JP4830394B2 - エポキシ樹脂組成物、新規フェノール樹脂、新規エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂の製造方法、エポキシ樹脂組成物の硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、新規フェノール樹脂、新規エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂の製造方法、エポキシ樹脂組成物の硬化物 Download PDF

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Description

本発明は硬化性に優れ、かつ難燃性、耐熱性などに優れる硬化物を与えるフェノール樹脂の製造方法及びエポキシ樹脂の製造方法に関する。
エポキシ樹脂及びその硬化剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物は、その硬化物において一般的に硬化時の低収縮性(寸法安定性)、電気絶縁性、耐薬品性などに優れた性能を発現する為に、最近のエレクトロニクス分野や高機能塗料分野などに広く用いられており、特に電子部品封止材料に特に適した材料として汎用されている。
近年、電子部品封止材料等の電子部品材料用途では、高周波デバイス等の技術革新やダイオキシン問題を代表とする環境問題に対応するために、従来よりも優れた難燃性、耐熱性、耐湿性、柔軟性、硬化性などの特性が強く求められている。
このような要求に対応するための手段として、2,3,6−トリメチルフェノールをホルマリンと反応させてフェノール樹脂をグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂を主剤として用い、硬化物の耐水性や密着性を改善する技術も知られている(例えば、特許文献1参照)。然し乍ら、かかる技術では、2,3,6−トリメチルフェノールがそのパラ位のみでメチレンを介して他の2,3,6−トリメチルフェノール結合するために、全て2核体の化合物になり、エポキシ化した際に硬化物の耐熱性に劣る他、その原料であるフェノール樹脂の合成反応において結晶化しやすいという問題を有していた。
特開平10−237155
本発明が解決しようとする課題は、トリアルキルフェノールを原料フェノールとして用いながらもその硬化物において高い耐熱性を発現し得るフェノール樹脂、又は該フェノール樹脂を原料とするエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物を提供し、更に、これらのフェノール樹脂及びエポキシ樹脂を工業的に簡便な方法でかつ高収率で製造する方法を提供する。
本発明者らは、前記の課題を解決するため、鋭意検討した結果、原料として用いるトリアルキルフェノールとして、一般に反応性が低いものとして知られる2,4,6−トリアルキルフェノールを用い、所定の条件下にノボラック化反応させることにより、一般に反応性が極めて低いものとして知られているにもかかわらず、前記した耐湿性及び耐熱性の物性バランスに優れたフェノール樹脂が得られ、これをエポキシ化したエポキシ樹脂も同様の性能を発現することを見出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、エポキシ樹脂と硬化剤とを必須成分とするエポキシ樹脂組成物であって、前記硬化剤が、下記構造式(1)
Figure 0004830394

(R〜Rは、それぞれ独立的に炭素原子数1〜4のアルキル基、R及びRはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。)
で表される構造を繰り返し単位とするノボラック樹脂であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物(以下、これを「エポキシ樹脂(I)」と略記する。)に関する。
本発明は、更に、エポキシ樹脂と硬化剤とを必須成分とするエポキシ樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂が、下記構造式(2)
Figure 0004830394

(R〜Rは、それぞれ独立的に、炭素原子数1〜4のアルキル基、R及びRはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
で表される構造を繰り返し単位とするノボラック型エポキシ樹脂であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物(以下、これを「エポキシ樹脂(II)」と略記する。)に関する。
本発明は、更に、下記構造式(1)
Figure 0004830394

(R〜Rは、それぞれ独立的に、炭素原子数1〜4のアルキル基、R及びRはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。)
で表される構造を繰り返し単位とするノボラック樹脂であって、かつ、150℃でのICIコーン/プレート粘度計法による値が0.1〜2.0dPa・sの範囲にあるものであることを特徴とする新規フェノール樹脂に関する。
本発明は、更に下記構造式(2)
Figure 0004830394

(Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基、R及びRはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
で表される構造を繰り返し単位とするノボラック型エポキシ樹脂であって、かつ、150℃でのICIコーン/プレート粘度計法による値が0.1〜2.0dPa・sの範囲にあるものであることを特徴とする新規エポキシ樹脂に関する。
本発明は、更に、下記構造式A1
Figure 0004830394
(式中、R〜Rは、それぞれ独立的に炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)
で表される2,4,6−トリアルキルフェノール(A)と、下記構造式B1
Figure 0004830394
(R及びRはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。)
で表される化合物(B)とを、炭素原子数1〜4のアルカンを分子構造内に有するスルホン酸(C)の存在下に反応させることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明は、更に、上記の製造方法によって得られたフェノール樹脂を(メチル)エピハロヒドリンと反応させることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法に関する。
本発明は、更に、上記エポキシ樹脂組成物(I)又は(II)を硬化させてなることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物に関する。
また、本発明は、前記製造方法によって得られたフェノール樹脂と、エピハロヒドリンとを反応させることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法に関する。
本発明によれば、トリアルキルフェノールを原料フェノールとして用いながらもその硬化物において高い耐熱性を発現し得るフェノール樹脂、及び該フェノール樹脂を原料とするエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物を提供でき、更に、これらのフェノール樹脂及びエポキシ樹脂を工業的に簡便な方法でかつ高収率で製造できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物(I)で用いるフェノール樹脂は、下記構造式(1)
Figure 0004830394

