JP5435193B2 - 1,4−ナフタレンジエーテル化合物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の1,4−ナフタレンジエーテル化合物は、下記一般式(1)で示される。
本発明の1,4−ナフタレンジエーテル化合物は、二種類の製造方法がある。1つは、原料に1,4−ジヒドロキシナフタレン化合物を使用し、グリシジル化して1,4−ジグリシジルオキシナフタレン化合物とし、次いで該1,4−ジグリシジルオキシナフタレン化合物とアクリル酸またはメタクリル酸とを反応させることにより、1,4−ナフタレンジエーテル化合物を得る二段階製造法である。もう1つは、原料は同様に1,4−ジヒドロキシナフタレン化合物を使用し、該1,4−ジヒドロキシナフタレン化合物をグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートと反応させることにより、1,4−ナフタレンジエーテル化合物を得る一段階製造法である。
本発明の光重合開始剤組成物は、光重合増感剤として前記一般式(1)で示される1,4−ナフタレンジエーテル化合物と光重合開始剤を含有する。光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド類、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス−(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどのハロゲン化炭化水素誘導体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールなどのヘキサアリールビイミダゾール類等が挙げられる。有機合成化学協会誌66,458(2008)等公知文献に紹介されている光重合開始剤も用いることができる。具体的には、市場より、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製イルガキュア184、イルガキュアはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の登録商標)、(2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパノン)(イルガキュア907)、またビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(イルガキュア819)等のアシルホスフィンオキサイド化合物;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(イルガキュア784)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(BASF社製ルシリンTPO、ルシリンはBASF社の登録商標)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティケミカルズ社製DAROCUR TRO)、等のチタノセン化合物;6,12−ビス(トリメチルシリルオキシ)−1,11−ナフタセンキノン等のナフタセンキノン化合物等を容易に入手出来る。
本発明の光重合性組成物は、前述の光重合開始剤組成物と、カチオン重合性化合物及び/又はラジカル重合性化合物とを含有する。
一方、1,4−ナフタレンジエーテル化合物をラジカル重合性化合物として用いる場合は、1,4−ナフタレンジエーテル化合物、光重合開始剤、及び必要に応じて1,4−ナフタレンジエーテル化合物以外のラジカル重合性化合物により光重合性組成物を調製することができる。
本発明の光重合性組成物はフィルム状やシート状に成形して硬化させたり、塊状で硬化させることもできる。例えば、フィルム状に硬化させる場合では、ポリエステルの基材上にバーコーターを使用して光重合性組成物を塗布した後、活性エネルギー線を照射して硬化させる。活性エネルギー線としては、紫外線又は可視光線が好ましい。光源としては、300〜400nmの波長範囲の紫外線を照射できるものであればよく、例えばメタルハライドランプ、キセノンランプ、紫外線LED、青色LED、白色LED、フュージョン社製のDランプ、Vランプ等を使用することができる。また、太陽光を使用することもできる。特に300〜400nmの波長範囲の紫外線を高い出力で照射できる高圧水銀ランプが好ましい。
(1)融点:ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式MFB−595(JIS K0064に準拠)
(2)核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式GSX FT NMR Spectorometer
(3)赤外線(IR)分光光度計:日本分光社製、型式IR−810
(4)Massスペクトル:島津製作所社製、質量分析計、型式GCMS−QP500
窒素雰囲気下、冷却管、温度計を備えた反応器に1,4−ジヒドロキシナフタレン40.0g(250ミリモル)を加えた後、エピクロロヒドリン138.8g(1500ミリモル)、メタノール35.2gを加えて攪拌した。反応器を50℃まで加熱し、40重量%水酸化ナトリウム水溶液75gを1時間かけて滴下した。このとき反応器内の温度は60℃を越えないようにコントロールした。さらに1時間攪拌後、室温(20℃)まで冷却し、酢酸エチル100ml、水30mlを加えて攪拌後、静置して2層に分離させ、水層を抜き出してさらに水30mlで有機層を洗浄した。有機層の酢酸エチル及び未反応のエピクロロヒドリンを減圧留去して黒褐色液体63.1gを得た。この黒褐色液体にアセトン250mlを加えて攪拌し、還流させながら溶解させ、これに水40mlを加えた後、反応溶液を20℃まで冷却した。すると、結晶が析出したので、これを濾過、乾燥し、白色の結晶27.6g(96.3ミリモル)を得た。この結晶の高速液体クロマトグラフィによる純度は94.4%で、単離収率は36.4モル%であった。
融点:110−111℃
(2)1H−NMR(CDCl3,ppm):δ=2.84(dd,2H),2.98(dd,2H),3.48(m,2H),4.10(dd,2H),4.35(dd,2H),6.70(s,2H),7.54(m,2H),8.26(m,2H).
