JP2783117B2 - Tab用接着剤付きテープ - Google Patents

Tab用接着剤付きテープ

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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
    • H05K3/386Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by the use of an organic polymeric bonding layer, e.g. adhesive

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  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Wire Bonding (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はTAB(テープオートメ
ーテッドボンディング)方式と称する半導体集積回路実
装用テープ(以下、「TAB用テープ」と略す)に使用
される接着剤付きテープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】TABテープの基本構成は、通常図2に
示す通り、ポリイミドなどの耐熱性可撓性絶縁フィルム
1を基材とし、その上にポリアミドとエポキシの混合系
(「ポリアミド/エポキシ系」と略す、以下同様に「□
□□/△△△系」は、□□□と△△△の混合系を表すも
のとする)接着剤などの熱硬化型接着剤2を介して接着
された銅箔などの導体4から成っている。これらの接着
剤には、接着性・絶縁性・耐薬品性などの諸特性が要求
される。
【0003】TABテープは材料構成的にはフレキシブ
ルプリント基板(FPC)と同一であり、FPC用接着
剤としてナイロン(ポリアミド)/エポキシ系の接着剤
が古くから知られている(「接着」Vol.17,No7,pp31 〜
38(1973))。また、TABテープ用接着剤としてもポリ
アミド/エポキシ系(フェノール樹脂、ジシアンジアミ
ド(DICY)などの硬化剤を含む)が優れた性能を発
揮することはよく知られており(特開昭53−1343
65号公報、特公昭58−30755号公報、特公昭6
1−3101号公報)、また最近ではポリアミド/エポ
キシ/ポリパラビニルフェノール(イミダゾール系硬化
剤を含む)系(特開平2−15664号公報)や、ポリ
アミド/エポキシ/フェノール樹脂系(イミダゾール系
硬化剤を含む)(特開平2−143447号公報、特開
平3−217035号公報)などについても提案されて
いる。
【0004】これらの接着剤は、ナイロン(ポリアミ
ド)樹脂の優れた接着性、強靭性、耐薬品性をベースに
エポキシ樹脂とポリアミド分子鎖の活性末端基(−NH
2 、−COOH)との反応により、相互の架橋構造を形
成させると同時に、DICYやイミダゾールなどのエポ
キシ硬化剤によりエポキシ樹脂自体の架橋密度を高める
ことにより耐熱性・耐薬品性・電気絶縁性などを目的と
するレベルまで高めることが基本思想となっている。ま
たフェノール樹脂あるいはポリパラビニルフェノールな
どはその分子構造中に有するフェノール性水酸基がエポ
キシ樹脂の硬化剤として作用し、耐熱性や、電気絶縁性
などに優れた硬化物を形成することがよく知られてお
り、TAB用途の接着剤においてもポリアミド/エポキ
シ樹脂またはポリアミド/エポキシ/フェノール樹脂系
の特性を更に改質する作用がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】液晶駆動用IC(以
下、「ドライバーIC」と略す)を搭載したテープキャ
リヤパッケージ(以下、「TCP」と略す)を液晶表示
パネルに接続するには、通常、異方導電性接着剤による
熱圧着方式が採用されているが、この方式に用いるTA
B用テープの接着剤には、上記の諸特性以外に新たな性
能が必要である。すなわち、TCPのアウターリードと
液晶表示パネルのガラス表面に形成された透明電極との
間に電気的、機械的に十分な信頼性のある接続を得るた
めに異方導電性接着剤は熱硬化型のタイプに移行しつつ
あり、このため熱圧着条件は温度、圧力、時間とも強い
条件が必要となってきた。従来よりTABテープ用接着
剤としてはポリアミド/エポキシ系、ポリアミド/エポ
キシ/フェノール系、さらに硬化剤を使用する例が知ら
れている。またこれら各成分の代表的なものとしてポリ
アミドとしては、ナイロン、ダイマー酸ポリアミド、エ
ポキシ樹脂としては、ビスフェノール、フェノールノボ
ラック、クレゾールノボラック、フェノール樹脂として
は、ポリパラビニルフェノール、アルキルフェノール、
