JPH06322348A - フレキシブルプリント基板用接着剤組成物、これを用いたフレキシブルプリント基板およびtab用接着剤付きテープ - Google Patents

フレキシブルプリント基板用接着剤組成物、これを用いたフレキシブルプリント基板およびtab用接着剤付きテープ

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JPH06322348A
JPH06322348A JP11293693A JP11293693A JPH06322348A JP H06322348 A JPH06322348 A JP H06322348A JP 11293693 A JP11293693 A JP 11293693A JP 11293693 A JP11293693 A JP 11293693A JP H06322348 A JPH06322348 A JP H06322348A
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adhesive
adhesive composition
resin
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tab
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JP11293693A
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Tsutomu Inagaki
力 稲垣
Akihiro Kabashima
昭紘 椛島
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、ポリアミド樹脂およびフェノール樹
脂を必須成分として含み、該フェノール樹脂の原料成分
として、パラターシャリブチルフェノールおよび、ビス
フェノールAおよび/またはパラフェニルフェノールを
含み、かつパラターシャリブチルフェノールと、ビスフ
ェノールAおよび/またはパラフェニルフェノールの重
量比が0.5〜10であることを特徴とするFPC用接
着剤組成物に関する。 【効果】本発明にかかるFPC基板用接着剤組成物を用
いたFPC基板やTABテープを用いると、TABパッ
ケージを熱硬化型の異方導電性接着テープを介して液晶
ガラスパネルに熱圧着する際や、トランスファ成型方式
による樹脂封止をする際に、導体が接着剤中へ埋没する
ことのない熱押圧性に優れた高品位なFPC基板やTA
Bテープを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフレキシブルプリント基
板(以下、「FPC基板」と略す)用接着剤組成物に関
するものであり、さらに詳しくはTAB(テープオート
メーテッドボンディング)方式と称する半導体集積回路
実装用テープ(以下、「TABテープ」と略す)に好ま
しく使用される接着剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】FPC基板の基本構成は、通常図1に示
す通り、ポリイミドなどの耐熱性有機絶縁フィルム1を
基材とし、その上にポリアミドとエポキシの混合系
(「ポリアミド/エポキシ系」と略す、以下同様に「□
□□/△△△系」は、□□□と△△△の混合系を表すも
のとする)接着剤などの熱硬化型接着剤2を介して接着
された銅箔などの導体4から成っている。これらの接着
剤には、接着性・絶縁性・耐薬品性などの諸特性が要求
される。また、TABテープは基本的にFPC基板と同
一のものであり、材料構成および要求される諸特性も基
本的には共通のものであるが、要求特性の厳しさにより
使い分けられている。
【0003】FPC用接着剤としてはナイロン(ポリア
ミド)/エポキシ系(「接着」Vol.17,No7,pp31 〜38(1
973)、特開昭53−38169号公報、特公平3−83
95号公報)の接着剤が知られている。また、TABテ
ープ用接着剤としてもポリアミド/エポキシ系(フェノ
ール樹脂、ジシアンジアミド(DICY)などの硬化剤
を含む)が優れた性能を発揮することはよく知られてお
り(特開昭53−134365号公報、特公昭58−3
0755号公報、特公昭61−3101号公報)、また
最近ではポリアミド/エポキシ/ポリパラビニルフェノ
ール(イミダゾール系硬化剤を含む)系(特開平2−1
5664号公報)や、ポリアミド/エポキシ/フェノー
ル樹脂系(イミダゾール系硬化剤を含む)(特開平2−
