JP4452037B2 - 新規な脂環式ビニルエーテル - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な脂環式ビニルエーテルに関し、更に詳しくは、光学材料、電気・電子材料用の樹脂原料に用いて好適な、新規な脂環式ビニルエーテルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂などの重合性組成物は、インキ、塗料、接着剤、レジスト、製版材、封止剤、フィルム及びコーティング剤などの様々な分野で使用されている。
【0003】
特に、ジシクロペンタジエンの誘導体としてのアクリレート類及びエポキシド類については、光学材料分野においては透明性接着剤、コーティング及び光導波路用樹脂等の原料として、又、電気電子材料分野においては半導体封止剤、絶縁コーティング等の樹脂原料として、その使用が検討されている。
【0004】
一般に、ジシクロペンタジエンの誘導体としてのアクリレート類は、脂環骨格を有するために剛直な構造や透明性を有しており、このようなアクリレート類の製造方法としては、例えば、トリシクロペンタデカンジメタノ−ルとアクリル酸及びメタアクリル酸のエステル化物であるジメチロ−ルトリシクロペンタデカンジ(メタ)アクリレートのラジカル重合体とその製造方法、或いはペンタシクロペンタデカンジメタノ−ルとアクリル酸及びメタクリル酸のエステル化物であるペンタシクロペンタデカンジメチルジ(メタ)アクリレートのラジカル重合体とこれらの製造方法が、特開昭61−174208号公報、特開昭61−287913号公報、特開昭63−175010号公報、特開平01−168712号公報に挙げられている。
【0005】
又、上記のジ(メタ)アクリレートラジカル重合体の用途として、特開平11−92546号公報には保存安定性に優れ、室温での硬化が可能な樹脂組成物が、特開平10−120739号公報には寸法安定性、耐熱性、透明性に優れる成型品を製造可能な光硬化性樹脂組成物が、更に特開平7−330836号公報には光ディスク保護コ−ト剤として使用される、大気下で硬化可能な組成物等が挙げられている。
【0006】
しかしながら、近年、アクリル系モノマーに対しては、皮膚刺激性や臭気性が強く、作業性、環境上の問題のあること、及び、従来のアクリル系化合物は、吸湿性を有するために、樹脂材料として使用する際には寸法安定性に問題のあることが、ますます指摘されるようになり、これらのアクリル系化合物の欠点を改善する上で、ビニルエーテル系化合物が注目されるようになった。
【0007】
例えば、トリシクロデカンジメタノールから誘導される多官能性ジビニルエーテル類、及びその重合性化合物、或いは、トリシクロデカンから誘導される脂環式ビニルエーテル化合物及びその製造方法が、特開平10−25262号公報、特開2002−003429号公報に挙げられている。
【0008】
一般に、ビニルエーテルは、カチオン重合性でその硬化速度が速いこともあり、上記アクリル系化合物の種々の欠点を改善することができる。しかしながら、ビニルエーテルはアクリル系化合物に比べてその種類が少なく、市場のニーズに十分対応できていないのが現状である。
【0009】
しかしながら、近々の技術の進歩に伴って、光学材料、特にディスク用樹脂材料、電気・電子材料分野における樹脂の要求性能も高度化しており、利用分野の広がりと相俟って、一部の分野では、従来からの上記のアクリレ−ト系化合物の有する、剛直な構造、低複屈折及び光透過性を利点として認めつつも、吸湿時の寸法安定性及び作業上の問題から、アクリレ−ト系化合物を採用することができなくなってきている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術の難点を解消し、光学材料分野における波長の短波長への変遷と透明性への要求、或いは、電気・電子材料分野における高速化と高密度化への要求に対応し、更には、従来からのアクリル化合物の吸湿性の問題を改善した化合物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、従来よりも大きい脂環骨格から、疎水性が高いため、吸湿性が低く寸法安定性に優れ、又、その嵩高さから耐熱性、ビニルエーテル基による金属等への優れた密着性が期待できる樹脂を見い出し、更に研究を重ねて、新規の脂環式のビニルエ−テルを開発し、本発明を完成させた。
