JP4710038B2 - 硬化性組成物、接続構造体及びメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物 - Google Patents

硬化性組成物、接続構造体及びメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物 Download PDF

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Description

本発明は、電子部品又は回路基板などの接続対象部材の接続に用いることができる硬化性組成物に関し、より詳細には、メルカプト基と(メタ)アクリロイル基とを有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を含む硬化性組成物、並びに該硬化性組成物を用いた接続構造体に関する。また、本発明は、メルカプト基と(メタ)アクリロイル基とを有する新規なメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物に関する。
電子部品又は回路基板等の様々な接続対象部材を接続するために、硬化性組成物が用いられている。硬化性組成物は、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を含む。
上記硬化性組成物は、例えば、金属バンプ電極が設けられた半導体チップと、電極が設けられた回路基板との接続に用いられている。
また、導電性粒子を含む硬化性組成物が知られている。導電性粒子を含む硬化性組成物は、例えば、ICチップとフレキシブルプリント回路基板との接続、又はICチップとITO電極を有する回路基板との接続等に用いられている。
上記硬化性組成物の一例として、下記の特許文献1には、導電性粒子と、ベース樹脂と、ヒンダードフェノール重合禁止剤とを含む熱硬化性又は光硬化性組成物が開示されている。上記ベース樹脂として、ポリアセタール樹脂及び(メタ)アクリル樹脂が記載されている。
特開2003−20455号公報
特許文献1に記載のような硬化性組成物に用いることができる材料の開発が行われている。ところで、この種の硬化性組成物の硬化物には、吸湿性が低いことが求められることがある。また、硬化性組成物の硬化物により接続対象部材を接続した場合に、硬化物と接続対象部材との接着力が高いことが求められることもある。
本発明の目的は、硬化後の硬化物の吸湿性を低くすることができ、かつ硬化物と接続対象部材との接着力を高くすることができる硬化性組成物、並びに該硬化性組成物を用いた接続構造体を提供することである。
本発明の他の目的は、硬化性組成物の材料として用いることができる新規なチオール基含有(メタ)アクリレート化合物を提供することである。
本発明の広い局面によれば、メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物と、活性エネルギー線重合開始剤とを含み、上記メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物が、下記式(31)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物である、硬化性組成物が提供される。
Figure 0004710038
上記式(31)中、R1及びR2はそれぞれ、水素又はメチル基を表し、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。上記式(31)中、Xは、下記式(11)〜(13)の内のいずれかで表される基を表す。上記式(31)中、Z1及びZ2はいずれもメルカプト基を表すか、又はZ1はメルカプト基かつZ2は水酸基を表す。
Figure 0004710038
Figure 0004710038
Figure 0004710038
本発明に係る硬化性組成物の他の特定の局面では、上記式(31)中のZ1及びZ2はいずれもメルカプト基である。
本発明に係る硬化性組成物のさらに他の特定の局面では、上記式(31)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物は、下記式(1)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物である。
Figure 0004710038
上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、水素又はメチル基を表し、Xは、上記式(11)〜(13)の内のいずれかで表される基を表す。
本発明に係る接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、該第1,第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、該接続部が、本発明に従って構成された硬化性組成物を硬化させることにより形成されている。
また、本発明の広い局面によれば、下記式(31)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物が提供される。
Figure 0004710038
上記式(31)中、R1及びR2はそれぞれ、水素又はメチル基を表し、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。上記式(31)中、Xは、下記式(11)〜(13)の内のいずれかで表される基を表す。上記式(31)中、Z1及びZ2はいずれもメルカプト基を表すか、又はZ1はメルカプト基かつZ2は水酸基を表す。
Figure 0004710038
Figure 0004710038
Figure 0004710038
本発明に係るメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物のある特定の局面では、上記式(31)中のZ1及びZ2はいずれもメルカプト基である。
本発明に係るメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の他の特定の局面では、上記式(31)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物は、下記式(1)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物である。
Figure 0004710038
上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、水素又はメチル基を表し、Xは、上記式(11)〜(13)の内のいずれかで表される基を表す。
本発明に係る硬化性組成物は、メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物と、活性エネルギー線重合開始剤とを含むため、硬化後の硬化物の吸湿性を低くすることができる。さらに、本発明に係る硬化性組成物の硬化物により接続対象部材を接続した場合に、硬化物と接続対象部材との接着力を高くすることができる。
本発明に係るメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物は、上記式(31)で表される構造を有するので、硬化性組成物の材料として用いることができる。この硬化性組成物は、様々な接続対象部材の接続に用いることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を含む硬化性組成物を用いた接続構造体の一例を模式的に示す正面断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る硬化性組成物は、メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物と、活性エネルギー線重合開始剤とを含む。本発明に係るメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物は、式(31)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物である。メルカプト基はSH基である。本発明に係る硬化性組成物は、式(31)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。
(メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物)
本発明に係る硬化性組成物に含まれているメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物は、メルカプト基と(メタ)アクリロイル基とを有する。該メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の使用により、硬化性組成物の硬化物の吸湿性を低くすることができる。さらに、硬化物と接続対象部材との接着力を高くすることができる。
本発明に係るメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物は、下記式(31)で表される構造を有する。
本発明に係る硬化性組成物に含まれているメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物は、下記式(31)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。下記式(31)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の使用により、硬化性組成物の硬化物の吸湿性を充分に低くすることができる。さらに、硬化物と接続対象部材との接着力を充分に高くすることができる。但し、本発明に係る硬化性組成物は、式(31)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物以外のメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を含んでいてもよい。
Figure 0004710038
上記式(31)中、R1及びR2はそれぞれ、水素又はメチル基を表し、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。上記式(31)中、Xは、下記式(11)〜(13)の内のいずれかで表される基を表す。上記式(31)中、Z1及びZ2はいずれもメルカプト基を表すか、又はZ1はメルカプト基かつZ2は水酸基を表す。
Figure 0004710038
Figure 0004710038
Figure 0004710038
すなわち、上記式(31)で表される構造を有する化合物は、下記式(31A)〜(31C)の内のいずれかで表される構造を有する。
Figure 0004710038
上記式(31A)中、R1及びR2はそれぞれ、水素又はメチル基を表し、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。上記式(31A)中、Z1及びZ2はいずれもメルカプト基を表すか、又はZ1はメルカプト基かつZ2は水酸基を表す。
Figure 0004710038
上記式(31B)中、R1及びR2はそれぞれ、水素又はメチル基を表し、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。上記式(31B)中、Z1及びZ2はいずれもメルカプト基を表すか、又はZ1はメルカプト基かつZ2は水酸基を表す。
Figure 0004710038
上記式(31C)中、R1及びR2はそれぞれ、水素又はメチル基を表し、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。上記式(31C)中、Z1及びZ2はいずれもメルカプト基を表すか、又はZ1はメルカプト基かつZ2は水酸基を表す。
上記式(31)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物は、メルカプト基と、(メタ)アクリロイル基とを有する。上記メルカプト基及び上記(メタ)アクリロイル基を有する基は、特定の芳香族環に結合されており、ベンゼン環又はナフタレン環に結合されている。このような構造を有するので、例えばメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物に活性エネルギー線重合開始剤を添加して硬化性組成物を得た後、硬化性組成物に活性エネルギー線を照射することにより、硬化性組成物を硬化させることができる。
上記式(31)中のR3及びR4のアルキレン基の炭素数が5を超えると、上記硬化性組成物の硬化速度が遅くなりやすくなる。上記式(31)中のR3及びR4はそれぞれ、メチレン基であることが好ましい。この場合には、上記硬化性組成物の硬化速度がより一層速くなる。
上記式(31)中のZ1及びZ2はいずれもメルカプト基であることが好ましい。上記式(31)中のZ1及びZ2がいずれもメルカプト基である化合物では、上記式(31)中のZ1がメルカプト基かつZ2が水酸基である化合物に比べて、上記硬化性組成物の硬化物の吸湿性を低くすることができる。
上記式(31)中、R3及びR4はそれぞれメチレン基であり、かつZ1及びZ2がいずれもメルカプト基であることが好ましい。すなわち、上記式(31)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物は、下記式(1)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 0004710038
上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、水素又はメチル基を表す。上記式(1)中、Xは、上記式(11)〜(13)の内のいずれかで表される基を表す。
すなわち、上記式(1)で表される構造を有する化合物は、下記式(1A)〜(1C)の内のいずれかで表される構造を有する。
Figure 0004710038
上記式(1A)中、R1及びR2はそれぞれ、水素又はメチル基を表す。
Figure 0004710038
上記式(1B)中、R1及びR2はそれぞれ、水素又はメチル基を表す。
Figure 0004710038
上記式(1C)中、R1及びR2はそれぞれ、水素又はメチル基を表す。
上記(31)及び上記式(1)中のR1及びR2はそれぞれ水素であることが好ましい。この場合には、メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の硬化性により一層優れている。
上記式(31)中、R1及びR2はそれぞれ水素であり、R3及びR4はそれぞれメチレン基であり、かつZ1及びZ2がいずれもメルカプト基であることが好ましい。すなわち、上記式(31)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物は、下記式(21)で表される構造を有することが好ましい。下記式(21)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物は、硬化性により一層優れている。
Figure 0004710038
上記式(21)中、Xは、上記式(11)〜(13)の内のいずれかで表される基を表す。
すなわち、上記式(21)で表される構造を有する化合物は、下記式(21A)〜(21C)の内のいずれかで表される構造を有する。
Figure 0004710038
Figure 0004710038
Figure 0004710038
なお、上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。上記「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを示す。上記「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルとメタクリロイルとを示す。
(メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の製造方法)
上記式(31)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物、すなわち上記式(31A)〜(31C)の内のいずれかで表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の製造方法は特に限定されず、例えば以下のようにして得ることができる。
下記式(71A)〜(71C)の内のいずれかで表されるエポキシ化合物(以下、エポキシ化合物Aともいう)を用意する。
Figure 0004710038
上記式(71A)中、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
Figure 0004710038
上記式(71B)中、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
Figure 0004710038
上記式(71C)中、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
次に、上記エポキシ化合物Aの全てのエポキシ基をエピスルフィド基(チイラン基)に変換し、下記式(81A)〜(81C)の内のいずれかで表されるエピスルフィド化合物(以下、エピスルフィド化合物B1ともいう)を得る。又は、上記エポキシ化合物Aの一部のエポキシ基をエピスルフィド基に変換し、下記式(82A)〜(82C)の内のいずれかで表されるエピスルフィド化合物(以下、エピスルフィド化合物B2ともいう)を得る。上記エピスルフィド化合物は、チイラン基含有化合物である。下記式(82A)〜(82C)の内のいずれかで表されるエピスルフィド化合物は、エポキシ化合物でもあり、エポキシ基含有エピスルフィド化合物である。
Figure 0004710038
上記式(81A)中、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
Figure 0004710038
上記式(81B)中、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
Figure 0004710038
上記式(81C)中、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
Figure 0004710038
上記式(82A)中、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
Figure 0004710038
上記式(82B)中、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
Figure 0004710038
上記式(82C)中、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
上記エポキシ化合物Aは、下記式(51A)〜(51C)の内のいずれかで表される構造を有することが好ましい。下記式(51A)〜(51C)で表される構造を有するエポキシ化合物は、容易に入手できる。
Figure 0004710038
Figure 0004710038
Figure 0004710038
上記式(51A)〜(51C)で表される構造を有するエポキシ化合物の使用により、下記式(61A)〜(61C),(62A)〜(62C)の内のいずれかで表される構造を有するエピスルフィド化合物を得ることができる。
Figure 0004710038
Figure 0004710038
Figure 0004710038
Figure 0004710038
Figure 0004710038
Figure 0004710038
上記エピスルフィド化合物B1,B2の製造方法は、硫化剤と、上記エポキシ化合物Aとを混合する製造方法が好ましい。この製造方法により、上記エポキシ化合物Aのエポキシ基をエピスルフィド基に変換できる。
上記硫化剤としては、チオシアン酸塩類、チオ尿素類、ホスフィンサルファイド、ジメチルチオホルムアミド及びN−メチルベンゾチアゾール−2−チオン等が挙げられる。これら以外の硫化剤を用いてもよい。なかでも、チオシアン酸塩類又はチオ尿素類が好ましく、チオシアン酸塩類がより好ましい。上記チオシアン酸塩類としては、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム及びチオシアン酸ナトリウム等が挙げられる。上記チオ尿素類としては、チオ尿素、N−メチルチオ尿素及び1,3−ジエチルチオ尿素等が挙げられる。
上記エポキシ化合物A100重量部に対して、上記硫化剤は10〜1000重量部の範囲内で用いられることが好ましい。上記エポキシ化合物A100重量部に対して、上記硫化剤は80〜110重量部の範囲内で用いられることがより好ましい。上記硫化剤の使用量が少なすぎると、エポキシ基をエピスルフィド基に充分に変換できないことがある。上記硫化剤の使用量が多すぎると、エポキシ基をエピスルフィド基に変換する効果が飽和することがある。
上記硫化剤と上記エポキシ化合物Aとの混合の際に、溶剤を用いてもよい。また、上記硫化剤及び上記エポキシ化合物Aはそれぞれ、溶剤に添加され、溶液とされて用いられてもよい。上記溶剤としては、水及び有機溶剤等が挙げられる。上記有機溶剤としては、メタノール及びエタノール等が挙げられる。
上記エポキシ化合物A100重量部に対して、上記溶剤は100〜3000重量部の範囲内で用いられることが好ましい。上記エポキシ化合物A100重量部に対して、上記溶剤は200〜1500重量部の範囲内で用いられることがより好ましい。上記溶剤の使用量が少なすぎると、上記エポキシ化合物Aが重合してしまうことがある。上記溶剤の使用量が多すぎると、コストが高くなることがある。
上記エポキシ化合物Aのエポキシ基をエピスルフィド基に変換させた後に、水、溶剤及び未反応の硫化剤を除去することが好ましい。水、溶剤及び未反応の硫化剤は、従来公知の方法により除去できる。
また、上記エポキシ化合物Aの反応の際に、触媒を用いてもよい。上記触媒の使用により、エピスルフィド基への変換率を調整できる。また、低温環境においてエポキシ基をエピスルフィド基に変換できるため、上記エポキシ化合物Aの重合反応を抑制できる。
上記触媒としては、パラジウム触媒、酸化チタン及びシアヌル酸クロライド等が挙げられる。上記パラジウム触媒としては、パラジウム金属粒子等が挙げられる。
上記エポキシ化合物A100重量部に対して、上記触媒は0.02〜3重量部の範囲内で用いられることが好ましい。上記触媒の使用量が上記範囲内にある場合には、低温環境においてエポキシ基をエピスルフィド基により一層効率的に変換できる。
次に、上記エピスルフィド化合物B1,B2に(メタ)アクリル酸を反応させることにより、上記式(31)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を得ることができる。
上記エピスルフィド化合物B1,B2の100重量部に対して、上記(メタ)アクリル酸は40〜120重量部の範囲内で用いられることが好ましい。上記(メタ)アクリル酸の使用量が上記範囲内にある場合には、(メタ)アクリロイル基をより一層効率的に導入できる。
上記エピスルフィド化合物B1,B2と上記(メタ)アクリル酸との混合の際に、溶剤を用いてもよい。また、上記エピスルフィド化合物B及び上記(メタ)アクリル酸はそれぞれ、溶剤に添加され、溶液とされて用いられてもよい。上記溶剤としては、水及び有機溶剤等が挙げられる。上記有機溶剤としては、メタノール、エタノール及びトルエン等が挙げられる。
上記エピスルフィド化合物B1,B2の100重量部に対して、上記溶剤は50〜300重量部の範囲内で用いられることが好ましい。上記溶剤の使用量が上記範囲内にある場合には、(メタ)アクリロイル基をより一層効率的に導入できる。
上記エピスルフィド化合物B1,B2と上記(メタ)アクリル酸との反応の際に、触媒又は重合禁止剤等を用いてもよい。