(3)IR(KBr,cm−1):3060,2994,2910,1620,1586,1460,1440,1380,1290,1232,1090,1070,1016,902,854,800,760.
(4)Massスペクトル:(EI−MS)m/z=275(M+).
窒素気流下、攪拌機、温度計を備えた300ml三つ口フラスコに実施例1で合成した1,4−ジグリシジルオキシナフタレン10g(36.5ミリモル)、メタクリル酸12.65g(146.9ミリモル)、触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド590mg、重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(以下、TEMPOと略す)4mgを入れ、溶媒としてメチルイソブチルケトン30mlを加えた。この混合液を100℃まで加熱して、100℃で4時間攪拌した。その後、反応液を20℃まで冷却し、反応液に酢酸エチル30mlを添加し反応物を酢酸エチルで抽出し、有機層(酢酸エチル層)を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mlで3回洗浄し、過剰のメタクリル酸を除去した。次いで、有機層を水30mlで1回洗浄した後、有機層をロータリーエバポレーターで留去し、褐色の液体15.1gを得た。
(1)外観:無色透明液体
(2)1H−NMR(CDCl3,ppm):δ=1.97(s,6H),2.75(d,1H),4.03(t,2H)、4.18(d,2H)、4.32(d,2H)、4.39−4.53(m,3H)、5.38−5.48(m,1H)、5.61(d,2H)、6.20(d,2H)、6.71(s,2H)、7.46−7.59(m,2H)、8.12−8.23(m,2H).
(3)IR(KBr,cm−1):3500,2960,2940,1720,1635,1600,1560,1390,1280,1160,1100,818,780.
(4)Massスペクトル:(EI−MS)m/z=444(M+).
(1)外観:淡黄色液体
(2)1H−NMR(CDCl3,ppm):δ=1.95(s,6H),2.77(d,2H),4.19(d,4H)、4.35−4.53(m,6H)、5.62(d,2H)、6.17(s,2H)、6.70(s,2H)、7.47−7.58(m,2H)、8.12−8.24(m,2H).
(3)IR(KBr,cm−1):3460,2960,2940,1720,1640,1600,1460,1410,1390,1240,1160,1090,818,770.
(4)Massスペクトル:(EI−MS)m/z=444(M+).
(1)外観;褐色液体
(2)Massスペクトル;薄層クロマト板で分離、分取した上記2種の異性体に相当する2本のピークはともにM+として444を示したが、少量の異性体、1,4−ジ(3−ヒドロキシ−2−メタクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレンと推測していた残り1本のピークA1も同じM+を示し、この推測が正しいことを確認した。
なお、混合物の1H−NMRおよびIRスペクトルはこれら異性体の混合物として矛盾しない結果であった。
窒素気流下、攪拌機、温度計を備えた100ml三つ口フラスコに1,4−ジヒドロキシナフタレン1.0g(6.3ミリモル)、グリシジルメタクリレート3.6g(25.4ミリモル)、触媒としてテトラブチルホスホニウムブロマイド100mg、溶媒としてメチルイソブチルケトン8mlを加えた。この混合液を95℃まで加熱して、95℃で3時間攪拌した。その後、反応液を20℃まで冷却し、反応液に酢酸エチル10mlを添加し反応物を酢酸エチルで抽出し、有機層(酢酸エチル層)を水20mlで1回洗浄した後、有機層をロータリーエバポレーターで留去し、褐色液体を得た。その後、この褐色液体にヘキサン50mlを加え、過剰のグリシジルメタクリレートを除去し、褐色の油状物を2.6g(5.9ミリモル)得た。
窒素気流下、攪拌機、温度計を備えた200ml三つ口フラスコに、実施例1で合成した1,4−ジグリシジルオキシナフタレン5.0g(18.2ミリモル)、アクリル酸5.3g(73.6ミリモル)、触媒としてテトラブチルホスホニウムブロマイド590mg、重合禁止剤としてTEMPO2mgを入れ、溶媒としてメチルイソブチルケトン15mlを加えた。この混合液を100℃まで加熱して、100℃で4時間攪拌した。その後、反応液を20℃まで冷却し、反応液に酢酸エチル20mlを添加し反応物を酢酸エチルで抽出し、有機層(酢酸エチル層)を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mlで3回洗浄し、過剰のアクリル酸を除去した。次いで、水20mlで1回洗浄した後、有機層をロータリーエバポレーターで留去し、淡黄色液体7.4gを得た。
(1)外観:無色透明液体
(2)1H−NMR(CDCl3,ppm):δ=2.64−2.87(m,1H)、4.06(d,2H)、4.17(d,2H)、4.32(d,2H)、4.38−4.58(m,3H)、5.38−5.51(m,1H)、5.88(d,2H)、6.12−6.28(m,2H)、6.45(d,1H)、6.52(d,1H)、6.72(s,2H)、7.47−7.58(m,2H)8.12−8.23(m,2H).