【0012】
すなわち、本発明は、式
【化5】
Figure 0004452037
{Xは、-(CH2)n-OR1(Rはビニル基又は水素を、nは0又は1をそれぞれ示す。)を示し、Yは、-(CH2)n-OR2(Rはビニル基又は水素を、nは0又は1をそれぞれ示す。)又は水素を示す(但し、R及びRの少なくとも一方はビニル基を示す。)。}
で表されることを特徴とするか、或いは、式
【化6】
Figure 0004452037
{Xは、-(CH2)n-OR3(Rはビニル基を、nは0又は1をそれぞれ示す。)又は水素を示し、Yは、-(CH2)n-OR4(Rはビニル基又は水素を、nは0又は1をそれぞれ示す。)又は水素を示す(但し、X及びYの少なくとも一方はビニル基を有する。)。}
で表されることを特徴とする新規な脂環式ビニルエーテルを提供する。
【0013】
本発明は、又、式
【化7】
Figure 0004452037
で表される上記脂環式ビニルエーテルと、式
【化8】
Figure 0004452037
で表される上記脂環式ビニルエーテルとの混合物を提供する
【0014】
尚、本発明の新規な脂環式ビニルエーテル、つまり、ペンタシクロペンタデカン骨格を有するビニルエーテルは、反応容器にペンタシクロペンタデカンジオ−ル等と、水酸化カリウム、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等を導入して、減圧下で反応させたのち、この反応液をアセチレン雰囲気下で反応させることにより製造される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の新規な脂環式ビニルエーテルについて、更に詳細に説明する。
【0016】
本発明の新規な脂環式ビニルエーテル、具体的には、新規なペンタシクロペンタデカン骨格を有するビニルエーテルは、式
【化9】
Figure 0004452037
或いは、式
【化10】
Figure 0004452037
で表されるものである。
【0017】
上記の式[1]で表される化合物において、Xは、-(CH2)n-OR1を示しており、ここでRはビニル基又は水素を、nは0又は1をそれぞれ示している。Yは、-(CH2)n-OR2又は水素を示しており、Rと同様にRはビニル基又は水素を、nは0又は1をそれぞれ示している。但し、Xが-(CH2)n-OR1を示し、Yが-(CH2)n-OR2を示す場合、RとRはその少なくとも一方がビニル基を示し、Rが水素を示す場合、Rはビニル基を示すから、この本発明の新規な脂環式ビニルエーテルは、分子中に少なくとも1つのビニル基を有するものである。
【0018】
更に、上記の式[2]で表される化合物において、Xは、-(CH2)n-OR又は水素を示しており、ここでRはビニル基を、nは0又は1をそれぞれ示している。Yは、-(CH2)n-OR又は水素を示しており、Rはビニル基又は水素を、nは0又は1をそれぞれ示している。但し、XとYの双方が水素であることはなく、その少なくとも一方は-(CH2)n-OR3又は-(CH2)n-OR4を示し、且つ、RとRはその少なくとも一方がビニル基を示すから、この本発明の新規な脂環式ビニルエーテルは、分子中に少なくとも1つのビニル基を有するものである。
【0019】
更に、本発明の新規な脂環式ビニルエーテル、具体的には、新規なペンタシクロペンタデカン骨格を有するビニルエーテルは、式
【化11】
Figure 0004452037
で表される化合物と、式
【化12】
Figure 0004452037
で表される化合物との異性体混合物であっても差し支えない。尚、X、Yのは上記と同様である。
【0020】
尚、本発明の新規な脂環式ビニルエーテルは、例えばペンタシクロペンタデカンジメタノール或いはペンタシクロペンタデカンジオ−ルから誘導することができるものであり、これらのアルコールが前記2種類の式で表される異性体混合物である場合、得られる本発明のペンタシクロペンタデカン骨格を有するビニルエーテルも上記2種類の式で表される異性体の混合物となり、それらの割合には、前記アルコールの異性体の混合割合(例えば、85:15)が反映されている。