(式中、R〜Rは、それぞれ独立的に炭素原子数1〜4のアルキル基、R及びRはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。)
で表される構造を繰り返し単位とするノボラック樹脂であり、例えば、下記一般式(1−2)で表すことができる。
Figure 0004830394

(式中、R〜Rは前記構造式(1)におけるものと同義であり、nは0〜8の整数をそれぞれ表す。)
かかる構造式(1)で表される化学構造の具体例は、例えば、下記P1〜P14のものが挙げられる。




















Figure 0004830394

Figure 0004830394
ここで、エポキシ樹脂組成物の利用分野では、近年ダイオキシン問題から、ハロゲンフリーの難燃化システムの要求が高い。上記フェノール樹脂においてもその構造の選択により、硬化物の難燃性を飛躍的に向上させることができ、具体的には、前記構造式(1)においてRがメチル基であるフェノール樹脂を用いた場合、その硬化物自体にUL−94 V−0クラスの優れた難燃効果を特異的に付与することができる。かかる構造としては、具体的には、構造式P1〜P10のものが挙げられる。
また、工業的製造法が簡便である点からは前記構造式(1)中のR及びRが共に水素原子であることが好ましい。更に、得られる硬化物の難燃性と耐熱性を兼備する点からは、構造式P4〜P9に代表される、前記構造式(1)中のR又はRがナフチル基、ビフェニル基、又はこれらに更にメチル基が置換した基である事が好ましい。
また、前記フェノール樹脂は、150℃でのICIコーン/プレート粘度計法による値が0.1〜2.0dPa・sの範囲にある場合、流動性に優れたものとなり、半導体封止材料用途などにおいて無機充填剤の高充填化を図ることができる点から好ましい。
以上詳述したフェノール樹脂は、以下に詳述する本発明のフェノール樹脂の製造方法によって製造することができる。
即ち、本発明のフェノール樹脂の製造方法は、下記構造式A1
Figure 0004830394
(式中、R〜Rは、それぞれ独立的に炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)
で表される2,4,6−トリアルキルフェノール(A)(以下、単に「2,4,6−トリアルキルフェノール(A)」と略記する。)と、下記構造式B1
Figure 0004830394
(R及びRはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。)
で表される化合物(B)(以下、単に「化合物(B)」と略記する。)とを、炭素原子数1〜4のアルカンを分子構造内に有するスルホン酸(C)の存在下に反応させることを特徴としている。
ここで、原料として用いる2,4,6−トリアルキルフェノールは、通常、不活性なメタ位のみに空位点をもつも係わらず、この製造方法によれば極めて良好に反応が進行する点は特筆すべき点である。更に、トリアルキルフェノールを原料として用いる場合、従来その目的物が結晶性であることから目的物の精製が極めて困難であったにもかかわらず、この製造方法によれば、目的物であるフェノール樹脂の精製を簡便な手段により行うことができる。
上記製造方法は、具体的には前記2,4,6−トリアルキルフェノール(A)と、前記化合物(B)とを、
工程1: 炭素原子数1〜4のアルカンを分子構造内に有するスルホン酸(C)の存在下に反応させる工程、
工程2: 反応終了後、得られた反応性生物に前記化合物(B)に対して質量基準で4.5〜8倍量の非水溶性有機溶媒で反応粗生成物から目的物たるフェノール樹脂を抽出してフェノール樹脂溶液とする工程、
工程3: 工程2で得られたフェノール樹脂溶液を水洗する工程、及び、
工程4: 次いで、フェノール樹脂溶液から非水溶性有機溶媒を除去して目的物たるフェノール樹脂を得る工程、
を必須の製造工程とするものであることが生産性の点から好ましい。
本発明で用いる2,4,6−トリアルキルフェノール(A)は、2,4,6−トリメチルフェノール、2,4,6−トリエチルフェノール、2,6−ジメチル−4−t−ブチルフェノール等が挙げられる。
これらのなかでも2,4,6−トリメチルフェノールを用いた場合、前記したとおり、目的とするフェノール樹脂の硬化物自体に優れた難燃性を付与でき、難燃性と耐熱性とのバランスが良好となるため好ましい。また、この際、2,4,6−トリメチルフェノール100重量部に対し、2,4−ジメチルフェノールや2,6−ジメチルフェノールなどの混合物を5〜30重量部含むものを用いると難燃性が更に向上し、かつ溶解する温度が100℃以下になって混練性が良好となるため特に好ましい。
次に、前記化合物(B)は、具体的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、3,4−ジメチルベンズアルデヒド、ビフェニルアルデヒド、ナフチルアルデヒド等のアルデヒド化合物、ベンゾフェノン、フルオレノン、インダノン等のケトン化合物が挙げられる。これらのなかでも工業的製造方法が簡便な点からホルムアルデヒドが好ましい。
前記第1工程は、2,4,6−トリアルキルフェノール(A)と、化合物(B)とを、炭素原子数1〜4のアルカンを分子構造内に有するスルホン酸(C)の存在下に反応させる工程である。
ここで用いる炭素原子数1〜4のアルカンを分子構造内に有するスルホン酸(C)は、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸などのアルカンスルホン酸、及びこれにアルカン部分にフッ素原子を有するパーフルオロアルカンスルホン酸が挙げられる。本発明ではかかる炭素原子数1〜4のアルカンを分子構造内に有するスルホン酸(C)を反応触媒として用いることにより、一般に反応性の低い2,4,6−トリアルキルフェノール(A)を速やかに反応させることができる。
具体的反応方法は、例えば、攪拌機を内部に具備する反応容器内に2,4,6−トリアルキルフェノール(A)と、酸存在下でカルボカチオン形成能を有する2官能性化合物(B)とを仕込み、不活性ガス雰囲気下で攪拌し、前記炭素原子数1〜4のアルカンを分子構造内に有するスルホン酸(C)を、連続的乃至断続的に反応系内に加える。この際、該反応は発熱反応であるため、反応系の発熱に留意し、具体的には系内の温度が 〜 ℃の範囲を維持するように前記炭素原子数1〜4のアルカンを分子構造内に有するスルホン酸(C)を徐々に加えることが好ましい。
また、工程1における反応温度は40〜180℃であることが好ましく、前記ブロンステッド酸又は有機スルホン酸(C)を反応系へ全て加え終えた後、系内の温度を当該反応温度に昇温させることが好ましい。
ここで、前記2,4,6−トリアルキルフェノール(A)と、化合物(B)との仕込み割合は、前者/後者=10/1〜1.5/1(モル比率)の範囲であることが該2,4,6−トリアルキルフェノール(A)の反応性が高くなる点から好ましい。
また、触媒である炭素原子数1〜4のアルカンを分子構造内に有するスルホン酸(C)酸(C)の使用量は、前記(A)、(B)及び(C)の各成分の合計質量を基準にして0.1〜5質量%であることが好ましい。
上記工程1の反応は、有機溶剤の存在下で行うことができるが、本発明では反応性を高める点から有機溶媒の使用なしに行うことが好ましい。ここで使用し得る有機溶剤の具体例は、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。有機溶剤の使用量は仕込んだ原料の総重量に対して通常50〜300重量%、好ましくは100〜250重量%である。