上記触媒としては、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、N,N’−ジメチルピペリジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、塩化リチウム及びトリフェニルフォスフィン等が挙げられる。上記重合禁止剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコール、及び2,6−ジブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。
上記エピスルフィド化合物B1,B2の100重量部に対して、上記触媒は0.5〜5重量部の範囲内で用いられることが好ましい。上記触媒の使用量が上記範囲内にある場合には、(メタ)アクリロイル基をより一層効率的に導入できる。上記エピスルフィド化合物B1,B2の100重量部に対して、上記重合禁止剤は0.2〜1.5重量部の範囲内で用いられることが好ましい。上記重合禁止剤の使用量が上記範囲内にある場合には、(メタ)アクリロイル基をより一層効率的に導入できる。
(活性エネルギー線重合開始剤)
上記メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物に活性エネルギー線重合開始剤を添加することにより、本発明に係る硬化性組成物を得ることができる。硬化性組成物に活性エネルギー線を照射することにより、上記硬化性組成物を硬化させることができる。上記活性エネルギー線重合開始剤として、一般に市販されている光重合開始剤を用いることができる。
上記光重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン光重合開始剤、ケタール光重合開始剤、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド及びアシルホスフォナート等が挙げられる。これら以外の光重合開始剤を用いてもよい。上記光重合開始剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アセトフェノン光重合開始剤の具体例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、及び2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン等が挙げられる。上記ケタール光重合開始剤の具体例としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
上記メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物100重量部に対して、上記活性エネルギー線重合開始剤の含有量は0.05〜10重量部の範囲内であることが好ましい。上記メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物100重量部に対して、上記活性エネルギー線重合開始剤の含有量は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは7.5重量部以下、更に好ましくは5重量部以下である。上記活性エネルギー線重合開始剤の含有量が上記下限以上であると、上記活性エネルギー線重合開始剤を添加した効果を充分に得ることができる。上記活性エネルギー線重合開始剤の含有量が上記上限以下であると、上記硬化性組成物の硬化物の接着力がより一層高くなる。
(硬化性組成物に配合され得る他の成分)
本発明に係る硬化性組成物は、フィラーをさらに含むことが好ましい。フィラーの使用により、上記硬化性組成物の硬化物の潜熱膨張を抑制できる。上記フィラーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記フィラーの具体例としては、シリカ、窒化アルミニウム及びアルミナ等が挙げられる。上記フィラーはフィラー粒子であることが好ましい。上記フィラー粒子の平均粒子径は、0.1〜1.0μmの範囲内にあることが好ましい。上記フィラー粒子の平均粒子径が上記範囲内にある場合には、上記硬化性組成物の硬化物の潜熱膨張をより一層抑制できる。なお、上記「平均粒子径」とは、動的レーザー散乱法によって測定される体積平均径を示す。
上記メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物100重量部に対して、上記フィラーの含有量は50〜900重量部の範囲内であることが好ましい。上記フィラーの含有量が上記範囲内である場合には、上記硬化性組成物の硬化物の潜熱膨張をより一層抑制できる。
上記硬化性組成物は、必要に応じて、溶剤、イオン捕捉剤又はシランカップリング剤をさらに含んでいてもよい。
上記溶剤は特に限定されない。溶剤としては、例えば、酢酸エチル、メチルセロソルブ、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテル等が挙げられる。上記溶剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記シランカップリング剤は特に限定されない。シランカップリング剤としては、例えば、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、イソブチルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン及びイミダゾールシラン等が挙げられる。なかでも、イミダゾールシランが好ましい。上記シランカップリング剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記イオン捕捉剤は特に限定されない。イオン捕捉剤の具体例としては、アルミノケイ酸塩、含水酸化チタン、含水酸化ビスマス、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、ハイドロタルサイト、モリブドリン酸アンモニウム、ヘキサシアノ亜鉛及びイオン交換樹脂等が挙げられる。上記イオン捕捉剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化性組成物は、一液型接着剤として、液晶パネル又は半導体チップ等の接着に用いることができる。上記硬化性組成物は、ペースト状の接着剤であってもよく、フィルム状の接着剤であってもよい。
上記硬化性組成物をフィルム状の接着剤に加工する方法は特に限定されない。例えば、上記硬化性組成物を離型紙等の基材に塗工し、フィルム状の接着剤に加工する方法、又は上記硬化性組成物に溶剤を加え、離型紙等の基材に塗工した後、溶剤を揮発させ、フィルム状の接着剤に加工する方法等が挙げられる。
上記硬化性組成物を硬化させる際に照射する活性エネルギー線には、紫外線、電子線、α線、β線、γ線、X線、赤外線及び可視光線が含まれる。これらの活性エネルギー線のなかでも、硬化性に優れており、かつ硬化物が劣化し難いため、紫外線又は電子線が好ましい。
上記硬化性組成物に紫外線等の光を照射する際に用いる光源は特に限定されない。光源としては、例えば、波長420nm以下に充分な発光分布を有する光源等が挙げられる。また、上記光源の具体例としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯及びメタルハライドランプ等が挙げられる。なかでも、ケミカルランプが好ましい。ケミカルランプは、上記光重合開始剤の活性波長領域の光を効率よく発光するとともに、上記光重合開始剤以外の組成物成分の光吸収波長領域の発光量が少ない。さらに、ケミカルランプの使用により、上記硬化性組成物の内部に存在する上記光重合開始剤まで効率よく光を到達させることができる。
例えば、アセトフェノン基を有する開裂型の光重合開始剤が含まれている場合には、365nm〜420nmの波長領域での光照射強度は、0.1〜100mW/cmの範囲内であることが好ましい。
上記硬化性組成物は、導電性粒子を含んでいてもよい。導電性粒子を含む硬化性組成物は、異方性導電材料として用いることができる。