【0021】
又、上記の場合、ペンタシクロデカン骨格を有するビニルエーテルを製造する際の原料であるペンタシクロペンタデカン骨格を有するアルコールから、前記2種類の式で表される異性体に対応するそれぞれのアルコール化合物を分離すれば、得られるペンタシクロデカン骨格を有するビニルエーテルは、上記2種類の式で表される異性体のうちの一方となる。
【0022】
上記ペンタシクロデカン骨格を有するビニルエーテルを製造するための原料である、ペンタシクロペンタデカンジメタノール及びペンタシクロペンタデカンジオ−ルは、公知のトリシクロペンタジエンのヒドロホルミル化反応したのち水化反応、及びエポキシ化反応したのち水素化反応によって製造することができる。
【0023】
上記の公知の方法によって製造された原料であるアルコールは、下式によって示されるものが用いられる。
【0024】
【化13】
Figure 0004452037
【0025】
上記の原料により、本発明の新規な脂環式ビニルエーテル、具体的にはジビニルエーテル類、モノヒドロキシ−モノビニルエーテル類やモノビニルエーテル類を製造するための方法としては特に制限はなく、ビニル基交換等、公知の合成方法を採用することができるが、効率面からは無置換のアセチレンを用いる方法が望ましい。即ち、例えば上記のアルコールを、塩基性化合物である水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属化合物の存在下、反応溶媒として極性非プロトン溶媒である1,3−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、N−メチルピロリドン(NMP)等を導入し、減圧下にて100〜200℃の温度で反応させ、得られた反応液を所定の反応容器に導入し、アセチレン雰囲気下に、100〜200℃の温度で反応させ、反応液を回収、溶媒を留去し、抽出、精製等することにより、目的の化合物を得ることができるのである。
【0026】
上記のような方法により製造することのできる本発明の新規な脂環式ビニルエーテルの例を以下に挙げる。
【0027】
【化14】
Figure 0004452037
【0028】
【実施例】
以下に実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0029】
実施例1・・・ペンタシクロペンタデカンジメチルジビニルエーテル:化学式[
ガラス製フラスコにペンタシクロペンタデカンジメタノール(化学式[])100g(0.38mol)、水酸化カリウム2.14g(10mol%)、1,3−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)400gを導入し、減圧下(12mmHg)、120℃で反応させた。この反応液をステンレス製オートクレーブに導入し、0.02MPaのアセチレン雰囲気下、120℃で5時間反応させた。反応液を回収、溶媒を留去した後、残査をトルエン/メタノール/水で抽出し、トルエン相を回収した。トルエン相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾別し、シリカゲルカラムによる精製により、粗ペンタシクロペンタデカンジメチルジビニルエーテル37.86gを得た。更に、蒸留を行って、目的のペンタシクロペンタデカンジメチルジビニルエーテル11.64gを得た。
【0030】
生成物の構造は、1H及び13C NMRスペクトル、IRスペクトル及び元素分析により決定した。
【0031】
1H-NMRスペクトルでは、脂環骨格に基づくピークが0.8〜2.5ppmに、ビニル基に基づくピークが3.9、4.1、6.4ppmに観測され、ペンタシクロペンタデカンジメチルジビニルエーテルが生成していることが支持された。
【0032】
13C- NMRスペクトルでは、ビニル基に基づくピークが85、151ppm付近に、メチレン基に基づくピークが72ppm付近に観測され、ペンタシクロペンタデカンジメチルジビニルエーテルが生成していることが支持される。
【0033】
IRスペクトルでは、エーテル基に由来するピークが107、1200cm-1付近に、ビニル基に由来するピークが1610〜1650cm-1付近に観測され、ビニルエーテルの生成が示唆された。