この第1工程の反応時間は1〜10時間である。
この工程1の反応において反応の進行に伴い酸性ガス、アルコール、水等が副生する場合には、これらの副生物を系外に分留管などを用いて留去することが、反応を速やかに進行させる上で好ましい。
また、工程1において得られるフェノール樹脂の着色を抑制する点から、この反応系に酸化防止剤や還元剤を添加しても良い。酸化防止剤としては特に限定されないが、例えば2,6−ジアルキルフェノール誘導体などのヒンダードフェノール系化合物や2価のイオウ系化合物や3価のリン原子を含む亜リン酸エステル系化合物などを挙げることができる。還元剤としては、次亜リン酸、亜リン酸、チオ硫酸、亜硫酸、ハイドロサルファイトまたはこれら塩などが挙げられる。
次に、工程2は、上記工程1による反応が終了した後、得られた反応生成物に前記2官能性化合物(B)に対して質量基準で4.5〜8倍量の非水溶性有機溶媒で反応生成物から目的物たるフェノール樹脂を抽出してフェノール樹脂溶液とする工程である。
ここで用いる非水溶性有機溶媒の中でも、目的物であるフェノール樹脂の抽出効率が良好となる点から、非水溶性の脂肪族アルコール、脂肪族エーテル、及び脂肪族ケトン有機溶媒が好ましい。ここで、非水溶性の脂肪族アルコールとしては、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、シクロヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、及びジエチレングリコールが挙げられ、非水溶性の脂肪族エーテルとしては、ジエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられ、非水溶性の脂肪族ケトンとしては、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。
これらの中でも特に、沸点が100〜130℃のものであることが工程2における作業効率が良好な点から好ましく、具体的には、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、メチルイソブチルケトンが好ましい。
本発明では、上記非水溶性溶媒を前記化合物(B)に対して質量基準で4.5〜8倍量用いることを特徴としている。即ち、このように常法よりも多い非水溶性溶媒を用いることによって、目的物の抽出効率が飛躍的に高められ、またその後の水洗又は中和の工程で触媒の除去が容易になる。
ここで、本発明では前記したとおり、トリアルキルフェノールを原料に用いながらもこの工程2において目的物たるフェノール樹脂をほぼ完全に抽出できることを特徴としている。即ち、従来の2,3,6−トリアルキルフェノールを用いた場合、得られるフェノール樹脂は、非常に結晶性が強く、溶剤溶解性が低いため、用いた触媒を完全に除去するためには縮合反応後に濾過等の煩雑な操作を必要とし、かつ収率が低下してしまうという問題があり、工業的生産に不利なものであった。また、従来の2,3,6−トリアルキルフェノールを用いた場合、溶剤溶解性を改善するには、ホルマリンに対するトリメチルフェノールのモル量を減少させ、生成するn=0体を減少させることで、結晶性を低下させて溶剤溶解性を向上させることができるが、得られるフェノール樹脂とエピハロヒドリン類を反応させたエポキシ樹脂の粘度が大きく上昇してしまうものであった。従って、本発明において低粘度で且つ非結晶性のフェノール樹脂が得られる点は特筆すべき点である。
次に工程3は、工程2で得られたフェノール樹脂溶液を水洗する工程である。水洗は常法によって行うことができるが、フェノール樹脂溶液のpHが3〜7、好ましくは5〜7になるまで行うことが好ましい。また、工程3では水洗工程の前に塩基性物質を用いて予め中和処理を行ってもよい。ここで用いられる塩基性物質は、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、トリエチレンテトラミン、アニリン等が挙げられる。
次に工程4は、次いで、フェノール樹脂溶液から非水溶性有機溶媒を除去して目的物たるフェノール樹脂を得る工程である。フェノール樹脂溶液から非水溶性有機溶媒を除去する方法は、具体的には、加熱減圧蒸留によって非水溶性有機溶媒を溜去すればよい。この際の条件は、170〜200℃、3kPa以下の範囲であることが好ましい。
以上の工程1〜工程4を経て目的とするフェノール樹脂が得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物(I)は、硬化剤として以上詳述したフェノール樹脂の他に、本発明の効果を損なわない範囲で他の硬化剤と併用することができる。エポキシ樹脂組成物(I)中の全硬化剤に占める本発明のフェノール樹脂の割合が30重量%以上となる範囲、特に40重量%以上となる範囲であることが好ましい。
前記フェノール樹脂と併用されうる他の硬化剤としては、特に制限されるものではなく、例えばアミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、前記したフェノール樹脂以外のフェノ−ル系化合物、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミンやベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)の多価フェノール化合物挙げられる。
これらの中でも、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂が難燃性に優れることから好ましく、特にフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂等の高芳香族性、高水酸基当量のフェノール樹脂や窒素原子を含有するアミノトリアジン変性フェノール樹脂等の化合物を用いることが、得られる硬化物の難燃性や誘電特性が優れる点から好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物(I)で用いるエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらのなかでも、特にビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂及びキサンテン型エポキシ樹脂が、難燃性や誘電特性に優れる点から特に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物(I)におけるエポキシ樹脂と硬化剤の配合量としては、特に制限されるものではないが、得られる硬化物特性が良好である点から、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計1当量に対して、前記フェノール樹脂を含む硬化剤中の活性基が0.7〜1.5当量になる量が好ましい。
また必要に応じて本発明のエポキシ樹脂組成物(I)に硬化促進剤を適宜併用することもできる。前記硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、リン系化合物ではトリフェニルフォスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。
次に本発明のエポキシ樹脂組成物(II)で用いられるエポキシ樹脂は、前記したとおり、下記構造式(2)
Figure 0004830394