上記導電性粒子は、例えば回路基板と半導体チップとの電極間を電気的に接続する。上記導電性粒子は、導電性を有する粒子であれば特に限定されない。導電性粒子の導電層の表面が絶縁層又は絶縁性粒子により被覆されていてもよい。この場合には、接続対象部材の接続時に、導電層と電極との間の絶縁層又は絶縁性粒子が排除される。上記導電性粒子としては、例えば、有機粒子、無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子及び金属粒子等の表面を金属層で被覆した導電性粒子、並びに実質的に金属のみで構成される金属粒子等が挙げられる。上記金属層は特に限定されない。上記金属層としては、金層、銀層、銅層、ニッケル層、パラジウム層及び錫を含有する金属層等が挙げられる。
上記導電性粒子の含有量は特に限定されない。上記メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物100重量部に対して、上記導電性粒子の含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上であると、電極同士等をより一層確実に導通させることができる。上記導電性粒子の含有量が上記上限以下であると、導通されてはならない、隣接する電極間の短絡がより一層生じ難くなる。
上記硬化性組成物が液状又はペースト状である場合、上記硬化性組成物の粘度(25℃)は、20000〜100000mPa・sの範囲内であることが好ましい。上記硬化性組成物の粘度が上記範囲内にある場合には、硬化性組成物を容易に塗工できる。また、上記導電性粒子を含む上記硬化性組成物の粘度が低すぎると、導電性粒子が沈降することがあり、粘度が高すぎると、導電性粒子が充分に分散しないことがある。
(硬化性組成物の用途)
本発明に係る硬化性組成物は、様々な接続対象部材を接着するために用いることができる。
上記硬化性組成物は、金属バンプ電極が設けられた第1の接続対象部材と、電極が設けられた第2の接続対象部材とが電気的に接続されている接続構造体を得るのに好適に用いられる。
また、上記硬化性組成物が、導電性粒子を含む異方性導電材料である場合、該異方性導電材料は、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤、異方性導電フィルム、又は異方性導電シート等として使用され得る。異方性導電材料が、異方性導電フィルムや異方性導電シート等のフィルム状の接着剤として使用される場合、該導電性粒子を含有するフィルム状の接着剤に、導電性粒子を含有しないフィルム状の接着剤が積層されていてもよい。
上記異方性導電材料は、第1,第2の接続対象部材が電気的に接続されている接続構造体を得るのに好適に用いられる。
図1に、本発明の一実施形態に係る硬化性組成物を用いた接続構造体の一例を模式的に示す。
図1に示す接続構造体1は、第1の接続対象部材2と、第2の接続対象部材3と、第1,第2の接続対象部材2,3とを電気的に接続している接続部4とを備える。接続部4は、上記硬化性組成物を硬化させることにより形成されている。接続構造体1では、上記硬化性組成物として、導電性粒子5を含む異方性導電材料が用いられている。
第1の接続対象部材2の上面2aに、複数の電極2bが設けられている。第2の接続対象部材3の下面3aに、複数の電極3bが設けられている。電極2bと電極3bとが、導電性粒子5により電気的に接続されている。
上記接続構造体としては、具体的には、回路基板上に、半導体チップ、コンデンサチップ又ダイオードチップ等の電子部品チップが搭載されており、該電子部品チップの電極が、回路基板上の電極と電気的に接続されている接続構造体等が挙げられる。回路基板としては、フレキシブルプリント基板等の様々なプリント基板、ガラス基板、又は金属箔が積層された基板等の様々な回路基板が挙げられる。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例としては、電子部品又は回路基板等の第1の接続対象部材と、電子部品又は回路基板等の第2の接続対象部材との間に上記異方性導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。
上記硬化性組成物は、上記メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を含むため、上記硬化性組成物の硬化物の吸湿性を低くすることができる。さらに、上記硬化性組成物の硬化物の金属に対する接着力を高くすることができる。従って、上記硬化性組成物は、金属バンプ電極が設けられた第1の接続対象部材と、電極が設けられた第2の接続対象部材とが電気的に接続されている接続構造体を得るのにより好適に用いられる。また、上記硬化性組成物は、金属板と、該金属板の少なくとも一方の面に積層された硬化物層とを備える積層体において、該硬化物層を形成するのにも好適に用いられる。
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
実施例及び比較例では、下記の活性エネルギー線重合開始剤、フィラー及び導電性粒子を適宜用いた。
(活性エネルギー線重合開始剤)
光重合開始剤A(チバ社製「DAROCUR TPO」)
光重合開始剤B(チバ社製「IRGUCURE 819」)
光重合開始剤C(チバ社製「IRGUCURE1122」)
(フィラー)
シリカ(平均粒子径0.25μm)
アルミナ(平均粒子径0.5μm)
(導電性粒子)
導電性粒子(ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面にニッケルめっき層が形成されており、かつ該ニッケルめっき層の表面に金めっき層が形成されている金属層を有する)
(実施例1)
実施例1では、下記式(21A)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を合成した。
Figure 0004710038
(1)上記式(61A)で表されるエピスルフィド化合物の合成
上記式(51A)で表されるエポキシ化合物であるレゾルシノールジグリシジルエーテル100重量部と、チオシアン酸カリウム80重量部と、アセトニトリル20重量部と、パラジウム触媒(田中貴金属社製「テトラアンミンパラジウムクロライド」)0.005重量部と、エタノール500重量部と、水50重量部とを混合し、攪拌することにより、エポキシ基をエピスルフィド基に変換させ、上記式(61A)で表されるエピスルフィド化合物を得た。
クロロホルムを溶媒として、得られたエピスルフィド化合物のH−NMRの測定を行った。この結果、エポキシ基の存在を示す6.5〜7.5ppmの領域のシグナルが消え、エピスルフィド基の存在を示す2.0〜3.0ppmの領域にシグナルが現れた。これにより、レゾルシノールジグリシジルエーテルのエポキシ基がエピスルフィド基に変換されていることを確認した。
(2)上記式(21A)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の合成
得られた上記式(61A)で表されるエピスルフィド化合物100重量部と、アクリル酸80重量部と、トルエン100重量部と、ヒドロキノン5重量部と、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド5重量部とを混合し、酸素を投入しながら、100℃に加熱し、上記式(21A)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を得た。
クロロホルムを溶媒として、得られたメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物のH−NMRの測定を行った。この結果、エピスルフィド基の存在を示す2.0〜3.0ppmの領域のシグナルが消え、メルカプト基の存在を示す2.5〜3ppmの領域のシグナルが現れた。また、アクリロイル基の存在を示す4〜6ppmの領域のシグナルが現れた。これにより、上記式(21A)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物が得られていることを確認した。