硬化剤としては、イミダゾール、アミン、酸無水物が知
られている。しかし、これらの従来の接着剤を使用した
TCPでは、特に熱硬化型の異方導電性接着剤を用いて
液晶パネルに熱圧着した場合、熱圧力によりTABテー
プの導体が接着剤中へ埋没するという重大な欠陥が生じ
るという問題がある。図3はモデル的に導体4が接着剤
2中に埋没した状態を示したものである。このような状
態になると、異方導電性接着剤に期待される本来の性能
がまったく発揮できなくなる。
【0006】また、TCPにおいてもICの信頼性向
上、或いはQFP型などパッケージ形態を通常のワイヤ
ボンディング方式によるものと同一とする考えからトラ
ンスファ成型方式による樹脂封止の検討が進んでいる
が、この場合にも従来の接着剤を用いたTCPでは成型
時の熱・圧力によりTABテープの導体が図3に示すよ
うに接着剤中に埋没してしまい本来の目的が達成できな
いという問題がある。
【0007】したがって、本発明の目的は、従来よりT
ABテープ用接着剤として必要とされた接着性、絶縁
性、耐薬品性などを有するとともに、熱硬化型異方導電
性接着剤によるTCPと液晶パネルの接続、あるいはT
AB方式ICのトランスファ成型などの熱圧力に耐え、
該工程において導体が接着剤中へ埋没することのない高
性能なTAB用接着剤付きテープを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
少なくとも、可撓性絶縁フィルムおよび該可撓性絶縁フ
ィルム上に形成された接着剤層とを有するTAB用接着
剤付きテープにおいて、該接着剤層が、(a)ポリアミ
ド樹脂および(b)エポキシ樹脂を必須成分として含む
ものであり、該エポキシ樹脂が一般式(1)
【化3】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、水素または炭素数1
〜12の炭化水素基を表し、R1 、R2 およびR3 のう
ち少なくとも2つは炭素数1〜12の炭化水素基であ
る。Gは、グリシジル基を表す。nは、0〜100の数
を表す。)で表されるノボラックタイプのエポキシ樹脂
を必須成分として含むことを特徴とするTAB用接着剤
付きテープにより達成される。
【0009】本発明のTAB用接着剤付きテープに使用
される可撓性絶縁フィルムとしては、ポリイミド、ポリ
エーテルイミド、芳香族ポリアミドなどのいわゆる耐熱
性フィルム、ポリエチレンテレフタレートまたはフレキ
シブルエポキシ/ガラスクロスなどの複合材料などが好
ましく使用できる。
【0010】上記可撓性絶縁フィルム上に接着剤層が形
成される。接着剤層は、(a)ポリアミド樹脂および
(b)エポキシ樹脂を必須成分として含むものである。
【0011】接着剤層の(a)成分であるポリアミド樹
脂は、酸とジアミンの混合物を熱重合することによって
得られるもので、メタノールなどのアルコール類を主要
成分とする混合溶剤に溶解可能なものがすべて使用でき
るが、とりわけ、ポリアミド樹脂の原料の酸成分として
炭素数が36であるジカルボン酸(いわゆる「ダイマー
酸」)を含むもの(いわゆる「ダイマー酸系ポリアミ
ド」)が好ましい。ポリアミド樹脂は一般的に吸水率が
大きいため絶縁抵抗が低くなる傾向があるが、ダイマー
酸を使用することによって、吸水率を小さくし電気絶縁
性を高くすることが可能となるためである。
【0012】ダイマー酸系ポリアミドは、ダイマー酸と
ジアミンの等モル混合物を熱重合することによって得る
ことができる。ジカルボン酸成分としてダイマー酸だけ
ではなく、アゼライン酸、セバシン酸などの他のジカル
ボン酸を共重合成分として含有していてもかまわない。
このときダイマー酸が、酸成分中で70mol%以上で
あることがより好ましい。ダイマー酸系ポリアミドの中
では、高重合度のものの方が、吸水率が比較的低く、高
湿度の雰囲気でも電気絶縁性が高くなりやすいので好ま
しい。
【0013】ジアミン成分としては、ヘキサメチレンジ
アミン、エチレンジアミン、ピペラジン、ビス(4−ア
ミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ,1,
2−メチルシクロヘキシル)メタンなどがあげられる
が、特に好ましいものは、ヘキサメチレンジアミンであ
る。ヘキサメチレンジアミンを主成分としたダイマー酸
系ポリアミドは、総合性能において優れた特性を発揮す
るため特に好ましい。また、ジアミン成分も一種だけで
はなく、二種以上混合したものも使用することができ
る。
【0014】接着剤の(b)成分であるエポキシ樹脂
は、一般式(1)
【化4】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、水素または炭素数1
〜12の炭化水素基を表し、R1 、R2 およびR3 のう