(R〜Rは、ぞれぞれ独立的に炭素原子数1〜4のアルキル基、R及びRはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
で表される構造を繰り返し単位とするノボラック型エポキシ樹脂であり、例えば、下記一般式(2−2)で表すことができる。
Figure 0004830394

(式中、R〜Rは前記構造式(2)におけるものと同義であり、nは0〜8の整数をそれぞれ表す。)
かかる構造式(1)で表される化学構造の具体例は、例えば、下記P1〜P14のものが挙げられる。
である。
前記構造式(2)で表される繰り返し単位となる構造は、具体的には、以下のものが挙げられる。
Figure 0004830394

Figure 0004830394


ここで、前記した通り、エポキシ樹脂組成物の利用分野では、近年ダイオキシン問題から、ハロゲンフリーの難燃化システムの要求が高く、上記エポキシ樹脂においてもその構造の選択により、硬化物の難燃性を飛躍的に向上させることができる。具体的には、前記構造式(1)においてRがメチル基であるエポキシ樹脂を用いた場合、その硬化物自体にUL−94 V−0クラスの優れた難燃効果を付与することができる。かかる構造としては、具体的には、構造式E1〜E10のものが挙げられる。
また、工業的製造法が簡便である点からは前記構造式(1)中のR及びRが共に水素原子であることが好ましい。更に、得られる硬化物の難燃性と耐熱性を兼備する点からは、構造式E4〜E9に代表される、前記構造式(1)中のR又はRがナフチル基、ビフェニル基、又はこれらに更にメチル基が置換した基である事が好ましい。
また、前記エポキシ樹脂は、150℃でのICIコーン/プレート粘度計法による値が0.1〜2.0dPa・sの範囲にある場合、流動性に優れたものとなり、半導体封止材料用途などにおいて無機充填剤の高充填化を図ることができる点から好ましい。
また、前記エポキシ樹脂(A)は、異なる構造単位が同一分内に存在していてもよく、また、2,4,6−位にアルキル基を有する構造のみならず、下記構造式(3)
Figure 0004830394
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R及びRはそれぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)
で表される構造のものをフェノール樹脂100質量部あたり、5〜30質量部含有することがより好ましい。
これらの中でも難燃性向上効果に特に優れることから、前記一般式(4)のRは水素原子であり、かつ、Rがそれぞれメチル基であることが難燃効果の点から好ましい。
以上詳述したエポキシ樹脂は、以下に詳述する本発明のエポキシ樹脂の製造方法によって製造することができる。
即ち、前記した本発明のフェノール樹脂の製造方法によって得られたフェノール樹脂を、(メチル)エピハロヒドリンと反応させてエポキシ樹脂を製造することができる。
当該フェノール樹脂とエピハロヒドリンとの反応は、具体的には、当該フェノール樹脂のフェノール性水酸基1モルに対し、エピハロヒドリン2〜10モルを添加し、この混合物に、当該フェノール樹脂のフェノール性水酸基1モルに対し0.9〜2.0モルの塩基性触媒を一括添加または連続的若しくは断続的に添加しながら反応させる方法が挙げられる。この際、反応温度は、20〜120℃の範囲であることが好ましく、また、反応時間は0.5〜10時間であることが好ましい。
ここで用いる塩基性触媒は固形でもその水溶液を使用してもよい。この塩基性触媒を水溶液として使用する場合、該水溶液を連続的に添加すると共に、反応混合物中から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリン類を留出せしめ、更に分液して水は除去し、回収したエピハロヒドリン類を反応混合物中に連続的に戻しながら反応を行うことがエポキシ樹脂の純度が向上する点から好ましい。
なお、工業生産を行う際、エポキシ樹脂生産の初バッチでは仕込み(メチル)エピハロヒドリンの全てを新しいものを使用するが、次バッチ以降は、粗反応生成物から回収されたエピハロヒドリンと、反応で消費される分及で消失する分に相当する新しい(メチル)エピハロヒドリンとを併用することが好ましい。
ここで使用する(メチル)エピハロヒドリンは特に限定されないが、例えばエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルエピクロルヒドリン等が挙げられる。なかでも入手が容易なことからエピクロルヒドリンが好ましい。
また、塩基性触媒も特に限定されないが、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。特にエポキシ樹脂合成反応の触媒活性に優れる点からアルカリ金属水酸化物が好ましく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。使用に際しては、これらのアルカリ金属水酸化物を10〜55質量%程度の水溶液の形態で使用してもよいし、固形の形態で使用しても構わない。
また、有機溶媒を併用することにより、エポキシ樹脂の合成における反応速度を高めることができる。このような有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、1、3−ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、また、極性を調整するために適宜二種以上を併用してもよい。
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、加熱減圧下、蒸留によって未反応のエピハロヒドリンや併用する有機溶媒を留去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂を再びトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えてさらに反応を行うこともできる。この際、反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量としては、用いるエポキシ樹脂に対して0.1〜3.0重量%の範囲が好ましい。反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することにより高純度のエポキシ樹脂を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物(II)は、以上詳述したエポキシ樹脂を主剤として用いるものであるが、本発明の特性を損なわない範囲で他のエポキシ樹脂を併用してもよい。この場合、エポキシ樹脂組成物(II)中、前記エポキシ樹脂が全エポキシ樹脂中に占める割合が30重量%以上、特に40重量%以上となる範囲であることが好ましい。
かかる併用可能な他のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。またこれらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。これらのエポキシ樹脂の中でも、特に低粘度である点では、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂が好ましく、難燃性に優れる点では、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