(3)硬化性組成物の調製
得られた上記式(21A)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物100重量部に、光重合開始剤A(チバ社製「DAROCUR TPO」)0.5重量部を添加し、遊星式攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、硬化性組成物を得た。
(実施例2)
実施例2では、下記式(21B)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を合成した。
Figure 0004710038
(1)上記式(61B)で表されるエピスルフィド化合物の合成
上記式(51A)で表される化合物を、上記式(51B)で表されるエポキシ化合物に変更したこと以外は実施例1の(1)エピスルフィド化合物の合成と同様にして、上記式(61B)で表されるエピスルフィド化合物を得た。
クロロホルムを溶媒として、得られたエピスルフィド化合物のH−NMRの測定を行った。この結果、エポキシ基の存在を示す6.5〜7.5ppmの領域のシグナルが消え、エピスルフィド基の存在を示す2.0〜3.0ppmの領域にシグナルが現れた。これにより、上記式(51B)で表されるエポキシ化合物のエポキシ基がエピスルフィド基に変換されていることを確認した。
(2)上記式(21B)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の合成
上記式(61A)で表されるエピスルフィド化合物を、得られた上記式(61B)で表されるエピスルフィド化合物に変更したこと以外は実施例1の(2)メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の合成と同様にして、上記式(21B)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を得た。
クロロホルムを溶媒として、得られたメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物のH−NMRの測定を行った。この結果、エピスルフィド基の存在を示す2.0〜3.0ppmの領域のシグナルが消え、メルカプト基の存在を示す2.5〜3ppmの領域のシグナルが現れた。また、アクリロイル基の存在を示す4〜6ppmの領域のシグナルが現れた。これにより、上記式(21B)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物が得られていることを確認した。
(3)硬化性組成物の調製
上記式(21A)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を、得られた上記式(21B)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物に変更したこと以外は実施例1の(3)硬化性組成物の調製と同様にして、硬化性組成物を得た。
(実施例3)
実施例3では、下記式(21C)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を合成した。
Figure 0004710038
(1)上記式(61C)で表されるエピスルフィド化合物の合成
上記式(51A)で表される化合物を、上記式(51C)で表されるエポキシ化合物に変更したこと以外は実施例1の(1)エピスルフィド化合物の合成と同様にして、上記式(61C)で表されるエピスルフィド化合物を得た。
クロロホルムを溶媒として、得られたエピスルフィド化合物のH−NMRの測定を行った。この結果、エポキシ基の存在を示す6.5〜7.5ppmの領域のシグナルが消え、エピスルフィド基の存在を示す2.0〜3.0ppmの領域にシグナルが現れた。これにより、上記式(51C)で表されるエポキシ化合物のエポキシ基がエピスルフィド基に変換されていることを確認した。
(2)上記式(21C)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の合成
上記式(61A)で表されるエピスルフィド化合物を、得られた上記式(61C)で表されるエピスルフィド化合物に変更したこと以外は実施例1の(2)メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の合成と同様にして、上記式(21C)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を得た。
クロロホルムを溶媒として、得られたメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物のH−NMRの測定を行った。この結果、エピスルフィド基の存在を示す2.0〜3.0ppmの領域のシグナルが消え、メルカプト基の存在を示す2.5〜3ppmの領域のシグナルが現れた。また、アクリロイル基の存在を示す4〜6ppmの領域のシグナルが現れた。これにより、上記式(21C)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物が得られていることを確認した。
(3)硬化性組成物の調製
上記式(21A)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を、得られた上記式(21C)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物に変更したこと以外は実施例1の(3)硬化性組成物の調製と同様にして、硬化性組成物を得た。
(比較例1)
比較例1では、下記式(101A)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を合成した。
Figure 0004710038
(1)上記式(101A)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の合成
上記式(51A)で表されるエポキシ化合物であるレゾルシノールジグリシジルエーテル100重量部と、アクリル酸80重量部と、トルエン50重量部と、ヒドロキノン5重量部と、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド5重量部とを混合し、酸素を投入しながら、100℃に加熱し、上記式(101A)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を得た。
クロロホルムを溶媒として、得られた水酸基含有(メタ)アクリレート化合物のH−NMRの測定を行った。この結果、エポキシ基の存在を示す6.5〜7.5ppmの領域のシグナルが消え、水酸基の存在を示す2.5〜3.5ppmの領域のシグナルが現れた。また、アクリロイル基の存在を示す4〜6ppmの領域のシグナルが現れた。これにより、上記式(101A)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物が得られていることを確認した。
(2)硬化性組成物の調製
上記式(21A)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を、得られた上記式(101A)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物に変更したこと以外は実施例1の(3)硬化性組成物の調製と同様にして、硬化性組成物を得た。
(比較例2)
比較例2では、下記式(101B)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を合成した。
Figure 0004710038
(1)上記式(101B)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の合成
上記式(51A)で表されるエポキシ化合物を、上記式(51B)で表されるエポキシ化合物に変更したこと以外は比較例1と同様にして、上記式(101B)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を得た。