143447号公報、特開平3−217035号公報)
などについても提案されている。これらの接着剤は、ナ
イロン(ポリアミド)樹脂の優れた接着性、強靭性、耐
薬品性をベースにエポキシ樹脂とポリアミド分子鎖の活
性末端基(−NH2 、−COOH)との反応により、相
互の架橋構造を形成させると同時に、DICYやイミダ
ゾールなどのエポキシ硬化剤によりエポキシ樹脂自体の
架橋密度を高めることにより耐熱性・耐薬品性・電気絶
縁性などを目的とするレベルまで高めることが基本思想
となっている。またフェノール樹脂あるいはポリパラビ
ニルフェノールなどはその分子構造中に有するフェノー
ル性水酸基がエポキシ樹脂の硬化剤として作用し、耐熱
性や、電気絶縁性などに優れた硬化物を形成することが
よく知られており、FPC基板用途あるいはTABテ−
プ用途の接着剤においてポリアミド/エポキシ樹脂また
はポリアミド/エポキシ/フェノール樹脂あるいはポリ
アミド/フェノール樹脂系の特性を更に改質する作用が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】FPC基板とTABテ
−プは基本的には同一であり、これらの接着剤に要求さ
れる諸特性も同一であるが、以下には耐熱性についての
要求がより厳しいTABテ−プ用途を例として説明す
る。
【0005】液晶駆動用IC(以下、「ドライバーI
C」と略す)を搭載したテープキャリヤパッケージ(以
下、「TCP」と略す)を液晶表示パネルに接続するに
は、通常、異方導電性接着剤による熱圧着方式が採用さ
れているが、この方式に用いるTABテープ用の接着剤
には、上記の諸特性以外に新たな熱押圧性能が必要であ
る。すなわち、TCPのアウターリードと液晶表示パネ
ルのガラス表面に形成された透明電極との間に電気的、
機械的に十分な信頼性のある接続を得るために異方導電
性接着剤は熱硬化型のタイプに移行しつつあり、このた
め熱圧着条件は温度、圧力、時間とも強い条件が必要と
なってきた。従来よりTABテープ用接着剤としてはポ
リアミド/エポキシ系、ポリアミド/エポキシ/フェノ
ール系、さらに硬化剤を使用する例が知られている。ま
たこれら各成分の代表的なものとしてポリアミドとして
は、ナイロン、ダイマー酸ポリアミド、エポキシ樹脂と
しては、ビスフェノール、フェノールノボラック、クレ
ゾールノボラック、フェノール樹脂としては、ポリパラ
ビニルフェノール、アルキルフェノール、硬化剤として
は、イミダゾール、アミン、酸無水物が知られている。
しかし、これらの従来の接着剤を使用したTCPでは、
特に熱硬化型の異方導電性接着剤を用いて液晶パネルに
熱圧着した場合、熱圧力によりTABテープの導体が接
着剤中へ埋没するという重大な欠陥が生じるという問題
がある。図3はモデル的に導体4が接着剤2中に埋没し
た状態を示したものである。このような状態になると、
異方導電性接着剤に期待される本来の性能がまったく発
揮できなくなり、熱押圧性が必要となる。
【0006】また、TCPにおいてもICの信頼性向
上、或いはQFP型などパッケージ形態を通常のワイヤ
ボンディング方式によるものと同一とする考えからトラ
ンスファ成型方式による樹脂封止の検討が進んでいる
が、この場合にも従来の接着剤を用いたTCPでは成型
時の熱・圧力によりTABテープの導体が図3に示すよ
うに接着剤中に埋没してしまい本来の目的が達成できな
いという問題がある。
【0007】しかしながら、従来知られているこれらの
接着剤では熱押圧性が不十分で熱硬化型の異方導電性接
着剤の熱圧着条件や、トランスファ成型条件には十分耐
えられず導体が接着剤中へ埋没してしまい初期の目的が
達成できない欠点がある。
【0008】したがって、本発明の目的は、従来よりT
ABテープ用接着剤として必要とされた接着性、絶縁
性、耐薬品性などを有するとともに、熱硬化型異方導電
性接着剤によるTCPと液晶パネルの接続、あるいはT
AB方式ICのトランスファ成型などの熱圧力に耐え、
該工程において導体が接着剤中へ埋没することのない優
れた熱押圧性を有する高性能なTABテープ、すなわち
FPC基板用接着剤組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
(a)ポリアミド樹脂および(b)フェノール樹脂を必
須成分として含み、該フェノール樹脂の原料成分とし
て、パラターシャリブチルフェノールおよび、ビスフェ
ノールAおよび/またはパラフェニルフェノールを含
み、かつパラターシャリブチルフェノールと、ビスフェ
