JP5470756B2 - 1,4−ナフタレンジエーテル誘導体及びその製造方法並びに該1,4−ナフタレンジエーテル誘導体を含有する光重合性組成物 - Google Patents
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Description
次に本発明の一般式(1)で示される1,4−ナフタレンジエーテル誘導体の製造方法について説明する。本発明の一般式(1)で示される1,4−ナフタレンジエーテル誘導体は、二種類の製造方法がある。すなわち、一般式(3)に示される4−置換−1−ナフトール誘導体をグリシジル化し一般式(2)に示される4−置換−1−グリシジルオキシナフタレン誘導体とした後、アクリル化またはメタクリル化する二段階製造法と、一般式(3)に示される4−置換−1−ナフトール誘導体をグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートと反応させて得る一段階製造法である。
本発明の光重合開始剤組成物は、光重合増感剤として前記一般式(1)で示される1,4−ナフタレンジエーテル誘導体と光重合開始剤によって構成される。光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド類、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス−(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどのハロゲン化炭化水素誘導体、2,2‘−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5‘−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールなどのヘキサアリールビイミダゾール類等が挙げられる。有機合成化学協会誌66,458(2008)等公知文献に紹介されている光重合開始剤も用いることができる。具体的には、市場より、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製イルガキュア184、イルガキュアはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の登録商標)、(2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパノン)(イルガキュア907)、またビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(イルガキュア819 )等のアシルホスフィンオキサイド化合物;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(イルガキュア784)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(BASF社製ルシリンTPO、ルシリンはBASF社の登録商標)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティケミカルズ社製DAROCUR TRO)、等のチタノセン化合物;6,12−ビス(トリメチルシリルオキシ)−1,11−ナフタセンキノン等のナフタセンキノン化合物等を容易に入手出来る。
本発明の光重合性組成物は、前述の光重合開始剤組成物と、カチオン重合性化合物及び/又はラジカル重合性化合物とを含有する。
一方、1,4−ナフタレンジエーテル誘導体をラジカル重合性化合物として用いる場合は、1,4−ナフタレンジエーテル誘導体、光重合開始剤、及び必要に応じて1,4−ナフタレンジエーテル誘導体以外のラジカル重合性化合物により光重合性組成物を調整することができる。1,4−ナフタレンジエーテル誘導体をラジカル重合性化合物として使用することにより、条件によっては、自らが増感剤としても働き、照射された光エネルギーを光重合開始剤に伝える役目をしている。
本発明の光重合性組成物はフィルム状やシート状に成形して硬化させたり、塊状で硬化させることもできる。例えば、フィルム状に硬化させる場合では、ポリエステルの基材上にバーコーターを使用して光重合性組成物を塗布した後、活性エネルギー線を照射して硬化させる。活性エネルギー線としては、紫外線又は可視光線が好ましい。光源としては、300〜400nmの波長範囲の紫外線を照射できるものであればよく、例えばメタルハライドランプ、キセノンランプ、紫外線LED、青色LED,白色LED、フュージョン社製のDランプ、Vランプ等を使用することができる。また、太陽光を使用することもできる。特に300〜400nmの波長範囲の紫外線を高い出力で照射できる高圧水銀ランプが好ましい。
(1)融点:ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式MFB−595(JIS K0064に準拠)
(2)赤外線(IR)分光光度計:日本分光社製、型式IR−810
(3)核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式GSX FT NMR Spectorometer
(4)Massスペクトル:島津製作所社製、質量分析計、型式GCMS−QP5000
窒素雰囲気下、滴下ロート、冷却管、温度計を備えた反応器に4−メトキシ−1−ナフトール30.0g(172ミリモル)を加えた後、エピクロロヒドリン63.7g(688ミリモル)、メタノール24.3gを加えて攪拌した。室温(20℃)で水酸化ナトリウム25.8gの40重量%水溶液を1時間かけて滴下した。このとき反応器内の温度は60℃を越えないようにコントロールした。さらに1時間攪拌後、20℃まで冷却し、メチルイソブチルケトン50g、水30gを加えて2層に分離させ、水層を抜き出してさらに水30gで有機層を洗浄した。有機層のメチルイソブチルケトン、未反応のエピクロロヒドリンを減圧留去して褐色液体38.1gを得た。この褐色液体にメタノール120g加えて攪拌し、2時間還流させた後、これを20℃まで冷却した。すると、結晶が析出したので、これを濾過、乾燥し、銀灰色の4−メトキシ−1−グリシジルオキシナフタレン30.6g(133ミリモル)を得た。単離収率は77.3モル%であった。
1H−NMR(CDCl3,ppm):δ=0.30(s,9H),7.36−7.43(m,4H)8.14−8.21(m,4H).