また、エポキシ樹脂組成物(II)で用いる硬化剤は、前記エポキシ樹脂組成物(I)で必須成分として用いるフェノールの他、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF3 −アミン錯体、グアニジン誘導体等のアミン系化合物、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等のアミド系化合物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物系化合物、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(通称、ザイロック樹脂)、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミンやベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物、及びこれらの変性物等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂と硬化剤の配合量としては、特に制限されるものではないが、得られる硬化物の機械的物性等が良好である点から、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計1当量に対して、硬化剤中の活性基が0.7〜1.5当量になる量が好ましい。
また、必要に応じて本発明のエポキシ樹脂組成物(II)に硬化促進剤を適宜併用することもできる。前記硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、リン系化合物ではトリフェニルフォスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。
以上詳述したエポキシ樹脂組成物(I)又は(II)は、より高度な難燃性を発揮させるために、封止工程での成形性や半導体装置の信頼性を低下させない範囲で、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を配合することにより、非ハロゲン系難燃性樹脂組成物とすることが可能である。
ここでいう実質的にハロゲン原子を含有しない難燃性樹脂組成物とは、難燃性付与の目的でハロゲン系の化合物を配合しなくても充分な難燃性を示す樹脂組成物を意味するものであり、例えばエポキシ樹脂に含まれるエピハロヒドリン由来の5000ppm以下程度の微量の不純物によるハロゲン原子は含まれていても良い。
前記非ハロゲン系難燃剤としては、塩素や臭素などのハロゲン原子を実質的に含有しない化合物であって、難燃剤、或いは難燃助剤としての機能を有するものであれば何等制限されるものではなく、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
前記リン系難燃剤としては、燐原子を含有する化合物であれば、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていてもよい赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
前記有機リン系化合物としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等が挙げられる。
前記リン酸エステル化合物としての具体例としては、トリフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジ2,6−キシレノールホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジクレジルホスフェート)、レゾルシニルジフェニルホスフェート等が挙げられる。
それらの配合量としては、リン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物(I)又は(II)の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100重量部中、赤リンを非ハロゲン系難燃剤として使用する場合は0.1〜2.0重量部の範囲で配合することが好ましく、有機リン化合物を使用する場合は同様に0.1〜10.0重量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜6.0重量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記リン系難燃剤を使用する場合、該リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニウム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライト、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用してもよい。
前記窒素系難燃剤としては、窒素原子を含有する化合物であれば特に制限されるものではなく、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物が好ましい。
前記窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100重量部中、0.05〜10重量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.1〜5重量部の範囲で配合することが好ましい。
前記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記シリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100重量部中、0.05〜20重量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデン化合物やアルミナを併用してもよい。
前記無機系難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等の金属水酸化物、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等の金属酸化物、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等の金属炭酸塩化合物、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等の金属粉、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物、及び低融点ガラス等が挙げられる。
前記無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100重量部中、0.05〜20重量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜15重量部の範囲で配合することが好ましい。
前記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
前記有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100重量部中、0.005〜10重量部の範囲で配合することが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物(I)又は(II)には、必要に応じて無機質充填材を配合することができる。前記無機質充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。その充填率は難燃性を向上させる点から高い方が好ましく、具体的にはエポキシ樹脂組成物(I)又は(II)の全質量に対して65重量%以上が特に好ましい。特に半導体封止材料として用いる場合には、耐湿耐半田性が向上する点から、エポキシ樹脂組成物(I)又は(II)の全質量に対して80〜95質量%であることが好ましい。