ノールAおよび/またはパラフェニルフェノールの重量
比が0.5〜10であることを特徴とするフレキシブル
プリント基板用接着剤組成物により達成される。
【0010】接着剤の(a)成分であるポリアミド樹脂
は、酸とジアミンの混合物を熱重合することによって得
られるもので、メタノールなどのアルコール類を主要成
分とする混合溶剤に溶解可能なものがすべて使用できる
が、とりわけ、ポリアミド樹脂の原料の酸成分として炭
素数が36であるジカルボン酸(いわゆる「ダイマー
酸」)を含むもの(いわゆる「ダイマー酸系ポリアミ
ド」)が好ましい。ポリアミド樹脂は一般的に吸水率が
大きいため絶縁抵抗が低くなる傾向があるが、ダイマー
酸を使用することによって、吸水率を小さくし電気絶縁
性を高くすることが可能となるためである。
【0011】ダイマー酸系ポリアミドは、ダイマー酸と
ジアミンの等モル混合物を熱重合することによって得る
ことができる。ジカルボン酸成分としてダイマー酸だけ
ではなく、アゼライン酸、セバシン酸などの他のジカル
ボン酸を共重合成分として含有していてもかまわない。
このときダイマー酸が、酸成分中で70mol%以上で
あることがより好ましい。ダイマー酸系ポリアミドの中
では、高重合度のものの方が、吸水率が比較的低く、高
湿度の雰囲気でも電気絶縁性が高くなりやすいので好ま
しい。
【0012】ジアミン成分としては、ヘキサメチレンジ
アミン、エチレンジアミン、ピペラジン、ビス(4−ア
ミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ,1,
2−メチルシクロヘキシル)メタンなどがあげられる
が、特に好ましいものは、ヘキサメチレンジアミンであ
る。ヘキサメチレンジアミンを主成分としたダイマー酸
系ポリアミドは、総合性能において優れた特性を発揮す
るため特に好ましい。また、ジアミン成分も一種だけで
はなく、二種以上混合したものも使用することができ
る。
【0013】接着剤の(b)成分であるフェノール樹脂
としては、原料成分として、パラターシャリブチルフェ
ノールおよび、ビスフェノールAおよび/またはパラフ
ェニルフェノールを含み、かつパラターシャリブチルフ
ェノールと、ビスフェノールAおよび/またはパラフェ
ニルフェノールの重量比が0.5〜10であることが必
要である。
【0014】フェノール樹脂は絶縁性向上のために添加
されるものであるが、原料成分として上記の組成のもの
を選択することにより、熱押圧性が飛躍的に向上する。
より好ましくは、該重量比が1〜8の範囲にある場合で
ある。該重量比が0.5未満の場合、ビスフェノールA
および/またはパラフェニルフェノールが多くなり過ぎ
て、接着性が低下する。一方、該重量比が10をこえる
場合(ビスフェノールAおよび/またはパラフェニルフ
ェノールが少ない場合)や、いずれも含まれない場合
は、熱押圧性が低下する。ビスフェノールAとパラフェ
ニルフェノールを併用する場合、その重量比としては、
特に限定されないが、ビスフェノールA:パラフェニル
フェノールまたはパラフェニルフェノール:ビスフェノ
ールAの重量比が5:95〜1:99の範囲が好まし
い。
【0015】また、フェノール樹脂の原料成分中、パラ
ターシャリブチルフェノールは、40〜90重量%含ま
れていることが好ましい。一方、ビスフェノールAおよ
び/またはパラフェニルフェノールは9〜80重量%含
まれていることが好ましい。これらの原料から得られる
フェノール樹脂は、共重合体であっても良いし、ブレン
ド体であっても良い。もちろん、フェノール樹脂の他の
原料成分と共重合体やブレンド体となっていても良い。
【0016】また、フェノール樹脂中に、常温固体の熱
硬化型のフェノール樹脂を必須成分として含むことが好
ましい。常温液状の熱硬化型のもの、あるいは熱可塑型
のものは耐熱性が低く、樹脂等のモールド材によって封
止する際、圧力と温度により接着剤が溶けやすく、接着
力、絶縁性等の特性が低下するおそれがあるからであ
る。
【0017】上記の原料成分(パラターシャリブチルフ
ェノールと、ビスフェノールAおよび/またはパラフェ
ニルフェノールの重量比が0.5〜10のもの)に基づ
くフェノール樹脂が常温固体の熱硬化型であっても良い
し、上記の原料成分に基づくフェノール樹脂とは別に、
常温固体の熱硬化型のフェノール樹脂がブレンドされて
いても良い。
【0018】上記の原料成分を含み、かつ常温固体の熱
硬化型であるフェノール樹脂は、市販のものとして容易
に入手しうる。具体的には、群栄化学社製PS278
