・耐熱性・耐水性を発現させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、1,4−ジヒドロキシナフタレンとエピハロヒドリンとを反応させて得られる、示差走査熱量測定(DSC)により毎分3℃の速度で昇温して測定した融解ピークの頂点が80℃以上105℃以下のナフタレン型エポキシ樹脂結晶化物、そのエポキシ樹脂と硬化剤を用いることを特徴とするエポキシ樹脂組成物に関する。
本発明は、更に、上記エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物に関する。
本発明は、更に、1,4−ジヒドロキシナフタレンとエピハロヒドリンとを反応させて得られる、示差走査熱量測定(DSC)により毎分3℃の速度で昇温して測定した融解ピークの頂点が80℃以上105℃以下にあるナフタレン型エポキシ樹脂結晶化物であることを特徴とするエポキシ樹脂に関する。
本発明は、更に、1,4−ジヒドロキシナフタレンとエピハロヒドリンとを反応させて得られる、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンを70質量%〜95質量%の割合で含有するナフタレン型エポキシ樹脂を70℃以上の溶融状態から、溶融状態を保ったまま20℃以下に制御された金属板上に滴下し結晶化させることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法に関する。
本発明は、更に、上記エポキシ樹脂組成物を用いることを特徴とする半導体封止材料に関する。
本発明は、更に、上記半導体封止材料を用いることを特徴とする半導体装置に関する。
本発明によれば、常温での取扱性に優れ溶融混練を経るコンパウンド化や成形が容易であり、かつ、硬化物において難燃性、耐熱性や耐湿性に優れるエポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、半導体封止材料、及びこれを用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物、半導体装置を提供できる。
本発明の実施例1に係るエポキシ樹脂(A−1)のDSC曲線図である。 本発明の実施例2に係るエポキシ樹脂(A−2)のDSC曲線図である。 本発明の実施例3に係るエポキシ樹脂(A−2’)のDSC曲線図である。 本発明の実施例4に係るエポキシ樹脂(A−3)のDSC曲線図である。 本発明の実施例5に係るエポキシ樹脂(A−4)のDSC曲線図である。 本発明の比較例2に係るエポキシ樹脂(A−6)のDSC曲線図である。 本発明の比較例3に係るエポキシ樹脂(A−7)のDSC曲線図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の新規エポキシ樹脂は、1,4−ジヒドロキシナフタレンとエピハロヒドリンとを反応させて得られる、示差走査熱量測定(DSC)により毎分3℃の速度で昇温して測定した融解ピークの頂点が80℃以上105℃以下にあるナフタレン型エポキシ樹脂結晶化物である。ここで、融解ピークが複数ある場合は、DSC曲線上の50℃と120℃に相当する点を結んだ直線とピーク頂点の間の横軸に垂直な距離が最も長いピークの頂点が80℃以上105℃以下のナフタレン型エポキシ樹脂結晶化物であればよい。
本発明では融解ピークの頂点が80℃未満となる場合には、常温液状乃至低融点のエポキシ樹脂となって保存時のブロッキング化を招きやすくハンドリング性が低いものとなる。一方、融解ピークの頂点が105℃を上回る場合には、結晶性が極めて高くなり溶融混練温度で樹脂自体を溶融させることが困難で、硬化剤などとの相溶が遅く混合不良が起きやすいものとなる。そのため、均一混合のために溶融混練温度を上げると硬化剤との反応が起こり、得られた組成物は次のトランスファー成形工程で充分な流動性が保てずワイヤーの変形をもたらし実用できないものとなる。
また、所謂アモルファス状のエポキシ樹脂の場合には、DSC装置を用いて毎分3℃の速度で昇温して測定した場合にもはや融解ピークの頂点が出現しないものとなり、やはりハンドリング性に劣ったものとなる。
本発明の新規エポキシ樹脂は、更に、DSC装置を用いて毎分3℃の速度で昇温した際のDSC曲線における50℃と60℃における点を結んだ直線と、30℃以上の領域で最初に吸熱側に変化する曲線における勾配が最大になる点で引いた接線との交点の温度が60℃以上であるものが好ましい。この温度が60℃より高い場合、ブロッキング防止の効果がより顕著なものとなる。かかる交点の温度は、なかでも65〜75℃の範囲であることがブロッキング防止の点から好ましい。
ナフタレン型エポキシ樹脂結晶化物である本発明の新規エポキシ樹脂は、1,4−ジヒドロキシナフタレンとエピハロヒドリンとを反応させて得られるものであるが、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンの含有率が70質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
即ち、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンの含有率が70質量%以上の場合には常温で取り扱い性が良好な結晶化物を得やすくなり、一方、95質量%以下の場合では適度な融点を有するエポキシ樹脂となって、硬化剤やその他無機充填剤等の配合成分との溶融混練性・均一混合性に優れたものとなる。
本発明のナフタレン型エポキシ樹脂結晶化物を製造する方法としては、例えば、1,4−ジヒドロキシナフタレンとエピハロヒドリンとを反応させて得られる、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンを70質量%〜95質量%の割合で含有するナフタレン型エポキシ樹脂を70℃以上の溶融状態から、溶融状態を保ったまま40℃以下に制御された金属板上に滴下し結晶化させる方法が挙げられる(方法1)。
ここで、金属板の温度は上記したとおり、40℃以下であればよいが、10〜20℃に制御されていることがDSC装置を用いて毎分3℃の速度で昇温して測定した場合における融解ピークの頂点を80℃以上105℃以下に調整できるだけでなく、該溶融ピークがよりシャープになり、常温でのべたつきをより低減できる点から好ましい。また、10〜20℃に制御することにより20分以内でほぼ完全に結晶化する。