また、このように半導体封止材料用途において前記無機充填材の配合量を特に大きくする場合は溶融シリカを用いることが好ましい。前記溶融シリカは破砕状,球状のいずれでも使用可能であるが,溶融シリカの配合量を高め且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには,球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。また導電ペーストなどの用途に使用する場合は,銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物(I)又は(II)は、必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、顔料、乳化剤等の種々の配合剤を添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は,各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂,硬化剤,更に必要により硬化促進剤の配合された本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。該硬化物としては積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成形硬化物が挙げられる
本発明のエポキシ樹脂組成物(I)又は(II)は、半導体封止材料、積層板や電子回路基板等に用いられる樹脂組成物、樹脂注型材料、接着剤、ビルドアップ基板用層間絶縁材料、絶縁塗料等のコーティング材料等が挙げられ、これらの中でも、半導体封止材料に好適に用いることができる。
本発明の硬化物を得る方法としては,一般的なエポキシ樹脂組成物の硬化方法に準拠すればよいが,例えば加熱温度条件は,組み合わせる硬化剤の種類や用途等によって,適宜選択すればよいが,上記方法によって得られた組成物を,室温〜250℃程度の温度範囲で加熱すればよい。成形方法などもエポキシ樹脂組成物の一般的な方法が用いられ,特に本発明のエポキシ樹脂組成物に特有の条件は不要である。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り重量基準である。尚、150℃における溶融粘度及びGPC測定は以下の条件にて測定した。
150℃における溶融粘度:ASTM D4287に準拠
GPC:
装置 東ソー株式会社製 HLC−8220 GPC
カラム:東ソー株式会社製 TSK−GEL G2000HXL+G2000HXL+G3000HXL+G4000HXL
溶媒 :テトラヒドロフラン
流速 :1ml/min
検出器:RI
実施例1 〔フェノール樹脂(C−1)の合成〕
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに、80℃で溶解させた2,4,6−トリメチルフェノール272gを仕込み、80℃で撹拌を開始した。メタンスルホン酸3gを添加後、液温が80〜90℃の範囲を保つように、92%パラホルムアルデヒド16.3gを1時間かけて分割添加した。添加終了後、110℃まで加熱し、更に2時間反応させた。反応終了後、更にメチルイソブチルケトン1000gを加え、分液ロートに移し水洗した。次いで洗浄水が中性を示すまで水洗後、有機層から溶媒及び未反応の2,4,6−トリメチルフェノールを加熱減圧下に除去し褐色固体である本発明のフェノール樹脂(C−1)164gを得た。得られたフェノール樹脂(C−1)の軟化点は74℃、水酸基当量は154g/eq、GPCより求めた繰り返し数mは0.2であった。13C−NMR(図1)において、メチレン架橋の炭素原子に起因する30ppm付近に見られるシグナルから、2,4,6−トリメチルフェノールがホルムアルデヒドとメタ位で反応した下記構造式(C−1)で表される化合物であることを確認した。
Figure 0004830394
実施例2 〔フェノール樹脂(C−2)の合成〕
実施例1において、2,4,6−トリメチルフェノール100重量部に対し、2,4−ジメチルフェノール10重量部と2,6−ジメチルフェノール5重量部が含まれたアルキルフェノール類の混合物272gを用いた以外は実施例1と同様にして、本発明のフェノール樹脂(C−2)163gを得た。得られたフェノール樹脂(C−2)の軟化点は66℃、水酸基当量は154g/eq、GPCより求めた繰り返し数mは0.4であった。13C−NMR(図2)とマススペクトル(図3)から構造式(C−1)の一部分が2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノールで置換された構造であることを確認した。
実施例3 〔フェノール樹脂(C−3)の合成〕
実施例1において、2,4,6−トリメチルフェノール100重量部に対し、2,4−ジメチルフェノール10重量部と2,6−ジメチルフェノール5重量部が含まれたアルキルフェノール類の混合物272g、92%パラホルムアルデヒド44gを用いた以外は実施例1と同様にして、本発明のフェノール樹脂(C−3)184gを得た。得られたフェノール樹脂(C−3)の軟化点は84℃、水酸基当量は155g/eq、GPCより求めた繰り返し数mは1.1であった。
実施例4 〔フェノール樹脂(C−4)の合成〕
実施例1において、2,4,6−トリメチルフェノール100重量部に対し、2,4−ジメチルフェノール15重量部と2,6−ジメチルフェノール10重量部が含まれたアルキルフェノール類の混合物272g、92%パラホルムアルデヒド44gを用いた以外は実施例1と同様にして、本発明のフェノール樹脂(C−4)179gを得た。得られたフェノール樹脂の軟化点は81℃、水酸基当量は153g/eq、GPCより求めた繰り返し数mは1.1であった。
比較合成例1 〔フェノール樹脂(C’−1)の合成〕
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら2,3,6−トリメチルフェノール272g、トルエン272g、p−トルエンスルホン酸6.8gを仕込み、攪拌下で70℃まで昇温し、次いで35%ホルマリン水溶液60gを30分かけて滴下し、更に2時間攪拌して反応させた。その後30%水酸化ナトリウム水溶液5gを加え中和し、得られた結晶を濾過により分離し更にトルエンで数回洗浄し、乾燥させることにより下記構造式(C’−1)で表される前記特許文献1記載の化合物171gを得た。
Figure 0004830394
比較合成例2 〔フェノール樹脂(C’−2)の合成〕
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら3,5−ジメチルフェノール244g、p−トルエンスルホン酸6.1gを仕込み、攪拌下で70℃まで昇温し、次いで35%ホルマリン水溶液43gを30分かけて滴下し、更に2時間攪拌して反応させた。反応終了後、更にメチルイソブチルケトン1000gを加え、分液ロートに移し水洗した。次いで洗浄水が中性を示すまで水洗後、有機層から溶媒及び未反応の3,5−ジメチルフェノールを加熱減圧下で除去し黄色固体158gを得た。
実施例5 〔エポキシ樹脂(A−1)の合成〕