0、大日本インキ社製TD−2625などが挙げられ
る。
【0019】さらに、常温固体の熱硬化型のフェノール
樹脂の中でも、一般式(1)
【化2】 (式中、R1 は、水素、炭素数1〜9の炭化水素または
フェニル基を表す。)で表される構造単位を含むものが
本発明の目的をより向上させるため特に好ましい。一般
式(1)で表される構造単位が多くなるほど熱押圧性が
良くなるため、フェノール樹脂中で35重量%以上含有
していることが好ましく、50重量%以上であることが
より好ましい。また、R1 の炭素数としては、多くなる
ほどポリアミド樹脂、エポキシ樹脂との相溶性が高くな
るが、多くなりすぎると熱押圧性が低下するため炭素数
が4(ブチル基)であるときがさらに好ましい。また、
入手のしやすさからt−ブチル基であることが特に好ま
しい。具体的には、上記の群栄化学社製PS2780、
大日本インキ社製TD−2625などがあげられる。
【0020】フェノール樹脂の原料成分として上記以外
のフェノール、パラオクチルフェノール、オルソクレゾ
ールなどを含む公知のフェノール樹脂を併用することが
できる。
【0021】本発明の接着剤組成にエポキシ樹脂を加え
ることも可能である。エポキシ樹脂を含むことによっ
て、接着性および耐薬品性を向上させることができる。
本発明に使用できるエポキシ樹脂としては、ビスフェノ
ール、フェノールノボラック、クレゾールノボラックな
どのグリシジルエーテル型エポキシ、グリシジルアミン
型エポキシなどの公知の各種エポキシ樹脂が使用可能で
ある。
【0022】また、エポキシ樹脂の硬化剤として、酸無
水物、芳香族ジアミンなどを添加することも可能であ
る。
【0023】各々の成分比としては、(a)成分のポリ
アミド樹脂を100重量部とした場合、(b)成分のフ
ェノール樹脂は10〜100重量部が好ましく、より好
ましくは20〜80重量部である。フェノール樹脂が少
なすぎると、熱押圧性に弱くなりやすい。また、フェノ
ール樹脂が多すぎると接着力がでにくくなる。エポキシ
樹脂を使用する場合、その使用量は0〜80重量部が好
ましく、より好ましくは、5〜70重量部である。エポ
キシ樹脂を追加的に含めることにより接着性が良くなる
が、多くなり過ぎると、熱押圧性が弱くなり好ましくな
い。
【0024】上述の各成分を溶媒に溶解することによ
り、接着剤組成物溶液を得る。接着剤各成分を溶解する
溶媒としては、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、
ベンジルアルコールなどの芳香族系溶媒とメタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコー
ルなどのアルコール系溶媒との混合溶媒が適している。
FPC基板の基本構成は、図1に示す通り、可撓性絶縁
フィルム1を基材とし、その上に、接着剤2を介して導
体4が積層されている。導体は、可撓性絶縁フィルムの
片面に積層されてもよいし(片面FPC)、両面に積層
されてもよい(両面FPC)。
【0025】FPC基板に使用される可撓性絶縁フィル
ムとしては、ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族
ポリアミドなどからなるいわゆる耐熱性フィルム、ポリ
エチレンテレフタレートまたはフレキシブルエポキシ/
ガラスクロスなどからなる複合材料などが好ましく使用
できる。導体としては、銅が一般的である。
【0026】FPC基板は、通常、次に示す方法で作ら
れる。
【0027】可撓性絶縁フィルムに、上記接着剤組成物
溶液を塗布、乾燥する。このとき、乾燥後の膜厚は、フ
レキシブル性のために10〜35μm程度になるように
塗布することが好ましい。また、乾燥条件としては、通
常、100〜200℃、1〜5分の範囲である。これに
銅箔を張り合わせ、加熱により接着剤を硬化させる。さ
らに、両面FPCの場合には、同様の方法により、もう
片面にも銅箔を張り合わせる。
【0028】この後、概略次の工程を経て、FPC基板
となる。
【0029】(両面FPC基板の場合には、スルーホ
ール・スタッキングのピン穴などのパンチング、ドリリ
ング工程)、 (両面FPC基板の場合には、スルーホールへの電解
あるいは無電解銅メッキ工程、 フォトレジスト塗布あるいはドライフィルム貼り付け
・パターン露光・現像工程、 銅箔パターンエッチング工程、 フォトレジストあるいはドライフィルム剥離工程、 (必要によりソルダーレジスト塗布あるいはカバーレ