また、金属板としては、SUS、鉄板、アルミ板等が挙げられるが、錆防止、製造時の異物混入防止の点からSUSの板であることが好ましい。
上記方法1は具体的には、ナフタレン型エポキシ樹脂を70℃以上の溶融状態にしておき、続いて40℃以下、好ましくは10〜20℃のSUSベルト等の金属板上に滴下し、0.005g〜1.000g、好ましくは0.03g〜0.3gで粒状に成形して急速に冷却して結晶化させる方法が挙げられる。
また、別法としては、1,4−ジヒドロキシナフタレンとエピハロヒドリンとを反応させて得られる、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンを70質量%〜95質量%の割合で含有するナフタレン型エポキシ樹脂を過飽和で溶融している状態で別途結晶核を加える方法(方法2)や、攪拌混練して樹脂にせん断力を加える方法(方法3)が挙げられる。
方法1は、方法2や方法3に比べ配合時の相溶性に優れるため、本発明の効果をより一層高めることができる。具体的には、方法3である図3のDSC曲線では融解ピークの頂点は81℃であるが融解後に結晶化を示す上向きの比較的大きなピークが82℃乃至84℃に存在する為、方法1に比べ相溶性にやや劣るものとなる。本発明では融解後にこの様な上向きの大きなピークがないこと、具体的には、融解後に上向きのピークが実質的に出現しないか、或いは、出現する場合であってもその頂点が、DSC曲線における50℃と60℃における点を結んだ直線よりもピーク頂点が下に位置するものが好ましい。
ここで、1,4−ジヒドロキシナフタレンにエピハロヒドリンを反応させる際の反応条件は特に制限されるものではなく、種々の方法でエポキシ化することができるが、例えば、1,4−ジヒドロキシナフタレンとエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、β-メチルエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリンとの溶解混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を添加し、または添加しながら20〜120℃で1〜10時間反応させる手法、また上述の方法により得られたエポキシ樹脂を更に触媒下で1,4−ジヒドロキシナフタレンを反応させる方法などを挙げることができる。
前記エピハロヒドリンの使用量としては、1,4−ジヒドロキシナフタレン中の水酸基1当量に対して、通常1.5〜20当量、好ましくは2〜10当量である。
前記アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液し水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す方法でもよい。
また1,4−ジヒドロキシナフタレンとエピハロヒドリンの溶解混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加し、50〜150℃で1〜5時間反応させて得られる1,4−ジヒドロキシナフタレンのハロヒドリンエーテル化物にアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加え、再び20〜120℃で1〜10時間反応させ脱ハロゲン化水素(閉環)させる方法でもよい。
また、これらの反応を円滑に進行させるためにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などを用いて反応を行うことが好ましい。
前記アルコール類、ケトン類、エーテル類を溶媒として使用する場合のその使用量としては、エピハロヒドリンの量に対し通常5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの量に対し通常5〜100質量%、好ましくは10〜60質量%である。
これらの反応で得られた反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下、110〜250℃、圧力10mmHg以下でエピハロヒドリンや溶媒などを除去することによって、エポキシ樹脂(A)を得ることができる。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、エピハロヒドリンを回収した後に得られるエポキシ樹脂を再びトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて更に反応させて閉環を確実なものにすることもできる。この場合、アルカリ金属水酸化物の使用量は用いるエポキシ樹脂中に残存する加水分解性塩素1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは1.2〜5.0モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜3時間である。反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量としては、用いるエポキシ樹脂に対して0.1〜3.0質量%の範囲が好ましい。反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することによりエポキシ樹脂(A)を得ることができる。
前記エポキシ樹脂(A)としては、単独で用いることもできるが、本発明の特性を損なわない範囲においてその他のエポキシ樹脂と併用して使用することもできる。この時、前記エポキシ樹脂(A)が全エポキシ樹脂100質量%中、30質量%以上含有されていることが好ましく、特に50質量%以上含有されていることが好ましい。