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、実施例1で得られたフェノール樹脂(C−1)154g、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)、n−ブタノール139g、テトラエチルベンジルアンモニウムクロライド2gを仕込み溶解させた。65℃に昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、49%水酸化ナトリウム水溶液90g(1.1モル)を5時間かけて滴下した。その後、同条件で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸によって留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離し、水層を除去し、油層を反応系内に戻しながら、反応を行った。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン590gとn−ブタノール177gとを加え溶解した。更にこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液10gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水150gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、褐色の粘ちょうな液体である本発明のエポキシ樹脂(A−1)を得た。該エポキシ樹脂(A−1)のエポキシ当量は233g/eq.、GPCより求めた繰り返し数nは0.2であった。13C−NMR(図4)から下記構造式(A−1)であることを確認した。
Figure 0004830394
実施例6 〔エポキシ樹脂(A−2)の合成〕
実施例5において、フェノール樹脂(C−1)154gの代わりに、実施例3で得られたフェノール樹脂(C−3)155gを用いる以外は、実施例5と同様にして褐色固体である本発明のエポキシ樹脂(A−2)を得た。該エポキシ樹脂(A−2)のエポキシ当量は237g/eq、GPCより求めた繰り返し数nは1.1であった。13C−NMR(図5)とマススペクトル(図6)から構造式(A−1)の一部分が2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノールで置換された構造であることを確認した。
実施例7 〔エポキシ樹脂(A−3)の合成〕
実施例5において、フェノール樹脂(C−1)154gの代わりに、実施例4で得られたフェノール樹脂(C−4)153gを用いる以外は実施例5と同様にして、褐色固体である本発明のエポキシ樹脂(A−3)を得た。該エポキシ樹脂(A−3)のエポキシ当量は235g/eq、GPCより求めた繰り返し数nは1.1であった。
比較合成例3 〔エポキシ樹脂(A’−1)の合成〕
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら、比較合成例1で得られた化合物(C’−1)を145g、エピクロルヒドリン370g、ジメチルスルホキシド185gを仕込み溶解させた。更に45℃に加熱しフレーク状水酸化ナトリウム40gを100分かけて分割添加し、その後、更に45℃で2時間、70℃で30分反応させた。反応終了後、ロータリーエバポレーターを使用し、130℃で加熱減圧下ジメチルスルホキシド及び過剰のエピクロルヒドリン等を留去し、残留物に402gのメチルイソブチルケトンを加え溶解した。更にこのメチルイソブチルケトンの溶液を70℃に加熱し30%水酸化ナトリウム水溶液10gを添加し1時間反応させた後、洗浄液のpHが中性となるまで水洗を繰り返した。更に水層は分離除去し、ロータリエバポレーターを使用して油層から加熱減圧下メチルイソブチルケトンを留去し、結晶性のエポキシ樹脂(A’−1)187gを得た。得られたエポキシ樹脂(A’−1)の融点は95℃、エポキシ当量は215g/eqであった。
比較合成例4 〔エポキシ樹脂(A’−2)の合成〕
実施例5において、フェノール樹脂(C−1)154gの代わりに、比較例合成例2で得られた化合物(C’−2)を131g用いる以外は実施例5と同様にして、褐色固体のエポキシ樹脂(A’−2)を得た。該エポキシ樹脂(A’−2)のエポキシ当量は213g/eqであった。
参考例1 〔エポキシ樹脂(A’−3)の合成〕
実施例5において、フェノール樹脂(C−1)154gの代わりに、三井化学株式会社製ミレックスXLC−4L 168gを用いる以外は実施例5と同様にして、褐色固体であるエポキシ樹脂(A’−3)を得た。該エポキシ樹脂(A’−3)のエポキシ当量は241g/eqであった。
実施例8〜16及び比較例1,2
上記で得られたエポキシ樹脂A−1、A−2、A−3、比較用のエポキシ樹脂としてA’1、A’−2、A’−3を用い、硬化剤としてC−1、C−3、フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製ミレックスXLC−LL)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)、難燃剤として縮合燐酸エステル(大八化学工業株式会社製PX−200)、水酸化マグネシウム(エア・ウォーター株式会社製エコーマグZ−10)、無機充填材として球状シリカ(株式会社マイクロン製S−COL)、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシトリエトキシキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM−403)、カルナバワックス(株式会社セラリカ野田製PEARL WAX No.1−P)、カーボンブラックを用いて第1表に示した組成で配合し、2本ロールを用いて85℃の温度で5分間溶融混練して本発明のエポキシ樹脂組成物である実施例8〜16、及び比較用のエポキシ樹脂組成物である比較例1〜2を得た。得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、評価用サンプルを下記の方法で作成し、ガラス転移温度、難燃性を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
ガラス転移温度:
幅12.7mm、長さ127mm、厚み1.6mmの評価用サンプルを、トランスファー成形機を用い175℃の温度で90秒成形した後、175℃の温度で5時間後硬化させた。得られた硬化物をダイヤモンドカッターにて、幅5mm、長さ54mmに切り出し試験片とした。作成した試験片のガラス転移温度を、粘弾性測定装置(レオメトリック社製 固体粘弾性測定装置RSAII、二重カレンチレバー法;周波数1Hz、昇温速度3℃/min)を用いて測定した。
難燃性:
ガラス転移温度測定用試験片作製と同様にして作成した試験片を用いUL−94試験法に準拠し、厚さ1.6mmの試験片5本を用いて、燃焼試験を行った。
Figure 0004830394
表1の脚注:
燃焼時間1:1回の接炎における最大燃焼時間(秒)
燃焼時間2:試験片5本の合計燃焼時間(秒)
実施例1で得られたフェノール樹脂の13C−NMRスペクトルである。 実施例2で得られたフェノール樹脂の13C−NMRスペクトルである。 実施例2で得られたフェノール樹脂のマススペクトルである。 実施例5で得られたエポキシ樹脂の13C−NMRスペクトルである。 実施例6で得られたエポキシ樹脂の13C−NMRスペクトルである。 実施例6で得られたエポキシ樹脂のマススペクトルである。