イフィルムの貼り付け工程)。
【0030】次に、FPC基板の一つであるTAB用途
に本発明の接着剤が使用された場合、すなわちTAB用
接着剤付きテープについて説明する。
【0031】TAB用接着剤付きテープの模式的断面図
を図2に示す。可撓性絶縁フィルム1からなる基材と、
その上に接着剤2を介して接着された保護フィルム3か
らなっている。
【0032】保護フィルムは必要に応じ形成されるもの
である。保護フィルムは防塵あるいは取扱性の目的から
使用されるもので、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサイファイ
ドなどが好ましく使用される。
【0033】TAB用接着剤付きテープは、通常、次に
示す(1)、(2)のいずれかの方法で作られる。
【0034】(1)可撓性絶縁フィルムに、上記接着剤
組成物溶液を塗布・乾燥する。このとき、乾燥後の膜厚
が10〜25μm程度になるように塗布することが好ま
しい。また、乾燥条件としては、通常、100〜200
℃、1〜5分の範囲である。これに必要に応じて、離型
性のある保護フィルムを張り合わせ、目的とする幅にス
リットする。その幅は通常、35〜158mm程度であ
る。
【0035】(2)保護フィルムとなるべき離型性フィ
ルム上に、上記接着剤組成物溶液を上記(1)と同様に
塗布・乾燥する。該接着剤層上に必要に応じ第2の離型
フィルムを張り合わせ、上記(1)と同様に目的とする
幅にスリットする。これをあらかじめ目的の幅にスリッ
トされたポリイミドなどの可撓性絶縁フィルムに、第2
の離型フィルムを剥がして接着剤面を張り合わせる。
【0036】また、通常、基材である可撓性絶縁フィル
ムの幅は、接着剤の幅より広く設定されている。
【0037】IC搭載用のTABテープは、上記TAB
用接着剤付きテープを使用して、概略次の工程を経て造
られ、かくして得られたTABテープにICが搭載され
る。 スプロケット穴・デバイス穴などのパンチング工程、 保護フィルム除去・銅箔ラミネート工程、 接着剤加熱キュア工程、 フォトレジスト塗布・パターン露光・現像工程、 銅箔パターンエッチング工程、 フォトレジスト剥離工程、 (必要によりソルダーレジスト塗布工程)、 メッキ工程(スズ、半田、金など)。
【0038】以下に、本発明の作用について説明する。
【0039】実施例並びに比較例で詳しく示す通り、例
えばFPC用接着剤またはTABテープ用接着剤として
提案されている従来のポリアミド樹脂/エポキシ樹脂系
およびポリアミド樹脂/エポキシ樹脂/フェノール樹脂
(またはポリパラビニルフェノール樹脂)系接着剤では
25kg/cm2 の圧力でTABテープの導体を押圧し
た場合、130〜150℃の温度で導体が接着剤中へ埋
没するのに対し、本発明の一般式(1)で表されるフェ
ノール樹脂を使用した場合は200℃以上でも埋没が発
生しないという劇的な作用が認められるのである。
【0040】高温での押圧力により導体の埋没現象が起
こらず、TAB実装において非常に重要な特性を有する
ことがわかったと同時に、FPC基板用接着剤に必要と
される接着性、耐薬品性、電気絶縁性などについても本
発明の接着剤組成物はバランスよく性能を保持してお
り、満足すべきレベルにあることが確認され、FPC基
板分野において工業的にも非常に重要な役割を果たし得
ることがわかった。
【0041】本発明にかかるFPC基板用接着剤組成物
は、FPC基板用途、TABテープ用途、LOC用途、
リードフレームの固定用途、カバーレイ用途などに使用
することができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0043】なお、本実施例における各試験は、次のよ
うにして行なった。
【0044】<熱押圧性試験方法> 性能検討用FPC基板:導体幅 200μm パターンピッチ 300μm 導体厚み 35μm 熱押圧試験装置:日本アビオニクス製 PULSE HEAT BON
DER MODEL TCW-125 ヒータチップ 3×30mm ヘッド圧力を25kg、加圧時間を6秒にセットし、ヒ
ータ温度を10℃きざみで変えながら熱押圧テストを行
い、導体が接着剤中へ埋没し始める温度(この温度を
「熱変形温度」とする)を測定する。実用的には、熱変
形温度が150℃以上が好ましく、180℃以上である
ことがより好ましく、特に好ましくは200℃以上であ
る。
【0045】<接着力測定方法> 性能検討用FPC基板:導体幅 200μm 測定機:オリエンテック製 引っ張り試験機 導体を90°方向に速度50mm/minでひきはが