クロロホルムを溶媒として、得られた水酸基含有(メタ)アクリレート化合物のH−NMRの測定を行った。この結果、エポキシ基の存在を示す6.5〜7.5ppmの領域のシグナルが消え、水酸基の存在を示す2.5〜3.5ppmの領域のシグナルが現れた。また、アクリロイル基の存在を示す4〜6ppmの領域のシグナルが現れた。これにより、上記式(101B)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物が得られていることを確認した。
(2)硬化性組成物の調製
上記式(21A)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を、得られた上記式(101B)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物に変更したこと以外は実施例1の(3)硬化性組成物の調製と同様にして、硬化性組成物を得た。
(比較例3)
比較例3では、下記式(101C)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を合成した。
Figure 0004710038
(1)上記式(101C)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の合成
上記式(51A)で表されるエポキシ化合物を、上記式(51C)で表されるエポキシ化合物に変更したこと以外は比較例1と同様にして、上記式(101C)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を得た。
クロロホルムを溶媒として、得られた水酸基含有(メタ)アクリレート化合物のH−NMRの測定を行った。この結果、エポキシ基の存在を示す6.5〜7.5ppmの領域のシグナルが消え、水酸基の存在を示す2.5〜3.5ppmの領域のシグナルが現れた。また、アクリロイル基の存在を示す4〜6ppmの領域のシグナルが現れた。これにより、上記式(101C)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物が得られていることを確認した。
(2)硬化性組成物の調製
上記式(21A)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を、得られた上記式(101C)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物に変更したこと以外は実施例1の(3)硬化性組成物の調製と同様にして、硬化性組成物を得た。
(実施例1〜3及び比較例1〜3の評価)
(1)吸湿性
HOYA社製のLEDスポットUV装置を用いて、375nmの光を光照射強度1500mW/cmで5秒間、得られた硬化性組成物に照射し、硬化性組成物を硬化させ、硬化性組成物のフィルム状の硬化物(縦6mm×横6mm×厚さ1mm)を得た。得られた硬化物を80℃及び相対湿度85%の条件で24時間放置した。JIS K7209に準拠した方法により、放置前後の硬化物の重量変化を求めることにより、吸湿性を評価した。重量変化が小さいほど、吸湿性が低いことを示す。
(2)接着力
ITO電極が上面に設けられた透明ガラス基板を用意した。また、金バンプ電極が下面に設けられた半導体チップを用意した。
上記透明ガラス基板上に、得られた硬化性組成物を厚さ30μmとなるように塗工し、硬化性組成物層を形成した。次に、硬化性組成物層上に上記半導体チップを、電極同士が互いに対向するように積層した。その後、HOYA社製のLEDスポットUV装置を用いて、375nmの光を光照射強度1500mW/cmで5秒間、硬化性組成物層に照射し、硬化性組成物層を硬化させ、接続構造体を得た。
Days社製の万能ボンドテスターシリーズ4000を用いて、得られた接続構造体のシェア強度を測定することにより、接着力を評価した。
結果を下記の表1に示す。
Figure 0004710038
(実施例4〜12)
下記の表2に示す種類の式(31)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物に相当するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を合成した。得られたメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を用いたこと以外は実施例1の(3)硬化性組成物の調製と同様にして、硬化性組成物を得た。
なお、実施例4〜6では、実施例1〜3の(2)メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の合成の際に、アクリル酸をメタクリル酸に変更した。実施例7〜12では、実施例1の(1)式(61A)で表されるエピスルフィド化合物の合成の際に、レゾルシノールジグリシジルエーテルにかえて、上記式(71A)〜(71C)で表されるエポキシ化合物であって、式(71A)〜(71C)中のR3及びR4がそれぞれ、n−プロピレン基(n−C)又はn−ペンチレン基(n−C10)であるエポキシ化合物を適宜用いた。
(実施例13〜19)
下記の表3に示す組成を有する硬化性組成物を調製した。実施例13〜19では、実施例1〜3で得られた上記式(21A)〜(21C)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物と、上述した光重合開始剤、上述したフィラーと、上述した導電性粒子とを適宜用いた。
(実施例20)
(1)エピスルフィド化合物の合成
実施例1の(1)式(61A)で表されるエピスルフィド化合物の合成の際に、チオシアン酸カリウムの使用量を少なくし、転化率を調整して、上記式(51A)で表されるエポキシ化合物と、上記式(62A)で表されるエポキシ基含有エピスルフィド化合物と、上記式(61A)で表されるエピルスフィド化合物との混合物X1を得た。得られた混合物X1全体におけるエポキシ基のエピスルフィド基への転化率は50%であった。すなわち、得られた混合物X1におけるエポキシ基とエピスルフィド基との数の比(エポキシ基:エピスフィド基)は1:1であった。
(2)メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の合成
上記式(61A)で表されるエピスルフィド化合物を、得られた上記混合物X1に変更したこと以外は実施例1の(2)メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の合成と同様にして、上記式(101A)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物と、下記式(22A)で表される水酸基及びメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物と、上記式(21A)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物との混合物Y1を得た。
Figure 0004710038
(3)硬化性組成物の調製
上記式(21A)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を、得られた上記混合物Y1に変更したこと以外は実施例1の(3)硬化性組成物の調製と同様にして、硬化性組成物を得た。
(実施例21)
(1)エピスルフィド化合物の合成
実施例2の(1)式(61B)で表されるエピスルフィド化合物の合成の際に、チオシアン酸カリウムの使用量を少なくし、転化率を調整して、上記式(51B)で表されるエポキシ化合物と、上記式(62B)で表されるエポキシ基含有エピスルフィド化合物と、上記式(61B)で表されるエピルスフィド化合物との混合物X2を得た。得られた混合物X2全体におけるエポキシ基のエピスルフィド基への転化率は50%であった。すなわち、得られた混合物X2におけるエポキシ基とエピスルフィド基との数の比(エポキシ基:エピスフィド基)は1:1であった。