前記その他のエポキシ樹脂としては、特に制限されるものではなく、種々のエポキシ樹脂を用いることができるが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、カテコール型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニルのジグリシジルエーテル、硫黄含有エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等の2官能型エポキシ樹脂、トリグリシジルシソシアヌレート、メトキシナフタレン変性アラルキル型エポキシ樹脂、メトキシナフタレン変性ノボラック樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(通称ザイロック樹脂のエポキシ化物)、ナフトールホルムアルデヒド縮合型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール樹脂のエポキシ化物)、ビフェニル変性ナフトール型エポキシ樹脂(ビスメチレン基でナフトール核が連結された多価ナフトール樹脂のエポキシ化合物)、アルコキシ基含有ノボラック型エポキシ樹脂、アルコキシ基含有フェノールアラルキル樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、特開平4−11662号や特開平11−166035号に記載された各種9,10−ジヒドロ−9−オキサー10−ホスファフェナントレン=10−オキシドから誘導されるエポキシ樹脂などが挙げられる。また、前記エポキシ樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。これらのエポキシ樹脂の中でも、難燃性に優れる点では、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂、アルコキシ基含有ノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、また低粘度である点では、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂が好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂(A)と併用できる他のエポキシ樹脂は、エポキシ化する前のフェノール化合物類と1,4−ジヒドロキシナフタレンを予め混合した後にエピハロヒドリンを用いてエポキシ化してもよい。かかる方法は、例えば、ビスフェノール、4,4’−ビフェノール、或いは3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール等のフェノール化合物類と、1,4−ジヒドロキシナフタレンとを混合し、該混合物とエピクロルヒドリンとを反応させる方法が挙げられる。その際の混合比率は、4,4’−ビフェノールを1〜50質量%、好ましくは10〜30質量%となる範囲であることが硬化物の線膨張係数が低くできることから好ましい。
発明のエポキシ樹脂組成物に用いられる硬化剤(B)は、種々のエポキシ樹脂用硬化剤が使用でき、アミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などのエポキシ樹脂用硬化剤が挙げられる。
具体的には、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニル変性フェノールアラルキル樹脂、フェノールトリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂等を始めとする多価フェノール化合物、及びこれらの変性物、イミダゾ−ル、BF3−アミン錯体、並びにグアニジン誘導体などが挙げられる。またこれらの硬化剤は単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
これらの硬化剤のなかでも、水酸基を有さない芳香環を含む連結基によって水酸基を有する芳香環が連結された構造を含有する多価芳香族化合物が特に好ましく、例えば、下記一般式(1)
Figure 0005714216
(式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、nは1〜4である。)
で表されるフェノールアラルキル樹脂(通称、ザイロック樹脂)、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アルコキシ基含有フェノールアラルキル樹脂など、フェノール性水酸基含有芳香族化合物と下記一般式(2)〜(4)で示される架橋剤と必要に応じてアルコキシ基含有芳香族化合物とを反応させた構造を有するものや
Figure 0005714216
(式中、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rはハロゲン原子であり、Rは水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基である。)
下記一般式(4)
Figure 0005714216
(式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格でありnは1〜4である。)で表されるフェノールベンズアルデヒド樹脂、ナフトールベンズアルデヒド樹脂、フェノールナフトアルデヒド樹脂、ナフトールナフトアルデヒド樹脂、フェノールビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールビフェニルアラルキル樹脂など、フェノール性水酸基含有芳香族化合物と芳香族アルデヒドを反応させた構造を有するものの他、
アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミンやベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、アルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物、及びこれらの変性物等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
これらの中でも、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂、アルコキシ基含有フェノールアラルキル樹脂、アルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂等の水酸基を有さない芳香環を含む連結基によって水酸基を有する芳香環が連結された構造を含有する多価芳香族化合物であることが特に難燃性に優れる点から好ましい。