し、そのときの応力を測定する。一般的には、1.0k
g/cm以上が必要である。
【0046】<絶縁性測定方法> 性能検討用FPC基板:導体幅 200μm パターンピッチ 250μm スペース 導体間隔 50μm FPC基板を130℃、85%、2atm、100V印
加下で短絡するまでの時間を測定する。短絡までの時間
としては、100時間以上が好ましく、500時間以上
が特に好ましい。
【0047】実施例1 厚さ75μmのポリイミドフィルム(宇部興産製“ユー
ピレックス”75S)に、下記組成物を固形分濃度20
重量%となるようにメタノール/モノクロルベンゼン混
合溶液に溶解した後、得られた接着剤溶液を乾燥膜厚が
18μmとなるように塗布し、エヤオーブンを使用し1
00℃で1分、150℃で2分乾燥した。
【0048】 <接着剤組成> ポリアミド樹脂 100重量部 (Unichema社製ナイロン6・36“PRIADIT”2053、 ダイマー酸とヘキサメチレンジアミンが主成分、重量平均分子量10万、 175℃でのMI値10gr/分) 熱硬化型アルキルフェノール樹脂 80重量部 (群栄化学社製PS2780、原料成分としてパラターシャリブチルフェノ ール 85%、ビスフェノールA 15%からなる。) 上記で得られた接着剤付きポリイミドフィルムに厚さ3
5μmの電解銅箔をロールラミネート法によって張り合
わせた。続いてエヤオーブン中で、80℃×3時間、1
00℃×5時間、150℃×5時間の条件で加熱処理
し、接着剤を硬化させた。
【0049】得られたTAB用接着剤付きテープを用い
て、常法により銅箔面にフォトレジスト塗布、パターン
露光、現像、銅箔パターンエッチング、フォトレジスト
剥離工程を経てクシ型パターンを形成した。さらに浸漬
スズメッキ液を用いて0.5μm厚みのメッキを施し性
能検討用のFPC基板を作成した。
【0050】実施例2 離型処理を施した厚み25μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルムに、実施例1と同じ接着剤溶液を実施例
1と同じ方法で塗布、乾燥した。該フィルムの接着面を
厚さ125μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン
社製“カプトン”500V)にロールラミネート方式に
より120℃の温度で張り合わせて、接着剤付きポリイ
ミドフィルムを作成した。これを用いて実施例1と全く
同じ方法で性能検討用のFPC基板を作成した。
【0051】実施例3 接着剤成分が下記の通りである以外は、実施例2と同じ
方法で性能検討用FPC基板を作成した。
【0052】 <接着剤組成> ポリアミド樹脂 100重量部 (ヘンケル社製ナイロン“MACROMELT”6901、 アゼライン酸を約10モル%共重合成分として含む以外は実施例1のポリ アミド樹脂と同じ) 熱硬化型アルキルフェノール樹脂 75重量部 (大日本インキ社製TD−2625、原料成分としてパラターシャリブチル フェノール 50%、パラフェニルフェノール50%からなる。) 実施例4 接着剤成分が下記の通りである以外は、実施例2と同じ
方法で性能検討用FPC基板を作成した。
【0053】 <接着剤組成> ポリアミド樹脂 100重量部 (ヘンケル社製ナイロン“MACROMELT”6900) 熱硬化型アルキルフェノール樹脂 60重量部 (群栄化学社製PS2780) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 20重量部 (油化シェル社製Ep828) 比較例1 接着剤成分が下記組成のものを用いた以外は実施例1と
全く同じ内容の性能検討用FPC基板を作成した。
【0054】 <接着剤組成> ポリアミド樹脂 100重量部 (Unichema社製ナイロン6・36“PRIADIT”2053) 熱硬化型アルキルフェノール樹脂 80重量部 (昭和高分子社製CKM1636、原料成分としてパラターシャリブチルフ ェノール 100%からなる。) 比較例2 接着剤成分が下記組成のものを用いた以外は実施例1と
全く同じ内容の性能検討用FPC基板を作成した。
【0055】 <接着剤組成> ポリアミド樹脂 100重量部 (Unichema社製ナイロン6・36“PRIADIT”2053) 熱硬化型アルキルフェノール樹脂 80重量部 (昭和高分子社製CKM1282、原料成分としてパラターシャリブチルフ ェノール 80%、フェノール 20%からなる。) 比較例3 接着剤成分が下記組成のものを用いた以外は実施例1と