ち少なくとも2つは炭素数1〜12の炭化水素基であ
る。Gは、グリシジル基を表す。nは、0〜100の数
を表す。)で表されるノボラックタイプのエポキシ樹脂
を必須成分として含む。R1 、R2およびR3 のうち1
つだけが炭素数1〜12の炭化水素基である場合には耐
熱性が弱いために、本発明の効果を得ることはできな
い。また、3つとも炭素数1〜12の炭化水素基の場合
には合成が難しいため、実用性が乏しく、2つが炭素数
1〜12の炭化水素基であるものが好ましい。また、耐
熱性の点から、p位とo位に置換基を有するものが好ま
しいので、R1 またはR3 、およびR2 が炭素数1〜1
2の炭化水素基であることが好ましい。R1 、R2 およ
びR3 の炭素数としては、多くなるほど接着力がでやす
いが、耐熱性が低くなるため、1〜3が好ましく、1の
ときが特に好ましい。
【0015】また、(a)成分のポリアミド樹脂との相
溶性を高めるため、一般式(3)
【化5】 (式中、R5 、R6 は、フッ素、水素または炭素数1〜
6の炭化水素を表す。Gは、グリシジル基を表す。m
は、0〜100の数を表す。)で表されるビスフェノー
ル型エポキシ樹脂を本発明の必須成分であるノボラック
タイプのエポキシ樹脂に混合することができる。相溶性
は接着剤の透明性に影響し、相溶性が高くなるほど接着
剤が透明になるため、TABテープ加工時における加工
性を向上させる。かかるビスフェノール型エポキシ樹脂
と本発明の必須成分であるノボラックタイプのエポキシ
樹脂との配合割合としては、ノボラック型:ビスフェノ
ール型が20:80〜80:20が好ましく、より好ま
しくは、30:70〜70:30である。かかるビスフ
ェノール型エポキシ樹脂としては、例えば油化シェル製
Ep828が使用しうる。
【0016】本発明においては、接着剤層にフェノール
樹脂を加えることも可能である。フェノール樹脂を含む
ことによって、絶縁性をさらに向上させることができ
る。フェノール樹脂としては、アルキルフェノール樹
脂、パラフェニルフェノール樹脂等のノボラックフェノ
ール樹脂、レゾールフェノール樹脂等、公知のフェノー
ル樹脂があげられ、これらを単独または混合して使用す
ることが可能であるが、常温固体の熱硬化型のフェノー
ル樹脂を必須成分として含むことが好ましい。常温液状
の熱硬化型のもの、あるいは熱可塑型のものは耐熱性が
低く、樹脂等のモールド材によって封止する際、圧力と
温度により接着剤がとけやすく、接着力、絶縁性等の特
性が低下するおそれがあるからである。常温固体の熱硬
化型のフェノール樹脂は、フェノール樹脂中、20重量
%以上含有されていることが好ましく、より好ましく
は、40重量%以上である。常温固体の熱硬化型のフェ
ノール樹脂は、市販のものとして容易に入手しうる。具
体的には、群栄化学社製PS2780、昭和高分子社製
CKM1282、大日本インキ社製TD−2625、住
友デュレズ社製PR−175などがあげられる。
【0017】さらに、常温固体の熱硬化型のフェノール
樹脂が、一般式(2)
【化6】 (式中、R4 は、水素または炭素数1〜9の炭化水素を
表す。)で表される構造単位を含むものが本発明の目的
をより向上させるため特に好ましい。一般式(2)で表
される構造単位が多くなるほど熱押圧性が良くなるた
め、フェノール樹脂中で35重量%以上含有しているこ
とが好ましく、50重量%以上であることがより好まし
い。また、Rの炭素数としては、多くなるほどポリアミ
ド樹脂、エポキシ樹脂との相溶性が高くなるが、多くな
りすぎると熱押圧性が低下するため炭素数が4(ブチル
基)であるときが特に好ましい。また、入手のしやすさ
からt−ブチル基であることが特に好ましい。具体的に
は、上記の群栄化学社製PS2780、昭和高分子社製
CKM1282などがあげられる。
【0018】各々の成分比としては、(a)成分のポリ
アミド樹脂を100重量部とした場合、(b)成分のエ
ポキシ樹脂は10〜80重量部が好ましく、より好まし
くは20〜60重量部である。エポキシ樹脂が少なすぎ
ると、熱押圧性に弱くなりやすい。また、エポキシ樹脂
が多すぎると接着力がでにくくなる。フェノール樹脂を
含む場合は、5〜70重量部が好ましく、より好ましく
は、10〜60重量部である。フェノール樹脂が少なす
ぎると、熱押圧性が弱くなり好ましくない。また、フェ
ノール樹脂が多すぎると、接着力がでにくくなる。
【0019】上述の各成分を溶媒に溶解することによ
り、接着剤樹脂混合物溶液を得る。接着剤各成分を溶解
する溶媒としては、トルエン、キシレン、クロルベンゼ
ン、ベンジルアルコールなどの芳香族系溶媒、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアル
コールなどのアルコール系溶媒などが、それぞれ単独で