IR(KBr,cm−1):3076,2960,1384,1260,1180,1080,880,840,762,703,652,515.
Massスペクトル:(EI−MS)m/z=436(M+).
窒素気流下、攪拌機、温度計を備えた300ml三つ口フラスコに実施例1で合成した4−メトキシ−1−グリシジルオキシナフタレン10g(43.5ミリモル)、メタクリル酸7.5g(87.2ミリモル)、触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド700mg、重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(以下、TEMPOと略す)7mgを入れ、溶媒としてメチルイソブチルケトン50mlを加えた。この混合液を100℃まで加熱して、100℃で3時間攪拌した。その後、反応液を20℃まで冷却し、反応液を酢酸エチル30mlで抽出し、有機層(酢酸エチル層)を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30gで3回洗浄し、過剰のメタクリル酸を除去した。次いで、有機層を水30gで1回洗浄した後、有機層をロータリーエバポレーターで留去し、褐色の液体11.5gを得た。この液体を高速液体クロマトグラフィで純度を分析した結果、二本のメインピークがあり、二種の化合物の混合物であることが判明した。その二種の化合物をA1とB1と仮に称する。クロマトグラム上のピーク面積比から、化合物A1が21.8重量%、化合物B1が74.7重量%であった。
1H−NMR(CDCl3,ppm):δ=1.97(s,3H),2.71(bs,1H),3.96(s,3H)、4.18(d,2H)、4.37−4.52(m,3H)、5.61(s,1H)、6.17(s,1H)、6.70(dd,2H)、7.48−7.55(m,2H)、8.12−8.27(m,2H).
IR(KBr,cm−1):3500,2960,1698,1638,1605,1470,1400,1280,1245,1170,1105,1025,960,770.
Massスペクトル:(EI−MS)m/z=316(M+).
IR(KBr,cm−1):3450,2960,2940,1720,1630,1598,1465,1390,1275,1160,1100,808,763.
Massスペクトル:(EI−MS)m/z=316(M+).
窒素気流下、攪拌機、温度計を備えた300ml三つ口フラスコに4−メトキシ−1−ナフトール5.0g(28.7ミリモル)、グリシジルメタクリレート12.2g(85.9ミリモル)、触媒としてテトラブチルホスホニウムブロマイド150mg、溶媒としてメチルイソブチルケトン20mlを加えた。この混合液を100℃まで加熱して、100℃で3時間攪拌した。その後、反応液を20℃まで冷却し、反応液を酢酸エチル15mlで抽出し、有機層(酢酸エチル層)を水20gで1回洗浄した後、有機層をロータリーエバポレーターで留去し、黒色の油状物を15.2g得た。その後、この油状物にヘキサン50gを加え、過剰のグリシジルメタクリレートを除去し、黒褐色の油状物を8.4g(26.6ミリモル)得た。高速液体クロマトグラフィで純度を分析したところ、二本のメインピークがあり、二種の化合物の混合物であることが判明した。その二種の化合物をA2とB2と仮に称する。クロマトグラム上のピーク面積比から、化合物A2が12.6重量%、化合物B2が66.2重量%であった。
1H−NMR(CDCl3,ppm):δ=1.97(s,3H),2.71(bs,1H),3.96(s,3H)、4.18(d,2H)、4.37−4.52(m,3H)、5.61(s,1H)、6.17(s,1H)、6.70(dd,2H)、7.48−7.55(m,2H)、8.12−8.27(m,2H).
IR(KBr,cm−1):3500,2960,1698,1638,1605,1470,1400,1280,1245,1170,1105,1025,960,770.
Massスペクトル:(EI−MS)m/z=316(M+).
IR(KBr,cm−1):3450,2960,2940,1720,1630,1598,1465,1390,1275,1160,1100,808,763.
Massスペクトル:(EI−MS)m/z=316(M+).