(3)IR(KBr,cm−1):3450,2940,1729,1635,1600,1460,1410,1383,1278,1190,1100,810,790.
(4)Massスペクトル:(EI−MS)m/z=416(M+).
(1)外観:白色結晶、融点:46.6−48.3℃
(2)1H−NMR(CDCl3,ppm):δ=2.80(bs,2H)、4.16(d,4H)、4.33−4.56(m,6H)、5.88(d,2H)、6.18(dd,2H)、6.48(d,2H)、6.70(s,2H)、7.46−7.57(m,2H)、8.10−8.22(m,2H).
(3)IR(KBr,cm−1):3300,2960,2940,1730,1630,1595,1460,1410,1275,1200,1100,810,770.
(4)Massスペクトル:(EI−MS)m/z=416(M+).
(1)外観;淡黄色液体
(2)Massスペクトル;薄層クロマト板で分離、分取した上記2種の異性体に相当する2本のピークはともにM+として416を示したが、少量の異性体、1,4−ビス(3−ヒドロキシ−2−アクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレン(構造式(6))と推測していた残り1本のピークA3も同じM+を示し、この推測が正しいことを確認した。
なお、混合物の1H−NMRおよびIRスペクトルはこれら異性体の混合物として矛盾しない結果であった。
ラジカル重合性化合物として、トリメチロールプロパントリアクリレートを100重量部に、光重合開始剤として、4−メチルフェニル−4−イソブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(チバスペシャルティケミカル社製、商品名:イルガキュア250)を2重量部及び光重合増感剤として、実施例2で単離した1,4−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレン(化合物C1)を0.5重量部を混合した光重合開始剤組成物を添加し、均一な光重合性組成物を調製した。ポリエステルフィルム(東レ社製 ルミラー、膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上にこの光重合性組成物を12ミクロンの厚みになるようにバーコーターを使用して塗布した。次いで、塗布面を窒素雰囲気下、高圧水銀ランプ(照射光の中心波長 366nm,照射強度 2mW/cm2、塗布面とランプの距離:10mm)を照射した。光照射してから塗布面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は7分であった。
光重合増感剤を添加しない以外は実施例5と同様の方法で光重合性組成物を調製し、同様にポリエステルフィルム上に光重合性組成物を塗布した。塗布面に高圧水銀ランプ(照射光の中心波長 366nm,照射強度 2mW/cm2、塗布面とランプの距離:10mm)を照射した。光照射してから30分経過しても塗布面のべたつきはなくならなかった。
ラジカル重合性化合物としてもちいたトリメチロールプロパントリアクリレートの代わりに、カチオン重合性化合物として、脂環式エポキシ化合物(DOW社製 UVR−6105)を100重量部使用した以外は実施例5と同様の方法で均一な光重合性組成物を調製した。ポリエステルフィルム(東レ社製 ルミラー、膜厚100ミクロン)上にこの光重合性組成物を12ミクロンの厚みになるようにバーコーターを使用して塗布した。次いで、塗布面を窒素雰囲気下、高圧水銀ランプ(照射光の中心波長 366nm,照射強度 2mW/cm2、塗布面とランプの距離:10mm)を照射した。光照射してから塗布面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は7分であった。
光重合増感剤を添加しない以外は実施例6と同様の方法で光重合性組成物を調製し、同様にポリエステルフィルム上に光重合性組成物を塗布した。塗布面に高圧水銀ランプ(照射光の中心波長 366nm,照射強度 2mW/cm2、塗布面とランプの距離:10mm)を照射した。光照射してから30分経過しても塗布面のべたつきはなくならなかった。
実施例5で調製した光重合性組成物を実施例5と同様の方法でポリエステルフィルムに塗布し光照射することにより硬化させた。硬化後の当該フィルムを180℃に加熱したオーブンに入れ、5分間加熱処理した。その後、当該フィルムをオーブンから取り出し、塗布物のUVスペクトルを測定した。光重合増感剤である1,4−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレンに起因する335nmの吸収強度を測定し、加熱前後の335nmの吸収強度の減少の割合を測定した。加熱前の335nmの吸収強度を100%とすると、加熱後の吸収強度は100%であった。すなわち、光重合増感剤として用いた1,4−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレンの昇華は見られなかった。