【0034】
一方、元素分析は、理論値、炭素:80.21%、水素:9.62%、酸素:10.18%に対し、実測値、炭素:80.52%、水素:9.76%、酸素:9.72%であり、良い一致を示し、以上の分析結果から、本目的物がペンタシクロペンタデカンジメチルジビニルエーテルであることが確認された。
【0035】
実施例2 ・・・ペンタシクロペンタデカンジビニルエーテル:化学式[
ガラス製フラスコにペンタシクロペンタデカンジオール(化学式[])150g(0.64mol)、水酸化カリウム7.20g(20mol%)、DMI 350gを導入し、減圧下(12mmHg)、120℃で反応させた。この反応液をステンレス製オートクレーブに導入し、0.02MPaのアセチレン雰囲気下、145℃で2.5時間反応させた。反応液を回収、溶媒を留去した後、残査をトルエン/メタノール/水で抽出し、トルエン相を回収した。トルエン相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾別し、シリカゲルカラムによる精製により、粗ペンタシクロペンタデカンジビニルエーテル38.76gを得た。更に、蒸留を行って、目的のペンタシクロペンタデカンジビニルエーテル30.18gを得た。
【0036】
生成物の構造は、1H及び13C NMRスペクトル、IRスペクトル、及び元素分析により決定した。
【0037】
1H-NMRスペクトルでは、脂環骨格に基づくピークが1.0〜2.5、3.4ppmに、ビニル基に基づくピークが3.9、4.1、6.3ppmに観測され、ペンタシクロペンタデカンジビニルエーテルが生成していることが支持された。
【0038】
13C- NMRスペクトルでは、ビニル基に基づくピークが87、150ppm付近に観測され、ペンタシクロペンタデカンジビニルエーテルが生成していることが支持された。
【0039】
IRスペクトルでは、エーテル基に由来するピークが1070、1200cm-1付近に、ビニル基に由来するピークが1610〜1640cm-1付近に観測され、ビニルエーテルの生成が示唆された。
【0040】
一方、元素分析は、理論値、炭素:79.68%、水素:9.15%、酸素:11.17%に対し、実測値、炭素:80.56%、水素:9.54%、酸素:9.90%であり、良い一致を示し、以上の分析結果から、本目的物がペンタシクロペンタデカンジビニルエーテルであることが確認された。
【0041】
実施例3・・・ペンタシクロペンタデカンジメチルモノヒドロキシモノビニルエーテル:化学式[
ガラス製フラスコにペンタシクロペンタデカンジメタノール(化学式[])100g(0.38mol)、水酸化カリウム2.14g(10mol%)、DMI400gを導入し、減圧下(12mmHg)、120℃で反応させた。この反応液をステンレス製オートクレーブに導入し、0.02MPaのアセチレン雰囲気下、120℃で5時間反応させた。反応液を回収、溶媒を留去した後、残さをトルエン/メタノール/水で抽出し、トルエン相を回収した。トルエン相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾別し、シリカゲルカラムによる精製により、粗ペンタシクロペンタデカンジメチルモノヒドロキシモノビニルエーテル32.84gを得た。更に、蒸留を行って、目的のペンタシクロペンタデカンジメチルモノヒドロキシモノビニルエーテル18.68gを得た。
【0042】
生成物の構造は、1H及び13C NMRスペクトル、IRスペクトル、及び元素分析により決定した。
【0043】
1H-NMRスペクトルでは、脂環骨格に基づくピークが0.8〜2.3ppmに、ビニル基に基づくピークが3.9、4.1、6.4ppmに観測され、ペンタシクロペンタデカンジメチルモノヒドロキシモノビニルエーテルが生成していることが支持された。
【0044】
13C- NMRスペクトルでは、ビニル基に基づくピークが85、151ppm付近に、メチレン基に基づくピークが72ppm付近に観測され、ペンタシクロペンタデカンジメチルモノヒドロキシモノビニルエーテルが生成していることが支持された。
【0045】
IRスペクトルでは、ビニル基に由来するピークが1610〜1640cm-1付近に、ヒドロキシ基に由来するピークが3300cm-1付近に観測され、ビニルエーテルの生成が示唆された。