前記硬化剤(B)としては、単独で用いることもできるが、本発明の特性を損なわない範囲においてその他の公知公用の硬化剤と併用して使用することもできる。この時、前記硬化剤(B)が全硬化剤中100質量%中、30質量%以上含有されていることが好ましく、特に50質量%以上含有されていることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物における硬化剤(B)の配合量としては、特に制限されるものではないが、得られる硬化物の機械的物性等が良好である点から、エポキシ樹脂(A)及び必要に応じて併用されるその他のエポキシ樹脂とのエポキシ基の合計1当量に対して、硬化剤中の活性基が0.5〜1.5当量になる量が好ましい。
また、必要に応じて本発明のエポキシ樹脂組成物に硬化促進剤を適宜併用することもできる。前記硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、リン系化合物ではトリフェニルフォスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。
以上詳述した本発明のエポキシ樹脂組成物は、当該樹脂自体が優れた難燃性付与効果を有するものである為、従来用いられている難燃剤を配合しなくても、硬化物の難燃性が良好である。しかしながら、より高度な難燃性を発揮させるために、例えば半導体封止材料の分野においては、封止工程での成形性や半導体装置の信頼性を低下させない範囲で、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤(C)を配合してもよい。
かかる非ハロゲン系難燃剤(C)を配合したエポキシ樹脂組成物は、実質的にハロゲン原子を含有しないものであるが、例えばエポキシ樹脂に含まれるエピハロヒドリン由来の5000ppm以下程度の微量の不純物によるハロゲン原子は含まれていても良い。
前記非ハロゲン系難燃剤(C)としては、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
前記リン系難燃剤としては、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
また、前記赤リンは、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていることが好ましく、表面処理方法としては、例えば、(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等が挙げられる。
前記有機リン系化合物としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等の汎用有機リン系化合物の他、9,10−ジヒドロ−9−オキサー10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,5−ジヒドロオキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等が挙げられる。
それらの配合量としては、リン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量%中、赤リンを非ハロゲン系難燃剤として使用する場合は0.1〜2.0質量%の範囲で配合することが好ましく、有機リン化合物を使用する場合は同様に0.1〜10.0質量%の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜6.0質量%の範囲で配合することが好ましい。
また前記リン系難燃剤を使用する場合、該リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニウム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライト、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用してもよい。
前記窒素系難燃剤としては、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物が好ましい。
前記トリアジン化合物としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等の他、例えば、(i)硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、(ii)フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール類と、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルムグアナミン等のメラミン類およびホルムアルデヒドとの共縮合物、(iii)前記(ii)の共縮合物とフェノールホルムアルデヒド縮合物等のフェノール樹脂類との混合物、(iv)前記(ii)、(iii)を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
前記シアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等を挙げることができる。
前記窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量%中、0.05〜10質量%の範囲で配合することが好ましく、特に0.1〜5質量%の範囲で配合することが好ましい。
また前記窒素系難燃剤を使用する際、金属水酸化物、モリブデン化合物等を併用してもよい。
前記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記シリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量%中、0.05〜20質量%の範囲で配合することが好ましい。また前記シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデン化合物、アルミナ等を併用してもよい。
前記無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が挙げられる。