あるいは二種以上の混合溶媒として使用できる。
【0020】また、本発明においては、必要に応じ、接
着剤層の上に、保護フィルムが形成される。保護フィル
ムは防塵あるいは取扱性向上の目的から使用されるもの
で、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリフェニレンサイファイドなどが好まし
く使用される。
【0021】TAB用接着剤付きテープは、通常、次に
示す(1)、(2)のいずれかの方法で作られる。
【0022】(1)可撓性絶縁フィルムに、上記接着剤
樹脂混合物溶液を塗布・乾燥する。このとき、乾燥後の
膜厚が10〜25μm程度になるように塗布することが
好ましい。また、乾燥条件としては、通常、100〜2
00℃、1〜5分の範囲である。これに必要に応じて、
離型性のある保護フィルムを張り合わせ、目的とする幅
にスリットする。その幅は通常、35〜158mm程度
である。
【0023】(2)保護フィルムとなるべき離型性フィ
ルム上に、上記接着剤樹脂混合物溶液を上記(1)と同
様に塗布・乾燥する。該接着剤層上に必要に応じ第2の
離型フィルムを張り合わせ、上記(1)と同様に目的と
する幅にスリットする。これをあらかじめ目的の幅にス
リットされたポリイミドなどの可撓性絶縁フィルムに、
第2の離型フィルムを剥がして接着剤面を張り合わせ
る。
【0024】通常、(1)または(2)の方法で作られ
るテープの接着剤の幅は、スプロケット孔開孔予定部に
はかからないように基材である可撓性絶縁フィルムより
狭く設定されている。
【0025】本発明にかかるTAB用接着剤付きテープ
の模式的断面図を図1に示す。可撓性絶縁フィルム1か
らなる基材と、その上に接着剤2を介して接着された保
護フィルム3からなっている。
【0026】IC搭載用のTABテープは、上記TAB
用接着剤付きテープを使用して、概略次の工程を経て造
られ、かくして得られたTABテープにICが搭載され
る。る。
【0027】スプロケット穴・デバイス穴などのパン
チング工程、 保護フィルム除去・銅箔ラミネート工程、 接着剤加熱キュア工程、 フォトレジスト塗布・パターン露光・現像工程、 銅箔パターンエッチング工程、 フォトレジスト剥離工程、 (必要によりソルダーレジスト塗布工程)、 メッキ工程(スズ、半田、金など)。
【0028】以下に、本発明の作用について説明する。
【0029】実施例並びに比較例で詳しく示す通り、例
えばTABテープ用接着剤として提案されている従来の
ポリアミド樹脂/エポキシ樹脂系およびポリアミド樹脂
/エポキシ樹脂/フェノール樹脂(またはポリパラビニ
ルフェノール樹脂)系接着剤では25kg/cm2 の圧力
でTABテープの導体を押圧した場合、100〜120
℃の温度で導体が接着剤中へ埋没するのに対し、本発明
の一般式(1)
【化7】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、水素または炭素数1
〜12の炭化水素基を表し、R1 、R2 およびR3 のう
ち少なくとも2つは炭素数1〜12の炭化水素基であ
る。Gは、グリシジル基を表す。nは、0〜100の数
を表す。)で表されるノボラックタイプのエポキシ樹脂
を含むエポキシ樹脂を使用した場合は160℃でも埋没
が発生しないという劇的な作用が認められるのである。
【0030】高温での押圧力により導体の埋没現象が起
こらないと同時に、TABテープ用接着剤に必要とされ
る接着性、耐薬品性、電気絶縁性などがバランスよく保
持されていなければならないが、本発明の接着剤はこれ
らの性能についても満足すべきレベルにあることが確認
され、TAB実装分野において工業的にも非常に重要な
役割を果たし得ることがわかった。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0032】なお、本実施例における各試験は、次のよ
うにして行なった。
【0033】<熱押圧性試験方法> 性能検討用TABテープ:導体幅 200μm パターンピッチ 300μm 導体厚み 35μm 熱押圧試験装置:日本アビオニクス製 PULSE HEATE BO
NDER MODEL TCW-125 ヒータチップ 3×30mm ヘッド圧力を25kg、加圧時間を6秒にセットし、ヒ
ータ温度を10℃きざみで変えながら熱押圧テストを行
い、導体が接着剤中へ埋没し始める温度(この温度を
「熱変形温度」とする)を測定する。実用的には、熱変
形温度が150℃以上が好ましく、180℃以上である
ことがより好ましい。
【0034】<接着力測定方法> 性能検討用TABテープ:導体幅 200μm 測定機:オリエンテック製 引っ張り試験機 導体を90°方向に速度50mm/minでひきはが
し、そのときの応力を測定する。一般的には、1.0k