窒素気流下、攪拌機、温度計を備えた300ml三つ口フラスコに実施例1で合成した4−メトキシ−1−グリシジルオキシナフタレン10g(43.5ミリモル)、アクリル酸6.3g(87.5ミリモル)、触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド980mg、重合禁止剤としてTEMPO10mgを入れ、溶媒としてメチルイソブチルケトン50mlを加えた。この混合液を100℃まで加熱して、100℃で3.5時間攪拌した。その後、反応液を20℃まで冷却し、反応液を酢酸エチル30mlで抽出し、有機層(酢酸エチル層)を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30gで3回洗浄し、過剰のメタクリル酸を除去した。次いで、有機層を水30gで1回洗浄した後、有機層をロータリーエバポレーターで留去し、褐色の液体12.3gを得た。この液体を高速液体クロマトグラフィで純度を分析した結果、二本のメインピークがあり、二種の化合物の混合物であることが判明した。その二種の化合物をA3とB3と仮に称する。クロマトグラム上のピーク面積比から、化合物A3が20.6重量%、化合物B3が74.6重量%であった。
1H−NMR(CDCl3,ppm):δ=2.66(d,1H),3.95(s,3H),4.18(d,2H)、4.37−4.56(m,3H)、5.89(d,1H)、6.18(dd,1H)、6.47(d,1H)、6.72(dd,2H)、7.48−7.57(m,2H)、8.11−8.26(m,2H).
IR(KBr,cm−1):3420,2930,2500,1703,1640,1600,1462,1420,1280,1220,1110,1096,1080,800,760.
Massスペクトル:(EI−MS)m/z=302(M+).
IR(KBr,cm−1):3450,2950,1730,1635,1600,1462,1410,1390,1280,1195,1100,810,770.
Massスペクトル:(EI−MS)m/z=302M+).
トリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、4−メチルフェニル−4−イソブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:商品名「イルガキュア250」)2重量部、実施例3で単離した4−メトキシ−1−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレン0.5重量部を加え、均一な光重合性組成物を調整した。この光重合性組成物をバーコーターを使用してポリエステルフィルム(東レ株式会社:商品名「ルミラー」膜厚100μm、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に膜厚12μmになるように塗布した。次に窒素雰囲気下、ポリエステルフィルムの塗布表面に高圧水銀ランプ(照射光の中心波長:460nm、1W、照射高さ1cm)を使用して光照射した。光照射してから光重合性組成物を塗布したポリエステルフィルム表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は7分であった。
脂環式エポキシ化合物(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製:商品名「UVR−6105」)100重量部、4−メチルフェニル−4−イソブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:商品名「イルガキュア250」)2重量部、実施例3で単離した4−メトキシ−1−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレン0.5重量部を加え、均一な光重合性組成物を調整した。この光重合性組成物をバーコーターを使用してポリエステルフィルム(東レ株式会社:商品名「ルミラー」膜厚100μm)上に膜厚12μmになるように塗布した。次に窒素雰囲気下、ポリエステルフィルムの塗布表面に高圧水銀ランプ(照射光の中心波長:460nm、1W、照射高さ1cm)を使用して光照射した。光照射してから光重合性組成物を塗布したポリエステルフィルム表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は7分であった。
光重合増感剤として1,4−ジエトキシナフタレンをトリメチロールプロパンアクリレート100重量部に対して0.5重量部を使用した以外は実施例5と同様に光重合性組成物を調整し、該光重合性組成物をポリエステルフィルム(東レ株式会社:商品名「ルミラー」膜厚100μm)上に膜厚12μmになるように塗布した。次に窒素雰囲気下、ポリエステルフィルムの塗布表面に高圧水銀ランプ(照射光の中心波長:460nm、1W、照射高さ1cm)を使用して光照射した。光照射してから光重合性組成物を塗布したポリエステルフィルム表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は8分であった。
光重合増感剤を無添加にした以外は実施例5と同様に光重合性組成物を調整し、該光重合性組成物をポリエステルフィルム(東レ株式会社:商品名「ルミラー」膜厚100μm)上に膜厚12μmになるように塗布した。次に窒素雰囲気下、ポリエステルフィルムの塗布表面に高圧水銀ランプ(照射光の中心波長:460nm、1W、照射高さ1cm)を使用して光照射した。光照射してから光重合性組成物を塗布したポリエステルフィルム表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)を測定したが、30分経過しても硬化しなかった。