【0046】
一方、元素分析は、理論値、炭素:79.12%、水素:9.79%、酸素11.09%に対し、実測値、炭素:78.50%、水素:9.97%、酸素:11.53%であり、良い一致を示し、以上の分析結果から、本目的物がペンタシクロペンタデカンジメチルモノヒドロキシモノビニルエーテルであることが確認された。
【0047】
実施例4・・・ペンタシクロペンタデカンモノヒドロキシモノビニルエーテル:化学式[10
ガラス製フラスコにペンタシクロペンタデカンジオール(化学式[])150g(0.64mol)、水酸化カリウム7.20g(20mol%)、DMI350gを導入し、減圧下(12mmHg)、120℃で反応させた。この反応液をステンレス製オートクレーブに導入し、0.02MPaのアセチレン雰囲気下、145℃で2.5時間反応させた。反応液を回収、溶媒を留去した後、残さをトルエン/メタノール/水で抽出し、トルエン相を回収した。トルエン相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾別し、シリカゲルカラムによる精製により、粗ペンタシクロペンタデカンモノヒドロキシモノビニルエーテル62gを得た。更に、蒸留を行って、目的のペンタシクロペンタデカンモノヒドロキシモノビニルエーテル45.22gを得た。
【0048】
生成物の構造は、1H及び13C NMRスペクトル、IRスペクトル、及び元素分析により決定した。
【0049】
1H-NMRスペクトルでは、脂環骨格に基づくピークが0.8〜2.4、3.4ppmに、ビニル基に基づくピークが4.0、4.2、6.5ppmに観測され、ペンタシクロペンタデカンジメチルモノヒドロキシモノビニルエーテルが生成していることが支持された。
【0050】
13C- NMRスペクトルでは、ビニル基に基づくピークが85、151ppm付近に観測され、ペンタシクロペンタデカンモノヒドロキシモノビニルエーテルが生成していることが支持された。
【0051】
IRスペクトルでは、ビニル基に由来するピークが1610〜1640cm-1付近に、ヒドロキシ基に由来するピークが3300cm-1付近に観測され、ビニルエーテルの生成が示唆された。
【0052】
一方、元素分析は、理論値、炭素:78.42%、水素:9.29%、酸素:12.29%に対し、実測値、炭素:78.85%、水素:9.69%、酸素:11.46%であり、良い一致を示し、以上の分析結果から、本目的物のペンタシクロペンタデカンモノヒドロキシモノビニルエーテルであることが確認された。
【0053】
実施例…ペンタシクロペンタデカンモノメチルビニルエーテル:化学式[11
ガラス製フラスコにペンタシクロペンタデカンモノメタノール(化学式[])207.02g(0.94mol)、水酸化カリウム5.71g(10mol%)、DMI502.20gを導入し、減圧下(12mmHg)、120℃で反応させた。この反応液をステンレス製オートクレーブに導入し、0.02MPaのアセチレン雰囲気下、130℃で5時間反応させた。反応液を回収、溶媒を留去した後、残さをヘキサン/メタノール/水で抽出し、ヘキサン相を回収した。ヘキサン相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾別し、減圧乾燥することにより、粗ペンタシクロペンタデカンモノメチルビニルエーテル171.47gを得た。シリカゲルカラムによる精製、蒸留を行って、目的のペンタシクロペンタデカンモノメチルビニルエーテル114.22gを得た。
【0054】
生成物の構造は、1H及び13C NMRスペクトル、IRスペクトル、及び元素分析により決定した。
【0055】
1H-NMRスペクトルでは、脂環骨格に基づくピークが0.8〜2.4ppmに、ビニル基に基づくピークが3.9、4.1、6.4ppmに観測され、ペンタシクロペンタデカンモノメチルビニルエーテルが生成していることが支持された。
【0056】
13C- NMRスペクトルでは、ビニル基に基づくピークが85、151ppm付近に、メチレン基に基づくピークが71ppm付近に観測され、ペンタシクロペンタデカンモノメチルビニルエーテルが生成していることが支持された。
【0057】