g/cm以上が必要である。
【0035】<絶縁性測定方法> 性能検討用TABテープ:導体幅 200μm パターンピッチ 250μm スペース 導体間隔 50μm TABテープを130℃、85%、2atm、100V
印加下で短絡するまでの時間を測定する。短絡までの時
間としては、100時間以上が好ましく、500時間以
上が特に好ましい。
【0036】実施例1 厚さ75μmのポリイミドフィルム(宇部興産社製“ユ
ーピレックス”75S)に、下記組成物を固形分濃度2
0重量%となるようにメタノール/モノクロルベンゼン
混合溶液に溶解した後、得られた接着剤溶液を乾燥膜厚
が18μmとなるように塗布し、エヤオーブンを使用し
100℃で1分、150℃で2分乾燥した。
【0037】 <接着剤組成> ポリアミド樹脂 100重量部 (Unichema社製ナイロン6・36“PRIADIT”2053、 ダイマー酸とヘキサメチレンジアミンが主成分、重量平均分子量10万、 175℃でのMI値10gr/分) ノボラック型エポキシ樹脂 60重量部 (日本化薬社製EOCN5200、R1 =R2 =メチル、R3 =H) 熱硬化型アルキルフェノール樹脂 40重量部 (群栄化学社製PS2780) 4,4´−ジアミノジフェニルメタン 5重量部 上記で得られた接着剤付きポリイミドフィルムに厚さ3
5μmの電解銅箔をロールラミネート法によって張り合
わせた。続いてエヤオーブン中で、80℃×3時間、1
00℃×5時間、150℃×5時間の条件で加熱処理
し、接着剤を硬化させた。
【0038】得られたTAB用接着剤付きテープを用い
て、常法により銅箔面にフォトレジスト塗布、パターン
露光、現像、銅箔パターンエッチング、フォトレジスト
剥離工程を経てクシ型パターンを形成した。さらに浸漬
スズメッキ液を用いて0.5μm厚みのメッキを施し性
能検討用のTABテープを作成した。
【0039】実施例2 離型処理を施した厚み25μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルムに、実施例1と同じ接着剤溶液を実施例
1と同じ方法で塗布、乾燥した。該フィルムの接着面を
厚さ125μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン
社製“カプトン”500V)にロールラミネート方式に
より120℃の温度で張り合わせて、接着剤付きポリイ
ミドフィルムを作成した。これを用いて実施例1と全く
同じ方法で性能検討用のTABテープを作成した。
【0040】実施例3 接着剤成分が下記の通りである以外は、実施例2と同じ
方法で性能検討用TABテープを作成した。
【0041】 <接着剤組成> ポリアミド樹脂 100重量部 (ヘンケル社製ナイロン“MACROMELT”6901、 アゼライン酸を約10モル%共重合成分として含む以外は実施例1のポリ アミド樹脂と同じ) ノボラック型エポキシ樹脂 20重量部 (日本化薬社製EOCN5200) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 20重量部 (油化シェル社製Ep828) 熱硬化型アルキルフェノール樹脂 50重量部 (群栄化学社製PS2780) 実施例4 接着剤成分が下記の通りである以外は、実施例2と同じ
方法で性能検討用TABテープを作成した。
【0042】 <接着剤組成> ポリアミド樹脂 100重量部 (ヘンケル社製ナイロン“MACROMELT”6901) ノボラック型エポキシ樹脂 20重量部 (日本化薬社製EOCN5200) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 20重量部 (油化シェル社製Ep828) 熱可塑型フェノール樹脂 50重量部 (群栄化学社製PSM4326) 4,4´−ジアミノジフェニルメタン 5重量部 比較例1 接着剤成分が下記組成のものを用いた以外は実施例1と
全く同じ内容の性能検討用TABテープを作成した。
【0043】 <接着剤組成> ポリアミド樹脂 100重量部 (Unichema社製ナイロン6・36“PRIADIT”2053) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 60重量部 (油化シェル社製Ep152) 熱可塑型フェノール樹脂 40重量部 (群栄化学社製PSM4326) 4,4´−ジアミノジフェニルメタン 5重量部 比較例2 接着剤成分が下記組成のものを用いた以外は実施例1と
全く同じ内容の性能検討用TABテープを作成した。
【0044】 <接着剤組成> ポリアミド樹脂 100重量部 (Unichema社製ナイロン6・36“PRIADIT”2053) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 60重量部 (油化シェル社製Ep828) 熱硬化型アルキルフェノール樹脂 40重量部 (昭和高分子社製CKM1282) 2−エチルイミダゾール 5重量部 比較例3 接着剤成分が下記組成のものを用いた以外は実施例1と