光重合増感剤として1,4−ジエトキシナフタレンを脂環式エポキシ化合物100重量部に対して0.5重量部を使用した以外は実施例6と同様に光重合性組成物を調整し、該光重合性組成物をバーコーターを使用してポリエステルフィルム(東レ株式会社:商品名「ルミラー」膜厚100μm)上に膜厚12μmになるように塗布した。次に窒素雰囲気下、ポリエステルフィルムの塗布表面に高圧水銀ランプ(照射光の中心波長:460nm、1W、照射高さ1cm)を使用して光照射した。光照射してから光重合性組成物を塗布したポリエステルフィルム表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は8分であった。
光重合増感剤を無添加にした以外は実施例6と同様に光重合性組成物を調整し、該光重合性組成物をポリエステルフィルム(東レ株式会社:商品名「ルミラー」膜厚100μm)上に膜厚12μmになるように塗布した。次に窒素雰囲気下、ポリエステルフィルムの塗布表面に高圧水銀ランプ(照射光の中心波長:460nm、1W、照射高さ1cm)を使用して光照射した。光照射してから光重合性組成物を塗布したポリエステルフィルム表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)を測定したが、30分経過しても硬化しなかった。
実施例4と同様に、トリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、4−メチルフェニル−4−イソブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:商品名「イルガキュア250」)2重量部、実施例3で単離した4−メトキシ−1−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレン0.5重量部を加え、均一な光重合性組成物を調整した。この光重合性組成物をバーコーターを使用してポリエステルフィルム(東レ株式会社:商品名「ルミラー」膜厚100μm)上に膜厚12μmになるように塗布して実施例6と同様の方法で硬化させた。硬化後のポリエステルフィルムを200℃のオーブンに入れ、10分後にポリエステルフィルムを取り出し、UVスペクトルを測定した。UVスペクトルにおいて、4−メトキシ−1−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレンに起因する330nmの吸収強度を測定し、オーブンで加熱する前後の吸収強度の差から光重合増感剤として添加した4−メトキシ−1−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレンの昇華率を測定した。その結果、4−メトキシ−1−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレンは6%が昇華していた。
比較例1と同様に、トリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、4−メチルフェニル−4−イソブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:商品名「イルガキュア250」)2重量部、1,4−ジエトキシナフタレン0.5重量部を加え、均一な光重合性組成物を調整した。この光重合性組成物をバーコーターを使用してポリエステルフィルム(東レ株式会社:商品名「ルミラー」膜厚100μm)上に膜厚12μmになるように塗布して実施例6と同様の方法で硬化させた。硬化後のポリエステルフィルムを200℃のオーブンに入れ、10分後にポリエステルフィルムを取り出しUVスペクトルを測定した。UVスペクトルにおいて、1,4−ジエトキシナフタレンに起因する330nmの吸収強度を測定し、オーブンで加熱する前後の吸収強度の差から光重合増感剤として添加した1,4−ジエトキシナフタレンの昇華率を測定した。その結果、1,4−ジエトキシナフタレンは59%が昇華していた。
実施例5と同様に、脂環式エポキシ化合物100重量部、4−メチルフェニル−4−イソブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:商品名「イルガキュア250」)2重量部、実施例3で単離した4−メトキシ−1−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレン0.5重量部を加え、均一な光重合性組成物を調整した。この光重合性組成物をバーコーターを使用してポリエステルフィルム(東レ株式会社:商品名「ルミラー」膜厚100μm)上に膜厚12μmになるように塗布して実施例6と同様の方法で硬化させた。硬化後のポリエステルフィルムを200℃のオーブンに入れ、10分後にポリエステルフィルムを取り出し、塗布面の光重合性組成物の一部をスパチュラで掻き取り、それのUVスペクトルを測定した。UVスペクトルにおいて、4−メトキシ−1−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレンに起因する330nmの吸収強度を測定し、オーブンで加熱する前後の吸収強度の差から光重合増感剤として添加した4−メトキシ−1−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレンの昇華率を測定した。その結果、4−メトキシ−1−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレンは5%が昇華していた。
比較例3と同様に、脂環式エポキシ化合物100重量部、4−メチルフェニル−4−イソブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:商品名「イルガキュア250」)2重量部、1,4−ジエトキシナフタレン0.5重量部を加え、均一な光重合性組成物を調整した。この光重合性組成物をバーコーターを使用してポリエステルフィルム(東レ株式会社:商品名「ルミラー」膜厚100μm)上に膜厚12μmになるように塗布して実施例6と同様の方法で硬化させた。硬化後のポリエステルフィルムを200℃のオーブンに入れ、10分後にポリエステルフィルムを取り出し、塗布面の光重合性組成物の一部をスパチュラで掻き取り、それのUVスペクトルを測定した。UVスペクトルにおいて、1,4−ジエトキシナフタレンに起因する330nmの吸収強度を測定し、オーブンで加熱する前後の吸収強度の差から光重合増感剤として添加した1,4−ジエトキシナフタレンの昇華率を測定した。その結果、1,4−ジエトキシナフタレンは55%が昇華していた。