Claims (12)

  1. エポキシ樹脂と硬化剤とを必須成分とするエポキシ樹脂組成物であって、前記硬化剤が、下記構造式(1)
    Figure 0004830394
    (R〜Rは、それぞれ独立的に炭素原子数1〜4のアルキル基、R及びRはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。)
    で表される構造を繰り返し単位とするノボラック樹脂であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. エポキシ樹脂及び硬化剤に加え、更に無機充填剤を、組成物中80〜95質量%なる割合で含有する請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. エポキシ樹脂と硬化剤とを必須成分とするエポキシ樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂が、下記構造式(2)
    Figure 0004830394
    (R〜Rは、それぞれ独立的に、炭素原子数1〜4のアルキル基、R及びRはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
    で表される構造を繰り返し単位とするノボラック型エポキシ樹脂であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  4. エポキシ樹脂及び硬化剤に加え、更に無機充填剤を、組成物中80〜95質量%なる割合で含有する請求項3記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 下記構造式(1)
    Figure 0004830394
    (R〜Rは、それぞれ独立的に炭素原子数1〜4のアルキル基、R及びRはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。)
    で表される構造を繰り返し単位とするノボラック樹脂であって、かつ、150℃でのICIコーン/プレート粘度計法による値が0.1〜2.0dPa・sの範囲にあるものであることを特徴とする新規フェノール樹脂。
  6. 下記構造式(2)
    Figure 0004830394
    (R〜Rは、それぞれ独立的に、炭素原子数1〜4のアルキル基、R及びRはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
    で表される構造を繰り返し単位とするノボラック型エポキシ樹脂であって、かつ、150℃でのICIコーン/プレート粘度計法による値が0.1〜2.0dPa・sの範囲にあるものであることを特徴とする新規エポキシ樹脂。
  7. 下記構造式A1
    Figure 0004830394
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立的に炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)で表される2,4,6−トリアルキルフェノール(A)と、下記構造式B1
    Figure 0004830394
    (R及びRはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。)
    で表される化合物(B)とを、炭素原子数1〜4のアルカンを分子構造内に有するスルホン酸(C)の存在下に反応させることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法。
  8. 下記構造式A1
    Figure 0004830394
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立的に炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)で表される2,4,6−トリアルキルフェノール(A)と、下記構造式B1
    Figure 0004830394
    (R及びRはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。)で表される化合物(B)とを、
    工程1: 炭素原子数1〜4のアルカンを分子構造内に有するスルホン酸(C)の存在下に反応させる工程、
    工程2: 反応終了後、得られた反応生成物に前記化合物(B)に対して質量基準で4.5〜8倍量の非水溶性有機溶媒で反応生成物から目的物たるフェノール樹脂を抽出してフェノール樹脂溶液とする工程、
    工程3: 工程2で得られたフェノール樹脂溶液を水洗する工程、及び、
    工程4: 次いで、フェノール樹脂溶液から非水溶性有機溶媒を除去して目的物たるフェノール樹脂を得る工程
    を必須の製造工程とするフェノール樹脂の製造方法。
  9. 前記2,4,6−トリアルキルフェノール(A)と、前記化合物(B)との使用割合が、質量基準で前者/後者=10/1〜1.5/1なる範囲である請求項又は記載の製造方法。
  10. 請求項7〜9の何れか1つに記載の製造方法によって得られたフェノール樹脂を(メチル)エピハロヒドリンと反応させることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
  11. 請求項1又2は記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物。
  12. 請求項3又は4記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物。
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