全く同じ内容の性能検討用TABテープを作成した。
【0045】 <接着剤組成> ポリアミド樹脂 100重量部 (ヘンケル社製ナイロン“MACROMELT”6901) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 20重量部 (油化シェル社製Ep152) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 20重量部 (油化シェル社製Ep828) 熱可塑型フェノール樹脂 50重量部 (群栄化学社製PSM4326) 実施例1〜4、比較例1〜3で得られたTABテープに
ついて、熱押圧性、接着力および絶縁性について上述の
方法でテストを行った。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明にかかるTAB用接着剤付きテー
プを原料とするTABテープは、従来と同様の接着性、
絶縁性、耐薬品性を有し、かつドライバーICなどのI
CをTAB方式により実装したTCPを液晶表示パネル
に熱硬化型異方導電性接着剤により接続する場合や、T
AB方式により搭載されたICをトランスファ成型方式
により樹脂封止する場合などの熱応力に耐えることがで
きるので、導体が接着剤中に埋没することがなく、高品
位なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるTAB用接着剤付きテープの模
式的断面図である。
【図2】TABテープの模式的断面図である。
【図3】TABテープの導体が接着剤中へ埋没した状態
を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1:可撓性絶縁フィルム 2:接着剤 3:保護フィルム 4:導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−217035(JP,A) 特開 平2−143447(JP,A) 実開 昭49−60041(JP,U) 特公 昭58−30755(JP,B2) 特公 昭61−3101(JP,B2) 特公 昭40−24784(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09J 7/00 - 7/02 C08G 59/00 - 59/72

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、可撓性絶縁フィルムおよび該
    可撓性絶縁フィルム上に形成された接着剤層とを有する
    TAB用接着剤付きテープにおいて、該接着剤層が、
    (a)ポリアミド樹脂および(b)エポキシ樹脂を必須
    成分として含むものであり、該エポキシ樹脂が一般式
    (1) 【化1】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、水素または炭素数1
    〜12の炭化水素基を表し、R1 、R2 およびR3 のう
    ち少なくとも2つは炭素数1〜12の炭化水素基であ
    る。Gは、グリシジル基を表す。nは、0〜100の数
    を表す。)で表されるノボラックタイプのエポキシ樹脂
    を必須成分として含むことを特徴とするTAB用接着剤
    付きテープ。
  2. 【請求項2】R1 またはR3 、およびR2 が炭素数1〜
    12の炭化水素基であることを特徴とする請求項1記載
    のTAB用接着剤付きテープ。
  3. 【請求項3】ポリアミド樹脂が、炭素数36のジカルボ
    ン酸を必須成分として含むことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のTAB用接着剤付きテープ。
  4. 【請求項4】接着剤層にフェノール樹脂を含むことを特
    徴とする請求項1〜3いずれか記載のTAB用接着剤付
    きテープ。
  5. 【請求項5】フェノール樹脂が、常温固体の熱硬化型の
    フェノール樹脂を必須成分として含むことを特徴とする
    請求項4記載のTAB用接着剤付きテープ。
  6. 【請求項6】常温固体の熱硬化型のフェノール樹脂が、
    一般式(2) 【化2】 (式中、R4 は、水素または炭素数1〜9の炭化水素を
    表す。)で表される構造単位を含むことを特徴とする請
    求項5記載のTAB用接着剤付きテープ。
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