光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:商品名「イルガキュア819」)を1重量部、ラジカル重合性化合物として4−メトキシ−1−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレンを100重量部、トリメチロールプロパントリアクリレートを50重量部配合した光重合性組成物を調整した。この光重合性組成物をバーコーターを使用してポリエステルフィルム(東レ株式会社:商品名「ルミラー」膜厚100μm)上に膜厚12μmになるように塗布した。次いで、窒素雰囲気下でポリエステルフィルムの塗布表面に高圧水銀ランプ(照射光の中心波長:366nm、1W、照射高さ1cm)を使用して光照射した。光照射してから光重合性組成物を塗布したポリエステルフィルム表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は2分であった。次に、塗布面にナイフで1cm画の筋を入れ、粘着テープ(商品名:セロテープ(登録商標)、ニチバン社製)を塗布面に空気が残らないように貼り付けた。5分後、粘着テープを剥がし、フィルム状の塗布面の塗布物が剥がれたか否かにより、塗布物の密着性を評価した。その結果を表3に示す。
ラジカル重合性化合物として、4−メトキシ−1−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)ナフタレンを100重量部、トリメチロールプロパントリアクリレートを50重量部使用した以外は実施例9と同様の方法で光重合性組成物を調整し、ポリエステルフィルム上にバーコーターを使用して塗布し、光照射した。光照射してから光重合性組成物を塗布したポリエステルフィルム表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は2分であった。次に、実施例9と同様に粘着テープを貼り付けた。5分後、粘着テープを剥がし、フィルム状の塗布面の塗布物が剥がれたか否かにより、塗布物の密着性を評価した。その結果を表3に示す。
ラジカル重合性化合物として、4−メトキシ−1−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)ナフタレン(特開2008−1640号の実施例4に記載の化合物)を100重量部、トリメチロールプロパントリアクリレートを50重量部使用した以外は実施例9と同様の方法で光重合性組成物を調整し、ポリエステルフィルム上にバーコーターを使用して塗布し、光照射した。光照射してから光重合性組成物を塗布したポリエステルフィルム表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は1分であった。次に、実施例9と同様に粘着テープを貼り付けた。5分後、粘着テープを剥がし、フィルム状の塗布面の塗布物が剥がれたか否かにより、塗布物の密着性を評価した。その結果を表3に示す。
Claims (11)
- 下記一般式(1)で示される1,4−ナフタレンジエーテル誘導体。
(一般式(1)において、Z 1 は水素原子を示し、Z 2 は(メタ)アクリロイル基を示し、R1は、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基から選ばれる一種又は二種以上の置換基を有してもよいアルキル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基のいずれかを示す。) - 下記一般式(2)で示される4−置換−1−グリシジルオキシナフタレン誘導体と、アクリル酸又はメタクリル酸とを反応させることを特徴とする請求項1に記載の1,4−ナフタレンジエーテル誘導体の製造方法。
(一般式(2)において、R1は、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基から選ばれる一種又は二種以上の置換基を有してもよいアルキル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基のいずれかを示す。) - 下記一般式(3)で示される4−置換−1−ナフトール誘導体と、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートとを反応させることを特徴とする請求項1に記載の1,4−ナフタレンジエーテル誘導体の製造方法。
(一般式(3)において、R1は、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基から選ばれる一種又は二種以上の置換基を有してもよいアルキル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基のいずれかを示す。) - 少なくとも、請求項1に記載の1,4−ナフタレンジエーテル誘導体を有効成分として含有する光重合増感剤。
- 請求項4に記載の光重合増感剤と光重合開始剤を含有する光重合開始剤組成物。
- 光重合開始剤がオニウム塩である、請求項5に記載の光重合開始剤組成物。
- 請求項5又は請求項6に記載の光重合開始剤組成物と、カチオン重合性化合物及び/又はラジカル重合性化合物を含有する光重合性組成物。
- 光重合開始剤及びラジカル重合性化合物として請求項1に記載の1,4−ナフタレンジエーテル誘導体を含有する光重合性組成物。
- 光重合開始剤及びラジカル重合性化合物として請求項1に記載の1,4−ナフタレンジエーテル誘導体を含有し、さらに当該1,4−ナフタレンジエーテル誘導体以外のラジカル重合性化合物を含有する光重合性組成物。
- 請求項7〜9のいずれか一項に記載の光重合性組成物を活性エネルギー線の照射により硬化させることを特徴とする硬化方法。
- 請求項7〜9のいずれか一項に記載の光重合性組成物を活性エネルギー線の照射により硬化させた硬化物。
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