ラジカル重合性化合物として、トリメチロールプロパントリアクリレートを100重量部に、光重合開始剤として、4−メチルフェニル−4−イソブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(チバスペシャルティケミカル社製、商品名:イルガキュア250)を2重量部及び光重合増感剤として、1,4−ジエトキシナフタレンを0.5重量部を混合した光重合開始剤組成物を添加し、均一な光重合性組成物を調製した。ポリエステルフィルム(東レ社製 ルミラー、膜厚100ミクロン)上にこの光重合性組成物を12ミクロンの厚みになるようにバーコーターを使用して塗布し、実施例5と同様の方法で光照射することにより硬化させた。硬化後の当該フィルムを180℃に加熱したオーブンに入れ、5分間加熱処理した。その後、当該フィルムをオーブンから取り出し、塗布物のUVスペクトルを測定した。光重合増感剤である1,4−ジエトキシナフタレンに起因する330nmの吸収強度を測定し、加熱前後の330nmの吸収強度の減少の割合を測定した。加熱前の330nmの吸収強度を100%とすると、加熱後の吸収強度は40%であった。すなわち、光重合増感剤として用いた1,4−ジエトキシナフタレンの60%が昇華したといえる。
光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:商品名「イルガキュア819」、イルガキュアはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の登録商標)を1重量部、ラジカル重合性化合物として実施例4と同様の方法で合成し単離した1,4−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレン(化合物C3)を100重量部配合した光重合性組成物を調製した。この光重合性組成物をバーコーターを使用してポリエステルフィルム(東レ株式会社:商品名「ルミラー」膜厚100μm)上に膜厚12μmになるように塗布した。次いで、窒素雰囲気下でポリエステルフィルムの塗布表面に高圧水銀ランプ(照射光の中心波長:366nm、1W、照射高さ1cm)を使用して光照射した。光照射してから光重合性組成物を塗布したポリエステルフィルム表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は5分であった。次に、塗布面にナイフで1cm画の筋を入れ、粘着テープ(商品名:セロテープ(セロテープはニチバン社の登録商標)、ニチバン社製)を塗布面に空気が残らないように貼り付けた。5分後、粘着テープを剥がし、フィルム状の塗布面の塗布物が剥がれたか否かにより、塗布物の密着性を評価したところ、フィルム上の塗布物は剥がれなかった。その結果を表2に示す
ラジカル重合性化合物として実施例2と同様の方法で合成し単離した1,4−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレン(化合物C1)100重量部を使用した以外は実施例8と同様に光重合性組成物を調製した。この光重合性組成物をバーコーターを使用してポリエステルフィルム(東レ株式会社:商品名「ルミラー」膜厚100μm)上に膜厚12μmになるように塗布した。次いで、窒素雰囲気下でポリエステルフィルムの塗布表面に高圧水銀ランプ(照射光の中心波長:366nm、1W、照射高さ1cm)を使用して光照射した。光照射してから光重合性組成物を塗布したポリエステルフィルム表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は5分であった。次に、塗布面にナイフで1cm画の筋を入れ、粘着テープ(商品名:セロテープ(セロテープはニチバン社の登録商標)、ニチバン社製)を塗布面に空気が残らないように貼り付けた。5分後、粘着テープを剥がし、フィルム状の塗布面の塗布物が剥がれたか否かにより、塗布物の密着性を評価したところ、フィルム上の塗布物は剥がれなかった。その結果を表2に示す。
高圧水銀ランプの中心波長を395nmに変更した以外は、実施例8と同様に調製し、硬化させた。光照射してから光重合性組成物を塗布したポリエステルフィルム表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は5分であった。次に、塗布面にナイフで1cm画の筋を入れ、粘着テープ(商品名:セロテープ(セロテープはニチバン社の登録商標)、ニチバン社製)を塗布面に空気が残らないように貼り付けた。5分後、粘着テープを剥がし、フィルム状の塗布面の塗布物が剥がれたか否かにより、塗布物の密着性を評価したところ、フィルム上の塗布物は剥がれなかった。その結果を表2に示す。