IRスペクトルでは、エーテル基に由来するピークが1070、1200cm-1付近に、ビニル基に由来するピークが1610〜1650cm-1付近に観測され、ビニルエーテルの生成が示唆された。
【0058】
一方、元素分析は、理論値、炭素:83.67%、水素:10.14%、酸素:6.19%に対し、実測値、炭素:84.09%、水素:10.42%、酸素:5.49%であり、良い一致を示し、以上の分析結果から、本目的物がペンタシクロペンタデカンモノメチルビニルエーテルであることが確認された。
【0059】
実施例・・・ペンタシクロペンタデカンモノビニルエーテル:化学式[12] ガラス製フラスコにペンタシクロペンタデカンモノオール(化学式[])185g(0.85mol)、水酸化カリウム4.76g(10mol%)、N−メチルピロリドン(NMP)500gを導入し、減圧下(40mmHg)、120℃で反応した。この反応液をステンレス製オートクレーブに導入し、0.02MPaのアセチレン雰囲気下、145℃で5時間反応させた。反応液を回収、溶媒を留去した後、残さをヘキサン/メタノール/水で抽出し、ヘキサン相を回収した。ヘキサン相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾別し、減圧乾燥することにより、粗ペンタシクロペンタデカンモノビニルエーテル39.06gを得た。更に、蒸留精製を行って、目的のペンタシクロペンタデカンモノビニルエーテル20.28gを得た。
【0060】
生成物の構造は、1H及び13C NMRスペクトル、IRスペクトル、及び元素分析により決定した。
【0061】
1H-NMRスペクトルでは、脂環骨格に基づくピークが1.2〜2.4ppm、4.0ppm付近に、ビニル基に基づくピークが4.0ppm付近、6.3ppmに観測され、ペンタシクロペンタデカンモノビニルエーテルが生成していることが支持された。
【0062】
13C- NMRスペクトルでは、ビニル基に基づくピークが86、150ppm付近に観測され、本目的物がペンタシクロペンタデカンモノビニルエーテルが生成していることが支持された。
【0063】
IRスペクトルでは、エーテル基に由来するピークが1050、1200cm-1付近に、ビニル基に由来するピークが1600〜1650cm-1付近に観測され、ビニルエーテルの生成が示唆された。
【0064】
一方、元素分析は、理論値、炭素:83.55%、水素:9.90%、酸素:6.55%に対し、実測値、炭素:84.84%、水素:10.23%、酸素:4.93%であり、良い一致を示し、以上の分析結果から、本目的物がペンタシクロペンタデカンモノビニルエーテルであることが確認された。
【0065】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明により、光学、電気電子材料用樹脂原料等として有用な、ペンタシクロペンタデカンジオール及びペンタシクロペンタデカンジメタノールから誘導される新規な脂環式ビニルエーテルを提供することが可能となる。

Claims (3)


  1. Figure 0004452037
    {Xは、-(CH2)n-OR1(Rはビニル基又は水素を、nは0又は1をそれぞれ示す。)を示し、Yは、-(CH2)n-OR2(Rはビニル基又は水素を、nは0又は1をそれぞれ示す。
    )又は水素を示す(但し、R及びRの少なくとも一方はビニル基を示す。)。}
    で表されることを特徴とする新規な脂環式ビニルエーテル。

  2. Figure 0004452037
    {Xは、-(CH2)n-OR3(Rはビニル基を、nは0又は1をそれぞれ示す。)又は水素を示し、Yは、-(CH2)n-OR4(Rはビニル基又は水素を、nは0又は1をそれぞれ示す
    。)又は水素を示す(但し、X及びYの少なくとも一方はビニル基を有する。)。}
    で表されることを特徴とする新規な脂環式ビニルエーテル。

  3. Figure 0004452037
    で表される請求項1に記載の脂環式ビニルエーテルと、式
    Figure 0004452037
    で表される請求項2に記載の脂環式ビニルエーテルとの混合物
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