全く同じ内容の性能検討用FPC基板を作成した。
【0056】 <接着剤組成> ポリアミド樹脂 100重量部 (Unichema社製ナイロン6・36“PRIADIT”2053) 熱硬化型アルキルフェノール樹脂 60重量部 (昭和高分子社製CKM1282) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 20重量部 (油化シェル社製Ep828) 2−エチルイミダゾール 5重量部 実施例1〜4、比較例1〜3で得られたFPC基板につ
いて、熱押圧性、接着力および絶縁性について上述の方
法でテストを行った。結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明にかかるFPC基板用接着剤組成
物を原料とするFPC基板やTABテープは、従来と同
様の接着性、絶縁性、耐薬品性を有し、かつドライバー
ICなどのICをTAB方式により実装したTCPを液
晶表示パネルに熱硬化型異方導電性接着剤により接続す
る場合や、TAB方式により搭載されたICをトランス
ファ成型方式により樹脂封止する場合またはワイヤーボ
ンディング方式によりFPC基板にICを搭載する場合
などの熱応力に耐えることができるので、導体が接着剤
中に埋没することがなく、導体ずれの生じることのない
高品位なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】FPC基板の模式的断面図である。
【図2】TAB用接着剤付きテープの模式的断面図であ
る。
【図3】TABテープの導体が接着剤中へ埋没した状態
を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1:可撓性絶縁フィルム 2:接着剤 3:保護フィルム 4:導体
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/38 E 7011−4E

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリアミド樹脂および(b)フェノ
    ール樹脂を必須成分として含み、該フェノール樹脂の原
    料成分として、パラターシャリブチルフェノールおよ
    び、ビスフェノールAおよび/またはパラフェニルフェ
    ノールを含み、かつパラターシャリブチルフェノール
    と、ビスフェノールAおよび/またはパラフェニルフェ
    ノールの重量比が0.5〜10であることを特徴とする
    フレキシブルプリント基板用接着剤組成物。
  2. 【請求項2】フェノール樹脂が、常温固体の熱硬化型の
    フェノール樹脂を必須成分として含むことを特徴とする
    請求項1記載のフレキシブルプリント基板用接着剤組成
    物。
  3. 【請求項3】常温固体の熱硬化型のフェノール樹脂が、
    一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は、水素、炭素数1〜9の炭化水素または
    フェニル基を表す。)で表される構造単位を含むことを
    特徴とする請求項2記載のフレキシブルプリント基板用
    接着剤組成物。
  4. 【請求項4】ポリアミド樹脂が、炭素数36のジカルボ
    ン酸を必須成分として含むことを特徴とする請求項1〜
    3記載のいずれかであるフレキシブルプリント基板用接
    着剤組成物。
  5. 【請求項5】接着剤層が、さらにエポキシ樹脂を含むこ
    とを特徴とする請求項1〜4記載のいずれかであるフレ
    キシブルプリント基板用接着剤組成物。
  6. 【請求項6】可撓性絶縁フィルムの少なくとも片面に、
    接着剤層を介して導体を積層したフレキシブルプリント
    基板において、該接着剤層が請求項1〜5記載のいずれ
    かであるフレキシブルプリント基板用接着剤組成物であ
    ることを特徴とするフレキシブルプリント基板。
  7. 【請求項7】少なくとも、可撓性絶縁フィルムと、該可
    撓性絶縁フィルムの上に接着剤層とを有するTAB用接
    着剤付きテープにおいて、該接着剤層が請求項1〜5記
    載のいずれかであるフレキシブルプリント基板用接着剤
    組成物であることを特徴とするTAB用接着剤付きテー
    プ。
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