高圧水銀ランプの中心波長を395nmに変更した以外は、実施例9と同様に調製し、硬化させた。光照射してから光重合性組成物を塗布したポリエステルフィルム表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は6分であった。次に、塗布面にナイフで1cm画の筋を入れ、粘着テープ(商品名:セロテープ(セロテープはニチバン社の登録商標)、ニチバン社製)を塗布面に空気が残らないように貼り付けた。5分後、粘着テープを剥がし、フィルム状の塗布面の塗布物が剥がれたか否かにより、塗布物の密着性を評価したところ、フィルム上の塗布物は剥がれなかった。その結果を表2に示す。
光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:商品名「イルガキュア819」、イルガキュアはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の登録商標)を1重量部、ラジカル重合性化合物として1,4−ジ(2−アクリロイルオキシエトキシ)ナフタレン (特開2008−24694号の実施例1に記載の化合物)を100重量部配合した光重合性組成物を調製した。この光重合性組成物をバーコーターを使用してポリエステルフィルム(東レ株式会社:商品名「ルミラー」膜厚100μm)上に膜厚12μmになるように塗布した。次いで、窒素雰囲気下でポリエステルフィルムの塗布表面に高圧水銀ランプ(照射光の中心波長:366nm、1W、照射高さ1cm)を使用して光照射した。光照射してから光重合性組成物を塗布したポリエステルフィルム表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は1分であった。次に、塗布面にナイフで1cm画の筋を入れ、粘着テープ(商品名:セロテープ(セロテープはニチバン社の登録商標)、ニチバン社製)を塗布面に空気が残らないように貼り付けた。5分後、粘着テープを剥がし、フィルム状の塗布面の塗布物が剥がれたか否かにより、塗布物の密着性を評価したところ、フィルム上の塗布物は剥がれてしまった。その結果を表2に示す。
光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:商品名「イルガキュア819」、イルガキュアはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の登録商標)を1重量部、ラジカル重合性化合物として1,4−ジ(2−アクリロイルオキシエトキシ)ナフタレン (特開2008−24694号の実施例1に記載の化合物)を100重量部配合した光重合性組成物を調製した。この光重合性組成物をバーコーターを使用してポリエステルフィルム(東レ株式会社:商品名「ルミラー」膜厚100μm)上に膜厚12μmになるように塗布した。次いで、窒素雰囲気下でポリエステルフィルムの塗布表面に高圧水銀ランプ(照射光の中心波長:395nm、1W、照射高さ1cm)を使用して光照射した。光照射してから光重合性組成物を塗布したポリエステルフィルム表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は1分であった。次に、塗布面にナイフで1cm画の筋を入れ、粘着テープ(商品名:セロテープ(セロテープはニチバン社の登録商標)、ニチバン社製)を塗布面に空気が残らないように貼り付けた。5分後、粘着テープを剥がし、フィルム状の塗布面の塗布物が剥がれたか否かにより、塗布物の密着性を評価したところ、フィルム上の塗布物は剥がれてしまった。その結果を表2に示す。
Claims (6)
- 少なくとも、下記一般式(1)で示される1,4−ナフタレンジエーテル化合物を有効成分として含有する光重合増感剤。
- 請求項1に記載の光重合増感剤と光重合開始剤を含有する光重合開始剤組成物。
- 光重合開始剤がオニウム塩である、請求項2に記載の光重合開始剤組成物。
- 請求項2又は請求項3に記載の光重合開始剤組成物と、カチオン重合性化合物及び/又はラジカル重合性化合物を含有する光重合性組成物。
- 請求項4に記載の光重合性組成物を活性エネルギー線の照射により硬化させることを特徴とする硬化方法。
- 請求項4に記載の光重合性組成物を活性エネルギー線の照射により硬化させた硬化物。
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