(2)メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の合成
上記式(61B)で表されるエピスルフィド化合物を、得られた上記混合物X2に変更したこと以外は実施例2の(2)メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の合成と同様にして、上記式(101B)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物と、下記式(22B)で表される水酸基及びメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物と、上記式(21B)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物との混合物Y2を得た。
Figure 0004710038
(3)硬化性組成物の調製
上記式(21A)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を、得られた上記混合物Y2に変更したこと以外は実施例1の(3)硬化性組成物の調製と同様にして、硬化性組成物を得た。
(実施例22)
(1)エピスルフィド化合物の合成
実施例3の(1)式(61C)で表されるエピスルフィド化合物の合成の際に、チオシアン酸カリウムの使用量を少なくし、転化率を調整して、上記式(51C)で表されるエポキシ化合物と、上記式(62C)で表されるエポキシ基含有エピスルフィド化合物と、上記式(61C)で表されるエピルスフィド化合物との混合物X3を得た。得られた混合物X3全体におけるエポキシ基のエピスルフィド基への転化率は50%であった。すなわち、得られた混合物X3におけるエポキシ基とエピスルフィド基との数の比(エポキシ基:エピスフィド基)は1:1であった。
(2)メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の合成
上記式(61C)で表されるエピスルフィド化合物を、得られた上記混合物X3に変更したこと以外は実施例3の(2)メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物の合成と同様にして、上記式(101C)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物と、下記式(22C)で表される水酸基及びメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物と、上記式(21C)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物との混合物Y3を得た。
Figure 0004710038
(3)硬化性組成物の調製
上記式(21A)で表されるメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物を、得られた上記混合物Y3に変更したこと以外は実施例1の(3)硬化性組成物の調製と同様にして、硬化性組成物を得た。
(実施例4〜22の評価)
実施例4〜22の硬化性組成物について、実施例1〜3及び比較例1〜3と同様の評価項目について評価を実施した。
結果を下記の表2〜3に示す。但し、下記の表2〜3では、吸湿性及び接着力の評価結果は、下記の判定基準で判定した結果を示した。
[吸湿性の判定基準]
○○:重量変化が1.5%未満
○:重量変化が1.5%以上、2.5%未満
△:重量変化が2.5%以上、3.5%未満
×:重量変化が3.5%以上
[接着力の判定基準]
○○:シェア強度が、800N/cm以上
○:シェア強度が、675N/cm以上、800N/cm未満
△:シェア強度が、550N/cm以上、675N/cm未満
×:シェア強度が、550N/cm未満
Figure 0004710038
Figure 0004710038
1…接続構造体
2…第1の接続対象部材
2a…上面
2b…電極
3…第2の接続対象部材
3a…下面
3b…電極
4…接続部
5…導電性粒子

Claims (7)

  1. メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物と、活性エネルギー線重合開始剤とを含み、
    前記メルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物が、下記式(31)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物である、硬化性組成物。
    Figure 0004710038
    前記式(31)中、R1及びR2はそれぞれ、水素又はメチル基を表し、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Xは、下記式(11)〜(13)の内のいずれかで表される基を表す。上記式(31)中、Z1及びZ2はいずれもメルカプト基を表すか、又はZ1はメルカプト基かつZ2は水酸基を表す。
    Figure 0004710038
    Figure 0004710038
    Figure 0004710038
  2. 前記式(31)中のZ1及びZ2がいずれもメルカプト基である、請求項に記載の硬化性組成物。
  3. 前記式(31)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物が、下記式(1)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物である、請求項に記載の硬化性組成物。
    Figure 0004710038
    前記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、水素又はメチル基を表し、Xは、前記式(11)〜(13)の内のいずれかで表される基を表す。
  4. 第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、該第1,第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、
    前記接続部が、請求項1〜のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させることにより形成されている、接続構造体。
  5. 下記式(31)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物。
    Figure 0004710038
    前記式(31)中、R1及びR2はそれぞれ、水素又はメチル基を表し、R3及びR4はそれぞれ、炭素数1〜5のアルキレン基を表し、Xは、下記式(11)〜(13)の内のいずれかで表される基を表す。上記式(31)中、Z1及びZ2はいずれもメルカプト基を表すか、又はZ1はメルカプト基かつZ2は水酸基を表す。
    Figure 0004710038
    Figure 0004710038
    Figure 0004710038
  6. 前記式(31)中のZ1及びZ2がいずれもメルカプト基である、請求項に記載のメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物。
  7. 下記式(1)で表される構造を有するメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物である、請求項に記載のメルカプト基含有(メタ)アクリレート化合物。
    Figure 0004710038
    前記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、水素又はメチル基を表し、Xは、前記式(11)〜(13)の内のいずれかで表される基を表す。
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