前記金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
前記金属酸化物の具体例としては、例えば、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を挙げることができる。
前記金属炭酸塩化合物の具体例としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等を挙げることができる。
前記金属粉の具体例としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙げることができる。
前記ホウ素化合物の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げることができる。
前記低融点ガラスの具体例としては、例えば、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水和ガラスSiO−MgO−HO、PbO−B系、ZnO−P−MgO系、P−B−PbO−MgO系、P−Sn−O−F系、PbO−V−TeO系、Al−HO系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙げることができる。
前記無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量%中、0.05〜20質量%の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜15質量%の範囲で配合することが好ましい。
前記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
前記有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量%中、0.005〜10質量%の範囲で配合することが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて無機質充填材を配合することができる。前記無機質充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。特に半導体封止材料用途においては、前記無機充填材の配合量を大きくすることが好ましく、かかる観点から溶融シリカを用いることが好ましい。前記溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。
前記無機質充填材の充填率は、半導体封止材料の場合、エポキシ樹脂組成物の全体質量に対して60質量%〜95質量%の範囲、とりわけ85質量%〜95質量%の範囲であることが難燃性や耐湿性や耐ハンダクラック性の向上、線膨張係数の低下を図ることができる点から特に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、イオントラップ剤、乳化剤等の種々の配合剤を添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記した各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂、硬化剤、更に必要により硬化促進剤が配合された本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化反応させて硬化物とする方法としては、例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物を常法にて常温乃至加熱し硬化させる方法が挙げられる。ここで加熱硬化させる際の温度条件は、組み合わせる硬化剤の種類や用途等によって、適宜選択すればよいが、例えば、50℃〜250℃程度の温度範囲で加熱すればよい。成形方法などもエポキシ樹脂組成物の一般的な方法が用いられ、特に本発明のエポキシ樹脂組成物に特有の条件は不要である。該硬化物としては、具体的には、積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成形硬化物が挙げられる
本発明のエポキシ樹脂組成物が用いられる用途としては、半導体封止材料、積層板、ビルドアップ基板用層間絶縁材料、ダイアタッチ剤、アンダーフィル、グラブトップ材、TCP用液状封止材、導電性接着剤、液晶シール材、フレキシブル基板用カバーレイ、レジストインキなどの電子回路基板等に用いられる樹脂組成物、高い屈折率が求められる光導波路、樹脂注型材料、複合材料、接着剤、絶縁塗料等のコーティング材料等が挙げられる。これらの中でも特にエポキシ・モールディング・コンパウンド化における溶融混錬性に優れるという本発明の特長から半導体封止材料に好適に用いることができる。
本発明の半導体封止材料であるエポキシ・モールディング・コンパウンドを製造するには、上記半導体封止材料を構成する各成分をミキサー等によって十分混合した後、例えば70〜110℃の温度範囲で、二本ロール、一軸式スクリュー式混練機、二軸式スクリュー式混練機等の混練機で上記各成分を溶融混練し、次いで冷却固化、粉砕することにより製造することができる。本発明の半導体装置は、この様にして得られた半導体封止材料を、注型、或いはトランスファー成形機、射出成形機などを用いて半導体パッケージに成形し、さらに50〜200℃で2〜10時間に加熱する方法により製造することができる。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「%」及び「%」は特に断わりのない限り質量基準である。尚、DSCの測定(融解ピーク温度)、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンの含有量は、以下の条件にて測定した。
[示差走査熱量測定(DSC)]
以下の条件にて測定したDSC曲線における融解ピークの頂点を融解ピーク温度とした。ここで、融解ピークが複数ある場合は、DSC曲線上の50℃と120℃に相当する点を結んだ直線とピーク頂点の間の横軸に垂直な距離が最も長いピークの頂点が80℃以上105℃以下のナフタレン型エポキシ樹脂結晶化物のことである。
装置 ;メトラー・トレド株式会社製 DSC1
サンプル量;約5mg
温度条件 ;3℃/min.
[1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンの含有量]
以下の装置、条件にて測定したて得られたクロマトグラムの面積%を、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンの含有量とした。
・装置:東ソー株式会社製 HLC−8220 GPC、カラム:東ソー株式会社製 TSK−GEL G2000HXL+G2000HXL+G3000HXL+G4000HXL
・溶媒:テトラヒドロフラン
・流速:1ml/min
・検出器:RI
実施例1 〔エポキシ樹脂(A−1)の合成〕
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、1,4−ジヒドロキシナフタレン160g(1.0モル)、エピクロルヒドリン925g(10.0モル)、n−ブタノール53g、テトラエチルベンジルアンモニウムクロライド2.3gを仕込み溶解させた。55℃に昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、49%水酸化ナトリウム水溶液82g(1.0モル)を5時間かけて滴下した。その後、同条件で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸によって留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離し、水層を除去し、油層を反応系内に戻しながら反応を行った。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン550gとn−ブタノール55gとを加え溶解した。更にこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液15gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のPHが中性となるまで水150gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去後、20℃以下に制御されたアルミのバット上に滴下してエポキシ樹脂(A−1)250gを得た。そのもののエポキシ当量は143g/eq.、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンの含有量は94%であった。また、このエポキシ樹脂(A−1)のDSC曲線を図1に示す。
なお、図1中、「ガラス転移」とは、DSC曲線における50℃と60℃を結んだ直線と、30℃以上の領域で最初に吸熱側に変化する曲線における勾配が最大になる点で引いた接線との交点であり、エポキシ樹脂(A−1)における該交点は69.70℃であった。
実施例2 〔エポキシ樹脂(A−2)の合成〕
実施例1において、エピクロルヒドリン740g(8.0モル)を用いる以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂250gを得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は146g/eq.、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンの含有量は91%であった。また、このエポキシ樹脂(A−1)のDSC曲線を図2に示す。
なお、図2中、「ガラス転移」とは、DSC曲線における50℃と60℃を結んだ直線と、30℃以上の領域で最初に吸熱側に変化する曲線における勾配が最大になる点で引いた接線との交点であり、エポキシ樹脂(A−2)における該交点は68.65℃であった。
実施例3 〔エポキシ樹脂(A−2’)の合成〕
実施例2で得られた結晶化物20gを50ccのサンプル瓶に入れて120℃で再度溶融させた後、室温にて放置した。溶融樹脂に結晶が析出し始めた(75℃)後、すぐにガラス棒にて攪拌(せん断を加えて)して結晶化させた。このエポキシ樹脂結晶化物のDSC分析をした結果、融解ピークは81℃であり、融解ピークの高温側に結晶化の発熱ピークが観察された。また、このエポキシ樹脂(A−2’)のDSC曲線を図3に示す。
なお、図3中、「ガラス転移」とは、DSC曲線における50℃と60℃を結んだ直線と、30℃以上の領域で最初に吸熱側に変化する曲線における勾配が最大になる点で引いた接線との交点であり、エポキシ樹脂(A−2’)における該交点は73.31℃であった。
実施例4 〔エポキシ樹脂(A−3)の合成〕
実施例1において、エピクロルヒドリン647.5g(7.0モル)を用いる以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂245gを得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は150g/eq.、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンの含有量は85%であった。また、このエポキシ樹脂(A−3)のDSC曲線を図4に示す。
なお、図4中、「ガラス転移」とは、DSC曲線における50℃と60℃を結んだ直線と、30℃以上の領域で最初に吸熱側に変化する曲線における勾配が最大になる点で引いた接線との交点であり、エポキシ樹脂(A−3)における該交点は66.10℃であった。
実施例5 〔エポキシ樹脂(A−4)の合成〕
実施例1において、エピクロルヒドリン370g(4.0モル)を用いる以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂245gを得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は161g/eq.、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンの含有量は72%であった。また、このエポキシ樹脂(A−4)のDSC曲線を図5に示す。
なお、図5中、「ガラス転移」とは、DSC曲線における50℃と60℃を結んだ直線と、30℃以上の領域で最初に吸熱側に変化する曲線における勾配が最大になる点で引いた接線との交点であり、エポキシ樹脂(A−4)における該交点は66.12℃であった。
比較例1 〔エポキシ樹脂(A−5)の合成〕
実施例1において、エピクロルヒドリン240.5g(2.6モル)を用いる以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂245gを得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は171g/eq.、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンの含有量は63%であった。このエポキシ樹脂は、アモルファス状であり常温でブロッキングを起こした。
比較例2 〔エポキシ樹脂(A−6)の合成〕
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、1,4−ジヒドロキシナフタレン160g(1.0モル)、エピクロルヒドリン740g(8.0モル)に溶解させた後、攪拌下80℃で、20%水酸化ナトリウム水溶液440g(2.2モル)を5時間かけて滴下し、更に1時間反応させて、析出した結晶状の生成物を濾別し、水およびメタノールで洗浄した後、乾燥させてエポキシ樹脂(A−6)を得た。そのもののエポキシ当量は141g/eq.、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンの含有量は96%であった。また、このエポキシ樹脂(A−6)のDSC曲線を図6に示す。
比較例3 〔エポキシ樹脂(A−7)の合成〕
2,7−ナフタレンジオール160gをエピクロルヒドリン1400gに溶解し、減圧下(約150mmHg)、70℃で48%水酸化ナトリウム水溶液163.5g を4時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続した。その後、濾過により生成した塩を除き、さらに水洗したのちエピクロルヒドリンを留去し、緑黄色、粘稠状の粗製エポキシ樹脂を得た。このエポキシ樹脂200g をメチルイソブチルケトン400mlに溶解し、10%水酸化ナトリウム水溶液24.4g を加え、80℃で2時間反応させた。反応後、濾過、水洗を行った後、溶媒のメチルイソブチルケトンを減圧留去した後、ニーダー中で30℃以下に冷却し、剪断を加えることにより結晶化を行い、結晶状のエポキシ樹脂を得た。(A−7)このエポキシ中の2,7−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンの含有量は92%であった。このエポキシ樹脂をDSCにより分析した結果、40℃以下に融解ピークがあり常温でブロッキングを起こした。
また、このエポキシ樹脂(A−1)のDSC曲線を図7に示す。
実施例1〜5及び比較例1〜3で得られたエポキシ樹脂の分析結果を、表1にまとめた。
Figure 0005714216

*1: DSC装置を用いて毎分3℃の速度で昇温した際のDSC曲線における50℃と60℃を結んだ直線と、最も低温側の融解ピークの低温側の曲線に勾配が最大になる点で引いた接線との交点
*2: 1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン含有量
*3: 40℃以下に融解ピークがあり。ハンドリングの際にブロッキングを起こした。
実施例6〜16と比較例4
表2に示す配合により、各成分を2本ロールを用いて90℃の温度で10分間溶融混練して目的の組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物について、下記手法によりゲルタイムを測定し硬化性の評価とスパイラルフローの評価を行った。また、前記エポキシ樹脂組成物は、トランスファー成形機により、金型温度175℃、成形圧力7.0MPa、ラム速度5cm/秒、硬化時間180秒の条件で行った。その後175℃で5時間さらに硬化せしめた後に、下記方法により硬化物の物性を確認した。得られた硬化物の物性を表2に示す。
ゲルタイム: エポキシ樹脂組成物0.15gを175℃に加熱したキュアプレート(THERMO ELECTRIC社製)上に載せ、ストップウォッチで計時を開始する。棒の先端にて試料を均一に攪拌し、糸状に試料が切れてプレートに残るようになった時、ストップウォッチを止める。この試料が切れてプレートに残るようになるまでの時間をゲルタイムとした。
スパイラルフロー: EMEI−1−66に準拠したスパイラルフロー測定金型を用いて、前記2本ロールで混練したエポキシ樹脂組成物を金型温度175℃、成形圧力7.0MPa、ラム速度5cm/秒の条件で流動距離(cm)を求めた。
ガラス転移温度:粘弾性測定装置(レオメトリック社製 固体粘弾性測定装置RSAII、二重カレンチレバー法;周波数1Hz、昇温速度3℃/min)を用いて測定した。
線膨張係数:
硬化物を約5mm各の試験片とし、熱機械分析装置(TMA:セイコーインスツルメント社製SS−6100)を用いて、圧縮モードで熱機械分析を行った。(測定架重:88.8mN、昇温速度:3℃/分で2回、測定温度範囲:室温から250℃)2回目の測定におけるガラス領域(40〜60℃)における線膨張係数を測定した。
ピール強度(密着性の指標):
30μm厚みのアルミ箔上に100mm×70mm×3mmの試験片を金型温度175℃、成形圧力7.0MPa、ラム速度5cm/秒、硬化時間180秒の条件で成形し、10mm幅に切りだして試験片を作成した。得られた試験片を用いJIS−K6481に準拠した方法でピール強度を測定した。
難燃性:
UL−94試験法に準拠し、厚さ1.6mmの試験片5本を用いて、燃焼試験を行った。
Figure 0005714216
なお、上記表2中の配合成分は次の通りである。
Figure 0005714216
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた実施例6〜16では、成形時の流動性に極めてすぐれており、硬化物としては、難燃剤を配合しなくても充分な難燃性を発現すると共に、密着性、低線膨張であり、半導体封止材料とくにエリアアレイ型の半導体装置に好適に用いることができることを確認した。これに対して、比較例4は充分な難燃性を示さないばかりか、ガラス転移温度、線膨張係数、ピール強度も悪かった。これらの比較から明らかなように、比較例で用いたエポキシ樹脂組成物では、その硬化物の性能において十分に満足できるレベルではないことを確認した。
また、非ハロゲン系難燃剤を配合して得られた実施例11,12においても、流動性に優れ、得られる硬化物の難燃性と密着性、低線膨張性に優れることを確認した。

Claims (14)

  1. エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)を必須成分とするエポキシ樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂(A)が1,4−ジヒドロキシナフタレンとエピハロヒドリンとを反応させて得られる、示差走査熱量測定(DSC)により毎分3℃の速度で昇温して測定した融解ピークの頂点が80℃以上88℃以下にあり、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンを70質量%〜95質量%含有し、かつ、示差走査熱量測定(DSC)により毎分3℃の速度で昇温した際のDSC曲線における50℃と60℃に相当する点を結んだ直線と、最も低温側の融解ピークの低温側の曲線に勾配が最大になる点で引いた接線との交点が60℃以上であるナフタレン型エポキシ樹脂結晶化物であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記硬化剤(B)が、水酸基を有さない芳香環を含む連結基によって水酸基を有する芳香環が連結された構造を含有する多価芳香族化合物を用いることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 更に、硬化促進剤を含有する請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 更に、無機充填剤を含有する請求項1〜の何れか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 更に非ハロゲン系難燃剤(C)を含有する請求項1〜のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 非ハロゲン系難燃剤(C)が、リン系難燃剤(c1)、窒素系難燃剤(c2)、シリコーン系難燃剤(c3)、無機系難燃剤(c4)、有機金属系難燃剤(c5)からなる群から選ばれる1種以上の難燃剤である請求項記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項1〜の何れか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
  8. 1,4−ジヒドロキシナフタレンとエピハロヒドリンとを反応させて得られる、示差走査熱量測定(DSC)により毎分3℃の速度で昇温して測定した融解ピークの頂点が80℃以上88℃以下にあり、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンを70質量%〜95質量%の割合で含有し、かつ、示差走査熱量測定(DSC)により毎分3℃の速度で昇温した際のDSC曲線における50℃と60℃に相当する点を結んだ直線と、最も低温側の融解ピークの低温側の曲線に勾配が最大になる点で引いた接線との交点が60℃以上であるナフタレン型エポキシ樹脂結晶化物であることを特徴とするエポキシ樹脂。
  9. 1,4−ジヒドロキシナフタレンとエピハロヒドリンとを反応させて得られる、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンを70質量%〜95質量%の割合で含有するナフタレン型エポキシ樹脂を70℃以上の溶融状態から、溶融状態を保ったまま40℃以下に制御された金属板上に滴下し結晶化させることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
  10. 1,4−ジヒドロキシナフタレンとエピハロヒドリンとを反応させて得られる、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレンを70質量%〜95質量%の割合で含有するナフタレン型エポキシ樹脂を過飽和で溶融している状態で別途結晶核を加えるか、或いは攪拌混練して樹脂にせん断力を加えることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
  11. 請求項1〜のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を用いることを特徴とする半導体封止材料。
  12. 非ハロゲン系難燃性樹脂組成物である請求項11記載の半導体封止材料。
  13. 請求項1又は1記載の半導体封止材料を用いることを特徴とする半導体装置。
  14. BGA型半導体装置である請求項1記載の半導体装置。
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